(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6463655
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年2月6日
(54)【発明の名称】チューブ結合装置及びチューブ結合装置を有するマッサージ玩具
(51)【国際特許分類】
F16B 7/20 20060101AFI20190128BHJP
F16L 37/12 20060101ALI20190128BHJP
A61H 23/02 20060101ALI20190128BHJP
【FI】
F16B7/20 C
F16L37/12
A61H23/02 330
【請求項の数】21
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-104109(P2015-104109)
(22)【出願日】2015年5月22日
(65)【公開番号】特開2015-224791(P2015-224791A)
(43)【公開日】2015年12月14日
【審査請求日】2018年5月18日
(31)【優先権主張番号】10 2014 209 929.3
(32)【優先日】2014年5月23日
(33)【優先権主張国】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】312003366
【氏名又は名称】ファン ファクトリー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(74)【代理人】
【識別番号】100119415
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 充
(72)【発明者】
【氏名】ハイコ ポーゼナー
【審査官】
熊谷 健治
(56)【参考文献】
【文献】
特表2000−502781(JP,A)
【文献】
実開昭59−034190(JP,U)
【文献】
再公表特許第2008/111514(JP,A1)
【文献】
特開2006−090493(JP,A)
【文献】
特開平01−320393(JP,A)
【文献】
特開平02−011995(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 29/00−35/00
F16L 37/00−39/06
F16B 7/00− 7/22
A61H 7/00−15/02
A61H 19/00−31/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾力性可撓性チューブ(30)と形状的に剛な接続部(40)を結合するためのチューブ結合装置(1)であって、
前記接続部(40)との形状結合的結合のための第1形状結合手段(14)を有する少なくとも1つの連結要素(4)と、
前記連結要素(4)を周において支持するリング状支持体(2)と
を含み、
前記第1形状結合手段(14)は、前記リング状支持体(2)において半径方向内側に延出すること、
前記リング状支持体(2)は、前記可撓性チューブ(30)への固定のために適合するよう構成されること、及び、
前記リング状支持体(2)の周囲に複数の連結要素(4)が分散配置され、該複数の連結要素(4)は前記リング状支持体(2)によって互いに結合されること
を特徴とする装置。
【請求項2】
前記リング状支持体(2)は、前記可撓性チューブ(30)内に材料結合的に組み込まれるために適合するよう構成されること
を特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記リング状支持体(2)は、前記連結要素(4)よりも薄くかつ接線方向に非弾力性に構成されること
を特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記リング状支持体(2)は、少なくとも部分的に網構造(10)で構成されること
を特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の装置。
【請求項5】
前記網構造(10)は、プラスチック網構造であること
を特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記網構造(10)は、その経糸及び緯糸の糸数が夫々1センチメートル当たり10〜20の範囲であり、かつ、その経糸及び緯糸の太さが夫々150〜250μmであること
を特徴とする請求項4又は5に記載の装置。
【請求項7】
4つの、5つの、6つの又は7つの連結要素(4)が、前記リング状支持体(2)の周囲に分散配置されること
を特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の装置。
【請求項8】
前記連結要素(4)は、前記第1形状結合手段(14)を構成する凹部(14)を有すること
を特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の装置。
【請求項9】
前記凹部(14)は、前記形状結合的結合を生成するために前記接続部(40)の対応する第2形状結合手段(54)が、軸方向(A)において該凹部(14)から該接続部(40)が挿入されるべき前記リング状支持体(2)の一方の軸方向端部に向かって見て後方から係合可能であるように構成された後方係合可能部分を形成すること
を特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記凹部は半径方向内側に突出する縁部(16)によって包囲され、該縁部(16)は前記リング状支持体(2)の内部自由空間の断面を小さくすること
を特徴とする請求項8又は9に記載の装置。
【請求項11】
前記連結要素(4)は、前記弾力性可撓性チューブ(30)と前記形状的に剛な接続部(40)との結合を生成する際に該接続部(40)の前記第2形状結合手段(54)を案内するための案内部(18、20)を有すること
を特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記案内部(18、20)は、軸方向(A)において前記リング状支持体(2)の軸方向端部から前記第1形状結合手段(14)に向かって該リング状支持体(2)の内部自由空間の断面をより小さくする傾斜面を有すること
を特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記連結要素(4)は、前記弾力性可撓性チューブ(30)と前記形状的に剛な接続部(40)との結合を生成する際に前記接続部(40)の前記第2形状結合手段(56)を案内するための第2案内部(20)を有し、該第2案内部(20)は、前記第1形状結合手段(14)に関し前記リング状支持体(2)の他方の軸方向端部に向かって配向されること
を特徴とする請求項11又は12に記載の装置。
【請求項14】
前記案内部(18、20)は、当該案内部(18、20)の両側部に夫々延在する横境界部(22、24)を有すること
を特徴とする請求項11〜13の何れかに記載の装置。
【請求項15】
請求項1〜14の何れかに記載の装置(1)を有するチューブ(30)であって、前記リング状支持体(2)が材料結合的結合によって当該チューブ(30)に結合されているチューブ。
【請求項16】
前記リング状支持体(2)は当該チューブ(30)に一体化され、前記第1形状結合手段(14)は当該チューブ(30)の内周側においてアクセス可能に構成されていること
を特徴とする請求項15に記載のチューブ。
【請求項17】
請求項15に記載のチューブ(30)と形状的に剛な接続部(40)から構成されるシステムであって、該形状的に剛な接続部(40)が半径方向外側の面(52)に少なくとも1つの係止ノーズ(56)を第2形状結合手段として有するシステム。
【請求項18】
形状的に剛な接続部(40)と、マッサージ玩具を駆動するための電気装置を有する玩具ボディ(42)、及び
可撓性チューブ(30)として構成されかつ前記玩具ボディ(42)に結合されてマッサージシャフトを形成する弾力性玩具ケーシング
を含むマッサージ玩具であって、
前記玩具ボディ(42)と前記玩具ケーシングは、請求項1〜14の何れかに記載の装置(1)によって結合されること
を特徴とするマッサージ玩具。
【請求項19】
チューブ結合を生成する方法であって、以下の工程
・型内において請求項1〜14の少なくとも1つに記載のチューブ結合装置を配置する工程;
・前記型へ液状プラスチックを充填する工程;
・一体化されたチューブ結合装置を有するチューブ(30)を形成するため、プラスチック材料により支持体(2)を包埋する工程
を含む方法。
【請求項20】
連結要素(4)により、前記チューブ(30)と接続部(40)とを形状結合的に結合する工程
を更に含む請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記チューブ(30)は前記接続部(40)と同じ形状剛性及び/又は弾力性を有し又は前記チューブ(30)は前記接続部(40)よりも弾力性がより大きく即ち形状の剛性がより小さく構成されること
を特徴とする請求項1〜14の何れかに記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾力性可撓性チューブと形状的に剛な接続部を結合するためのチューブ結合装置(ないし機構)に関する。本発明は、更に、チューブ結合装置を有するチューブに関する。本発明は、更に、そのようなチューブと形状的に剛な接続部から構成されるシステムに関する。本発明は、更に、形状的に剛な接続部を有する玩具ボディと可撓性チューブとして構成される弾力性玩具ケーシングを含むマッサージ玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
弾力性可撓性チューブと形状的に剛な接続部を液密的に結合することは、しばしば現れる問題である。この場合、通常は、チューブの一端が接続部に継手のように上から嵌め込まれ(外嵌され)、例えばチューブクリップを用いた締付けにより力結合的に(輪郭形状間の摩擦力による結合:kraftschluessig)固定される。更に、弾力性可撓性チューブを粘着(接着)結合によって接続部と結合することも知られている。そのような粘着結合は、とりわけ、弾力性可撓性ケーシング、例えばシリコーンボディが、通常はハードプラスチックから構成されかつマッサージ玩具のハンドグリップ(持ち手)を構成する玩具ボディと結合される冒頭に掲げたマッサージ玩具の場合、広く用いられている。そのようなマッサージ玩具の場合、チューブクリップの使用は、光学(視覚)上、衛生上及び健康上の理由から可能ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】DE 20 2013 103 173 U1
【特許文献2】DE 1 926 538
【特許文献3】DE 75 39 855 U1
【特許文献4】WO 01/63163 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
可撓性ケーシングを締付け結合によって玩具ボディと結合することも、マッサージ玩具の分野で知られている。これは、例えば、上掲特許文献1(DE 20 2013 103 173 U1)に記載されている。このマッサージ玩具では、弾力性ケーシングは、ハンドグリップのリング溝に嵌め込まれ、そこで内側及び外側締付リングによって力結合的に固定される。この措置は、一方では、玩具ケーシングと玩具ボディを結合するために多数の作業工程を必要とする点で不利であるが、他方では、結合部位には、衛生上の理由から望ましくないスリットや開口は存在しない。
【0005】
2つのチューブないし1つのチューブと接続部を形状結合的な結合(formschluessig Verbinden:輪郭形状間の嵌め合いによる結合)のための種々のチューブ結合装置は、チューブ結合の一般的分野で知られている。このタイプのチューブ結合装置は、例えば上掲特許文献2(DE 1 926 538)、同特許文献3(DE 75 39 855 U1)又は同特許文献4(WO 01/63163 A1)に記載されている。これらの3つの装置では、その都度、チューブ部分が形状的に剛な接続部に継手のように外嵌される。チューブ部分と形状的に剛な接続部の間には、例えば鉤、係止ノーズ又は突起のような種々の形状結合手段を有するリング状の中間部材が配設される。中間部材は、その内周側では、接続部の外周面と連携して作用し、その外周側では、チューブ部分の半径方向内側の面と連携して作用する。
【0006】
たしかに、この種の装置によって、チューブ部分と接続部の間に単純かつ形状結合的な(formschluessig)結合が形成され、この結合は、中間部材の形状次第では液密的であり得る。しかしながら、これらの3つの装置では、チューブ部分が、持続的な形状結合的結合を保証するために、ある程度の硬さを有することが必要とされる。
【0007】
従って、従来技術から知られている上記3つのチューブ結合装置では、弾力性可撓性チューブが継手のように接続部に外嵌される場合、持続的な結合を形成するためには、例えばチューブクリップのような付加的構成要素が常に必要となる。しかしながら、これは、冒頭に掲げたタイプのマッサージ玩具の場合、既述の理由のために、使用できない。
【0008】
それゆえ、本発明の一課題は弾力性可撓性チューブと形状的に剛な接続部を簡単な態様で持続的にかつとりわけ液密的に結合可能にするチューブ結合装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の第1の視点により、弾力性可撓性チューブと形状的に剛な接続部を結合するためのチューブ結合装置が提供される。このチューブ結合装置は、前記接続部との形状結合的結合(formschluessig:形状輪郭部と相手方形状輪郭部との間のありつぎ式結合)のための第1形状結合手段を有する少なくとも1つの連結要素と、前記連結要素を周において(umfaenglich)支持するリング状支持体を含む。該チューブ結合装置においては、更に、前記第1形状結合手段は、前記リング状支持体において半径方向内側に延出し
、前記リング状支持体は、前記可撓性チューブへの固定のために適合するよう構成され
、及び、前記リング状支持体の周囲に複数の連結要素が分散配置され、該複数の連結要素は前記リング状支持体によって互いに結合される。固定後においては、固定は最早解消されない、即ち、固定は固定部を損傷ないし破壊することなく解除されない。
【0010】
本発明において、チューブと接続部との結合が液密的であるという場合、とりわけ水密的及び/又は分泌液密的であることを意味するものとする。
【0011】
チューブが接続部よりも可撓性がより大きいないし形状的な剛性がより小さいことは好ましくはあるが、両者が形状的剛性において同じ又はほぼ同じであるないし弾力性ないし可撓性において同じないしほぼ同じである、チューブと接続部の結合も請求項1の保護範囲に含まれる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
少なくとも1つの連結要素は、接続部との形状結合的連結(結合)のための第1形状結合手段を有する。接続部は、有利には、第1形状結合手段に対応する第2形状結合手段を有する。形状結合手段は、弾力性可撓性チューブと形状的に剛な接続部との間の形状結合的連結ないし結合を可能にするために適合するよう構成される。第1形状結合手段を有する少なくとも1つの連結要素は、本発明に応じ、リング状支持体によって周において(umfaenglich)支持される。支持体は、接続部との結合領域で弾力性可撓性チューブにある程度の安定性を付与しかつチューブの弾力性を限定するよう作用する。支持体は、連結要素を周において支持し、可撓性チューブが結合領域で周において即ち接線方向において弾性的に実質的に拡張ないし伸長できないようにする。このため、支持体は、本発明に応じ、当該支持体が可撓性チューブを支持しかつ接線力を受容するように該チューブに固定されるために適合するよう構成される。有利には、リング状支持体は、例えば粘着(接着)によって、半径方向内側においてチューブに固定される。このようにして、チューブと接続部との形状結合的結合の際に生じる連結(結合)力が支持体によって受容され、かくして、弾力性可撓性チューブが形状的に剛な接続部に結合できるようになる。
【0013】
本発明の好ましい一実施形態によれば、リング状支持体は、可撓性チューブ内に材料結合的に(材料によるないし材料と材料による結合形式:stoffschluessig)組み込まれる(ないし埋め込まれる)ために適合するよう構成される。これは、とりわけ好ましい固定態様であり、支持体は、チューブの製造の際には既に、例えば射出成形、押出成形、手込め法(Handguss)等の際には既に、チューブ内に組み込まれるないし一体化されることができる。この場合、支持体は、有利には、連結要素の形状結合手段がアクセス可能であるように、チューブ内に組み込まれる。かくして、組み込まれた支持体を有するチューブが接続部に結合可能であることが保証される。
【0014】
本発明の好ましい更なる一実施形態によれば、リング状支持体は、肉薄にかつ接線方向に非弾力性(ないし非弾性)(unelastisch)に構成される。ここで、「非弾力性(unelastisch)」という概念は、リング状支持体が可撓性弾力性チューブよりも弾力性が本質的に(著しく:wesentlich)小さく、そのため、周の拡大ないし伸長に対し実質的に抵抗的である(阻害する)ものとして理解されるべきである。リング状支持体が肉薄に構成されることによって、当該支持体は、とりわけ単純かつ有利にチューブに固定されることないしチューブに組み込まれることができる。更に、リング状支持体は、ある程度の可撓性を可能にし、例えば半径方向に圧縮することないし撓むことができる。有利には、リング状支持体は、更に、軸方向においても非弾力性に構成される。
【0015】
とりわけ有利には、リング状支持体は、少なくとも部分的に網構造ないし網構造体(Gewebe)で構成される。有利には、リング状支持体は完全に網構造(場合によってはその中に配された細い支柱ないし骨を含む)から構成される。網構造は、簡単な態様で可撓性チューブに固定することができ、とりわけ良好に該チューブ内に組み込むことができる。更に、網構造は軽量であり、支持体に対し十分な強度(固さ)ないし非弾力性を与える。この場合、好ましくは、網構造の経糸は支持体の周に沿ってかつ支持体の中心軸に対し直角に整列(配向)されかつ網構造の緯糸は支持体の中心軸に沿って整列(配向)されるか、或いは、網構造の経糸及び緯糸はその反対の関係で整列(配向)される。かくして、網構造の引っ張りに対し強い方向(抗張方向)が、接線(方向)力を受容するために利用される。
【0016】
この場合、網構造はプラスチック製の網構造(プラスチック網構造)であることが好ましい。プラスチック網構造は、簡単かつコスト的に有利に製造可能である。更に、プラスチック網構造は、有利には同様にプラスチック(例えば合成ゴム又はシリコーン材料等)で形成されているチューブと容易に使用することができる。
【0017】
とりわけ好ましくは、網構造はガーゼ部材ないしガーゼ状網材(Gaze-Material:ガーゼ様の比較的目が細かく薄い網材)である。とりわけ支持体が弾力性チューブに組み込まれる場合、ガーゼは、その編み込み態様によって、弾力性チューブとのとりわけ有利かつ簡単な結合可能性を与える。更に、ガーゼは、小さい糸密度によって、より大きい剪断(ずり)弾性(Schubelastizitaet)(ないし剪断強度)を与えるため、チューブの全体の弾力性を保持することができる。
【0018】
有利には、網構造の経糸及び緯糸の糸数は、1センチメートル当たり10〜20の範囲、とりわけ好ましくは15〜20の範囲、特に凡そ16又は17である。この場合、糸の太さ(番手)は、有利には150〜250μm、とりわけ好ましくは200〜220μm、特に200μmである。この場合、網目面積(offen Siebflaeche)は、好ましくは40〜50%、とりわけ好ましくは46%である。好ましくは、経糸及び緯糸はいずれも凡そ1300N/m
2の引張強度(Zugfestigkeit)を有する。
【0019】
本発明の好ましい更なる一実施形態によれば、複数の連結要素、とりわけ4、5、6又は7の連結要素が、リング状支持体の周囲に分散配置される。ただ一つの連結要素ではなく、複数の連結要素を備えることにより、可撓性弾力性チューブと接続部との結合可能性は改善され、連結(結合)力を周に分散することができる。自発的な分解が起こり難い確実な結合が達成される。有利には、複数の連結要素は相互に等間隔で周に分散配置される。例えば4つの連結要素を備える場合、これらは有利には互いに対し90°だけずらされて配置される。連結要素が6つの場合、これらは有利には互いに対し60°だけずらされて配置される。例えば20の連結要素のような多すぎる連結要素を備えることは好ましくない。なぜなら、そのような場合、リング状支持体の可撓性は損なわれる可能性があり、チューブと接続部との間の形状結合的結合の生成が困難になるからである。
【0020】
好ましくは、個々の連結要素(複数)は、リング状支持体によって互いに結合される。例えば、連結要素(複数)は、支持体と一体的に結合されることができる。好ましくは、例えば、連結要素(複数)は、半径方向内側(内周側)においてリング状支持体に接着される。とりわけ好ましくは、連結要素(複数)は、プラスチック溶接(溶着)によって、半径方向内側(内周側)においてリング状支持体に溶接(溶着)される。1つの代替形態においては、連結要素(複数)は、リング状支持体の部分として構成され、夫々、例えば網構造(網構造体)ないし網材の断片部分によって互いに結合される。更なる一代替形態においては、連結要素(複数)と支持体は、例えばプラスチック材料によって、一体的に構成され、連結要素間の断片部分は、ホイル状をなすように、材料厚みが小さい(肉薄の)断片部分として構成される。かくして、装置のとりわけ簡単な製造可能性が達成される。
【0021】
好ましい一発展形態では、連結要素は、第1形状結合手段を構成する凹部を有する。凹部は、有利には、半径方向において連結要素の内部に向かって広がる(窪む)。
【0022】
好ましくは、凹部は、形状結合的結合を生成するために接続部の対応する第2形状結合手段が後方から係合可能であるように構成された後方係合可能部分を形成する。これは、形状結合的結合の簡単な一態様であり、同様に簡単に形成することができる。凹部は、例えば壁、ランプないしスロープ(Rampe)、段(差)の突出部、溝、係止ノーズ等によって、定義ないし画成することができる。
【0023】
好ましくは、凹部は、リング状支持体に関し半径方向内側に突出する壁部(縁部)によって包囲され、該壁部(縁部)はリング状支持体の内部自由空間の断面(の径)を小さくする。好ましくは凹部の縁(エッジ)をも構成する壁部は、有利には、支持体と連結要素(複数)がチューブに固定されているとき、とりわけチューブに組み込まれているとき、当該壁部がチューブの内周面と実質的に面一をなすよう、構成される。
【0024】
本発明の好ましい更なる一形態によれば、連結要素は、弾力性可撓性チューブと形状的に剛な接続部との結合を生成する際に該接続部の第2形状結合手段を案内するための案内部を有する。このような案内部は、一方では、当該結合の生成の際に第2形状結合手段が案内され、かくして組立者による操作が著しく容易化(単純化)されることによって、チューブと接続部との形状結合的結合(の形成)を容易にする。更に、案内部は、それに加えて、第2形状結合手段が第1形状結合手段と係合ないし嵌合し、かくして、形状結合的結合が生成されることを保証する。
【0025】
とりわけ有利には、案内部は、軸方向においてリング状支持体の軸方向端部から第1形状結合手段に向かって該リング状支持体の内部自由空間の断面をより小さくする傾斜面を有する。ランプないしスロープを形成するこのような傾斜面は、案内部を形成するための簡単な構成要素である。傾斜面は、(第1)形状結合手段から(チューブ結合)装置の軸方向端部に向って、有利にはチューブの軸方向端部に向かって、(内部)自由空間の断面(の径)を大きくし、かくして、接続部のための一種の挿入(支援)斜面を形成する。かくして、組立及びチューブと接続部の間の形状結合的結合の生成が更に容易化される。
【0026】
更に、好ましくは、連結要素が、弾力性可撓性チューブと形状的に剛な接続部との結合を生成する際に接続部の第2形状結合手段を案内するための第2案内部を有し、該第2案内部が、第1形状結合手段に関しリング状支持体の反対側の軸方向端部に向かって配向される。かくして、支持体と連結要素を含むチューブ結合装置は、リング状支持体の中心軸に対し直角をなす面に関し対称的に構成される。かくして、可撓性弾力性チューブにおける支持体及び連結要素の固定は、チューブ結合装置の軸方向の配向の如何に拘わらず行なうことができ、そのため、製造は更に容易化される。製造プロセスにおける失敗(発生)率は減少され、組立ミスは阻止される。
【0027】
更に、好ましくは、案内部は、横境界部(複数)を有する。横境界部(複数)は、有利には壁又はウェブ(Steg)として構成され、有利にはこれらは連結要素に一体的に形成される。横境界部(複数)は、有利には、(チューブ結合)装置がチューブに組み込まれているときに、案内部と可撓性弾力性チューブの材料との間の境界を形成する。かくして、一方では、組立が更に容易化され、他方では、組立の際にチューブの材料の損傷を阻止することができる。
【0028】
更に、上記の課題を解決するために、本発明の第2の視点により、上記の何れかの形態のチューブ結合装置を有するチューブが提供される。このチューブにおいては、リング状支持体が材料結合的結合によって当該チューブに結合される。なお、この限りにおいて、上記の説明全体が参照される。有利には、リング状支持体はチューブに一体化され、この場合、第1形状結合手段はチューブの内周側(内周面)においてアクセス可能に構成される。リング状支持体は、有利には、チューブの結合部分(これは有利には軸方向端部に相当する)において、チューブに一体化される。リング状支持体は、例えば、チューブの射出成形又は押出成形又は手込め法の際に、チューブに一体化できる。この場合、チューブは可撓性及び弾力性であるが、ここで、弾力性とは、例えばシリコーンチューブ又は薄肉ゴムチューブの場合のように、チューブが例えば内圧によって周において弾力的(弾性的)に伸長可能であることを意味するものとする。
【0029】
更に、上記の課題を解決するために、本発明の第3の視点により、本発明のチューブ結合装置を有する上記の何れかの形態のチューブと、形状的に剛な接続部から構成されるシステムが提供される。このシステムにおいて、形状的に剛な接続部は、半径方向外側の面に少なくとも1つの係止ノーズを第2形状結合手段として有する。なお、この限りにおいて、上記の説明全体が参照される。接続部は、有利には、連結要素に対応する個数の係止ノーズを有する。とりわけ好ましくは、連結要素(複数)は、接続部の係止ノーズが嵌合可能な上述の凹部を有する。接続部の係止ノーズは、接続部から半径方向外側に延出し、弾力性可撓性チューブの内径よりも大きい直径を規定する。それゆえ、好ましくは、連結要素(複数)は、挿入部分において係止ノーズの直径に相当するかそれより少々大きい直径を規定する有利には傾斜面としてないしランプ(ないしスロープ)として構成される案内部(複数)を有する。かくして、チューブと接続部の間の形状結合的結合(の形成)が簡単な態様で可能になる。連結要素(複数)が支持体によって相互に結合されておりかつ支持体が好ましくは網構造(網構造体)で形成されているため、連結要素相互間のある程度の相対的運動可能性が可能にされ、かくして、チューブと接続部の結合は更に容易化される。1つの代替形態においては、接続部の第2形状結合手段は凹部として構成され、かつ、連結要素の第1形状結合手段は係止ノーズとして構成される。
【0030】
更に、上記の課題を解決するために、本発明の第4の視点により、形状的に剛な接続部と、マッサージ玩具を駆動するための電気装置とを有する玩具ボディ、及び可撓性チューブとして構成されかつ前記玩具ボディに結合されてマッサージシャフトを形成する弾力性玩具ケーシングを含むマッサージ玩具が提供される。このマッサージ玩具において、前記玩具ボディと前記玩具ケーシングは、上記の何れかの形態のチューブ結合装置によって結合される。なお、この限りにおいて、上記の説明全体が参照される。このような本発明のマッサージ玩具においては、大抵は柔らかいシリコーン材料で形成され、かくして、弾力性可撓性チューブを形成する玩具ケーシングは、簡単な態様で、玩具ボディに結合することができる。かくして、大がかりな接着及び/又は溶接を不要とすることができ、玩具ケーシングと玩具ボディの間の持続的な形状結合的結合が保証される。
【0031】
更に、上記の課題を解決するために、本発明の第5の視点により、チューブ結合を生成する方法が提供される。この方法は、以下の工程:・型(成形型等)内における上記の何れかの形態のチューブ結合装置の配置;・該型への液状プラスチックの充填;・一体化されたチューブ結合装置を有するチューブを形成するための、プラスチック材料による支持体の包埋(包み込み)を含む。
【0032】
チューブ結合の生成方法は、有利には、更に、以下の工程を含む:プラスチック材料による支持体の網材料(の網目)の貫通(充填);該プラスチック材料の硬化及び/又は架橋;型からのチューブの取り出し;連結要素の形状結合要素(手段)についてプラスチック材料からの自由な(付着ないし固着されない)状態が維持されるよう、連結要素を保護するための、型のための保護要素の配置。有利には、プラスチック材料はシリコーン材料である。
【0033】
チューブ結合の生成方法は、更に、好ましくは、連結要素による、チューブと接続部との形状結合的結合の工程を更に含む。この場合、接続部は、有利には、上述した態様で構成されている。
【0034】
本発明の上記5つの視点ないし側面は、とりわけ従属請求項に規定されているような同一ないし類似の好ましい実施形態を有すると理解すべきである。
【0035】
以下に、本発明の好ましい形態を示す。
(形態1)弾力性可撓性チューブと形状的に剛な接続部を結合するためのチューブ結合装置。該チューブ結合装置は、
前記接続部との形状結合的結合のための第1形状結合手段を有する少なくとも1つの連結要素と、
前記連結要素を周において支持するリング状支持体と
を含む。
前記第1形状結合手段は、前記リング状支持体において半径方向内側に延出する。
前記リング状支持体は、前記可撓性チューブへの固定のために適合するよう構成される。
前記リング状支持体の周囲に複数の連結要素が分散配置され、該複数の連結要素は前記リング状支持体によって互いに結合される。
(形態2)形態1の装置において、前記リング状支持体は、前記可撓性チューブ内に材料結合的に組み込まれるために適合するよう構成されることが好ましい。
(形態3)形態1又は2の装置において、前記リング状支持体は、前記連結要素よりも薄くかつ接線方向に非弾力性に構成されることが好ましい。
(形態4)形態1〜3の何れかの装置において、前記リング状支持体は、少なくとも部分的に網構造で構成されることが好ましい。
(形態5)形態4の装置において、前記網構造は、プラスチック網構造であることが好ましい。
(形態6)形態4又は5の装置において、前記網構造は、その経糸及び緯糸の糸数が夫々1センチメートル当たり10〜20の範囲であり、かつ、その経糸及び緯糸の太さが夫々150〜250μmであることが好ましい。
(形態7)形態1〜6の何れかの装置において、4つの、5つの、6つの又は7つの連結要素が、前記リング状支持体の周囲に分散配置されることが好ましい。
(形態8)形態1〜7の何れかの装置において、前記連結要素は、前記第1形状結合手段を構成する凹部を有することが好ましい。
(形態9)形態8の装置において、前記凹部は、前記形状結合的結合を生成するために前記接続部の対応する第2形状結合手段が、軸方向において該凹部から該接続部が挿入されるべき前記リング状支持体の一方の軸方向端部に向かって見て後方から係合可能であるように構成された後方係合可能部分を形成することが好ましい。
(形態10)形態8又は9の装置において、前記凹部は半径方向内側に突出する縁部によって包囲され、該縁部は前記リング状支持体の内部自由空間の断面を小さくすることが好ましい。
(形態11)形態9の装置において、前記連結要素は、前記弾力性可撓性チューブと前記形状的に剛な接続部との結合を生成する際に該接続部の前記第2形状結合手段を案内するための案内部を有することが好ましい。
(形態12)形態11の装置において、前記案内部は、軸方向において前記リング状支持体の軸方向端部から前記第1形状結合手段に向かって該リング状支持体の内部自由空間の断面をより小さくする傾斜面を有することが好ましい。
(形態13)形態11又は12の装置において、前記連結要素は、前記弾力性可撓性チューブと前記形状的に剛な接続部との結合を生成する際に前記接続部の前記第2形状結合手段を案内するための第2案内部を有し、該第2案内部は、前記第1形状結合手段に関し前記リング状支持体の他方の軸方向端部に向かって配向されることが好ましい。
(形態14)形態11〜13の何れかの装置において、前記案内部は、当該案内部の両側部に夫々延在する横境界部を有することが好ましい。
(形態15)形態1〜14の何れかの装置を有するチューブであって、前記リング状支持体が材料結合的結合によって当該チューブに結合されているチューブ。
(形態16)形態15のチューブにおいて、前記リング状支持体は当該チューブに一体化され、前記第1形状結合手段は当該チューブの内周側においてアクセス可能に構成されていることが好ましい。
(形態17)形態15のチューブと形状的に剛な接続部から構成されるシステムであって、該形状的に剛な接続部が半径方向外側の面に少なくとも1つの係止ノーズを第2形状結合手段として有するシステム。
(形態18)形状的に剛な接続部と、マッサージ玩具を駆動するための電気装置を有する玩具ボディ、及び
可撓性チューブとして構成されかつ前記玩具ボディに結合されてマッサージシャフトを形成する弾力性玩具ケーシング
を含むマッサージ玩具。前記玩具ボディと前記玩具ケーシングは、形態1〜14の何れかの装置によって結合される。
(形態19)チューブ結合を生成する方法であって、以下の工程
・型内において形態1〜14の少なくとも1つのチューブ結合装置を配置する工程;
・前記型へ液状プラスチックを充填する工程;
・一体化されたチューブ結合装置を有するチューブを形成するため、プラスチック材料により支持体を包埋する工程
を含む方法。
(形態20)形態19の方法は、連結要素により、前記チューブと接続部とを形状結合的に結合する工程を更に含むことが好ましい。
(形態21)形態1〜14の何れかの装置において、前記チューブは前記接続部と同じ形状剛性及び/又は弾力性を有し又は前記チューブは前記接続部よりも弾力性がより大きく即ち形状の剛性がより小さく構成されることが好ましい。
以下に、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、特許請求の範囲に付した図面参照符号は専ら発明の理解を助けるためのものに過ぎず、本発明を図示の態様に限定することは意図しない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】チューブ結合装置の一例の(模式的)斜視図。
【
図5】チューブ結合装置の一例の更なる(模式的)斜視図。
【
図6】
図1〜
図5に応じたチューブ結合装置を有するチューブの部分の斜視図。
【
図7】チューブに組み込まれたチューブ結合装置の一例の断面図。
【
図8】チューブ結合装置の一例の更なる(模式的)斜視図(典型的モデル図)。
【
図9】接続部に嵌め合わされた状態にあるチューブ結合装置の一例の断面図。
【
図10】形状的に剛な接続部を有する玩具ボディの一例。
【実施例】
【0037】
図1〜
図5に示すように、チューブ結合装置1は、リング状支持体2と、6つの連結要素4を有する。連結要素4は、支持体2と固定的に結合し、該支持体2から半径方向内側に少々延出する。6つの連結要素4はすべて同一に構成されている。この実施例では、これらの連結要素4は、リング状支持体2の軸方向の長さ全体に亘って延在し、その基本形状はバー(ないし帯板)状(stabartig)である。
【0038】
支持体2は、肉薄に構成され、可撓性で弾力性のチューブ内への材料結合的な(stoffschluessig)組込みないし埋込み(eingefasst)に適合するよう構成されている。支持体2は、部分的に、複数の経糸6及び緯糸8を有するガーゼ網構造ないし構造体(ガーゼ様の比較的目が細かく薄い網構造ないし構造体:Gaze-Gewebe)10によって構成されている。経糸6は、支持体2の周に沿って整列(配向)されており、かつ、支持体2の中心軸A(
図2参照)に対し直角に延在する。緯糸8は、軸方向にかつ中心軸Aに対し平行に延伸する。かくして、支持体2のある程度の強度が達成され、支持体2は接線方向の力と応力を受容することができる。
【0039】
経糸及び緯糸6、8から構成されるガーゼ網構造体(網材)は、この実施例では、比較的小さい糸密度を有し、そのため、比較的目が粗く、剪断強度が小さい網が形成されている。これは、例えばチューブを射出成形又は押出成形する際、支持体2のチューブ内への組込み(einfassen)及び一体化(integrieren)のために、有利である。チューブの材料は、これは一般的には合成ゴム材料であるが、糸と糸の間の中間空間(隙間)に入り込み、かくして、チューブ結合装置1ととりわけ丈夫な(耐久性のある)結合を生成する。更に、比較的目の粗い網材は、大きな可撓性(柔軟性)も生成し、かくして、そのような網材によって、チューブの弾力性は、実質的に接線方向にのみ即ち周方向の拡大(伸び)に対してのみ制限される。
【0040】
6つの連結要素4は、支持体2の周に等間隔に配置され、支持体2の部分を構成する。6つの網構造体断片部分10は、これらの連結要素4の間に夫々配置され、これらと互いに結合し、かくして、チューブ結合装置1の半径方向外側の周に、実質的に一体の面が形成される。代替例では、これらの連結要素4は、それらの背部(外周部)12(
図1ではそのうちの1つのみに図面参照符号が付されている)が、一続きの網構造体10からなるリング状(シリンダ状)の支持体2に付着(接着)される。
【0041】
連結要素4は、夫々、第1形状結合手段(Formschlussmittel:輪郭形状間の嵌め合いによる結合を形成する手段ないしありつぎ式結合手段)を構成する凹部14を有する。凹部14は、連結要素4において半径方向に広がる(窪む)。凹部14は、この実施例では、(開口部ないし横断面が)矩形に構成され、連結要素4のほぼ中央に位置する。他の実施例では、凹部14は、他の断面形状、例えば円又は楕円を有することも可能であり、或いは、連結要素4の縁部に配されることも可能である。更に、凹部14の代わりに、例えば突起、係止ノーズ、クリップ、後部(基部)切欠(ないしアンダーカット:Hinterschneidung)等のような他の形状結合手段を設けることも可能である。
【0042】
凹部14は、とりわけ
図4に明確に示されているように、リング状支持体2について内側自由(開放)断面を狭くする(小さくする)壁部16によって包囲される。壁部16は、チューブの材料に対する凹部14の境界も形成するが、これについては以下に
図6に関連してより詳細に説明する。
【0043】
連結要素4には、更に、凹部14に関し連結要素4の互いに向かい合う軸方向の両端側に(凹部14を挟んで連結要素4の両側に)配置される案内部18、20が形成される。案内部18、20は、夫々、連結要素4の軸方向の端部から壁部16の半径方向内側の端部(端面)に向かって延伸する傾斜面として構成され、かくして、例えば接続部の係止ノーズのような第2形状結合手段は、案内部18、20のこの傾斜面上において軸方向の端部から案内され、壁部16まで導かれて、凹部14に嵌り込むことができる。案内部18、20には、夫々、実質的に壁部16の延長部分として構成され、壁部16と同様にチューブの材料に対する連結要素4の境界を形成する境界部22、24が形成される。境界部22、24は、案内部18、20を明確に定義する(画成する)ために役立ち、また、チューブ結合装置1を備えた弾力性チューブと対応する接続部とを繋ぎ合せる際に、接続部の第2形状結合手段が案内部18、20から逸脱することがないように、従って、チューブの弾力性で可撓性の材料を損傷することがないようにするために役立つ。
【0044】
図6は、更なる一実施例に応じたチューブ30の一部分を示す。ここで、チューブ30内には、チューブ結合装置1が組込みないし一体化されている。
図1〜
図5に示したチューブ結合装置1とは異なり、
図6に示したチューブ結合装置1は、不可視の支持体の周に配置される連結装置4を4つのみ有する。支持体は、チューブ30の材料内に組み込まれて(埋め込まれて)いるため、
図6では視認することはできない。なお、同一ないし類似の構成要素には同じ図面参照符号が付されているため、以下においては、
図1〜
図5についての上述の説明を完全に参照して説明する。
【0045】
図6に示したチューブ30は、可撓性で弾力性のシリコーン材料で形成され、例えばマッサージ装置の玩具スリーブの終端部分として使用することができる。チューブ結合装置1は、支持体2及び連結要素4と一緒に、射出成形の際に、チューブ30内に組み込まれるため、該装置1はチューブ30内に組み込まれる。連結要素4は、夫々、第1形状結合手段を構成する凹部14を有する。凹部14は、
図1〜
図5の場合と同様に、(開口部ないし横断面が)矩形に構成され、壁部16によって包囲される。
図6に示した連結要素4には、案内部は設けられていない。支持体はガーゼ網構造体で形成されている。
【0046】
尤も、
図6からとりわけ良好に見出すことができるように、壁部16は、チューブ30の材料に対し凹部を境界付ける(画成する)。壁部16の半径方向内側の面は、チューブ30の半径方向内側の面(内周面)に実質的に面一に接続(ないし移行)する(面一の関係にある)。かくして、チューブ30は、組立状態において、その半径方向内側の面が、導入された接続部40(
図10参照)にほぼ完全に当接する。
図6によれば、チューブは、更に、シール(パッキング)として機能する軸方向の環状突出部32を有する。接続部40の対応する形状結合手段と連携して作用する形状結合手段14を有する連結要素4によって、接続部40におけるチューブ30の軸方向の位置が定義されて予め与えられる。従って、環状突出部32は、例えば接続部40の軸方向壁部50と連携して作用し、接続部40におけるチューブ30の定義された軸方向位置を介して、定義された付勢力で当接し、かくして、シールを形成することができる。更に、支持体(
図6では不可視)を介して定義された付勢力で接続部40に押圧されることにより、シールを形成する更なる環状突出部をチューブ30の半径方向内側の面に設けることができる。かくして、本発明のチューブ結合装置1によって、チューブ30と接続部40との間の液密的な結合を生成することができる。
【0047】
図7は、チューブ30内に組み込まれている(埋め込まれている)チューブ結合装置1の一断片部分の更なる斜視図である。このチューブ結合装置1も、リング状支持体2と複数の連結要素4を有する。
図7にとりわけ良好に見出すことができるように、支持体2はチューブ30の材料内に完全に組み込まれて(埋め込まれて)おり、従って、チューブ材料は支持体2の内側(内周側)及び外側(外周側)の両側に配されている。チューブ材料は有利にはシリコーン材料であるが、シリコーンは凡そ1μm程度の極めて小さい開口(孔)にも入り込むという特性を有する。経糸・緯糸の数が1センチメートル当たり凡そ16〜17本の場合、これは好ましいものであるが、網目幅は凡そ400μmとなるため、シリコーン材料は糸と糸の間の、支持体2の網構造体の網目の中に入り込み、かくして、支持体2とチューブ30の間に極めて良好な結合が生成される。連結要素4の凹部14と傾斜面18、20は、チューブ30の内周側(内側)においてアクセス可能であるため、チューブ30は対応する接続部と結合することができる。
【0048】
図8に、チューブ結合装置1の他の一例を示す。
図1に示したチューブ結合装置1とは異なり、この実施例(
図8)の支持体2は、一続きの網構造体で構成されており、その基本形状はシリンダ状である。連結要素4は、支持体2の網構造体に向けられたその背部12(
図8ではそのうちの1つのみに図面参照符号が付されている)が支持体2の内周部にプラスチック溶接によって固定されている。かくして、一方では、チューブ結合装置1の容易な製造が達成される。更に、軸方向においても、連結要素4と支持体との間の極めて良好な固定が実現される。この実施例(
図8)においても、連結要素4は凹部14、半径方向内側に突出する縁部16及び案内部18、20を有し、上述の各連結要素4と全体として同様に構成されている。
【0049】
図9は、チューブ30内に組み込まれている(埋め込まれている)チューブ結合装置1と接続部40の連携作用の様子を示す断面図である。
図10には分離された接続部40が示されているが、これについては以下において詳細に説明する。
【0050】
図9から分かる通り、このチューブ結合装置1も、その半径方向の内側に複数の連結要素4(
図9にはそのうちの2つのみが示されている)が設けられているリング状支持体2を有する。チューブ結合装置1は、凹部14と案内部18、20が半径方向内側においてアクセス可能であるように、チューブ30の材料内に組み込まれている(埋め込まれている)。連結要素4は、その背部12が半径方向内側において支持体2に固定されている。
【0051】
接続部40は、そのシリンダ状の外周面52に、係止ノーズとして構成された複数の第2形状結合手段54を有する。周に分散配置される第2形状結合手段54の数は連結要素4の数に対応する。第2形状結合手段54は、チューブ30が接続部40に接続される際に連結要素4の案内部18と連携して作用する傾斜面56を有する。チューブ30は、
図9には、接続部40に既に外嵌されている状態が示されているが、チューブ30を接続部40に接続する際に連結要素4が第2形状結合手段54と連携作用する様子ないし仕方は、
図9から容易に理解できる。即ち、まず、案内部18が傾斜面56に接触するまで、チューブ30が接続部40上に
図9の紙面の右側から嵌め込まれる(外嵌される)。そして、チューブ30が更に
図9の紙面の右側から左側に押動されると、連結要素は、その案内部18を有する側において軽く持ち上げ力を受けて、半径方向外側に押し上げられるが、これは、支持体2のある程度の限定された弾力性によって可能になる。そして、チューブ30が更に接続部40上で押し込まれると、形状結合手段54が凹部14内に到達し、チューブ結合装置1が接続部40に係止されるまで、連結要素4は形状結合手段54状を更に滑動する。形状結合手段54は、傾斜面56の反対側に、縦軸Aに対し直角に延在するエッジ57を有するため、形状結合手段54が凹部14に係止されているとき、チューブ結合装置1と接続部40の間、従って、チューブ30と接続部40の間には形状結合による結合が形成されているが、この形状結合的結合は著しい手間をかけなければ最早解除できないようなものである。この形状結合的結合を解除するためには、凹部14の周囲の縁部16が形状結合手段54を超えて半径方向外側に再び移動され、チューブ30が再び接続部40から引き離すことができるように、例えば工具を用いて連結要素を再び持ち上げることが必要となろう。
【0052】
チューブ30は、その先端部(
図9の紙面左側)に、環状突出部32を有する(
図6も参照)。この環状突出部32は、連結要素4に関連して(対応して)縮小された径を有する。かくして、環状突出部32と接続部40の外周面52の間にシール(密封)が形成され、かくして、チューブ30は接続部においてシール(密封)される。シール(密封)のための半径方向の押圧力はリング状支持体2によって与えられる。
【0053】
図6のチューブ30と組み合せることによっても本発明のシステムを構成することが可能な接続部40の一例を
図10に示す。接続部40は、マッサージ玩具を駆動するための電気装置を収容するための室44を含む玩具ボディ42の部分を構成する。接続部40は開放端面46を有し、この開放端面46から、例えばマッサージ玩具のための振動ユニットは突出することができ、更に、チューブ30内に侵入することができる。接続部40の終端部48には、チューブ30の環状突出部32(
図6参照)と連携作用することにより接続部40に対しチューブ30をシール(密封)する軸方向壁部50が形成されている。
【0054】
接続部40は、その径がチューブ30の内径にほぼ相当するシリンダ状の外周面52を有する。シリンダ状外周面52上には、係止ノーズとして構成された複数の第2形状結合手段54が形成されている。この実施例(
図6(及び
図7)参照)では連結要素4は案内部を備えていないので、この実施例(
図10参照)の係止ノーズ54は、先端部46の方向から終端部48に向かって上昇するように即ち径が拡大するように外周面から係止ノーズのノーズ頂部に至る傾斜面として延在する案内部56を有する。チューブ30を接続部40に接続する際、この傾斜面56によって、連結要素4は少々持ち上げられるが、これは支持体2のガーゼ網構造体10によって可能にされる。そして、係止ノーズ54が連結要素4の凹部14の壁部16に後方から係合するよう、係止(ないしロック)が生成される。かくして、弾力性可撓性チューブ30と形状的に剛な(非変形性の)接続部40の間の形状結合的結合が生成される。本発明の実施例ではチューブないしチューブが配された接続部は円形の横断面を有するが、これらはその他の任意の横断面を有することも可能であり、例えば、三角形、4角形、5角形その他の多角形の横断面とすること、好ましくは閉断面(geschlossen Querschnitt)とすることも可能である。
【0055】
以下に、本発明の好ましい実施の態様を示す。
(態様1)弾力性可撓性チューブと形状的に剛な接続部を結合するためのチューブ結合装置であって、
前記接続部との形状結合的結合のための第1形状結合手段を有する少なくとも1つの連結要素と、
前記連結要素を周において支持するリング状支持体と
を含み、
前記第1形状結合手段は、前記リング状支持体において半径方向内側に延出すること、及び、
前記リング状支持体は、前記可撓性チューブへの固定のために適合するよう構成される
チューブ結合装置が有利に提供される。
(態様2)上記態様1のチューブ結合装置において、前記リング状支持体は、前記可撓性チューブ内に材料結合的に組み込まれるために適合するよう構成されることが好ましい。
(態様3)上記態様1又は2のチューブ結合装置において、前記リング状支持体は、肉薄にかつ接線方向に非弾力性に構成されることが好ましい。
(態様4)上記態様1〜3の何れかのチューブ結合装置において、前記リング状支持体は、少なくとも部分的に網構造(網構造体)で構成されることが好ましい。
(態様5)上記態様4のチューブ結合装置において、前記網構造は、プラスチック網構造であることが好ましい。
(態様6)上記態様4又は5のチューブ結合装置において、前記網構造は、ガーゼ部材であることが好ましい。
(態様7)上記態様1〜6の何れかのチューブ結合装置において、複数の連結要素、とりわけ4、5、6又は7の連結要素が、前記リング状支持体の周囲に分散配置されることが好ましい。
(態様8)上記態様7のチューブ結合装置において、前記複数の連結要素は、前記リング状支持体によって互いに結合されることが好ましい。
(態様9)上記態様1〜8の何れかのチューブ結合装置において、前記連結要素は、前記第1形状結合手段を構成する凹部を有することが好ましい。
(態様10)上記態様9のチューブ結合装置において、前記凹部は、前記形状結合的結合を生成するために前記接続部の対応する第2形状結合手段が後方から係合可能であるように構成された後方係合可能部分を形成することが好ましい。
(態様11)上記態様9又は10のチューブ結合装置において、前記凹部は半径方向内側に突出する縁部によって包囲され、該縁部は前記リング状支持体の内部自由空間の断面を小さくすることが好ましい。
(態様12)上記態様1〜11の何れかのチューブ結合装置において、前記連結要素は、前記弾力性可撓性チューブと前記形状的に剛な接続部との結合を生成する際に該接続部の前記第2形状結合手段を案内するための案内部を有することが好ましい。
(態様13)上記態様12のチューブ結合装置において、前記案内部は、軸方向において前記リング状支持体の軸方向端部から前記第1形状結合手段に向かって該リング状支持体の内部自由空間の断面をより小さくする傾斜面を有することが好ましい。
(態様14)上記態様12又は13のチューブ結合装置において、前記連結要素は、前記弾力性可撓性チューブと前記形状的に剛な接続部との結合を生成する際に前記接続部の前記第2形状結合手段を案内するための第2案内部を有し、該第2案内部は、前記第1形状結合手段に関し前記リング状支持体の反対側の軸方向端部に向かって配向されることが好ましい。
(態様15)上記態様11〜14の何れかのチューブ結合装置において、前記案内部は、横境界部を有することが好ましい。
(態様16)上記態様1〜15の何れかのチューブ結合装置を有するチューブであって、前記リング状支持体が材料結合的結合によって当該チューブに結合されているチューブも有利に提供される。
(態様17)上記態様16のチューブにおいて、前記リング状支持体は当該チューブに一体化され、前記第1形状結合手段は当該チューブの内周側においてアクセス可能に構成されていることが好ましい。
(態様18)上記態様16又は17のチューブと形状的に剛な接続部から構成されるシステムであって、該形状的に剛な接続部が半径方向外側の面に少なくとも1つの係止ノーズを第2形状結合手段として有するシステムも有利に提供される。
(態様19)形状的に剛な接続部と、マッサージ玩具を駆動するための電気装置を有する玩具ボディ、及び、可撓性チューブとして構成されかつ前記玩具ボディに結合されてマッサージシャフトを形成する弾力性玩具ケーシングを含むマッサージ玩具であって、
前記玩具ボディと前記玩具ケーシングは、上記態様1〜15の何れかのチューブ結合装置によって結合されるマッサージ玩具も有利に提供される。
(態様20)チューブ結合を生成する方法であって、以下の工程
・型内において上記態様1〜15の少なくとも1つのチューブ結合装置を配置する工程;
・前記型へ液状プラスチックを充填する工程;
・一体化されたチューブ結合装置を有するチューブを形成するため、プラスチック材料により支持体を包埋する工程
を含む方法も有利に提供される。
(態様21)上記態様20の方法において、以下の工程:
連結要素により、前記チューブと接続部とを形状結合的に結合する工程
を更に含むことが好ましい。
(態様22)上記態様1〜15の何れかのチューブ結合装置において、前記チューブは前記接続部とほぼ同じ形状剛性及び/又は弾力性を有し又は前記チューブは前記接続部よりも弾力性がより大きく即ち形状の剛性がより小さく構成されることが好ましい。
【0056】
なお、本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態の変更・調整が可能である。また、本発明の全開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし、選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値及び数値範囲については、当該数値間ないし範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。