(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6463713
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年2月6日
(54)【発明の名称】車両制御方法と装置及び判断モジュールの獲得方法と装置
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20190128BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20190128BHJP
G05D 1/02 20060101ALI20190128BHJP
B60W 30/10 20060101ALI20190128BHJP
B60W 40/02 20060101ALI20190128BHJP
【FI】
G08G1/00 X
G08G1/09 V
G05D1/02 J
B60W30/10
B60W40/02
【請求項の数】16
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-190244(P2016-190244)
(22)【出願日】2016年9月28日
(65)【公開番号】特開2017-220197(P2017-220197A)
(43)【公開日】2017年12月14日
【審査請求日】2016年9月28日
(31)【優先権主張番号】201610407031.8
(32)【優先日】2016年6月12日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513224353
【氏名又は名称】バイドゥ オンライン ネットワーク テクノロジー (ベイジン) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ウェンリー ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ティアンレイ チャン
(72)【発明者】
【氏名】ユウチャン パン
(72)【発明者】
【氏名】ハオウェン サン
【審査官】
藤村 泰智
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2014/013985(WO,A1)
【文献】
特開2010−061385(JP,A)
【文献】
国際公開第2015/166721(WO,A1)
【文献】
特開2016−024598(JP,A)
【文献】
特開2005−100421(JP,A)
【文献】
特開平07−306717(JP,A)
【文献】
特開平07−225894(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 〜 99/00
G01C 21/00 〜 21/36
G01C 23/00 〜 25/00
G05D 1/00 〜 1/02
B60W 30/10 〜 30/14
B60W 40/02 〜 40/076
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人運転車両の走行過程で、実時間的に現在の外部環境情報と地図情報とを獲得し、
運転者により運転される複数の車両のそれぞれが道路を走行する過程で予め獲得された外部環境情報と、地図情報と車両状態情報との間の、予め訓練された対応関係を表す判断モジュールによって、前記無人運転車両の走行過程で毎回に獲得した外部環境情報と地図情報に対応する車両状態情報を確定し、確定した車両状態情報に基づいて前記無人運転車両の走行状態を制御することを含み、
前記判断モジュールは、
前記運転者により運転される複数の車両のそれぞれが道路を走行する過程で、毎回に獲得した外部環境情報と、地図情報と車両状態情報を利用して一つの訓練サンプルを組合せ、且つ、訓練サンプル毎における外部環境情報と地図情報を統合して当該訓練サンプルでの入力とし、訓練サンプル毎における車両状態情報を当該訓練サンプルでの出力とし、
各訓練サンプルでの入力と出力に基づいて訓練することで得られる、車両制御方法。
【請求項2】
前記毎回に獲得した外部環境情報と地図情報に対応する車両状態情報を確定することは、
毎回に獲得した外部環境情報と地図情報を統合してから、前記判断モジュールの入力とし、前記判断モジュールが出力する前記車両状態情報を獲得することを含む
請求項1に記載の車両制御方法。
【請求項3】
前記地図情報は、高精度の地図に基づいて得た地図情報であり、
前記判断モジュールの類型は、サポートベクターマシンモジュール、またはニューラルネットワークモジュールを含む
請求項1又は2に記載の車両制御方法。
【請求項4】
運転者により運転される複数の車両のそれぞれが道路を走行する過程で、現在の外部環境情報と、地図情報と車両状態情報を実時間的に獲得し、
情報の獲得が完了してから、獲得した情報に基づいて訓練して外部環境情報と、地図情報と車両状態情報との間の対応関係を表す判断モジュールを獲得し、無人運転車両の走行過程で、毎回現在の外部環境情報と地図情報を獲得した後に、前記判断モジュールに基づいて、獲得した外部環境情報と地図情報が対応する車両状態情報を確定し、確定した車両状態情報に基づいて前記無人運転車両の走行状態を制御することを含み、
訓練して前記判断モジュールを獲得することは、
前記運転者により運転される複数の車両のそれぞれが道路を走行する過程で、毎回に獲得した外部環境情報と、地図情報と車両状態情報を利用して一つの訓練サンプルを組合せ、且つ、訓練サンプル毎における外部環境情報と地図情報を統合して当該訓練サンプルでの入力とし、訓練サンプル毎における車両状態情報を当該訓練サンプルでの出力とし、
各訓練サンプルでの入力と出力に基づいて訓練して前記判断モジュールを得ることを含む、判断モジュールの獲得方法。
【請求項5】
さらに、
各訓練サンプルから異常データを含む訓練サンプルを選別して除去し、残りの訓練サンプルに基づいて訓練して前記判断モジュールを得ることを含む
請求項4に記載の判断モジュールの獲得方法。
【請求項6】
前記地図情報は、高精度の地図に基づいて得た地図情報であり、
前記判断モジュールの類型は、サポートベクターマシンモジュール、またはニューラルネットワークモジュールを含む
請求項4または5に記載の判断モジュールの獲得方法。
【請求項7】
獲得手段と、判断手段と、制御手段とを含み、
前記獲得手段は、無人運転車両の走行過程で、現在の外部環境情報と地図情報を実時間的に獲得し、毎回に獲得した外部環境情報と地図情報を前記判断手段へ発送し、
前記判断手段は、運転者により運転される複数の車両のそれぞれが道路を走行する過程で予め獲得された外部環境情報と、地図情報と車両状態情報との間の、予め訓練された対応関係を表す判断モジュールによって、前記無人運転車両の走行過程で毎回に受信した外部環境情報と地図情報に対応する車両状態情報を確定し、確定した車両状態情報を前記制御手段へ発送し、
前記制御手段は、受信した車両状態情報に基づいて前記無人運転車両の走行状態を制御し、
前記判断モジュールは、
前記運転者により運転される複数の車両のそれぞれが道路を走行する過程で、毎回に獲得した外部環境情報と、地図情報と車両状態情報を利用して一つの訓練サンプルを組合せ、且つ、訓練サンプル毎における外部環境情報と地図情報を統合して当該訓練サンプルでの入力とし、訓練サンプル毎における車両状態情報を当該訓練サンプルでの出力とし、
各訓練サンプルでの入力と出力に基づいて訓練することで得られる、車両制御装置。
【請求項8】
前記判断手段は、毎回に受信した外部環境情報と地図情報を統合して、前記判断モジュールの入力とし、前記判断モジュールが出力する前記車両状態情報を獲得する
請求項7に記載の車両制御装置。
【請求項9】
前記地図情報は、高精度の地図に基づいて得た地図情報であり、
前記判断モジュールの類型は、サポートベクターマシンモジュール、またはニューラルネットワークモジュールを含む
請求項7又は8に記載の車両制御装置。
【請求項10】
データ收集手段と、モジュール訓練手段とを含み、
前記データ收集手段は、運転者により運転される複数の車両のそれぞれが道路を走行する過程で、現在の外部環境情報と、地図情報と車両状態情報を実時間的に獲得し、
前記モジュール訓練手段は、データ収集が完了してから、獲得した情報に基づいて訓練して外部環境情報と、地図情報と車両状態情報との間の対応関係を表す判断モジュールを獲得し、無人運転車両の走行過程で、毎回現在の外部環境情報と地図情報を獲得した後に、前記判断モジュールに基づいて、獲得した外部環境情報と地図情報が対応する車両状態情報を確定し、確定した車両状態情報に基づいて前記無人運転車両の走行状態を制御し、
前記モジュール訓練手段は、前記運転者により運転される複数の車両のそれぞれが道路を走行する過程で、前記データ收集手段が毎回に獲得した外部環境情報と、地図情報と車両状態情報を利用して一つの訓練サンプルを組合せ、且つ、訓練サンプル毎における外部環境情報と地図情報を統合して当該訓練サンプルでの入力とし、訓練サンプル毎における車両状態情報を当該訓練サンプルにおける出力とし、各訓練サンプルでの入力と出力に基づいて訓練して前記判断モジュールを得る、判断モジュールの獲得装置。
【請求項11】
前記モジュール訓練手段は、さらに、
各訓練サンプルから異常データを含む訓練サンプルを選別して除去し、残りの訓練サンプルに基づいて訓練して前記判断モジュールを得ることに用いられる
請求項10に記載の判断モジュールの獲得装置。
【請求項12】
前記地図情報は、高精度の地図に基づいて得た地図情報であり、
前記判断モジュールの類型は、サポートベクターマシンモジュール、またはニューラルネットワークモジュールを含む
請求項10または11に記載の判断モジュールの獲得装置。
【請求項13】
1つ又は複数のプロセッサと、メモリと、
前記1つ又は複数のプロセッサにより実行されると、請求項1から3のいずれか1項に記載の車両制御方法において実行される操作を行う、前記メモリに記憶されている1つ又は複数のプログラムと、を含む設備。
【請求項14】
1つ又は複数のプロセッサと、メモリと、
前記1つ又は複数のプロセッサにより実行されると、請求項4から6のいずれか1項に記載の判断モジュールの獲得方法において実行される操作を行う、前記メモリに記憶されている1つ又は複数のプログラムと、を含む設備。
【請求項15】
ある設備により実行されると、前記設備に請求項1から3のいずれか1項に記載の車両制御方法において実行される操作を行わせる1つ又は複数のプログラム。
【請求項16】
ある設備により実行されると、前記設備に請求項4から6のいずれか1項に記載の判断モジュールの獲得方法において実行される操作を行わせる1つ又は複数のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無人運転技術に関し、特に無人運転車両の制御方法と装置及び判断モジュールの獲得方法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無人運転車両の走行過程で、獲得した地図情報と外部環境情報に基づいて実時間的に判断する必要があり、前記判断は、ブレーキング、加速、変道、方向転換、Uターン、逆行等を含み、判断結果に基づいて無人運転車両の走行状態を制御する。
従来の技術で、人工的に予め編集した若干の規則に基づいて判断を行うことができるが、人工的に編集した規則は通常に全部の道路状況をカーバーすることができなく、対応する規則のない未知の道路状況については隠れた大きい安全上の危険が存在し、人工的に編集した規則があまり多いと、編集及びメンテナンスの作業量を増加させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、安全性を向上させ且つ作業量を削減できる車両制御方法と装置及び判断モジュールの獲得方法と装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
具体的な技術案は以下のようである。
無人運転車両の走行過程で、実時間的に現在の外部環境情報と地図情報とを獲得し、
予めに訓練して得た外部環境情報と、地図情報と車両状態情報との間の対応関係を表す判断モジュールによって、毎回に獲得した外部環境情報と地図情報に対応する車両状態情報を確定し、確定した車両状態情報に基づいて前記無人運転車両の走行状態を制御することを含む車両制御方法。
【0005】
本発明の一好ましい実施例によると、前記毎回に獲得した外部環境情報と地図情報に対応する車両状態情報を確定することは、
毎回に獲得した外部環境情報と地図情報を統合してから、前記判断モジュールの入力とし、前記判断モジュールが出力する前記車両状態情報を獲得することを含む。
【0006】
本発明の一好ましい実施例によると、
前記地図情報は、高精度の地図に基づいて得た地図情報であり、
前記判断モジュールの類型は、サポートベクターマシンSVMモジュール、またはニューラルネットワークモジュールを含む。
【0007】
運転者が車両を運転して道路で走行する時、現在の外部環境情報と、地図情報と車両状態情報を実時間的に獲得し、
情報の獲得が完了してから、獲得した情報に基づいて訓練して外部環境情報と、地図情報と車両状態情報との間の対応関係を表す判断モジュールを獲得し、無人運転車両の走行過程で、毎回現在の外部環境情報と地図情報を獲得した後に、前記判断モジュールに基づいて、獲得した外部環境情報と地図情報が対応する車両状態情報を確定し、確定した車両状態情報に基づいて前記無人運転車両の走行状態を制御することを含む判断モジュールの獲得方法。
【0008】
本発明の一好ましい実施例によると、訓練して前記判断モジュールを獲得することは、
毎回に獲得した外部環境情報と、地図情報と車両状態情報を利用して一つの訓練サンプルを組合せ、且つ、訓練サンプル毎における外部環境情報と地図情報を統合して当該訓練サンプルでの入力とし、訓練サンプル毎における車両状態情報を当該訓練サンプルでの出力とし、
各訓練サンプルでの入力と出力に基づいて訓練して前記判断モジュールを得ることを含む。
【0009】
本発明の一好ましい実施例によると、当該方法は、さらに、
各訓練サンプルから異常データを含む訓練サンプルを選別して除去し、残りの訓練サンプルに基づいて訓練して前記判断モジュールを得ることを含む。
【0010】
本発明の一好ましい実施例によると、
前記地図情報は、高精度の地図に基づいて得た地図情報であり、
前記判断モジュールの類型は、サポートベクターマシンSVMモジュール、またはニューラルネットワークモジュールを含む。
【0011】
獲得手段と、判断手段と、制御手段とを含み、
前記獲得手段は、無人運転車両の走行過程で、現在の外部環境情報と地図情報を実時間的に獲得し、毎回に獲得した外部環境情報と地図情報を前記判断手段へ発送し、
前記判断手段は、予めに訓練して得た外部環境情報と、地図情報と車両状態情報との間の対応関係を表す判断モジュールによって、毎回に受信した外部環境情報と地図情報に対応する車両状態情報を確定し、確定した車両状態情報を前記制御手段へ発送し、
前記制御手段は、受信した車両状態情報に基づいて前記無人運転車両の走行状態を制御する車両制御装置。
【0012】
本発明の一好ましい実施例によると、前記判断手段は、毎回に受信した外部環境情報と地図情報を統合して、前記判断モジュールの入力とし、前記判断モジュールが出力する前記車両状態情報を獲得する。
【0013】
本発明の一好ましい実施例によると、
前記地図情報は、高精度の地図に基づいて得た地図情報であり、
前記判断モジュールの類型は、サポートベクターマシンSVMモジュール、またはニューラルネットワークモジュールを含む。
【0014】
データ收集手段と、モジュール訓練手段とを含み、
前記データ收集手段は、運転者が車両を運転して道路で走行する時、現在の外部環境情報と、地図情報と車両状態情報を実時間的に獲得し、
前記モジュール訓練手段は、データ収集が完了してから、獲得した情報に基づいて訓練して外部環境情報と、地図情報と車両状態情報との間の対応関係を表す判断モジュールを獲得し、無人運転車両の走行過程で、毎回現在の外部環境情報と地図情報を獲得した後に、前記判断モジュールに基づいて、獲得した外部環境情報と地図情報が対応する車両状態情報を確定し、確定した車両状態情報に基づいて前記無人運転車両の走行状態を制御する判断モジュールの獲得装置。
【0015】
本発明の一好ましい実施例によると、前記モジュール訓練手段は、前記データ收集手段が毎回に獲得した外部環境情報と、地図情報と車両状態情報を利用して一つの訓練サンプルを組合せ、且つ、訓練サンプル毎における外部環境情報と地図情報を統合して当該訓練サンプルでの入力とし、訓練サンプル毎における車両状態情報を当該訓練サンプルにおける出力とし、各訓練サンプルでの入力と出力に基づいて訓練して前記判断モジュールを得ることに用いられる。
【0016】
本発明の一好ましい実施例によると、前記モジュール訓練手段は、さらに、
各訓練サンプルから異常データを含む訓練サンプルを選別して除去し、残りの訓練サンプルに基づいて訓練して前記判断モジュールを得ることに用いられる。
【0017】
本発明の一好ましい実施例によると、
前記地図情報は、高精度の地図に基づいて得た地図情報であり、
前記判断モジュールの類型は、サポートベクターマシンSVMモジュール、またはニューラルネットワークモジュールを含む。
上記の記載によると、本発明の前記方案を利用すると、無人運転車両の走行過程で、可現在の外部環境情報と地図情報を実時間的に獲得し、予めに訓練して得た外部環境情報と、地図情報と車両状態情報との間の対応関係を表す判断モジュールによって、毎回に獲得した外部環境情報と地図情報に対応する車両状態情報を確定し、さらに確定した車両状態情報に基づいて無人運転車両の走行状態を制御するので、従来技術に比べて、本発明の前記方案はいずれの道路状況にも適用でき、未知の道路状況に対する判断能力を向上させ、安全性を高め、且つ、人工的に規則を編集する必要がないので、編集とメンテナンスの作業量を低減させる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の車両制御方法の実施例のフローチャートである。
【
図2】本発明の判断モジュールの獲得方法の実施例のフローチャートである。
【
図3】本発明の車両制御装置の実施例の組合せ構造概略図である。
【
図4】本発明の判断モジュールの獲得装置の実施例の組合せ構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の技術案をより明瞭にするように、以下では図面を利用し実施例で、本発明の前記の技術案を詳細に説明する。
【0020】
実施例一
図1は、本発明の車両制御方法の実施例のフローチャートで、
図1に示すように、以下の具体的な実現形態を含む。
【0021】
11で、無人運転車両の走行過程で、現在の外部環境情報と地図情報を実時間的に獲得する。
【0022】
無人運転車両の走行過程で、現在の外部環境情報と地図情報を実時間的に獲得でき、ここの実時間的な獲得は、絶対的にずっと連続に獲得することではなく、小さい時間周期に周期的に獲得することで、例えば、0.5秒を時間周期とする。
【0023】
外部環境情報は認知情報とも言われ、レーザーレーダー、ミリメートル波レーダーとカメラ等を通じて、無人運転車両周囲の環境情報を実時間的に獲得する。環境情報は、周囲車両の位置、大きさ、速度、方向、周囲歩行者の位置、速度、方向等を含んでいてもよい。
ここで、周囲車両の位置は、通常に周囲車両の無人運転車両に対する位置であり、同様に、周囲歩行者の位置は、周囲歩行者の無人運転車両に対する位置である。
【0024】
獲得した地図情報は、高精度の地図に基づいて獲得した地図情報である。
【0025】
従来の普通地図には簡単な道路路径情報のみを含み、高精度の地図は車道線毎の正確な位置、車道の曲率、車道の速度制限、車道の接続属性等の情報までに詳細しており、即ち、普通の地図に比べると、高精度の地図に含む情報内容をより豊かで詳しく、またより小さい誤差を有している。
【0026】
本実施例に記載の獲得した地図情報は、高精度の地図に基づいて実時間的に獲得した無人運転車両周囲の地図データであり、車両の座標、車両の前方に交差点があるか否か、高架橋、交通信号燈、停止線等を含んでいてもよい。
【0027】
ここで、車両の座標は、通常は、無人運転車両と所在車道両側の車道線との間の距離等で、車両の前方に交差点があるか否かを判断することは、通常に無人運転車両前方の所定距離、例えば200メートル内に交差点があるか否か等である。
【0028】
12で、予めに訓練して得た外部環境情報と、地図情報と車両状態情報との間の対応関係を表す判断モジュールによって、毎回に獲得した外部環境情報と地図情報に対応する車両状態情報を獲得する。
【0029】
毎回に獲得した外部環境情報と地図情報を統合して、予めに訓練して得た判断モジュールの入力とし、判断モジュール出力の車両状態情報を獲得する。
【0030】
車両状態情報は、車両の速度、加速度、ハンドルの角度、ハンドルの角速度、方向転換燈の状態、ハイビーム燈の状態、近光燈の状態等を含む。
【0031】
方向転換燈の状態は、方向転換燈がオンされているか否か、オンされたのはどの側の方向転換燈であるか等で、ハイビーム燈の状態は、ハイビーム燈オンされているか否か等、近光燈の状態は、近光燈がオンされているか否か等である。
【0032】
13で、確定した車両状態情報に基づいて、無人運転車両の走行状態を制御する。
【0033】
確定した車両状態情報に基づいて、従来技術に従って、無人運転車両の走行状態を制御してもよい。
【0034】
実施例一で、前記内容の一例は以下のようである。
【0035】
現在時刻を時刻aとし、時刻aの外部環境情報aと地図情報aを獲得し、判断モジュールによって、外部環境情報aと地図情報aに対応する車両状態情報aを確定し、車両状態情報aに基づいて無人運転車両の走行状態を制御する。
【0036】
次の時刻を時刻bとし、時刻bの外部環境情報bと地図情報bを獲得し、判断モジュールによって、外部環境情報bと地図情報bに対応する車両状態情報bを確定し、さらに車両状態情報bに基づいて無人運転車両の走行状態を制御する。
【0037】
このように類推すると、時刻aと時刻bとの間には非常に短い時間間隔があり、実時間的な制御の目的を達成する。
【0038】
以下では、実施例二によって、どのように上記判断モジュールを獲得したかを詳細に説明する。
【0039】
実施例二
図2は、本発明の判断モジュールの獲得方法の実施例のフローチャートであり、
図2に示すように、以下の具体的な実現形態を有する。
【0040】
21で、運転者が車両を運転して道路で走行する時、現在の外部環境情報と、地図情報と車両状態情報を実時間的に獲得する。
【0041】
経験を有し運転技術が優れた運転者に車両を運転させて道路で走行し、車両の走行過程で、現在の外部環境情報と、地図情報と車両状態情報を実時間的に獲得(採集、収集)する。
一つのみの車両を利用して上記方式に従って情報を集積し、同時又は異なる時間に複数の車両を利用して上記の形態で情報を収集してもよい。
【0042】
ここで、獲得した外部環境情報は、周囲車両の位置、大きさ、速度、方向、周囲歩行者の位置、速度、方向等を含んでいてもよい。
【0043】
獲得した地図情報は、高精度の地図に基づいて獲得した地図情報であり、車両の座標、車両の前方に交差点があるか否か、高架橋、交通信号燈、停止線等を含んでいてもよい。
【0044】
獲得した車両状態情報は、車両の速度、加速度、ハンドルの角度、ハンドルの角速度、方向転換燈の状態、ハイビーム燈の状態、近光燈の状態等を含んでいてもよい。
【0045】
22で、情報の獲得が完了してから、獲得した情報に基づいて訓練して、具現外部環境情報と、地図情報と車両状態情報との間の対応関係の判断モジュールを得る。
【0046】
充分に多い外部環境情報と、地図情報と車両状態情報を収集してから、判断モジュールの訓練を行うことができる。
【0047】
例えば、毎回に獲得した外部環境情報と、地図情報と車両状態情報を一つの訓練サンプルに組合せ、且つ、訓練サンプル毎における外部環境情報と地図情報を統合して当該訓練サンプルでの入力とし、訓練サンプル毎における車両状態情報を当該訓練サンプルにおける出力とし、各訓練サンプルでの入力と出力に基づいて訓練して判断モジュールを得る。
【0048】
即ち、同一時刻に獲得した相互に対応する外部環境情報と、地図情報と車両状態情報を利用して、一つの訓練サンプルを組合せる。
【0049】
外部環境情報と地図情報を統合するとは、二つ部分の情報を合併等の処理をして、統合した情報を入力とし、対応する車両状態情報を出力として、判断モジュールを訓練することである。
【0050】
また、さらに、各訓練サンプルから異常データを含む訓練サンプルを選別して除去し、残りの訓練サンプルに基づいて訓練して判断モジュールを得る。
【0051】
例えば、経験によると、周囲歩行者の速度は閾値A以下で、ある訓練サンプルにおける周囲歩行者の速度が閾値Aより大きいと、当該情報獲得が誤ったと判断し、相応に、当該訓練サンプルを選別し除去する。
【0052】
選別し除去した後の残りの訓練サンプルに基づいて訓練して判断モジュールを得ており、前記判断モジュールの類型は、サポートベクターマシン(SVM、Support Vector Machine)モジュールまたはニューラルネットワークモジュール等を含んでいてもよい。
【0053】
前記判断モジュールをどのように訓練して得るかの従来技術は、例えば、訓練サンプルでの入力と出力の上で特定の特徴を選択し、選択した特定の特徴に基づいてモジュール訓練を行い、反復に訓練する過程で選択した特徴を絶えずに最適化する。
【0054】
訓練して得た判断モジュールを無人運転車両に提供して利用し、無人運転車両は走行する過程で、現在の外部環境情報と地図情報を実時間的に獲得し、毎回に外部環境情報と地図情報を獲得してから、判断モジュールに基づいて、獲得した外部環境情報と地図情報が対応する車両状態情報を確定し、さらに確定した車両状態情報に基づいて無人運転車両の走行状態を制御する。
【0055】
以上は、本発明の方法実施例に対する説明で、以下では実施例三と実施例四によって、本発明の前記装置の実施例を説明する。
【0056】
実施例三
図3は、本発明の車両制御装置の実施例の組合せ構造概略図であり、
図3に示すように、獲得手段31と、判断手段32と、制御手段33とを含む。
【0057】
獲得手段31は、無人運転車両の走行過程で、現在の外部環境情報と地図情報を実時間的に獲得し、毎回に獲得した外部環境情報と地図情報を判断手段32に発送する。
【0058】
判断手段32は、予めに訓練して得た外部環境情報と、地図情報と車両状態情報との間の対応関係を表す判断モジュールによって、毎回に受信した外部環境情報と地図情報に対応する車両状態情報を確定し、確定した車両状態情報を制御手段33に発送する。
【0059】
制御手段33は、受信した車両状態情報に基づいて無人運転車両の走行状態を制御する。
【0060】
無人運転車両の走行過程で、獲得手段31は、現在の外部環境情報と地図情報を実時間的に獲得でき、毎回に獲得した外部環境情報と地図情報を判断手段32に発送して、判断手段32に判断させてもよい。
【0061】
獲得した外部環境情報は、周囲車両の位置、大きさ、速度、方向、周囲歩行者の位置、速度、方向等を含んでいてもよい。
【0062】
獲得した地図情報は高精度の地図に基づいて獲得した地図情報で、車両の座標、車両の前方に交差点があるか否か、高架橋、交通信号燈、停止線等含んでいてもよい。
【0063】
判断手段32は、毎回に受信した外部環境情報と地図を統合して、予めに訓練して得た判断モジュールの入力として、判断モジュールが出力した車両状態情報を獲得し、判断モジュールの類型は、 SVMモジュール、またはニューラルネットワークモジュール等を含んでいてもよい。
【0064】
車両状態情報は、車両の速度、加速度、ハンドルの角度、ハンドルの角速度、方向転換燈の状態、ハイビーム燈の状態、近光燈の状態等を含んでいてもよい。
【0065】
判断手段32は、確定した車両状態情報を制御手段33に発送してもよく、相応に、制御手段33は、受信した車両状態情報に基づいて、従来技術に従って、無人運転車両の走行状態を制御してもよい。
【0066】
実施例四
図4は、本発明の判断モジュールの獲得装置の実施例の組合せ構造概略図であり、
図4に示すように、データ收集手段41と、モジュール訓練手段42とを含んでいる。
【0067】
データ收集手段41は、運転者が車両を運転して道路で走行する時、現在の外部環境情報と、地図情報と車両状態情報を実時間的に獲得する。
【0068】
モジュール訓練手段42は、データ収集が完了してから、獲得した情報に基づいて訓練して外部環境情報と、地図情報と車両状態情報との間の対応関係を表す判断モジュールを獲得し、無人運転車両の走行過程で、毎回現在の外部環境情報と地図情報を獲得した後に、判断モジュールによって、獲得した外部環境情報と地図情報が対応する車両状態情報を確定し、また確定した車両状態情報に基づいて無人運転車両の走行状態を制御する。
【0069】
経験を有し運転技術が優れた運転者に車両を運転させて道路で走行し、車両の走行過程で、データ收集手段41は、現在の外部環境情報と、地図情報と車両状態情報を実時間的に獲得できる。
【0070】
一つのみの車両を利用して上記方式に従って情報を集積し、同時又は異なる時間に複数の車両を利用して上記の形態で情報を収集してもよい。
【0071】
獲得した外部環境情報は、周囲車両の位置、大きさ、速度、方向、周囲歩行者の位置、速度、方向等を含んでいてもよい。
【0072】
獲得した地図情報は、高精度の地図に基づいて獲得した地図情報であり、車両の座標、車両の前方に交差点があるか否か、高架橋、交通信号燈、停止線等を含んでいてもよい。
【0073】
獲得した車両状態情報は、車両の速度、加速度、ハンドルの角度、ハンドルの角速度、方向転換燈の状態、ハイビーム燈の状態、近光燈の状態等を含んでいてもよい。
【0074】
充分に多い外部環境情報と、地図情報と車両状態情報を収集してから、モジュール訓練手段42によって判断モジュールの訓練を行うことができる。
【0075】
例えば、モジュール訓練手段42は、毎回に獲得した外部環境情報と、地図情報と車両状態情報を一つの訓練サンプルに組合せ、且つ、訓練サンプル毎における外部環境情報と地図情報を統合して当該訓練サンプルでの入力とし、訓練サンプル毎における車両状態情報を当該訓練サンプルにおける出力とし、各訓練サンプルでの入力と出力に基づいて訓練して判断モジュールを得る。
【0076】
また、モジュール訓練手段42は、さらに各訓練サンプルから異常データを含む訓練サンプルを選別して除去し、残りの訓練サンプルに基づいて訓練して判断モジュールを得てもよい。
【0077】
例えば、経験によると、周囲歩行者の速度は閾値Aの以下で、ある訓練サンプルにおける周囲歩行者の速度が閾値Aより大きいと、当該情報獲得が誤ったと判断し、相応に、当該訓練サンプルを選別し除去する。
【0078】
モジュール訓練手段42は、選別し除去した後の残りの訓練サンプルに基づいて訓練して判断モジュールを得ており、前記判断モジュールの類型は、SVMモジュールまたはニューラルネットワークモジュール等を含んでいてもよい。
【0079】
前記判断モジュールをどのように訓練して得るかの従来技術は、例えば、訓練サンプルでの入力と出力の上で特定の特徴を選択し、選択した特定の特徴に基づいてモジュール訓練を行い、反復する訓練の過程で選択した特徴を絶えずに最適化する。
【0080】
モジュール訓練手段42は、訓練して得た判断モジュールを無人運転車両に提供して利用し、無人運転車両は走行する過程で、現在の外部環境情報と地図情報を実時間的に獲得し、毎回に外部環境情報と地図情報を獲得してから、判断モジュールに基づいて、獲得した外部環境情報と地図情報が対応する車両状態情報を確定し、さらに確定した車両状態情報に基づいて無人運転車両の走行状態を制御してもよい。
【0081】
上記各実施例での説明によって、本発明の前記方案はいずれの道路状況に適用でき、安全性を高め、且つ、人工的に規則を編集する必要がないので、編集とメンテナンスの作業量を低減させ、また、本発明の前記方案は実現が簡単で便利で、普及及び推し広めするに容易である。
【0082】
本発明で提供する幾つの実施例で開示したシステム、装置及び方法は、他の方式によって実現できるのは理解すべきである。例えば、以上に記載した装置の実施例はただ例示的なもので、例えば、前記手段の分割はただロジック機能の分割で、実際に実現する時は他の分割方式によってもよい。
【0083】
前記で分離部材として説明した手段は、物理上で分離したものであってもよく物理上で分離しなかったものであってもよく、即ち、同一の位置にあってもよく、複数のネットワークユニットに分布されていてもよい。実際の必要によってその一部または全部の手段を選択して本実施例の方案の目的を実現してもよい。
【0084】
また、本発明の各実施例における各機能手段は一つの処理モジュールに集積してもよく、各手段が物理上で単独に存在してもよく、二つ又は三つ以上の手段を一つの手段に集積してもよい。前記集積した手段は、ハードウェアの形式に実現してもよく、ハードウェアにソフトウェアの機能手段を結合する形式で実現してもよい。
【0085】
上記のソフト機能手段の形式で実現した集積した手段は、一つのコンピューターが可読な記憶媒体に記憶してもよい。前記ソフト機能手段は一つの記憶媒体に記憶してもよく、複数の命令を含んで一つのコンピューターデバイス(パーソナルコンピューター、サーバー、又はネットワークデバイス等)又は処理モジュール(processor)によって、本発明の各実施例の前記方法の一部のステップを実行させてもよい。前記記憶媒体は、Uディスク、ポータブルハードウェア、読み出し専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、ディスク又は光ディスク等の複数のプログラムコードを記憶できる媒体を含む。
【0086】
前記はただ本発明の好ましい実施例であり、本発明を制限するものではなく、本発明の主旨及びび原則の範囲で行ったいずれの修正、等価置換、改良等は、全部本発明の保護範囲に属する。