特許第6463721号(P6463721)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6463721無線通信システムにおいてチャネル状態情報をフィードバックする方法及びそのための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6463721
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年2月6日
(54)【発明の名称】無線通信システムにおいてチャネル状態情報をフィードバックする方法及びそのための装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/10 20090101AFI20190128BHJP
   H04W 28/16 20090101ALI20190128BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20190128BHJP
【FI】
   H04W24/10
   H04W28/16
   H04W16/28 150
【請求項の数】12
【全頁数】39
(21)【出願番号】特願2016-251222(P2016-251222)
(22)【出願日】2016年12月26日
(62)【分割の表示】特願2015-529671(P2015-529671)の分割
【原出願日】2013年8月28日
(65)【公開番号】特開2017-77025(P2017-77025A)
(43)【公開日】2017年4月20日
【審査請求日】2016年12月26日
(31)【優先権主張番号】61/694,206
(32)【優先日】2012年8月28日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/753,873
(32)【優先日】2013年1月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】キム ヒョンテ
(72)【発明者】
【氏名】キム キチョン
(72)【発明者】
【氏名】パク チョンヒョン
【審査官】 田部井 和彦
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−506671(JP,A)
【文献】 Fujitsu,Email discussion [69-10]: Details of collision handling and compression/multiplexing in case of 2 or,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #70 R1-123295draft,2012年 8月 5日,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_70/Docs/R1-123295.zip
【文献】 CATT,Proposed changes on periodic RI-reference-process,3GPP TSG-RAN WG1#71 meeting R1-125384,2012年11月16日,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_71/Docs/R1-125384.zip
【文献】 CATT,Further discussion on periodic feedback,3GPP TSG RAN WG1 meeting #70 R1-123216,2012年 8月 5日,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_70/Docs/R1-123216.zip
【文献】 CATT,CSI multiplexing of multiple processes for CoMP,3GPP TSG RAN WG1 meeting #70bis R1-124097,2012年 9月29日,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_70b/Docs/R1-124097.zip
【文献】 Renesas Mobile Europe Ltd.,On periodic feedback,3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #70 R1-123581 [online],[retrieved on 2018.02.26], Retrieved from the Internet: <URL: http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_70/Docs/R1-123581.zip>,2012年 8月 5日,第1-5頁
【文献】 InterDigital Communications, LLC,Procedures for collisions between periodic and aperiodic CQI/PMI/RI reports and Draft CR to 36.213,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #54 R1-082805 [online],[retrieved on 2018.02.26], Retrieved from the Internet: <URL: http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_54/Docs/R1-082805.zip>,2008年 8月12日,第1-12頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00−99/00
H04B 7/24− 7/26
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線接続システムにおいて端末がチャネル状態情報(CSI)報告を送信する方法であって、
第1CSIプロセスに対する第1CSI報告及び第2CSIプロセスに対する第2CSI報告の少なくとも1つを基地局に送信するステップを有し、
前記第2CSI報告のランク指示子(RI)は、前記第1CSI報告のRIと同じ値に設定され、
前記第1CSI報告と前記第2CSI報告が同時に送信される場合、前記第2CSIプロセスに対する前記第2CSI報告は捨てられ、前記第2CSI報告のプリコーディング行列指示子(PMI)は、前記第1CSI報告のPMIと同じ値に設定される、チャネル状態情報報告送信方法。
【請求項2】
前記第1CSI報告のPMIと前記第2CSI報告のPMIのそれぞれは、広帯域第1PMIである、請求項1に記載のチャネル状態情報報告送信方法。
【請求項3】
前記第1CSI報告と前記第2CSI報告が別個に送信される場合、前記第2CSI報告のPMIは、前記第1CSI報告のPMIと独立に決定される、請求項1に記載のチャネル状態情報報告送信方法。
【請求項4】
同一の報告タイプである複数のCSI報告が同時に報告される場合、前記複数のCSI報告は、最も低いCSIプロセスインデックスを有するCSIプロセスに対するCSI報告を除いて捨てられる、請求項1に記載のチャネル状態情報報告送信方法。
【請求項5】
前記第1CSIプロセス及び前記第2CSIプロセスに関する情報は、前記基地局からRRCシグナリングを介して受信される、請求項1に記載のチャネル状態情報報告送信方法。
【請求項6】
無線接続システムにおいて基地局がチャネル状態情報(CSI)報告を受信する方法であって、
第1CSIプロセスに対する第1CSI報告及び第2CSIプロセスに対する第2CSI報告の少なくとも1つを端末から受信するステップを有し、
前記第2CSI報告のランク指示子(RI)は、前記第1CSI報告のRIと同じ値に設定され、
前記第1CSI報告と前記第2CSI報告が前記端末により同時に送信される場合、前記第2CSIプロセスに対する前記第2CSI報告は捨てられ、前記第2CSI報告のプリコーディング行列指示子(PMI)は、前記第1CSI報告のPMIと同じ値に設定される、チャネル状態情報報告受信方法。
【請求項7】
前記第1CSI報告のPMIと前記第2CSI報告のPMIのそれぞれは、広帯域第1PMIである、請求項6に記載のチャネル状態情報報告受信方法。
【請求項8】
前記第1CSI報告と前記第2CSI報告が前記端末により別個に送信される場合、前記第2報告のPMIは、前記第1報告のPMIと独立に決定される、請求項6に記載のチャネル状態情報報告受信方法。
【請求項9】
同じ報告タイプである複数のCSI報告が同時に報告される場合、前記複数のCSI報告は、最も低いCSIプロセスインデックスを有するCSIプロセスに対するCSI報告を除いて捨てられる、請求項6に記載のチャネル状態情報報告受信方法。
【請求項10】
前記第1CSIプロセス及び前記第2CSIプロセスに関する情報は、前記端末にRRCシグナリングを介して送信される、請求項6に記載のチャネル状態情報報告受信方法。
【請求項11】
無線接続システムにおける端末であって、
RFユニットと、
プロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、第1チャネル状態情報(CSIプロセスに対する第1CSI報告及び第2CSIプロセスに対する第2CSI報告の少なくとも1つを基地局に送信するように構成され、
前記第2CSI報告のランク指示子(RI)は、前記第1CSI報告のRIと同じ値に設定され、
前記第1CSI報告と前記第2CSI報告が同時に送信される場合、前記第2CSIプロセスに対する前記第2CSI報告は捨てられ、前記第2CSI報告のプリコーディング行列指示子(PMI)は、前記第1CSI報告のPMIと同じ値に設定される、端末。
【請求項12】
無線接続システムにおける基地局であって、
RFユニットと、
プロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、第1チャネル状態情報(CSIプロセスに対する第1CSI報告及び第2CSIプロセスに対する第2CSI報告の少なくとも1つを端末から受信するように構成され、
前記第2CSI報告のランク指示子(RI)は、前記第1CSI報告のRIと同じ値に設定され、
前記第1CSI報告と前記第2CSI報告が前記端末により同時に送信される場合、前記第2CSIプロセスに対する前記第2CSI報告は捨てられ、前記第2CSI報告のプリコーディング行列指示子(PMI)は、前記第1CSI報告のPMIと同じ値に設定される、基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに関し、特に、無線通信システムにおいてチャネル状態情報をフィードバックする方法及びそのための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明を適用できる無線通信システムの一例として、3GPP LTE(3rd Generation Partnership Project Long Term Evolution;以下、「LTE」という。)通信システムについて概略的に説明する。
【0003】
図1は、無線通信システムの一例としてE−UMTSネットワーク構造を概略的に示す図である。E−UMTS(Evolved Universal Mobile Telecommunications System)は、既存のUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)から進展したシステムであり、現在3GPPで基礎的な標準化作業が進行中である。一般に、E−UMTSをLTE(Long Term Evolution)システムと呼ぶこともできる。UMTS及びE−UMTSの技術規格(technical specification)の詳細な内容はそれぞれ、「3rd Generation Partnership Project;Technical Specification Group Radio Access Network」のRelease 7及びRelease 8を参照すればよい。
【0004】
図1を参照すると、E−UMTSは、端末(User Equipment;UE)、基地局(eNodeB;eNB)、及びネットワーク(E−UTRAN)の終端に位置して外部ネットワークに接続するアクセスゲートウェイ(Access Gateway;AG)を含んでいる。基地局は、ブロードキャストサービス、マルチキャストサービス及び/又はユニキャストサービスのために多重データストリームを同時に送信することができる。
【0005】
一つの基地局には一つ以上のセルが存在する。セルは、1.25、2.5、5、10、15、20MHzなどの帯域幅のいずれか一つに設定され、複数の端末に下り又は上り送信サービスを提供する。異なったセルは、互いに異なった帯域幅を提供するように設定されればよい。基地局は、複数の端末に関するデータ送受信を制御する。下りリンク(Downlink;DL)データについて、基地局は下りリンクスケジューリング情報を送信し、該当の端末にデータが送信される時間/周波数領域、符号化、データサイズ、HARQ(Hybrid Automatic Repeat and reQuest)関連情報などを知らせる。また、上りリンク(Uplink;UL)データについて、基地局は上りリンクスケジューリング情報を該当の端末に送信し、該当の端末が使用可能な時間/周波数領域、符号化、データサイズ、HARQ関連情報などを知らせる。基地局同士の間には、ユーザトラフィック又は制御トラフィックの送信のためのインターフェースを用いることができる。コアネットワーク(Core Network;CN)は、AG、及び端末のユーザ登録などのためのネットワークノードなどで構成可能である。AGは、複数のセルで構成されるTA(Tracking Area)単位に端末の移動性を管理する。
【0006】
無線通信技術は、WCDMAに基づいてLTEにまで開発されてきたが、ユーザと事業者の要求と期待は増す一方である。その上、他の無線接続技術の開発が続いており、将来、競争力を持つためには新しい技術進化が要求される。ビット当たりのコストの削減、サービス可用性の増大、柔軟な周波数バンドの使用、単純構造と開放型インターフェース、端末の適度なパワー消耗などが要求される。
【0007】
端末は、基地局の無線通信システムの効率的な運用を補助するために、現在チャネルの状態情報を基地局に周期的及び/又は非周期的に報告する。このように報告されるチャネルの状態情報は様々な状況を考慮して計算された結果を含み得ることから、より効率的な報告方法が要求されている実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したような議論に基づき、以下では、無線通信システムにおいてチャネル状態情報を報告する方法及びそのための装置を提案する。
【0009】
本発明で達成しようとする技術的課題は、上記の技術的課題に制限されず、言及していない他の技術的課題は、以下の記載から、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者には明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記問題点を解決するために、本発明の一実施例に係る、無線通信システムにおいて端末がチャネル状態情報(CSI)を送信する方法は、基準CSI設定及び前記基準CSI設定のランク指示子(RI)と同じRIを有するように設定された従属CSI設定に関する情報を受信するステップと、一つのサブフレームで前記基準CSI設定による広帯域プリコーディング行列指示子(PMI)及び前記RIの報告と前記従属CSI設定による広帯域PMI及び前記RIの報告とが衝突する場合、前記従属CSI設定による前記広帯域PMIを、前記基準CSI設定による前記広帯域PMIと同一に決定するステップと、前記基準CSI設定及び前記従属CSI設定から選択されたいずれか一つによる前記RI及び前記広帯域PMIを送信するステップと、を含むことを特徴とする。
【0011】
本発明の他の実施例に係る、無線通信システムにおいて基地局がチャネル状態情報(CSI)を受信する方法は、基準CSI設定及び前記基準CSI設定のランク指示子(RI)と同じRIを有するように設定された従属CSI設定に関する情報を送信するステップと、一つのサブフレームで前記基準CSI設定による広帯域プリコーディング行列指示子(PMI)及び前記RIの報告と前記従属CSI設定による広帯域PMI及び前記RIの報告とが衝突する場合、前記基準CSI設定及び前記従属CSI設定から選択されたいずれか一つによる前記RI及び前記広帯域PMIを受信するステップと、を含み、前記従属CSI設定による前記広帯域PMIは、前記基準CSI設定による前記広帯域PMIと同一に決定されることを特徴とする。
【0012】
本発明の他の実施例に係る、無線通信システムにおいてチャネル状態情報(CSI)を送信する端末は、RF(Radio Frequency)ユニットと、プロセッサと、を備え、前記プロセッサは、基準CSI設定及び前記基準CSI設定のランク指示子(RI)と同じRIを有するように設定された従属CSI設定に関する情報を受信し、一つのサブフレームで前記基準CSI設定による広帯域プリコーディング行列指示子(PMI)及び前記RIの報告と前記従属CSI設定による広帯域PMI及び前記RIの報告とが衝突する場合、前記従属CSI設定による前記広帯域PMIを、前記基準CSI設定による前記広帯域PMIと同一に決定し、前記基準CSI設定及び前記従属CSI設定から選択されたいずれか一つによる前記RI及び前記広帯域PMIを送信するように構成されたことを特徴とする。
【0013】
本発明の他の実施例に係る、無線通信システムにおいてチャネル状態情報(CSI)を受信する基地局は、RF(Radio Frequency)ユニットと、プロセッサと、を備え、前記プロセッサは、基準CSI設定及び前記基準CSI設定のランク指示子(RI)と同じRIを有するように設定された従属CSI設定に関する情報を送信し、一つのサブフレームで前記基準CSI設定による広帯域プリコーディング行列指示子(PMI)及び前記RIの報告と前記従属CSI設定による広帯域PMI及び前記RIの報告とが衝突する場合、前記基準CSI設定及び前記従属CSI設定から選択されたいずれか一つによる前記RI及び前記広帯域PMIを受信し、前記従属CSI設定による前記広帯域PMIは、前記基準CSI設定による前記広帯域PMIと同一に決定されるように構成されたことを特徴とする。
【0014】
本発明の実施例に対して以下の事項を共通に適用することができる。
【0015】
前記基準CSI設定によるCSIの報告と前記従属CSI設定によるCSI報告とが衝突する場合、最も低いインデックスを有するCSI設定以外のCSI設定によるCSI報告は捨てられてもよい。
【0016】
前記基準CSI設定によるCSIの報告と前記従属CSI設定によるCSI報告とが衝突する場合、最も低いインデックスを有するCSI設定が選択されてもよい。
【0017】
前記基準CSI設定及び前記従属CSI設定に関する情報は、RRC(Radio Resource Control)シグナリングを通じて送信されてもよい。
【0018】
前記衝突以降に、前記従属CSI設定によるCSIは、前記基準CSI設定による前記広帯域PMIに基づいて決定されてもよい。
【0019】
前記衝突以降に、前記従属CSI設定による前記広帯域PMI及び前記RIの報告が衝突しない場合、前記従属CSI設定による前記広帯域PMIは、前記基準CSI設定による前記広帯域PMIと独立して決定されてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明の実施例によれば、無線通信システムにおいてチャネル状態情報をより效果的に報告することができる。
【0021】
本発明で得られる効果は、以上に言及した効果に制限されず、言及していない別の効果は、下の記載から、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者には明確に理解されるであろう。
【0022】
本発明に関する理解を助けるために詳細な説明の一部として含まれる添付の図面は、本発明に関する実施例を提供し、詳細な説明と共に本発明の技術的思想を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】無線通信システムの一例として、E−UMTSネットワーク構造を概略的に例示する。
図2】3GPP無線接続網規格に基づいて一端末とE−UTRAN間の無線インターフェースプロトコル(Radio Interface Protocol)のコントロールプレーン(Control Plane)及びユーザプレーン(User Plane)構造を例示する。
図3】3GPPシステムに用いられる物理チャネル及びそれらを用いた一般的な信号送信方法を例示する。
図4】LTEシステムで用いられる無線フレームの構造を例示する。
図5】LTEシステムで用いられる下りリンク無線フレームの構造を例示する。
図6】LTEシステムで用いられる上りリンクサブフレームの構造を例示する。
図7】一般的な多重アンテナ(MIMO)通信システムの構成を例示する。
図8】チャネル状態情報の周期的報告について例示する。
図9】チャネル状態情報の周期的報告について例示する。
図10】チャネル状態情報の周期的報告について例示する。
図11】チャネル状態情報の周期的報告について例示する。
図12】非−階層的コードブック使用時にチャネル状態情報を周期的に報告する過程を例示する。
図13】非−階層的コードブック使用時にチャネル状態情報を周期的に報告する過程を例示する。
図14】階層的コードブック使用時にチャネル状態情報を周期的に報告する過程を例示する。
図15】CoMPを行う一例を示す。
図16】下りリンクCoMP動作を行う場合を示す。
図17】従属CSIプロセスのタイプ5レポートと基準CSIプロセスのタイプ5レポートとが衝突する場合を示す。
図18】従属CSIプロセスのタイプ5レポートと基準CSIプロセスのタイプ5レポートとが衝突する場合の他の実施例を示す。
図19図18の場合を拡張して3個のCSIプロセスが衝突する実施例を示す。
図20】本発明に一実施例に適用可能な基地局及び端末を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に添付の図面を参照して説明された本発明の実施例から、本発明の構成、作用及び他の特徴が容易に理解されるであろう。以下に説明される実施例は、本発明の技術的特徴が3GPPシステムに適用された例である。
【0025】
本明細書ではLTEシステム及びLTE−Aシステムを用いて本発明の実施例を説明するが、これは例示に過ぎず、本発明の実施例は、上述した定義に該当するいかなる通信システムにも適用可能である。また、本明細書は、FDD方式を基準にして本発明の実施例について説明するが、これは例示に過ぎず、本発明の実施例は、H−FDD方式又はTDD方式にも容易に変形されて適用されてもよい。
【0026】
図2は、3GPP無線接続網規格に基づく端末とE−UTRANとの間の無線インターフェースプロトコル(Radio Interface Protocol)のコントロールプレーン及びユーザプレーンの構造を示す図である。コントロールプレーンとは、端末(UE)とネットワークとが呼を管理するために用いる制御メッセージが送信される通路のことを意味する。ユーザプレーンとは、アプリケーション層で生成されたデータ、例えば、音声データ又はインターネットパケットデータなどが送信される通路のことを意味する。
【0027】
第1層である物理層は、物理チャネル(Physical Channel)を用いて上位層に情報送信サービス(Information Transfer Service)を提供する。物理層は、上位の媒体接続制御(Medium Access Control)層とは送信チャネル(Transport Channel)を介して接続されている。該送信チャネルを通じて媒体接続制御層と物理層との間にデータが移動する。送信側の物理層と受信側の物理層との間には物理チャネルを通じてデータが移動する。該物理チャネルは、時間及び周波数を無線リソースとして活用する。具体的に、物理チャネルは、下りリンクにおいてOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式で変調され、上りリンクにおいてSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)方式で変調される。
【0028】
第2層の媒体接続制御(Medium Access Control;MAC)層は、論理チャネル(Logical Channel)を通じて、上位層である無線リンク制御(Radio Link Control;RLC)層にサービスを提供する。第2層のRLC層は、信頼できるデータ送信を支援する。RLC層の機能は、MAC内部の機能ブロックとしてもよい。第2層のPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層は、帯域幅の狭い無線インターフェースでIPv4やIPv6のようなIPパケットを效率的に送信するために、余分の制御情報を減らすヘッダー圧縮(Header Compression)機能を果たす。
【0029】
第3層の最下部に位置する無線リソース制御(Radio Resource Control;RRC)層は、コントロールプレーンにのみ定義される。RRC層は、無線ベアラー(Radio Bearer)の設定(Configuration)、再設定(Re−configuration)及び解除(Release)に関連して、論理チャネル、送信チャネル及び物理チャネルの制御を担当する。無線ベアラー(RB)とは、端末とネットワーク間のデータ伝達のために第2層により提供されるサービスのことを意味する。そのために、端末のRRC層とネットワークのRRC層とはRRCメッセージを互いに交換する。端末のRRC層とネットワークのRRC層間にRRC接続(RRC Connected)がある場合に、端末はRRC接続状態(Connected Mode)にあり、そうでない場合は、RRC休止状態(Idle Mode)にあるようになる。RRC層の上位にあるNAS(Non−Access Stratum)層は、セッション管理(Session Management)と移動性管理(Mobility Management)などの機能を果たす。
【0030】
基地局(eNB)を構成する1つのセルは、1.25、2.5、5、10、15、20MHzなどの帯域幅のいずれか一つに設定され、複数の端末に下り又は上り送信サービスを提供する。互いに異なるセルは互いに異なる帯域幅を提供するように設定することができる。
【0031】
ネットワークから端末にデータを送信する下り送信チャネルとしては、システム情報を送信するBCH(Broadcast Channel)、ページングメッセージを送信するPCH(Paging Channel)、ユーザトラフィックや制御メッセージを送信する下りSCH(Shared Channel)などがある。下りマルチキャスト又は放送サービスのトラフィック又は制御メッセージは、下りSCHを通じて送信されてもよく、別の下りMCH(Multicast Channel)を通じて送信されてもよい。一方、端末からネットワークにデータを送信する上り送信チャネルとしては、初期制御メッセージを送信するRACH(Random Access Channel)、ユーザトラフィックや制御メッセージを送信する上りSCH(Shared Channel)がある。送信チャネルの上位に存在し、送信チャネルにマッピングされる論理チャネル(Logical Channel)としては、BCCH(Broadcast Control Channel)、PCCH(Paging Control Channel)、CCCH(Common Control Channel)、MCCH(Multicast Control Channel)、MTCH(Multicast Traffic Channel)などがある。
【0032】
図3は、3GPPシステムに用いられる物理チャネル及びこれらのチャネルを用いた一般の信号送信方法を説明するための図である。
【0033】
端末は、電源が入ったり、新しくセルに進入したりした場合に、基地局と同期を取る等の初期セル探索(Initial cell search)作業を行う(S301)。そのために、端末は、基地局からプライマリ同期チャネル(Primary Synchronization Channel;P−SCH)及びセカンダリ同期チャネル(Secondary Synchronization Channel;S−SCH)を受信して基地局と同期を取り、セルIDなどの情報を取得すればよい。その後、端末は、基地局から物理放送チャネル(Physical Broadcast Channel)を受信し、セル内放送情報を取得できる。一方、端末は、初期セル探索段階で、下りリンク参照信号(Downlink Reference Signal;DL RS)を受信し、下りリンクチャネル状態を確認できる。
【0034】
初期セル探索を終えた端末は、物理下りリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel;PDCCH)、及び該PDCCHに載せられた情報に基づいて物理下りリンク共有チャネル(Physical Downlink Control Channel;PDSCH)を受信することによって、より具体的なシステム情報を取得できる(S302)。
【0035】
一方、基地局に最初に接続したり信号送信のための無線リソースがない場合には、端末は、基地局にランダムアクセス手順(Random Access Procedure;RACH)を行ってよい(S303乃至S306)。そのために、端末は、物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel;PRACH)を通じて特定シーケンスをプリアンブルとして送信し(S303及びS305)、PDCCH及び対応するPDSCHを通じて、プリアンブルに対する応答メッセージを受信すればよい(S304及びS306)。競合ベースのRACHについては、衝突解決手順(Contention Resolution Procedure)をさらに行ってもよい。
【0036】
上述の手順を行った端末は、以降、一般的な上りリンク/下りリンク信号送信手順として、PDCCH/PDSCH受信(S307)、及び物理上りリンク共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel;PUSCH)/物理上りリンク制御チャネル(Physical Uplink Control Channel;PUCCH)送信(S308)を行えばよい。特に、端末はPDCCHを通じて下りリンク制御情報(Downlink Control Information;DCI)を受信する。ここで、DCIは、端末に対するリソース割当情報のような制御情報を含んでおり、その使用目的によってフォーマットが異なっている。
【0037】
一方、端末が上りリンクを通じて基地局に送信する又は端末が基地局から受信する制御情報としては、下りリンク/上りリンクACK/NACK信号、CQI(Channel Quality Indicator)、PMI(Precoding Matrix Index)、RI(Rank Indicator)などを含む。3GPP LTEシステムでは、端末は、これらのCQI/PMI/RIなどの制御情報をPUSCH及び/又はPUCCHを通じて送信してもよい。
【0038】
図4は、LTEシステムで用いられる無線フレームの構造を例示する図である。
【0039】
図4を参照すると、無線フレーム(radio frame)は10ms(327200×Ts)の長さを有し、10個の均等なサイズのサブフレーム(subframe)で構成されている。それぞれのサブフレームは1msの長さを有し、2個のスロット(slot)で構成されている。それぞれのスロットは0.5ms(15360×Ts)の長さを有する。ここで、Tsはサンプリング時間を表し、Ts=1/(15kHz×2048)=3.2552×10-8(約33ns)で表示される。スロットは時間領域において複数のOFDMシンボルを含み、周波数領域において複数のリソースブロック(Resource Block;RB)を含む。LTEシステムにおいて一つのリソースブロックは12個の副搬送波×7(6)個のOFDMシンボルを含む。データの送信される単位時間であるTTI(Transmission Time Interval)は一つ以上のサブフレーム単位に定めることができる。上述した無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、又はスロットに含まれるOFDMシンボルの数は様々に変更されてもよい。
【0040】
図5は、下りリンク無線フレームにおいて一つのサブフレームの制御領域に含まれる制御チャネルを例示する図である。
【0041】
図5を参照すると、サブフレームは14個のOFDMシンボルで構成されている。サブフレーム設定によって先頭の1乃至3個のOFDMシンボルは制御領域として用いられ、残り13〜11個のOFDMシンボルはデータ領域として用いられる。同図で、R1乃至R4は、アンテナ0乃至3に対する基準信号(Reference Signal(RS)又はPilot Signal)を表す。RSは、制御領域及びデータ領域を問わず、サブフレーム内に一定のパターンで固定される。制御チャネルは、制御領域においてRSの割り当てられていないリソースに割り当てられ、トラフィックチャネルもデータ領域においてRSの割り当てられていないリソースに割り当てられる。制御領域に割り当てられる制御チャネルには、PCFICH(Physical Control Format Indicator CHannel)、PHICH(Physical Hybrid−ARQ Indicator CHannel)、PDCCH(Physical Downlink Control CHannel)などがある。
【0042】
PCFICHは物理制御フォーマット指示子チャネルで、毎サブフレームごとにPDCCHに用いられるOFDMシンボルの個数を端末に知らせる。PCFICHは、最初のOFDMシンボルに位置し、PHICH及びPDCCHに優先して設定される。PCFICHは4個のREG(Resource Element Group)で構成され、それぞれのREGはセルID(Cell IDentity)に基づいて制御領域内に分散される。一つのREGは4個のRE(Resource Element)で構成される。REは、1副搬送波×1 OFDMシンボルと定義される最小物理リソースを表す。PCFICH値は帯域幅によって1〜3又は2〜4の値を指示し、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)で変調される。
【0043】
PHICHは、物理HARQ(Hybrid−Automatic Repeat and request)指示子チャネルで、上りリンク送信に対するHARQ ACK/NACKを運ぶために用いられる。すなわち、PHICHは、UL HARQのためのDL ACK/NACK情報が送信されるチャネルを表す。PHICHは、1個のREGで構成され、セル特定(cell−specific)にスクランブル(scrambling)される。ACK/NACKは1ビットで指示され、BPSK(Binary phase shift keying)で変調される。変調されたACK/NACKは拡散因子(Spreading Factor;SF)=2又は4で拡散される。同一のリソースにマップされる複数のPHICHは、PHICHグループを構成する。PHICHグループに多重化されるPHICHの個数は、拡散コードの個数によって決定される。PHICH(グループ)は周波数領域及び/又は時間領域においてダイバーシティ利得を得るために3回反復(repetition)される。
【0044】
PDCCHは物理下りリンク制御チャネルで、サブフレームにおける先頭のn個のOFDMシンボルに割り当てられる。ここで、nは1以上の整数で、PCFICHによって指示される。PDCCHは一つ以上のCCEで構成される。PDCCHは、送信チャネルであるPCH(Paging channel)及びDL−SCH(Downlink−shared channel)のリソース割当に関する情報、上りリンクスケジューリンググラント(Uplink Scheduling Grant)、HARQ情報などを各端末又は端末グループに知らせる。PCH(Paging channel)及びDL−SCH(Downlink−shared channel)はPDSCHを通じて送信される。したがって、基地局と端末は一般に、特定の制御情報又は特定のサービスデータ以外は、PDSCHを通じてデータをそれぞれ送信及び受信する。
【0045】
PDSCHのデータがいずれの端末(一つ又は複数の端末)に送信されるものか、これら端末がどのようにPDSCHデータを受信してデコードしなければならないかに関する情報などは、PDCCHに含まれて送信される。例えば、特定PDCCHが「A」というRNTI(Radio Network Temporary Identity)でCRCマスクされており、「B」という無線リソース(例、周波数位置)及び「C」というDCIフォーマット、すなわち、伝送形式情報(例、伝送ブロックサイズ、変調方式、コーディング情報など)を用いて送信されるデータに関する情報が、特定サブフレームで送信されると仮定する。この場合、セル内の端末は、自身が持っているRNTI情報を用いてPDCCHをモニタリングし、「A」のRNTIを持っている一つ以上の端末があると、これらの端末はPDCCHを受信し、受信したPDCCHの情報に基づいて「B」と「C」によって指示されるPDSCHを受信する。
【0046】
図6は、LTEシステムで用いられる上りリンクサブフレームの構造を示す図である。
【0047】
図6を参照すると、上りリンクサブフレームは、制御情報を運ぶPUCCH(Physical Uplink Control CHannel)が割り当てられる領域と、ユーザデータを運ぶPUSCH(Physical Uplink Shared CHannel)が割り当てられる領域とに区別される。サブフレームにおいて中間部分がPUSCHに割り当てられ、周波数領域においてデータ領域の両側部分がPUCCHに割り当てられる。PUCCH上で送信される制御情報は、HARQに用いられるACK/NACK、下りリンクチャネル状態を示すCQI(Channel Quality Indicator)、MIMOのためのRI(Rank Indicator)、上りリンクリソース割当要請であるSR(Scheduling Request)などがある。一つの端末に対するPUCCHは、サブフレーム内の各スロットで互いに異なる周波数を占める一つのリソースブロックを使用する。すなわち、PUCCHに割り当てられる2個のリソースブロックはスロット境界で周波数ホッピング(frequency hopping)する。特に、図6は、m=0のPUCCH、m=1のPUCCH、m=2のPUCCH、m=3のPUCCHがサブフレームに割り当てられるとしている。
【0048】
多重アンテナ(MIMO)システム
【0049】
以下、MIMOシステムについて説明する。MIMO(Multiple−Input Multiple−Output)は、複数個の送信アンテナと複数個の受信アンテナを使用する方法で、この方法によりデータの送受信効率を向上させることができる。すなわち、無線通信システムの送信端あるいは受信端で複数個のアンテナを使用することによって容量を増大させ、性能を向上させることができる。以下、本文献ではMIMOを「多重アンテナ」と呼ぶこともできる。
【0050】
多重アンテナ技術では、一つの全体メッセージを受信するに単一のアンテナ経路に依存せず、複数のアンテナに受信されたデータ断片(fragment)をまとめて併合することによってデータを完成する。多重アンテナ技術を用いると、特定のサイズのセル領域内でデータ伝送速度を向上させたり、又は特定のデータ伝送速度を保障しながらシステムカバレッジ(coverage)を増加させることができる。また、この技術は、移動通信端末と中継機などに幅広く使用可能である。多重アンテナ技術によれば、単一のアンテナを使用した従来技術による移動通信における伝送量の限界を克服することが可能になる。
【0051】
一般的な多重アンテナ(MIMO)通信システムの構成図が、図7に示されている。送信端では送信アンテナがNT個設けられており、受信端では受信アンテナがNR個設けられている。このように送信端及び受信端の両方とも複数個のアンテナを使用する場合は、送信端又は受信端のいずれか一方のみ複数個のアンテナを使用する場合に比べて、理論的なチャネル伝送容量がより増加する。チャネル伝送容量の増加はアンテナの数に比例する。これにより、伝送レートが向上し、周波数効率が向上する。1個のアンテナを使用する場合の最大伝送レートをRoとすれば、多重アンテナを使用する場合の伝送レートは、理論的に、下記の数式1のように、最大伝送レートRoにレート増加率Riを掛けた分だけ増加可能となる。ここで、Riは、NTとNRのうちの小さい値を表す。
【数1】
【0052】
例えば、4個の送信アンテナと4個の受信アンテナを用いるMIMO通信システムでは、単一アンテナシステムに比べて理論上、4倍の伝送レートを取得できる。このような多重アンテナシステムの理論的容量増加が90年代半ばに証明されて以来、これを実質的なデータ伝送率の向上へと導くための種々の技術が現在まで活発に研究されている。それらのいくつかの技術は既に3世代移動通信と次世代無線LANなどの様々な無線通信の標準に反映されている。
【0053】
現在までの多重アンテナ関連研究動向をみると、様々なチャネル環境及び多重接続環境における多重アンテナ通信容量計算などと関連した情報理論側面の研究、多重アンテナシステムの無線チャネル測定及び模型導出の研究、及び伝送信頼度の向上及び伝送率の向上のための時空間信号処理技術の研究などを含め、様々な観点で活発に研究が進行されている。
【0054】
多重アンテナシステムにおける通信方法をより具体的な方法で説明するべく、それを数学的にモデリングすると、次のように示すことができる。図7に示すように、NT個の送信アンテナとNR個の受信アンテナが存在するとする。まず、送信信号について説明すると、NT個の送信アンテナがある場合に、送信可能な最大情報はNT個であるから、送信情報を下記の数式2のようなベクトルで表現できる。
【数2】
【0055】
【数3】
【0056】
【数4】
【0057】
【数5】
【0058】
一般に、チャネル行列のランクの物理的な意味は、与えられたチャネルで互いに異なった情報を送信できる最大数を意味する。したがって、チャネル行列のランク(rank)は、互いに独立した(independent)行(row)又は列(column)の個数のうち、最小個数と定義され、よって、行列のランクは、行(row)又は列(column)の個数より大きくなることはない。数式的に例を挙げると、チャネル行列Hのランク(rank(H))は、数式6のように制限される。
【数6】
【0059】
また、多重アンテナ技術を用いて送る互いに異なった情報のそれぞれを「送信ストリーム(Stream)」、又は簡単に「ストリーム」と定義するものとする。このような「ストリーム」は、「レイヤー(Layer)」と呼ぶこともできる。そのため、送信ストリームの個数は当然ながら、互いに異なった情報を送信できる最大数であるチャネルのランクより大きくなることがない。したがって、チャネル行列Hは、下記の数式7のように表すことができる。
【数7】
【0060】
ここで、「# of streams」は、ストリームの数を表す。一方、ここで、1個のストリームは1個以上のアンテナから送信可能であるということに留意されたい。
【0061】
1個以上のストリームを複数のアンテナに対応させる様々な方法が存在する。この方法を、多重アンテナ技術の種類によって次のように説明できる。1個のストリームが複数のアンテナから送信される場合は空間ダイバーシティ方式といえ、複数のストリームが複数のアンテナから送信される場合は空間マルチプレクシング方式といえる。勿論、これらの中間方式である、空間ダイバーシティと空間マルチプレクシングとの混合(Hybrid)した形態も可能である。
【0062】
チャネル状態情報(CSI)フィードバック
【0063】
以下、チャネル状態情報(channel state information、CSI)報告に関して説明する。現在LTE標準では、チャネル状態情報無しで運用される開ループ(open−loop)MIMOとチャネル状態情報に基づいて運用される閉ループ(closed−loop)MIMOの2種類の送信方式がある。特に、閉ループMIMOでは、MIMOアンテナの多重化利得(multiplexing gain)を得るために、基地局及び端末はそれぞれチャネル状態情報に基づいてビームフォーミングを行うことができる。基地局は、チャネル状態情報を端末から得るために、端末にPUCCH(Physical Uplink Control CHannel)又はPUSCH(Physical Uplink Shared CHannel)を割り当てて、下りリンク信号に関するチャネル状態情報(CSI)をフィードバックするように命令する。
【0064】
CSIは、RI(Rank Indicator)、PMI(Precoding Matrix Index)、CQI(Channel Quality Indication)の3種類の情報に大別される。まず、RIは、上述した通り、チャネルのランク情報を示し、端末が同一の周波数−時間リソースを用いて受信できるストリームの個数を意味する。また、RIは、チャネルのロングタームフェーディング(long term fading)によって決定されることから、PMI、CQIの値に比べてより長い周期で基地局にフィードバックされる。
【0065】
第二に、PMIは、チャネルの空間特性を反映した値であり、SINRなどのメトリック(metric)を基準に、端末が好む基地局のプリコーディング行列インデックスを意味する。最後に、CQIは、チャネルの強度を示す値であり、通常、基地局がPMIを用いた時に得られる受信SINRを意味する。
【0066】
LTE−A標準のようなより進歩した通信システムでは、MU−MIMO(multi−user MIMO)を用いた追加の多重ユーザダイバーシティ(multi−user diversity)を得ることが追加された。MU−MIMOでは、アンテナドメインで多重化される端末間の干渉が存在するため、CSIの正確性は、CSIを報告した端末だけでなく、多重化される他の端末の干渉にも大きい影響を及ぼしうる。そのため、MU−MIMOではSU−MIMOに比べてより正確なCSI報告が要求される。
【0067】
これに、LTE−A標準では、最終PMIを、ロングターム(long term)及び/又は広帯域(WB、wideband)PMIであるW1と、ショートターム(short term)及び/又はサブバンド(SB、sub−band)PMIであるW2の2種類に分けて設計することと決定された。
【0068】
上記W1及びW2情報から一つの最終PMIを構成する構造的コードブック変換(hierarchical codebook transformation)方式の例示として、下記の式8のようにチャネルのロングターム共分散行列(long−term covariance matrix)を用いることができる。
【数8】
【0069】
【数9】
【0070】
既存のW1とW2の具体的な構造は、次の式9の通りである。
【数10】
【0071】
ここで、NTは送信アンテナの個数を表し、Mは、行列Xiにおける列の個数であって、行列Xiには総M個の候補列ベクトルがあることを表す。eMk、eMl、eMmは、M個の元素のうち、それぞれk番目、l番目、m番目の元素のみが1であり、残りは0である列ベクトルであって、Xiのk番目、l番目、m番目の列ベクトルを表す。
【数11】
はいずれも、単位ノルム(unit norm)を有する複素値であって、それぞれ、行列Xiのk番目、l番目、m番目の列ベクトルを抽出する時、この列ベクトルに位相回転(phase rotation)を適用することを表す。iは、0以上の整数であって、W1を示すPMIインデックスを表す。jは、0以上の整数であって、W2を示すPMIインデックスを表す。
【0072】
上記の式9で、コードワードの構造は、交差偏波アンテナ(cross polarized antenna)を使用し、アンテナ間の間隔がちゅう密な場合、例えば、通常、隣接アンテナ間の距離が信号波長の半分以下である場合、発生するチャネルの相関関係(correlation)特性を反映して設計した構造である。交差偏波アンテナの場合、アンテナを水平アンテナグループ(horizontal antenna group)と垂直アンテナグループ(vertical antenna group)とに区別できるが、各アンテナグループは、ULA(uniform linear array)アンテナの特性を有し、両アンテナグループは共存(co−located)する。
【0073】
したがって、各グループのアンテナ間の相関関係は、同一の線形位相増加(linear phase increment)特性を有し、アンテナグループ間の相関関係は、位相回転された特性を有する。結局、コードブックはチャネルを量子化(quantization)した値であるから、チャネルの特性をそのまま反映してコードブックを設計することが必要である。説明の便宜のために、上述した構造で作ったランク1コードワードを、下記の式10のように例示することができる。
【数12】
【0074】
【数13】
【0075】
前述した通り、LTEシステムにおいてチャネル状態情報(CSI)は、次のものに制限されるわけではないが、CQI、PMI、RIなどを含み、各端末の送信モードによって、CQI,PMI,RIが全て送信されることもあり、一部のみが送信されることもある。チャネル状態情報が周期的に送信される場合を周期的報告(periodic reporting)といい、チャネル状態情報が基地局の要請に応じて送信される場合を非周期的報告(aperiodic reporting)という。非周期的報告の場合、基地局から上りリンクスケジューリング情報に含まれている要請ビット(request bit)が端末に送信される。その後、端末は、自身の送信モードを考慮したチャネル状態情報を、上りリンクデータチャネル(PUSCH)で基地局に伝達する。周期的報告の場合、各端末別に上位層信号を用いて半−静的(semi−static)な方式によって周期と該周期におけるオフセットなどがサブフレーム単位にシグナリングされる。各端末は、送信モードを考慮したチャネル状態情報を、定められた周期で上りリンク制御チャネル(PUCCH)を介して基地局に伝達する。チャネル状態情報を送信するサブフレームに上りリンクデータが同時に存在すると、チャネル状態情報は、データと共に上りリンクデータチャネル(PUSCH)を介して送信される。基地局は、各端末のチャネル状況及びセル内の端末分布状況などを考慮して各端末に適した送信タイミング情報を端末に送信する。送信タイミング情報は、チャネル状態情報を送信するための周期、オフセットなどを含み、RRCメッセージを用いて各端末に送信することができる。
【0076】
図8乃至図11には、LTEでチャネル状態情報の周期的報告を例示する。
【0077】
図8を参照すると、LTEシステムには4つのCQI報告モードがある。具体的に、CQI報告モードは、CQIフィードバックタイプによって、WB CQIとSB CQIとに分類され、PMIを送信するか否かによって、PMI不在(No PMI)と単一(single)PMIとに分類される。各端末は、CQIを周期的に報告するために、周期とオフセットとの組合せで構成された情報をRRCシグナリングを通じて受信する。
【0078】
図9には、端末が、{周期「5」、オフセット「1」}を示す情報がシグナリングされた場合にチャネル状態情報を送信する例を示す。図9を参照すると、周期「5」、オフセット「1」を示す情報を受信した場合に、端末は、0番目のサブフレームからサブフレームインデックスの増加方向に1サブフレームのオフセットをおいて5サブフレーム単位にチャネル状態情報を送信する。チャネル状態情報は基本的にPUCCHを介して送信されるが、同一時点にデータ送信のためのPUSCHが存在すると、チャネル状態情報はPUSCHを介してデータと共に送信される。サブフレームインデックスはシステムフレーム番号(又は、無線フレームインデックス)(nf)とスロットインデックス(ns、0〜19)との組合せで構成される。サブフレームは、2個のスロットで構成されるため、サブフレームインデックスは、10*nf+floor(ns/2)と定義できる。floor()は、切り捨ての関数を表す。
【0079】
WB CQIのみを送信するタイプと、WB CQI及びSB CQIの両方を送信するタイプとがある。WB CQIのみを送信するタイプは、毎CQI送信周期に該当するサブフレームで全体帯域に対するCQI情報を送信する。一方、図8のように、PMIフィードバックタイプによってPMIも送信しなければならない場合には、PMI情報をCQI情報と共に送信する。WB CQI及びSB CQIの両方を送信するタイプでは、WB CQIとSB CQIは交互に送信される。
【0080】
図10には、システム帯域が16個のRBで構成されたシステムを例示する。この場合、システム帯域は、2個のBP(Bandwidth Part)で構成され(BP0,BP1)、それぞれのBPは、2個のSB(subband)で構成され(SB0,SB1)、それぞれのSBは4個のRBで構成されると仮定する。この仮定は説明のための例示であり、システム帯域のサイズによって、BPの個数及び各SBのサイズが変更されてもよい。また、RBの個数、BPの個数及びSBのサイズによって、それぞれのBPを構成するSBの個数が変更されてもよい。
【0081】
WB CQIとSB CQIの両方を送信するタイプの場合、最初のCQI送信サブフレームでWB CQIを送信し、次のCQI送信サブフレームでは、BP0に属したSB0とSB1のうち、チャネル状態の良いSBに対するCQIと当該SBのインデックス(例、Subband Selection Indicator、SSI)を送信する。その後、次のCQI送信サブフレームでは、BP1に属したSB0とSB1のうち、チャネル状態の良いSBに対するCQIと当該SBのインデックスを送信する。このように、WB CQIを送信した後、各BPに対するCQI情報を順次に送信する。2つのWB CQIの間に、各BPに対するCQI情報を順次に1〜4回まで送信することができる。例えば、2つのWB CQIの間に各BPに対するCQI情報が1回順次に送信される場合、WB CQI⇒BP0 CQI⇒BP1 CQI⇒WB CQIの順に送信できる。また、2つのWB CQIの間に各BPに対するCQI情報が4回順次に送信される場合、WB CQI⇒BP0 CQI⇒BP1 CQI⇒BP0 CQI⇒BP1 CQI⇒BP0 CQI⇒BP1 CQI⇒BP0 CQI⇒BP1 CQI⇒WB CQIの順に送信できる。各BP CQIが何回順次に送信されるかに関する情報は、上位層(例、RRC層)でシグナリングされる。
【0082】
図11(a)は、端末が、{周期「5」、オフセット「1」}を示す情報がシグナリングされた場合にWB CQI及びSB CQIの両方を送信する例を示している。図11(a)を参照すると、CQIを、その種類に関わらず、シグナリングされた周期とオフセットに該当するサブフレームでのみ送信することができる。図11(b)は、図11(a)においてRIがさらに送信される場合を示している。RIは、WB CQI送信周期の何倍数で送信されるかと、その送信周期におけるオフセットとの組合せで上位層(例、RRC層)からシグナリングできる。RIのオフセットは、CQIのオフセットに相対的な値でシグナリングされる。例えば、CQIのオフセットが「1」であり、RIのオフセットが「0」であれば、RIはCQIと同じオフセットを有する。RIのオフセットは、0と負数の値で定義される。具体的に、図11(b)は、図11(a)と同じ環境でRIの送信周期がWB CQI送信周期の1倍であり、RIのオフセットが「−1」である場合を仮定する。RIの送信周期はWB CQI送信周期の1倍であるから、チャネル状態情報の送信周期は事実上RIの送信周期と同一である。RIのオフセットが「−1」であるから、RIは、図11(a)におけるCQIのオフセット「1」に対する「−1」(すなわち、0番サブフレーム)を基準に送信される。RIのオフセットが「0」なら、WB CQIとRIの送信サブフレームが重なり、この場合にはWB CQIをドロップ(drop)してRIを送信する。
【0083】
図12は、図8のMode1−1の場合におけるCSIフィードバックを例示している。
【0084】
図12を参照すると、CSIフィードバックは、2種類のレポートコンテンツであるReport 1とReport 2の送信で構成される。具体的に、Report 1にはRIが、Report 2にはWB PMIとWB CQIが送信される。Report 2は、(10*nf+floor(ns/2)−Nオフセット,CQI)mod(Npd)=0を満たすサブフレームインデックスで送信される。Nオフセット、CQIは、図9で例示したPMI/CQI送信のためのオフセット値に該当し、図12は、Nオフセット、CQI=1である場合を例示している。Npdは、隣接したReport 2間のサブフレーム間隔を表し、図12は、Npd=2の場合を例示している。Report 1は、(10*nf+floor(ns/2)−Nオフセット,CQI−Nオフセット,RI)mod(MRI*Npd)=0を満たすサブフレームインデックスで送信される。MRIは上位層シグナリングによって定められる。また、Nオフセット、RIは、図11で例示したRI送信のための相手オフセット値に該当する。図12は、MRI=4、及びNオフセット、RI=−1である場合を例示している。
【0085】
図13は、図8のMode2−1の場合におけるCSIフィードバックを例示している。
【0086】
図13を参照すると、CSIフィードバックは、3種類のレポートコンテンツであるReport 1,Report 2,Report 3の送信で構成される。具体的に、Report 1にはRIが、Report 2にはWB PMIとWB CQIが、Report 3にはSB(subband)CQIとL−ビットサブバンド選択指示子(Subband Selection Indicator,SSI)が送信される。Report 2又はReport 3は、(10*nf+floor(ns/2)−Nオフセット,CQI)mod(Npd)=0を満たすサブフレームインデックスで送信される。特に、Report 2は、(10*nf+floor(ns/2)−Nオフセット,CQI)mod(H*Npd)=0を満たすサブフレームインデックスで送信される。したがって、H*Npdの間隔でReport 2が送信され、隣接したReport 2間のサブフレームはReport 3送信で埋められる。このとき、H値は、H=J*K+1であり、ここで、Jは、BP(bandwidth part)の個数である。Kは、異なったBP別に1回ずつサブバンドを選別して送信する過程を全BPにわたって行う全体サイクル(full cycle)を連続して何サイクル行うかを表す値であり、上位層シグナリングによって定められる。図13は、Npd=2,J=3及びK=1の場合を例示する。Report 1は、(10*nf+floor(ns/2)−Nオフセット,CQI−Nオフセット,RI)mod(MRI*(J*K+1)*Npd)=0を満たすサブフレームインデックスで送信される。図13は、MRI=2、及びNオフセット、RI=−1である場合を例示している。
【0087】
図14は、LTE−Aシステムで議論中であるチャネル状態情報の周期的報告を例示している。基地局が8個の送信アンテナを有するとき、Mode2−1の場合、1−ビット指示子であるPTI(Precoder Type Indication)パラメータを設定し、PTI値によって、図示のように2つの形態に細分化した周期的報告モードを考慮している。同図で、W1とW2は、上記の式8及び式9を参照して説明した階層的コードブックを表す。W1とW2が全て定められてこそ、それらを結合して完成した形態のプリコーディング行列Wが決定される。
【0088】
図14を参照すると、周期的報告の場合、Report 1,Report 2,Report 3に該当する異なった内容の報告が異なった反復周期で報告される。Report 1は、RIと1−ビットPTI値を報告する。Report 2は、WB(WideBand) W1(PTI=0のとき)、又はWB W2及びWB CQI(PTI=1のとき)を報告する。Report 3は、WB W2及びWB CQI(PTI=0のとき)、又はSB(Subband)W2及びSB CQI(PTI=1のとき)を報告する。
【0089】
Report 2とReport 3は、サブフレームインデックスが(10*nf+floor(ns/2)−Nオフセット,CQI)mod(NC)=0を満たすサブフレーム(便宜上、第1サブフレームセットという。)で送信される。Nオフセット、CQIは、図9で例示したPMI/CQI送信のためのオフセット値に該当する。また、Ncは、隣接したReport 2又はReport 3間のサブフレーム間隔を表す。図14は、Nオフセット、CQI=1及びNc=2の場合を例示しており、第1サブフレームセットは、奇数インデックスを有するサブフレームで構成される。nfは、システムフレーム番号(又は、無線フレームインデックス)を表し、nsは、無線フレーム内でスロットインデックスを表す。floor()は、切り捨ての関数を表し、A mod Bは、AをBで割った余を表す。
【0090】
第1サブフレームセット内の一部のサブフレーム上にReport 2が位置し、残りのサブフレーム上にReport 3が位置する。具体的に、Report 2は、サブフレームインデックスが(10*nf+floor(ns/2)−Nオフセット,CQI)mod(H*Nc)=0を満たすサブフレーム上に位置する。したがって、H*Ncの間隔ごとにReport 2が送信され、隣接したReport 2間のに位置する一つ以上の第1サブフレームは、Report 3送信で埋められる。PTI=0のとき、H=Mであり、Mは、上位層シグナリングによって定められる。図14は、M=2の場合を例示している。PTI=1のとき、H=J*K+1であり、Kは上位層シグナリングによって定められ、Jは、BP(bandwidth part)の個数である。図14は、J=3及びK=1である場合を例示している。
【0091】
Report 1は、サブフレームインデックスが(10*nf+floor(ns/2)−Nオフセット,CQI−Nオフセット,RI)mod(MRI*(J*K+1)*Nc)=0を満たすサブフレームで送信され、MRIは、上位層シグナリングによって定められる。Nオフセット、RIは、RIのための相手オフセット値を表し、図14は、MRI=2、及びNオフセット、RI=−1である場合を例示する。Nオフセット、RI=−1によって、Report 1とReport 2の送信時点が重なり合わなくなる。端末がRI,W1,W2値を計算時に、これらは互いに関連して計算される。例えば、RI値に依存してW1とW2が計算され、また、W1に依存してW2が計算される。Report 1に続いてReport 2及びReport 3が全て報告された時点に、基地局は、W1及びW2から最終Wがわかる。
【0092】
協調的送信システム(CoMP)におけるチャネル状態情報(CSI)フィードバック
【0093】
以下では、CoMP(Cooperative Multipoint Transmission/Reception)について説明する。
【0094】
LTE−A以降のシステムは、複数のセル間の協調を可能にし、システムの性能を向上させる方式の導入を試みている。このような方式を協調多重ポイント送信/受信(Cooperative Multipoint Transmission/Reception: CoMP)という。CoMPとは、特定端末と、基地局、アクセス(Access)ポイント或いはセル(Cell)との通信をより円滑にするために、2つ以上の基地局、アクセスポイント或いはセルが互いに協調して端末と通信する方式のことを指す。本発明で、基地局、アクセス(Access)或いはセルはいずれも同じ意味で使われてもよい。
【0095】
一般的に、周波数再使用因子(frequency reuse factor)が1である多重セル環境で、セル−間干渉(Inter−Cell Interference; ICI)によって、セル−境界に位置している端末の性能と平均セクター収率が減少することがある。このようなICIを低減するために、既存のLTEシステムでは、端末特定電力制御を用いた部分周波数再使用(fractional frequency reuse; FFR)のような単なる受動的な技法を用いて、干渉によって制限を受けた環境でセル−境界に位置している端末が適度の収率性能を有するようにする方法が適用された。しかし、セル当たり周波数リソース使用を減らすよりは、ICIを低減したり、ICIを端末の所望する信号として再使用することが一層好ましいだろう。このような目的を達成するために、CoMP送信技法を適用することができる。
【0096】
図15には、CoMPを行う一例を示す。図15を参照すると、無線通信システムは、CoMPを行う複数の基地局(BS1、BS2及びBS3)と端末を含む。CoMPを行う複数の基地局(BS1、BS2及びBS3)は互いに協調して端末にデータを效率的に送信することができる。
【0097】
CoMP送信方式は、データ共有を用いた協調的MIMO形態のジョイントプロセシング(CoMP−Joint Processing、CoMP−JP)及び協調スケジューリング/ビームフォーミング(CoMP−Coordinated Scheduling/beamforming、CoMP−CS/CB)方式とに区別できる。
【0098】
下りリンクにおいて、ジョイントプロセシング(CoMP−JP)方式では、端末は、CoMP送信方式を行う複数の基地局からデータを同時に受信することができ、各基地局から受信した信号を結合して受信性能を向上させることができる(Joint Transmission、JT)。また、CoMP送信方式を行う基地局のずれか一つが特定時点に端末にデータを送信する方法も考慮することができる(Dynamic Point Selection,DPS)。協調スケジューリング/ビームフォーミング方式(CoMP−CS/CB)では、端末はビームフォーミングによってデータを瞬間的に一つの基地局、すなわち、サービング基地局から受信することができる。
【0099】
上りリンクでジョイントプロセシング(CoMP−JP)方式が適用される場合、複数の基地局が端末からPUSCH信号を同時に受信することができる(Joint Reception、JR)。これと違い、協調スケジューリング/ビームフォーミング方式(CoMP−CS/CB)の場合、1つの基地局のみがPUSCHを受信することができる。協調スケジューリング/ビームフォーミング方式を用いるようにする決定は、協調セル(或いは、基地局)で決定することができる。
【0100】
CoMP送信方式を用いる端末、すなわち、CoMP UEは、CoMP送信方式を行う複数の基地局に対してチャネル情報をフィードバック(feedback、以下、CSIフィードバック)することができる。ネットワークスケジューラ(Network Scheduler)は、CSIフィードバックに基づいて、CoMP−JP、CoMP−CS/CB及びDPS方式の中から、送信率を高め得るような適切なCoMP送信方式を選択することができる。そのために、CoMP UEが、CoMP送信方式を行う複数個の基地局内でCSIフィードバックを設定する(configure)方法として、PUCCHを用いた周期的なフィードバック送信方式に従うことができる。この場合、それぞれの基地局に対するフィードバック構成(feedback configuration)は互いに独立したものであってもよい。そのため、以下、本発明の一実施例に係る明細書では、このような独立したフィードバック構成をもってチャネル情報をフィードバックする動作のそれぞれを、CSIプロセス(CSI process)と呼ぶ。このようなCSIプロセスは、1つのサービングセルに1つ又はそれ以上存在可能である。
【0101】
図16には、下りリンクCoMP動作を行う場合を示す。
【0102】
図16で、UEは、eNB1とeNB2との間に位置しており、両eNB(すなわち、eNB1、eNB2)は、上記の端末への干渉問題を解決するために、JT、DCS、CS/CBのような適切なCoMP動作を行う。UEは、基地局のCoMP動作を助けるために、適切なCSIフィードバック(CSI feedback)を行う。CSIフィードバックによって送信される情報には、各eNBのPMI情報及びCQI情報が含まれており、さらに、JTのための両eNB間のチャネル情報(例えば、両eNBチャネル間の位相オフセット(phase offset)情報)が含まれてもよい。
【0103】
図16で、UEは、自身のサービングセル(serving cell)であるeNB1にCSIフィードバック(CSI feedback)信号を送信しているが、状況によって、eNB2にCSIフィードバック信号を送信してもよく、両eNBにCSIフィードバック信号を送信してもよい。また、図16では、CoMPに参加する基本単位をeNBとして説明しているが、本発明の内容は、単一eNBによって制御される送信ポイント(transmission point)間のCoMPにも適用可能である。
【0104】
すなわち、ネットワークでCoMPスケジューリングをするには、UEはサービングeNB/TPの下りリンク(DL)CSI情報だけでなく、CoMPに参加する隣接eNB/TPのDL CSI情報も併せてフィードバックしなければならない。そのために、UEは、様々なデータ送信eNB/TPと様々な干渉環境を反映する複数のCSIプロセスをフィードバックする。
【0105】
したがって、LTEシステムでCoMP CSI計算時に干渉測定のためにIMR(Interference Measurement Resource)が用いられる。1つのUEは、複数個のIMRが設定され(configure)、これら複数個のIMRのそれぞれに対して独立した設定(configuration)を有する。すなわち、それぞれのIMRは、周期、オフセット(offset)及びリソース設定(resource configuration)が独立して設定され、基地局はRRCシグナリングなどの上位層シグナリング(RRCなど)を用いてUEにシグナリングすることができる。
【0106】
また、LTEシステムでCoMP CSI計算時に要求される(desired)チャネル測定のためにCSI−RSが用いられる。1つのUEには複数個のCSI−RSが設定され、このとき、CSI−RSはそれぞれ独立した設定を有する。すなわち、各CSI−RSは、周期、オフセット、リソース割当、電力制御(power control、Pc)、アンテナポート(antenna port)数が独立して設定され、CSI−RSに関する情報は、上位層シグナリング(RRCなど)を用いて基地局からUEにシグナリングされる。
【0107】
UEに設定(configure)された複数個のCSI−RSと複数個のIMRのうち、信号測定のための一つのCSI−RSリソースと干渉測定のための一つのIMRとを関連付けて(associate)一つのCSIプロセスを定義することができる。UEは、異なったCSIプロセスから誘導されたCSI情報は、独立した周期とサブフレームオフセット(subframe offset)によってネットワーク(例えば、基地局)にフィードバックする。
【0108】
すなわち、それぞれのCSIプロセスは、独立したCSIフィードバック設定を有する。このようなCSI−RSリソースとIMRリソースとの関連付け(association)情報、及びCSIフィードバック設定などは、CSIプロセス別にRRCなどの上位層シグナリングを用いて基地局がUEに知らせることができる。例えば、UEには表1のような3つのCSIプロセスが設定されると仮定する。
【表1】
【0109】
表1で、CSI−RS0とCSI−RS1はそれぞれ、UEのサービングeNBであるeNB1から受信するCSI−RSと、協調に参加する隣接eNBであるeNB2から受信するCSI−RSを表す。もし、表1のそれぞれのCSIプロセスに対して設定されたIMRについて表2のように設定されたと仮定すれば、
【表2】
【0110】
IMR0で、eNB1はmutingを、eNB2はデータ送信を行い、UEは、IMR0から、eNB1を除くeNBからの干渉を測定するように設定される。同様に、IMR1で、eNB2はmutingを、eNB1はデータ送信を行い、UEは、IMR1から、eNB2を除くeNBからの干渉を測定するように設定される。また、IMR2ではeNB1、eNB2の両方ともmutingを行い、UEは、IMR2から、eNB1及びeNB2を除くeNBからの干渉を測定するように設定される。
【0111】
したがって、表1及び表2に示す通り、CSIプロセス0のCSI情報は、eNB1からデータを受信する場合、最適のRI,PMI,CQI情報を示す。CSIプロセス1のCSI情報は、eNB2からデータを受信する場合に、最適のRI,PMI,CQI情報を示す。CSIプロセス2のCSI情報は、eNB1からデータを受信し、eNB2から干渉を全く受けない場合に、最適のRI,PMI,CQI情報を示す。
【0112】
このように一つのUEに設定されたCSIプロセスはCoMPスケジューリング(scheduling)のために互いに従属した値を共有することが好ましい。例えば、TP1(Transmission point 1)とTP2のJT(joint transmission)の場合、cell/TP1のチャネルをシグナルパート(signal part)と見なすCSIプロセス1と、TP2のチャネルをシグナルパート(signal part)と見なすCSIプロセス2が一つのUEに設定された場合、JTスケジューリングが容易となるには、CSIプロセス1とCSIプロセス2のランク(rank)及び選択されたサブバンドインデックスが同一でなければならない。
【0113】
協調的送信システム(CoMP)におけるチャネル状態情報(CSI)の衝突(Collision)
【0114】
CoMPスケジューリングのために、端末はサービングセル(cell)又はサービング送信ポイント(Transmission Point、TP)のチャネル情報だけでなく、CoMPに参加する隣接セル又は送信ポイントのチャネル情報も基地局にフィードバックしなければならない。したがって、CoMPのために、端末は複数のセル又は送信ポイントとの干渉環境を反映する複数のCSIプロセスによるCSIをフィードバックする。
【0115】
1のCSIプロセスは、信号測定(measure)のための1つのCSI−RSリソースと干渉測定のための1つのIMRとの関連付け(association)と定義される。また、それぞれのCSIプロセスは、独立したCSIフィードバック設定(configuration)を有する。CSIフィードバック設定は。フィードバックモード、フィードバック周期、及びオフセットなどを含む。
【0116】
一つの端末に設定されたCSIプロセスは、CoMPスケジューリングの効率性のために互いに従属した値を共有することが好ましい。例えば、第1セルと第2セルがジョイントトランスミッション(JT)する場合、JTのスケジューリングが容易となるには、第1セルに対する第1CSIプロセスと第2セルに対する第2CSIプロセスは、RI及びサブバンドインデックスが同一でなければならない。
【0117】
したがって、端末に設定されたCSIプロセスの一部又は全部のCSIプロセスは、共通の(common)CSI(例えば、RI)値を有するように制限されてもよい。説明の便宜のために、共通のCSI値を有するように制限されたCSIプロセスのうち、CSI値設定の基準となるCSIプロセスを基準(reference)CSIプロセスと呼び、基準CSIプロセスを除く残りのCSIプロセスを従属(following)CSIプロセスと呼ぶ。従属CSIプロセスは、別の計算無しで、基準CSIプロセスのCSI値と同じ値をそのままフィードバックできる。
【0118】
ここで、各CSIプロセスのCSIフィードバック設定が独立して設定されうることから、CSIプロセス間に衝突(collision)が発生することがある。すなわち、一つのCSIプロセスのレポーティングタイプ(reporting type)と他のCSIプロセスのレポーティングタイプが、同一の時点にフィードバックされるように設定され、CSIプロセス間に衝突が発生することがある。例えば、一定の周期とオフセットで周期的CSIフィードバックを行うとき、同一のサブフレーム上で複数のCSIをフィードバックしなければならない衝突状況が発生しうる。
【0119】
以下では、CSIプロセス間に衝突が発生する場合のうち、RIを含むレポーティングタイプ間に衝突が発生するとき、衝突を処理(handling)する方式を提案する。例えば、上記の方式は、LTEリリース−10で定義されたCSIレポーティングタイプのうち、タイプ3、タイプ5、タイプ6間に衝突が発生する場合に適用可能である。LTEリリース−10で定義されたCSIレポーティングタイプは、次の通りである。
【0120】
タイプ1レポート(report)は、選択されたサブバンドで端末のためのCQIフィードバックを支援する。タイプ1aレポートは、サブバンドCQI及び第2PMIフィードバックを支援する。タイプ2、タイプ2b、タイプ2cレポートは、広帯域CQI及びPMIフィードバックを支援する。タイプ2aレポートは、広帯域PMIフィードバックを支援する。タイプ3レポートは、RIフィードバックを支援する。タイプ4レポートは、広帯域CQIを支援する。タイプ5レポートは、RI及び広帯域PMIフィードバックを支援する。タイプ6レポートは、RI及びPTIフィードバックを支援する。
【0121】
LTEリリース−10の定義によれば、CSIプロセス間に衝突が発生する場合、まず、レポーティングタイプによってドロップ(drop)優先順位が決定される。レポーティングタイプによるドロップ優先順位が同一である場合には、次に、低いCSIプロセスインデックスを有するCSIプロセスが、高い優先順位を有する。CSIレポーティングタイプ3,5及び6は、互いに同一の優先順位を有し、レポーティングタイプによる優先順位が同一であるため、最も低いインデックスを有するCSIプロセスを除くCSIプロセスがドロップされる。
【0122】
以下では、従属CSIプロセスのタイプ6レポートが基準CSIプロセスのタイプ3、タイプ5、又はタイプ6レポートと衝突する場合に衝突を処理する方式を提案する。
【0123】
本発明によれば、端末は、基準CSIプロセスのレポートを優先的にフィードバックし、従属CSIプロセスのタイプ6レポートはドロップする動作を行う。すなわち、基準CSIプロセスのインデックスが従属CSIプロセスのインデックスよりも低く設定されうる。このとき、従属CSIプロセスのタイプ6レポートは、RIと共にジョイントエンコーディング(joint encoding)されているPTIも併せてドロップするが、端末は、ドロップされたPTI値を次の方法で決定することができる。
【0124】
まず、端末は、従属CSIプロセスのPTI値を基準CSIプロセスのPTI値で(に)決定できる。
【0125】
具体的に、従属CSIプロセスのタイプ6レポートと基準CSIプロセスのタイプ3、タイプ5、タイプ6レポートが衝突した場合、端末は、従属CSIプロセスのPTI値を現在フィードバックされる基準CSIプロセスのPTI値と決定する。すなわち、衝突した時点以降から、端末は、基準CSIプロセスのPTI値に基づいて従属CSIプロセスのCQI又はPMIを算出して報告する。その後、端末が従属CSIプロセスのタイプ6レポートを衝突無しでフィードバックすると、端末は、基準CSIプロセスのPTI値ではなく新しくフィードバックした従属CSIプロセスのPTI値に基づいてCQI又はPMIを算出する。
【0126】
次に、端末は、従属CSIプロセスのPTI値を基本(default)PTI値と決定することができる。
【0127】
具体的に、従属CSIプロセスのタイプ6レポートと基準CSIプロセスのタイプ3、タイプ5、タイプ6レポートが衝突した場合、端末は、従属CSIプロセスのPTI値を基本PTI値と決定する。基本PTI値は0又は1であってもよい。基地局と端末は、あらかじめ決定された基本PTI値を共有することができる。その後、端末が従属CSIプロセスのタイプ6レポートを衝突無しでフィードバックすると、端末は、基本PTI値ではなく新しくフィードバックした従属CSIプロセスのPTI値に基づいてCQI又はPMIを算出する。
【0128】
次に、端末は、従属CSIプロセスのPTI値を従属CSIプロセスによって最近に報告したPTI値と決定できる。
【0129】
具体的に、従属CSIプロセスのタイプ6レポートと基準CSIプロセスのタイプ3、タイプ5、タイプ6レポートとが衝突した場合、端末は、従属CSIプロセスによって最近に報告したPTI値と決定する。その後に、端末が従属CSIプロセスのタイプ6レポートを衝突無しでフィードバックすると、端末は従属CSIプロセスによって最近に報告したPTI値ではなく、新しくフィードバックした従属CSIプロセスのPTI値に基づいてCQI又はPMIを算出する。
【0130】
一方、端末は、従属CSIプロセスのタイプ6レポートと基準CSIプロセスのタイプ3、タイプ5、又はタイプ6レポートとが衝突する場合、端末が基準CSIプロセスに従属CSIプロセスのPTI値を多重化(multiplexing)して報告することができる。
【0131】
以下では、従属CSIプロセスのタイプ5レポートと基準CSIプロセスのタイプ3、タイプ5、又はタイプ6レポートとが衝突する場合に衝突を処理する方式を提案する。すなわち、上述した方式において従属CSIプロセスのタイプ6レポートの代わりに従属CSIプロセスのタイプ5レポートが基準CSIプロセスのタイプ3、タイプ5、又はタイプ6レポートと衝突する場合を説明する。
【0132】
本発明によれば、端末は、基準CSIプロセスのレポートを優先的にフィードバックし、従属CSIプロセスのタイプ5レポートはドロップする動作を行う。すなわち、基準CSIプロセスのインデックスが従属CSIプロセスのインデックスよりも低く設定されうる。このとき、従属CSIプロセスのタイプ5レポートはRIと共にジョイントエンコーディング(joint encoding)されている広帯域PMI(W1)も併せてドロップするが、端末はド、ロップされたW1値を、次の方法で決定できる。
【0133】
まず、端末は、従属CSIプロセスのW1値を基準CSIプロセスのW1値と決定することができる。
【0134】
具体的に、従属CSIプロセスのタイプ5レポートと基準CSIプロセスのタイプ5レポートとが衝突した場合、端末は、従属CSIプロセスのW1値を、現在フィードバックされる基準CSIプロセスのW1値と決定する。すなわち、衝突した時点以降から、端末は、基準CSIプロセスのW1値に基づいて従属CSIプロセスのCQI又はPMIを算出して報告する。その後、端末が従属CSIプロセスのタイプ5レポートを衝突無しでフィードバックすると、端末は、基準CSIプロセスのW1値ではなく新しくフィードバックした従属CSIプロセスのW1値に基づいてCQI又はPMIを算出する。
【0135】
図17は、従属CSIプロセスのタイプ5レポートと基準CSIプロセスのタイプ5レポートが衝突する場合、従属CSIプロセスのW1値を基準CSIプロセスのW1値と決定する例示を示している。
【0136】
図17を参照すると、基準CSIプロセスであるCSIプロセス1と従属CSIプロセスであるCSIプロセス2のタイプ5レポートとが衝突する場合、端末は、従属CSIプロセスであるCSIプロセス2のタイプ5レポートをドロップする。CSIプロセス2のタイプ5レポートをドロップした後、端末は、基準CSIプロセスであるCSIプロセス1のW1値に基づいて従属CSIプロセスであるCSIプロセス2のCQI又はPMIを算出して報告する。
【0137】
次に、端末は、従属CSIプロセスのW1値を基本(default)W1値と決定できる。
【0138】
具体的に、従属CSIプロセスのタイプ5レポートと基準CSIプロセスのタイプ3、タイプ5、タイプ6レポートとが衝突した場合、端末は、従属CSIプロセスのW1値を基本W1値と決定する。基本W1値は0又は1であってもよい。基地局と端末は、あらかじめ決定された基本W1値を共有することができる。その後、端末が従属CSIプロセスのタイプ5レポートを衝突無しでフィードバックすると、端末は、基本W1値ではなく新しくフィードバックした従属CSIプロセスのW1値に基づいてCQI又はPMIを算出する。
【0139】
次に、端末は、従属CSIプロセスのW1値を、従属CSIプロセスによって最近に報告したW1値と決定できる。
【0140】
具体的に、従属CSIプロセスのタイプ5レポートと基準CSIプロセスのタイプ3、タイプ5、タイプ6レポートとが衝突した場合、端末は、従属CSIプロセスによって最近に報告したW1値と決定する。その後、端末が従属CSIプロセスのタイプ5レポートを衝突無しでフィードバックすると、端末は、従属CSIプロセスによって最近に報告したW1値ではなく新しくフィードバックした従属CSIプロセスのW1値に基づいてCQI又はPMIを算出する。
【0141】
一方、端末は、従属CSIプロセスのタイプ5レポートと基準CSIプロセスのタイプ3、タイプ5、又はタイプ6レポートとが衝突する場合、端末が基準CSIプロセスに従属CSIプロセスのW1値を多重化(multiplexing)して報告することができる。
【0142】
図18は、従属CSIプロセスのタイプ5レポートと基準CSIプロセスのタイプ5レポートとが衝突する場合の他の実施例を示している。
【0143】
従属CSIプロセスのタイプ5レポートと基準CSIプロセスのタイプ5レポートとが衝突する場合、端末は、基準CSIプロセスのレポートを優先せず、次のドロップ規則(rule)によって優先順位を決定することができる。CSIプロセスの衝突時に、端末は、レポーティングタイプ、CSIプロセスインデックス及びCC(Component Carrier)インデックスの順に、高い優先順位を与えることができる。このとき、図18のような状況が発生しうる。
【0144】
図18を参照すると、従属CSIプロセスがCSIプロセスインデックス1を有し、基準CSIプロセスがCSIプロセスインデックス2を有し、両CSIプロセスが特定時点に衝突する。上述したドロップ規則によれば、両CSIプロセスのレポーティングタイプが同一であるため、端末は、CSIプロセスインデックスによって優先順位を決定する。したがって、端末は、高いCSIプロセスインデックスを有する基準CSIプロセスのCSIをドロップする。この時、従属CSIプロセスのRIは、基準CSIプロセスによって最近に報告されたRI値を受け継ぐ。そして、併せてジョイントエンコーディングされる従属CSIプロセスのW1値は受け継がず、独立して決定することができる。図17では従属CSIプロセスのW1もドロップされたため、基準CSIプロセスのW1を受け継ぐことが効率的であるが、図18では、従属CSIプロセスのW1はドロップされないため、独立して決定されてもよい。図18で、衝突後に、従属CSIプロセスのW2とCQIは、最近に報告されたRIとW1に基づいて算出されるが、このとき、RIは、衝突時点以前の基準CSIプロセスのRI値であり、W1はそのRI値に基づいて従属CSIプロセスから独立して決定された値である。
【0145】
図19は、図18の場合を拡張して3個のCSIプロセスが衝突する実施例を示している。
【0146】
図19を参照すると、従属CSIプロセスとしてCSIプロセス1及び2が設定され、基準CSIプロセスとしてCSIプロセス3が設定され、特定時点に3個のCSIプロセスが衝突する。上述したドロップ規則によれば、高いCSIプロセスインデックスを有するCSIプロセス2と基準CSIプロセスであるCSIプロセス3がドロップされる。この場合、CSIプロセス1のRIは、基準CSIプロセスによって最近に報告されたRI値を受け継ぐ。そして、併せてジョイントエンコーディングされるW1は受け継がず、独立して決定されうる。CSIプロセス2は、CSIプロセス1のRI及びW1値を受け継ぐ。すなわち、基準CSIプロセスと2つ以上の従属CSIプロセスとが衝突した場合、一つの従属CSIプロセスの観点で、自身のレポートと基準プロセスのレポートがいずれもドロップされた場合、残りの従属CSIプロセスの値を受け継ぐ。図19で、CSIプロセス2のRIは、CSIプロセス1のRI値を受け継ぐ。CSIプロセス2のW1はCSIプロセス1のW1値を受け継ぎ、CSIプロセス1のW1値は基準CSIプロセスとは独立して決定されるため、CSIプロセス2は、結果として、基準CSIプロセスのW1値ではなく残りの従属CSIプロセスの値を受け継ぐ。
【0147】
図19では、RIとPMIがジョイントエンコーディングされる場合を挙げたが、基準CSIプロセスと2つ以上の従属CSIプロセスとが衝突する場合、従属CSIプロセスが残りの従属CSIプロセスの値を受け継ぐことは、RIのみが報告されたり、RI及びPTIがジョイントエンコーディングされる場合にも適用可能である。
【0148】
一方、図18又は図19の実施例のように、基準CSIプロセスのインデックスが従属CSIプロセスインデックスよりも高い場合、基準CSIプロセスがドロップされ、受け継がれる基準CSIプロセスのRI値が過去値になるという問題点が発生する。すなわち、過去のチャネル情報を報告することになり、チャネル状態情報フィードバックの正確度が低下するという問題点が発生する。そのため、基準CSIプロセスと従属CSIプロセスとが衝突するとき、基準CSIプロセスがドロップされないように、基準CSIプロセスのインデックスを従属CSIプロセスのインデックスよりも低く設定することが好ましい。又は、基準CSIプロセスのインデックスを最も低いCSIプロセスインデックスである1に固定して設定してもよい。この場合、端末は、基地局が基準CSIプロセスのインデックスを1に設定すると期待する。
【0149】
一方、基準CSIプロセスのインデックスが従属CSIプロセスのインデックスよりも高く、両CSIプロセスのRIの周期及びオフセットが互いに同一であって常に衝突する場合、基準CSIプロセスは常にドロップされ、従属CSIプロセスが受け継ぐ値がなくなるという問題も発生しうる。この場合、以下の2つの方法で問題を解決することができる。まず、基準CSIプロセスのインデックスが従属CSIプロセスのインデックスよりも高く設定されると、両CSIプロセスの周期及びオフセットが互いに同一となるように設定しない。次に、基準CSIプロセス及び従属CSIプロセスの周期及びオフセットが互いに同一であれば、基準CSIプロセスのインデックスが従属CSIプロセスのインデックスよりも高くなるように設定しない。又は、基準CSIプロセスのインデックスを1に設定することもできる。
【0150】
協調的送信システム(CoMP)において共通CSI適用の衝突
【0151】
コードブックサブセット制限(codebook subset restriction)とは、端末がコードブック内の要素からなるサブセット内でのみプリコーダを選択するように制限することを指す。すなわち、コードブックサブセット制限は、様々なプリコーディング行列を含むコードブックを生成した後、各セル又は各端末別に使用可能なプリコーディング行列を制限することである。コードブックサブセット制限を用いると、無線通信システム全体は大きいサイズのコードブックを有するが、各端末が用いるコードブックは、コードブックのサブセットで構成され、プリコーディングゲインを増加させることができる。
【0152】
ここで、コードブックサブセット制限が各CSIプロセス別に独立して設定される場合、従属CSIプロセスのRIを基準CSIプロセスのRI(共通RI)と同じ値に設定することができないという問題が発生しうる。すなわち、コードブックサブセット制限によって共通RIの適用に問題が発生しうる。例えば、基準CSIプロセスはランク1及び2を用いるようにコードブックサブセット制限が設定され、従属CSIプロセスはランク1のみを用いるようにコードブックサブセット制限が設定された場合、可用のRIが互いに異なり、問題が発生しうる。すなわち、基準CSIプロセスのRIが2である場合、従属CSIプロセスは、コードブックサブセット制限によって従属CSIプロセスのランクを2に設定できない場合がある。このような場合、端末は、下記のような手順を行うことができる。
【0153】
まず、端末は、従属CSIプロセスのRIを基準CSIプロセスのRIとは別に決定してフィードバックすることができる。これは、基準CSIプロセスのRIよりも、コードブックサブセット制限を優先して適用することを意味する。そのため、この場合には共通RIを適用しない。従属CSIプロセスのRIを選択するとき、端末は、従属CSIプロセスのコードブックサブセット制限によって可用RIを判断し、従属CSIプロセスのNZP(Non Zero Power)CSI及びIMR測定値を基準に、可用RIから最適のRIを選択する。
【0154】
次に、端末は、従属CSIプロセスのRIを基準CSIプロセスのRIと同じ値に決定できる。これは、コードブックサブセット制限よりも、基準CSIプロセスのRIを優先して適用することを意味する。そのため、この場合に従属CSIプロセスのコードブックサブセット制限は適用しない。
【0155】
次に、従属CSIプロセスのコードブックサブセット制限から可用RIを判断し、可用RIの中から、基準CSIプロセスのRIに最も近似するRIを選択できる。周期的フィードバックの場合、従属CSIプロセスのRIは、従属CSIプロセスのRIが報告される時点又はその以前に報告される値のうち、最近の値を意味する。非周期的フィードバックの場合、従属CSIプロセスのRIは、従属CSIプロセスのRIと同一の時点に報告される値を意味する。
【0156】
次に、従属CSIプロセスのコードブックサブセット制限から可用RIを判断し、可用RIのうちの最小RIを選択できる。
【0157】
一方、上述した通り、従属CSIプロセスのコードブックサブセット制限と共通RIの適用とが衝突することを防止するために、各CSIプロセス別にコードブックサブセット制限が独立して設定されないようにしてもよい。すなわち、基地局は、従属CSIプロセスと基準CSIプロセスのコードブックサブセット制限が互いに同一となるように設定し、端末も、従属CSIプロセスと基準CSIプロセスのコードブックサブセット制限が互いに同一であると期待することができる。
【0158】
また、上述した問題を防止するために、基地局は、従属CSIプロセスの可用RIと基準CSIプロセスの可用RIとが同一となるように従属CSIプロセス及び基準CSIプロセスのコードブックサブセット制限を設定してもよい。すなわち、端末は、従属CSIプロセスの可用RIと基準CSIプロセスの可用RIとが同一となるように従属CSIプロセス及び基準CSIプロセスのコードブックサブセット制限が設定されると期待できる。同様に、端末は、従属CSIプロセスの可用RIと基準CSIプロセスの可用RIとが異なるように従属CSIプロセス及び基準CSIプロセスのコードブックサブセット制限が設定されると期待しなくてもよい。
【0159】
また、上述した問題を防止するために、基地局は、従属CSIプロセスの可用RIの集合(set)が基準CSIプロセスの可用RIの集合と同一となるか又は拡大集合(superset)となるように従属CSIプロセス及び基準CSIプロセスのコードブックサブセット制限を設定してもよい。すなわち、端末は、従属CSIプロセスの可用RIの集合が基準CSIプロセスの可用RIの集合と同一となるか又は拡大集合(superset)となるように従属CSIプロセス及び基準CSIプロセスのコードブックサブセット制限が設定されると期待できる。同様に、端末は、従属CSIプロセスの可用RIの集合が基準CSIプロセスの可用RIの集合に含まれないように従属CSIプロセス及び基準CSIプロセスのコードブックサブセット制限が設定されると期待しなくてもよい。
【0160】
上述した特徴は、従属CSIプロセスのコードブックサブセット制限と共通RIの利用とが衝突する場合を説明したが、本発明は、これに限定されず、共通PMIの利用が従属CSIプロセスのコードブックサブセット制限と衝突する場合にも適用可能である。
【0161】
以下では、共通PMIの利用が従属CSIプロセスのコードブックサブセット制限と衝突する場合の手順を説明する。
【0162】
まず、端末は、従属CSIプロセスのPMIを基準CSIプロセスのPMIとは別に決定してフィードバックすることができる。これは、基準CSIプロセスのPMIよりも、コードブックサブセット制限を優先して適用することを意味する。このため、この場合に共通PMIを適用しない。従属CSIプロセスのPMIを選択する時、端末は、従属CSIプロセスのコードブックサブセット制限によって可用PMIを判断し、従属CSIプロセスのNZP(Non Zero Power)CSI及びIMR測定値を基準に、可用PMIから最適のPMIを選択する。
【0163】
次に、端末は、従属CSIプロセスのPMIを基準CSIプロセスのPMIと同じ値に決定できる。これは、コードブックサブセット制限よりも、基準CSIプロセスのPMIを優先して適用することを意味する。そのため、この場合に従属CSIプロセスのコードブックサブセット制限は適用しない。
【0164】
次に、従属CSIプロセスのコードブックサブセット制限によって可用PMIを判断し、可用PMIのうち、基準CSIプロセスのPMIに最も近似するPMIを選択できる。例えば、両PMIの近似の度合いは、両PMの相関度(co−relation)又はユークリッド距離(euclidean distance)から判断できる。具体的に、相関度が大きいほど又はユークリッド距離が小さいほど、両PMIは近似していると判断できる。周期的フィードバックの場合、従属CSIプロセスのPMIは、従属CSIプロセスのPMIが報告される時点又はその以前に報告される値のうちの最近の値を意味する。非周期的フィードバックの場合、従属CSIプロセスのPMIは、従属CSIプロセスのPMIと同一の時点に報告される値を意味する。
【0165】
次に、従属CSIプロセスのコードブックサブセット制限から可用PMIを判断し、可用PMIの中から最小のPMIを選択できる。
【0166】
一方、上述した通り、従属CSIプロセスのコードブックサブセット制限と共通CSIの適用が衝突することを防止するために、各CSIプロセス別にコードブックサブセット制限が独立して設定されないようにしてもよい。すなわち、基地局は、従属CSIプロセスと基準CSIプロセスのコードブックサブセット制限が互いに同一となるように設定し、端末も、従属CSIプロセスと基準CSIプロセスのコードブックサブセット制限とが同一であると期待できる。
【0167】
以下では、コードブックサブセット制限と共通CSIとが衝突する場合と同様に、従属CSIプロセスのCSI−RSアンテナポート数と基準CSIプロセスのCSI−RSアンテナポート数とが異なる場合を説明する。
【0168】
従属CSIプロセスのCSI−RSアンテナポート数と基準CSIプロセスのCSI−RSアンテナポート数とが異なる場合、両CSIプロセスのRI及びPMIを同一に設定することができないことがある。例えば、従属CSIプロセス及び基準CSIプロセスのCSI−RSのアンテナポート数がそれぞれ4と8に設定された場合、基準CSIプロセスのRIを8に設定すると、従属CSIプロセスのRIを同一に設定することができない。
【0169】
このような問題を防止するために、基地局は、従属CSIプロセスのCSI−RSアンテナポート数と基準CSIプロセスのCSI−RSアンテナポート数とを同一に設定することができる。このとき、端末は、従属CSIプロセスのCSI−RSアンテナポート数と基準CSIプロセスのCSI−RSアンテナポート数とが同一であると期待できる。同様に、端末は、従属CSIプロセスのCSI−RSアンテナポート数と基準CSIプロセスのCSI−RSアンテナポート数とが異なっていると期待しなくてもよい。
【0170】
他の方法として、基地局は、従属CSIプロセスのCSI−RSアンテナポート数が基準CSIプロセスのCSI−RSアンテナポート数と同一であるか又は大きくなるように設定してもよい。すなわち、端末は、従属CSIプロセスのCSI−RSアンテナポート数が基準CSIプロセスのCSI−RSアンテナポート数と同一であるか又は大きいと期待できる。従属CSIプロセスのCSI−RSアンテナポート数が基準CSIプロセスのCSI−RSアンテナポート数と同一であるか又は大きい場合には問題が生じないためである。
【0171】
他の方法として、従属CSIプロセスのCSI−RSアンテナポート数が基準CSIプロセスのCSI−RSアンテナポート数と異なる場合、端末は、従属CSIプロセスのRI及びPMIを基準CSIプロセスのRI及びPMIとは別に算出してもよい。又は、従属CSIプロセスのCSI−RSアンテナポート数が基準CSIプロセスのCSI−RSアンテナポート数よりも小さい場合、端末は、従属CSIプロセスのRI及びPMIを基準CSIプロセスのRI及びPMIと別に算出してもよい。
【0172】
以下では、各CSIプロセス別にRI及びPMI報告を活性化するか否かに関する設定が独立している場合に現れる共通CSI適用の衝突を説明する。
【0173】
各CSIプロセス別にRI及びPMI報告が活性化されるか否かに関する設定が独立している場合、従属CSIプロセスのRIを基準CSIプロセスのRIと同じ値に決定することができない場合がある。例えば、基準CSIプロセスのRI及びPMI報告が活性化され、RIを2に設定したが、従属CSIプロセスのRI及びPMI報告が非活性化された場合、従属CSIプロセスのランクを2に設定することができなくなる。このような場合、端末は下記の手順を行うことができる。
【0174】
まず、従属CSIプロセスのRI及びPMI報告を非活性化することができる。これは、基準CSIプロセスのRIよりも、従属CSIプロセスのRI報告の非活性化設定を優先して適用することを意味する。このとき、基準CSIプロセスのRIは適用されない。
【0175】
次に、従属CSIプロセスのRIを基準CSIプロセスのRIと同じ値に決定できる。これは、従属CSIプロセスのRI及びPMI報告の非活性化設定よりも、基準CSIプロセスのRIを優先して適用することを意味する。このとき、従属CSIプロセスのRI及びPMI報告の非活性化設定は無効となる。
【0176】
一方、上述した問題を防止するために、従属CSIプロセスと基準CSIプロセスのRI及びPMI報告は常に活性化されてもよい。このとき、基地局は、従属CSIプロセスと基準CSIプロセスのRI及びPMI報告を全て活性化されるように設定できる。端末は、従属CSIプロセスと基準CSIプロセスのRI及びPMI報告を全て活性化されたと期待できる。
【0177】
CSIプロセス衝突時の優先順位
【0178】
以下では、PUCCHを用いた周期CSIフィードバックにおいて2つ以上のCSIプロセスが衝突する場合、優先順位によって報告するCSIとドロップされるCSIを決定する方法を説明する。
【0179】
CSIプロセスの衝突時に、現在LTEリリース−10で定義されたCSIレポーティングの優先順位は、次の通りである。CSIプロセスの衝突時に、端末は、レポーティングタイプ、CSIプロセスインデックス、及びCC(Component Carrier)インデックスの順に、高い優先順位を与える。
【0180】
例えば、レポーティングタイプの優先順位をまず考慮した後、レポーティングタイプの優先順位が同一である場合、CSIプロセスインデックスを基準に、低いインデックスが高い優先順位を有する。レポーティングタイプの優先順位が同一であり、CSIプロセスインデックスが同一である場合には、CCインデックスの低いCSIプロセスが高い優先順位を有する。
【0181】
レポーティングタイプによる優先順位は次のように決定される。該当サブフレームで、PUCCHレポーティングタイプ3,5,6、又は2aのCSI報告がPUCCHレポーティングタイプ1,1a,2,2b,2c、又は4のCSI報告と衝突する場合、後者が低い優先順位を有し、ドロップされる。該当サブフレームで、PUCCHレポーティングタイプ2,2b,2c、又は4のCSI報告がPUCCHレポーティングタイプ1又は1aのCSI報告と衝突する場合、後者が低い優先順位を有し、ドロップされる。
【0182】
本発明では、上述した従来のレポーティングタイプの優先順位においてより一層具体的な優先順位を提案する。本発明によれば、該当サブフレームで、PUCCHレポーティングタイプ5又は6のCSI報告がPUCCHレポーティングタイプ3のCSI報告と衝突する場合、後者が低い優先順位を有し、ドロップされる。
【0183】
上述したPUCCHレポーティングタイプ3,5,6間の優先順位は、基準CSIプロセスと従属CSIプロセス間の衝突時に適用可能である。例えば、従属CSIプロセスのレポーティングタイプ6と基準CSIプロセスのレポーティングタイプ3が同一サブフレームで衝突した場合、レポーティングタイプ3のCSI報告がドロップされ、従属CSIプロセスのレポーティングタイプ6のCSIが報告される。
【0184】
PUCCHレポーティングタイプ6には、RIの他、PTIも併せてジョイントエンコーディングされるため、本発明の優先順位を適用することによって、RIの他、PTI値も損失無く報告することができる。同様に、PUCCHレポーティングタイプ5には、RIの他、W1も併せてジョイントエンコーディングされるため、上記の優先順位を適用することによって、RIの他、W1値も損失無く報告することができる。
【0185】
この時、基準CSIプロセスのRI値はドロップされたが、基準プロセスのRIと同じRI値がタイプ5又は6を通じて報告されるため、端末は、次の基準CSIプロセスのRIが報告されるまで、上記タイプ5又は6のRI値に基づいて基準CSIプロセスのPMIとCQIを算出する。
【0186】
一方、従来のシステムでは、データに対するACK/NACK報告とCSI(RI/PMI/subband index)フィードバックとが衝突した場合、ACK/NACK報告を優先してCSIを捨てた。しかし、基準CSIプロセスのCSIとACK/NACK報告が衝突する場合、基準CSIプロセスのCSI報告はACK/NACK報告よりも高い優先順位を有することが好ましい。これによれば、基準CSIプロセスのCSIが報告され、ACK/NACK報告は捨てられる。基準CSIプロセスのCSIは、一つ以上の従属CSIプロセスが参照しているため、基準CSIプロセスのCSI報告が捨てられる場合、従属CSIプロセスのCSI値に影響を及ぼしうるからである。したがって、基準CSIプロセスのCSIとACK/NACK報告が衝突する場合、基準CSIプロセスのCSI報告はACK/NACK報告よりも高い優先順位を有することが好ましい。
【0187】
本発明の実施例を適用可能な基地局及び端末
【0188】
図20は、本発明に一実施例に適用可能な基地局及び端末を例示している。
【0189】
無線通信システムにリレーが含まれる場合、バックホールリンクにおいて通信は基地局とリレー間に行われ、アクセスリンクにおいて通信はリレーと端末間に行われる。そのため、図示の基地局又は端末は、状況によってリレーに置き換わってもよい。
【0190】
図20を参照すると、無線通信システムは、基地局(BS)110及び端末(UE)120を含む。基地局110は、プロセッサ112、メモリー114及び無線周波数(Radio Frequency、RF)ユニット116を含む。プロセッサ112は、本発明で提案した手順及び/又は方法を具現するように構成できる。メモリー114は、プロセッサ112と接続され、プロセッサ112の動作に関連した様々な情報を記憶する。RFユニット116は、プロセッサ112と接続され、無線信号を送信及び/又は受信する。端末120は、プロセッサ122、メモリー124及びRFユニット126を含む。プロセッサ122は、本発明で提案した手順及び/又は方法を具現するように構成できる。メモリー124は、プロセッサ122と接続され、プロセッサ122の動作に関連した様々な情報を記憶する。RFユニット126は、プロセッサ122と接続され、無線信号を送信及び/又は受信する。基地局110及び/又は端末120は、単一アンテナ又は多重アンテナを有することができる。
【0191】
以上説明してきた実施例は、本発明の構成要素及び特徴を所定形態に結合したものである。各構成要素又は特徴は、別の明示的な言及がない限り、選択的なものとして考慮しなければならない。各構成要素又は特徴は、他の構成要素や特徴と結合しない形態で実施することもでき、一部の構成要素及び/又は特徴を結合して本発明の実施例を構成することもできる。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更されてもよい。ある実施例の一部構成や特徴は、他の実施例に含まれてもよく、他の実施例の対応する構成又は特徴に取り替わってもよい。特許請求の範囲において明示的な引用関係にない請求項を結合して実施例を構成したり、出願後の補正により新しい請求項として含めたりできるということは明らかである。
【0192】
本文書で基地局によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。すなわち、基地局を含む複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局又は基地局以外の他のネットワークノードによって行われ得ることは明らかである。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)などの用語にしてもよい。
【0193】
本発明に係る実施例は、様々な手段、例えば、ハードウェア、ファームウェア(firmware)、ソフトウェア又はそれらの結合などによって具現することができる。ハードウェアによる具現では、本発明の一実施例は、一つ又はそれ以上のASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって具現することができる。
【0194】
ファームウェアやソフトウェアによる具現では、本発明の一実施例は、以上で説明された機能又は動作を実行するモジュール、手順、関数などの形態で具現されてもよい。ソフトウェアコードは、メモリーユニットに記憶され、プロセッサによって駆動可能である。
【0195】
上記メモリーユニットは、プロセッサの内部又は外部に設けられ、公知の様々な手段によってプロセッサとデータを交換することができる。
【0196】
本発明は、本発明の特徴から逸脱しない範囲で別の特定の形態に具体化できるということが当業者にとっては自明である。したがって、上記の詳細な説明は、いずれの面においても制限的に解釈してはならず、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付の請求項の合理的な解釈によって決定すべきであり、本発明の等価的範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0197】
本発明は、端末、リレー、基地局などのような無線通信装置に利用可能である。
図1
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