(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記デジタル画像取込み装置がコンピュータ断層撮影装置(CTスキャナ)、磁気共鳴撮像装置(MRIスキャナ)、超音波トランスデューサ、陽電子放出断層撮影装置(PETスキャナ)及び単光子放出コンピュータ断層撮影装置(SPECTスキャナ)の少なくとも1つを含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
【背景技術】
【0002】
はじめに
[0003] 断面デジタル医用画像としては、コンピュータ断層(CT)画像、磁気共鳴画像(MRI)、超音波画像、陽電子放出断層(PET)画像、単光子放出コンピュータ断層(SPECT)画像、又は前記断面デジタル医用画像のいずれかの融合画像(例えば、PET CT又はPET MRI)が挙げられる。断面デジタル医用画像は、正常な及び病的な所見を可視化して検出するために用いられ、典型的にはディスプレイスクリーン上にグレースケールで表示して検視する。
[0004] 断面デジタル医用画像の各画素は、体積に対応し(ボクセルと呼ばれる)、各画素の強度は、撮像システムにより得られたシグナルの強度に関連する。画素は、断面デジタル医用画像中で広範な強度を有し、しばしば何千もの異なる強度レベルを有し、時には正の値及び負の値を含む。
【0003】
[0005] 画素強度レベルの多くは弁別不可能である。なぜならば、ヒトの眼は、種々の画素強度レベルに割り当てられた数千もの微妙なグレースケールの濃淡を弁別できないからである。したがって、画像のウィンドー設定を用いて、病理的所見の可視化及び検出を強化する。ウインドー設定は、絞られた範囲の画素強度の表示法であり、しばしば、画像の特定部分の可視化又は検出を向上させるために用いる。
[0006] 事実、多くの臨床的に意義のある画像所見は、絞られたウィンドーで検視したときにのみ可視化でき又は検出可能である。例えば、急性虚血性卒中に由来する微かな減衰変化は、しばしば、より広範囲の定常「脳ウィンドー」よりむしろ範囲を絞った「卒中ウィンドー」を画像の検視に用いたときにのみ、非強調頭部CT画像上で可視化される。このことは、絞られたビューウィンドーでのみ可視化され及び/又は検出可能である微かなシグナル強度差を有し得る他の多くの病理学的実体(腫瘍を含む)についても言える。多くの病理学的実体について、現行技術を用いる場合には、画像所見の可視化及び検出を強化するマニュアルのウィンドー設定が必要である。
【0004】
[0007] 断面デジタル医用画像をマニュアルでウィンドー設定することの必要性は、幾つかの問題に起因する。断面デジタル医用画像のほとんどの形態(例えば、MRI、超音波及びSPECT)は、標準化された測定単位を有しないので、ウィンドーの事前設定はできない。CT画像は、ハウンスフィールド単位(HU)と呼ばれる標準化された画素強度単位を有するので、例外である。ハウンスフィールド単位は、撮像物質のX線減衰に関連し、一般には、正常身体組織の密度又は投与した造影剤の量に関連する。例えば、水は0〜+20HUの平均減衰を有し、静脈内の造影剤により組織の減衰は数百HU増加し得る。
【0005】
[0008] CT画像を含む全ての断面デジタル医用画像は、患者間での画素強度の変動の影響を受け易い。例えば、非強調CT画像上での脳及び頭蓋内容物の減衰値(画素強度)は、患者間で変動し得るものである。臨床実務では、異なる患者間での脳減衰の変動性は、絞られた卒中ウィンドー上で急性卒中の評価をするときに最も歴然となる。多くの場合、卒中の可視化を改善し、及び/又は卒中の検出を可能とするためには、絞られた卒中ウィンドーの中心は、異なる患者間での画像強度単位の変動性に起因して、マニュアルで上方又は下方に調整する必要がある。
【0006】
[0009] 患者間での画素強度の変動性の一部は、異なる患者の異なる脳の実際の密度差に起因するが、他の因子も画素強度の変動性の原因となる。例えば、画素強度の変動性は、多くの場合で、画像化プロトコル、スキャナ技術、スキャナ較正、患者のセンタリング、アーチファクト、具体的なスキャンパラメータ、対象物又は患者のサイズ、患者の動き、画像ノイズなどの差により引き起こされる。更に、造影剤又は放射性核種の用量、注入速度及びタイミングの差は、断面デジタル医用画像上での画素強度の顕著な変動性を助長する。その上、患者間での画素強度の変動性は、断面デジタル医用画像上での正常な及び病的な所見の可視化及び検出の低下の原因となることがある。
【0007】
[0010] 絞られたウィンドー設定の使用は、多くの病状の診断について必須である一方、絞られたウィンドー設定はまた問題を惹起し得る。範囲を絞られたウィンドー設定では画像ノイズが遥かにより明白となり、シグナルの低下及び画像ノイズの上昇が比較的一般的な肥満患者においては特に、正常な及び病的な所見の検出に干渉することがある。したがって、医用画像処理法の改善に関する必要性が当該分野に存在する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
例示的実施形態の詳細な説明
[0035] 本願に開示された主題の1以上の実施形態の詳細を本明細書に示す。本明細書に記載された実施形態に対する改変及び他の実施形態は、本明細書に提供された情報の検討により当業者に明らかとなる。本明細書に提供された情報、特に、記載された例示的実施形態の具体的詳細は、主に、理解を明瞭にするためのものであって、これらに基づいて不必要な限定を理解すべきではない。矛盾する場合、本明細書(定義を含む)が優先する。
【0019】
[0036] 各例は本願開示の説明を目的として提供されるのであって、本開示を何ら限定するものではない。事実、本願開示の教示に対して、当該開示の範囲を逸脱することなく、種々の改変及び変形をなし得ることが当業者に明らかである。例えば、或る1つの実施形態の部分として例示又は説明される特徴を、別の実施形態に用いて、更に別の実施形態とすることができる。
[0037] 本願開示の単数形での特性又は限定への言及は全て、特に断らない限り又は当該言及がなされた文脈からそうでないことが明らかでない限り、対応する複数形の特性又は限定を含む。その逆も同様である。
【0020】
[0038] 本明細書で使用される方法又はプロセスの工程は、特に断らない限り又は当該組合せに言及する文脈からそうでないことが明らかでない限り、全ての組合せが任意の順序で可能である。
[0039] 本願開示の方法及び組成物(それらの構成成分を含む)は、本明細書に記載された実施形態の必須の要素及び限定、並びに本明細書に記載されているか又はその他の有用ないずれかの追加の又は任意選択の構成成分又は限定を含んでなることも、該要素及び限定からなることも、該要素及び限定から本質的になることもできる。
[0040] 本明細書で使用する用語は、当業者により十分に理解されると考えられるが、幾つかについては、本願に開示された主題の説明を容易にするため定義を示す。
【0021】
[0041] 別段の定義がない限り、本明細書で使用する全ての技術用語及び科学用語は、本願に開示された主題が属する分野の当業者が通常理解するものと同義である。本明細書に記載のものに類似するか又は等価である任意の方法、デバイス及び材料を、本願に開示された主題の実施又は試験に使用できるが、代表的な方法、デバイス及び材料をここに記載する。
[0042] 長年の特許法上の慣例に従い、用語「a」、「an」及び「the」は、本出願(特許請求の範囲を含む)で使用する場合には、「1以上の」をいうものとする。よって、例えば、「画像検査」への言及は複数の画像を含む、といった具合である。
【0022】
[0043] そうでないことが示されていない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用する量、性質などを表す全ての数は、あらゆる場合にも、用語「約」で修飾されていると理解されるべきである。したがって、そうでないことが示されていない限り、本明細書及び特許請求の範囲に示される数値パラメータは、本願に開示された主題により得ようとされる所望の性質に応じて変動し得る近似値である。
【0023】
[0044] 本明細書で使用する場合、質量、重量、時間、体積、濃度又はパーセンテージの値又は量に言及するときの用語「約」は、特定された量からの、幾つかの実施形態においては±50%、幾つかの実施形態においては±40%、幾つかの実施形態においては±30%、幾つかの実施形態においては±20%、幾つかの実施形態においては±10%、幾つかの実施形態においては±5%、幾つかの実施形態においては±1%、幾つかの実施形態においては±0.5%、幾つかの実施形態においては±0.1%の変動を包含するものとされる。なぜならば、そのような変動は、開示された方法を行うに適切であるからである。
【0024】
[0045] 本明細書で使用する場合、範囲は、「約」を付した或る特定値から及び/又は「約」を付した別の特定値までとして表現されることがある。また、本明細書に開示されている多くの値について、各値は、当該値自体としてのみならず、「約」を付した当該特定値としても開示されていると理解される。例えば、値「10」が開示されている場合、「約10」も開示されている。また、2つの特定の単位の間の各単位も開示されていると理解される。例えば、10及び15が開示されている場合、11、12、13及び14も開示されている。
【0025】
[0046] 用語「対象者」、「個体」及び「患者」は、本願開示を通じて互換可能に使用される。幾つかの実施形態において、これら用語の各々は、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトを指称する。
[0047] 句「画素強度」、「画素強度値」及び「画素値」は、本願開示を通じて互換可能に使用される。ここで、画素値は、画像中のボクセルのシグナル強度の測度である。
[0048] 句「〜に対応する」又は「〜に相当する」は種々に使用されて、等価なもの、同等なもの、並びに/又は等価なもの及び/若しくは同等なものに近似する値を示す。幾つかの実施形態において、「〜に対応する」又は「〜に相当する」は「約」及び/又は「ほぼ」と互換可能に使用される。
【0026】
[0049] 本願の開示は、幾つかの実施形態において、医用画像のカラー化法を提供する。本方法は、(i)デジタル画像取込み装置により取得した、少なくとも1つの医用画像を含むデジタル画像データを、画像処理ユニットに受信する工程;(ii)該デジタル画像データを該画像処理ユニットで解析して、該デジタル画像データにより描写される画像の関心領域を特定する工程;(iii)該関心領域に含まれる少なくとも1つの画素の少なくとも1つの画素値を取得する工程;(iv)少なくとも1つの色を含む少なくとも1つのカラースペクトルを確立する工程;(v)前記少なくとも1つの画素値を、前記カラースペクトルの少なくとも1つの色に関連付ける工程;(vi)前記少なくとも1つの画素を、前記カラースペクトルの関連付けられた少なくとも1つの色でカラー化する工程;及び/又は(vii)カラー化医用画像を作成する工程;及び/又は(viii)カラー化医用画像を表示する工程を含んでなり得る。
【0027】
[0050] 本願の開示は、特定の実施形態において、標準化された様式での医用画像のカラー化法を提供する。本方法は、(i)デジタル画像取込み装置により取得した、少なくとも1つの画像を含むデジタル画像データを、画像処理ユニットに受信する工程;(ii)該デジタル画像データを該画像処理ユニットで解析して、該デジタル画像データにより描写される画像の関心領域を特定する工程;(iii)該関心領域に含まれる少なくとも1つの画素の少なくとも1つの画素強度値を取得する工程;(iv)少なくとも1つの色を含む少なくとも1つのカラースペクトルを確立する工程;(v)前記少なくとも1つの画素値を、前記カラースペクトルの少なくとも1つの色に関連付ける工程;(vi)前記少なくとも1つの画素を、前記カラースペクトルの関連付けられた少なくとも1つの色でカラー化する工程;及び(vii)カラー化医用画像を作成する工程;及び/又は(viii)カラー化医用画像を表示する工程を含んでなり得る。
【0028】
[0051] 幾つかの実施形態において、デジタル画像データは画像処理ユニットで処理され、処理工程は、ノイズ低減フィルター及び平滑化アルゴリズムの少なくとも一方を適用することを含んでなり得る。更に、平滑化アルゴリズムは、特定の実施形態において、ガウス型平滑化アルゴリズムを含む。幾つかの実施形態において、カラースペクトルはバンク及び/又はデータ格納領域に保存される。
[0052] 更に、特定の実施形態において、デジタル画像データは、コンピュータ断層画像、磁気共鳴画像、超音波画像、陽電子放出断層画像、単光子放出コンピュータ断層画像のうちの少なくとも1つ、又は2以上のデジタル画像の融合画像を含む。また、幾つかの実施形態において、本願の開示は、画像が患者身体の一部の断面画像であるものを提供する。
【0029】
[0053] 加えて、本願開示の方法は、デジタル画像データを解析する工程を含んでなり得、解析は、該デジタル画像データの少なくとも1つの統計測定値を決定することを含む。統計測定値は、例えば、関心領域中の少なくとも1つの画素の少なくとも1つの画素強度値の算術平均であり得る。また、幾つかの実施形態において、統計測定は、或る範囲の画素強度に限定され、全ての可能な画素強度を含まなくてもよい。
【0030】
[0054] 他の実施形態において、本願の開示は、(i)デジタル画像取込み装置により取得した、少なくとも1つの医用画像を含むデジタル画像データを、画像処理ユニットに受信し;(ii)該デジタル画像データを該画像処理ユニットで解析して、該デジタル画像データにより描写される医用画像の関心領域を特定し;(iii)関心領域に含まれる少なくとも2つの画素の各々について第1の画素値を取得し;(iv)第2の画素値を該第1の画素値の算術平均として規定し;(v)少なくとも1つの色を含み、該少なくとも1つの色を少なくとも1つの画素値に関連付ける少なくとも1つのカラースペクトルを提供し;(vi)前記第2の画素値に対応する少なくとも1つの画素値を含むカラースペクトルを選択し;(vii)該選択したカラースペクトルで前記関心領域をカラー化することを含んでなる、医用画像のカラー化法を提供する。
【0031】
[0055] 特定の実施形態において、本方法は、(i)少なくとも1つのカラー化医用画像を作成し;(ii)該少なくとも1つのカラー化医用画像を表示し;(iii)デジタル画像データを画像処理ユニットで処理し;(iv)ノイズ低減フィルター及び平滑化アルゴリズム(例えば、ガウス型平滑化アルゴリズム)の少なくとも一方をデジタル画像データに及び/又は関心領域のみに適用し;(v)複数のカラースペクトルを提供し;及び/又は(vi)複数のカラースペクトルをバンク及び/又はデータ格納ユニット及び/又はデータ格納領域に格納することを更に含む。
【0032】
[0056] 特定の実施形態において、本願開示の医用画像は患者身体の一部の断面画像であり、及び/又は医用画像は身体の一部の断面画像を含み得る。幾つかの実施形態において、医用画像は、頭部、脊椎、肝臓、腎臓及び腫瘍の少なくとも1つの画像を含む。幾つかの実施形態において、医用画像は、コンピュータ断層撮影装置(CTスキャナ)、磁気共鳴撮像装置(MRIスキャナ)、超音波トランスデューサ、陽電子放出断層撮影装置(PETスキャナ)及び単光子放出コンピュータ断層撮影装置(SPECTスキャナ)の少なくとも1つを含むデジタル画像取込み装置により取得される。
【0033】
[0057] 更に他の実施形態において、本願の開示は、(i)デジタル画像取込み装置により取得した、少なくとも1つの医用画像を含むデジタル画像データを、画像処理ユニットに受信し;(ii)該デジタル画像データを該画像処理ユニットで解析して、該デジタル画像データにより描写される医用画像中の少なくとも1つの画素を含む関心領域を特定し;(iii)該デジタル画像データから該関心領域をセグメント化して、少なくとも、該関心領域を含む第1の画像セグメントと第2の画像セグメントとを作成し;(iv)該第1の画像セグメント中の少なくとも1つの画素について少なくとも1つの画素強度値を測定して、少なくとも1つの測定値を取得し;(v)該少なくとも1つの測定値を用いて統計値を算出し;(vi)各々が少なくとも1つの色を含み、該少なくとも1つの色を少なくとも1つの色値に関連付ける複数のカラースペクトルを提供し;(vii)該複数のカラースペクトルから、前記算出した統計値に対応する少なくとも1つの色値を含むカラースペクトルを選択し;(viii)前記選択したカラースペクトルの少なくとも1つの色を、該カラースペクトルの関連付けられた色値に対応する画素強度値を有する少なくとも1つの画素に当てることによって、該カラースペクトルを前記関心領域にマッピングし;(ix)少なくとも1つのカラー化医用画像を作成し;及び/又は(x)少なくとも1つのカラー化医用画像を表示することを含んでなる、医用画像のカラー化法を提供する。
【0034】
[0058] 幾つかの実施形態において、本願開示の方法は、デジタル画像データを画像処理ユニットで、例えばノイズ低減フィルター及び平滑化アルゴリズム(例えば、ガウス型平滑化アルゴリズム)の少なくとも一方を関心領域に適用することにより、処理することを更に含んでなる。特定の実施形態において、算出した統計値は算術平均を含む。特定の実施形態において、測定値は測定された画素強度値を含む。一方、幾つかの実施形態において、カラースペクトルは少なくとも2つの色を含む。更に、幾つかの実施形態において、本願開示の方法は、バンク及びデータ格納ユニットの少なくとも一方に該複数のカラースペクトルを格納する工程を含む。特定の実施形態において、デジタル画像データは複数の患者の医用画像を含む。
【0035】
[0059] 特定の実施形態において、未処理のデジタルグレースケール医用画像と比較して改善された正常な及び病的な所見の見え方及び検出が容易となるように色が強調された医用画像を作成するために、前記デジタル画像データ内のセグメント化領域を用いて平滑化アルゴリズム及び一連の所定のカラースペクトルからの特定のカラースペクトルを選択し、及び/又は適用する。幾つかの実施形態において、画像のセグメント化により、複数の画像セグメント(例えば、第1の画像セグメント、第2の画像セグメントなど)が作成される。幾つかの実施形態において、画像セグメントは関心領域を含む。
【0036】
[0060] 幾つかの実施形態において、関心領域中の画素強度値の少なくとも1つの測定値(例えば統計測定値)を使用して、一連のカラースペクトルから特定のカラースペクトルを選択することにより、異なる統計測定値を有する患者間でカラー化プロセスを標準化する。この工程は、断面デジタル医用画像における画素強度の多様な患者集団間での変動性に伴う当該分野における重要な課題を解決する。加えて、本願開示の方法によれば、色の選択、色の全体強度、色の不透明度及び/又はグレースケールの不透明度は、特定のクリニカルシナリオに適応するように選択し得る。事実、色の不透明度は、ユーザにより選択される約0%〜100%の任意の値に設定することができる。同様に、グレースケールの不透明度も、約0%〜約100%の間の任意の値に設定することができる。特定の実施形態において、ユーザは、およそ100:1〜1:100の範囲で、カラー:グレースケールの不透明度比を提供し得る。幾つかの実施形態において、不透明度比は、画像の可視化を改善するように調整される。
【0037】
[0061] 幾つかの実施形態において、カラー化(カラースペクトルの選択、ノイズ低減及び画像平滑化を含む)はデフォルトに設定されるが、ユーザは、本願開示の方法においてカラー化された画像を視て、これらの特徴や他の特徴を変更してもよい。例えば、特定の実施形態において、ユーザは、所望のカラー化効果が達成されるまで、画像中の画素強度を1HUずつ増加又は減少させてもよい。
【0038】
[0062] 特定の実施形態において、色についてのパーセント不透明度は、幾つかの場合でデフォルトにより100%に設定され得る;しかし、不透明度はユーザが容易に調節することができる。同様に、ノイズ低減フィルター及び/又はガウス型平滑化アルゴリズムも、ユーザがその選択により適用及び/又は除去することができる。更に、ユーザは、平滑化アルゴリズムのシグマ値を操作して、画像平滑化の程度を変更することができる。更に尚、幾つかの実施形態において、ユーザは、関心領域周縁に沿う削除(erosion)の量を単一画素ずつ操作することができる。加えて、ユーザは、個々のカラースペクトルを変更してもよいし、(新たな色選択及びカラー化される画素強度の範囲の拡大又は縮小を伴って)カスタマイズ化された全く新しい一連のカラースペクトルを構築してもよい。
【0039】
[0063] 本願開示の方法の特定の実施形態は、本願開示のカラー化法が断面デジタル医用画像上の正常な及び/又は病的な所見の可視化及び検出を改善するクリニカルシナリオを特定する工程を含む。一般に、適切なクリニカルシナリオは、(i)患者集団間の画素強度値の変動性及び/又は(ii)画素強度値の微かな差異が、病状の診断に影響する任意の適応症(indication)である。本願開示の方法が適用され得るクリニカルシナリオの例としては、以下が含まれるがそれらに限定されない:非強調頭部CT画像又はコントラスト強調頭部CT血管造影画像上での急性卒中についての評価;超音波画像又はコントラスト強調CT若しくは磁気共鳴画像上での肝臓又は腎臓腫瘍についてのスクリーニング;股関節部又は脊椎の非増強CT画像における低骨密度又は骨粗鬆症についてのスクリーニング;及び/又は拡散重み付け磁気共鳴画像上での卒中についての評価。更に、本願に開示される方法は、当業者が理解するように、多くの更なるクリニカルシナリオにおいて有用である。
【0040】
[0064] 幾つかの実施形態において、デジタル画像取込み装置は、コンピュータ断層撮影装置(CTスキャナ)、磁気共鳴撮像装置(MRIスキャナ)、超音波トランスデューサ、陽電子放出断層撮影装置(PETスキャナ)、単光子放出コンピュータ断層撮影装置(SPECTスキャナ)、又はそれらの組合せ(例えば、PET/CT、PET/MRIなど)を含み得る。特定の実施形態において、デジタル画像取込み装置は、当該分野において公知であるように、デジタル医用画像を取り込むことができる別の画像化装置を含んでなる。
【0041】
[0065] デジタル画像データは少なくとも1つの画像を含む。特定の実施形態において、少なくとも1つの画像は二次元画像である。特定の実施形態において、デジタル画像は三次元画像である。幾つかの実施形態において、デジタル画像データは、少なくとも1つの医用画像(例えば、断面デジタル医用画像)を含む。したがって、特定の実施形態において、デジタル画像データは複数のデジタル医用データ(例えば、対象者の身体の少なくとも一部分の複数のデジタル医用画像)を含む。本願開示のデジタル画像データ及び/又は医用画像は、幾つかの実施形態において、コンピュータ断層画像、磁気共鳴画像、超音波画像、陽電子放出断層画像、単光子放出コンピュータ断層画像又は融合画像の少なくとも1つを含み得る。幾つかの実施形態において、デジタル画像は、1以上の造影剤及び/又は放射性核種の使用により取得される医用画像を含む。断面デジタル医用画像について最も一般的な方式は、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)方式である。別の1つの実施形態において、他の画像方式(例えば、JPEG、PNG、TIFFなどを含む)を本願開示の方法により処理することができる。
【0042】
[0066] 例えば、幾つかの実施形態において、本願開示のデジタル画像データは、
図2に示されるような、患者頭部の少なくとも1つの断面デジタル医用画像を含む。幾つかの実施形態において、デジタル画像データは、患者頭部の約25〜約45のコンピュータ断層撮影法による断面デジタル画像を含む。他の実施形態において、デジタル画像データは、脊椎、肝臓、腎臓、他の身体領域、他の臓器、塊又は腫瘍のCT画像を含む。
[0067] 特定の実施形態において、画像処理ユニットはコンピュータを含んでなる。幾つかの実施形態において、画像処理ユニットは、ハードウェア、ソフトウェア及び/又はハードウェアとソフトウェアとの組合せを含んでなる。幾つかの実施形態において、本願開示に従うソフトウェアは、オフライン、コンピュータ上、サーバ上、クラウドベースのシステム上及び/又はポータブルコンピュータデバイス上で動作可能である。
【0043】
[0068] 幾つかの実施形態において、画像表示ユニットは、当該分野において公知であるように、例えば、コンピュータモニタ、テレビ及び/又は別のディスプレイスクリーンを含んでなる。
[0069] 特定の実施形態において、画像データ格納ユニットは、コンピュータを介してアクセス可能なメモリの形態を含んでなる。例えば、特定の実施形態において、データ格納ユニットは、ハードドライブ、リムーバブルディスク、クラウドベースのストレージ又は当該分野において公知の任意の他のメモリユニットを含んでなる。
【0044】
[0070] 本願開示の方法は、画像処理システム上で実施され得る。特定の実施形態において、画像処理システムは、デジタル取込み装置、画像処理ユニット、画像表示ユニット及び/又は画像データ格納ユニットの少なくとも1つを含んでなる。
[0071] 特定の実施形態において、ユーザは、本カラー化法を、画像全体に、一組の画像に、より好ましくはセグメント化された関心領域(その他の画素はグレースケールで残す)に適用することを望んでもよい。画像上の特定領域は、マニュアルにより又は自動化法によりセグメント化される。
【0045】
[0072] 閾値設定工程を用いて関心領域を選択してもよい。閾値設定工程において、ユーザは、特定範囲の画素強度を同定することにより、画像の1以上のセグメントにおいて関心領域を選択し得る。幾つかの実施形態において、ユーザは、マニュアルで、例えば画像処理ユニットの機能を利用する自由形式の様式で、関心領域を選択及び/又はセグメント化し得る。或いは、関心領域は、例えば画像処理ユニットへの指示及び該ユニットによる指令に際して、自動的に選択及び/又はセグメント化され得る。幾つかの実施形態において、選択及び/又はセグメント化は単一の画像について行われてもよい;しかし、特定の実施形態において、選択/セグメント化は複数の画像について同時に行われる。特定の実施形態において、閾値設定工程は、デジタル画像データ及び/又はその任意のサブセットに適用され得る。
【0046】
[0073] 本願開示の方法の幾つかの実施形態において、関心領域のマスクが作成される。特定の実施形態において、関心領域が特定されると、その後、該関心領域にカラー化工程が適用される。別の1つの実施形態において、カラー化工程は或る画像全体に及び/又は或る画像データセットに適用される。
【0047】
[0074] 更に、セグメント化された関心領域内の規定範囲の画素強度に複数の異なる色を割り当てるカラースペクトルが本願開示の方法において提供される。幾つかの実施形態において、選択されたカラースペクトルの色は、画像に及び/又は選択された画像の関心領域にマッピングされる。特定の実施形態において、選択されたカラースペクトルは、画像取込み装置から受信した未変更画像中の色以外の色のみを含む。ユーザは、必要に応じ、カラースペクトルを変更して、画像の可視化を改善し得る。幾つかの実施形態において、カラースペクトルは1以上の色を含む。更に、ユーザは、特定のカラースペクトルに含ませる色を選択し得るし、また、カラースペクトル中の色の明暗レベル、飽和レベル及び不透明度レベルのいずれか又は全てを規定し得る。
【0048】
[0075] 選択された色は、次いで、色値に割り当てられ得る。幾つかの実施形態において、色値は数である。他の実施形態において、色値は文字又は他の識別子である。幾つかの実施形態において、色値は画素強度値を含む。例えば、幾つかの実施形態において、色値は、特定の画素強度及び/又は特定範囲の画素強度である。所与のカラースペクトルに色を加えてもよいし、所与のカラースペクトルから色を除去してもよい。
[0076] 特定の実施形態において、2以上の色が2以上の画素強度にそれぞれ割り当てられる場合、その間の割り当てられていない画素強度に対して色をブレンドし適用してもよい。例えば、青が画素強度50に割り当てられ、赤が画素強度100に割り当てられる場合、画素強度75は青と赤の50/50ミックスとなる。50に近い画素強度はより青色となり、100に近い画素強度はより赤色となる。幾つかの実施形態において、特定範囲の画素強度を上回るか又は下回る画素強度はカラー化されず、元のグレースケール方式のままとする。
【0049】
[0077] 幾つかのクリニカルシナリオにおいて、セグメント化された領域内の或る範囲の画素強度のみがカラー化され、その他の画素強度は元のグレースケールのまま変更されない。変更されず元のグレースケールの画素強度はロードマップとして役立ち、ユーザによる解剖学的関心領域の視覚化がより容易になる。加えて、カラー化を画像の一セグメントに限定することにより、当該画像上でより関連性が低い他の領域に眼を奪われることが回避される。色の選択は、正常構造と病的構造との間のコントラストを強調し、それぞれの画素強度に意味を与えるようになされる。例えば、特定の実施形態において、液体のCT画像は約-20HU〜約+20HUの強度を有する。更に、ユーザが本願開示のカラースペクトルにおいて-20〜+20HUの減衰値に青色を割り当てる場合、流体はCT画像上で青に着色され得る。同様に、動脈内の急性血餅及び高密度血塊は、本願開示の方法に従って60〜100HUの減衰値に赤色を割り当てることにより、非増強頭部CT画像上で赤に着色され得る。
【0050】
[0078] 典型的な断面デジタル医用画像では、画素強度はグレースケールで表示され、画素強度の増大に伴い徐々に黒から白へ移行する。これに対し、特定の実施形態においては、本願開示のカラー化法を用いて、或る狭い範囲の画素強度の間で急激なコントラスト変化を作成することができる。換言すれば、特許請求の範囲に記載の方法のカラースペクトルは、その必要はないが、近接する画素強度の漸進的及び/又は段階的な変化を反映する様式で画像に適用することができる。更に、複数のコントラストインターフェース(すなわち、或る狭い範囲の画素強度内での、複数の急激な画素強度及び/又は色変化)は、複数の異なる色を用いて可能であり、或る特定の色を、特定の正常な及び病的な所見に対応させて設定することができる。ユーザが或る特定のカラースペクトルの色を選択し及び/又は変更すれば、変化は画像表示ユニット上に現われる。したがって、正常な及び/又は病的な所見の可視化及び検出が最適化され、及び/又は改善されるまで、ユーザは、選択したカラースペクトル及び/又は各色に関連付けて割り当てた画素強度を変更し得る。
【0051】
[0079] 幾つかの実施形態においては、デジタル画像データ及び/又はその選択された任意のサブセット若しくは部分にノイズ低減フィルターが適用され得る。更に、特定の実施形態において、平滑化アルゴリズムがデジタル画像データに適用される。幾つかの実施形態において、平滑化アルゴリズムはガウス型平滑化アルゴリズムを含む。特定の実施形態においては、デジタル画像データ又はその任意の部分に平滑化アルゴリズムが適用される。特定の実施形態において、平滑化アルゴリズムはカラー化された画素にのみ適用される。ガウス型平滑化アルゴリズムのシグマ値は、ユーザが増加又は減少させてもよく、これにより、平滑化の量は、ビューアで視覚的に最適化されるまで、増加又は減少し得る。このプロセスは画像ノイズ(多くの場合、画素がカラー化されるとより明白になる)を低減させる。ノイズ低減フィルター及び平滑化アルゴリズムの目的は、色強調画像上で、画像ノイズを低減させ、正常な及び病的な所見の可視化を更に向上させることである(
図2及び
図3を参照)。
【0052】
[0080] 幾つかの実施形態において、本願開示の方法は、画像取込み装置により取得したデジタル画像データを画像処理ユニットに受信する工程を含み、デジタル画像データは少なくとも1つの画像を含む。デジタル画像データは収集され、送信され及び/又は格納され得る。加えて、デジタル画像データは、デジタル画像取込み装置により取得され、及び/又は画像処理ユニットに受信され得る。幾つかの実施形態において、デジタル画像データはリアルタイムに受信及び/又は受信され得る。
【0053】
[0081] 幾つかの実施形態において、本願開示の方法は、デジタル画像データを画像処理ユニットで解析して、該デジタル画像データにより描写される画像の関心領域を特定する工程を含む。特定の実施形態において、デジタル画像データの解析は、デジタル画像データの少なくとも1つの統計測定値を決定することを含んでなる。特定の実施形態において、関心領域はマニュアルで特定され、幾つかの実施形態において、関心領域は、画像処理ユニットにより自動的に特定される。関心領域は、例えば患者の頭蓋内容物、椎体、脊椎、大腿骨頸部、臓器(例えば、肝臓又は腎臓)、腫瘍、塊、又は他の身体領域若しくは構造の画像を含む画像データを含み得る。
[0082] 少なくとも1つの統計測定値は、関心領域に含まれる少なくとも1つの画素の少なくとも1つの画素値の算術平均であり得る。幾つかの実施形態において、統計測定値は、関心領域内で、或る選択された範囲の画素強度を解析することにより決定される。統計測定は、マニュアルで決定されてもよく、又は画像処理ユニットにより自動的に決定されてもよい。
【0054】
[0083] 幾つかの実施形態において、好ましいカラースペクトルを選択するときには、ユーザは、臓器又はセグメント化された関心領域において画素強度を測定する。測定は、最も一般的には、関心臓器の算術平均画素強度であるが、統計測定値は、メジアン値、偏差又はより高次の統計解析であることができる。特定の実施形態において、測定はセグメント化された関心領域に限定され、画像の他の領域は排除される。測定は、1以上の画像について行い得、セグメント化された領域内の全ての画素を含み得るが、より一般的には、或る限定範囲の画素強度内の画素の評価である。或る限定範囲の画素強度について統計解析を行う目的は、ノイズ及び関心のない構造体からのシグナルを排除して、最適なカラースペクトルの選択ができるようにすることである。統計測定は、単一の画像スライスに限定され得るが、より一般的には複数のスライスについてなされ、測定値の算術平均を用いて最終的な値を導出する。幾つかの実施形態において、統計測定値は最も近い整数に四捨五入される。更に、ユーザは、統計測定を、画像上にマニュアルで配置することができる円形の関心領域に限定する選択肢を有する。円形関心領域のサイズはユーザが所望により変更することができる。このことにより、ユーザは、統計測定を、関心のある臓器、組織又は領域に限定することが可能になる。例えば、ユーザは、肝臓の超音波、CT又は磁気共鳴画像上で、半径4cmの円形関心領域をアクティブにして、肝臓における平均画素強度を測定し得る。関心領域は複数の連続スライス上に広がり得、各関心領域内の平均画素強度の算術平均が最終的な平均画素強度として採用され得る。
【0055】
[0084] 特定の実施形態において、本願開示の方法は、デジタル画像データに含まれる画素値を取得する工程を含む。デジタル画像データに含まれる画素値を取得する工程は、例えば、デジタル画像データから画素値を算出すること及び/又はデジタル画像データから画素値を測定することを含み得る。
[0085] 特定の実施形態において、本願開示の方法は、カラー化画像を作成する工程を含む。幾つかの実施形態において、カラー化画像は、少なくとも1つの画像内の少なくとも1つの画素を、対応するカラー化画素で置換することにより作成される。幾つかの実施形態において、カラー化画像を作成する工程は、少なくとも1つの画像内の少なくとも1つの画素のカラー化を含む。特定の実施形態において、少なくとも1つの画素は、確立したカラースペクトルの少なくとも1つの関連付けられた色でカラー化される。
【0056】
[0086] 幾つかの実施形態において、カラースペクトルは、関心領域内の画素強度の統計測定値に基づいて及び/又は関連付けて選択される。特定の実施形態において、カラースペクトルはデータ格納ユニットが格納している。幾つかの実施形態において、カラースペクトルはバンク及び/又はデータ格納領域に保存される。特定の実施形態において、データ格納ユニットはデータ格納領域を含む。事実、本願開示の方法の本工程は、記載されるような幾つかの異なるオプションを含み、その結果、ユーザは、複数の臨床適応及び複数の画像データセットについてカラー化及び/又はノイズ低減を最適化できる。
【0057】
[0087] 本願開示の方法の幾つかの実施形態は、最適化された/選択されたカラースペクトルを参照として用いて一連のカラースペクトルを作成する工程を含む。セグメント化された関心領域内の画素強度の全ての可能な統計測定値(これは最も近い整数に四捨五入され得る)について、独特なカラースペクトルが、所与の統計測定値に従って作成され、割り当てられ得る。特定の実施形態において、一連のカラースペクトルの各カラースペクトルは、セグメント化された関心領域内の或る1つの統計測定値に適合するように設計される。作成される新たなカラースペクトルの各々について、選択されたカラースペクトルにおいてそれぞれの色に割り当てられる画素値は、統計測定値に比例して上方又は下方に調節されるが、全ての色をシフトさせる必要はない(
図5を参照)。
【0058】
[0088] 例えば、非強調頭部CTの頭蓋内容物に適用されるに最適化されたカラースペクトルは、画素の平均減衰(統計測定値)が20〜50HUである(30HUに等しい)頭蓋内容物用に設計され得る。特定の実施形態において、水減衰(脳脊髄液)を黒に維持するために、一連のカラースペクトル内でカラースペクトルの黒色に0〜20HUの画素強度を割り当てる。幾つかの実施形態において、全ての可能な統計測定値(例えば、平均減衰値)に比例して、20〜60HUの画素強度を上方又は下方にシフトさせる。例えば、最適化されたカラースペクトル(平均減衰が30HUである頭蓋内容物に使用されるべきものであるから「30」と呼ばれる)において緑-黄境界面は38HUであり得るが、40HUと測定される頭蓋内容物については、緑-黄境界面はより高い減衰値に位置する(
図5を参照)。特定の実施形態において、選択されたカラースペクトルからの上方又は下方への色の移動の程度は、統計測定値に比例するが、統計測定値に一致する絶対値で上方又は下方に移動させる必要はない。
【0059】
[0089] カラースペクトルは、関心領域内の画素強度の統計測定値が、新たな画像データセットで類似に見えるカラースペクトルに対応するように、更に最適化及び/又は洗練化され得る。幾つかの実施形態において、患者間での画素強度の変動性及び関心領域の異なる統計測定値に関わらず、標準化カラースペクトルが任意の画像データセットに適用される(
図4を参照)。
【0060】
[0090] 例えば、非強調頭部CT検査の頭蓋内容物が関心領域である場合、頭蓋内容物がセグメント化され、平均減衰(統計測定値)が作成され、対応するカラースペクトルが提供される。平均減衰値30HUの脳には、30と名付けられたカラースペクトルが提供/適用される。平均減衰値40HUの脳には、40と名付けられたカラースペクトルが適用される。両方の場合とも類似の外観であり、ここで、水減衰(脳脊髄液)は黒に見え、皮質(灰白質)及び白質は標準化されて又は類似して見える(例えば、
図4を参照)。同様に、病理学的所見は、2つの画像データセット間での画素強度の変動性に関わらす類似の外観を有する。
【0061】
[0091] 新たな一連のカラースペクトルが特定のクリニカルシナリオ及び断面デジタル医用画像データセットに最適化されると、当該一連のカラースペクトルを使用して、更なる症例/患者について標準化されたカラー化画像を作成することができる。ユーザは、マニュアルにより又は自動的に関心領域の統計測定(例えば、平均強度値)を行い得る。統計測定の値を用いて、一連のカラースペクトルの対応する最適化カラースペクトルが自動的にロードされてもよい。色は、セグメント化された関心領域にマッピングされ(すなわち貼り付けられ)得、ノイズ低減フィルター及び平滑化アルゴリズム(最適化シグマ値を有する)がカラー化画素に自動的に適用され得る。ユーザは、ビューア及び/又はディスプレイ上で最終的な結果物を視てもよい。カラー化プロセスが満足できるものでない場合、ユーザは、所望のカラー化が達成されるまで、例えば1単位ごとに、画像内の画素強度を上げたり下げたりして調節し得る。実際、画素強度の上方又は下方調節は、患者間の画素強度の変動性を標準化する別の1つの方策である。
【0062】
[0092] 最終カラー化画像は、幾つかの実施形態において、ソフトウェアを用いて視てもよいが、一連の積層画像として出力することもできる。1つの実施形態において、最終カラー化画像は、DICOM方式で出力し得る。出力画像は、視るため、解釈のため及び格納のために、画像保管通信システム(picture archiving and communications system:PACS)にアップロードすることもできる。特定の実施形態において、本願開示の標準化及びカラー化プロセスの全体が完全に自動化されてもよく、画像スキャナコンピュータプラットフォーム上で実行されても、又はコンピュータ、サーバ、クラウドベースのシステム若しくはポータブルコンピュータデバイス上でオフラインで実行されてもよい。最終カラー化画像はPACSで統合されてもよい。更に、幾つかの実施形態において、カラー化画像は、未処理のグレースケール画像と同時に(並列様式で)分析され得る。
【0063】
[0093] 本願開示の方法は、例えば、出血性又は虚血性卒中の評価のための非強調頭部CT画像のカラー化、表示及び/又は可視化に有用である。よって、本願開示の方法は、例えば、(通常のグレースケール画像上では特定が困難である)虚血性卒中所見の、見え方及び検出の改善が容易になり得る。
[0094] 特定の実施形態において、本願開示の方法は、例えば、虚血性卒中所見の評価のためのコントラスト強調頭部CT血管造影画像のカラー化、表示及び/又は可視化に有用である。よって、本願開示の方法は、例えば(頭部の通常の(ソース)薄層CT血管造影画像上では特定が困難である)虚血性卒中所見の、見え方及び検出の改善が容易になり得る。
【0064】
[0095] 幾つかの実施形態において、本願開示の方法は、例えば、背骨骨密度の評価のための脊椎CT画像のカラー化、表示及び/又は可視化に有用である。幾つかの実施形態において、海綿質は、マスクを生成するためのランドマークとして周囲の皮質骨を用いて自動的にセグメント化することができる。椎体海綿質内の画素値の統計測定値を用いて、ノイズ低減フィルター、平滑化アルゴリズム及び特定のカラースペクトルのうちの少なくとも1つを決定し、画像データに適用する。よって、本願開示の方法は、、例えば正常骨密度及び/又は低骨密度若しくは骨粗鬆症の、特にはグレースケール医用画像と比較して、見え方及び検出の改善が容易になり得る。
【0065】
[0096] 特定の実施形態において、本願開示の方法は、大腿骨頸部の骨密度を評価するための大腿骨頸部CT画像の可視化の改善に有用である。幾つかの実施形態において、大腿骨頸部の皮質骨及び海綿質内の画素値の統計測定値を用いて、ノイズ低減フィルター、平滑化アルゴリズム及び特定のカラースペクトルのうちの少なくとも1つを決定し、画像データに適用する。実際、幾つかの実施形態において、大腿骨頸部の画像がカラー化されて、特にはグレースケール医用画像との比較で、正常骨密度及び/又は低骨密度若しくは骨粗鬆症の見え方及び検出の改善が容易となる、。
【0066】
[0097] 更に、幾つかの実施形態において、本願開示の方法は、例えば、肝臓のコンピュータ断層画像又は磁気共鳴画像のカラー化及び表示に有用である。幾つかの実施形態において、マニュアルで配置された円形関心領域内の肝臓画素強度の統計測定値を用いて、ノイズ低減フィルター、平滑化アルゴリズム及び特定のカラースペクトルのうちの少なくとも1つを決定し画像データに適用する。統計測定値及び対応するカラースペクトルの使用により、静脈内コントラストの存在に起因して肝臓画素強度が高度に変動性であるデジタル画像データセットの患者間で、カラー化及び画像処理が効果的に標準化される。したがって、本願開示の方法は、正常肝臓及び/又は脂肪変性、腫瘍、塊若しくは血管異常を伴う肝臓の見え方及び検出の改善を提供する。
【実施例】
【0067】
[0098] 実施例
[0099] 本願に開示された主題を、以下の具体的(ただし非限定的)な実施例により更に説明する。
【0068】
[0100] 実施例1
[0101] 医用画像のカラー化法を開発し、非強調頭部CT画像上での急性卒中の可視化及び検出の改善について試験した。本方法は、コンピュータを含む画像処理システム上で実行した。
[0102] 患者頭部の35の非強調CT画像をDICOM方式で取り込んだ。ユーザは、当該画像を画像処理ユニットで解析して、卒中関連損傷の徴候を含むと疑われる関心領域を特定した。したがって、画像処理ユニットを使用して、頭蓋冠内の構造の画像を特定した。頭蓋冠は、減衰値≧200HUの骨の連続リング(又はほぼ連続するリング)であるため、脳及び頭蓋内容物は効果的にセグメント化された。
【0069】
[0103] 脳及び頭蓋内容物(まとめて、頭蓋内容物)のマスクを作製した。頭蓋内板と近接構造物(例えば、脳脊髄液)との間での部分的な体積効果を低減させるために、頭蓋内板に近接するセグメント化された関心領域内のボクセルを、距離で2画素だけ除去した。
[0104] 関心領域内で、頭蓋内容物の頂端より下50mm〜75mmのスライス上で、頭蓋内容物を、20HU〜50HUの画素強度の算術平均減衰を用いて統計学的に評価した。この閾値を下回る減衰値及び上回る減衰値は無視した。なぜならば、それらは、例えば空気、脂肪、液体、血液、石灰化、金属、異物のような構造及び/又は画像アーチファクトを含んでいたからである。
【0070】
[0105] 統計学的に評価した頭蓋内容物の算術平均を計算し、これを用いて特定のカラースペクトルを選択した。実際には、頭蓋内容物の平均減衰は30〜40HUと予想されるが、より広範な対応カラースペクトルが利用可能である。頭蓋内容物の画素強度が変動する患者間でカラー表示を標準化するための専用のカラースペクトルが、各最終平均脳減衰値について利用可能である。異なる患者間での平均脳減衰値の変動にかかわらず、上記技法により、全ての患者において灰白質を或る特定の色に維持し、白質を或る異なる色に維持することが可能となる。ユーザが望むとおりに、異なるカラースペクトルを選択し得ることが理解される。色の選択は、脳皮質及び中心核における減衰変化の可視化及び検出を改善するように、より広範には、正常所見並びに虚血性及び出血性卒中所見の可視化及び検出を改善するように行われる。
【0071】
[0106] 頭蓋内容物の統計解析により見出された平均強度値(例えば、25〜45)に従って各カラースペクトルを選択し、選択されたカラースペクトルをコンピュータのデータ格納領域に保存して一連のカラースペクトルを作成した。該一連のカラースペクトルは、複数の独特なカラースペクトルを含む。各カラースペクトルは、種々の色を頭蓋内容物内の或る範囲の画素値に関連付ける。本実施例においては、減衰値0〜100HUを有する頭蓋内容物のみがカラー化された。画素強度<0HU及び画素強度>100HUは新たな色に割り当てられず、したがって元のグレースケール状態のまま変更されていない。
[0107] 同じ特定のカラースペクトルを、非強調CT画像の各スライス(頭蓋内容物のみ)に適用した。頭蓋内容物の画像マスクを使用して、カラー化をこの領域に限定した。
【0072】
[0108] 本実施例においては、脳脊髄液の容易で一貫した可視化及び検出が可能となるように、選択されたカラースペクトルでは黒色を減衰値0〜20HUの画素に割り当てた。また、急性出血(例えば、頭蓋内出血)又は急性血餅を含む高密度動脈を確定するために、減衰値60〜100HUの画素を赤色に割り当てた。減衰値21〜59HUの画素用カラースペクトルは、紫、青、藍、緑、黄及び赤(各境界面でブレンドされる)を含んでいたが、これらの色についての具体的減衰値は各カラースペクトルで異なった。結果として、本発明のカラー化プロセスは、異なる平均減衰値を有する患者間で標準化することができる。したがって、カラー化により、頭蓋内容物について30HUの平均減衰測定値を有する頭部CT検査は、頭蓋内容物について40HUの平均減衰を有する脳と同様に見える。
図4及び
図5を参照。
【0073】
[0109] 頭蓋内容物の平均減衰に対応するカラースペクトルを頭蓋内容物に適用/マッピングする。卒中については、デフォルトの色不透明度は、各カラースペクトルにおいて全ての画素強度について100%に設定された。ノイズ低減フィルター及びガウス型平滑化フィルター(1.5のシグマ値を有する)を、全ての画像上で頭蓋内容物内のカラー化画素に適用した。頭蓋(より高い減衰)と頭蓋内容物(より低い減衰)との接合部での体積平均化を低減させるため、頭蓋内容物の周縁部の画素を2画素長だけ除去した。これにより、ユーザの邪魔にならないように、頭蓋内容物の周縁部から赤に着色された画素が本質的に除去された。
【0074】
[0110] 最終カラー化画像は、ノイズ低減及び画素平滑化がカラー化画素に限定され、カラー化は頭蓋内容物に限定された。最終画像をコンピュータ上に表示させて観察した。更に、DICOMビューア上でグレースケール画像と並列させて観察するため、及びPACS上にアップロードしてそこで観察するために、最終画像をDICOM方式で出力させた。注目すべきことには、画像は、個々の患者について最適化されているので、ウインドー設定の必要はなかった。
[0111] 急性卒中について評価した患者の非強化頭部CT画像を用いた試験では(N=100の重複しない患者及びN=3087の重複しない頭部CT画像)、パーソナルコンピュータを用いたときの平均処理時間は、各頭部CT検査について<4秒であった。頭蓋内容物の平均減衰(N=100)は、30HU〜40HUの範囲であった。
【0075】
[0112] 実施例2
[0113] 1人以上の熟練の神経放射線医師及び卒中造影技師が実際の臨床で当初同定できなかったか又は同定が困難であった大血管虚血性卒中を有する頭部CT画像セット(N=10)を、本明細書に記載した方法を用いて処理し、カラー化画像を熟練の3人の卒中造影技師により評価した。3人の評価者全員が、3症例(動きのアーチファクト及びビームハードニングアーチファクトを有するものを含む)の全てで大血管虚血性卒中の視認及び検出が容易であることに同意した(10/10症例)。急性出血を有する頭部CT画像を含む追加の症例を試験し、各症例においてカラー化画像により卒中所見の可視化及び検出が改善された。
【0076】
[0114] 本発明において、本発明の範囲及び精神を逸脱することなく、種々の改変及び変形を行い得ることが、当業者に明らかである。本発明の他の側面は、本明細書の考慮及び本明細書に記載した本発明の実施から当業者に明らかである。本明細書及び実施例は、例示としてのみ考えられるものと意図されている。本発明の真正の範囲及び精神は添付の特許請求の範囲に示されている。
[0115] 本明細書に開示した主題の種々の詳細は、本明細書に開示した主題の範囲から逸脱することなく変更することができることを理解すべきである。更に、上記の説明は、例示のみを目的とし、いかなる限定をも目的とするものではない。