特許第6463780号(P6463780)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6463780
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年2月6日
(54)【発明の名称】光結合素子及び光結合ユニット
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/26 20060101AFI20190128BHJP
   G02B 6/30 20060101ALI20190128BHJP
【FI】
   G02B6/26
   G02B6/30
【請求項の数】10
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-564364(P2016-564364)
(86)(22)【出願日】2014年8月20日
(65)【公表番号】特表2017-503221(P2017-503221A)
(43)【公表日】2017年1月26日
(86)【国際出願番号】CN2014084811
(87)【国際公開番号】WO2015106567
(87)【国際公開日】20150723
【審査請求日】2017年6月21日
(31)【優先権主張番号】201420027992.2
(32)【優先日】2014年1月16日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】509024525
【氏名又は名称】ゼットティーイー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
(73)【特許権者】
【識別番号】516214168
【氏名又は名称】上海大学
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI UNIVERSITY
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】特許業務法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パン,フーフェイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ティンユン
(72)【発明者】
【氏名】シア,チエン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,シーチオン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,レンウー
(72)【発明者】
【氏名】グー,シン
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ,リー
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ジャー
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ユー
【審査官】 佐藤 洋允
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−056061(JP,A)
【文献】 特開2005−031556(JP,A)
【文献】 特表2008−502013(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0098374(US,A1)
【文献】 国際公開第2007/076888(WO,A1)
【文献】 特表2006−506657(JP,A)
【文献】 特表2004−508581(JP,A)
【文献】 特開平10−054928(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B6/26−6/27
G02B6/30−6/34
G02B6/12−6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直角反射プリズムと光ファイバー可動型コネクタとを含み、
光ファイバーを介して伝播される光線収斂かつ反射するように、前記直角反射プリズムの反射面に曲面反射面が設けられ、前記直角反射プリズムの前記反射面は、前記直角反射プリズムの傾斜面であり、前記曲面反射面は、真空めっきを行った全反射曲面であり、
光ファイバーを介して伝播される光線が前記直角反射プリズムの曲面反射面に入射されるように、前記光ファイバー可動型コネクタと前記直角反射プリズムは固定されている、光結合素子。
【請求項2】
前記光ファイバー可動型コネクタに光ファイバー結合管が設けられていて、前記曲面反射面の中央位置及び間隔が前記光ファイバー結合管の中央位置及び間隔と同じである、請求項1に記載の光結合素子。
【請求項3】
前記曲面反射面の曲率は、光ファイバーから前記曲面反射面に入射される最大角度の光線曲面反射面によって収斂かつ平行に出射するように、光ファイバー結合管の開口数パラメーターに基づいて設計される、請求項2に記載の光結合素子。
【請求項4】
前記光結合素子の直角反射プリズムのタイプが、単一経路反射プリズムである場合、前記直角反射プリズムを固定するための光ファイバー可動型コネクタのタイプは、単列光ファイバー可動型コネクタであり、
前記光結合素子の直角反射プリズムのタイプが、ダブル経路反射プリズムである場合、前記直角反射プリズムを固定するための光ファイバー可動型コネクタのタイプは、ダブル経路光ファイバー可動型コネクタであり、
前記光結合素子の直角反射プリズムのタイプが、単列マルチ経路反射プリズムである場合、前記直角反射プリズムを固定するための光ファイバー可動型コネクタのタイプは、単列マルチ経路光ファイバー可動型コネクタであり、
前記光結合素子の直角反射プリズムのタイプが、マルチ列マルチ経路反射プリズムである場合、前記直角反射プリズムを固定するための光ファイバー可動型コネクタのタイプは、マルチ列マルチ経路光ファイバー可動型コネクタである、請求項3に記載の光結合素子。
【請求項5】
前記直角反射プリズムの位置きめピン穴の直径及び位置は、前記光ファイバー可動型コネクタの位置きめピン穴の直径及び位置に対応する、請求項1に記載の光結合素子。
【請求項6】
前記光ファイバー可動型コネクタと直角反射プリズムは位置きめピンを介して接続され、前記位置きめピンはそれぞれ、直角反射プリズムと光ファイバー可動型コネクタ上の位置きめピン穴を接続し、
前記直角反射プリズムは紫外線接着剤で光ファイバー可動型コネクタの表面に固定され、紫外線接着剤は位置きめピンと直角反射プリズムや光ファイバー可動型コネクタとの接続箇所に塗布され、又は直角反射プリズムの縁部と光ファイバー可動型コネクタとの接続領域に塗布される、請求項5に記載の光結合素子。
【請求項7】
光導波路と、
請求項1乃至6のうちのいずれか一項に記載の光結合素子と、を含み、光結合素子中の直角反射プリズム上の曲面反射面によって反射された光線が光導波路に入射して伝播されるように、前記光結合素子は前記光導波路に垂直に挿入される、光結合ユニット。
【請求項8】
前記光結合素子が前記光導波路に垂直に挿入されることは、光導波路中の平面光導波路ベース以上の位置に溝が設けられていて、前記光結合素子中の直角反射プリズムが前記溝内に垂直に挿入されることを含み、前記溝の寸法は前記直角反射プリズムの寸法以上である請求項7に記載の光結合ユニット。
【請求項9】
前記光結合素子中の直角反射プリズムのタイプが、単一経路反射プリズムである場合、前記光導波路のタイプは、単一経路光導波路であり、
前記光結合素子中の直角反射プリズムのタイプが、ダブル経路反射プリズムである場合、前記光導波路のタイプは、ダブル経路光導波路であり、
前記光結合素子中の直角反射プリズムのタイプが、単列マルチ経路反射プリズムである場合、前記光導波路のタイプは、単列マルチ経路光導波路であり、
前記光結合素子中の直角反射プリズムのタイプが、マルチ列マルチ経路反射プリズムである場合、前記光導波路のタイプは、マルチ列マルチ経路光導波路である、請求項8に記載の光結合ユニット。
【請求項10】
前記光結合素子中の直角反射プリズムの曲面反射面の曲率は、光ファイバーから前記曲面反射面に入射される最大角度の光線曲面反射面によって収斂かつ平行に出射した光線の角度が光導波路の開口数未満であるように、光ファイバー結合管と光導波路の開口数パラメーターに基づいて設計される、請求項7乃至9のうちのいずれか一項に記載の光結合ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光通信分野に関し、特に、光結合素子及び光結合ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
広帯域通信網、スーパーコンピューター及びビッグデータセンター等の応用分野におけるプリント回路基板間、チップ間の相互接続帯域幅に対する需要が高まっているに伴って、プリント回路基板に基づく電気相互接続技術もどんどん伝送レート上の障害を現していて、特に、中短距離(0.3m〜1m)である場合、電気相互接続は殆どが10Gbpsレートの伝送しか実現できず、25Gbps、40Gbps等の高速の相互接続は既に伝送レートの障害に当面した。従って、該業界では回路を接続する銅線の替わりに光導波路を利用して、光導波路をプリント回路基板に集積して各種の回路素子間の光相互接続することで、データの高速伝送を実現することを提起した。このような光導波路に基づく光相互接続方法は、帯域幅が高く、密度が高く、伝送速度が速く、伝送電力消費が低く、ロスが小さく、混信が殆ど存在せず、電磁両立性を有する等のメリットを有するので、電気プリント基板の替わりに光導波路に基づく光プリント基板を用いることは高速で帯域幅相互接続の発展の趨勢であって、今後広帯域通信網、スーパーコンピューター及びビッグデータセンターの相互接続の帯域幅問題を解決できる核心技術である。
【0003】
相互接続の光導波路システムにおいて、例えば光源と光導波路、光ファイバーと光導波路、光導波路と光導波路等の間の光路の切り替えなどの大量の光路の切り替え部分があるが、ここで、光の結合効率は最も注目される要素である。これは結合効率のレベルが光相互接続リンクの挿入損失に直接に影響を与えて、相互接続の距離を低下させるからであるので、光結合に関連する素子は相互接続の光導波路システムにおいて重要な存在であって、相互接続システムの性能を決定する重要な部分である。
【0004】
今まで、光結合に関連する素子を実現する方法が多く開示されているが、標準化された相互接続光導波路が垂直に光結合を実現する解決案は提示されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
既存技術に存在する技術課題を解決するため、本発明の実施例は、光結合素子及び光結合ユニットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施例は、直角反射プリズムと光ファイバー可動型コネクタとを含み、光ファイバーを介して伝播される光線が収斂されてから反射されるように、前記直角反射プリズムの反射面に曲面反射面が設けられ、光ファイバーを介して伝播される光線が前記直角反射プリズムの曲面反射面に入射されるように、前記光ファイバー可動型コネクタと前記直角反射プリズムは固定されている光結合素子を提供する。
【0007】
上記方案において、前記光ファイバー可動型コネクタに光ファイバー結合管が設けられていて、前記曲面反射面の中央位置及び間隔が前記光ファイバー結合管の中央位置及び間隔と同じである。
【0008】
上記方案において、前記曲面反射面の曲率は、光ファイバーから前記曲面反射面に入射される最大角度の光線が曲面反射面によって収斂されてから平行に出射されるように、光ファイバー結合管の開口数パラメーターに基づいて設計される。
【0009】
上記方案において、前記光結合素子の直角反射プリズムのタイプが順に、単一経路反射プリズム、ダブル経路反射プリズム、単列マルチ経路反射プリズム、マルチ列マルチ経路反射プリズムであると、前記直角反射プリズムを固定するための光ファイバー可動型コネクタのタイプは順に、単列光ファイバー可動型コネクタ、ダブル経路光ファイバー可動型コネクタ、単列マルチ経路光ファイバー可動型コネクタ、マルチ列マルチ経路光ファイバー可動型コネクタである。
【0010】
上記方案において、前記直角反射プリズムの位置きめピン穴の直径及び位置は、前記光ファイバー可動型コネクタの位置きめピン穴の直径及び位置に対応する。
【0011】
上記方案において、前記光ファイバー可動型コネクタと直角反射プリズムは位置きめピンを介して接続され、前記位置きめピンはそれぞれ、直角反射プリズムと光ファイバー可動型コネクタ上の位置きめピン穴に接続され、前記直角反射プリズムは紫外線接着剤で光ファイバー可動型コネクタの表面に固定され、紫外線接着剤は位置きめピンと直角反射プリズムや光ファイバー可動型コネクタとの接続箇所に塗布され、又は直角反射プリズムの縁部と光ファイバー可動型コネクタとの接続領域に塗布される。
【0012】
本発明の実施例よると、光導波路と、上記光結合素子と、を含み、光結合素子中の直角反射プリズム上の曲面反射面によって反射された光線が光導波路に入射して伝播されるように、前記光結合素子は前記光導波路に垂直に挿入される光結合ユニットを提供する。
【0013】
上記方案において、前記光結合素子が前記光導波路に垂直に挿入されることは、光導波路中の平面光導波路ベース以上の位置に溝が設けられていて、前記光結合素子中の直角反射プリズムが前記溝内に垂直に挿入されることを含み、前記溝の寸法は前記直角反射プリズムの寸法以上である。
【0014】
上記方案において、前記光結合素子中の直角反射プリズムのタイプが順に、単一経路反射プリズム、ダブル経路反射プリズム、単列マルチ経路反射プリズム、マルチ列マルチ経路反射プリズムであると、前記光導波路のタイプは順に、単一経路光導波路、ダブル経路光導波路、単列マルチ経路光導波路、マルチ列マルチ経路光導波路である。
【0015】
上記方案において、前記光結合素子中の直角反射プリズムの曲面反射面の曲率は、光ファイバーから前記曲面反射面に入射される最大角度の光線が曲面反射面によって収斂された後出射される光線の角度が光導波路の開口数未満であるように、光ファイバー結合管と光導波路の開口数パラメーターに基づいて設計される。
【発明の効果】
【0016】
本発明の実施例で提供する光結合素子及び光結合ユニットによると、光結合素子の直角反射プリズムの反射面に曲面反射面を設け、また光ファイバーを介して伝播される光線が前記曲面反射面に入射されて前記光ファイバーを介して伝播される光線が収斂されてから反射されるように、光結合素子中の光ファイバー可動型コネクタと前記直角反射プリズムと固定する。これにより、光伝播時のロスを減少し、光結合効率を向上させると共に、本発明の実施例で提供する光結合素子及び光結合ユニットは構造が簡単であって、その製造方法も簡単で実行しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】既存技術における直角反射プリズムの横方向断面図である。
図2】本発明の少なくとも一つの実施例で提供する光結合素子の断面図である。
図3】本発明の少なくとも一つの実施例で提供する光ファイバー可動型コネクタの横方向断面図である。
図4】本発明の少なくとも一つの実施例で提供する直角反射プリズムの斜視図である。
図5】本発明の少なくとも一つの実施例で提供するダブル経路反射プリズムの斜視図である。
図6】本発明の少なくとも一つの実施例で提供する単列マルチ経路反射プリズムの斜視図である。
図7】本発明の少なくとも一つの実施例で提供するマルチ列マルチ経路反射プリズムの斜視図である。
図8】本発明の少なくとも一つの実施例で提供する光結合素子の製造方法を示すフローチャートである。
図9】本発明の少なくとも一つの実施例で提供する光結合ユニットの断面図である。
図10】本発明の少なくとも一つの実施例で提供する光結合ユニットの製造方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の少なくとも一つの実施例において、光ファイバー可動型コネクタと直角反射プリズムとを含む光結合素子を提供し、前記直角反射プリズムの反射面に曲面反射面を設け、また、光ファイバーを介して伝播される光線が前記曲面反射面に入射されて前記光ファイバーを介して伝播される光線が収斂されてから反射されるように、前記光ファイバー可動型コネクタと前記直角反射プリズムとを固定することで、光伝播時のロスを減少し、光結合効率を向上させる。
【0019】
以下、図面と具体的な実施例を参照して本発明を更に詳しく説明する。
【0020】
図1は直角反射プリズムの横断面を示す図で、図1中の直角を挟む二つの辺ABとACは直角反射プリズム上の互いに垂直する二つの側面を表し、BCは直角反射プリズム上の反射面を表す。
【0021】
本発明の少なくとも一つの実施例で光結合素子を提供し、図2は本発明の実施例における光結合素子の断面図で、図2に示すように、前記光結合素子は、一つの光ファイバー可動型コネクタ21と一つの直角反射プリズム23から構成され、前記直角反射プリズム23の反射面に曲面反射面24を設け、前記曲面反射面24はそれに入射される光線を収斂して反射する。前記光ファイバー可動型コネクタ21と前記直角反射プリズム23は固定される。前記光ファイバー可動型コネクタ21は光ファイバー結合管22を含み、前記光ファイバー結合管22は、光ファイバーを介して伝播される光線が前記直角反射プリズム23の曲面反射面24に入射されるように、光ファイバーを固定して合わせる。
【0022】
前記曲面反射面24上に高反射率の光学薄膜がめっきされることが好ましく、前記曲面反射面24上の光学薄膜として金、銀等の金属薄膜を利用することができ、他の媒体薄膜を利用することもできる。薄膜めっき処理を経た後の曲面反射面24は一層高い反射率に達することができ、入射光線の全反射を実現することができる。光ファイバー可動型コネクタ21の光ファイバー結合管22に光ファイバーが固定されている時、光ファイバーを介して伝送される入射光線は直角反射プリズムの曲面反射面24に入射された後、前記入射光線は高反射率の光学薄膜がめっきされた曲面反射面24によって反射される。
【0023】
本発明の少なくとも一つの実施例において、前記光ファイバー可動型コネクタ21のタイプ、構造を特に限定せず、前記光ファイバー可動型コネクタ21のタイプは、MT−RJ又はMPO(Multi−fiber Push On)などを含むことができるがこれらに限定されることはなく、これにより、本発明の実施例で提供する前記光結合素子は構造が簡単で実現しやすい。
【0024】
図3は光ファイバー可動型コネクタ21の横方向断面図で、横方向の線が充填されたA部分は光ファイバー結合管22の横截面であって、斜め線が充填されたBとCは二つの位置きめピン穴を示す。図4は本発明の少なくとも一つの実施例で提供する直角反射プリズム23の斜視図で、符号41は曲面反射面が位置する位置を示し、符号42は位置きめピン穴の位置を示す。実際の応用において、光ファイバー可動型コネクタ21と直角反射プリズム23上の位置きめピン穴の数量や位置はいずれも需要に応じて設計することができ、本発明の実施例で提供する構造に限定されない。
【0025】
実際の応用において、直角反射プリズム23の曲面反射面24の中央位置及び間隔は、選択した光ファイバー可動型コネクタ21中の光ファイバー結合管22の中央位置及び間隔と同じであるべきである。
【0026】
前記直角反射プリズム23上の位置きめピン穴の直径及び位置は、選択した光ファイバー可動型コネクタ21上の位置きめピン穴の直径及び位置に整合するべきであって、これにより、位置きめピンを介して光ファイバー可動型コネクタ21と直角反射プリズム23を一層確実に接続することができる。
【0027】
図2に示すように、前記直角反射プリズム23は光ファイバー可動型コネクタ21の表面に固定されて、光ファイバーを介して伝送される光線がちょうど直角反射プリズム23の曲面反射面24に入射され、また前記曲面反射面24によって反射される。
【0028】
前記光ファイバー可動型コネクタ21と前記直角反射プリズム23を固定することが、位置きめピンによって直角反射プリズム23と光ファイバー可動型コネクタ21とを接続し、前記位置きめピンがそれぞれ直角反射プリズム23と光ファイバー可動型コネクタ21上の位置きめピン穴に接続されることを含むことが好ましい。そして、紫外線接着剤を利用して直角反射プリズム23を光ファイバー可動型コネクタ21の表面に固定し、紫外線接着剤を位置きめピンと直角反射プリズム23や光ファイバー可動型コネクタ21との接続箇所に塗布することができ、直角反射プリズム23の縁部と光ファイバー可動型コネクタ21との接続箇所に塗布することもできる。
【0029】
実際の応用において、上記直角反射プリズム23の曲面反射面24の曲率は光ファイバーの開口数パラメーターに基づいて設計することができ、光反射原理によって、曲面反射面24が光ビームを収斂する作用を有するので、直角反射プリズム23の曲面反射面24の曲率を設計する際、光ファイバーから直角反射プリズム23に入射される最大角度の光線が曲面反射面24によって収斂されてから平行に出射されるように保証しなければならない。前記反射面の面形状の選択肢として、弧面、放物面等を含むがこれらに限定されることはない。
【0030】
図2を参照すると、光ファイバーを介して伝送される入射光線210は、直角反射プリズムの曲面反射面24によって全反射された後、収斂作用によって、平行出射光211が得られ、これにより、通常の反射プリズムを利用する際に光線が散乱によるロスを減少し、光結合の効率を向上させることができる。
【0031】
本発明の少なくとも一つの実施例において、前記直角反射プリズムはダブル経路反射プリズムであることもでき、即ち、図5に示すように、直角反射プリズムの反射面に二つの曲面反射面を設けることができ、ここで、符号52は位置きめピン穴を示し、符号51は曲面反射面を示す。対応して、前記ダブル経路反射プリズムと固定される光ファイバー可動型コネクタは、ダブル経路光ファイバー可動型コネクタ、即ち、二つの光ファイバー結合管を含む光ファイバー可動型コネクタであるべきであって、これにより、同時に二つの経路の光線の反射を実現することができる。
【0032】
本発明の少なくとも一つの実施例において、前記直角反射プリズムは、単列マルチ経路反射プリズムであることもでき、即ち、図6に示すように、プリズムの傾斜面に単列の複数の曲面反射面を設けることもでき、ここで、符号62は位置きめピン穴を示し、符号61は曲面反射面を示し、対応して、前記単列マルチ経路反射プリズムと固定される光ファイバー可動型コネクタは単列マルチ経路光ファイバー可動型コネクタ、即ち1列の複数の光ファイバー結合管を含む光ファイバー可動型コネクタであって、これにより、同時に単列マルチ経路の光線の反射を実現することができる。
【0033】
本発明の少なくとも一つの実施例において、前記直角反射プリズムはマルチ列マルチ経路反射プリズムであることもでき、即ち、図7に示すように、プリズムの傾斜面に複数列の曲面反射面を設け、各列上の曲面反射面は複数であって、ここで、符号72は位置きめピン穴を示し、符号71は曲面反射面を示し、前記マルチ列マルチ経路反射プリズムと固定される光ファイバー可動型コネクタは、マルチ列マルチ経路光ファイバー可動型コネクタ、即ちそれぞれ複数の光ファイバー結合管を含む複数列を含む光ファイバー可動型コネクタであって、これにより、同時にマルチ列マルチ経路の光線の反射を実現することができる。
【0034】
本発明の少なくとも一つの実施例において光結合素子の製造方法を提供し、前記製造方法のフローチャートは図8に示すようであって、前記製造方法は以下のステップを含む:
直角反射プリズムの反射面に曲面反射面を設ける(ステップ801)。
【0035】
ここで、前記直角反射プリズムは光学研磨技術によって製造することができ、直角反射プリズムの中央位置及び間隔は、それが固定される光ファイバー可動型コネクタ中の光ファイバー結合管の中央位置及び間隔と同じであるべきであって、且つ、前記直角反射プリズム上の位置きめピン穴の直径及び位置はそれが固定される光ファイバー可動型コネクタ上の位置きめピン穴の直径及び位置に整合されるべきであって、これにより、位置きめピンによって光ファイバー可動型コネクタと直角反射プリズムを一層確実に接続することができる。
【0036】
前記設けられる曲面反射面の中央位置及び間隔が、それが固定される光ファイバー可動型コネクタ中の光ファイバー結合管の中央位置及び間隔と同じであることが好ましい。前記曲面反射面の曲率は光ファイバーの開口数パラメーターに基づいて設計することができ、光反射原理により曲面反射面が光ビームを収斂する作用を有するので、直角反射プリズムの曲面反射面の曲率を設計する際、光ファイバーから曲面反射面に入射される最大角度の光線が曲面反射面によって収斂されてから平行に出射されるように保証しなければならない。前記反射面の面形状の選択肢として、弧面、放物面等を含むがこれらに限定されることはない。設計された曲面構造に基づいて、紫外レーザ溶融、二酸化炭素レーザ熱溶融、機械研磨又は超音波研磨等の工程を経て、直角反射プリズムに反射面を加工する。
【0037】
ここで、曲面反射面に真空めっきを行うことで全反射曲面を得ることができる。具体的に、前記めっき膜は金、銀等の金属薄膜を選択することができ、他の媒体薄膜を選択することもできる。
【0038】
光ファイバーを介して伝播される光線が全部直角曲面反射プリズムの曲面反射面に入射されるように、前記直角反射プリズムを光ファイバー可動型コネクタの表面に固定する(ステップ802)。
【0039】
ステップ801で製造された直角反射プリズムと光ファイバー可動型コネクタ中の位置きめピン穴がそれぞれ位置きめピンを介して接続されることが好ましく、そして、紫外線接着剤を利用して直角反射プリズムを光ファイバー可動型コネクタの表面に固定し、具体的には、紫外線接着剤を位置きめピンと反射プリズムや光ファイバー可動型コネクタとの接続箇所に塗布することができ、プリズムの縁部と光ファイバー可動型コネクタとの接続領域に塗布することもできる。
【0040】
尚、以上のステップの番号は、異なるステップを区別するためのものであって、ステップの先後順を限定するものではなく、実行する際、全てのステップは厳格な先後順が決められていない。
【0041】
本発明の少なくとも一つの実施例で光結合ユニットを提供し、図9に示すように、上述した光結合素子と、光導波路91と、を含み、光結合素子中の曲面反射面によって反射された光線が光導波路91に入射されて伝播されるように、前記光結合素子を光導波路91に垂直に挿入する。
【0042】
図9に示すように、前記光導波路91は、平面光導波路ベース95と、光導波路下包装材料94と、光導波路コア材料93と、光導波路上包装材料92からなり、前記光結合素子を光導波路91に垂直に挿入することは、光導波路91中の平面光導波路ベース95以上の位置に溝を形成し、前記光結合素子中の直角反射プリズム23が前記溝内に垂直に挿入され、前記溝の寸法は、直角反射プリズムの寸法より大きい、即ち直角反射プリズム23全体を入れることが可能である。
【0043】
前記光導波路の長さは、実際の回路の需要に応じて選択することが好ましい。前記光導波路のタイプは、光結合素子中の直角反射プリズムのタイプに応じて選択することができ、具体的には、前記直角反射プリズムがダブル経路反射プリズムである時、光導波路としてはダブル経路光導波路を選択すべきであって、これにより、前記光結合素子を光導波路に垂直に挿入する際、二つの経路の光ファイバーを二つの経路の光導波路に合わせることができ、ダブル経路の光ファイバーと光導波路の垂直な光結合を実現することができる。前記直角反射プリズムが単列マルチ経路反射プリズムである時、前記光導波路としては単列マルチ経路光導波路を選択すべきであって、これにより、前記光結合素子を光導波路に垂直に挿入する際、単列マルチ経路光ファイバーと単列マルチ経路光導波路とを合わせることができ、単列マルチ経路光ファイバーと光導波路の垂直な光結合を実現することができる。前記直角反射プリズムがマルチ列マルチ経路反射プリズムである時、前記光導波路としてはマルチ列マルチ経路光導波路を選択すべきであって、これにより、前記光結合素子を光導波路に垂直に挿入する際、マルチ列マルチ経路光ファイバーとマルチ列マルチ経路光導波路とを合わせることができ、マルチ列マルチ経路光ファイバーと光導波路の垂直な光結合を実現することができる。
【0044】
前記光結合素子中の直角反射プリズム23の曲面反射面24の曲率は光ファイバー及び光導波路の開口数パラメーターに基づいて設計することができ、光反射原理によって、曲面が光ビームを収斂する作用を有するので、直角反射プリズム23の反射面の曲率を設計する際、光ファイバーから曲面反射面24に入射される最大角度の光線が曲面反射面24によって収斂された後、出射される光線の角度が光導波路の開口数パラメーター未満になる、即ち光エネルギーのロスがないように保証しなければならない。前記反射面の面形状の選択肢として、弧面、放物面等を含むがこれらに限定されることはない。
【0045】
図9を参照すると、本発明の少なくとも一つの実施例で提供する光結合ユニットにおいて、光ファイバーを介して伝送される入射光線910は、直角反射プリズムの曲面反射面24によって全反射された後、収斂作用によって、平行出射光911が得られ、前記平行出射光911は光導波路に入射されて光導波路を介して伝播され、これにより、光ロスを大幅に低減することができ、光ファイバーと光導波路との間の一層効率的な垂直な光結合を実現できる。
【0046】
本発明の少なくとも一つの実施例において光結合ユニットの製造方法を提供し、図10に示すように、前記方法は以下のステップを含む:
直角反射プリズムの反射面に曲面反射面を設ける(1001)。
【0047】
前記直角反射プリズムは光学研磨技術によって製造することができ、直角反射プリズム上に位置きめピン穴を形成し、位置きめピン穴の直径及び位置は光ファイバー可動型コネクタ上の位置きめピン穴の直径及び位置に整合するべきである。
【0048】
前記直角反射プリズムの反射面に曲面反射面を設けて、前記設けられた曲面反射面の中央位置及び間隔が、それが固定される光ファイバー可動型コネクタ中の光ファイバー結合管の中央位置及び間隔に対応しなければならない。
【0049】
曲面反射面の曲率と面形状を確定することで、曲面反射面の構造を確定する。
【0050】
光ファイバー可動型コネクタと光導波路の開口数パラメーターに基づいて前記曲面反射面の曲率を設計することが好ましい。具体的に、光反射原理により曲面が光ビームを収斂する作用を有するので、直角反射プリズムの反射面の曲率を設計する際、光ファイバーから直角反射プリズムに入射される最大角度の光線が曲面反射面によって収斂された後、反射されて光導波路に入射される角度が光導波路の開口数未満になる、即ち、光エネルギーのロスがないように保証しなければならない。前記曲面反射面の面形状の選択肢として弧面、放物面等を含むがこれらに限定されることはない。
【0051】
確定された曲面の構造に応じて、紫外レーザ溶融、二酸化炭素レーザ熱溶融、機械研磨又は超音波研磨等の工程を経て、直角反射プリズム上に反射面を加工する。
【0052】
ここで、曲面反射面に真空めっきを行うことで全反射曲面を得ることができる。具体的に、曲面反射面に金、銀等の金属薄膜をめっきすることができ、他の媒体薄膜をめっきすることもできる。
【0053】
光ファイバーを介して伝播される光線が全部直角反射プリズムの曲面反射面に入射されるように、前記直角反射プリズムを光ファイバー可動型コネクタの表面に固定して、光結合素子を形成する(ステップ1002)。
【0054】
前記直角反射プリズムと前記光ファイバー可動型コネクタの整合する位置きめピン穴をそれぞれ位置きめピンを介して接続することが好ましく、そして、紫外線接着剤を利用して直角反射プリズムを光ファイバー可動型コネクタの表面に固定し、具体的には、紫外線接着剤を位置きめピンと反射プリズムや光ファイバー可動型コネクタとの接続箇所に塗布することができ、プリズムの縁部と光ファイバー可動型コネクタとの接続領域に塗布することもできる。
【0055】
光導波路に溝を形成する(ステップ1003)。
【0056】
前記光導波路に溝を形成することが、光導波路中の平面光導波路ベース以上の位置に、レーザ溶融技術によって紫外レーザを利用して溝を設けることを含むことが好ましく、前記溝の寸法は直角反射プリズムの寸法以上である、即ち、直角反射プリズム全体を入れることができる寸法である。
【0057】
ステップ1002で形成された光結合素子をステップ1003で形成した溝に挿入して固定する(ステップ1004)。
【0058】
前記固定はさまざまな方式で実現することができ、紫外線接着剤によって接着して固定することを含むがこれに限定されることはない。光結合素子を光導波路の溝に挿入して固定すると、光の垂直な結合を実現することができる。
【0059】
尚、以上のステップの番号は、異なるステップを区別するためのものであって、ステップの先後順を限定するものではなく、実行する際、全てのステップは厳格な先後順が決められていない。
【0060】
上述は、本発明の好適な実施例であって、本発明の保護範囲を限定するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10