【文献】
International Journal of Pharmaceutics,2010年,Vol.389,No.1−2,p232−243
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、「デポー効果」を介した治療的に効果的なレベルの分泌性タンパク質の産生につながるmRNA遺伝子治療薬の送達方法を提供する。本発明の実施形態において、分泌性タンパク質をコードするmRNAは、脂質ナノ粒子中に装填され、生体内で標的細胞に送達される。その後、標的細胞は、治療レベルでの循環系への可溶性の分泌性タンパク質の産生のためにデポー源の機能を果たす。いくつかの実施形態において、産生される分泌性タンパク質のレベルは、正常な生理学的レベルを上回る。
【0008】
本発明は、治療レベルの機能的分泌性タンパク質の産生のために1つ以上の標的細胞にリポソーム移送ビヒクル中のmRNAを細胞内送達するための組成物および方法を提供する。
【0009】
本発明の組成物および方法は、多くの疾患、具体的には、タンパク質および/または酵素欠乏に起因する疾患の管理および治療において有用であり、タンパク質または酵素は、正常に分泌される。そのような疾患に罹患する個体は、例えば、分泌性タンパク質の不合成、分泌性タンパク質合成の減少、または生物学的活性を欠くか、もしくは低下した生物学的活性を有する分泌性タンパク質の合成を含む、タンパク質または酵素の発現不全につながる根本的な遺伝子欠陥を有し得る。具体的には、本発明の方法および組成物は、リソソーム貯蔵障害および/または尿素サイクルに関与する分泌性酵素の生合成における1つ以上の欠陥の結果として生じる尿素サイクル代謝異常の治療に有用である。
【0010】
本発明の組成物は、mRNA、移送ビヒクル、および任意で、標的細胞との接触およびその後のトランスフェクションを促進する作用物質を含む。mRNAは、臨床的に有用な分泌性タンパク質をコードし得る。例えば、mRNAは、リソソーム貯蔵障害に関与する機能的分泌性尿素サイクル酵素または分泌性酵素をコードし得る。mRNAは、例えば、エリスロポエチン(例えば、ヒトEPO)またはα−ガラクトシダーゼ(例えば、ヒトα−ガラクトシダーゼ(ヒトGLA)をコードし得る。
【0011】
いくつかの実施形態において、mRNAは、mRNAに安定性を付与する(例えば、野生型または天然バージョンのmRNAと比較して)1つ以上の修飾を含み得、タンパク質の関連した異常発現に関与する欠陥を修正する野生型に対して1つ以上の修飾も含み得る。例えば、本発明の核酸は、5’非翻訳領域もしくは3’非翻訳領域のうちの1つまたはそれら両方の修飾を含み得る。そのような修飾は、サイトメガロウイルス(CMV)前初期1(IE1)遺伝子の部分配列、ポリA尾部、Cap1構造、またはヒト成長ホルモン(hGH))をコードする配列の包含を含み得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、mRNAは、mRNA免疫原性を低下させるように修飾される。
【0012】
本発明の組成物を投与することを含む対象を治療する方法も企図される。例えば、特定の分泌性タンパク質の産生および/または特定の分泌性タンパク質の利用が不適切であるか、もしくは損なわれた状態を治療または予防する方法が提供される。一実施形態において、本明細書に提供される方法を用いて、1つ以上の尿素サイクル酵素が欠乏しているか、またはリソソーム貯蔵障害において1つ以上の酵素が欠乏している対象を治療することができる。
【0013】
好ましい実施形態において、本発明の組成物中のmRNAは、リポソーム移送ビヒクル中に製剤化されて、標的細胞への送達を促進する。企図される移送ビヒクルは、1つ以上のカチオン性脂質、非カチオン性脂質、および/またはPEG修飾脂質を含み得る。例えば、移送ビヒクルは、以下のカチオン性脂質:C12−200、DLin−KC2−DMA、DODAP、HGT4003、ICE、HGT5000、またはHGT5001のうちの少なくとも1つを含み得る。実施形態において、移送ビヒクルは、コレステロール(chol)および/またはPEG修飾脂質を含む。いくつかの実施形態において、移送ビヒクルは、DMG−PEG2Kを含む。ある実施形態において、移送ビヒクルは、以下の脂質製剤:C12−200、DOPE、chol、DMG−PEG2K;DODAP、DOPE、コレステロール、DMG−PEG2K;HGT5000、DOPE、chol、DMG−PEG2K、HGT5001、DOPE、chol、DMG−PEG2Kのうちの1つを含む。
【0014】
本発明は、「デポー効果」を呈することができる標的細胞のトランスフェクションおよびその細胞への1つ以上のmRNA分子の送達を促進するのに有用な組成物および方法も提供する。例えば、本発明の組成物および方法は、1つ以上の標的細胞への組成物の親和性を高めることができる標的化リガンドの使用を企図する。一実施形態において、標的化リガンドは、アポリポタンパク質Bまたはアポリポタンパク質Eであり、対応する標的細胞は、低密度のリポタンパク質受容体を発現し、したがって、標的化リガンドの認識を促進する。本発明の方法および組成物を用いて、膨大な数の標的細胞を優先的に標的化することができる。例えば、企図される標的細胞には、肝細胞、上皮細胞、造血細胞、上皮細胞、内皮細胞、肺細胞、骨細胞、幹細胞、間葉細胞、神経細胞、心臓細胞、含脂肪細胞、血管平滑筋細胞、心筋細胞、骨格筋細胞、β細胞、下垂体細胞、滑膜ライニング細胞、卵巣細胞、精巣細胞、線維芽細胞、B細胞、T細胞、網状赤血球、白血球、顆粒球、および腫瘍細胞が含まれるが、これらに限定されない。
【0015】
実施形態において、分泌性タンパク質は、継続した期間、標的細胞によって産生される。例えば、分泌性タンパク質は、投与後1時間を超えて、4時間を超えて、6時間を超えて、12時間を超えて、24時間を超えて、48時間を超えて、または72時間を超えて産生され得る。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、投与から約6時間後にピークレベルで発現される。いくつかの実施形態において、ポリペプチドの発現は、少なくとも治療レベルで維持される。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、少なくとも治療レベルで、投与後1時間を超えて、4時間を超えて、6時間を超えて、12時間を超えて、24時間を超えて、48時間を超えて、または72時間を超えて発現される。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、患者の血清または組織(例えば、肝臓または肺)において治療レベルで検出可能である。いくつかの実施形態において、検出可能なレベルのポリペプチドは、投与後1時間を超える、4時間を超える、6時間を超える、12時間を超える、24時間を超える、48時間を超える、または72時間を超えるmRNA組成物からの連続発現に由来する。
【0016】
ある実施形態において、分泌性タンパク質は、正常な生理学的レベルを上回るレベルで産生される。分泌性タンパク質のレベルは、対照と比較して増加し得る。
【0017】
いくつかの実施形態において、対照は、正常な個体または正常な個体の集団におけるベースラインの生理学的レベルのポリペプチドである。他の実施形態において、対照は、関連タンパク質もしくはポリペプチドが欠乏している個体または関連タンパク質もしくはポリペプチドが欠乏している個体の集団におけるベースラインの生理学的レベルのポリペプチドである。いくつかの実施形態において、対照は、組成物が投与される個体における正常なレベルの関連タンパク質またはポリペプチドであり得る。他の実施形態において、対照は、他の治療的介入時、例えば、対応するポリペプチドの直接注入時の1つ以上の同等の時点での発現レベルのポリペプチドである。
【0018】
ある実施形態において、ポリペプチドは、対照よりも少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、30倍、少なくとも100倍、少なくとも500倍、少なくとも5000倍、少なくとも50,000倍、または少なくとも100,000倍高いレベルで標的細胞によって発現される。いくつかの実施形態において、対照よりも高い発現の倍増は、投与後1時間を超えて、4時間を超えて、6時間を超えて、12時間を超えて、24時間を超えて、または48時間を超えて、または72時間を超えて維持される。例えば、一実施形態において、分泌性タンパク質のレベルは、血清において、少なくとも48時間または2日間、対照よりも少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、30倍、少なくとも100倍、少なくとも500倍、少なくとも5000倍、少なくとも50,000倍、または少なくとも100,000倍多く検出される。ある実施形態において、分泌性タンパク質のレベルは、投与後3日目、4日目、5日目、または1週間目以上で検出可能である。分泌性タンパク質の増加レベルは、血清および/または組織(例えば、肝臓、肺)において観察され得る。
【0019】
いくつかの実施形態において、本方法は、所望の分泌性タンパク質の循環半減期の持続をもたらす。例えば、分泌性タンパク質は、分泌性タンパク質の皮下注入を介して観察される半減期よりも数時間または数日間長く検出され得る。実施形態において、分泌性タンパク質の半減期は、1日間を超えて、2日間を超えて、3日間を超えて、4日間を超えて、5日間を超えて、または1週間以上を超えて持続される。
【0020】
いくつかの実施形態において、投与は、単回投与または反復投与を含む。ある実施形態において、投与量は、静脈内に投与されるか、または肺送達によって投与される。
【0021】
ポリペプチドは、例えば、エリスロポエチン、α−ガラクトシダーゼ、LDL受容体、第VIII因子、第IX因子、α−L−イズロニダーゼ(MPS I用)、イズロン酸スルファターゼ(MPS II用)、ヘパリン−N−スルファターゼ(MPS IIIA用)、α−N−アセチルグルコサミニダーゼ(MPS IIIB用)、ガラクトース6−スルファターゼ(MPS IVA用)、リソソーム酸リパーゼ、アリールスルファターゼ−Aのうちの1つ以上であり得る。
【0022】
ある実施形態は、mRNAから生成される対応する機能的タンパク質の量よりも実質的に少ない量で、細胞または対象mRNAに、機能的タンパク質をコードする少なくとも一部を提供する組成物および方法に関する。言い換えると、ある実施形態において、細胞に送達されるmRNAは、細胞に送達されるmRNAの量よりも実質的に多いタンパク質を産生し得る。例えば、所与の時間後、例えば、細胞または対象へのmRNAの投与から1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、15、20、または24時間後、そのmRNAによって生成される対応するタンパク質の量は、細胞または対象に実際に投与されるmRNAの量よりも少なくとも1.5、2、3、5、10、15、20、25、50、100、150、200、250、300、400、500倍、またはそれ以上多くあり得る。これは、質量対質量ベースで、モル対モルベースで、および/または分子対分子ベースで測定され得る。タンパク質は、様々な方法で測定される。例えば、細胞の場合、測定されたタンパク質は、細胞内タンパク質、細胞外タンパク質、またはこれら2つの組み合わせとして測定され得る。対象の場合、測定されたタンパク質は、血清;特定の組織もしくは組織、例えば、肝臓、腎臓、心臓、もしくは脳;特定の細胞型、例えば、肝臓もしくは脳の様々な細胞型のうちの1つ;または血清、組織、および/もしくは細胞型の任意の組み合わせにおいて測定されるタンパク質であり得る。さらに、ベースラインの量の内因性タンパク質は、mRNAの投与前に細胞または対象において測定され、その後、mRNAの投与後に測定されるタンパク質から差し引かれ、mRNAから生成される対応するタンパク質の量を得ることができる。このような方法で、mRNAは、例えば、細胞または対象に送達されるmRNAの量と比較して、大量の治療用物質のリザーバまたはデポー源を細胞または対象に提供することができる。デポー源は、継続期間にわたって、mRNAからのポリペプチド発現のために連続源の機能を果たし得る。
【0023】
特定の実施形態では、例えば以下が提供される:
(項目1)
(a)少なくとも一部が機能的分泌性ポリペプチドをコードする少なくとも1つのmRNA分子と、(b)脂質ナノ粒子を含む移送ビヒクルと、を含む、組成物。
(項目2)
前記mRNAは、リソソーム貯蔵障害を有する個体において異常に欠乏している酵素をコードする、項目1に記載の組成物。
(項目3)
前記mRNAは、機能的エリスロポエチンまたは機能的α−ガラクトシダーゼポリペプチドをコードする、項目1に記載の組成物。
(項目4)
前記RNA分子は、前記RNA分子に安定性を付与する少なくとも1つの修飾を含む、項目1に記載の組成物。
(項目5)
前記RNA分子は、前記RNA分子の5’非翻訳領域の修飾を含む、項目1に記載の組成物。
(項目6)
前記修飾は、Cap1構造の包含を含む、項目5に記載の組成物。
(項目7)
前記RNA分子は、前記RNA分子の3’非翻訳領域の修飾を含む、項目1に記載の組成物。
(項目8)
前記修飾は、ポリA尾部の包含を含む、項目7に記載の組成物。
(項目9)
標的細胞の細胞内コンパートメントへの前記RNA分子の移動を促進するための作用物質をさらに含む、項目1に記載の組成物。
(項目10)
前記脂質ナノ粒子は、1つ以上のカチオン性脂質を含む、項目1に記載の組成物。
(項目11)
前記脂質ナノ粒子は、1つ以上の非カチオン性脂質を含む、項目1に記載の組成物。
(項目12)
前記脂質ナノ粒子は、1つ以上のPEG修飾脂質を含む、項目1に記載の組成物。
(項目13)
前記脂質ナノ粒子は、C12−200を含む、項目1に記載の組成物。
(項目14)
前記脂質ナノ粒子は、DLinKC2DMA、CHOL、DOPE、およびDMG−PEG−2000を含む、項目1に記載の組成物。
(項目15)
前記脂質ナノ粒子は、C12−200、DOPE、CHOL、およびDMGPEG2Kを含む、項目1に記載の組成物。
(項目16)
前記脂質ナノ粒子は、切断可能な脂質を含む、項目1に記載の組成物。
(項目17)
前記組成物は、凍結乾燥される、項目1に記載の組成物。
(項目18)
前記組成物は、凍結乾燥された再構成組成物である、項目1に記載の組成物。
(項目19)
前記標的細胞は、肝細胞、上皮細胞、造血細胞、上皮細胞、内皮細胞、肺細胞、骨細胞、幹細胞、間葉細胞、神経細胞、心臓細胞、含脂肪細胞、血管平滑筋細胞、心筋細胞、骨格筋細胞、β細胞、下垂体細胞、滑膜ライニング細胞、卵巣細胞、精巣細胞、線維芽細胞、B細胞、T細胞、網状赤血球、白血球、顆粒球、および腫瘍細胞からなる群から選択される、項目10に記載の組成物。
(項目20)
機能的ポリペプチドが欠乏している対象を治療する方法であって、(a)少なくとも一部が前記機能的分泌性ポリペプチドをコードする少なくとも1つのmRNAと、(b)脂質ナノ粒子を含む移送ビヒクルと、を含む組成物を投与することを含み、前記組成物の投与後、前記mRNAは、標的細胞内で発現されて、前記機能的分泌性ポリペプチドを産生する、方法。
(項目21)
前記mRNAは、機能的エリスロポエチン、α−ガラクトシダーゼ、LDL受容体、第VIII因子、第IX因子、α−L−イズロニダーゼ、イズロン酸スルファターゼ、ヘパリン−N−スルファターゼ、α−N−アセチルグルコサミニダーゼ、ガラクトース6−スルファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、リソソーム酸リパーゼまたはアリールスルファターゼ−Aポリペプチド、および(b)移送ビヒクルをコードし、前記組成物の投与後、前記mRNAは、標的細胞内で発現されて、機能的分泌性ポリペプチドを産生する、項目21に記載の方法。
(項目22)
前記機能的分泌性ポリペプチドは、リソソーム貯蔵障害を有する個体において異常に欠乏している酵素である、項目21に記載の方法。
(項目23)
前記mRNA分子は、前記mRNA分子に安定性を付与する少なくとも1つの修飾を含む、項目21に記載の方法。
(項目24)
前記mRNA分子は、前記mRNA分子の5’非翻訳領域の修飾を含む、項目21に記載の方法。
(項目25)
前記修飾は、Cap1構造の包含を含む、項目25に記載の方法。
(項目26)
前記mRNA分子は、前記mRNA分子の3’非翻訳領域の修飾を含む、項目21に記載の方法。
(項目27)
前記修飾は、ポリA尾部の包含を含む、項目27に記載の方法。
(項目28)
前記標的細胞の細胞内コンパートメントへの前記mRNA分子の移動を促進するための作用物質をさらに含む、項目21に記載の方法。
(項目29)
前記脂質ナノ粒子は、1つ以上のカチオン性脂質を含む、項目21に記載の方法。
(項目30)
前記脂質ナノ粒子は、1つ以上の非カチオン性脂質を含む、項目21に記載の方法。
(項目31)
前記脂質ナノ粒子は、1つ以上のPEG修飾脂質を含む、項目21に記載の方法。
(項目32)
前記脂質ナノ粒子は、C12−200を含む、項目21に記載の方法。
(項目33)
前記脂質ナノ粒子は、DLinKC2DMA、CHOL、DOPE、およびDMG−PEG−2000を含む、項目21に記載の方法。
(項目34)
前記脂質ナノ粒子は、C12−200、DOPE、CHOL、およびDMGPEG2Kを含む、項目21に記載の方法。
(項目35)
前記脂質ナノ粒子は、切断可能な脂質を含む、項目21に記載の方法。
(項目36)
前記組成物は、凍結乾燥される、項目21に記載の方法。
(項目37)
前記組成物は、凍結乾燥された再構成組成物である、項目21に記載の方法。
(項目38)
前記標的細胞は、肝細胞、上皮細胞、造血細胞、上皮細胞、内皮細胞、肺細胞、骨細胞、幹細胞、間葉細胞、神経細胞、心臓細胞、含脂肪細胞、血管平滑筋細胞、心筋細胞、骨格筋細胞、β細胞、下垂体細胞、滑膜ライニング細胞、卵巣細胞、精巣細胞、線維芽細胞、B細胞、T細胞、網状赤血球、白血球、顆粒球、および腫瘍細胞からなる群から選択される、項目21に記載の方法。
(項目39)
機能的分泌性ポリペプチドが欠乏している対象を治療する方法であって、(a)少なくとも一部が前記機能的分泌性ポリペプチドをコードする少なくとも1つのmRNAと、(b)脂質ナノ粒子を含む移送ビヒクルと、を含む組成物を投与することを含み、前記組成物の投与後、前記mRNAは、標的細胞内で翻訳されて、投与の1時間を超えた後に少なくとも最小治療レベルで前記標的細胞内に前記機能的ポリペプチドを産生する、方法。
(項目40)
標的細胞内で機能的分泌性ポリペプチドを産生する方法であって、(a)少なくとも一部が前記機能的分泌性ポリペプチドをコードする少なくとも1つのmRNAと、(b)脂質ナノ粒子を含む移送ビヒクルと、を含む組成物を投与することを含み、前記組成物の投与後、前記mRNAは、標的細胞内で翻訳されて、投与の1時間を超えた後に少なくとも最小治療レベルで機能的分泌性ポリペプチドを産生する、方法。
上で論じられる特徴および多くの他の特徴ならびに本発明の付随する利点は、添付の実施例と併せて、本発明の以下の詳細な説明を参照することにより、より良好に理解されるであろう。本明細書に記載の様々な実施形態は相補的であり、本明細書に包含される教示を考慮して、当業者によって理解される様式でともに合わせられるか、または使用されてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(例示的な実施形態の説明)
本発明は、治療レベルの機能的分泌タンパク質の産生のために1つ以上の標的細胞にリポソーム移送ビヒクル中のmRNAを細胞内送達するための組成物および方法を提供する。
【0026】
タンパク質または酵素を限定するために本明細書で使用される「機能的」という用語は、タンパク質または酵素が生物学的活性を有するか、またはあるいは天然もしくは正常に機能するタンパク質または酵素と同一もしくは同様の機能を果たすことができることを意味する。本発明のmRNA組成物は、様々な代謝的または遺伝的障害、具体的には、タンパク質または酵素の非発現、誤発現、または欠乏を伴う遺伝的または代謝的障害の治療に有用である。「治療レベル」という用語は、対照レベルを上回る血液または組織中に検出されるタンパク質のレベルを指し、対照は、正常な生理学的レベル、またはレベルmRNA組成物の投与前の対象におけるレベルであり得る。「分泌性」という用語は、標的細胞外(細胞外空間)で検出されるタンパク質を指す。タンパク質は、血液または組織において検出され得る。本発明の文脈において、「産生される」という用語は、タンパク質または酵素への少なくとも1つのmRNAの翻訳を指すために広義に使用される。本明細書に提供されるように、組成物は、移送ビヒクルを含む。本明細書で使用される「移送ビヒクル」という用語は、標準の薬学的担体、希釈剤、賦形剤等のうちのいずれかを含み、これらは、概して、核酸を含む生理学的活性剤の投与に関連して使用するためのものである。本明細書に記載の組成物、具体的には、移送ビヒクルは、mRNAを標的細胞に送達することができる。実施形態において、移送ビヒクルは、脂質ナノ粒子である。
mRNA
【0027】
本発明の組成物中のmRNAは、例えば、正常に分泌される分泌性ホルモン、酵素、受容体、ポリペプチド、ペプチド、または他の目的とするタンパク質をコードし得る。本発明の一実施形態において、mRNAは、例えば、そのようなmRNAの安定性および/もしくは半減期を改善するか、あるいはタンパク質の産生を改善するか、またはさもなければ促進する化学的もしくは生物学的修飾を任意に有し得る。
【0028】
本発明の方法は、例えば、2つの一意のmRNAを合わせて単一の移送ビヒクルに入れることによって、標的細胞への1つ以上の一意のmRNAの任意の同時送達を提供する。本発明の一実施形態において、第1の治療的mRNAおよび第2の治療的mRNAは、単一の移送ビヒクル中に製剤化され、投与され得る。本発明は、第1の治療的mRNAの機能または送達を促進および/もしくは強化するために、第1の治療的mRNAおよび第2の核酸の同時送達および/または同時投与も企図する。例えば、そのような第2の核酸(例えば、外因性または合成mRNA)は、発現時(例えば、外因性または合成mRNAの翻訳時)に、第1のmRNAの送達を促進するか、またはその生物学的活性を強化する膜トランスポータータンパク質をコードし得る。あるいは、第1の治療的mRNAは、例えば、第1の治療的mRNAのいずれかの折り畳みを指向するために、「シャペロン」の機能を果たす第2の核酸とともに投与され得る。
【0029】
本発明の方法は、単一の障害または欠乏を治療する1つ以上の治療的核酸の送達も提供し、それぞれのそのような治療的核酸は、異なる作用機構によって機能する。例えば、本発明の組成物は、例えば、内因性タンパク質または酵素欠乏を修正するために投与され、かつ第2の核酸を伴う第1の治療的mRNAを含み得、第2の核酸は、正常に機能しない内因性核酸およびそのタンパク質または酵素産物を非活性化または「ノックダウン」するために投与される。そのような「第2の」核酸は、例えば、mRNAまたはsiRNAをコードし得る。
【0030】
トランスフェクションの際に、本発明の組成物中の天然のmRNAは、30分間〜数日間の半減期に伴って減衰し得る。本発明の組成物中のmRNAは、好ましくは、翻訳される少なくともいくらかの能力を保持し、したがって、機能的分泌タンパク質または酵素を産生する。したがって、本発明は、安定化したmRNAを含む組成物およびそれを投与する方法を提供する。本発明のいくつかの実施形態において、mRNAの活性は、長期間にわたって延長される。例えば、mRNAの活性を、本発明の組成物が週2回もしくは隔週で、またはより好ましくは、月1回、隔月、年4回、もしくは年1回、対象に投与されるように長引かせることができる。延長されたか、または長引いた本発明のmRNAの活性は、そのようなmRNAから産生される機能的分泌タンパク質または酵素の量に直接関連している。同様に、本発明の組成物の活性を、mRNAの翻訳を改善または強化させる修飾によってさらに延長または長引かせることができる。さらに、標的細胞によって産生される機能的タンパク質または酵素の量は、標的細胞に送達されるmRNAの量およびそのようなmRNAの安定性の関数である。本発明のmRNAの安定性が改善または強化され得る程度まで、半減期、産生された分泌タンパク質または酵素の活性、および組成物の投与頻度がさらに延長され得る。
【0031】
したがって、本発明のいくつかの実施形態において、組成物中のmRNAは、例えば、生体内でのヌクレアーゼ消化への耐性の改善を含む、核酸に安定性の増加または強化を付与する少なくとも1つの修飾を含む。本明細書に提供される核酸に関連する、本明細書で使用される「修飾」および「修飾される」という用語は、好ましくは、安定性を強化し、野生型または自然発生バージョンのmRNAよりも高い安定性をmRNAに与える(例えば、ヌクレアーゼ消化に耐性を示す)少なくとも1つの変更を含む。本発明の核酸に関連し、特にmRNAに関する、本明細書で使用される「安定した」および「安定性」という用語は、例えば、そのようなmRNAを正常に分解することができるヌクレアーゼ(すなわち、エンドヌクレアーゼまたはエクソヌクレアーゼ)による分解への耐性の増加または強化を指す。増加した安定性には、例えば、内因性酵素(例えば、エンドヌクレアーゼまたはエクソヌクレアーゼ)による加水分解もしくは他の破壊、または標的細胞もしくは組織内の状態への感受性の低下が含まれ得、したがって、標的細胞、組織、対象、および/または細胞質中でのそのようなmRNAの滞留を増加させるか、もしくは強化する。本明細書に提供される安定化されたmRNA分子は、それらの自然発生の未修飾対応物(例えば、野生型バージョンのmRNA)と比較して、より長い半減期を示す。本発明のmRNAに関連する「修飾」および「修飾された」という用語によって、例えば、タンパク質の翻訳開始の際に機能する配列(例えば、コザックコンセンサス配列)の包含を含む、mRNA核酸の翻訳を改善または強化する変更も企図される(Kozak,M.,Nucleic Acids Res 15(20):8125−48(1987))。
【0032】
いくつかの実施形態において、本発明のmRNAは、それらにより高い安定性を与えるために、化学的または生物学的修飾を経験している。mRNAに対する例示的な修飾には、塩基の欠乏(例えば、欠失、もしくはあるヌクレオチドの別のヌクレオチドへの置換による)または塩基の修飾、例えば、塩基の化学的修飾が含まれる。本明細書で使用される「化学的修飾」という語句には、自然発生mRNAにおいて見られる化学的性質とは異なる化学的性質を導入する修飾、例えば、修飾されたヌクレオチド(例えば、ヌクレオチド類似体)の導入、またはそのようなmRNA分子において自然界では見られないペンダント基の包含等の共有結合修飾が含まれる。
【0033】
加えて、好適な修飾には、コドンが同一のアミノ酸をコードするが、野生型バージョンのmRNAにおいて見られるコドンよりも安定性が高くなるようなコドンの1つ以上のヌクレオチドの変更が含まれる。例えば、RNAの安定性とより多くのシチジン(C)および/またはウリジン(U)残基との間の逆相関が実証されており、CおよびU残基を欠くRNAが大半のRNaseに対して安定していることが見出されている(Heidenreich,et al.J Biol Chem 269,2131−8(1994))。いくつかの実施形態において、mRNA配列中のCおよび/またはU残基の数が減少する。別の実施形態では、Cおよび/またはU残基の数は、特定のアミノ酸をコードするあるコドンを同一または関連アミノ酸をコードする別のコドンに置換することによって減少する。本発明のmRNA核酸に対する企図される修飾には、偽ウリジンの組み込みも含まれる。偽ウリジンの本発明のmRNA核酸への組み込みは、安定性および翻訳能力を高め、かつ生体内における免疫原性を低下させ得る。例えば、Kariko,K.,et a
l.,Molecular Therapy 16(11):1833−1840(2008)を参照されたい。本発明のmRNAの置換および修飾は、当業者に容易に既知の方法によって行われ得る。
【0034】
配列中のCおよびU残基の数を減少させることに対する制約は、非翻訳領域よりもmRNAのコーディング領域内で大きい可能性がある(すなわち、所望のアミノ酸配列をコードするメッセージの能力を引き続き保持しながら、メッセージ中に存在するCおよびU残基のすべてを排除することは恐らく不可能である)。しかしながら、遺伝子コードの縮重は、同一のコーディング能力を維持しながら、配列中に存在するCおよび/またはU残基の数を減少させる機会を提示する(すなわち、どのアミノ酸がコドンによってコードされるかに応じて、RNA配列の修飾のいくつかの異なる可能性が考えられ得る)。例えば、Glyのコドンは、GGUまたはGGCの代わりに、GGAまたはGGGに変更され得る。
【0035】
修飾という用語は、例えば、本発明のmRNA配列への非ヌクレオチド結合または修飾ヌクレオチドの組み込み(例えば、機能的分泌タンパク質または酵素をコードするmRNA分子の3’および5’末端のうちの1つまたは両方への修飾)も含む。そのような修飾は、mRNA配列への塩基の付加(例えば、ポリA尾部またはより長いポリA尾部の包含)、3’UTRまたは5’UTRの変更、mRNAと作用物質との複合(例えば、タンパク質または相補的核酸分子)、およびmRNA分子の構造を変更させる(例えば、二次構造を形成する)要素の包含を含む。
【0036】
ポリA尾部は、天然のメッセンジャーを安定化させると考えられている。したがって、一実施形態において、長いポリA尾部はmRNA分子に付加され、したがって、mRNAにより高い安定性を付与し得る。ポリA尾部は、様々な当技術分野で認識される技法を用いて付加され得る。例えば、長いポリA尾部は、ポリAポリメラーゼを用いて、合成mRNAまたは生体外転写mRNAに付加され得る(Yokoe,et al.Nature Biotechnology.1996;14:1252−1256)。転写ベクターは、長いポリA尾部もコードし得る。加えて、ポリA尾部は、PCR産物からの直接転写によって付加され得る。一実施形態において、ポリA尾部は、少なくとも約90、200、300、400、少なくとも500ヌクレオチド長である。一実施形態において、ポリA尾部の長さは、本発明の修飾mRNA分子の安定性、ひいてはタンパク質の転写を制御するように調整される。例えば、ポリA尾部の長さがmRNA分子の半減期に影響を与え得るため、ポリA尾部の長さは、ヌクレアーゼに対するmRNAの耐性レベルを修正し、ゆえに、細胞におけるタンパク質発現の時間経過を制御するように調整され得る。一実施形態において、安定化したmRNA分子は、移送ビヒクルなしで標的細胞に送達され得るように、十分に生体内分解に耐性を示す(例えば、ヌクレアーゼによって)。
【0037】
一実施形態において、mRNAは、野生型mRNAにおいて自然界では見られない3’および/または5’非翻訳(UTR)配列の組み込みによって修飾され得る。一実施形態において、自然界でmRNAに隣接し、かつ第2の非連関タンパク質をコードする3’および/または5’フランキング配列は、治療的または機能的タンパク質をコードするmRNA分子のヌクレオチド配列に組み込まれ、それを修飾し得る。例えば、安定したmRNA分子由来の3’または5’配列(例えば、グロビン、アクチン、GAPDH、チューブリン、ヒストン、またはクエン酸サイクル酵素)は、センスmRNA核酸分子の3’および/または5’領域に組み込まれて、センスmRNA分子の安定性を増加させ得る。例えば、米国第2003/0083272号を参照されたい。
【0038】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物中のmRNAは、CMV前初期1(IE1)遺伝子またはその断片(例えば、配列番号1)の部分配列を含ませるmRNAの5’末端の修飾を含み、ヌクレアーゼ耐性を改善し、かつ/またはmRNAの半減期を改善する。mRNA核酸配列の安定性の増加に加えて、CMV前初期1(IE1)遺伝子の部分配列の包含が、mRNAの翻訳および機能的タンパク質または酵素の発現を強化することが意外にも見出された。mRNAをさらに安定化させるために、核酸(例えば、mRNA)の3’末端へのヒト成長ホルモン(hGH)遺伝子配列またはその断片(例えば、配列番号2)の包含も企図される。概して、好ましい修飾は、それらの未修飾対応物と比較して、mRNAの安定性および/または薬物動態学的特性(例えば、半減期)を改善し、例えば、そのようなmRNAの生体内ヌクレアーゼ消化への耐性を改善させる修飾を含む。
【0039】
配列番号1および/または配列番号2の核酸配列の変異体がさらに企図され、これらの変異体は、mRNAの安定化を含む核酸の機能的特性および/または薬物動態学的特性(例えば、半減期)を維持する。変異体は、配列番号1または配列番号2に対して90%を超えるか、95%を超えるか、98%を超えるか、または99%を超える配列同一性を有し得る。
【0040】
いくつかの実施形態において、組成物は、安定化試薬を含み得る。組成物は、直接的または間接的に結合する1つ以上の製剤試薬を含み、mRNAを安定化させ、したがって、標的細胞内での滞留時間を増加させ得る。そのような試薬は、好ましくは、標的細胞におけるmRNAの半減期の改善につながる。例えば、mRNAの安定性および翻訳の効率は、細胞内で天然に存在するmRNAとの複合体を形成する「安定化試薬」の組み込みによって増加し得る(例えば、米国特許第5,677,124号を参照のこと)。安定化試薬の組み込みは、例えば、ポリAおよびタンパク質をmRNAと合わせて、mRNAを移送ビヒクル内に装填またはカプセル化する前に生体外で安定化させることによって達成され得る。例示的な安定化試薬は、1つ以上のタンパク質、ペプチド、アプタマー、翻訳アクセサリータンパク質、mRNA結合タンパク質、および/または翻訳開始因子を含む。
【0041】
組成物の安定化も、移送ビヒクルに化学的または物理的に結合される(例えば、脂溶性アンカーの自らの膜へのインターカレーションにより、または膜脂質の活性基への直接結合によって)、典型的には大きい親水性ポリマーであるオプソニン化阻害部分の使用によって改善され得る。これらのオプソニン化阻害親水性ポリマーは、マクロファージ単球系および細網内皮系によるリポソームの摂取を著しく減少させる保護表面層を形成する(例えば、全開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第4,920,016号に記載されている)。したがって、オプソニン化阻害部分で修飾された移送担体は、それらの未修飾対応物よりもはるかに長く循環内に留まる。
【0042】
RNAが相補的核酸分子(例えば、DNAまたはRNA)にハイブリダイズするとき、それは、ヌクレアーゼによって保護され得る(Krieg,et al.Melton.Methods in Enzymology.1987;155,397−415)。ハイブリダイズされたmRNAの安定性は、大半のRnaseの固有の一本鎖特異性による可能性が高い。いくつかの実施形態において、mRNAを複合するために選択される安定化試薬は、真核生物タンパク質(例えば、哺乳動物タンパク質)である。さらに別の実施形態では、mRNAは、第2の核酸分子へのハイブリダイゼーションによって修飾され得る。全mRNA分子が相補的核酸分子にハイブリダイズされた場合、翻訳開始は減少され得る。いくつかの実施形態において、mRNA分子の5’非翻訳領域およびAUG開始領域は、任意にハイブリダイズされないままであり得る。翻訳開始後、リボソーム複合体の巻き戻し活性は、翻訳が開始し得るように、高親和性の二本鎖上でさえも機能し得る(Liebhaber.J.Mol.Biol.1992;226:2−13、Moni,et al.J Biol Chem.1993;268:14514−22)。
【0043】
上述のmRNAの安定性を強化するための方法のうちのいずれかが、単独で、または他の上述の方法および/もしくは組成物のうちの1つ以上またはそれらのうちのいずれかと組み合わせてのいずれかで用いられ得ることが理解される。
【0044】
本発明のmRNAは、例えば、標的細胞または組織へのmRNA送達の決定を促進するレポーター遺伝子(例えば、mRNAのコーディング領域の上流または下流)と任意に合わせられ得る。好適なレポーター遺伝子は、例えば、緑色蛍光タンパク質mRNA(GFP mRNA)、レニラルシフェラーゼmRNA(ルシフェラーゼmRNA)、ホタルルシフェラーゼmRNA、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。例えば、GFP mRNAは、分泌性タンパク質をコードするmRNAと融合されて、タンパク質産生のためにデポーの機能を果たす標的細胞におけるmRNAの局在化の確認を促進し得る。
【0045】
本明細書で使用される「トランスフェクト」または「トランスフェクション」という用語は、mRNAの細胞への細胞内導入、または好ましくは、標的細胞への細胞内導入を意味する。導入されたmRNAは、標的細胞内で安定的または一時的に維持され得る。「トランスフェクション効率」という用語は、トランスフェクションの対象となる標的細胞によって吸収されるmRNAの相対量を指す。実際には、トランスフェクション効率は、トランスフェクション後に標的細胞によって発現されるレポーター核酸産物の量により推定される。好ましい実施形態は、高いトランスフェクション有効性を有する組成物、具体的には、非標的細胞のトランスフェクションによって媒介される副作用を最小限に抑える組成物を含む。高いトランスフェクション有効性を示す本発明の組成物は、潜在的な全身的副作用を最小限に抑えながら、適切な用量のmRNAが標的細胞に送達される可能性を高める。本発明の一実施形態において、本発明の移送ビヒクルは、大きいmRNA配列(例えば、少なくとも1kDa、1.5kDa、2kDa、2.5kDa、5kDa、10kDa、12kDa、15kDa、20kDa、25kDa、30kDa、またはそれ以上のmRNA)を送達することができる。mRNAは、1つ以上の許容できる試薬とともに製剤化され得、それは、そのようなmRNAを標的細胞に送達するための担体を提供する。適切な試薬は、概して、とりわけ、mRNAの生物学的または化学的特性、対象とする投与ルート、そのようなmRNAが曝露される予測される生物学的環境、および対象とする標的細胞の特異性を含む、いくつかの要因に関して選択される。いくつかの実施形態において、リポソーム等の移送ビヒクルは、生物学的活性を損なうことなくmRNAをカプセル化する。いくつかの実施形態において、移送ビヒクルは、非標的細胞と比較して、標的細胞への選択的および/または実質的結合を示す。好ましい実施形態において、移送ビヒクルは、mRNAが細胞質等の適切な細胞内コンパートメントに送達されるように、その含有物を標的細胞に送達する。
移送担体
【0046】
実施形態において、本発明の組成物中の移送ビヒクルは、リポソーム移送ビヒクル、例えば、脂質ナノ粒子である。一実施形態において、移送ビヒクルは、標的細胞へのmRNAの送達を最適化するように選択および/または調製される。例えば、標的細胞が肝細胞である場合、移送ビヒクルの特性(例えば、寸法、電荷、および/もしくはpH)は、そのような移送ビヒクルを標的細胞に効果的に送達して免疫クリアランスを減少させ、かつ/またはその標的細胞内での保持を促進するように最適化され得る。あるいは、標的細胞が中枢神経系である(例えば、神経変性疾患治療のために投与されるmRNAが脳または脊髄組織を特異的に標的化し得る)場合、移送ビヒクルの選択および調製は、血液脳関門の浸透および血液脳関門内での保持、ならびに/またはそのような移送ビヒクルをそのような標的細胞に直接送達する代替手段の使用を考慮しなければならない。本発明の一実施形態において、組成物は、外来性mRNAの移動を促進する作用物質(例えば、血液脳関門の浸透性を低下または改善し、したがって、標的細胞への外来性mRNAの移動を強化する作用物質)と合わせられ得る。
【0047】
標的細胞への核酸の送達を促進するリポソーム移送ビヒクルの使用が、本発明によって企図される。リポソーム(例えば、リポソーム脂質ナノ粒子)は、概して、研究、産業、および医学における様々な適用に、特に生体内における診断的または治療的化合物の移送ビヒクルとしてのそれらの使用に有用であり(Lasic,Trends Biotechnol.,16:307−321,1998;Drummond et al.,Pharmacol.Rev.,51:691−743,1999)、通常、1つ以上の二分子膜によって外部媒介物から隔離される内部水空間を有する微細小胞と見なされる。リポソームの二分子膜は、典型的には、空間的に分離された親水性および疎水性ドメインを含む合成起源または天然起源の脂質等の両親媒性分子によって形成される(Lasic,Trends Biotechnol.,16:307−321,1998)。リポソームの二分子膜は、両親媒性ポリマーおよび界面活性剤(例えば、ポリマーソーム、ニオソーム等)によっても形成され得る。
【0048】
本発明の文脈において、リポソーム移送ビヒクルは、典型的には、mRNAを標的細胞に移送する働きをする。本発明の目的のために、リポソーム移送ビヒクルは、所望の核酸を含有するように調製される。所望の実体(例えば、核酸)をリポソームに組み込むプロセスは、多くの場合、「充填」と称される(Lasic,et al.,FEBS Lett.,312:255−258,1992)。リポソームが組み込まれた核酸は、リポソームの二分子膜内のリポソームの内部空間に完全にもしくは部分的に位置するか、またはリポソーム膜の外面と関連し得る。リポソームへの核酸の組み込みは、本明細書において「カプセル化」とも称され、核酸は、リポソームの内部空間内に完全に含有される。mRNAをリポソーム等の移送ビヒクルに組み込む目的は、多くの場合、核酸および/もしくは系を分解する酵素または化学物質あるいは核酸の急速な排出を引き起こす受容体を含有し得る環境から核酸を保護することである。したがって、本発明の好ましい実施形態において、選択される移送ビヒクルは、その中に含有されるmRNAの安定性を強化することができる。リポソームは、カプセル化mRNAが標的細胞に到達することを可能にし得、かつ/もしくはカプセル化mRNAが標的細胞に到達することを優先的に可能にし得るか、またはあるいは投与されるmRNAの存在が役に立たないか、または望ましくない場合のある他の部位または細胞へのそのようなmRNAの送達を制限し得る。さらに、例えばカチオン性リポソーム等の移送ビヒクルへのmRNAの組み込みは、そのようなmRNAの標的細胞への送達も促進する。
【0049】
理想的には、リポソーム移送ビヒクルは、組成物が高効率のトランスフェクションおよび安定性の強化を示すように、1つ以上の所望のmRNAをカプセル化するように調製される。リポソームが標的細胞への核酸の導入を促進し得る一方で、コポリマーとしてポリカチオン(例えば、ポリL−リジンおよびプロタミン)を添加することは、生体外および生体内の両方において、いくつかの細胞株中のいくつかの種類のカチオン性リポソームのトランスフェクション効率を促進し、場合によってはそれを2〜28倍に著しく強化し得る(N.J.Caplen,et al.,Gene Ther.1995;2:603、S.Li,et al.,Gene Ther.1997;4,891を参照のこと)。
脂質ナノ粒子
【0050】
本発明の好ましい実施形態において、移送ビヒクルは、脂質ナノ粒子として製剤化される。本明細書で使用される「脂質ナノ粒子」という語句は、1つ以上の脂質(例えば、カチオン性脂質、非カチオン性脂質、およびPEG修飾脂質)を含む移送ビヒクルを指す。好ましくは、脂質ナノ粒子は、1つ以上のmRNAを1つ以上の標的細胞に送達するように製剤化される。好適な脂質の例には、例えば、ホスファチジル化合物(例えば、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、スフィンゴ脂質、セレブロシド、およびガングリオシド)が挙げられる。単独または他の移送ビヒクルとの組み合わせにかかわらず、移送ビヒクルとしてのポリマーの使用も企図される。好適なポリマーには、例えば、ポリアクリル酸塩、ポリアルキルシアノアクリル酸塩、ポリラクチド、ポリラクチド−ポリグリコリドコポリマー、ポリカプロラクトン、デキストラン、アルブミン、ゼラチン、アルギン酸塩、コラーゲン、キトサン、シクロデキストリン、デンドリマー、およびポリエチレンイミンが含まれ得る。一実施形態において、移送ビヒクルは、その標的細胞へのmRNAのトランスフェクションを促進する能力に基づいて選択される。
【0051】
本発明は、mRNAをカプセル化し、かつ/またはタンパク質産生のためにデポーの機能を果たす標的細胞へのmRNAの送達を促進するために、カチオン性脂質を含む移行ビヒクルとしての脂質ナノ粒子の使用を企図する。本明細書で使用される「カチオン性脂質」という語句は、生理学的pH等の選択されたpHで正味正電荷を担持するいくつかの脂質種のうちのいずれかを指す。企図される脂質ナノ粒子は、1つ以上のカチオン性脂質、非カチオン性脂質、およびPEG修飾脂質を用いて様々な比率の多成分脂質混合物を包含することによって調製され得る。いくつかのカチオン性脂質が文献に記載されており、それらの多くは市販されている。
【0052】
本発明の組成物および方法での使用に特に好適なカチオン性脂質は、参照により本明細書に組み込まれる国際特許公開第WO2010/053572号に記載されるもの、および最も具体的には、国際公開第WO2010/053572号の段落[00225]に記載のC12−200を含む。ある実施形態において、本発明の組成物および方法は、例えば、(15Z,18Z)−N,N−ジメチル−6−(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イル)テトラコサ−15,18−ジエン−1−アミン(HGT5000)、(15Z,18Z)−N,N−ジメチル−6−((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イル)テトラコサ−4,15,18−トリエン−1−アミン(HGT5001)、および(15Z,18Z)−N,N−ジメチル−6−((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イル)テトラコサ−5,15,18−トリエン−1−アミン(HGT5002)等の2012年3月29日出願の米国仮特許出願第61/617,468号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載のイオン性カチオン性脂質を含む脂質ナノ粒子を用いる。
【0053】
いくつかの実施形態において、カチオン性脂質N−[1−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリドまたは「DOTMA」が使用される(Felgner et al.(Proc.Nat’l Acad.Sci.84,7413(1987)、米国特許第4,897,355号)。DOTMAは、単独で製剤化され得るか、またはリポソーム移送ビヒクルまたは脂質ナノ粒子への中性脂質、ジオレオイルホスファチジル−エタノールアミン、もしくは「DOPE」、または他のカチオン性もしくは非カチオン性脂質と組み合わせられ得、そのようなリポソームを用いて、標的細胞への核酸の送達を促進することができる。他の好適なカチオン性脂質には、例えば、5−カルボキシスペルミルグリシンジオクタデシルアミドまたは「DOGS」、2,3−ジオレイルオキシ−N−[2(スペルミン−カルボキシアミド)エチル]−N,N−ジメチル−1−プロパンアミニウムまたは「DOSPA」(Behr et al.Proc.Nat.’l Acad.Sci.86,6982(1989)、米国特許第5,171,678号、米国特許第5,334,761号)、1,2−ジオールエオイル−3−ジメチルアンモニウム−プロパンまたは「DODAP」、1,2−ジオールエオイル−3−トリメチルアンモニウム−プロパンまたは「DOTAP」が含まれる。企図されるカチオン性脂質には、1,2−ジステアリールオキシ−N,N−ジメチル−3−アミノプロパンもしくは「DSDMA」、1,2−ジオレイルオキシ−N,N−ジメチル−3−アミノプロパンもしくは「DODMA」、1,2−ジリノレイルオキシ−N,N−ジメチル−3−アミノプロパンもしくは「DLinDMA」、1,2−ジリノレニルオキシ−N,N−ジメチル−3−アミノプロパンもしくは「DLenDMA」、N−ジオレイル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリドもしくは「DODAC」、N,N−ジステアリール−N,N−ジメチルアンモニウムブロミドもしくは「DDAB」、N−(1,2−ジミリスチルオキシプロプ−3−イル)−N,N−ジメチル−N−ヒドロキシエチルアンモニウムブロミドもしくは「DMRIE」、3−ジメチルアミノ−2−(コレスト−5−エン−3−β−オキシブタン−4−オキシ)−1−(cis,cis−9,12−オクタデカジエンオキシ)プロパンもしくは「CLinDMA」、2−[5’−(コレスト−5−エン−3−β−オキシ)−3’−オキサペントキシ)−3−ジメチル−1−(cis,cis−9’,1−2’−オクタデカジエンオキシ)プロパンもしくは「CpLinDMA」、N,N−ジメチル−3,4−ジオレイルオキシベンジルアミンもしくは「DMOBA」、1,2−N,N’−ジオレイルカルバミル−3−ジメチルアミノプロパンもしくは「DOcarbDAP」、2,3−ジリノレオイルオキシ−N,N−ジメチルプロピルアミンもしくは「DLinDAP」、1,2−N,N’−ジリノレイルカルバミル−3−ジメチルアミノプロパンもしくは「DLincarbDAP」、1,2−ジリノレオイルカルバミル−3−ジメチルアミノプロパンもしくは「DLinCDAP」、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノメチル−[1,3]−ジオキソランもしくは「DLin−K−DMA」、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソランもしくは「DLin−K−XTC2−DMA」、および2−(2,2−ジ((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イル)−1,3−ジオキソラン−4−イル)−N,N−ジメチルエタンアミン(DLin−KC2−DMA))(国際公開第WO2010/042877号、Semple et al.,Nature Biotech.28:172−176(2010)を参照のこと)、またはそれらの混合物(Heyes,J.,et al.,J Controlled Release107:276−287(2005)、Morrissey,DV.,et al.,Nat.Biotechnol.23(8):1003−1007(2005)、PCT公開第WO2005/121348A1号)も含まれる。
【0054】
コレステロールベースのカチオン性脂質の使用も本発明によって企図される。そのようなコレステロールベースのカチオン性脂質は、単独で、または他のカチオン性もしくは非カチオン性脂質と組み合わせてのいずれかで用いられ得る。好適なコレステロールベースのカチオン性脂質には、例えば、DC−Chol(N,N−ジメチル−N−エチルカルボキシアミドコレステロール)、1,4−ビス(3−N−オレイルアミノ−プロピル)ピペラジン(Gao,et al.Biochem.Biophys.Res.Comm.179,280(1991)、Wolf et al.BioTechniques 23,139(1997)、米国特許第5,744,335号)、またはICEが含まれる。
【0055】
加えて、トランスフェクション有効性を強化するためのいくつかの試薬が市販されている。好適な例には、リポフェクチン(DOTMA:DOPE)(Invitrogen,Carlsbad,Calif.)、リポフェクタミン(DOSPA:DOPE)(Invitrogen)、リポフェクタミン2000(Invitrogen)、FUGENE、トランスフェクタム(DOGS)、およびエフェクテンが挙げられる。
【0056】
ジアルキルアミノベース、イミダゾールベース、およびグアニジニウムベースの脂質等のカチオン性脂質も企図される。例えば、ある実施形態は、以下の構造(I)で表される、1つ以上のイミダゾールベースのカチオン性脂質、例えば、イミダゾールコレステロールエステルまたは「ICE」脂質(3S、10R、13R、17R)−10、13−ジメチル−17−((R)−6−メチルヘプタン−2−イル)−2、3、4、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17−テトラデカヒドロ−1H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イル3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパノエートを含む組成物を対象とする。好ましい実施形態において、mRNAの送達用の移送ビヒクルは、構造(I)で表される、1つ以上のイミダゾールベースのカチオン性脂質、例えば、イミダゾールコレステロールエステルまたは「ICE」脂質(3S、10R、13R、17R)−10、13−ジメチル−17−((R)−6−メチルヘプタン−2−イル)−2、3、4、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17−テトラデカヒドロ−1H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イル3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパノエートを含み得る。
【化1】
特定の理論によって束縛されることを望むことなく、イミダゾールベースのカチオン性脂質ICEの融合性が、従来のカチオン性脂質と比較してより低いpKaを有するイミダゾール基によって促進されるエンドソーム破壊に関連していることが考えられる。次いで、エンドソーム破壊は、リポソーム膜の浸透圧膨張および破壊を促進し、その後、その中に装填される核酸(複数を含む)含有物の標的細胞へのトランスフェクションまたは細胞内放出が続く。
【0057】
イミダゾールベースのカチオン性脂質は、他のカチオン性脂質と比較して毒性の低下も特徴とする。イミダゾールベースのカチオン性脂質(例えば、ICE)は、脂質ナノ粒子中の単独のカチオン性脂質として使用され得るか、またはあるいは従来のカチオン性脂質、非カチオン性脂質、およびPEG修飾脂質と合わせられ得る。カチオン性脂質は、移送ビヒクル中に存在する総脂質の約1%〜約90%、約2%〜約70%、約5%〜約50%、約10%〜約40%、または好ましくは、移送ビヒクル中に存在する総脂質の約20%〜約70%のモル比を含み得る。
【0058】
同様に、ある実施形態は、以下の構造(II)で表され、かつその全教示が参照により全体として本明細書に組み込まれる、2011年6月8日出願の米国仮出願第61/494,745号においてさらに説明される、HGT4003カチオン性脂質2−((2,3−ビス((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ)プロピル)ジスルファニル)−N,N−ジメチルエタンアミンを含む脂質ナノ粒子を対象とする。
【化2】
【0059】
他の実施形態において、本明細書に記載の組成物および方法は、その全教示が参照により全体として本明細書に組み込まれる、米国仮出願第61/494,745号においてさらに説明される、例えば、切断可能なジスルフィド(S−S)官能基(例えば、HGT4001、HGT4002、HGT4003、HGT4004、およびHGT4005)を含む1つ以上のカチオン性脂質または化合物等の1つ以上の切断可能な脂質を含む脂質ナノ粒子を対象とする。
【0060】
単独で、または好ましくは、移送ビヒクル(例えば、脂質ナノ粒子)を含む他の脂質と組み合わせてのいずれかでの、N−オクタノイル−スフィンゴシン−1−[スクシニル(メトキシポリエチレングリコール)−2000](C8 PEG−2000セラミド)を含む誘導体化セラミド(PEG−CER)等のポリエチレングリコール(PEG)修飾リン脂質および誘導体化脂質の使用も本発明によって企図される。企図されるPEG修飾脂質には、C
6−C
20長のアルキル鎖(複数を含む)を有する脂質に共有結合した最大5kDaのポリエチレングリコール鎖が含まれるが、これに限定されない。そのような成分の添加は、複雑な凝集を阻止し得、循環存続期間を増加させ、かつ標的細胞への脂質核酸組成物の送達を増加させるための手段も提供し得る(Klibanov et al.(1990)FEBS Letters,268(1):235−237)か、またはそれらは、生体内で製剤から迅速に交換されるよう選択され得る(米国特許第5,885,613号を参照のこと)。特に有用な交換性脂質は、より短いアシル鎖(例えば、C14またはC18)を有するPEG−セラミドである。本発明のPEG修飾リン脂質および誘導体化脂質は、リポソーム移送ビヒクル中に存在する総脂質の約0%〜約20%、約0.5%〜約20%、約1%〜約15%、約4%〜約10%、または約2%のモル比を含み得る。
【0061】
本発明は、非カチオン性脂質の使用も企図する。本明細書で使用される「非カチオン性脂質」という語句は、任意の中性、両性イオン性、またはアニオン性脂質を指す。本明細書で使用される「アニオン性脂質」という語句は、生理学的pH等の選択されたpHで正味の負電荷を担持するいくつかの脂質種のうちのいずれかを指す。非カチオン性脂質には、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジオールエオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジオールエオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、ジオールエオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン(POPC)、パルミトイルオレオイル−ホスファチジルエタノールアミン(POPE)、ジオールエオイル−ホスファチジルエタノールアミン4−(N−メレイミドメチル)−シクロヘキサン−1−カルボキシレート(DOPE−mal)、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、ジミリストイルホスホエタノールアミン(DMPE)、ジステアロイル−ホスファチジル−エタノールアミン(DSPE)、16−O−モノメチルPE、16−O−ジメチルPE、18−1−トランスPE、1−ステアロイル−2−オレオイル−ホスファチジルエタノールアミン(SOPE)、コレステロール、またはそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。そのような非カチオン性脂質は単独で使用され得るが、好ましくは、他の賦形剤、例えば、カチオン性脂質と組み合わせて使用される。カチオン性脂質と組み合わせて使用される場合、非カチオン性脂質は、移送ビヒクル中に存在する総脂質の5%〜約90%、または好ましくは、約10%〜約70%のモル比を含み得る。
【0062】
好ましくは、移送ビヒクル(例えば、脂質ナノ粒子)は、複数の脂質および/またはポリマー成分を合わせることによって調製される。例えば、移送ビヒクルは、モル比40:30:25:5のC12−200、DOPE、chol、DMG−PEG2K、またはモル比18:56:20:6のDODAP、DOPE、コレステロール、DMG−PEG2K、またはモル比40:20:35:5のHGT5000、DOPE、chol、DMG−PEG2K、またはモル比40:20:35:5のHGT5001、DOPE、chol、DMG−PEG2Kを用いることによって調製され得る。カチオン性脂質、非カチオン性脂質、および/または脂質ナノ粒子を含むPEG修飾脂質の選択、ならびに相互に対するそのような脂質の相対モル比は、選択される脂質(複数を含む)の特性、対象とする標的細胞の性質、送達されるmRNAの特性に基づく。さらに考慮すべき事柄には、例えば、アルキル鎖の飽和、ならびに選択される脂質(複数を含む)の大きさ、電荷、pH、pKa、融合性、および毒性が含まれる。したがって、モル比は、それらに応じて調整され得る。例えば、実施形態において、脂質ナノ粒子中のカチオン性脂質の割合は、10%を超えるか、20%を超えるか、30%を超えるか、40%を超えるか、50%を超えるか、60%を超えるか、または70%を超え得る。脂質ナノ粒子中の非カチオン性脂質の割合は、5%を超えるか、10%を超えるか、20%を超えるか、30%を超えるか、または40%を超え得る。脂質ナノ粒子中のコレステロールの割合は、10%を超えるか、20%を超えるか、30%を超えるか、または40%を超え得る。脂質ナノ粒子中のPEG修飾脂質の割合は、1%を超えるか、2%を超えるか、5%を超えるか、10%を超えるか、または20%を超え得る。
【0063】
ある好ましい実施形態において、本発明の脂質ナノ粒子は、以下のカチオン性脂質:C12−200、DLin−KC2−DMA、DODAP、HGT4003、ICE、HGT5000、またはHGT5001のうちの少なくとも1つを含む。実施形態において、移送ビヒクルは、コレステロールおよび/またはPEG修飾脂質を含む。いくつかの実施形態において、移送ビヒクルは、DMG−PEG2Kを含む。ある実施形態において、移送ビヒクルは、以下の脂質製剤:C12−200、DOPE、chol、DMG−PEG2K、DODAP、DOPE、コレステロール、DMG−PEG2K、HGT5000、DOPE、chol、DMG−PEG2K、HGT5001、DOPE、chol、DMG−PEG2Kのうちの1つを含む。
【0064】
本発明の組成物で用いるリポソーム移送ビヒクルは、当技術分野で現在知られている様々な技法によって調製され得る。多層状小胞(MLV)は、従来の技法で、例えば、脂質を適切な溶媒中に溶解して好適な入れ物または容器の内壁に選択される脂質を沈着させ、その後、溶媒を蒸発させて薄膜を容器の内側に残すか、または噴霧乾燥させることによって調製され得る。その後、水相は、MLVの形成をもたらすボルテックス運動で容器に添加され得る。その後、単層状小胞(ULV)は、多層状小胞の均質化、超音波処理、または押出によって形成され得る。加えて、単層状小胞は、界面活性剤除去技法によって形成され得る。
【0065】
本発明のある実施形態において、本発明の組成物は、移送ビヒクルを含み、mRNAは、移送ビヒクルの両表面上に会合され、同一の移送ビヒクル内にカプセル化される。例えば、本発明の組成物の調製中、カチオン性リポソーム移送ビヒクルは、静電相互作用を介してmRNAと会合し得る。
【0066】
ある実施形態において、本発明の組成物は、生体外および生体内適用の両方において検出可能な診断的放射性核種、蛍光物質、または他の物質が装填され得る。例えば、本発明における使用に好適な診断的物質には、Rhodアミン−ジオールエオイルホスファ−チジルエタノールアミン(Rh−PE)、緑色蛍光タンパク質mRNA(GFP mRNA)、レニラルシフェラーゼmRNA、およびホタルルシフェラーゼmRNAが含まれ得る。
【0067】
適切な寸法のリポソーム移送ビヒクルの選択は、標的細胞または組織の部位、およびある程度、リポソームが作製される適用を考慮すべきである。いくつかの実施形態において、ある細胞または組織へのmRNAのトランスフェクションを制限することが望ましくあり得る。例えば、標的肝細胞に対して、リポソーム移送ビヒクルは、その寸法が肝臓中の内皮層ライニング肝類洞の開窓よりも小さくなるように寸法決定され得、したがって、リポソーム移送ビヒクルは、そのような内皮開窓を容易に貫通して、標的肝細胞に到達し得る。あるいは、リポソーム移送ビヒクルは、リポソームの寸法がある細胞もしくは組織への分布を制限するか、または明白に回避するのに十分な直径となるように寸法決定され得る。例えば、リポソーム移送ビヒクルは、その寸法が内皮層ライニング肝類洞の開窓よりも大きくなるように寸法決定され、したがって、肝細胞へのリポソーム移送ビヒクルの分布を制限し得る。概して、移送ビヒクルの寸法は、約25〜250nmの範囲内、好ましくは、約250nm未満、175nm未満、150nm未満、125nm未満、100nm未満、75nm未満、50nm未満、25nm未満、または10nm未満である。
【0068】
リポソーム移送ビヒクル集団の寸法決定のための当技術分野で既知の様々な代替方法が利用可能である。1つのそのような寸法決定方法は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,737,323号に記載されている。浴超音波処理またはプローブ超音波処理のいずれかでのリポソーム懸濁液の超音波処理は、寸法を直径約0.05ミクロン未満の小さいULVにまで漸減する。均質化は、大きいリポソームをより小さいリポソームに断片化する剪断エネルギーに依存する別の方法である。典型的な均質化手順において、MLVは、選択されたリポソーム寸法、典型的には、約0.1〜0.5ミクロンが観察されるまで、標準のエマルジョンホモジナイザーを用いて再循環される。リポソーム小胞の寸法は、参照により本明細書に組み込まれるBloomfield,Ann.Rev.Biophys.Bioeng.,10:421−450(1981)に記載の疑似電気光散乱(QELS)によって決定され得る。平均リポソーム直径は、形成されたリポソームの超音波処理によって低減し得る。断続的な超音波処理サイクルは、QELS評価と交互に起こり、効率的なリポソーム合成を誘導し得る。
標的細胞
【0069】
本明細書で使用される「標的細胞」という用語は、本発明の組成物が対象とするか、または標的とする細胞もしくは組織を指す。いくつかの実施形態において、標的細胞は、目的とするタンパク質または酵素を欠乏している。例えば、核酸を肝細胞に送達することが所望される場合、肝細胞は、標的細胞を表す。いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、標的細胞を識別してトランスフェクトする(すなわち、非標的細胞をトランスフェクトしない)。本発明の組成物は、肝細胞、上皮細胞、造血細胞、上皮細胞、内皮細胞、肺細胞、骨細胞、幹細胞、間葉細胞、神経細胞(例えば、髄膜、星状膠細胞、運動ニューロン、後根神経節細胞、および前角運動ニューロン)、光受容体細胞(例えば、杆体および錐体)、網膜色素上皮細胞、分泌細胞、心臓細胞、含脂肪細胞、血管平滑筋細胞、心筋細胞、骨格筋細胞、β細胞、下垂体細胞、滑膜ライニング細胞、卵巣細胞、精巣細胞、線維芽細胞、B細胞、T細胞、網状赤血球、白血球、顆粒球、ならびに腫瘍細胞を含むが、これらに限定されない様々な標的細胞を優先的に標的化するようにも調製され得る。
【0070】
本発明の組成物は、例えば、心臓、肺、腎臓、肝臓、および脾臓内の標的細胞に優先的に分布するように調製され得る。いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、肝臓の細胞に分布して、その肝臓の細胞(例えば、肝細胞)によってそこに含まれるmRNAの送達およびその後の発現を促進する。標的化された肝細胞は、機能的タンパク質または酵素を産生し、かつ全身的に排出することができる生物学的「リザーバ」または「デポー」として機能し得る。したがって、本発明の一実施形態において、リポソーム移送ビヒクルは、肝細胞を標的化し、かつ/または送達時に肝臓の細胞に優先的に分布する。標的肝細胞のトランスフェクション後、リポソーム担体中に装填されたmRNAは翻訳され、機能的タンパク質産物が産生され、排出され、全身的に分布される。他の実施形態において、肝細胞以外の細胞(例えば、肺、脾臓、心臓、眼、または中枢神経系の細胞)は、タンパク質産生のためにデポー位置としての機能を果たし得る。
【0071】
本発明の一実施形態において、組成物は、対象の1つ以上の機能的タンパク質および/または酵素の内因性産生、具体的には、それらの組換え調製された対応物と比較してより低い免疫原性を示すタンパク質および/または酵素の産生を促進する。本発明の好ましい実施形態において、移送ビヒクルは、欠損したタンパク質または酵素をコードするmRNAを含む。標的組織へのそのような組成物の分布時、およびそのような標的細胞のその後のトランスフェクション時、リポソーム移送ビヒクル(例えば、脂質ナノ粒子)に装填された外来性mRNAは、生体内で翻訳されて、体外から投与されたmRNAによってコードされる機能的タンパク質または酵素(例えば、対象が欠乏するタンパク質または酵素)を産生し得る。したがって、本発明の組成物は、体外または組換え調製されたmRNAを翻訳する対象の能力を利用して、体内で翻訳されたタンパク質または酵素を産生し、したがって、機能的タンパク質または酵素を産生する(かつ必要に応じて排出する)。発現または翻訳されたタンパク質または酵素は、組換え調製されたタンパク質または酵素中で不在し得る場合の多い天然翻訳後修飾の生体内包含も特徴とし得、したがって、翻訳されたタンパク質または酵素の免疫原性をさらに低下させる。
【0072】
欠損したタンパク質または酵素をコードするmRNAの投与は、核酸を標的細胞内の特定の小器官(例えば、ミトコンドリア)に送達する必要性を回避する。むしろ、標的細胞のトランスフェクションおよび標的細胞の細胞質への核酸の送達時、移送ビヒクルのmRNA含有物が翻訳され、機能的タンパク質または酵素が発現され得る。
【0073】
本発明は、受動的標的化手段および能動的標的化手段の両方を用いた標的細胞および組織の識別的標的化も企図する。受動的標的化現象は、さらなる賦形剤または標的細胞による移送ビヒクルの認識を強化する手段の使用に依存することなく、生体内での移送ビヒクルの天然の分布パターンを利用する。例えば、細網内皮系細胞によって食作用にさらされる移送ビヒクルは、肝臓または脾臓内に蓄積する可能性が高く、したがって、そのような標的細胞への組成物の送達を受動的に指向する手段を提供し得る。
【0074】
あるいは、本発明は、移送ビヒクルに(共有的または非共有的のいずれかで)結合されて、ある標的細胞または標的組織におけるそのような移送ビヒクルの局在化を促進し得る、本明細書において「標的化リガンド」と称されるさらなる賦形剤の使用を伴う能動的標的化を企図する。例えば、標的化は、移送ビヒクル中または移送ビヒクル上での1つ以上の内因性標的化リガンド(例えば、アポリポタンパク質E)の包含によって媒介され、標的細胞または組織への分布を促進し得る。標的組織による標的化リガンドの認識は、標的細胞および組織における移送ビヒクルおよび/またはその含有物の組織分布および細胞取り込みを積極的に促進する(例えば、移送ビヒクル中または移送ビヒクル上でのアポリポタンパク質E標的化リガンドの包含は、移送ビヒクルの認識および肝細胞によって発現される内因性低密度リポタンパク質受容体への移送ビヒクルの結合を促進する)。本明細書に提供される組成物は、標的細胞に対する組成物の親和性を高めることができるリガンドを含み得る。標的化リガンドは、製剤化中または製剤化後に脂質粒子の外二層に結合され得る。これらの方法は、当技術分野で周知である。加えて、いくつかの脂質粒子製剤は、PEAA等の融合ポリマー、ヘマグルチニン、他のリポペプチド(参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第08/835,281号および同第60/083,294号を参照のこと)、ならびに生体内および/または細胞内送達に有用な他の特徴を用い得る。他のいくつかの実施形態において、本発明の組成物は、トランスフェクション有効性の改善を示し、かつ/または目的とする標的細胞または組織に対する選択性の強化を示す。したがって、標的細胞または組織に対する組成物およびそれらの核酸含有物の親和性を高めることができる1つ以上のリガンド(例えば、ペプチド、アプタマー、オリゴヌクレオチド、ビタミン、または他の分子)を含む組成物が企図される。好適なリガンドは、移送ビヒクルの表面に任意に結合または連結され得る。いくつかの実施形態において、標的化リガンドは、移送ビヒクルの表面に広がるか、または移送ビヒクル内にカプセル化され得る。好適なリガンドは、それらの物理的、化学的、または生物学的特性(例えば、標的細胞表面マーカーまたは特徴の選択的親和性および/または認識)に基づいて選択される。細胞特異的標的部位およびそれらの対応する標的化リガンドは、大きく異なり得る。好適な標的化リガンドは、標的細胞の一意の特性が利用され、したがって、組成物が標的細胞と非標的細胞を識別することを可能にするように選択される。例えば、本発明の組成物は、肝細胞の認識または肝細胞への親和性を選択的に高める(例えば、そのような表面マーカーの受容体媒介認識およびそのような表面マーカーへの結合によって)表面マーカー(例えば、アポリポタンパク質Bまたはアポリポタンパク質E)を含み得る。さらに、標的化リガンドとしてのガラクトースの使用は、本発明の組成物を実質肝細胞に指向すると予測されるか、またはあるいは標的化リガンドとしてのマンノース含有糖残基の使用は、本発明の組成物を肝臓内皮細胞に指向すると予測される(例えば、肝細胞内に存在するアシアロ糖タンパク質受容体に優先的に結合し得るマンノース含有糖残基)(Hillery AM,et al.「Drug Delivery and Targeting:For Pharmacists and Pharmaceutical Scientists」(2002)Taylor & Francis,Inc.を参照のこと)。したがって、移送ビヒクル(例えば、脂質ナノ粒子)中に存在する部分に共役されたそのような標的化リガンドの提示は、標的細胞および組織中の本発明の組成物の認識および取り込みを促進する。好適な標的化リガンドの例には、1つ以上のペプチド、タンパク質、アプタマー、ビタミン、およびオリゴヌクレオチドが挙げられる。
適用および投与
【0075】
本明細書で使用される「対象」という用語は、ヒト、非ヒト霊長類、齧歯類等を含むが、これらに限定されない、本発明の組成物および方法が投与される任意の動物(例えば、哺乳動物)を指す。典型的には、「対象」および「患者」という用語は、ヒト対象に関連して、本明細書において同義に使用される。
【0076】
本発明の組成物および方法は、いくつかの障害を治療するために、mRNAの送達を提供する。具体的には、本発明の組成物および方法は、標的細胞によって周囲の細胞外液中に排出または分泌される欠損したタンパク質および/または酵素(例えば、ホルモンおよび神経伝達物質をコードするmRNA)に関連する疾患または障害の治療に好適である。実施形態において、疾患は、分泌性タンパク質の欠陥または欠乏を伴い得る(例えば、ファブリー病、またはALS)。ある実施形態において、疾患は、分泌性タンパク質の欠陥または欠損によって引き起こされ得ないが、分泌性タンパク質の提供から恩恵を受け得る。例えば、疾患の症状は、本発明の組成物を提供することによって改善され得る(例えば、嚢胞性線維症)。本発明が有用となる障害には、ハンチントン病;パーキンソン病;筋ジストロフィー(例えば、デュシェンヌ型およびベッカー型等);血友病(例えば、B型血友病(FIX)、A型血友病(FVIII)等);SMN1関連脊髄性筋萎縮症(SMA);筋萎縮性側索硬化症(ALS);GALT関連ガラクトース血症;嚢胞性線維症(CF);シスチン尿症を含むSLC3A1関連障害;アルポート症候群を含むCOL4A5関連障害;ガラクトセレブロシダーゼ欠乏;X連鎖副腎白質ジストロフィーおよび副腎脊髄ニューロパチー;フリードライヒ失調症;ペリツェウス・メルツバッハー病;TSC1およびTSC2関連結節硬化症;サンフィリポB症候群(MPS IIIB);CTNS関連シスチン蓄積症;脆弱X症候群、脆弱X関連身震い/運動失調症候群、および脆弱X早期閉経症候群を含むFMR1関連障害;プラダーウィリ症候群;遺伝性出血性毛細管拡張症(AT);ニーマンピック疾患C1型;若年型神経セロイドリポフスチン症(JNCL)、若年性バッテン病、ハルティア・サンタヴオリ病、ヤンスキー・ビールショースキー疾患、ならびにPTT1およびTPP1欠乏を含む神経セロイドリポフスチン症関連疾患;中枢神経系低髄鞘形成/白質消失を伴うEIF2B1、EIF2B2、EIF2B3、EIF2B4、およびEIF2B5関連小児運動失調;CACNA1AおよびCACNB4関連一過性運動失調2型;クラシックレット症候群、MECP2関連重度新生児脳症、およびPPM−X症候群を含むMECP2関連障害;CDKL5関連A非定型レット症候群;ケネディ病(SBMA);皮質下梗塞および白質脳症を伴うノッチ3関連脳常染色体優性動脈症(CADASIL);SCN1AおよびSCN1B関連発作性疾患;アルパーズ・フッテンロッハー症候群、POLG関連感覚失調ニューロパチー、構音障害、および眼麻痺、ならびにミトコンドリアDNA欠失を伴う常染色体優性および劣性進行性外眼筋麻痺を含むポリメラーゼG関連障害;X連鎖副腎低形成;X連鎖無ガンマグロブリン血症;ウィルソン病;ならびにファブリー病等の障害が含まれるが、これらに限定されない。一実施形態において、本発明の核酸、および具体的には、mRNAは、細胞外空間に分泌される機能的タンパク質または酵素をコードし得る。例えば、分泌性タンパク質は、凝固因子、補体経路成分、サイトカイン、ケモカイン、化学誘引物質、タンパク質ホルモン(例えば、EGF、PDF)、血清タンパク質成分、抗体、分泌性トール様受容体等を含む。本発明のいくつかの実施形態において組成物は、エリスロポエチン、α1−抗トリプシン、カルボキシペプチダーゼN、またはヒト成長ホルモンをコードするmRNAを含み得る。
【0077】
実施形態において、本発明は、2つ以上の遺伝子によってコードされるサブユニットから構成される分泌性タンパク質をコードする。例えば、分泌性タンパク質は、ヘテロ二量体であり得、そのそれぞれの鎖またはサブユニットは、個々の遺伝子によってコードされる。2つ以上のmRNA分子が移送ビヒクルで送達され、かつmRNAが分泌性タンパク質の個々のサブユニットをコードする可能性がある。あるいは、単一mRNAは、2つ以上のサブユニットをコードするように操作され得る(例えば、一本鎖Fv抗体の場合)。ある実施形態において、個別のサブユニットをコードする個々のmRNA分子は、個々の移送ビヒクルに投与され得る。一実施形態において、mRNAは、全長抗体(可変および定常領域の重鎖および軽鎖の両方)または抗体の断片(例えば、Fab、Fv、もしくは一本鎖Fv(scFv))をコードして、対象に免疫を付与し得る。本発明の一実施形態が(例えば、機能的抗体をコードするmRNAの翻訳を介して)対象に免疫を付与するのに有用な方法および組成物に関するが、本明細書に開示され、かつ本発明によって企図される本発明は、広範囲に適用可能である。代替の実施形態において、本発明の組成物は、対象における機能的応答に一時的または長期間影響を与えるために用いられる抗体をコードする。例えば、本発明のmRNAは、標的細胞からの翻訳および分泌時に、生物学的標的(例えば、腫瘍壊死因子等の刺激性サイトカイン)の標的化および/または不活性化に有用であり得る機能的モノクローナルもしくはポリクローナル抗体をコードし得る。同様に、本発明のmRNA核酸は、例えば、膜性増殖性糸球体腎炎II型もしくは急性溶血性尿毒症症候群の治療に有用な機能的抗腎炎因子抗体をコードし得るか、またはあるいは、癌等のVEGF媒介疾患の治療に有用な抗血管内皮増殖因子(VEGF)抗体をコードし得る。他の実施形態において、分泌性タンパク質は、2つ以上のサブユニット(例えば、IL−12もしくはIL−23)から成るサイトカインまたは他の分泌性タンパク質である。
【0078】
本発明の組成物は、対象に投与され得る。いくつかの実施形態において、組成物は、1つ以上のさらなる核酸、担体、標的化リガンド、もしくは安定化試薬と組み合わせて製剤化されるか、または好適な賦形剤と混合される薬理学的組成物中に製剤化される。例えば、本発明の一実施形態において、組成物は、2つ以上のはっきりと異なるタンパク質または酵素をコードするmRNAを送達するように調製され得る。薬物の製剤化および投与の技法は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」(Mack Publishing Co.,Easton,Pa.、最新版)で見出され得る。
【0079】
薬学的または治療的影響を与え得る様々な分子は、本発明の組成物および方法を用いて標的細胞に送達され得る。分子は、有機または無機であり得る。有機分子は、ペプチド、タンパク質、炭水化物、脂質、ステロール、核酸(ペプチド核酸を含む)、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。標的細胞への送達用の製剤は、1つ以上の種類の分子、例えば、2つの異なるヌクレオチド配列、またはタンパク質、酵素、もしくはステロイドを含み得る。
【0080】
本発明の組成物は、対象の臨床状態、投与部位および方法、投与スケジュール、対象の年齢、性別、体重、ならびに当技術分野の臨床医にとって適切な他の要素を考慮して、現在の医療実践に従って投与および投薬され得る。本明細書の目的のための「有効量」は、実験的臨床研究分野、薬理学分野、臨床分野、および医学分野における当業者に既知のそのような関連した考慮すべき事柄によって決定され得る。いくつかの実施形態において、投与量は、症状の少なくともある程度の安定化、改善、または排除を達成するのに有効量であり、他の指標は、疾患進行、退行、または改善の適切な評価基準として当業者によって選択される。例えば、好適な量および投薬レジメンは、少なくとも一過性のタンパク質産生を引き起こすものである。
【0081】
好適な投与ルートには、例えば、経口投与、直腸投与、膣内投与、経粘膜投与、気管内もしくは吸入を含む肺投与、または腸内投与;筋肉内注入、皮下注入、髄内注入、ならびに鞘内注入、直接脳室内注入、静脈内注入、腹腔内注入、鼻腔内注入、または眼内注入を含む非経口送達が含まれる。
【0082】
あるいは、本発明の組成物は、例えば、標的化された組織への薬学的組成物の直接注入を介して、好ましくは、持続放出製剤で、全身ではなく局所投与され得る。局所送達は、標的化される組織に応じて様々な方法で作用し得る。例えば、本発明の組成物を含有するエアロゾルは、経鼻、気管、もしくは気管支送達のために吸入され得るか、本発明の組成物は、例えば、損傷、疾患兆候、もしくは痛みの部位に注入され得るか、組成物は、経口、気管、もしくは食道適用のためにトローチ剤で提供され得るか、胃または腸への投与のために液体、錠剤、もしくはカプセル形態で供給され得るか、直腸または膣内適用のために坐薬形態で供給され得るか、またはさらにはクリーム、液滴の使用によって、もしくはさらには注入によって眼に送達され得る。治療的分子またはリガンドと複合される本発明の組成物を含有する製剤は、例えば、組成物が注入部位から周囲の細胞まで拡散することを可能にし得るポリマーまたは他の構造もしくは物質によってさらには外科的に投与される。あるいは、それらは、ポリマーまたは支持体を用いることなく外科的に適用され得る。
【0083】
本発明の一実施形態において、組成物は、それらがその中に含有されるmRNAの持続放出に好適であるように製剤化される。そのような持続放出組成物は、延長された投与間隔で対象に好都合に投与され得る。例えば、本発明の一実施形態において、組成物は、対象に1日2回、1日1回、または2日に1回投与される。本発明の好ましい実施形態において、組成物は、対象に、週2回、週1回、10日毎に、2週間毎に、3週間毎に、またはより好ましくは、4週間毎に、月1回、6週間毎に、8週間毎に、2ヶ月に1回、3ヶ月毎に、4ヶ月毎に、6ヶ月毎に、8ヶ月毎に、9ヶ月毎に、または年に1回投与される。デポー投与(例えば、筋肉内、皮下、硝子体内)のために製剤化され、長期間にわたるmRNAの送達または放出のいずれかを行う組成物およびリポソーム担体も企図される。好ましくは、用いられる持続放出手段は、mRNAの安定性を向上させる修飾と合わせられる。
【0084】
本明細書に開示のリポソームナノ粒子のうちの1つ以上を含む凍結乾燥された薬学的組成物、および例えば、その教示が参照により全体として本明細書に組み込まれる、2011年6月8日出願の米国仮出願第61/494,882号に開示のそのような凍結乾燥された組成物の使用の関連方法も本明細書において企図される。例えば、本発明に従って凍結乾燥された薬学的組成物は、投与前に再構成され得るか、または生体内で再構成され得る。例えば、凍結乾燥された薬学的組成物は、適切な剤形(例えば、椎間板、杆体、または膜等の皮内剤形)で製剤化され、剤形が時間とともに個体の体液によって生体内で再水和されるように投与され得る。
【0085】
本発明のある化合物、組成物、および方法が、ある実施形態に従って明確に説明されているが、以下の実施例は、本発明の化合物を説明するためのものにすぎず、本発明の化合物を限定するよう意図されていない。本発明の背景を説明し、かつその実践に関してさらなる詳細を提供するために本明細書に参照される出版物、参考資料質、受託番号等はそれぞれ、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0086】
明細書および特許請求の範囲において使用される「a」および「an」という冠詞は、それとは反対に明確に示されない限り、複数指示対象を含むと理解されるべきである。群の1つ以上の構成員間に「または」を含む特許請求の範囲もしくは記述は、それとは反対に明確に示されない限り、またはさもなければ文脈から明らかでない限り、群の構成員のうちの1つ、2つ以上、もしくはすべてが、所与の産物もしくはプロセスにおいて存在するか、用いられるか、またはさもなれけばそれに関連する場合に満たされると見なされる。本発明は、群の1つのみの構成員が、所与の産物もしくはプロセスにおいて存在するか、用いられるか、またはさもなければそれに関連する実施形態を含む。本発明は、群の2つ以上の構成員、または群内のすべての構成員が、所与の産物もしくはプロセスにおいて存在するか、用いられるか、またはさもなければそれに関連する実施形態も含む。さらに、本発明が、矛盾もしくは不一致が生じることが別途示されない限り、または当業者に明らかでない限り、列記された特許請求の範囲のうちの1つ以上に由来する1つ以上の制限、要素、付記、記述用語等が、同一の基礎となる特許請求の範囲に依存する別の特許請求の範囲(または、関連した任意の他の特許請求の範囲)に導入される、すべての変形、組み合わせ、および並び替えを包含することを理解されたい。要素がリストで(例えば、マーカッシュ群または同様の書式で)提示される場合、それらの要素のそれぞれの下位群も開示され、任意の要素(複数を含む)がその群から取り除かれ得ることを理解されたい。概して、本発明もしくは本発明の態様が、特定の要素、特徴等を含むと見なされる場合、本発明のある実施形態もしくは本発明の態様が、そのような要素、特徴等から構成されるか、または部分的に構成されることを理解されたい。単純化のために、それらの実施形態は、あらゆる場合において、本明細書において非常に多くの単語で具体的に説明されていない。具体的な除外が本明細書において列挙されるかにかかわらず、本発明の任意の実施形態または態様が特許請求の範囲から明確に除外され得ることも理解されたい。本発明の背景を説明し、かつは、その実践に関するさらなる詳細を提供するために本明細書に参照される出版物および他の参考資料は、参照により本明細書に組み込まれる。
実施例
実施例1:ポリヌクレオチド組成物の静脈内送達を介するタンパク質産生デポー
【0087】
メッセンジャーRNA
ヒトエリスロポエチン(EPO)(配列番号3、
図3)、ヒトα−ガラクトシダーゼ(GLA)(配列番号4、
図4)、ヒトα−1抗トリプシン(A1AT)(配列番号5、
図5)、およびヒト第IX因子(FIX)(配列番号6、
図6)を、遺伝子をコードするプラスミドDNA鋳型からの生体外転写によって合成し、その後、5’キャップ構造(Cap1)(Fechter&Brownlee,J.Gen.Virology 86:1239−1249(2005))およびゲル電気泳動によって決定された約200ヌクレオチド長の3’ポリ(A)尾部を付加した。5’および3’非翻訳領域は、以下の実施例におけるそれぞれのmRNA産物において存在し、それぞれ、配列番号:1および2(
図1および
図2)によって定義される。
脂質ナノ粒子製剤
【0088】
製剤1:C12−200、DOPE、Chol、およびDMG−PEG2K(40:30:25:5)の50mg/mLエタノール溶液の一定分量を混合し、エタノールで希釈して、3mLの最終容積にした。個別に、mRNAの緩衝水溶液(10mMのクエン酸塩/150mMのNaCl、pH4.5)を1mg/mLの原液から調製した。脂質溶液をmRNA水溶液に迅速に注入し、振盪して、20%エタノールの最終懸濁液を得た。結果として得られたナノ粒子懸濁液を濾過し、1回のPBS(pH7.4)でダイア濾過し、濃縮し、2〜8℃で保管した。
【0089】
製剤2:DODAP、DOPE、コレステロール、およびDMG−PEG2K(18:56:20:6)の50mg/mLのエタノール溶液の一定分量を混合し、エタノールで希釈して、3mLの最終容積にした。個別に、EPO mRNAの緩衝水溶液(10mMのクエン酸塩/150mMのNaCl、pH4.5)を1mg/mLの原液から調製した。脂質溶液をmRNA水溶液に迅速に注入し、振盪して、20%エタノールの最終懸濁液を得た。結果として得られたナノ粒子懸濁液を濾過し、1回のPBS(pH7.4)でダイア濾過し、濃縮し、2〜8℃で保管した。最終濃度=1.35mg/mLのEPO mRNA(カプセル化したもの)。Z
ave=75.9nm(Dv
(50)=57.3nm;Dv
(90)=92.1nm)。
【0090】
製剤3:HGT4003、DOPE、コレステロール、およびDMG−PEG2K(50:25:20:5)の50mg/mLのエタノール溶液の一定分量を混合し、エタノールで希釈して、3mLの最終容積にした。個別に、mRNAの緩衝水溶液(10mMのクエン酸塩/150mMのNaCl、pH4.5)を1mg/mLの原液から調製した。脂質溶液をmRNA水溶液に迅速に注入し、振盪して、20%エタノールの最終懸濁液を得た。結果として得られたナノ粒子懸濁液を濾過し、1回のPBS(pH7.4)でダイア濾過し、濃縮し、2〜8℃で保管した。
【0091】
製剤4:ICE、DOPEおよびDMG−PEG2K(70:25:5)の50mg/mLのエタノール溶液の一定分量を混合し、エタノールで希釈して、3mLの最終容積にした。個別に、mRNAの緩衝水溶液(10mMのクエン酸塩/150mMのNaCl、pH4.5)を1mg/mLの原液から調製した。脂質溶液をmRNA水溶液に迅速に注入し、振盪して、20%エタノールの最終懸濁液を得た。結果として得られたナノ粒子懸濁液を濾過し、1回のPBS(pH7.4)でダイア濾過し、濃縮し、2〜8℃で保管した。
【0092】
製剤5:HGT5000、DOPE、コレステロール、およびDMG−PEG2K(40:20:35:5)の50mg/mLのエタノール溶液の一定分量を混合し、エタノールで希釈して、3mLの最終容積にした。個別に、EPO mRNAの緩衝水溶液(10mMのクエン酸塩/150mMのNaCl、pH4.5)を1mg/mLの原液から調製した。脂質溶液をmRNA水溶液に迅速に注入し、振盪して、20%エタノールの最終懸濁液を得た。結果として得られたナノ粒子懸濁液を濾過し、1回のPBS(pH7.4)でダイア濾過し、濃縮し、2〜8℃で保管した。最終濃度=1.82mg/mLのEPO mRNA(カプセル化したもの)。Z
ave=105.6nm(Dv
(50)=53.7nm、Dv
(90)=157nm)。
【0093】
製剤6:HGT5001、DOPE、コレステロール、およびDMG−PEG2K(40:20:35:5)の50mg/mLのエタノール溶液の一定分量を混合し、エタノールで希釈して、3mLの最終容積にした。個別に、EPO mRNAの緩衝水溶液(10mMのクエン酸塩/150mMのNaCl、pH4.5)を1mg/mLの原液から調製した。脂質溶液をmRNA水溶液に迅速に注入し、振盪して、20%エタノールの最終懸濁液を得た。結果として得られたナノ粒子懸濁液を濾過し、1回のPBS(pH7.4)でダイア濾過し、濃縮し、2〜8℃で保管した。
静脈内送達されたmRNA装填ナノ粒子を介して産生されたタンパク質の分析
注入プロトコル
【0094】
別途示されない限り、それぞれの実験の初めに約6〜8週齢の雄CD−1マウスを用いて研究を行った。試料を、総等価線量30〜200マイクログラムのカプセル化mRNAの単回ボーラス尾静脈注入によって導入した。マウスを屠殺し、指定された時点で、生理食塩水で灌流した。
分析のための臓器組織の単離
【0095】
それぞれのマウスの肝臓および脾臓を採取し、3つに分配し、10%の中性緩衝ホルマリン中に保存するか、またはスナップ凍結させるかのいずれかを行い、分析のために−80℃で保管した。
分析のための血清の単離
【0096】
すべての動物を投与量投与(±5%)の48時間後にCO
2窒息で安楽死させ、その後、開胸術を行い、最終的に心臓血液を収集した。全血(入手可能な最大量)を、楽死させた動物の心穿刺を介して収集して血清分離管に入れ、室温で少なくとも30分間凝固させ、9300gを22℃±5℃で10分間遠心分離し、血清を抽出した。暫定的な血液収集の場合、約40〜50μLの全血を、顔面静脈穿刺または尾部切断を介して収集した。未処理の動物から収集された試料を、動物研究における比較のためにベースラインとして使用した。
酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA)分析
【0097】
EPO ELISA:ヒトEPO ELISAキット(Quantikine IVD,R&D Systems、カタログ番号Dep−00)に関して報告された手順に従って、EPOタンパク質の定量化を行った。用いた陽性対照は、超高純度および組織培養グレードの組換えヒトエリスロポエチンタンパク質(R&D Systems、それぞれ、カタログ番号286−EPおよび287−TC)から構成された。検出を、Molecular Device Flex Station機器上での吸収(450nm)を介して監視した。
【0098】
GLA ELISA:捕捉抗体としてヒツジ抗α−ガラクトシダーゼG−188 IgGを用いて、二次(検出)抗体としてウサギ抗α−ガラクトシダーゼTK−88 IgGを用いて(Shire Human Genetic Therapies)、標準ELISA手順に従った。西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)共役ヤギ抗ウサギIgGを用いて、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)基質溶液を活性化させた。20分後に2N H
2SO
4を用いて反応停止処理した。検出を、Molecular Device Flex Station機器上での吸収(450nm)を介して監視した。未処理のマウス血清およびヒトα−ガラクトシダーゼタンパク質を、それぞれ、陰性対照および陽性対照として用いた。
【0099】
FIX ELISA:ヒトFIX ELISAキット(AssayMax、Assay Pro、カタログ番号EF1009−1)に関して報告された手順に従って、FIXタンパク質の定量化を行った。
【0100】
A1AT ELISA:ヒトA1AT ELISAキット(Innovative Research、カタログ番号IRAPKT015)に関して報告された手順に従って、A1ATタンパク質の定量化を行った。
ウエスタンブロット分析
【0101】
(EPO):抗hEPO抗体(R&D Systems、番号MAB2871)および超高純度のヒトEPOタンパク質(R&D Systems、番号286−EP)を対照として用いて、ウエスタンブロット分析を行った。
結果
【0102】
本実施例に記載の研究は、タンパク質産生のためのデポー源としてのmRNAカプセル化脂質ナノ粒子の使用を実証する。そのようなデポー効果を身体内の複数の部位(すなわち、肝臓、腎臓、脾臓、および筋肉)において達成することができる。リポソームナノ粒子を介して送達されるメッセンジャーRNAに由来する所望の外因性タンパク質の測定結果を取得および定量化し、ヒトエリスロポエチン(hEPO)、ヒトα−ガラクトシダーゼ(hGLA)、ヒトα−1抗トリプシン(hA1AT)、およびヒト第IX因子(hFIX)mRNAを用いたデポーからのタンパク質の分泌を実証した。
1A.生体内ヒトEPOタンパク質産生結果
【0103】
様々な脂質ナノ粒子製剤を用いてhEPOタンパク質の産生を実証した。4つの異なるカチオン性脂質系のうち、C12−200ベースの脂質ナノ粒子が、ELISAによって測定されたように、静脈内投与から4時間後に最も豊富な量のhEPOタンパク質を産生した(
図7)。この製剤(製剤1)は、18.3ug/mLのhEPOタンパク質をもたらし、血流に分泌された。ヒト血清における正常なhEPOタンパク質レベルは、3.3〜16.6mIU/mLである(NCCLS文書C28−P、第12巻2番)。120,000IU/mgのEPOタンパク質の比活性度に基づいて、この製剤は、正常なヒト個体において27.5〜138pg/mLのhEPOタンパク質を産生する。したがって、hEPO mRNAをカプセル化したC12−200ベースのカチオン性脂質製剤の30ugの単回投与は、100,000倍を超える生理学的レベルのそれぞれのタンパク質の増加をもたらした。
【0104】
試験した脂質系のうち、DODAPベースの脂質ナノ粒子製剤の効果が一番低かった。しかしながら、EPO mRNAをカプセル化したDODAPベースの脂質ナノ粒子を介した送達に由来するヒトEPOタンパク質の観察された量は、4.1ng/mLであり、これは、依然として、正常な生理学的レベルのEPOタンパク質よりも30倍高い(表1)。
【表1】
【0105】
加えて、得られたタンパク質を試験して、それが活性であり、かつ適切に機能したかを決定した。hEPO mRNAを用いたmRNA置換療法(MRT)の場合、5つの異なる脂質ナノ粒子製剤(
図8、表1)のヘマトクリット値の変化を10日間にわたって監視し、タンパク質活性を評価した。この期間中、5つの製剤のうち2つがヘマトクリット値の増加を示し(15%以上)、そのような系から産生されるhEPOタンパク質の活性を示す。
【0106】
別の実験において、ヘマトクリット値の変化を15日間にわたって監視した(
図9、表2)。脂質ナノ粒子製剤(製剤1)を、30μgの単回投与量、またはより少ない10μgの3回投与(1日目、3日目、および5日目に注入)のいずれかで投与した。同様に、製剤2を、50μgの3回投与(1日目、3日目、および5日目)で投与した。C12−200は、ヘマトクリット値の著しい増加をもたらした。全体として、最大約25%増加の変化が観察され、そのような系から産生されるヒトEPOタンパク質の活性を示す。
【表2】
1B.生体内ヒトGLAタンパク質産生結果
【0107】
第2の外因性タンパク質系を研究して、mRNA装填脂質ナノ粒子を用いたときの「デポー効果」を実証した。動物に、C12−200ベースの脂質ナノ粒子系を用いたカプセル化ヒトα−ガラクトシダーゼ(hGLA)mRNAの30マイクログラムの単回投与量を静脈内注入し、6時間後に屠殺した(製剤1)。ELISAを用いて分泌性hGLAタンパク質の定量化を行った。未処理のマウス血清およびヒトα−ガラクトシダーゼタンパク質を対照として用いた。ヒトα−ガラクトシダーゼタンパク質の検出を48時間にわたって監視した。
【0108】
測定可能なレベルのhGLAタンパク質を、実験の時間経過を通して観察し、6時間時点での2.0ug/mLのhGLAタンパク質が最大レベルであった(
図10)。表3は、血清中に見られたhGLAの具体的な量を列記する。健常なヒト男性における正常な活性が、約3.05ナノモル/時間/mLであると報告されている。α−ガラクトシダーゼの活性において、組換えヒトα−ガラクトシダーゼタンパク質は、3.56×10
6ナノモル/時間/mgである。これらの値の分析は、正常かつ健常な男性個体において約856pg/mLのhGLAタンパク質の量をもたらす。hGLA mRNA装填脂質ナノ粒子の投与の6時間後に観察された2.0ug/mLのhGLAタンパク質の量は、正常な生理学的レベルよりも2300倍以上高い。さらに、48時間後、依然としてかなりのレベルのhGLAタンパク質(86.2ng/mL)を検出することができる。このレベルは、hGLAタンパク質が48時間時点で引き続き存在する生理学的量よりもほぼ100倍多いことを表す。
【表3】
【0109】
加えて、0.2mg/kgを投与したときのα−ガラクトシダーゼの半減期は、約108分間である。GLA mRNA装填脂質ナノ粒子を投与したときの「デポー効果」を介したGLAタンパク質の産生は、ネイキッド組換えタンパク質の直接注入と比較して、血液滞留時間の著しい増加を示す。上述のように、かなりの量のタンパク質が48時間後に存在する。
【0110】
GLA mRNA装填脂質ナノ粒子から産生されたα−ガラクトシダーゼタンパク質の活性プロファイルを、4−メチルウンベリフェリル−α−D−ガラクトピラノシド(4−MU−α−gal)代謝の機能として測定した。
図11に示されるように、これらのナノ粒子系から産生されるタンパク質は、かなり活性であり、利用可能なタンパク質のレベルを反映する(
図12、表3)。マウスおよびヒトにおける酵素置換療法(ERT)に対するmRNA療法ベースのhGLA産生のAUC比較は、それぞれ、182倍および30倍の増加を示す(表4)。
【表4】
【0111】
所望のタンパク質産生のためにデポーの機能を果たし得る臓器を標的化するmRNAカプセル化脂質ナノ粒子の能力が実証されている。観察された分泌性タンパク質のレベルは、正常な生理学的レベルよりも数桁大きかった。この「デポー効果」は繰り返し可能である。
図12は、ロバストなタンパク質産生が、hGLA mRNA装填C12−200ベースの脂質ナノ粒子(製剤1)の30ugの単回投与量を野生型(CD−1)マウスに投与したときに観察されることを重ねて示す。この実験において、hGLAレベルを72時間にわたって評価した。最大平均4.0ugのヒトhGLAタンパク質/mLの血清が、投与から6時間後に検出される。正常な生理学的レベルにおける約1ng/mLのhGLAタンパク質の値に基づいて、hGLA MRTは、約4000倍高いタンパク質レベルを提供する。前述同様に、hGLAタンパク質を投与から48時間後まで検出することができた(
図12)。
【0112】
この同一の実験から単離された組織の分析は、hGLA MRTで処理されたマウスにおけるhGLAタンパク質の分布に関する識見を提供した(
図13)。超生理学的レベルのhGLAタンパク質が処理されたすべてのマウスの肝臓、脾臓、および腎臓において検出され、最大レベルが投与から12〜24時間後に観察された。検出可能なレベルのMRT由来タンパク質をhGLA装填脂質ナノ粒子の単回注入の3日後に観察することができた。
【0113】
加えて、hGLA mRNA装填C12−200ナノ粒子の投与時のhGLAの産生が、血清に(
図14A)ならびに肝臓において(
図14B)用量応答を呈することが示された。
【0114】
脂質ナノ粒子媒介mRNA置換療法の固有の特性の1つとして、産生されるそれぞれのタンパク質の薬物動態プロファイルが挙げられる。例えば、α−ガラクトシダーゼを用いたERTで処理されたマウスは、約100分間の血漿半減期をもたらす。対照的に、MRT由来α−ガラクトシダーゼは、約72時間の血液滞留時間を有し、6時間がピーク時である。これは、所望のタンパク質の見込まれる連続的な取り込みに関与する臓器に対するはるかにより高い暴露を可能にする。PKプロファイルの比較が
図15に示されており、クリアランス率における明確な差異を示し、最終的に、曲線下面積(AUC)の大きな変化は、MRTベースの治療を介して達成され得る。
【0115】
個々の実験において、hGLA MRTを、マウス疾患モデルのhGLAノックアウトマウス(ファブリーマウス)に適用した。0.33mg/kgの投与量のhGLA mRNA装填C12−200ベースの脂質ナノ粒子(製剤1)を、単回静脈内注入で雌ノックアウトマウスに投与した。かなりの量のMRT由来hGLAタンパク質が産生され、6時間時点でピークになり(約560ng/mLの血清)、これは、正常な生理学的レベルよりも約600倍高い。さらに、hGLAタンパク質は、投与から72時間後に依然として検出可能であった(
図16)。
【0116】
重要臓器におけるMRT由来GLAタンパク質の定量化は、
図17に示されるように、著しい蓄積を示した。観察された主要臓器において見られるMRT由来hGLAタンパク質と報告された正常な生理学的レベルとの比較をプロットする(正常なレベルを点線でプロットした)。24時間時点でのタンパク質のレベルが投与後72時間時点よりも高い一方で、処理されたファブリーマウスの肝臓、腎臓、脾臓、および心臓中に検出されたhGLAタンパク質のレベルは、野生型レベルと同等である。例えば、1mgの組織当たり3.1ngのhGLAタンパク質が、単回MRT処理の3日後に処理されたマウスの腎臓において見られた。
【0117】
その後の実験において、雄ファブリーノックアウトマウスのERTベースのα−ガラクトシダーゼ処理とhGLA MRTベースの処理の比較を行った。それぞれの療法において1.0mg/kgの単回静脈内投与量を投与し、投与から1週間後にマウスを屠殺した。注入後6時間および1週間時点のhGLAタンパク質の血清レベルを監視した。投与から1週間後に、hGLAタンパク質蓄積について、肝臓、腎臓、脾臓、および心臓を分析した。生体内分布分析に加えて、有効性の評価基準を、腎臓および心臓におけるグロボトリアオシルセラミド(Gb3)およびLyso−Gb3減少の測定結果を用いて決定した。
図18は、雄ファブリーマウスにおけるα−ガラクトシダーゼまたはGLA mRNA装填脂質ナノ粒子(製剤1)のいずれかでの処理後のhGLAタンパク質の血清レベルを示す。投与後6時間および1週間時点の血清試料を分析した。ロバストなシグナルがMRTで処理されたマウスにおいて6時間後に検出され、hGLAタンパク質血清レベルは、約4.0ug/mLであった。対照的に、血流中に検出可能なα−ガラクトシダーゼはこの時点で残っていなかった。
【0118】
この実験におけるファブリーマウスを最初の注入から1週間後に屠殺し、臓器を採取および分析した(肝臓、腎臓、脾臓、心臓)。
図19は、hGLA MRT処理またはα−ガラクトシダーゼERT処理のいずれかの後にそれぞれの各臓器において見られたヒトGLAタンパク質の比較を示す。レベルは、投与から1週間後に存在したhGLAに相当する。hGLAタンパク質は、分析したすべての臓器において検出された。例えば、MRTで処理されたマウスが、腎臓において2.42ngのhGLAタンパク質/mgタンパク質のhGLAタンパク質蓄積をもたらした一方で、α−ガラクトシダーゼで処理されたマウスは、残留レベル(0.37ng/mgタンパク質)しか有しなかった。これは、hGLA MRTで処理されたときの約6.5倍高いレベルのhGLAタンパク質に相当する。心臓の分析において、1.0ngのみのα−ガラクトシダーゼ/mgタンパク質と比較して、11.5ngのhGLAタンパク質/mgタンパク質がMRTで処理されたコホートにおいて見られた。これは、hGLA MRTで処理されたマウスの心臓において、ERTベースの療法よりも約11倍高い蓄積に相当する。
【0119】
行われた体内分布分析に加えて、有効性の評価を、主要臓器におけるグロボトリアオシルセラミド(Gb3)およびLyso−Gb3レベルの測定結果用いて決定した。単回静脈内投与量1.0mg/kgでのGLA MRT処理後と、同等の投与量でのα−ガラクトシダーゼERTベースの療法後とのGb3減少の直接比較は、腎臓ならびに心臓においてGb3レベルのかなりの差をもたらした。例えば、GLA MRTおよびα−ガラクトシダーゼのGb3レベルは、それぞれ、60.2%および26.8%の減少をもたらした(
図20)。さらに、心臓におけるGb3レベルは、MRTおよびα−ガラクトシダーゼにおいて、それぞれ、92.1%および66.9%減少した(
図21)。
【0120】
有効性測定用の第2の関連バイオマーカーは、Lyso−Gb3である。GLA MRTは、腎臓および心臓においても同様に、α−ガラクトシダーゼよりもLyso−Gb3を効率的に減少させた(それぞれ、
図20および
図21)。具体的には、MRTで処理されたファブリーマウスは、腎臓および心臓において、それぞれ、86.1%および87.9%のLyso−Gb3減少を示し、対して、α−ガラクトシダーゼで処理されたマウスは、47.8%および61.3%の減少をもたらした。
【0121】
C12−200ベースの脂質ナノ粒子におけるhGLAでの結果は、他の脂質ナノ粒子製剤にまで及ぶ。例えば、単回静脈内投与で投与されたHGT4003(製剤3)に装填されたhGLA mRNAまたはHGT5000ベース(製剤5)の脂質ナノ粒子は、投与後24時間時点でhGLAの産生をもたらす(
図22)。hGLAの産生は、用量応答を示した。同様に、hGLA産生が、単回静脈内投与で投与されたHGT5001ベース(製剤6)の脂質ナノ粒子に装填されたhGLA mRNAの投与後6時間および24時間時点で観察された。hGLA産生が血清(
図23A)において、同様に臓器(
図23B)において観察された。
【0122】
全体として、タンパク質産生のためにデポーとして適用されるmRNA置換療法は、超生理学的レベルの機能的に治療的な活性タンパク質を大量に産生する。この方法が所望のタンパク質の持続的な循環半減期をもたらすことが実証されており、このMRT由来タンパク質は、ファブリーマウスにおけるα−ガラクトシダーゼ酵素で実証された療法に非常に有効である。
1C.生体内ヒトFIXタンパク質産生結果
【0123】
野生型マウス(CD−1)に第IX因子(FIX)mRNA装填脂質ナノ粒子を投与し、血流に分泌されるFIXタンパク質を決定する研究を行った。30ugのC12−200ベース(40:30:25:5の比率のC12−200:DOPE:Chol:PEG)のFIX mRNA装填脂質ナノ粒子(カプセル化mRNAに基づいた投与量)(製剤1)の単回投与で静脈内注入した際に、ロバストなタンパク質産生が観察された(
図24)。
【0124】
72時間にわたる薬物動態学的分析は、MRT由来FIXタンパク質が試験されたすべての時点で検出され得ることを示した(
図24)。ピーク血清濃度は、注入後24時間時点で観察され、その値は、約3ug(2995±738ng/mL)のFIXタンパク質/mL血清であった。これは、デポー効果の別の成功例を示す。
1D.生体内ヒトA1ATタンパク質産生結果
【0125】
野生型マウス(CD−1)にα−1−抗トリプシン(A1AT)mRNA装填脂質ナノ粒子を投与し、血流に分泌されるA1ATタンパク質を決定する研究を行った。30ugのC12−200ベースのA1AT mRNA装填脂質ナノ粒子(カプセル化mRNAに基づいた投与量)(製剤1)の単回投与で静脈内注入した際に、ロバストなタンパク質産生が観察された(
図25)。
【0126】
図25に示されるように、検出可能なレベルのA1AT MRTに由来するヒトA1ATタンパク質が投与後に24時間にわたって観察された。最大血清レベルの約48ugのA1ATタンパク質/mL血清が、注入から12時間後に検出された。
実施例2:ポリヌクレオチド組成物の肺送達を介するタンパク質産生デポー
注入プロトコル
【0127】
それぞれの実験の初めに約7〜10週齢の雌CD−1またはBALB/Cマウスを用いてすべての研究を行った。単一気管内エアロゾル化投与を介して試験物質を導入した。マウスを屠殺し、指定された時点で、生理食塩水で灌流した。それぞれのマウスの肺を採取し、2つに分配し、10%の中性緩衝ホルマリン中に保存するか、またはスナップ凍結させるかのいずれかを行い、分析のために−80℃で保管した。血清を実施例1に記載されるように単離した。EPO ELISA:実施例1に記載される通りである。
結果
【0128】
デポー効果を肺送達(例えば、鼻腔内、気管内噴霧)を介して得ることができる。ナノ粒子系を介して送達されるメッセンジャーRNAに由来する所望の外因性タンパク質の測定結果を取得および定量化した。
【0129】
CD−1マウスにおけるhEPO mRNA装填脂質ナノ粒子を介したヒトEPOタンパク質の産生を、単一気管内投与(MicroSprayer(登録商標))を介して試験した。様々なカチオン性脂質(製剤1、5、6)を用いていくつかの製剤を試験した。すべての製剤は、高度にカプセル化されたヒトEPO mRNAをもたらした。投与の際、動物を投与から6時間後に屠殺し、肺ならびに血清を採取した。
【0130】
エアロゾル送達を介した処理の際に、投与部位(肺)におけるヒトEPOタンパク質を検出した。投与から6時間後の血清の分析は、血中で検出可能な量のhEPOタンパク質を示した。これらのデータ(
図26に示される)は、hEPOタンパク質の産生(および分泌)のために「デポー」の機能を果たす肺の能力を実証する。