特許第6463811号(P6463811)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6463811
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年2月6日
(54)【発明の名称】引張試験のための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 3/00 20060101AFI20190128BHJP
【FI】
   G01N3/00 H
【請求項の数】12
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-168358(P2017-168358)
(22)【出願日】2017年9月1日
(65)【公開番号】特開2018-40793(P2018-40793A)
(43)【公開日】2018年3月15日
【審査請求日】2017年10月23日
(31)【優先権主張番号】20165657
(32)【優先日】2016年9月5日
(33)【優先権主張国】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】513297047
【氏名又は名称】ローゼンダール・ネクストロム・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROSENDAHL NEXTROM GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100117640
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 達己
(74)【代理人】
【識別番号】100172041
【弁理士】
【氏名又は名称】小畑 統照
(72)【発明者】
【氏名】ユッカ・メンクケネン
(72)【発明者】
【氏名】トミ・ダール
【審査官】 西岡 貴央
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2013/0255397(US,A1)
【文献】 特開平02−229734(JP,A)
【文献】 実開昭60−189832(JP,U)
【文献】 特開昭59−131141(JP,A)
【文献】 米国特許第04601208(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0011759(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 3/00−3/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバー(11)の引張試験のための装置(1、31、41、51)であって、
第1直径(D1)を有する第1円周面(7)及び前記第1直径(D1)より大きい第2直径(D2)を有する第2円周面(8)を備えるデュアルプーリー(6、6’)と、
前記デュアルプーリー(6、6’)の前記第1円周面(7)に接触する第1駆動ベルト部分(2、32、52)及び前記デュアルプーリーの前記第2円周面(8)に接触する第2駆動ベルト部分(3、33、53)と、
前記第1円周面(7)と当該第1円周面(7)に接触する前記第1駆動ベルト部分(2、32、52)とによって境界を定められるファイバー入口(10)と、
前記第2円周面(8)と当該第2円周面(8)に接触する前記第2駆動ベルト部分(3、33、53)とによって境界を定められるファイバー出口(13)と、
前記光ファイバー(11)を前記ファイバー入口(10)から前記ファイバー出口(13)へ送り渡すガイド(12、12’)と、
前記第1駆動ベルト部分(2、52)及び前記第2駆動ベルト部分(3、53)を回転させる1つの単一駆動ユニット(24、54)と、
を備えていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記第1駆動ベルト部分(32)と前記第2駆動ベルト部分(33)は、1つの単一駆動ベルト(34)の駆動ベルト部分である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1駆動ベルト部分(2、52)と前記第2駆動ベルト部分(3、53)は、2つの別々の駆動ベルトの駆動ベルト部分である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記デュアルプーリー(6)は、前記第1円周面(7)及び前記第2円周面(8)を備える1つの単一プーリーとして提供されている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記デュアルプーリー(6’)は、一体に回転するように配列されている2つの別々の同軸に配列されたプーリー(16’、17’)として提供されている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第1駆動ベルト部分(2、32)及び前記第2駆動ベルト部分(3、33)は、前記デュアルプーリー(6、6’)を回転させる1つの単一駆動ユニット(24)によって駆動される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第1駆動ベルト部分(52)及び前記第2駆動ベルト部分(53)は、前記光ファイバー(11)を前記ファイバー出口(13)から引き取る1つの単一駆動ユニット(54)によって駆動される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記ガイド(12)は、前記光ファイバー(11)を前記ファイバー入口(10)から前記ファイバー出口(13)へ送り渡すための自由に回転するプーリーを備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記自由に回転するプーリー(12)には、前記光ファイバー(11)内の張力を測定するための張力測定デバイス(15)が配列されている、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記装置は、プリフォーム(15)から光ファイバー(11)を線引きするデバイス(20)から当該光ファイバーを受け入れ、受け入れられ引張試験を経た前記光ファイバーを巻取デバイス(21)へ送り渡す、インライン引張試験装置である、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記装置は、第1巻取デバイス(22)から光ファイバー(11)を受け入れ、受け入れられ引張試験を経た前記光ファイバー(11)を第2巻取デバイス(23)へ送り渡す、オフライン引張試験装置である、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
光ファイバーの引張試験のための方法であって、
デュアルプーリー(6、6’)の第1円周面(7)と当該第1円周面(7)に接触する第1駆動ベルト部分(2、32、52)とによって境界を定められるファイバー入口(10)の中へ光ファイバー(11)を受け入れる工程と、
前記ファイバー入口(10)からの前記光ファイバーをガイド(12、12’)経由でファイバー出口(13)へ送り渡す工程と、
前記デュアルプーリー(6、6’)の前記第1円周面(7)の直径(D1)より大きい直径(D2)を有する第2円周面(8)と当該第2円周面(8)に接触する第2駆動ベルト部分(3、33、53)とによって境界を定められる前記ファイバー出口(13)の中へ前記光ファイバーを受け入れる工程と、
前記第1駆動ベルト部分(2、52)及び前記第2駆動ベルト部分(3、53)を1つの単一駆動ユニット(24、54)で回転させる工程と、
試験を経た前記光ファイバーを前記ファイバー出口から送り渡す工程と、
を備えていることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、光ファイバーの引張試験に関する。その様な引張試験は、製造された光ファイバーの強度が所定の要件を満たすことを保証するために決まって実施されるものである。
【背景技術】
【0002】
[0002]光ファイバーの引張試験のための解決策は、光ファイバーを引取デバイスで引いて使用されている試験装置のファイバー経路を通してゆくものがこれまでに知られている。この試験装置では、光ファイバーの先導端と追従端の間に速度差が発生する。その速度差のせいで光ファイバーには内部応力又張力が発生する。万一、光ファイバーが要件を満たしていなければ、光ファイバーは試験中に破断する。
【0003】
[0003]これまでに知られている解決策に付きまとう問題は、引張試験を実施するために必要である試験装置が比較的複雑であり、そのため引張試験によって生じる費用が不必要に高くつく、ということである。
【0004】
[0004]加えて、光ファイバーが試験中に破断すれば、光ファイバーの残りの未試験部分にファイバー経路を縫うように通過させてゆくことが必要であり、そうした末にようやく引張試験を再開できるようになる。その様な、縫うように通過させてゆくことは、比較的緩慢で煩わしい手作業による工程である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[0005]本発明の目的は、上述の欠点を解消し、光ファイバーの引張試験のための解決策として、試験手順を簡素化するとともに迅速化して関連費用を最小限に抑えることのできる効率的な解決策を提供することである。これを、独立請求項1による引張試験のための装置及び独立請求項12による引張試験のための方法を用いて実現する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0006]異なる直径を有する第1円周面及び第2円周面を、当該第1円周面及び当該第2円周面にそれぞれ接触する第1駆動ベルト部分及び第2駆動ベルト部分と組み合わせて備えるデュアルプーリーの使用が、簡素な試験手順を得ることを可能にして光ファイバーの効率的な試験を円滑化すると同時に試験中に起こり得る光ファイバーの破断に容易に対処できるようにする。
【0007】
[0007]以下に本発明を一例として添付図面を参照しながらより詳細に説明してゆく。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】[0008]図1は、引張試験の第1の実施形態を描いている。
図2】[0008]図2は、引張試験の第1の実施形態を描いている。
図3】[0008]図3は、引張試験の第1の実施形態を描いている。
図4】[0009]図4は、或る代わりのデュアルプーリーを描いている。
図5】[0010]図5は、インライン引張試験を描いている。
図6】[0011]図6は、オフライン引張試験を描いている。
図7】[0012]図7は、引張試験の第2の実施形態を描いている。
図8】[0013]図8は、図7のベルトの断面を描いている。
図9】[0014]図9は、引張試験の第3の実施形態を描いている。
図10】[0015]図10は、引張試験の第4の実施形態を描いている。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0016]図1から図3は、光ファイバーの引張試験のための引張試験装置1及び方法の第1の実施形態を描いている。図1は試験装置1を上から見て描いており、図2は試験装置1の上面図であり、図3図1及び図2のデュアルプーリー6をより詳細に描いている。
【0010】
[0017]実際に無端の光ファイバーの連続試験に適している試験装置1は、ベルトプーリー4の周りを並んで動く第1駆動ベルト部分2及び第2駆動ベルト部分3を備えている。図1から図3の実施形態では、一例として、第1駆動ベルト部分2と第2駆動ベルト部分3が2つの異なる駆動ベルトの駆動ベルト部分であるものと仮定している。プーリー4の数は実施形に依存して変えることもできる。描かれている実施例では、一例として、各駆動ベルト部分2及び3は2つのプーリー4の周りを回転するものと仮定している。加えて、各駆動ベルト部分2及び3は、単数又は複数の駆動ベルトの張りを調節するためにプーリー4に対して(図1では垂直方向に)動かすことのできる調節プーリー5に接触する。
【0011】
[0018]装置1は、更に、デュアルプーリー6を備えている。この実施形態では、デュアルプーリー6は、第1直径D1を有する第1円周面7と第2直径D2を有する第2円周面8を備える1つの単一プーリーとして実装されている。第2直径D2は第1直径D1より大きい。例えば電気モーターを備える単一の駆動ユニット24がデュアルプーリー6を回転させる。
【0012】
[0019]第1駆動ベルト部分2はデュアルプーリー6の第1円周面7と整列され、第1駆動ベルト部分2はそれがデュアルプーリー6と共に回転するように第1円周面7に接触する。第1駆動ベルト部分2と第1円周面7は一体でファイバー入口10の境界を定め、光ファイバー11は引張試験に向けて当該入口10の中へ受け入れられる。
【0013】
[0020]デュアルプーリー6から或る距離にガイド12が配列されている。この距離は、ガイド12とデュアルプーリー6の間の相互運動を防止することによって一定に保たれている。図1から図3の実施形態では、ガイド12は自由に回転するプーリーを備えており、当該プーリーの周りに光ファイバー11が渡される。ガイド12の自由に回転するプーリーは、光ファイバー11をファイバー入口10から受け入れるためにデュアルプーリー6の第1円周面7と整列され、光ファイバー11をファイバー出口13へ送り渡すために第2円周面8と整列される。
【0014】
[0021]第2駆動ベルト部分3はデュアルプーリー6の第2円周面8と整列され、第2駆動ベルト部分3はそれがデュアルプーリー6と共に回転するように第2円周面8に接触する。第2駆動ベルト部分3と第2円周面8は一体でファイバー出口13の境界を定め、光ファイバー11は引張試験後に当該出口13から送り渡される。
【0015】
[0022]図及び以上の解説から明らかな様に、デュアルプーリー6の第1円周面7の直径D1と第2円周面8の第2直径D2には差がある(D1<D2)。デュアルプーリー6が回転しているとき、光ファイバーが第1駆動ベルト部分2及び第2駆動ベルト部分3という手段によって強制的にこれらの円周面の両方と接触させられてゆくことでファイバー入口10とファイバー出口13の間に速度差が起こる。この速度差は光ファイバーに張力又は内部応力を発生させ、光ファイバー11に十分な強度がないなら、やがては光ファイバーを破断させることになる。得られる張力の量は、第1円周面7と第2円周面8の間の直径差に依存しており、従って試験される光ファイバー向けに適した寸法のデュアルプーリーを選択することによって調節することができる。
【0016】
[0023]試験中に光ファイバーが破断することがあれば、その様な破断は典型的には光ファイバー11のその瞬間にガイド12のラインプーリー上に又はラインプーリーとデュアルプーリー6の間に位置している部分14で起こり、というのも試験中は光ファイバーの張力がこの部分14で最も高くなっているからである。その場合、破断後に光ファイバー11の新たな先導端がファイバー入口10に捕えられたままになっていて、第1駆動ベルト部分2と第1円周面7との接触に依りその場に引き留められている。これは、保守職員が新たな先導端を掴み、それをガイド12のラインプーリーを経由して第2駆動ベルト部分3と第2円周面8の間のファイバー出口13へ案内することを極めて簡単に素早く行えるようにし、その後、装置1による張力試験を再び続けることができる。
【0017】
[0024]描かれている実施例では、第1駆動ベルト部分2及び第2駆動ベルト部分3は、デュアルプーリー6に回転するように仕向ける1つの単一駆動ユニット24によって駆動される。その様な解決策は、駆動ユニットがたった1つしかないせいで費用が最小限に抑えられ、しかも、例えば数個の別々の駆動ユニットの回転速度を同期させる必要を回避できるということで、極めて簡素でしかも費用効果の高い引張試験装置を得ることを可能にする。
【0018】
[0025]描かれ以上に解説されている試験の解決策を使用することによって得られる利点は、ファイバー11が装置1内で動き始めるや実際にすぐさま有効な引張試験が始まる、ということである。これは、引張試験が何らの特定のライン速度も要件とせず代わりにファイバーが装置内でなおも加速している間に既に有効な引張試験が起こることで実現される。
【0019】
[0026]一部の実装では、試験中の光ファイバーの張力を指し示す測定結果を得るために、張力測定デバイス15がガイド12の自由に回転するラインプーリーと接続して配列されていてもよい。但し張力測定デバイス15は全ての実施形態で必須であるとは限らず、というのも、第1円周面及び第2円周面にとって適した直径D1及びD2を選択することによって、光ファイバーの張力を、光ファイバーが破断しなければ光ファイバーは試験に合格したと保証できるに足る高いレベルまで引き上げることができるからである。
【0020】
[0027]図4は、図1及び図2の装置でデュアルプーリー6の代わりに利用することのできる代わりのデュアルプーリー6’を描いている。
[0028]先の実施形態と同様に、デュアルプーリー6’は、第1直径D1を有する第1円周面7及び第2直径D2を有する第2円周面8を備えており、第2直径D2は第1直径D1より大きい。
【0021】
[0029]図4の実施形態では、デュアルプーリーは、2つの別々の同軸に配列されたプーリー16’及び17’として実装されていて、それらプーリーは同じ回転速度で一体に回転するよう互いへ取り付けられている。1つの代替形は、プーリー16’と17’が図4に描かれている様にボルト18’によって互いへ取り付けられている、というものである。代わりに、プーリー16’と17’は、例えばそれらがどちらもシャフトと同じ速度で回転するように、1つの共通シャフトへ取り付けられていてもよい。
【0022】
[0030]図5は、図1及び図2に描かれている装置1を図3又は図4によるデュアルプーリーと共に利用することによるインライン引張試験を描いている。
[0031]インライン試験とは、この関連では、光ファイバー11が線引きデバイス20によりガラスプリフォーム19から線引きされ、線引きされた光ファイバー11が中間貯蔵無しに引張試験装置1へ送り渡される、という解決策を指す。光ファイバー11の貯蔵は光ファイバーが引張試験装置1を通過した後に起こり、当該引張試験装置1が光ファイバーを巻取デバイス21へ送り渡すというわけである。
【0023】
[0032]図5は、インライン試験装置の極めて簡略化されたバージョンしか描かれていない。応用上は、他の描かれていないデバイスが、線引きデバイス20での光ファーバー11の処理のために、又は線引きデバイス20と引張試験装置1の間の位置又は引張試験装置1と巻取デバイス21の間の位置での光ファイバー11の処理のために、利用されていることもある。
【0024】
[0033]図6は、図1及び図2に描かれている装置1を図3又は図4によるデュアルプーリーと共に利用することによるオフライン引張試験を描いている。
[0034]オフライン試験とは、この関連では、事前に製造された光ファイバー11が第1の巻取デバイス22上に貯蔵されている、という解決策を指す。試験時、光ファイバーは第1巻取デバイス22から巻き出され引張試験装置1へ送り渡される。試験される光ファイバー11は、続いて、引張試験装置1から貯蔵用の第2巻取デバイス23へ送り渡される。
【0025】
[0035]図7及び図8は引張試験の第2の実施形態を描いている。図7及び図8に描かれている実施形態は、図1から図3に関連して解説されている実施形態に極めて似ている。従って、主にこれらの実施形態の間の相違を指摘することによって図7及び図8の実施形態を解説してゆく。
【0026】
[0036]図7に描かれている装置31では、第1駆動ベルト部分32と第2駆動ベルト部分33は1つの単一駆動ベルト34のベルト部分である。その様な解決策を実装できるようになる1つの代替形は、図8に描かれている駆動ベルト34を利用するというものである。
【0027】
[0037]図8は無端駆動ベルト34の断面を描いている。ここでは、デュアルプーリー6(或いは、図4に描かれているデュアルプーリーが利用されている場合は6’)の第1円周面7と接触することになる第1駆動ベルト部分32が、デュアルプーリー6(或いは6’)の第2円周面8と接触することになる第2駆動ベルト部分33より厚肉であることが見てとれる。加えて、第1駆動ベルト部分32は、第1駆動ベルト部分と第2駆動ベルト部分33の間の一時的な相互変位を許容する可撓性の中間部35を介して、第2駆動ベルト部分33と接続されていてもよい。これは、第1駆動ベルト部分32と第2駆動ベルト部分33が異なる直径D1及びD2を有する第1円周面7及び第2円周面8に沿って走行している間のそれらベルト駆動部分間の速度差を補償することを可能にする。
【0028】
[0038]図9は引張試験の第3の実施形態を描いている。図9に描かれている実施形態は、図1から図3に関連して及び図7図8に関連して解説されている実施形態に極めて似ている。従って、主にこれらの実施形態の間の相違を指摘することによって図9の実施形態を解説してゆく。
【0029】
[0039]図9の実施形態では、引張試験装置41で光ファイバーの部分14をファイバー入口10からファイバー出口13へ案内するのに使用されているガイド12’は、先の実施形態での様にプーリーを有していない。代わりに、ガイドは、光ファイバーがファイバー入口10からファイバー出口13へ案内されるようなやり方で光ファイバーに接触する、適所に穴を有する板の様な、非回転部として実装されている。
【0030】
[0040]図10は引張試験の第4の実施形態を描いている。図10に描かれている実施形態は、図1から図3に関連して及び図7図8に関連して解説されている実施形態に極めて似ている。従って、主にこれらの実施形態の間の相違を指摘することによって図10の実施形態を解説してゆく。
【0031】
[0041]図10の実施形態では、引張試験装置51の第1駆動ベルト部分52と第2駆動ベルト部分53は、異なる駆動ベルトの駆動ベルト部分であり、これらの駆動ベルトは、デュアルプーリー6(或いは、図4に描かれているデュアルプーリーが利用されている場合は6’)の互いに反対側に配列されている。
【0032】
[0042]加えて、この実施例では、デュアルプーリー6(又は6’)は自由に回転しており、言い方を変えればデュアルプーリー6を駆動する駆動ユニットは存在しないということである。代わりに、光ファイバー11をファイバー出口13から引き取るために単一駆動ユニット54が1つ提供されている。駆動ユニットは、光ファイバーを一回巻き取る追加のプーリーとして、及び、例えばこの追加のプーリーを回転させるように配列される電気モーターとして、実装されていてもよい。
【0033】
[0043]以上の説明及び添付図は本発明を例示することのみを意図したものであると理解されたい。本発明は特許請求の範囲による範囲から逸脱することなく変更及び修正され得ることが当業者には自明であろう。
【符号の説明】
【0034】
1 引張試験装置
2 第1駆動ベルト部分
3 第2駆動ベルト部分
4 ベルトプーリー
5 調節プーリー
6、6’ デュアルプーリー
7 第1円周面
8 第2円周面
10 ファイバー入口
11 光ファイバー
12、12’ ガイド
13 ファイバー出口
14 光ファイバーの部分
15 張力測定デバイス
16’、17’ プーリー
18’ ボルト
19 ガラスプリフォーム
20 線引きデバイス
21 巻取デバイス
22 第1巻取デバイス
23 第2巻取デバイス
24 駆動ユニット
31 引張試験装置
32 第1駆動ベルト部分
33 第2駆動ベルト部分
34 単一の駆動ベルト
35 可撓性の中間部
41 引張試験装置
51 引張試験装置
52 第1駆動ベルト部分
53 第2駆動ベルト部分
54 駆動ユニット
D1、D2 直径
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10