【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の課題は、請求項1に記載された特徴を有するサージ防護素子において、絶縁性分離素子が、次のように構成されていることによって解決される。すなわち、導電性接続素子の第1の終端部と、サージ制限構成素子の第1の端子との間の電気的な接続の解除時に発生する電弧が、少なくとも部分的に閉じられているチャンバ内へ移動されるように構成されていることによって解決される。絶縁性分離素子による電弧のこの変位によってはじめに、電弧の長さが増長され、これによって、電弧燃焼電圧、すなわち、電弧の保持に必要な電圧が高まる。さらに、電弧によって、導電性接続素子の第1の終端部と、サージ制限構成素子の第1の端子との間の領域に存在しているプラズマも、コンタクト間の領域から移動される。したがって、絶縁性分離素子の運動によって生じる、ガイドされた、コンタクト間の領域からのプラズマの排出が生じ、これは同様に、電弧燃焼電圧の上昇へとつながる。これによって、導電性接続素子とサージ制限構成素子の端子と間の接続の開放時に、に発生する電弧が消去され、電弧の新たな点弧が確実に阻止される。
【0011】
絶縁性分離素子を、自身の第1の位置から自身の第2の位置へと移動させる力は、例えば、ばね素子によって生成され得る。このためにばね素子が、分離素子と接続されている、もしくは分離素子に結合されている。これに対して、選択的に、この力が、膨張性の材料によって調達されてもよく、この材料は、特定の温度に達すると広がり、これによって、絶縁性分離素子が自身の第1の位置から自身の第2の位置へと移動する。
【0012】
冒頭に記載されているように、サージ防御素子の通常状態では、導電性接続素子の第1の終端部は、サージ制限構成素子の第1の端子と導電性接続されている。接続素子のこの終端部と、サージ制限構成素子のこの端子との間の接触接続部は、ここでは、例えば、貫通接続部として形成されていてよい。このために、接続素子が、相応にプリロードされていてよい、または、力、例えばばねの力によって、サージ制限構成素子の端子に押しつけられていてよい。サージ制限構成素子の臨界的な状態では、次に、接続が解除される。これは、少なくとも、導電性接続素子の第1の終端部が、サージ制限構成素子の端子から離れるように動かされることによって行われる。サージ制限構成素子の臨界的な状態を、例えば、電流測定または温度測定によって確認することができる。
【0013】
しかし、有利には、この接続は、熱によって解除される接続として構成されており、これはサージ制限構成素子の温度が境界温度を超えると解除され、したがって、これは、熱的な分離装置である。従来技術においては通常であるように、本発明に係るサージ防護素子でも、熱によって解除される接続は、有利には、はんだ接続によって実現される。サージ制限構成素子すなわちサージアレスタが、継続的な過負荷に基づいて、著しく強く加熱され、所定の境界温度を超える場合には、サージアレスタの端子と導電性接続素子との間のはんだ接続の溶解が起こる。さらに、絶縁性分離素子が、力によって、有利には、少なくとも1つのばね素子の力によって、サージアレスタの端子と、導電性接続素子の割り当てられている終端部との間で動かされる。
【0014】
本発明に係るサージ防護素子の第1の有利な実施形態では、絶縁性分離素子は、可動に、ハウジング内に配置されており、このハウジングの容積は、分離素子の体積よりも大きい。すなわち、ハウジングの内部は、部分的にしか、絶縁性分離素子によって満たされない。サージ防護素子の通常状態において絶縁性分離素子が配置されていないハウジング内の領域は、ここで、チャンバを形成する。このチャンバ内へ、導電性接続素子の第1の終端部とサージ制限構成素子の第1の端子との間の電気的な接続の分離時に発生する電弧が、分離素子によって移動される。さらに、複数の部分から成り得るこのハウジングは開口部を有しており、この開口部を通じて、サージ防護素子の通常状態において、導電性接続素子の第1の終端部が、サージアレスタの第1の端子と導電性接続されている。
【0015】
本発明に係るサージ防護素子では、絶縁性分離素子が、自身の第1の位置から、自身の第2の位置へと運動することによって、導電性接続素子とサージ制限構成素子との間の接続が解除されるだけではなく、ハウジング内のチャンバ内への電弧の変位も生じる。導電性接続素子の第1の終端部と、サージアレスタの第1の端子との間の接続解除時には、コンタクトの領域内に存在しているプラズマも、ハウジング内のチャンバ内へ押し込まれる。このために、サージ制限構成素子の第1の端子の方を向いている、絶縁性分離素子の端面は、種々に構成されていてよく、例えばくさび形または漏斗の形を有していてよい。
【0016】
本発明のある構成では、絶縁性分離素子は開口部を有しており、この開口部を通じて、サージ防護素子の通常状態において、導電性接続素子の第1の終端部が、サージアレスタの第1の端子と導電性接続されている。絶縁性分離素子内の開口部はここでは、ハウジング内の開口部に対して一致するように形成されている。したがって、サージ防護素子の通常状態では、導電性接続素子の第1の終端部は、ハウジング内の開口部を通って、および絶縁性分離素子内の開口部を通って延在し、有利には、熱によって解除される接続を介して、例えばはんだ接続を介して、サージアレスタの端子と接続されている。
【0017】
本発明に係るサージ防護素子の有利な構成では、ハウジングは、チャンバの領域において排出開口部を有しており、この排出開口部を介して、分離素子によってハウジング内へ押し込まれたプラズマが流れ出ることができる。これによって有利には、プラズマはコントロールされて、ハウジングから抜け出ることができ、これによって、電弧の新たな点弧の虞がさらに低減される。さらに、ハウジング内の排出開口部によって次のことが保証される。すなわち、絶縁性分離素子が、自身の第1の位置から自身の第2の位置へと動かされ、これによってプラズマがハウジング内へ押し込まれる場合に、ハウジング内の圧力が過度に大きくならない、ということが保証される。これによって、ハウジングの損傷が阻止される。排出開口部は、ここで有利には、自身の第1の位置から自身の第2の位置へと分離素子が移動される場合に、分離素子が近づいていく、ハウジングの壁部内に位置する。
【0018】
本発明の別の特に有利な構成では、絶縁性分離素子内に、少なくとも1つのチャネルが形成されており、このチャネルは、チャンバの方を向いている側で開放されている。したがって、絶縁性分離素子は、一種の中空体として形成されている。この絶縁性分離素子は、導電性接続素子の第1の終端部と、サージ制限構成素子の第1の端子との間の接続が解除された後に、自身の第1の位置から自身の第2の位置へと移動され、したがって、ここでは、閉じられている分離素子の場合のように、発生している電弧が、ハウジング内のチャンバ内へ押し込まれる。ここで、プラズマの一部も、ハウジング内のチャンバ内へ押し込まれ、また、プラズマの別の部分は、分離素子内のチャネルにおいて、分離素子の運動方向とは反対に流れる。
【0019】
これによっても、導電性のプラズマは、効果的に、開放されているコンタクト間の領域から排出される。
【0020】
このような構成のある変形では、ハウジング内に、ウェブまたは分離壁が形成されている。これは絶縁する分離素子の運動方向に延在しており、したがって、このウェブもしくは分離壁によって、ハウジング内のチャンバが、2つの部分チャンバに分けられる。絶縁性分離素子が、自身の第1の位置から自身の第2の位置へ移動されると、ウェブもしくは分離壁は、分離素子内のチャネル内に埋没する。ここで、この絶縁性分離素子内には、複数のチャネルが形成され、かつ、ハウジング内に相応して複数のウェブまたは分離壁が形成されていてよい。したがって、ハウジング内には相応して、複数の部分チャンバが形成されている。ハウジングは、この場合にはチャンバ状の構造を有している。
【0021】
絶縁性分離素子が、自身の第1の位置から自身の第2の位置へと分離素子が運動する際にプラズマがその中へ流れ込む少なくとも1つのチャネルを有している場合、分離素子は有利には少なくとも1つの排出開口部を有しており、この排出開口部を通じて、プラズマが、絶縁性分離素子から流れ出ることができる。この排出開口部は、ここで、例えば、チャンバとは反対側に位置する側で、絶縁性分離素子内に形成されていてよい。したがって、分離素子内に形成されているチャネルは、この排出開口部を介して、ハウジングの内部と接続されており、ここで、このハウジングは、有利には同様に、排出開口部を有している。これは、分離素子内の排出開口部に対向して配置されていてよい、または、別の側壁に配置されていてもよい。サージ防護素子のこのような構成の場合、プラズマは、絶縁性分離素子の運動方向とは反対の方向に、分離素子内のチャネルを通って流れ、ハウジング内の排出開口部を介して、コントロールされて、ハウジングから抜け出ることができる。
【0022】
ハウジングの内壁と、絶縁性分離素子の外壁との間に、排出チャネルが形成されていてよく、この排出チャネルを通って、プラズマが分離素子内のチャネルから、分離素子内の排出開口部を通って、ハウジング内の排出開口部へと流れることができる。ここで、高温のプラズマの冷却をさらに高めるために、排出チャネル内に、流れ出るプラズマを冷却するための媒体が配置されていてよい。これは有利には、プラズマの流れを緩和するためにも用いられる。ここでは、これは例えば、ハニカム構造を有する材料のことであり、これは高い多孔性を有している。同様に、これが、粒子状の材料、例えば砂または砂利であってもよい。
【0023】
絶縁性分離素子が可動にハウジング内に配置されている実施形態では、絶縁性分離素子とハウジングとは、次のように相互に調整されている。すなわち、ハウジングの内部空間の横断面が、分離素子の横断面よりも僅かにだけ大きいように、相互に調整されている。これによって、ハウジングの内壁と、絶縁性分離素子の外壁との間に、その中で電弧が広がり得る相対的に狭い間隙のみが生じる。これによって、間隙内の圧力が高くなり、これは、電弧燃焼電圧を高くさせる。さらにハウジングおよび/または絶縁性分離素子が少なくとも部分的に、気体発生性の材料から成る場合、これによってさらに、絶縁性分離素子とハウジングの内壁との間の間隙における電弧が、放出する材料によって吹き流され、これによって冷却される。これも、電弧の故意の消去を促進させる。
【0024】
ハウジングと絶縁性分離素子とが、場合によっては発生する高い温度または高い圧力を確実に保つために、ハウジングと、有利には絶縁性分離素子も、機械的かつ熱的に安定している材料から成り、有利には繊維強化された材料から成る。
【0025】
分離素子の横断面へのハウジングの内部空間の調整によってさらに、絶縁性分離素子は、自身の第1の位置からハウジング内の自身の第2の位置への自身の運動時に、案内される。さらに、絶縁性分離素子とハウジングの内壁との間に、ガイド部分が形成されていてよく、これは例えばガイドリップおよびガイド溝の形態であり、これらは相互に一致するように、絶縁性分離素子に、もしくはハウジング内に形成されている。
【0026】
上述したように、本発明に係るサージ防護素子は、少なくとも1つの絶縁性分離素子を有しており、これは相応に形成されていてよい。本発明のある構成では、サージ防護素子が有している分離素子は1つではなく、複数個であり、これらはそれぞれ、サージ制限構成素子の第1の端子に対して可動に配置されており、有利には、力が加えられており、この力によって、これらの分離素子はそれぞれ、第1の位置から第2の位置へ移動可能である。
【0027】
サージ防護素子が、複数の絶縁性分離素子を有している場合には、有利には、各分離素子は、ハウジング内にまたはハウジング部分内に可動に配置されており、ここで、各ハウジングまたは各ハウジング部分は開口部を有しており、これらの開口部同士は次のように、相互に配置されている。すなわち、サージ防護素子の通常状態において、導電性接続素子の第1の終端部がこれらの開口部を通して、サージアレスタの第1の端子と導電性接続されているように相互に配置されている。したがって、個々の絶縁性分離素子は一種の直列回路を形成し、したがって、個々の分離素子は、接続が解除された後にそれぞれ、自身の第2の位置に動かされ、ここでは、分離素子は、導電性接続素子の第1の終端部と、サージ制限構成素子の第1の端子との間に配置されている。サージ防護素子が例えば2つの絶縁性分離素子を有している場合、接続解除状態において、2つの絶縁性分離素子は、導電性接続素子の第1の終端部とサージアレスタの第1の端子との間に配置されている。
【0028】
有利には、ここで、サージ防護素子の通常状態において、少なくとも2つの絶縁性分離素子が、実質的に、サージ制限構成素子の第1の端子の異なる側に、これらの分離素子の運動方向が相互に逆であるように配置されている。実質的に第1の端子の異なる側に配置されている、とは、ここでは、次のことを意味している。すなわち、少なくとも、これらの絶縁性分離素子の大きい方の部分が、異なる側に配置されている、ということを意味している。したがって、絶縁性分離素子の小さい方の部分が、第1の端子の同じ側に配置されていてもよく、例えば、これは、分離素子内にそれぞれ1つの開口部が形成されている場合である。この開口部を通じて、サージ防護素子の通常状態において、接続素子の第1の終端部が第1の端子へと延びる。この種の分離素子は、したがって、通常状態において、第1の端子の両側に延在しており、しかし、ここでは大きい方の部分は、端子の片方の側に配置されている。
【0029】
サージ防護素子が2つの絶縁性分離素子を有している場合、これは例えば次のことを意味している。すなわち、サージ防護素子の通常状態において、第1の分離素子が、サージ制限構成素子の端子の左側に配置されており、第2の分離素子が、サージ制限構成素子の端子の右側に配置されていることを意味している。接続解除時には、次に、第1の分離素子は自身のハウジング内で、左から右へと動かされ、第2の分離素子は自身のハウジング内で、右から左へと動かされる。これによって、熱による接続の解除時に発生する電弧の長さがさらに増長され、プラズマが、絶縁性分離素子によって、対向する方向において、2つのチャンバ内へ押し込まれる。
【0030】
絶縁性分離素子に関連して上述した、分離素子もしくはハウジングの有利な構成は、それぞれ、次の場合にも実現可能である。すなわち、サージ防護素子が複数の絶縁性分離素子と、複数のハウジングもしくは複数のハウジング部分を有している場合である。例えば、ハウジング内もしくはハウジング部分内にそれぞれ1つの排出開口部が形成されていてよく、したがって、プラズマは、これらの排出開口部を通って、異なる方向において、ハウジングから、コントロールされて、抜け出ることができる。個々のハウジングは有利には直接的に相互に隣接して配置されており、したがって、ハウジングの内部空間はそれぞれ、分離壁のみによって相互に分離されている。ここで、この分離壁は、導電性接続素子の第1の終端部に対する開口部によって中断されている。個々のハウジングが、相互に、固定的に、共通のハウジングに接続されていてもよい。したがって、この1つのハウジングは、複数のハウジング部分を有している。この場合には、これらのハウジング部分内に、個々の分離素子に対して、それぞれ1つの相応するチャンバが形成されている。
【0031】
本発明に係るサージ防護素子の別の実施形態では、絶縁性分離素子内に少なくとも1つのチャネルが形成されている。このチャネルは、熱的な接続の解除時に発生する電弧がその中へ移動可能なチャンバとして機能する。チャネルは、ここで、サージ制限構成素子の第1の端子の方を向いている側で開放されており、絶縁性分離素子は次のように、サージ制限構成素子の第1の端子に対して相対的に可動である。すなわち、導電性接続素子の第1の終端部が、分離素子内のチャネルにおける絶縁性分離素子の第2の位置に配置されているように、可動である。
【0032】
本発明に係るサージ防護素子のこの構成では、絶縁性分離素子は、自身の第2の位置において、その全体が、サージ制限構成素子の第1の端子と、導電性接続素子の第1の終端部との間に位置するのではなく、絶縁性分離素子は、自身のチャネルによって、導電性接続素子の第1の終端部を介して移動される。導電性接続素子の第1の終端部は、ここでは、チャネルを画定している下方の壁部によって、サージ制限構成素子の第1の端子から分離されている。絶縁性分離素子が、サージ制限構成素子の第1の端子を通過して動く際に、発生している電弧が、チャンバとして機能するチャネル内へ押し込まれ、これによって、サージ制限構成素子の第1の端子と、導電性接続素子の第1の終端部との間で電弧の長さが増長し、これは通常、電弧の消去につながる。付加的に、コンタクト間の領域内に形成されているプラズマの、コンタクト間のアクティブ領域からの排出も生起される。ここで、絶縁性分離素子は、付加的にさらに、少なくとも1つの排出開口部を有しており、これを通ってプラズマが、分離素子内のチャネルから流れ出ることができる。
【0033】
この実施形態の発展形態では、サージ防護素子の通常状態において、絶縁性分離素子が存在していない、サージ制限構成素子の第1の端子の側に、閉鎖素子が配置されており、この閉鎖素子に、絶縁性分離素子が、自身の第2の位置において、チャネルの開放されている側で当接する。絶縁性分離素子が、自身の第2の位置に存在している場合には、これによって、チャネルの開放されている側が、この閉鎖素子によって閉じられており、したがって、場合によっては依然として発生している電弧が「(縛って)止められる」もしくは「切り離される」。絶縁性分離素子の第2の位置ではこの場合に、導電性接続素子の第1の終端部が完全にカプセル封入され、したがって、接続素子とサージアレスタの第1の端子との間で電弧が新たに点弧されることはない。閉鎖素子は、ここで、貫通する開口部を有しており、導電性接続素子はこの開口部を通って延在するので、閉鎖素子は、接続素子に対する保持部としても用いられる。
【0034】
本発明に係るサージ防護素子においてサージ制限構成素子が、突出している第1の端子を有している場合、最後に記載した実施形態の別の構成では、絶縁性分離素子内に第2のチャネルが形成されており、この第2のチャネルは、第1のチャネルに対して平行に延在している。第2のチャネルは、ここで、次のように形成されている。すなわち、自身の第1の位置から自身の第2の位置への絶縁性分離素子の運動時に、分離素子が、自身の第2のチャネルともに、サージアレスタのこの突出している端子を介して移動されるように形成されている。絶縁性分離素子の第2の位置では、次に、導電性接続素子の第1の終端部は、第1のチャネル内に配置されており、サージアレスタの端子は第2のチャネル内に配置されている。したがって、端子と接続素子とは絶縁性分離素子によって包囲されており、ここで、端子と接続素子とは、分離素子内の異なるチャネル内に位置しており、したがって、これらは相互に分離されており、かつ、電気的に絶縁されている。
【0035】
絶縁性分離素子が、有利には鉛直に、サージアレスタから突出している第1の端子に対して相対的に移動されることを可能にするために、サージアレスタの方を向いている、絶縁性分離素子の下面は、第2のチャネルの領域において開放されている、または第2のチャネルは、自身の下面において、運動方向に延在するスリットを有しており、端子はこのスリット内へ導かれる。
【0036】
第2のチャネルは、ここでは、第1のチャネルと同様に、サージ制限構成素子の第1の端子の方を向いている側で開放されていてよい。この場合にこの絶縁性分離素子は、自身の第1の位置において、分離素子の運動方向において、サージ制限構成素子の第1の端子の隣に配置されている。このような形態では、有利には、2つの閉鎖素子が次のように設けられている。すなわち、絶縁性分離素子が自身の第2の位置にあるときには、2つのチャネルの開放されている側がそれぞれ、閉鎖素子によって閉じられているように設けられている。
【0037】
これに対して、選択的に、絶縁性分離素子が次のように構成されていてもよい。すなわち、サージ制限構成素子の第1の端子が、第2のチャネル内の分離素子の第1の位置に配置されているように構成されていてもよく、ここでは、導電性接続素子の第1の終端部は、サージ制限構成素子の第1の端子に接触接続している。このために、第1のチャンバは、第2のチャンバよりも短く、したがって、絶縁性分離素子の第1の位置では、第1のチャンバが、分離素子の運動方向において、導電性接続素子の第1の終端部の隣に配置されており、また、サージ制限構成素子の第1の端子は第2のチャネル内に配置されている。
【0038】
絶縁性分離素子内に2つのチャネルが形成されているサージ防護素子の構成でも、有利には、サージ防護素子の通常状態において絶縁性分離素子が存在していない、サージ制限構成素子の第1の端子の側に、少なくとも1つの閉鎖素子が配置されており、この閉鎖素子に、絶縁性分離素子が、自身の第2の位置において、チャネルの開放されている側で当接している。
【0039】
別の有利な構成では、絶縁性分離素子は、少なくとも1つの排出開口部を有しており、有利には、絶縁性分離素子の第1の位置において、サージ制限構成素子の第1の端子から間隔が空けられている、第2のチャネルの後方壁において有しており、したがって、プラズマが、排出開口部を通って、コントロールされて、相応するチャネルの内部から流れ出ることができる。これによって、次のことが阻止される。すなわち、絶縁性分離素子が、チャネルの開放されている側が閉鎖素子によって閉鎖されている自身の第2の位置にある場合、絶縁性分離素子内のチャネル内で過度に大きい圧力が形成されてしまうことが阻止される。
【0040】
本発明に係るサージ防護素子の上述した実施例では、1つもしくは複数の絶縁性分離素子は、押出し機として形成されている。したがって、1つもしくは複数の分離素子は、直線的に、第1の位置から第2の位置へと移動される。
【0041】
詳細には、本発明に係るサージ防護素子を構成し、展開させる多数の方法がある。これに関しては、請求項1に続く請求項も、図面に関連した有利な実施例の後続する説明も参照されたい。