(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6463828
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年2月6日
(54)【発明の名称】運転中に個別に入れ替えられる単位電池モジュールを含む燃料電池及び高温水電解用スタックモジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 8/2485 20160101AFI20190128BHJP
H01M 8/2484 20160101ALI20190128BHJP
H01M 8/2475 20160101ALI20190128BHJP
H01M 8/243 20160101ALI20190128BHJP
H01M 8/12 20160101ALI20190128BHJP
H01M 8/023 20160101ALI20190128BHJP
H01M 8/1213 20160101ALI20190128BHJP
H01M 8/1226 20160101ALI20190128BHJP
H01M 8/02 20160101ALI20190128BHJP
H01M 8/0267 20160101ALI20190128BHJP
C25B 1/04 20060101ALI20190128BHJP
C25B 9/00 20060101ALI20190128BHJP
C25B 9/18 20060101ALI20190128BHJP
C25B 15/08 20060101ALI20190128BHJP
C25B 9/04 20060101ALI20190128BHJP
C25B 9/10 20060101ALN20190128BHJP
【FI】
H01M8/2485
H01M8/2484
H01M8/2475
H01M8/243
H01M8/12 101
H01M8/12 102B
H01M8/023
H01M8/1213
H01M8/1226
H01M8/02
H01M8/0267
C25B1/04
C25B9/00 A
C25B9/18
C25B15/08 302
C25B9/04 302
!C25B9/10
【請求項の数】18
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2017-237761(P2017-237761)
(22)【出願日】2017年12月12日
(65)【公開番号】特開2018-107124(P2018-107124A)
(43)【公開日】2018年7月5日
【審査請求日】2017年12月12日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0180030
(32)【優先日】2016年12月27日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2017-0135166
(32)【優先日】2017年10月18日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517434736
【氏名又は名称】コリア インスティチュート オブ セラミック エンジニアリング アンド テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100096091
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 誠一
(72)【発明者】
【氏名】シン・テホ
【審査官】
前田 寛之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2016−192391(JP,A)
【文献】
特表2016−526773(JP,A)
【文献】
特開2016−167388(JP,A)
【文献】
特開2015−53235(JP,A)
【文献】
特開2014−96223(JP,A)
【文献】
特開2002−231275(JP,A)
【文献】
特開2016−29610(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0015277(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/2485
C25B 1/04
C25B 9/00
C25B 9/04
C25B 9/18
C25B 15/08
H01M 8/02
H01M 8/023
H01M 8/0267
H01M 8/12
H01M 8/1213
H01M 8/1226
H01M 8/243
H01M 8/2475
H01M 8/2484
C25B 9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の単位電池モジュール及び前記複数の単位電池モジュールが結合される燃料移送パネルを含み、
前記複数の単位電池モジュールは、それぞれ燃料供給口、空気供給口、燃料排出口及び空気排出口を備えて、
前記燃料移送パネルは、外壁に燃料供給口、燃料排出口、空気供給口及び空気排出口が設けられて、内部に前記燃料供給口及び燃料排出口と連結されている燃料循環配管及び前記空気供給口及び空気排出口と連結されている空気循環配管を備え、
前記単位電池モジュールが燃料移送パネルに結合される場合、単位電池モジュールの燃料供給口及び燃料排出口が、前記燃料循環配管に結合しながら燃料循環配管の連結を切り、同時に切られた燃料循環配管をブリッジさせて燃料が単位電池モジュールの内部を介して循環するようにして、同時に空気供給口及び空気排出口が前記空気循環配管に結合しながら空気循環配管の連結を切り、同時に切られた空気循環配管をブリッジさせて空気が単位電池モジュールの内部を介して循環するようにし、
前記単位電池モジュールが燃料移送パネルから分離される場合、燃料循環配管及び空気循環配管を元通りに復元することを特徴とする、燃料電池及び高温水電解用スタックモジュール。
【請求項2】
複数の単位電池モジュール及び前記単位電池モジュールが固定される複数の単位電池モジュール挿入溝を備えた燃料移送パネルを含み、
前記複数の単位電池モジュールは、一端部に、燃料移送パネルの単位電池モジュール挿入溝に挿入及び分離が可能であり、外壁に燃料供給口、空気供給口、燃料排出口及び空気排出口が形成された管状固定手段を備えて、
前記燃料移送パネルは、外壁に燃料供給口、燃料排出口、空気供給口及び空気排出口を備えて、
前記燃料移送パネルの内部に形成された複数の単位電池モジュール挿入溝は、それぞれ燃料供給口、燃料排出口、空気供給口及び空気排出口を備えて、
前記それぞれ挿入溝の燃料供給口及び空気供給口は、隣接する1つの挿入溝の燃料排出口及び空気排出口とそれぞれ燃料循環配管及び空気循環配管によって連通されて、燃料排出口及び空気排出口は、隣接するもう1つの挿入溝の燃料供給口及び空気供給口とそれぞれ燃料循環配管及び空気循環配管によって連通されて、
燃料移送パネルの全体挿入溝のいずれか挿入溝の燃料供給口及び空気供給口は、燃料移送パネルの外壁の燃料供給口及び空気供給口とそれぞれ燃料循環配管及び空気循環配管によって連通されて、もう1つの挿入溝の燃料排出口及び空気排出口は、燃料移送パネル外壁の燃料排出口及び空気排出口とそれぞれ燃料循環配管及び空気循環配管によって連通され、
前記挿入溝には、単位電池モジュールが挿入されていない状態で、挿入溝に備えた燃料供給口と燃料排出口及び空気供給口と空気排出口をそれぞれ連通されるように連結させる2つの配管を含む配管プレートが具備されて、前記配管プレートは、弾性部材を備えて単位電池モジュールが挿入される場合、圧力によって下方に押されて、単位電池モジュールが分離される場合、弾性によって上昇して、挿入溝に含まれている燃料供給口と燃料排出口及び空気供給口と空気排出口をそれぞれ連通されるように連結させることを特徴とする、燃料電池及び高温水電解用スタックモジュール。
【請求項3】
前記単位電池モジュールは、チューブ型であって、燃料電極、電解質層及び空気電極がこの順または逆順に積層されたチューブ状電極積層体を含むことを特徴とする、請求項2に記載の燃料電池及び高温水電解用スタックモジュール。
【請求項4】
前記チューブ型単位電池モジュールは、前記チューブ状電極積層体を内部に収容する外部チューブをさらに含むことを特徴とする、請求項3に記載の燃料電池及び高温水電解用スタックモジュール。
【請求項5】
前記チューブ型単位電池モジュールは、チューブ状電極積層体の中心部を介して燃料ガスが供給されて、外部チューブを介して空気が供給されることを特徴とする、請求項4に記載の燃料電池及び高温水電解用スタックモジュール。
【請求項6】
前記チューブ型単位電池モジュールは、
前記チューブ状電極積層体の内部に挿入して配置された多孔性支持体チューブをさらに含むことを特徴とする、請求項3に記載の燃料電池及び高温水電解用スタックモジュール。
【請求項7】
前記多孔性支持体チューブは、
中空構造のチューブボディーと、
前記チューブボディーの中空内部の中央部に配置された隔壁と、
前記隔壁と離隔した上側及び下側へチューブボディー12−1の一部をそれぞれ貫通する第1及び第2の開口を有することを特徴とする、請求項6に記載の燃料電池及び高温水電解用スタックモジュール。
【請求項8】
前記多孔性支持体チューブが集電体機能を行うことを特徴とする、請求項6に記載の燃料電池及び高温水電解用スタックモジュール。
【請求項9】
前記外部チューブの外部または内部には熱線をさらに備えることを特徴とする、請求項4に記載の燃料電池及び高温水電解用スタックモジュール。
【請求項10】
前記外部チューブまたは燃料電池支持体チューブの内部には、熱電対をさらに備えることを特徴とする、請求項4に記載の燃料電池及び高温水電解用スタックモジュール。
【請求項11】
前記チューブ型単位電池モジュールは、
前記チューブ状電極積層体及び外部チューブの一端部をカバーして、燃料供給口及び空気供給口を備えた第1キャップ;
前記チューブ状電極積層体及び外部チューブの他端部をカバーして、燃料排出口及び空気排出を備えた第2キャップ;
一面に前記第1キャップが固定されて、他面に管状固定手段が固定された固定プレート:及び、
前記第1キャップの燃料供給口と管状固定手段の燃料供給口を連結する第1配管、第1キャップの空気供給口と管状固定手段の空気供給口を連結する第2配管、第2キャップの燃料排出口と管状固定手段の燃料排出口を連結する第3配管、及び第2キャップの空気排出口と管状固定手段の空気排出口を連結する第4配管を含む配管部;をさらに含むことを特徴とする、請求項4に記載の燃料電池及び高温水電解ヨングスタックモジュール。
【請求項12】
前記第1配管ないし第4配管は、前記プレートを貫通して連結されることを特徴とする、請求項11に記載の燃料電池及び高温水電解用スタックモジュール。
【請求項13】
前記固定プレートには、電気配線コネクト端子が管状固定手段の側部に燃料移送パネルに挿脱可能に突き出て設けられて、
前記燃料電極から延びる電気配線及び空気電極から延びる電気配線が前記電気配線コネクト端子の個別端子に連結されて、
前記燃料移送パネルの単位電池モジュール挿入溝それぞれの側部には、前記電気配線コネクト端子が挿入される電気配線コネクト端子収容溝をさらに備えたことを特徴とする、請求項11に記載の燃料電池及び高温水電解用スタックモジュール。
【請求項14】
前記燃料移送パネルの内部の電気配線コネクト端子収容溝は、電気配線により相互連結されていることを特徴とする、請求項11に記載の燃料電池及び高温水電解用スタックモジュール。
【請求項15】
前記固定プレートには、単位電池モジュールをカバーできる単位電池モジュールハウジングをさらに備えたことを特徴とする、請求項11に記載の燃料電池及び高温水電解用スタックモジュール。
【請求項16】
前記管状固定手段の外壁に形成された燃料供給口、空気供給口、燃料排出口及び空気排出口にはシーリング部材をさらに備えて、
燃料移送パネルの内部に形成された複数の単位電池モジュール挿入溝に備えた燃料供給口、燃料排出口、空気供給口及び空気排出口には、シーリング部材をさらに備えることを特徴とする、請求項2に記載の燃料電池及び高温水電解用スタックモジュール。
【請求項17】
前記燃料電池及び高温水電解用スタックモジュールは、多様な出力密度性能を有する単位電池モジュールを含むことを特徴とする、請求項2に記載の燃料電池及び高温水電解用スタックモディユル。
【請求項18】
複数の単位電池モジュール及び前記複数の単位電池モジュールが結合される燃料移送パネルを含み、
前記複数の単位電池モジュールは、それぞれ燃料供給口、空気供給口、燃料排出口及び空気排出口を備えて、
前記燃料移送パネルは、外壁に燃料供給口、燃料排出口、空気供給口及び空気排出口が設けられて、内部に前記燃料供給口及び燃料排出口と連結されている燃料循環配管及び前記空気供給口及び空気排出口と連結されている空気循環配管を備える単位電池モジュールの燃料電池及び高温水電解用スタックモジュールにおいて、
前記単位電池モジュールを燃料移送パネルに結合させる場合、単位電池モジュールの燃料供給口及び燃料排出口を前記燃料循環配管に結合して燃料循環配管の連結を切り、同時に切られた燃料循環配管をブリッジさせて燃料が単位電池モジュールの内部を介して循環するようにして、同時に空気供給口及び空気排出口を前記空気循環配管に結合して空気循環配管の連結を切り、同時に切られた空気循環配管をブリッジさせて空気が単位電池モジュールの内部を介して循環するようにし、
前記単位電池モジュールを燃料移送パネルから分離する場合、燃料循環配管及び空気循環配管を元通りに復元することを特徴とする、単位電池モジュールの燃料移送パネルに対する結合及び分離方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転中に個別に入れ替えられる単位電池モジュールを含む燃料電池及び高温水電解用スタックモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池(Fuel Cell)は天然ガス、石炭ガス、メタノールなど、炭化水素系物質内に含有されている水素と空気中の酸素を電気化学反応によって電気エネルギーに直接変換させる高効率かつ清浄な発電技術である。かかる燃料電池は、使用される電解質の種類によって大きくアルカリ型(AFC、Alkaline Fuel Cell)、リン酸型(PAFC、Phosphoric Acid Fuel Cell)、溶融炭酸型(MCFC、Molten Carbonate Fuel Cell)、固体酸化物(SOFC、Solid
Oxide Fuel Cell)及び高分子(PEMFC、Polymer Electrolyte Membrane Fuel Cell)燃料電池に分類される。
【0003】
高温水電解のための典型的な装置は、700〜1000℃で作動する固体酸化物燃料電池(SOFC)技術を応用したものであって、固体酸化物電気分解セル(Solid Oxide Electrolyzer
Cell−SOEC)と呼ばれる。すなわち、安定化ジルコニア(zirconia)などを酸素イオン伝導体の電解質として使用して、750℃以上の高温で水蒸気を電解する方法で水素を生産する。
【0004】
燃料電池は、空気極(Cathode)に酸素が供給されて、燃料極(Anode)に水素が供給され、水の電気分解逆反応の形態で電気化学反応が行われながら電気、熱、及び水が発生して、公害を誘発しないながらも高効率の電気エネルギーを生産する。
【0005】
固体酸化物燃料電池は、比較的に電解質の位置制御が容易であり、電解質の位置が固定しているため、電解質の枯渇というリスクがない。また、固体酸化物燃料電池は、耐腐食性が良く素材の寿命が長いという長所により分散発電用、商業用及び家庭用として脚光を浴びている。また、固体酸化物燃料電池は、600〜1000℃位の高温で作動する燃料電池であって、従来の色んな形態の燃料電池のうち一番効率が高くて公害が少ないだけでなく、燃料改質器を必要とせず、複合発電が可能であるという色んな長所を有している。
【0006】
一方、このような固体酸化物燃料電池は、単位セルだけでは電圧を十分に得られないところ、必要によって、スタック形態で単位セルを連結して使用するが、大きくチューブ型と平板型の2つの形態に区分される。チューブ型は、スタックを構成する単位セルの密封が容易であり、熱応力に対する抵抗性が強いとともに、スタックの機械的強度が高くて、大面積製造可能な進歩した技術であり、これに対する技術研究が活発に行われている。
【0007】
しかし、上記のようなチューブ型スタックは、一部の単位セルに問題が生じた場合も燃料電池システムの全体作動を停止させて、スタック全体に対してメンテナンス作業をしなければならないという短所を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2012−0008272号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記のような従来技術の問題を解消するために案出したものであって、運転中にも複数の単位電池モジュールをワンタッチで個別に分離、結合または入れ替れられるように設計されて、燃料電池及び高温水電解用スタックモジュールのメンテナンス費用が安い。また本発明は、1つ以上の単位電池モジュールを燃料移送パネルから分離させる場合も、他の単位電池モジュールを含む燃料電池及び高温水電解スタックモジュールの正常作動が可能であるため、優れた発電効率を提供する。
【0010】
また、複数の単位電池モジュールを集電するにおいて、燃料移送パネルに内蔵した回路を利用して個別に電気的接地が行われるため、単位電池モジュールの個別コントロールが可能であるだけでなく、集電効率も向上させることができる。
【0011】
また、単位電池モジュールを個別にカバーする単位電池モジュールハウジングを装着することで、熱の放出を最小限にすることができるだけでなく、単位電池モジュールの内部に備えた熱線によって単位電池モジュールを個別にコントロールできる燃料電池及び高温水電解用スタックモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、複数の単位電池モジュール及び前記複数の単位電池モジュールが結合される燃料移送パネルを含む。
【0013】
前記複数の単位電池モジュールは、それぞれ燃料供給口、空気供給口、燃料排出口及び空気排出口を備える。
【0014】
前記燃料移送パネルは、外壁に燃料供給口、燃料排出口、空気供給口及び空気排出口が設けられて、内部に前記燃料供給口及び燃料排出口と連結されている燃料循環配管及び前記空気供給口及び空気排出口と連結されている空気循環配管を備える。
【0015】
前記単位電池モジュールが燃料移送パネルに結合される場合、単位電池モジュールの燃料供給口及び燃料排出口が、前記燃料循環配管に結合しながら燃料循環配管の連結を切り、同時に切られた燃料循環配管をブリッジさせて燃料が単位電池モジュールの内部を介して循環する。これと同時に、空気供給口及び空気排出口が前記空気循環配管に結合しながら空気循環配管の連結を切り、同時に切られた空気循環配管をブリッジさせて空気が単位電池モジュールの内部を介して循環するようにする。
【0016】
これによって、前記単位電池モジュールが燃料移送パネルから分離される場合、燃料循環配管及び空気循環配管を元通りに復元することを特徴とする、燃料電池及び高温水電解用スタックモジュールを提供する。
【0017】
また、本発明は、複数の単位電池モジュール及び前記単位電池モジュールが固定される複数の単位電池モジュール挿入溝を備えた燃料移送パネルを含む。
【0018】
前記複数の単位電池モジュールは、一端部に、燃料移送パネルの単位電池モジュール挿入溝に挿入及び分離可能であり、外壁に燃料供給口、空気供給口、燃料排出口及び空気排出口が形成された管状固定手段を備える。
【0019】
前記燃料移送パネルは、外壁に燃料供給口、燃料排出口、空気供給口及び空気排出口を備える。
【0020】
前記燃料移送パネルの内部に形成された複数の単位電池モジュール挿入溝は、それぞれ燃料供給口、燃料排出口、空気供給口及び空気排出口を備える。
【0021】
前記それぞれの挿入溝の燃料供給口及び空気供給口は、隣接する1つの挿入溝の燃料排出口及び空気排出口とそれぞれ燃料循環配管及び空気循環配管によって連通されて、燃料排出口及び空気排出口は、隣接するもう1つの挿入溝の燃料供給口及び空気供給口とそれぞれ燃料循環配管及び空気循環配管によって連通される。
【0022】
燃料移送パネルの全体挿入溝のいずれか挿入溝の燃料供給口及び空気供給口は、燃料移送パネルの外壁の燃料供給口及び空気供給口とそれぞれ燃料循環配管及び空気循環配管によって連通されて、もう1つの挿入溝の燃料排出口及び空気排出口は、燃料移送パネルの外壁の燃料排出口及び空気排出口とそれぞれ燃料循環配管及び空気循環配管によって連通される。
【0023】
前記挿入溝には、単位電池モジュールが挿入されていない状態で、挿入溝に備えた燃料供給口と燃料排出口及び空気供給口と空気排出口をそれぞれ連通されるように連結させる2つの配管を含む配管プレートを備える。前記配管プレートは、弾性部材を備えて単位電池モジュールが挿入される場合、圧力によって下方に押されて、単位電池モジュールが分離される場合、弾性によって上昇して、挿入溝に含まれている燃料供給口と燃料排出口及び空気供給口と空気排出口をそれぞれ連通されるように連結させることを特徴とする、燃料電池及び高温水電解用スタックモジュールを提供する。
【発明の効果】
【0024】
本発明による燃料電池及び高温水電解用スタックモジュールは、運転中にも複数の単位電池モジュールをワンタッチで個別に分離、結合または入れ替えられるように設計されるため、燃料電池及び高温水電解用スタックモジュールのメンテナンス費用が安いし、1つ以上の単位電池モジュールを燃料移送パネルから分離させる場合も、他の単位電池モジュールを含む燃料電池及び高温水電解用スタックモジュールの正常作動が可能であるため、優れた発電効率を提供する。
【0025】
また、本発明による燃料電池及び高温水電解用スタックモジュールは、複数のチューブ型単位電池モジュールを集電するにおいて、燃料移送パネルに内蔵した回路を利用して個別に電気的接地が行われるため、単位電池モジュールを個別にコントロールできるだけでなく、集電効率も向上させる効果を提供する。
【0026】
また、本発明による燃料電池及び高温水電解用スタックモジュールは、チューブ型単位電池モジュールを個別にカバーする単位電池モジュールハウジングを装着することで、熱の放出を最小限にすることができるだけでなく、単位電池モジュールの内部に備えた熱線により、単位電池モジュールを個別にコントロールすることができ、エネルギー効率を最大化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の実施形態による燃料電池及び高温水電解用スタックモジュールを示した図面である。
【
図2】本発明の実施形態によるチューブ型単位電池モジュールを示した図面である。((a):前面図、(b):右側面図)。
【
図3】本発明の実施形態によるチューブ型単位電池モジュールの下部構造を示した斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態による燃料移送パネルの構造を示した斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態による燃料移送パネルに含まれている1つのセルの構造を示した斜視図である。
【
図6】本発明の実施形態による燃料移送パネルに含まれている1つのセルを示した断面図である((a):前面図、(b):右側面図)。
【
図7】本発明の実施形態による燃料移送パネルに含まれている1つのセルにチューブ型単位電池モジュールの管状固定手段が挿入された形態を示した断面図である((a):前面図、(b):右側面図)。
【
図8】本発明の実施形態による燃料電池及び高温水電解用スタックモジュールであって、1つのチューブ型単位電池モジュールが分離された形態を示した図面である。
【
図9】本発明の実施形態によるチューブ型単位電池モジュールの上部構造を示した図面である。
【
図10】本発明の実施形態による燃料電池及び高温水電解用スタックモジュールであって、単位電池モジュールハウジングを備えた形態を示した図面である。
【
図11】本発明の実施形態によるチューブ型単位電池モジュールの結合構造を説明するための図面である。
【
図12】本発明の実施形態によるチューブ型単位電池モジュールの結合構造を説明するための図面である。
【
図13】本発明の実施形態によるチューブ型単位電池モジュールのガス移動経路を説明するための図面である。
【
図14】本発明の実施形態によるチューブ型単位電池モジュールのガス移動経路を説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面を参考して本発明の望ましい実施形態について詳説する。本発明を説明するに先立ち、関連する公知の機能及び構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にすると判断される場合にはその説明を省略する。
【0029】
下記の説明と図面は、説明する装置と方法を当業者が容易に実施できるように特定実施形態を例示する。他の実施形態は、構造的かつ論理的に異なる変形を含む。個別構成要素と機能は、明確に要求されない限り、一般的に選択することができ、過程の順序は変えてもよい。幾つの実施形態の部分と特徴は、他の実施形態に含まれるか他の実施形態に取り替えてもよい。
【0030】
図1は、本発明の実施形態による燃料電池及び高温水電解用スタックモジュールを示した図面であり、
図2は、本発明の実施形態によるチューブ型単位電池モジュールを示した図面で((a):前面図、(b):右側面図)、
図3は、本発明の実施形態によるチューブ型単位電池モジュールの下部構造を示した斜視図である。
【0031】
また、
図4は、本発明の実施形態による燃料移送パネルの構造を示した斜視図であり、
図5は、本発明の実施形態による燃料移送パネルに含まれている1つのセルの構造を示した斜視図で、
図6は、本発明の実施形態による燃料移送パネルに含まれている1つのセルを示した断面図((a):前面図、(b):右側面図)である。
【0032】
また、
図7は、本発明の実施形態による燃料移送パネルに含まれている1つのセルにチューブ型単位電池モジュールの管状固定手段が挿入された形態を示した断面図((a):前面図、(b):右側面図)であり、
図8は、本発明の実施形態による燃料電池及び高温水電解用スタックモジュールであって、1つのチューブ型単位電池モジュールが分離された形態を示した図面で、
図9は、本発明の実施形態によるチューブ型単位電池モジュールの上部構造を示した図面である。
【0033】
図1ないし
図9に示されたように、本発明は、複数の単位電池モジュール10及び前記複数の単位電池モジュール10が結合される燃料移送パネル20を含む。
【0034】
前記複数の単位電池モジュール10は、それぞれ
図2及び
図3に示されたように、燃料供給口11−1、空気供給口11−3、燃料排出口11−2及び空気排出口11−4を備える。
【0035】
前記燃料移送パネル20は、
図4及び
図5に示されたように、外壁に燃料供給口20−1、燃料排出口20−2、空気供給口20−3及び空気排出口20−4が設けられて、内部に前記燃料供給口20−1及び燃料排出口20−2と連結されている燃料循環配管22−1及び前記空気供給口20−3及び空気排出口20−4と連結されている空気循環配管22−2を備える。
【0036】
前記単位電池モジュール10が燃料移送パネル20に結合される場合、単位電池モジュールの燃料供給口20−1及び燃料排出口20−2が前記燃料循環配管22−1に結合しながら燃料循環配管の連結を切り、同時に切られた燃料循環配管をブリッジさせて燃料が単位電池モジュール10の内部を介して循環するようにする。これと同時に、空気供給口20−3及び空気排出口20−4が前記空気循環配管22−2に結合しながら空気循環配管の連結を切り、同時に切られた空気循環配管をブリッジさせて空気が単位電池モジュール10の内部を介して循環するようになる。
【0037】
これによって、本発明の実施形態による燃料電池及び高温水電解用スタックモジュールは、単位電池モジュール10が燃料移送パネル20から分離される場合、燃料循環配管22−1及び空気循環配管22−2を元通りに復元することを特徴とする。
【0038】
前記燃料電池及び高温水電解用スタックモジュールを構成する構成要素についしては、前記記述した技術的特徴を具現できるものであれば、この分野で公知されている技術的構成を制限なく採用することができる。また、下記の具体的な実施形態において記述されるあらゆる内容も適用することができる。
【0039】
本発明において、単位電池モジュールの形態は特に限定されず、この分野で公知されたあらゆる形態を適用することができる。
【0040】
また、本発明の燃料電池及び高温水電解用スタックモジュールにおいて、高温水電解は例えば、固体酸化物燃料電池(SOFC)スタックモジュールを利用して行うことができる。
【0041】
以下において、本発明の燃料電池及び高温水電解用スタックモジュールのさらに具体的な形態を紹介する。本発明は、
図1ないし
図9に示されたように、複数のチューブ型単位電池モジュール10及び前記単位電池モジュール10が固定される複数の単位電池モジュール挿入溝21を備えた燃料移送パネル20を含む。
【0042】
前記複数の単位電池モジュール10は、
図2ないし
図4に示されたように、一端部に、燃料移送パネル20の単位電池モジュール挿入溝21に挿入および分離が可能であり、外壁に燃料供給口11−1、空気供給口11−3、燃料排出口11−2及び空気排出口11−4が形成された管状固定手段11を備える。
【0043】
前記燃料移送パネル20は、
図4及び
図5に示されたように、外壁に燃料供給口20−1、燃料排出口20−2、空気供給口20−3及び空気排出口20−4を備える。
【0044】
前記燃料移送パネル20の内部に形成された複数の単位電池モジュール挿入溝21は、それぞれ燃料供給口21−1、燃料排出口21−2、空気供給口21−3及び空気排出口21−4を備える。
【0045】
それぞれの挿入溝21の燃料供給口21−1及び空気供給口21−3は、隣接する1つの挿入溝21の燃料排出口21−2及び空気排出口21−4とそれぞれ燃料循環配管22−1及び空気循環配管22−2によって連通されて、燃料排出口21−2及び空気排出口21−4は、隣接するもう1つの挿入溝21の燃料供給口21−1及び空気供給口21−3とそれぞれ燃料循環配管22−1及び空気循環配管22−2によって連通される。
【0046】
燃料移送パネル20の全体挿入溝21のいずれか挿入溝21の燃料供給口21−1及び空気供給口21−3は、燃料移送パネル20の外壁の燃料供給口20−1及び空気供給口20−3とそれぞれ配管22によって連通される。そして、もう1つの挿入溝21の燃料排出口21−2及び空気排出口21−4は、燃料移送パネル20の外壁の燃料排出口20−2及び空気排出口20−4とそれぞれ配管22によって連通される。
【0047】
前記挿入溝21には、
図5ないし
図7に示されたように、単位電池モジュール10が挿入されていない状態で、挿入溝21に備えた燃料供給口21−1と燃料排出口21−2及び空気供給口21−3と空気排出口21−4をそれぞれ連通されるように連結させる2つの配管23−1、23−2を含む配管プレート23が具備される。前記配管プレート23は、弾性部材24を備えて、単位電池モジュール10が挿入される場合、圧力によって下方に押されて、単位電池モジュール10が分離される場合、弾性によって上昇して、挿入溝21に含まれている燃料供給口21−1と燃料排出口21−2及び空気供給口21−3と空気排出口21−4をそれぞれ連通されるように連結させることを特徴とする、燃料電池及び高温水電解用スタックモジュールに関する。
【0048】
上記における燃料移送パネル20は、直方体状を有するが、これに制限されるものではなく、様々な形状を適用することができる。このような複数の単位電池モジュール挿入溝21は、複数のチューブ型単位電池モジュール10数と同じ数に設計されることが望ましい。
【0049】
図4では、複数の単位電池モジュール挿入溝21が2×5マトリックス配列に設計されたと示したが、これは例示的なものであり、複数の単位電池モジュール挿入溝21は、設計の目的によって様々な形態に変更して設計することができる。すなわち、複数の単位電池モジュール挿入溝21は、燃料移送パネル20の内部に少なくとも2つ以上が1列以上備える。
【0050】
上記における弾性部材24は、特に限定されず、この分野で公知されたものを制限なく使用することができる。例えば、スプリングなどの弾性部材を使用することができる。
【0051】
上記における燃料循環配管22−1及び空気循環配管22−2は、燃料移送パネル20の内部に挿入して配置される。
【0052】
前記複数のチューブ型単位電池モジュール10は、燃料移送パネル20の挿入溝21に挟んで結合することができる。このように、ワンタッチ型に設計される場合、必要によって、いつでも個別に単位電池モジュール10を結合、分離及び入れ替えが可能であり、メンテナンスが容易であるという構造的な利点を有する。
【0053】
本発明の燃料電池及び高温水電解用スタックモジュールにおいて、燃料としては、この分野で公知されたものを制限なく使用することができ、例えばメタン系ガス、アンモニア系ガス、CO
2ガス、COガスなどを利用することができる。例えば、単位電池モジュール10の内部へCO
2及びCOのうち1種以上のガスが供給されることで、SOFC(solid oxide fuel cell)反応とSOEC(solid oxide electrolyzer cell)反応が可逆的に行われて、この結果、充放電が可能であり、大容量のエネルギーを貯蔵できるようになる。
【0054】
また、燃料としてメタン系、アンモニア系合成ガスが供給される場合、SOFC(solid oxide fuel cell)反応とSOEC(solid oxide electrolyzer cell)を活用して、高温酸素イオン伝導体の電気化学膜反応によってメタン系、アンモニア系合成ガスを生産することができる。
【0055】
本発明の燃料電池及び高温水電解用スタックモジュールは、
図4及び
図8に示されたように、単位電池モジュール10のうち1つ以上を故障などの理由で燃料移送パネル20から分離しなければならない場合も、燃料電池の作動を止めない状態で分離することができるという特徴を有する。
【0056】
すなわち、燃料移送パネル20に結合されている単位電池モジュール10のうち1つ以上が分離されても、単位電池モジュール10が分離された単位電池モジュール挿入溝21は、2つの配管23−1、23−2を含む配管プレート23が弾性によって上昇しながら、燃料供給口21−1と燃料排出口21−2及び空気供給口21−3と空気排出口21−4をそれぞれ連通されるように連結させる。これによって、燃料電池は、残っている単位電池モジュール10によって続けて正常作動できるようになる。
【0057】
また、前記分離された単位電池モジュール10が正常機能を行える場合、燃料電池の作動を止めない状態でも、必要な際にはいつでも分離された単位電池モジュール10を燃料移送パネル20に結合して使用することができる。
【0058】
したがって、本発明の燃料電池及び高温水電解用スタックモジュールは、個別の単位電池モジュール10に対する作動不良が発生する場合も、燃料電池の作動を維持した状態で、単位電池モジュール10の個別メンテナンスを便利に行えるため、メンテナンス費用が安いし、発電効率にとても優れた特徴を有する。
【0059】
本発明の燃料電池及び高温水電解用スタックモジュールにおいて、チューブ型単位電池モジュール10の形態は、上述した機能を行える形態である場合には特に限定されない。
【0060】
前記チューブ型単位電池モジュール10の形態を具体的に例えて説明すると、
図9に示されたとおりである。前記チューブ型単位電池モジュール10は、燃料電極13−1、電解質層13−2及び空気電極13−3が、この順に積層されたチューブ状電極積層体13を含む。前記電極積層体において、燃料電極13−1は、一番内側のチューブを形成して、その上に電解質層13−2及び空気電極13−3を積層させる支持体として作用することもできる。また、空気電極13−3が一番内側のチューブを形成して、その上に電解質層13−2及び燃料電極13−1を積層させる支持体として作用することもできる。
【0061】
上記における電極積層体13の形態は、特に限定されず、この分野で使用されている形態を制限なく使用することができる。
【0062】
前記チューブ型単位電池モジュール10は、前記チューブ状電極積層体13を内部に収容する外部チューブ14をさらに含む。前記外部チューブ14は、電極積層体13を外部で密封する機能を行う。
【0063】
前記チューブ型単位電池モジュール10は、チューブ状電極積層体13の中心部を介して燃料ガスが供給されて、外部チューブ14を介して空気が供給される。この場合、外部チューブ14を備えない場合にはチューブ型単位電池モジュール10に共通して外部から空気を供給することになる。
【0064】
しかし、チューブ状電極積層体13の中心部を介してガスを供給して、外部チューブ14を介して燃料が供給されるように構成することも可能である。但し、効率上、面積が広い外部チューブ14の内部を介して空気が供給されるようにすることがさらに望ましい。
【0065】
前記チューブ状電極積層体13の内部には、多孔性支持体チューブ12をさらに含み、この場合、前記多孔性支持体チューブ12は、集電体機能を行うこともできる。
【0066】
前記外部チューブ14の内部または外部には、単位電池モジュール10を加熱するための熱線(未図示)をさらに備えてもよい。例えば、前記熱線は、外部チューブ14の外表面に間隔を開けて螺旋状に巻かれるか、外部チューブ14の内壁に螺旋状に埋め込まれる方式に具備される。このような熱線は、単位電池モジュール10を例えば、600〜800℃の温度で加熱するように設定されるが、これに制限されるものではない。このように、外部チューブ14に熱線を装着する場合、別途ヒーティング装置は不要であるため、単位電池モジュールの嵩を減少させることができる。
【0067】
前記外部チューブ14は、高温で耐熱性に優れながら密封性に優れた材質で形成することが望ましくて、例えばクォーツ(quartz)、アルミナ(alumina)などの材質が使用される。
【0068】
前記外部チューブ14または燃料電池支持体チューブ12の内部には、単位電池モジュールの温度を感知する働きを担う熱電対(未図示)が内蔵される。
【0069】
本発明の実施形態による個別コントロール方式の燃料電池及び高温水電解用スタックモジュールは、前記外部チューブ14によって単位セルの中空内部に供給される燃料を完璧に密封させることが可能になるため、SOFC(solid oxide fuel cell)反応及びSOEC(solid oxide electrolyzer cell)反応による可逆性を確保することができ、充放電が可能である。さらに、本発明の実施形態による個別コントロール方式の燃料電池および高温水電解用スタックモジュールは、完璧な密封構造の設計によって従来のSOFC/SOECスタックと同様、合成ガスの回収及び合成ガスの発生時に、炭素の沈着による耐久性の低下及び集電効率の低下などの問題を補うことができ、メタンの合成ガスはもちろんアンモニアを生産できる構造を有する。
【0070】
図3及び
図9に示されたように、本発明の燃料電池及び高温水電解用スタックモジュールにおいて、前記固定プレート17には、電気配線コネクト端子19が管状固定手段11の側部に燃料移送パネルに挿脱可能に突き出て設けられる。前記燃料電極13−1の2つの地点から延びる電気配線19−1及び空気電極13−2の2つの地点から延びる電気配線19−1は、前記電気配線コネクト端子19の個別端子に連結される。また、前記熱線の両端から延びる電気配線及び熱電対から延びる電気配線も前記電気配線コネクト端子19の個別端子に連結される。
【0071】
前記燃料移送パネル20の単位電池モジュール挿入溝11のそれぞれ側部には、
図4に示されたように、前記電気配線コネクト端子19が挿入される電気配線コネクト端子収容溝25をさらに備える(
図5参照)。
【0072】
前記電気配線コネクト端子収容溝25は、燃料移送パネル20の内部を介して電気配線によって他の電気配線コネクト端子収容溝と連結されて、複数の単位電池モジュールを連結させるか、個別リレーを介して中央制御機(cpu)に連結される。
【0073】
前記電気配線が個別リレーを介して中央制御機(cpu)に連結される場合は、ソフトウェア及び回路設計によって個別単位電池モジュールの温度ヒーティングをモニタリングしてコントロールすることができる。これによって、個別に燃料電極及び空気電極に電流を集電するか供給することができ、個別回路でそれぞれのセルをさらに並列または直列に連結して発電させることができる。したがって、本発明の実施形態による個別コントロール方式の燃料電池及び高温水電解用スタックモジュールは、個別ヒーティングコントロール方式で駆動することができるという長所を有する。
【0074】
また、複数の単位電池モジュール10を集電するにおいて、燃料移送パネル20に内蔵した回路を利用して、複数の単位電池モジュール10が個別に電気的接地が行われるため、集電効率を向上させるだけでなく、別途インタコネクタを設ける必要がなくて構造の単純化を図ることができる。
【0075】
前記燃料電極13−1及び空気電極13−3それぞれとしては、この分野で公知されたものを制限なく使用することができる。例えば、銀白金、ニッケル、パラジウム、銀、ランタニウム、ペロブスカイト系酸化物、イットリウムまたはスカンジウムがドーピングされたジルコニア、ガドリニウム(gadolinium)、サマリウム(samarium)、ランタニウム(lanthanium)、イッテルビウム(ytterbium)及びネオジム(neodymium)のうち1種以上がドーピングされたセリアを含む酸素イオン伝導体;ゼオライト、ランタニウムまたはカルシウムがドーピングされたストロンチウムマンガン酸化物(LSM);ランタニウムストロンチウムコバルト鉄酸化物(LSCF);酸化ニッケル(NiO);炭化タングステン;Pd;Pd−Ag合金;及びVのうち1種以上を含む水素イオン伝導性金属が使用される。
【0076】
電解質層13−2としては、この分野で公知されたものを制限なく使用することができる。例えば、銀炭化水素系高分子、フッ素系高分子、イットリア安定化ジルコニア、(La,Sr)(Ga,Mg)O
3、Ba(Zr,Y)O
3、GDC(Gd doped
CeO
2)、YDC(Y
2O
3 doped CeO
3)、YSZ(Yttrium stabilized
zirconia)、スカンジウム安定化ジルコニア(ScSZ(Scandium stabilized
zirconia))などが利用される。
【0077】
本発明の燃料電池及び高温水電解用スタックモジュールにおいて、チューブ型単位電池モジュール10は、
図2、
図3、及び
図9に示されたように、前記チューブ状電極積層体13及び外部チューブ14の一端部をカバーして、燃料供給口15−1及び空気供給口15−2を備えた第1キャップ15;前記チューブ状電極積層体13及び外部チューブ14の他端部をカバーして、燃料排出口16−1及び空気排出口16−2を備えた第2キャップ16;一面に前記第1キャップ15が固定されて、他面に管状固定手段11が固定された固定プレート17:及び前記第1キャップ15の燃料供給口15−1と管状固定手段11の燃料供給口11−1を連結する第1配管18−1、第1キャップ15の空気供給口15−2と管状固定手段11の空気供給口11−3を連結する第2配管18−3、第2キャップ16の燃料排出口16−1と管状固定手段11の燃料排出口11−2を連結する第3配管18−2、及び第2キャップ16の空気排出口16−2と管状固定手段11の空気排出口11−4を連結する第4配管18−4を含む配管部;をさらに含む。
【0078】
前記第1配管ないし第4配管18−1,18−3,18−2,18−4は、前記プレート17を貫通して連結される。
【0079】
前記単位電池モジュール10の管状固定手段11には、
図2、
図3、及び
図7に示されたように、管状固定手段11が燃料移送パネル20の内部に形成された単位電池モジュール挿入溝21に挿入される場合、これらの結合が堅固に維持されるようにするためのフック11−5をさらに備える。
図2において、(a)は前面図を示し、(b)は右側面図を示す。
【0080】
前記固定プレート17には、
図10に示されたように、単位電池モジュールをカバーできる単位電池モジュールハウジング30をさらに備える。このように、個別単位電池モジュールハウジングを備える場合は、単位電池モジュールの熱の放出を最小限にすることができるだけでなく、個別ヒーティングによって単位電池モジュールを個別にコントロールすることが可能であり、エネルギー効率を最大化することができる。
【0081】
本発明の燃料電池及び高温水電解用スタックモジュールにおいて、前記管状固定手段11の外壁に形成された燃料供給口11−1、空気供給口11−3、燃料排出口11−2及び空気排出口11−4にはシーリング部材をさらに備える。
【0082】
また、燃料移送パネル20の内部に形成された複数の単位電池モジュール挿入溝21に備えた燃料供給口21−1、燃料排出口21−2、空気供給口21−3及び空気排出口21−4にはシーリング部材26をさらに備える(
図6及び
図7参照)。
【0083】
本発明の燃料電池及び高温水電解用スタックモジュールは、特性が同様である複数の単位電池モジュールを使用するだけでなく、それぞれ特性が異なる単位電池モジュールを組み合わせて使用することもできる。例えば、
図4において、燃料移送パネル20に設けられた単位電池モジュール挿入溝21に順次に燃料効率が異なる単位電池モジュールを結合して、全体燃料利用の効率が100%になるように燃料電池及び高温水電解用スタックモジュールを構成することもできる。
【0084】
具体的には、1番の単位電池モジュールに供給される燃料は、水素が100%であるが、1番の単位電池モジュールを経て出た燃料は、単位電池の発電によって水素とスチーム(水分)を含む。したがって、前記1番の単位電池モジュールに繋いで連結されている2番の単位電池モジュールには、水素とスチーム(水分)を含む燃料が供給されるため、2番の単位電池モジュールとしては、1番の単位電池モジュールと出力密度性能が異なるものを配置して、全体燃料の利用率を向上させることができる。このような形態は、後で繋いで連結される3番の後に単位電池モジュールにも適用される。
【0085】
また、本発明は、前記燃料電池及び高温水電解用スタックモジュールが2つ以上結合されてなる燃料電池及び高温水電解用スタックモジュール積層体を提供する。
【0086】
前記燃料電池及び高温水電解用スタックモジュールは、水平積層方式で積層されるか、または垂直積層方式で積層される。また、垂直積層及び水平積層が混合した水平/垂直の混合型積層方式で積層されてもよい。
【0087】
前記燃料電池及び高温水電解用スタックモジュールの間の燃料供給口、燃料排出口、空気供給口、及び空気排出口の連結は、この分野で通常行われる方法で行われる。
【0088】
また、本発明は、複数の単位電池モジュール10及び前記複数の単位電池モジュールが結合される燃料移送パネル20を含む。
【0089】
前記複数の単位電池モジュール10は、それぞれ
図2及び
図3に示されたように、燃料供給口11−1、空気供給口11−3、燃料排出口11−2及び空気排出口11−4を備える。
【0090】
前記燃料移送パネル20は、
図4及び
図5に示されたように、外壁に燃料供給口20−1、燃料排出口20−2、空気供給口20−3及び空気排出口20−4が設けられて、内部に前記燃料供給口20−1及び燃料排出口20−2と連結されている燃料循環配管22−1及び前記空気供給口20−3及び空気排出口20−4と連結されている空気循環配管22−2を備える。
【0091】
前記単位電池モジュール10を燃料移送パネル20に結合させる場合、単位電池モジュールの燃料供給口20−1及び燃料排出口20−2を前記燃料循環配管22−1に結合して燃料循環配管の連結を切り、同時に切られた燃料循環配管をブリッジさせて燃料が単位電池モジュールの内部を介して循環するようにする。単位電池モジュール10の空気供給口20−3及び空気排出口20−4を前記空気循環配管22−2に結合して空気循環配管の連結を切り、同時に切られた空気循環配管をブリッジさせて空気が単位電池モジュール10の内部を介して循環するようにする。
【0092】
前記単位電池モジュール10を燃料移送パネル20から分離させる場合、燃料循環配管22−1及び空気循環配管22−2を元通りに復元することを特徴とする、単位電池モジュールの燃料移送パネルに対する結合及び分離方法を提供する。
【0093】
前記方法では、上述した燃料電池及び高温水電解用スタックモジュールに関するあらゆる内容を適用することができる。したがって、重複する内容の記載は省略する。
【0094】
一方、
図11及び
図12は、本発明の実施形態によるチューブ型単位電池モジュールの結合構造を説明するための図面である。
【0095】
図11及び
図12に示されたように、本発明の実施形態によるチューブ型単位電池モジュール(
図9の10)は、チューブ状電極積層体13と、チューブ状電極積層体13と一定間隔で離隔して、電極積層体13の内部の中心に挿入される多孔性支持体チューブ12を含む。
【0096】
このとき、多孔性支持体チューブ12は、中空構造のチューブボディー12−1と、チューブボディー12−1の中空内部の中央部に配置された隔壁12−2と、隔壁12−2と離隔した上側及び下側へチューブボディー12−1の一部をそれぞれ貫通する第1及び第2の開口(G1,G2)を有する。これによって、多孔性支持体チューブ12は、隔壁12−2により中央部が塞いだ構造を有するものの、第1及び第2の開口(G1,G2)により一部が開けた構造を有する。
【0097】
電極積層体13は、多孔性支持体チューブ12と一定間隔で離隔して配置され、両側の端が内部シーリング剤45によってシーリング処理されて多孔性支持体チューブ12に固定される。この結果、電極積層体13の内部は、密閉構造を有する。このように、内部シーリング剤45で電極積層体13の端をシーリングすることにより、多孔性支持体チューブ12の中空内部と電極積層体13の内部を循環する燃料ガスは、電極積層体13と外部チューブ(
図13の14)の間の空間を循環する空気と相互混合するおそれがなくなる。
【0098】
このような電極積層体13は、
図9及び
図12に示されたように、燃料電極13−1、電解質層13−2及び空気電極13−3が順次積層される構造を有する。これによって、電極積層体13の内面に燃料電極13−1が配置されて、電極積層体13の外面に空気電極13−3が配置される。
【0099】
また、チューブ型単位電池モジュールは、燃料電極連結線40及び空気電極連結線42をさらに含む。このとき、燃料電極連結線40は、多孔性支持体チューブ12の外周面にコイリングされて、電極積層体13の燃料電極13−1と電気的に接続される。また、空気電極連結線42は、電極積層体13の外周面にコイリングされて電極積層体13の空気電極13−3と電気的に接続される。
【0100】
図13及び
図14は、本発明の実施形態によるチューブ型単位電池モジュールのガス移動経路を説明するための図面である。このとき、
図13は、チューブ型単位電池モジュールにおける燃料ガスの移動経路を示したものであり、
図14は、チューブ型単位電池モジュールにおける空気の移動経路を示したものである。
【0101】
まず、
図13に示されたように、チューブボディー12−1の下端の中空内部へ燃料ガスが供給されると、多孔性支持体チューブ12の隔壁12−2により上側方向への燃料ガスの流れが遮られながら、隔壁12−2と離隔した下側に配置される第2開口(G2)により多孔性支持体チューブ12と電極積層体13の間の空間へ燃料ガスが拡散して供給される。その後、隔壁12−2と離隔した上側に配置される第1開口(G1)を介してさらにチューブボディー12−1の上端へ燃料ガスが抜けるようになる。この結果、多孔性支持体チューブ12と電極積層体13の間の空間に流入される燃料ガスの気体拡散により電極積層体13の内面に配置される燃料電極(
図9の13−1)が燃料ガスと反応するようになる。
【0102】
一方、
図14に示されたように、空気供給口15−2を介して供給される空気は、電極積層体13と外部チューブ14の間の空間に流入されて上側に移動した後、空気排出口16−2を介して外部に排出される。この結果、電極積層体13と外部チューブ14の間の空間に流入される空気は、電極積層体13の外面に配置される空気電極(
図9の13−3)と反応することになる。
【0103】
たとえ、本発明が上記で言及した望ましい実施形態について説明されたが、発明の要旨と範囲から脱せずに多様な修正や変形を加えることが可能である。したがって、添付した特許請求の範囲は、本発明の要旨に属する限り、このような修正や変形を含む。
【符号の説明】
【0104】
10:単位電池モジュール
11:管状固定手段
11−1:燃料供給口
11−2:燃料排出口
11−3:空気供給口
11−4:空気排出口
12:多孔性支持体チューブ
13:電極積層体
13−1:燃料電極
13−2:電解質層
13−3:空気電極
14:外部チューブ
15:第1キャップ
15−1:燃料供給口
15−2:空気供給口
15−3:電気配線引出口
15−4:温度制御配線引出口
11−5:フック
16:第2キャップ
16−1:燃料排出口
16−2:空気排出口
16−3:電気配線引出口
17:固定プレート
18−1:第1配管
18−2:第3配管
18−3:第2配管
18−4:第4配管
19:電気配線コネクト端子
19−1:電気配線
20:燃料移送パネル
20−1:燃料供給口
20−2:燃料排出口
20−3:空気供給口
20−4:空気排出口
21:単位電池モジュール挿入溝
21−1:燃料供給口
21−2:燃料排出口
21−3:空気供給口
21−4:空気排出口
22−1:燃料循環配管
22−2:空気循環配管
23:配管プレート
23−1,23−2:配管
24:弾性部材
25:電気配線コネクト端子収容溝
30:単位電池モジュールハウジング