【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成26年3月4日ウェブサイトにて公開(ウェブサイトのアドレス http://platinumsphereportrait.com/?lang=ja http://info−platinumsphereportrait.com/?lang=ja)
【文献】
らばQ,“何でできているかわかる?庶民にはとても手が届かない、美しすぎるポートレイトができるまで”,[online],livedoor NEWS,2014年 3月 5日,[平成30年6月7日検索],インターネット<URL: http://news.livedoor.com/article/detail/8599100/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載された技術においては、各画素の明度に最も近似する影の生成状況となる小片を、モザイク画を構成する各小片として設定するものの、そのモザイク画を構成する各小片の設定に小片自体の視認性は考慮されていない。このため、特許文献1に記載された技術にて生成されるモザイク画は、作成者が希望した画と異なる可能性があるなど、表現が不十分であった。
【0006】
つまり、従来のデータ生成装置では、生成するモザイク画における表現力が不十分であるという課題があった。
そこで、本発明は、モザイク画における表現力を向上させる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明は、画像取得手段と、濃度取得手段と、情報取得手段と、設定手段と、データ生成手段とを備えるデータ生成装置である。
このうち、画像取得手段は、小片を用いたモザイク画の原画となる原画像を取得する。ここで言う小片とは、視認可能な立体を有するものである。本発明におけるモザイク画の生成には、立体の大きさが異なる複数種類の小片が用いられる。
【0008】
濃度取得手段は、画像取得手段で取得した原画像を構成するピクセルを少なくとも1つ含むピクセル領域それぞれの色の濃淡を表す色濃度を取得する。情報取得手段は、使用情報を取得する。使用情報には、モザイク画の生成に使用可能な小片の種類を少なくとも含む。
【0009】
さらに、設定手段は、ピクセル領域の各々に小片を設定する。本発明における設定手段は、濃度取得手段で取得した色濃度に基づいて、ピクセル領域における色濃度が高いことを表しているほど、情報取得手段で取得した使用情報に含まれる使用可能な小片のうち立体の大きさが大きい小片を当該ピクセル領域に設定する。
【0010】
そして、データ生成手段は、ピクセル領域それぞれに設定手段にて設定された小片の各々を対応付けることで生成されるモザイク画を表すモザイク画データを生成する。
このようなデータ生成装置では、ピクセル領域の色濃度が高いほど、使用可能な小片のうち、立体の大きさが大きい小片を当該ピクセル領域に設定している。
【0011】
したがって、データ生成装置にて生成されるモザイク画データが表すモザイク画においては、色濃度が高いピクセル領域の範囲ほど、小片が有する立体の密度が高くなり、色濃度が低いピクセル領域の範囲ほど、小片が有する立体の密度が低くなる。このため、本発明によれば、モザイク画における濃淡を、小片が形成する影だけでなく、小片(立体)の密度によっても表現できる。
【0012】
この結果、モザイク画において、ピクセル領域の範囲の間における濃度差が明確となり、陰影を表現することが可能となる。
以上のことから、本発明のデータ生成装置によれば、モザイク画における濃淡や陰影表現を向上させることができ、当該モザイク画が、作成者が希望した画と異なることを低減できる。
【0013】
つまり、本発明のデータ生成装置によれば、当該データ生成装置にて生成したモザイク画データが表すモザイク画における表現力を向上させることができる。
ところで、モザイク画を生成する場合には、使用可能な小片の総量が制限されていることが多い。この場合、データ生成装置においては、使用する小片の総量を制限された総量の範囲内に維持しつつも、モザイク画における表現力を向上させることが重要となる。
【0014】
そこで、本発明の情報取得手段においては、使用可能な小片の総量を使用情報の1つとして取得しても良い。
この場合、本発明における設定手段は、情報取得手段で取得した小片の総量から規定された範囲内に、モザイク画の生成に使用する小片の個数が収まるように、ピクセル領域の各々に小片を設定しても良い。
【0015】
このようなデータ生成装置によれば、ピクセル領域の各々に設定する小片の量を、小片の総量から規定された範囲内とすることができる。
なお、ここで言う「使用可能な小片の総量」は、使用可能な小片の個数の総数であっても良いし、使用可能な小片の質量の総和であっても良い。
【0016】
さらに、本発明の設定手段は、濃度算出手段を備えていても良い。この濃度算出手段は、全てのピクセル領域の色濃度のうち最も高い最高濃度から最も低い最低濃度までの濃度範囲に占めるピクセル領域それぞれの色濃度の比率を表す濃度割合を算出する。
【0017】
この場合、設定手段は、濃度算出手段で算出したピクセル領域それぞれの濃度割合に対応する大きさの立体を有した小片を当該ピクセル領域に設定する。
このようなデータ生成装置によれば、濃度割合に対応する小片を各ピクセル領域に設定できる。
【0018】
さらに、本発明における設定手段は、濃度算出手段で算出したピクセル領域それぞれの濃度割合に対応する使用可能割合での立体の大きさを有した小片を、当該ピクセル領域に設定しても良い。なお、ここで言う使用可能割合とは、情報取得手段で取得した使用可能な小片の総量に占める、モザイク画の生成に使用する立体の大きさごとの小片の使用量の比率である。
【0019】
なお、ここで言う「使用可能な小片の総量」は、使用可能な小片の個数の総数であっても良いし、使用可能な小片の種類及びその種類の個数であっても良い。
本発明のデータ生成装置によれば、使用可能割合に応じて最適な小片を各ピクセル領域に設定することができる。
【0020】
さらに、本発明における画像取得手段は、小片の総量から規定された範囲内に全てのピクセル領域の個数が収まるように、画像を伸縮することで、原画像を生成して取得しても良い。
【0021】
このようなデータ生成装置によれば、サイズの異なる画像から、原画像、ひいては、モザイク画を生成することができる。さらに、そのモザイク画における小片の使用個数を、小片の総量から規定された範囲内に収めることができる。
【0022】
なお、本発明のデータ生成装置においては、小片が有する立体は球体であっても良い。
このように立体として球体を有した小片を用いれば、当該立体の光沢や光の反射を均一にすることができる。この結果、本発明のデータ生成装置にて生成したモザイク画データが表すモザイク画における表現力を、より向上させることができる。
【0023】
さらに、本発明のデータ生成装置においては、小片が有する立体は、金属材料、または石によって形成されていても良い。
また、本発明は、前述したデータ生成装置の他、モザイク画データを生成するためにコンピュータが実行するプログラム、モザイク画データの生成方法等、種々の形態で実現することができる。
【0024】
特に、本発明がプログラムとしてなされていれば、必要に応じてコンピュータに取得させて起動することにより用いることができる。そして、コンピュータに各手順を実行させることで、そのコンピュータを、請求項1に記載されたデータ生成装置として機能させることができる。なお、コンピュータは、例えば、DVD−ROM、CD−ROM、ハードディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体や、通信回線を介してサーバなどからプログラムを取得すれば良い。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
<データ生成装置>
図1に示すデータ生成装置10は、モザイク画を表すモザイク画データを生成する装置である。
【0027】
本実施形態におけるモザイク画は、
図2に示すように、画像を構成するピクセルの各々に、データ生成装置10にて設定された1つの小片40(
図3参照)が取り付けられることで構成される。
【0028】
その小片40は、
図3に示すように、ピン42と、立体44とを備えている。小片40は、ピン42と立体44とが、貴金属にて一体に形成されている。ピン42は、棒状に形成されている。本実施形態における立体44は、視認可能に形成された球体である。その立体44は、ピン42の一端に固定されている。
【0029】
本実施形態では、小片40を形成する貴金属としてプラチナを想定する。ただし、小片40を形成する貴金属は、プラチナに限るものではなく、金であっても良いし、銀であっても良い。さらに言えば、小片40を形成する材料は、貴金属でなくとも良く、例えば、鉄や銅、アルミニウムなどの金属材料であっても良いし、石であっても良い。ここで言う石には、ダイアモンドやサファイヤ、ルビー、真珠、琥珀などの宝石であっても良いし、その他の石であっても良い。本発明の小片40においては、少なくとも立体44の部分が貴金属や金属材料、石にて形成されていれば良い。
【0030】
本実施形態における小片40は、立体44としての球体の直径Φが異なる複数種類が用意されている。本実施形態における球体の直径Φとして、例えば、2[mm],2.5[mm],3[mm],4[mm],5[mm],6[mm],7[mm],8[mm],10[mm]などが考えられる。
【0031】
ここで、
図1に示すデータ生成装置10は、画像取得部12と、表示部14と、情報受付部16と、出力部18と、記憶部20と、制御部22とを備えている。
このうち、画像取得部12は、画像を取得する。画像取得部12が取得する画像には、モザイク画の原画像を含む。この画像取得部12が取得する画像は、カメラで撮像した画像であっても良いし、スキャナで取り込んだ画像であっても良い。
【0032】
表示部14は、制御部32からの信号に基づいて画像を表示する。この表示部14として、例えば、液晶ディスプレイなどを含む。
情報受付部16は、外部からの情報の入力を受け付ける周知の機構である。この情報受付部16として、例えば、キーボードやマウス、タッチパネルなどの周知の入力機構を含む。なお、情報受付部16がタッチパネルによって構成されている場合には、情報受付部16は、表示部14と一体に構成されていても良い。
【0033】
出力部18は、制御部22からの信号に従ってデータを出力する。この出力部18がデータを出力する出力先として、ネットワーク通信網や、プリンタ、記憶部20などが考えられる。
【0034】
記憶部20は、記憶内容を読み書き可能に構成された不揮発性の記憶装置である。この記憶部20には、各種処理プログラムや各種データが記憶される。
また、制御部22は、ROM24、RAM26、CPU28を少なくとも有した周知のコンピュータを中心に構成されている。
【0035】
このうち、制御部22のROM24には、モザイク画データを生成するデータ生成処理を実行する処理プログラムが格納されている。データ生成処理では、モザイク画の生成対象とする画像を取得し、その取得した画像を解析した結果に従って各ピクセルに最適な小片40を設定することで、モザイク画データを生成する。なお、モザイク画データとは、モザイク画を表すデータであり、ピクセルそれぞれに、特定された小片40の各々を対応付けることで生成されるものである。
<データ生成処理>
次に、データ生成装置10の制御部22が実行するデータ生成処理について説明する。
【0036】
このデータ生成処理は、情報受付部16を介して起動指令の入力を受け付けると起動される。
そして、データ生成処理では、起動されると、
図4に示すように、制御部22は、まず、目的の画像(以下、「対象原画像」と称す)を取得する(S110)。この対象原画像は、画像取得部12を介して新たに取得した画像であっても良いし、記憶部20などに記憶された画像であっても良い。また、対象原画像は、複数の画像の中から、情報受付部16を介して指定された画像であっても良いし、予め初期値として規定された画像であっても良い。
【0037】
続いて、制御部22は、小片目安数から規定された範囲内となるピクセル総数を検出する(S120)。ここで言う小片目安数とは、モザイク画の生成に使用する小片の個数の目安となる数である。この小片目安数は、情報受付部16を介して入力されたものでも良いし、予め規定された初期値であっても良い。また、ここで言うピクセル総数は、原画像における縦のピクセル数と、横のピクセル数との乗算結果である。
【0038】
具体的にS120では、制御部22は、まず、対象原画像における縦のピクセル数と横のピクセル数との比率(即ち、アスペクト比)を維持した上で、最小となる縦のピクセル数、及び横のピクセル数を算出する。その算出した縦のピクセル数と横のピクセル数との乗算結果が小片目安数未満であれば、縦のピクセル数と横のピクセル数とのそれぞれをインクリメントする。これらのステップを、縦のピクセル数と横のピクセル数との乗算結果が小片目安数以上となるまで繰り返す。そして、小片目安数以上となった時点での、縦のピクセル数、横のピクセル数、それらの乗算結果をピクセル総数として算出する。
【0039】
さらに、データ生成処理では、制御部22は、S120にて検出したピクセル総数に基づいて、対象原画像を伸縮することで原画像を生成する(S130)。ここで言う原画像とは、モザイク画の原画となる画像である。
【0040】
具体的にS130では、制御部22は、対象原画像の画素数がピクセル総数よりも多ければ、ピクセル総数となるように、対象原画像を圧縮することで原画像を生成する。この画像を圧縮する手法としては、周知の手法を用いれば良い。一方、対象原画像の画素数がピクセル総数よりも少ない場合には、ピクセル総数となるように、対象原画像を拡大することで原画像を生成しても良い。この場合、画像を拡大する手法としては、周知の手法を用いれば良い。
【0041】
そして、データ生成処理では、制御部22は、S130にて生成した原画像を構成する各ピクセルの色の濃淡を表す色濃度を取得する(S140)。具体的にS140では、制御部22は、各ピクセルについて、赤色の輝度値Rと、緑色の輝度値Gと、青色の輝度値Bとの和を「3」で除すことで、色濃度(色濃度=(R+G+B)/3)を算出して取得する。
【0042】
続いて、データ生成処理では、制御部22は、S140にて取得した各ピクセルの色濃度に基づいて、色濃度が最大である原画像のピクセルに対して、使用可能な小片40のうち立体44の直径φが最大である小片40を設定する(S150)。また、S150では、制御部22は、色濃度が最小である原画像のピクセルに対して、使用可能な小片40のうち立体44の直径φが最小である小片40を設定する。
【0043】
さらに、データ生成処理では、制御部22は、S140にて取得した各ピクセルの色濃度に基づいて、各ピクセルにおける濃度割合RRを算出する(S160)。ここで言う濃度割合RRとは、原画像における色濃度のうち最も高い最高濃度pmaxから最も低い最低濃度pminまでの濃度範囲に占めるピクセルそれぞれの色濃度pの比率である。すなわち、本実施形態のS160では、制御部22は、原画像における各ピクセルの濃度割合RRを、規定された色濃度を起点とした比率にて算出する。本実施形態における「規定された色濃度」は、最低濃度pminである(RR=(p−pmin)/(pmax−pmin))。なお、「規定された色濃度」は、最低濃度に限るものではなく、最高濃度であっても良いし、その他の色濃度であっても良い。
【0044】
そして、データ生成処理では、制御部22は、原画像の各ピクセルの濃度割合RRに対応する使用可能割合での立体44の大きさを有した小片40を各ピクセルに設定する(S170)。
【0045】
ここで言う使用可能割合とは、濃度割合RRに対応する小片40を示すテーブルである。本実施形態における使用可能割合は、使用可能な小片40のうち立体44の大きさが最大となる小片40が色濃度の最大値pmaxに対応し、使用可能な小片40のうち立体44の大きさが最小である小片40が色濃度の最大値pminに対応するように規定されている。そして、使用可能割合においては、最大値pmaxから最小値pminまでの間が、モザイク画の生成に使用する全小片40の使用量に占める、立体44の大きさごとに使用可能な小片40の比率によって規定されている。
【0046】
この使用可能な小片40の比率は、立体44の大きさごとに均等であっても良い。また、使用可能な小片40の比率は、上サイズの使用量や下サイズの使用量に応じて、対応する小片40の比率が大きくなるように傾斜させたものであっても良い。なお、ここで言う上サイズの使用量とは、モザイク画の生成に使用可能な全ての小片40のうち、立体44の大きさが第1規定値以上である小片40の使用量である。また、ここで言う下サイズの使用量とは、モザイク画の生成に使用可能な全ての小片40のうち、立体44の大きさが第2規定値以下である小片40の使用量である。
【0047】
具体的にS170では、制御部22は、原画像における1つのピクセルの濃度割合RRが、最高濃度から上位xパーセントであれば、使用可能割合においても上位xパーセントに含まれる立体44の大きさを有した小片40を当該ピクセルに設定する。なお、ここでの「x」は、濃度割合RR、及び使用可能割合の具体的な例示を示す符号である。
【0048】
なお、各立体44の大きさごと(即ち、小片40の種類ごと)の使用可能割合は、情報受付部16を介して入力された使用可能な貴金属の総量に基づいて算出されても良い。すなわち、本実施形態では、制御部22は、各立体44の大きさごと(即ち、小片40の種類ごと)に使用可能な小片40の個数における質量の和が、使用可能な貴金属の総量に近似するように、各小片40の種類ごとの比率を算出しても良い。
【0049】
続いて、データ生成処理では、制御部22は、原画像の各ピクセルに設定された小片40に基づくモザイク画を表示部14に表示する(S180)。具体的にS180では、制御部22は、
図5に示すように、モザイク画データの生成に必要な情報の入力を受け付けるジェネレータ画面の一部分にモザイク画を表示する。本実施形態において、ジェネレータ画面は、データ生成処理が起動されると、表示部14に表示される。
【0050】
さらに、データ生成処理では、制御部22は、S180にて表示部14に表示したモザイク画の生成に用いた小片(以下、「使用小片」と称す)40の使用内容を、ジェネレータ画面に表示する(S190)。ここで言う使用内容には、小片目安数、使用小片40の総数(即ち、ピクセル総数)、使用小片40の質量の総和、及び小片40の種類ごとの使用個数を含む。さらに、使用内容には、モザイク画における縦のサイズ及び横のサイズ、モザイク画における縦の余白のサイズ(即ち、マージン)及び横の余白のサイズを含む。さらに、使用内容には、上サイズの使用量や、下サイズの使用量などを含む。
【0051】
実施形態における使用内容が、特許請求の範囲に記載された使用情報の一例である。
続いて、データ生成処理では、制御部22は、モザイク画データを生成する完了指令の入力を、情報受付部16を介して受け付けたか否かを判定する(S200)。このS200での判定の結果、完了指令の入力を受け付けていれば(S220:YES)、制御部22は、詳しく後述するS220へと、データ生成処理を移行させる。
【0052】
一方、S220での判定の結果、完了指令の入力を受け付けていなければ(S220:NO)、制御部22は、データ生成処理をS210へと移行させる。そのS210では、制御部22は、情報受付部16を介した使用内容の変更の入力を受け付ける。本実施形態においては、変更の入力を受け付ける使用内容を、小片目安数、使用小片40の総数、モザイク画における縦のサイズ及び横のサイズ、縦の余白のサイズ、横の余白のサイズ、上サイズの使用量及び下サイズの使用量に限っても良い。さらに、S210にて受け付ける使用内容の変更には、対象原画像の変更を含んでも良い。
【0053】
その後、データ生成処理では、制御部22は、S210にて受け付けた使用内容に基づいて、S110からS200のステップを実行する。この場合のデータ生成処理では、S210にて変更を受け付けた使用内容を優先して、各ピクセルに設定する小片40を決定する。
【0054】
ところで、S200での判定の結果、完了指令の入力を受け付けた場合に移行するS220では、制御部22は、S180にて表示部14に表示したモザイク画を表すモザイク画データを生成して出力部18に出力させる。すなわち、S220では、原画像を構成するピクセルそれぞれに設定された小片40の種類を表すデータをモザイク画データとして生成する。そして、生成したモザイク画データをネットワーク通信網やプリンタを介して出力したり、記憶部20に記憶したりする。
【0055】
その後、制御部22は、データ生成処理を終了し、次の起動指令の入力を受け付けるまで待機する。
つまり、データ生成処理では、原画像を構成する各ピクセルにおける色濃度を取得する。そして、原画像を構成するピクセルの各々に、外部から入力された使用内容に従った条件を満たす小片40を設定する。このピクセルの各々への小片40の設定は、当該ピクセルにおける色濃度が高いほど、モザイク画の生成に使用可能な小片40のうち、立体44の大きさが大きい小片を設定する。
【0056】
さらに、データ生成処理では、原画像を構成するピクセルそれぞれに、設定された小片40の各々を対応付けることでモザイク画データを生成する。
[実施形態の効果]
以上説明したように、データ生成装置10では、ピン42の一端に立体44を有し、貴金属にて形成された小片40を用いてモザイク画を生成する。しかも、データ生成装置10では、原画像を構成するピクセルの色濃度が高いほど、モザイク画の生成に使用可能な小片40のうち、立体44の大きさが大きい小片40を当該ピクセルに設定している。
【0057】
このようなデータ生成装置10にて生成されるモザイク画においては、色濃度が高いピクセルを含む範囲ほど、小片40が有する立体44の密度が高くなり、色濃度が低いピクセルを含む範囲ほど、小片40が有する立体44の密度が低くなる。したがって、データ生成装置10によれば、モザイク画における濃淡を、小片が形成する影だけでなく、小片(立体)の密度によっても表現できる。
【0058】
この結果、モザイク画において、ピクセルの間における濃度差が明確となり、陰影を表現することが可能となる。
データ生成装置10によれば、モザイク画における濃淡や陰影表現を向上させることができ、作成者が希望した画と異なることを低減できる。
【0059】
つまり、データ生成装置10によれば、当該データ生成装置10にて生成するモザイク画における表現力を向上させることができる。
ところで、貴金属は高価であるため、通常、モザイク画に使用可能な小片40の総量には制限がある。よって、データ生成装置10においては、使用する小片40の総量を、指定された範囲内に維持しつつも、モザイク画における表現力を向上させることが重要となる。
【0060】
本実施形態のデータ生成処理では、小片目安数から規定された範囲内となるピクセル総数を検出し、そのピクセル総数となるように原画像を生成している。そして、その生成した原画像を構成する各ピクセルに小片40を設定している。
【0061】
このようなデータ生成処理によれば、使用する小片40の総量を小片目安数から規定された範囲内に維持しつつも、各ピクセルに最適な大きさの立体44を有した小片40を設定できる。
【0062】
この結果、モザイク画の作成に用いる小片40の貴金属の総量が、作成者が予定している総量を大きく超えることを低減できる。
なお、本実施形態においては、小片40が有する立体44を球体としている。このため、本実施形態のモザイク画においては、小片40が有する立体44の配置の向きにかかわらず、各小片40での光の反射を均一とすることができる。この結果、データ生成装置10にて生成するモザイク画における表現力を、より向上させることができる。
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
【0063】
例えば、上記実施形態においては、小片40が有する立体44の形状を球体としていたが、立体44の形状は、これに限るものではない。すなわち、立体44の形状は、直方体であっても良いし、その他の多面体であっても良い。
【0064】
さらに、本発明においては、使用内容として、モザイク画の作成に使用する貴金属の予算の総額を受け付けても良い。この場合、例えば、貴金属の予算の総額に基づいて、小片目安数や、使用する小片40の種類、各種類の小片40の個数を決定しても良い。この場合、小片40それぞれの価格と、小片40の大きさごとに使用可能な個数との乗算結果の総和が予算の範囲内となるように、小片40の大きさごとに使用可能な個数を算出すれば良い。
【0065】
なお、上記実施形態においては、各ピクセルの大きさを初期値に固定していたが、本発明においては、ピクセルの大きさは変更可能あっても良い。この場合、使用する小片40の総個数を変更することなく、モザイク画のサイズを変更できる。
【0066】
ところで、上記実施形態のデータ生成処理においては、原画像を構成する各ピクセルに1対1で小片40を対応付けていたが、小片40を対応付ける対象は、複数のピクセルを有したピクセル領域であっても良い。この場合、データ生成処理では、S140においてピクセル領域ごとに色濃度を算出して、S170においてそのピクセル領域ごとに適切な小片40を設定しても良い。また、ピクセル領域ごとに小片40を設定する場合、データ生成処理では、S140においてピクセルごとに色濃度を算出し、S170においてそのピクセルを含むピクセル領域ごとに適切な小片40を設定しても良い。この場合のデータ生成処理では、S130が省略されていても良い。
【0067】
また、本発明は、前述したデータ生成装置の他、モザイク画データを生成するためにコンピュータが実行するプログラム、モザイク画データの生成方法等、種々の形態で実現しても良い。
【0068】
なお、上記実施形態の構成の一部を、課題を解決できる限りにおいて省略した態様も本発明の実施形態である。また、上記実施形態と変形例とを適宜組み合わせて構成される態様も本発明の実施形態である。また、特許請求の範囲に記載した文言によって特定される発明の本質を逸脱しない限度において考え得るあらゆる態様も本発明の実施形態である。
[実施形態と特許請求の範囲との対応関係]
最後に、上記実施形態の記載と、特許請求の範囲の記載との関係を説明する。
【0069】
上記実施形態のデータ生成処理におけるS130が、特許請求の範囲に記載された画像取得手段及び画像取得手順の一例である。また、S140が、特許請求の範囲に記載された濃度取得手段及び濃度取得手順の一例である。S170,S210が、特許請求の範囲に記載された情報取得手段及び情報取得手順の一例である。
【0070】
さらに、データ生成処理におけるS150〜S170が、特許請求の範囲に記載された設定手段及び設定手順の一例である。また、S220が、特許請求の範囲に記載されたデータ生成手段及びデータ生成手順の一例である。S160が、特許請求の範囲に記載された濃度算出手段の一例である。