(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6463927
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年2月6日
(54)【発明の名称】ポンプ装置
(51)【国際特許分類】
F04D 29/42 20060101AFI20190128BHJP
【FI】
F04D29/42 E
F04D29/42 C
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-176485(P2014-176485)
(22)【出願日】2014年8月29日
(65)【公開番号】特開2016-50532(P2016-50532A)
(43)【公開日】2016年4月11日
【審査請求日】2017年7月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000148209
【氏名又は名称】株式会社川本製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(72)【発明者】
【氏名】芹川 淳樹
(72)【発明者】
【氏名】藤田 泰孝
(72)【発明者】
【氏名】嶋 泰資
(72)【発明者】
【氏名】秋山 由衣
【審査官】
所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭49−020804(JP,U)
【文献】
米国特許第02942555(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと、
このモータにその基端側が固定された回転軸と、
この回転軸の先端側に設けられたポンプと、
前記モータと前記ポンプとの間に設けられ、前記回転軸を軸支すると共に前記ポンプと前記モータと連結する連結部とを備え、
前記連結部は、前記モータ及び前記ポンプと外径がほぼ等しく形成されると共に、周方向に沿って複数の隙間が形成された筐体と、
この筐体の内部に同軸的に配置され、前記回転軸を支持するための軸封装置支持部と、
この軸封装置支持部から前記モータ側に延設され、その軸心線が前記回転軸と一致する円筒部が設けられ、
前記円筒部の下側には、前記軸心線方向に沿って開口した排水部が設けられていることを特徴とするポンプ装置。
【請求項2】
前記円筒部は、前記筐体と一体に成形されていることを特徴とする請求項1に記載のポンプ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安全を考慮したポンプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ポンプ装置は、例えば、ベース部に電動モータ及びポンプが搭載され、電動モータの回転軸がポンプケーシング内に収容されたインペラを回転駆動するように構成されている。なお、電動モータとポンプとは、メカニカルシール等が設けられた連結部によって連結されて構成されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許5448614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したポンプ装置では、次のような問題があった。すなわち、連結部は軽量化のために、最低限の強度を保つだけの部材のみで構成されている。このため、隙間が多く、誤って手指を入れて回転軸に触れたり、巻き込まれて怪我をする虞がある。また、保護カバーを設けると、部品点数が多くなり、組立やメンテナンスに手間が掛かるという問題があった。
【0005】
そこで本発明は、強度を維持しつつ、軽量化でき、しかも安全を確保することができるポンプ装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明のポンプ装置は次のように構成されている。
【0007】
モータと、このモータにその基端側が固定された回転軸と、この回転軸の先端側に設けられたポンプと、前記モータと前記ポンプとの間に設けられ、前記回転軸を軸支すると共に前記ポンプと前記モータと連結する連結部とを備え、前記連結部は、前記モータ及び前記ポンプと外径がほぼ等しく形成さ
れると共に、周方向に沿って複数の隙間が形成された筐体と、この筐体の内部に同軸的に配置され、前記回転軸を支持するための軸封装置支持部と、この軸封装置支持部から前記モータ側に延設され、その軸心線が前記回転軸と一致する円筒部が設けら
れ、前記円筒部の下側には、前記軸心線方向に沿って開口した排水部が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、強度を維持しつつ、軽量化でき、しかも安全を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施の形態に係るポンプ装置を一部切欠して示す側面図。
【
図2】同ポンプ装置に組み込まれたケーシングカバーをモータ側から示す正面図。
【
図3】同ポンプ装置に組み込まれたポンプを示す正面図。
【
図4】同ポンプ装置に組み込まれたケーシングカバーを示す上面図。
【
図5】同ポンプ装置に組み込まれたケーシングカバーを示す縦断面図。
【
図6】同ポンプ装置に組み込まれたケーシングカバーを示す下面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は本発明の一実施の形態に係るポンプ装置10を一部切欠して示す側面図、
図2はポンプ装置10に組み込まれたケーシングカバー50をモータ40側から示す正面図、
図3はポンプ装置10に組み込まれたポンプ40を示す正面図、
図4はポンプ装置10に組み込まれたケーシングカバー50を示す上面図、
図5はポンプ装置10に組み込まれたケーシングカバー50を示す縦断面図、
図6はポンプ装置10に組み込まれたケーシングカバー50を示す下面図である。なお、図中200は電源コードを示している。
【0011】
ポンプ装置10は、ステンレスパイプ等のベース部20と、このベース部20に取り付けられた電気駆動のモータ30、ポンプ40、ケーシングカバー(連結部)50と、ケーシングカバー50に取り付けられたハンドル100とを備えている。なお、モータ30、ポンプ40、ケーシングカバー50は、いずれも共通の回転軸35によって同軸的に配置されている。
【0012】
モータ30は、固定子31と、この固定子31に基端側が取り付けられた回転軸35とを備えている。
【0013】
ポンプ40は、ケーシング41と、このケーシング41に収容されると共に、回転軸35の先端側が接続されたインペラ42とを備えている。
【0014】
ケーシングカバー50は、円筒状の筐体51と、この筐体51の内部に設けられ、回転軸35の中間部を支持する軸封装置60とを備えている。筐体51の外径は、モータ30及びポンプ40の外径とほぼ同じに形成されている。また、筐体51は、筐体自体及びモータ30とポンプ40との連結に必要な強度に必要な構造体のみで形成され、大きく隙間Sが形成されている(
図4,6参照)。
【0015】
軸封装置60には、回転軸35より僅かに大きい軸封装置支持部61が形成され、この軸封装置支持部61からモータ30側に向けて回転軸35と軸心線が一致する円筒部62が形成されている。円筒部62の先端は、モータ30に対し、数mm程度の隙間Tをもって対向している。また、円筒部62の下壁には、排水孔63が形成され、ポンプ30側から漏れた水を下方に排出することができる。
【0016】
このように形成されていると、筐体51の隙間Sから手指が入っても、円筒部62があるため、回転軸35に直接触れることはなく、安全である。また、円筒部62の先端とモータ30の隙間Tも非常に狭いため、手指が触れることがない。したがって、安全を確保することができる。さらに、円筒部62は筐体51に比べて小径であるため、全方向を覆っても、ポンプ装置10全体の重量に与える影響は僅かである。円筒部62は軸封装置60に一体に形成されているために、防護のための追加部品を必要とせず、組立やメンテナンスが容易である。
【0017】
本発明によれば、軽量化のために、ケーシングカバーを最低限の強度を保つだけの部材のみで構成した場合であっても、誤って手指を入れて回転軸に触れたり、巻き込まれることを防止し、しかも部品点数を減らして、組立やメンテナンスを容易にすることができる。
【0018】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能であるのは勿論であ
る。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]モータと、このモータにその基端側が固定された回転軸と、この回転軸の先端側に設けられたポンプと、前記モータと前記ポンプとの間に設けられ、前記回転軸を軸支すると共に前記ポンプと前記モータと連結する連結部とを備え、前記連結部は、前記モータ及び前記ポンプと外径がほぼ等しく形成された筐体と、この筐体の内部に同軸的に配置され、前記回転軸を支持するための軸封装置支持部と、この軸封装置支持部から前記モータ側に延設され、その軸心線が前記回転軸と一致する円筒部が設けられていることを特徴とするポンプ装置。
[2]前記円筒部の下側には、排水部が設けられている[1]に記載のポンプ装置。
[3]前記円筒部は、前記筐体と一体に成形されている[1]に記載のポンプ装置。
【符号の説明】
【0019】
10…ポンプ装置、30…モータ、40…ポンプ、50…ケーシングカバー、60…軸封装置、62…円筒部、100…ハンドル、200…電源コード。