特許第6463957号(P6463957)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6463957
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年2月6日
(54)【発明の名称】包装機
(51)【国際特許分類】
   B65B 9/093 20120101AFI20190128BHJP
【FI】
   B65B9/093
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-243094(P2014-243094)
(22)【出願日】2014年12月1日
(65)【公開番号】特開2016-104638(P2016-104638A)
(43)【公開日】2016年6月9日
【審査請求日】2017年11月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】596092595
【氏名又は名称】三光機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112955
【弁理士】
【氏名又は名称】丸島 敏一
(72)【発明者】
【氏名】小倉 隆男
【審査官】 小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭56−003801(JP,U)
【文献】 実開昭54−087946(JP,U)
【文献】 特開2000−159202(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 9/093
B65B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直方向の下側に連続移送される包装フィルムに縦シールおよび横シールを施すことにより形成される包装袋内に液体材料を包装袋毎に間欠充填する充填ノズルと、
前記充填ノズルの内部に存在する液体材料を前記下側に落下させるためのエアーを前記充填ノズルの内部に向けて噴射する噴射口が前記充填ノズルの内部に挿入され、前記充填ノズルの吐出口の先端部から前記垂直方向の上側に所定距離だけ離れた位置に前記噴射口が配置される第1エアー噴射機構と
前記充填ノズルの吐出口の先端部付近に付着する前記液体材料を前記下側に落下させるためのエアーを前記充填ノズルの吐出口の先端部に向けて噴射する噴射口が前記充填ノズルの外側に配置される第2エアー噴射機構と
を具備し、
前記包装袋内への前記液体材料の充填直後から横シールが施される直前までに、前記第1エアー噴射機構からのエアーの噴射と、前記第2エアー噴射機構からのエアーの噴射とを同じタイミングにより行う
包装機。
【請求項2】
前記所定距離は、前記包装袋内への前記液体材料の充填完了から当該包装袋の次の包装袋に横シールを施し始めるまでの期間と、前記充填ノズルの内部に存在する液体材料の落下速度との関係に基づいて設定される
請求項1記載の包装機。
【請求項3】
前記所定距離は、前記期間において、前記充填ノズルの内部に存在する液体材料が前記垂直方向に落下する距離よりも長い距離に設定される請求項1記載の包装機。
【請求項4】
前記包装フィルムの搬送方向と直交する直交方向であって前記包装袋の幅方向において、前記充填ノズルの両側に2つの前記第2エアー噴射機構が配置される請求項記載の包装機。
【請求項5】
前記充填ノズルには、前記液体材料を前記充填ノズルの吐出口へ向けて吐出させ、その駆動を逆に切り替えることにより前記充填ノズルの吐出口から前記液体材料を吸いこむことが可能なポンプ装置が接続され、
前記ポンプ装置は、前記液体材料を前記包装袋毎に間欠充填するときに、前記充填ノズル内の液面が前記第1エアー噴射機構の噴射口よりも前記上側の位置となるように逆駆動して前記充填ノズル内の前記液体材料を吸い込む
請求項1乃至の何れかに記載の包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装機に関する。詳しくは、液体材料を包装袋に充填する包装機における充填ノズルのエアー噴射機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液体材料(液体原料)を包装袋に充填する包装機が提案されている。例えば、包装フィルムを、その搬送方向と直交する直交方向における中央部分をその搬送方向に沿って折り曲げ、所定位置を両面から挟み込んで加熱することにより包装袋を形成する包装機が提案されている。
【0003】
ここで、包装機により液体材料(充填物)の充填を行う場合に、液体材料と包装フィルムのシーラントの性質とによっては、液中シールに対応することができないことも想定される。そこで、このような場合には、シールするタイミングを避けて、液体材料が充填ノズルから包装袋内に充填されるように、所定間隔で充填動作と停止動作とを繰り返す間欠充填方式を採用することができる。
【0004】
このように、間欠充填方式を採用して、包装機により液体材料の充填を行う場合でも、液体材料の性質(例えば、液切れが悪い粘度の場合や、充填ノズルの先端での表面張力で液面が維持できない場合)によっては、ポンプ停止時に充填ノズルの先端部付近において液体材料がゆっくりと垂れてしまうことがある。このように、ポンプ停止時に充填ノズルの先端部付近において液体材料が垂れてしまうと、この液体材料が横シールに噛み込まれてしまうおそれがある。そこで、液体材料が横シールに噛み込まれてしまうことにより発生するシール部分の発泡やシール部分の剥離や穴あき等のシール不良を防止することが重要である。
【0005】
そこで、例えば、充填ノズルに弁(可動弁)を備え、この弁を用いて液垂れを回避する粘性液体の注入方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平06−56124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の従来技術によれば、弁を備えることにより、液垂れを回避することができる。しかしながら、充填ノズルに弁を設けた場合には、その弁に関する部分の洗浄が非常に困難である。このため、洗浄コストが増加することが想定される。
【0008】
また、弁を備える充填ノズルは、その形状が複雑となる。このように、複雑な形状の充填ノズルを包装機に備える場合には、その製造コストが増加する。
【0009】
また、充填ノズルに備える弁は、機械強度上、一定以上のサイズが必要となる。このため、生産する包装袋の形状が小型である場合には、そのサイズに対応することができないことも想定される。
【0010】
そこで、充填ノズルの液垂れを防止するため、充填ノズルにエアーを噴射することも考えられる。この場合には、充填ノズルにエアーを噴射するエアー噴射機構を適切な位置に配置して充填ノズルの液垂れを適切に防止することが重要である。
【0011】
本発明はこのような状況に鑑みて生み出されたものであり、充填ノズルの液垂れを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上述の問題点を解消するためになされたものであり、その第1の側面は、垂直方向の下側に連続移送される包装フィルムに縦シールおよび横シールを施すことにより形成される包装袋内に液体材料を包装袋毎に間欠充填する充填ノズルと、上記充填ノズルの内部に存在する液体材料を上記下側に落下させるためのエアーを上記充填ノズルの内部に向けて噴射する噴射口が上記充填ノズルの内部に挿入され、上記充填ノズルの吐出口の先端部から上記垂直方向の上側に所定距離だけ離れた位置に上記噴射口が配置される第1エアー噴射機構とを具備し、上記所定距離は、上記包装袋内への上記液体材料の充填完了から当該包装袋の次の包装袋に横シールを施し始めるまでの期間と、上記充填ノズルの内部に存在する液体材料の落下速度との関係に基づいて設定される包装機である。これにより、充填ノズルの内部に存在する液体材料を下側に落下させるためのエアーを充填ノズルの内部に向けて噴射するという作用をもたらす。
【0013】
また、この第1の側面において、上記所定距離を、上記期間において、上記充填ノズルの内部に存在する液体材料が上記垂直方向に落下する距離よりも長い距離に設定するようにしてもよい。これにより、間欠期間において、充填ノズルの内部に存在する液体材料が垂直方向に落下する距離よりも長い距離に設定された位置に噴射口が配置された第1エアー噴射機構を用いるという作用をもたらす。
【0014】
また、この第1の側面において、上記充填ノズルの吐出口の先端部付近に付着する上記液体材料を上記下側に落下させるためのエアーを上記充填ノズルの吐出口の先端部に向けて噴射する噴射口が上記充填ノズルの外側に配置される第2エアー噴射機構をさらに具備するようにしてもよい。これにより、充填ノズルの吐出口の先端部付近に付着する液体材料を下側に落下させるためのエアーを充填ノズルの吐出口の先端部に向けて噴射するという作用をもたらす。
【0015】
また、この第1の側面において、上記包装フィルムの搬送方向と直交する直交方向であって上記包装袋の幅方向において、上記充填ノズルの両側に2つの上記第2エアー噴射機構が配置されるようにしてもよい。これにより、2つの第2エアー噴射機構からエアーを噴射するという作用をもたらす。
【0016】
また、この第1の側面において、上記包装袋内への上記液体材料の充填直後から横シールが施される直前までに、上記第1エアー噴射機構からのエアーの噴射と、上記第2エアー噴射機構からのエアーの噴射とを行うようにしてもよい。これにより、包装袋内への液体材料の充填直後から横シールが施される直前までに、第1エアー噴射機構からのエアーの噴射と、第2エアー噴射機構からのエアーの噴射とを行うという作用をもたらす。
【0017】
また、この第1の側面において、上記第1エアー噴射機構からのエアーの噴射タイミングと、上記第2エアー噴射機構からのエアーの噴射タイミングとを同時とするようにしてもよい。これにより、第1エアー噴射機構からのエアーの噴射タイミングと、第2エアー噴射機構からのエアーの噴射タイミングとを同時とするという作用をもたらす。
【0018】
また、この第1の側面において、上記第1エアー噴射機構からのエアーの噴射タイミングを、上記第2エアー噴射機構からのエアーの噴射タイミングよりも早くするようにしてもよい。これにより、第1エアー噴射機構からのエアーの噴射タイミングを、第2エアー噴射機構からのエアーの噴射タイミングよりも早くするという作用をもたらす。
【0019】
また、この第1の側面において、上記充填ノズルには、上記液体材料を上記充填ノズルの吐出口へ向けて吐出させ、その駆動を逆に切り替えることにより上記充填ノズルの吐出口から上記液体材料を吸いこむことが可能なポンプ装置が接続され、上記ポンプ装置は、上記液体材料を上記包装袋毎に間欠充填するときに、上記充填ノズル内の液面が上記第1エアー噴射機構の噴射口よりも上記上側の位置となるように逆駆動して上記充填ノズル内の上記液体材料を吸い込むようにしてもよい。これにより、液体材料を包装袋毎に間欠充填するときに、充填ノズル内の液面が第1エアー噴射機構の噴射口よりも上側の位置となるように逆駆動して充填ノズル内の液体材料を吸い込むという作用をもたらす。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、充填ノズルの液垂れを防止することができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1の実施の形態における包装機100の全体構成の一例を示す正面図である。
図2】本発明の第1の実施の形態における充填ノズル5と第1エアー管11と第2エアー管12とを拡大して示す図である。
図3】本技術の第1の実施の形態における包装機100により液体材料を包装袋に充填する場合における動作の一例を示す図である。
図4】本技術の第1の実施の形態における包装機100により液体材料を包装袋に充填する場合における動作の一例を示す図である。
図5】本技術の第1の実施の形態における包装機100により液体材料を包装袋に充填する場合における動作の一例を示す図である。
図6】本技術の第1の実施の形態における包装機100により液体材料を包装袋に充填する場合における動作の一例を示す図である。
図7】本発明の第2の実施の形態における充填ノズル5およびその周辺を拡大して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0023】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態における包装機100の全体構成の一例を示す正面図である。
【0024】
包装機100は、ロールタイプ自動包装機である。また、包装機100には、包装機100を制御するための制御装置(図示せず)が設けられている。この制御装置は、メモリに記憶されている制御プログラムに基づいて各種制御を行う。
【0025】
包装機100は、例えば、粘性の高い液体材料(液体原料)を間欠充填包装することが可能なロールタイプ自動充填包装機である。なお、液体材料(液体原料)は、包装機100により生成される包装袋の内容物(充填物)となるものである。
【0026】
包装機100は、リール1と、繰り出し装置2と、フィルム折り返しロール3と、製袋機構4と、充填ノズル5と、縦シール機構6と、第1横シール機構7と、第2横シール機構8と、切断カッター機構9と、すべり台10とを備える。なお、図1では、説明の容易のため、充填ノズル5に沿って配置される第1エアー管11および第2エアー管12の図示を省略する。また、第1エアー管11および第2エアー管12については、図2乃至図6を参照して詳細に説明する。
【0027】
リール1は、包装フィルムFが巻回されている原反ロールFXを脱着交換可能に保持するリールである。包装フィルムFとして、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂等のベースフィルム、このベースフィルムよりも融点の低いポリエチレン等のヒートシールフィルムを用いることができる。また、包装フィルムFとして、ベースフィルム、中間フィルム、ヒートシールフィルムの3層構造を有するフィルムを用いるようにしてもよい。
【0028】
繰り出し装置2は、リール1に保持されている原反ロールFXから包装フィルムFを引き出して、フィルム折り返しロール3に搬送するものである。
【0029】
フィルム折り返しロール3は、包装機100の上部に設けられ、繰り出し装置2により引き出された包装フィルムFを折り返して下方に搬送するロールである。
【0030】
製袋機構4は、フィルム折り返しロール3により下方に折り返された包装フィルムFを、搬送方向(包装フィルムFの長手方向)を折り目にして、二つ折りして縦シール機構6に搬送するものである。
【0031】
充填ノズル5は、縦シール機構6により生成される円筒形状の包装フィルム内に内容物(液体材料)を充填するものである。また、充填ノズル5には、液体材料を充填ノズル5の吐出口へ向けて吐出させ、その駆動を逆に切り替えることにより充填ノズル5の吐出口から液体材料を吸いこむことが可能なポンプ装置(図示せず)が接続される。このポンプ装置には、液体材料が収容されているホッパー(図示せず)が接続されている。なお、充填ノズル5は、垂直方向の下側に連続移送される包装フィルムに縦シールおよび横シールを施すことにより形成される包装袋内に液体材料を包装袋毎に間欠充填する充填ノズルの一例である。
【0032】
縦シール機構6は、2つの縦シールロールで構成される。なお、図1には、前面側の縦シールロール(移動側シールロール)のみを示す。また、背面側(紙面裏側)の縦シールロール(固定側シールロール)(図示せず)は、前面側の縦シールロールと水平方向に対向した状態で設けられ、包装機100の機台に固定されている。
【0033】
また、縦シール機構6は、製袋機構4により二つ折りされた包装フィルムFを、包装フィルムFの長手方向と直交する直交方向における両端同士を熱シールすることにより、円筒形状(筒状)の包装フィルムとする。そして、縦シール機構6は、円筒形状(筒状)の包装フィルムを、直下に配置されている第1横シール機構7に搬送する。
【0034】
第1横シール機構7および第2横シール機構8は、縦シール機構6の下方に設けられている2つの横シール機構である。また、第1横シール機構7および第2横シール機構8は、縦シール機構6と同様に、図1では、前面側の2つの横シールロール(移動側シールロール)のみを示す。また、背面側(紙面裏側)には、それぞれ対となる2つの横シールロールが設けられている。これらの背面側の2つの横シールロール(固定側シールロール)(図示せず)は、前面側の2つの横シールロールと水平方向に対向した状態で設けられ、包装機100の機台に固定されている。
【0035】
第1横シール機構7は、縦シール機構6により生成された円筒形状(筒状)の包装フィルムの横方向(幅方向)に横シールロールによりシール(横シール)を施し、この横シールにより筒状包装フィルムの底部を形成する。
【0036】
このように、有底筒状に形成された包装袋内に充填ノズル5が挿入され、充填ノズル5に接続されているポンプ装置によりホッパー内に収容されている液体材料が包装袋内に充填される。
【0037】
そして、制御装置(図示せず)は、充填ノズル5による液体材料の充填が完了したタイミングでポンプ装置の駆動を停止し、充填ノズル5に配備されているエアーカット機構(図2等に示す第1エアー管11および第2エアー管12)により充填ノズル5の先端部分に残っている液体材料を排除する。これにより、充填ノズル5における液だれ現象を防止することができる。
【0038】
また、第1横シール機構7は、充填ノズル5による液体材料の充填が完了した後に、液体材料が充填された包装フィルムを袋一個分、搬送する。
【0039】
また、第1横シール機構7は、液体材料が充填された包装袋の開口側を、横シールロールにより横シールする。これにより、有底筒状の包装袋に充填された液体材料が封止される。また、液体材料が充填された包装袋が包装体形態となる。
【0040】
第2横シール機構8は、第1横シール機構7により形成された横シール部分を再度横シールして、その横シール部分の強度をより強固にするための線条シール等を形成する。
【0041】
切断カッター機構9は、液体材料が充填され、第1横シール機構7および第2横シール機構8によりシールされた包装フィルムにおける横シール中央部分を切断して個別包装体とするものである。
【0042】
すべり台10は、切断カッター機構9により切断された個別包装体を、包装機100の外に、滑らかに搬出するためのすべり台である。
【0043】
[エアーカット機構の構成例]
図2は、本発明の第1の実施の形態における充填ノズル5と第1エアー管11と第2エアー管12とを拡大して示す図である。図2のaには、充填ノズル5、第1エアー管11および第2エアー管12の正面図を示す。また、図2のbには、充填ノズル5、第1エアー管11および第2エアー管12の左側面図(図2のaに示す矢印A側から見た場合の側面図)を示す。
【0044】
上述したように、包装機100に、第1エアー管11および第2エアー管12を設けるようにする。なお、第1エアー管11は、第1エアー噴射機構の一例であり、第2エアー管12は、第2エアー噴射機構の一例である。
【0045】
第1エアー管11は、充填ノズル5の管内の液体材料を下方向(垂直方向の下側)に吹き飛ばすためのエアーを噴出するものである。第1エアー管11の本体は、充填ノズル5の外側面に密着して(または、所定距離離して)配置される。また、第1エアー管11の噴射口の先端は、充填ノズル5の管内の内側面において、その噴射口が下方向(垂直方向の下側(斜め方向))に向くように、その噴射口が充填ノズル5の外側面の孔に接続される。なお、第1エアー管11の噴射口の方向(垂直方向に対する角度)については、充填対象となる液体材料等に応じて適宜設定することができる。
【0046】
また、第1エアー管11は、上下方向(垂直方向)において、その噴射口の先端部が、充填ノズル5の吐出口14の先端部からの距離が所定距離d1となる位置に配置される。
【0047】
ここで、所定距離d1は、充填ノズル5の管内の液体材料が、充填ノズル5の吐出口14まで液垂れとなって流れる距離(猶予距離)とすることができる。例えば、所定距離d1は、間欠充填方式により液体材料を充填する場合に、充填ノズル5の管内の液体材料が、その間欠期間に充填ノズル5の管内を落下すると想定される距離を基準に設定することができる。例えば、充填ノズル5の管内の液体材料が、その間欠期間に充填ノズル5の管内を落下すると想定される距離以上の距離を、所定距離d1として設定することができる。
【0048】
このように、所定距離d1は、包装袋内への液体材料の充填完了から、その包装袋の次の包装袋に横シールを施し始めるまでの期間と、充填ノズル5の内部に存在する液体材料の落下速度との関係に基づいて設定することができる。これにより、包装袋内への液体材料の充填完了のタイミングから充填ノズル5の内部において落下する液体材料が横シールに噛み込まれることを防止することができる。なお、液体材料の落下速度は、滴下される液体材料の性質(例えば、粘度、表面張力、重量のうちの少なくとも1つ)により変化する。このため、充填ノズル5の内部に存在する液体材料の落下速度については、滴下される液体材料の性質(例えば、粘度、表面張力、重量のうちの少なくとも1つ)に基づいて適宜決定することができる。
【0049】
また、充填ノズル5に接続されているポンプ装置(図示せず)は、液体材料を包装袋毎に間欠充填するときに、充填ノズル5内の液面が第1エアー管11の噴射口よりも、垂直方向の上側の位置となるように逆駆動して充填ノズル5内の液体材料を吸い込むようにする。すなわち、ポンプ装置が、第1エアー管11の噴射口の位置まで液体材料を吸い上げるようにする。これにより、第1エアー管11の噴射により強制的に落下させる液体材料の液量を減らすことができ、品質をさらに向上させることができる。なお、ポンプ装置により液体材料を吸い上げただけの場合には、充填ノズル5内に、液体材料が多少残り、その液体材料が落下することがある。そこで、本技術の第1の実施の形態では、充填ノズル5内に残った液体材料を第1エアー管11の噴射により垂直方向の下側に落下させることにより、品質をさらに向上させることができる。
【0050】
このように、第1エアー管11は、充填ノズル5の内部に存在する液体材料を垂直方向の下側に落下させるためのエアーを充填ノズル5の内部に向けて噴射する噴射口が充填ノズル5の内部に挿入される。また、第1エアー管11は、充填ノズル5の吐出口14の先端部から垂直方向の上側に所定距離d1だけ離れた位置に、その噴射口が配置される。
【0051】
第2エアー管12は、充填ノズル5の吐出口14付近に付着した液体材料を下方向(垂直方向の下側)に吹き飛ばすためのエアーを噴出するものである。第2エアー管12の噴射口15の先端部は、充填ノズル5の吐出口14の近傍に配置される。また、第2エアー管12の本体は、充填ノズル5の外側面から所定距離d2だけ離れた位置に、支持部13により支持されて固定される。また、第2エアー管12の噴射口15の先端部は、充填ノズル5の外側面から所定距離d3だけ離れた位置となるように配置される。
【0052】
ここで、所定距離d3は、例えば、第2エアー管12から噴射されるエアーにより、充填ノズル5の吐出口14付近に付着した液体材料が飛散しても、その飛散した液体材料が届かない距離とすることが好ましい。また、上下方向(垂直方向)においては、充填ノズル5が液体材料を充填した場合に、その液体材料が、第2エアー管12の噴射口15に触れない程度の位置(所定距離d4)に配置することが好ましい。
【0053】
このように、第2エアー管12は、充填ノズル5の吐出口14の先端部付近に付着する液体材料を垂直方向の下側に落下させるためのエアーを、充填ノズル5の吐出口14の先端部に向けて噴射する噴射口15が充填ノズル5の外側に配置される。
【0054】
ここで、例えば、包装袋にするための包装フィルムの搬送が行われている場合には、包装袋の上下方向(搬送方向)の上側への揺れ(縦揺れ)は、横シール部の皺の原因になる可能性がある。このため、第2エアー管12の噴射口15は、上下方向(搬送方向)の下側を向くように設置することが好ましい。
【0055】
なお、本発明の第1の実施の形態では、充填ノズル5の吐出口14の近傍に1つの第2エアー管12を設置する例を示すが、第2エアー管を複数設置するようにしてもよい。この例については、本発明の第2の実施の形態で示す。
【0056】
[包装機の動作例]
図3乃至図6は、本技術の第1の実施の形態における包装機100により液体材料を包装袋に充填する場合における動作の一例を示す図である。すなわち、図3乃至図6では、充填ノズル5により液体材料を包装袋に充填する場合における遷移例を示す。
【0057】
また、図3乃至図6では、図2のaに示す充填ノズル5、第1エアー管11および第2エアー管12の断面を簡略化して示す。
【0058】
なお、図3乃至図6では、縦シール部および横シール部を格子状の模様で簡略化して示す。また、図3乃至図6では、包装袋に充填される液体材料を斜線で簡略化して示す。また、図3乃至図6では、説明の容易のため、各部の断面を示す斜線を省略して示す。
【0059】
上述したように、縦シール機構6により包装フィルムFに縦シールが施されることにより、包装フィルムFに縦シール部23、25が形成される。また、第1横シール機構7により包装フィルムFに横シールが施されることにより、包装フィルムFに横シール部24が形成される。
【0060】
図3に示すように、縦シール部23により側部が形成され、横シール部(図示せず)により底部が形成されることにより、包装袋21が形成される。また、包装フィルムFに横シール部24が形成されることにより、包装袋21に充填された液体材料31が密封される。
【0061】
同様に、縦シール部25により側部が形成され、横シール部24により底部が形成されることにより、包装袋22が形成される。
【0062】
このように形成された包装袋22に、図3に示すように、充填ノズル5から液体材料32、33が充填される。また、包装袋22は、搬送方向(垂直方向)に搬送される。
【0063】
続いて、図4に示すように、包装袋22に所定量の液体材料32が充填されたタイミングで、包装袋22への液体材料32の充填が停止される。
【0064】
続いて、図5に示すように、その停止後のタイミングで、第1エアー管11および第2エアー管12からエアーが噴射される。図5では、第1エアー管11から噴射されるエアーを点線の矢印51で模式的に示す。また、第2エアー管12から噴射されるエアーを点線の矢印52で模式的に示す。
【0065】
第1エアー管11から噴射されるエアー(点線の矢印51で示す)により、充填ノズル5の管内に残っている液体材料のうち、第1エアー管11の先端部よりも下側の液体材料が落下する。例えば、点線の矢印53、54で示すように、充填ノズル5の管内に残っている液体材料のうち、第1エアー管11の先端部よりも下側の液体材料が重力方向に落下する。
【0066】
このように、充填ノズル5の吐出口内の上側の位置からエアーを噴射することにより、第2エアー管12によるエアー噴射位置と、充填ノズル5の吐出口との間の液垂れを防止することができる。
【0067】
また、第2エアー管12から噴射されるエアー(点線の矢印52で示す)により、充填ノズル5の吐出口付近に付着している液体材料が重力方向に落下する。
【0068】
このように、充填ノズル5の外部から、充填ノズル5の吐出口にエアーを噴射することにより、充填ノズル5の吐出口の付近に付着する液体材料(付着液)を除去することができる。
【0069】
ここで、第1エアー管11からエアーを噴射するタイミング(第1タイミング)と、第2エアー管12からエアーを噴射するタイミング(第2タイミング)とは、同時(または略同時)とすることが好ましい。なお、第1タイミングと、第2タイミングとを異なるタイミングとする場合には、第1タイミングを先とすることが好ましい。
【0070】
続いて、図6に示すように、第1エアー管11および第2エアー管12によるエアー噴射を停止した後に、第1横シール機構7により包装フィルムFに横シールが施され、横シール部27が形成される。これにより、液体材料32が充填された包装袋22が形成される。
【0071】
このように、包装袋内への液体材料の充填直後から横シールが施される直前までに、第1エアー管11からのエアーの噴射と、第2エアー管12からのエアーの噴射とを行う。この場合に、第1エアー管11からのエアーの噴射タイミングと、第2エアー管12からのエアーの噴射タイミングとを同時(または、略同時)とすることができる。また、第1エアー管11からのエアーの噴射タイミングを、第2エアー管12からのエアーの噴射タイミングよりも早くするようにしてもよい。
【0072】
このように、第1エアー管11および第2エアー管12によるエアーの噴射のみで充填ノズル5からの液体材料の液垂れを防止することができる。これにより、液垂れがない状態で、横シールを施すことができる。
【0073】
また、第1エアー管11および第2エアー管12は、可動部を含まず、パイプのみの簡素な構成であるため、洗浄を容易に行うことができる。すなわち、洗浄性を高めることができる。また、第1エアー管11および第2エアー管12のそれぞれを小型化することが容易である。また、例えば、包装袋の形状に合わせた扁平な形状の充填ノズルを安価な構成で提供することができる。すなわち、包装機100を低コストとすることができる。
【0074】
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態では、充填ノズルの吐出口の近傍に、複数のエアー管を配置する例を示す。
【0075】
図7は、本発明の第2の実施の形態における充填ノズル5およびその周辺を拡大して示す図である。図7のaには、充填ノズル5およびその周辺の正面図を示す。また、図7のbには、充填ノズル5およびその周辺の右側面図(図7のaに示す矢印B側から見た場合の側面図)を示す。なお、図7に示す例は、図2等に示す包装機100の変形例である。このため、包装機100と共通する部分には、共通の符号を付して、これらの説明の一部を省略する。
【0076】
本発明の第2の実施の形態における包装機は、充填ノズル5と、第1エアー管11と、第2エアー管41と、第3エアー管42と、支持部43、44とを備える。なお、第2エアー管41および支持部43は、図2に示す第2エアー管12および支持部13に対応する。
【0077】
図7に示すように、本発明の第2の実施の形態における包装機は、第2エアー管41および支持部43とともに、充填ノズル5の反対側に、第3エアー管42および支持部44を設ける点が図2等に示す包装機100と異なる。
【0078】
第3エアー管42および支持部44は、充填ノズル5への設置場所が異なる点以外は、図2に示す第2エアー管12および支持部13に対応する。
【0079】
すなわち、本発明の第2の実施の形態における包装機では、包装フィルムFの左右方向(幅方向)において、充填ノズル5の外側面に、2つのエアー管(第2エアー管41および第3エアー管42)が設けられる。また、第3エアー管42の形状は、第2エアー管41と同一(または、略同一)とすることができる。また、第3エアー管42のエアーを噴射するタイミングは、第2エアー管41と同一(または、略同一)とすることができる。
【0080】
このように、包装フィルムの搬送方向と直交する直交方向(包装袋の幅方向)において、充填ノズル5の両側に第2エアー管41および第3エアー管42が配置される。また、包装袋の幅方向において、充填ノズル5の両側からエアーが噴射される。このように、充填ノズル5の両側からエアーが噴射されるため、充填ノズル5の吐出口の近傍に付着した液体材料をさらにきれいに落下させることができる。
【0081】
ここで、例えば、包装袋にするための包装フィルムの搬送が行われている場合には、包装袋の幅方向(搬送方向と直交する方向)の揺れ(横揺れ)を低減させることが重要である。そこで、本発明の第2の実施の形態における包装機では、包装袋に充填する際に、包装袋内において、2つのエアー管(第2エアー管41および第3エアー管42)の噴射口45、46から同時にエアーを噴射することができる。この2つのエアーは、互いに反対方向への噴射となる。このため、そのエアーの噴射による包装袋の横揺れを防止することができる。
【0082】
なお、上述の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、実施の形態における事項と、特許請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、特許請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本発明の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本発明は実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。
【符号の説明】
【0083】
F 包装フィルム
FX 原反ロール
1 リール
2 繰り出し装置
3 フィルム折り返しロール
4 製袋機構
5 充填ノズル
6 縦シール機構
7 第1横シール機構
8 第2横シール機構
9 切断カッター機構
10 すべり台
11 第1エアー管
12 第2エアー管
13 支持部
14 吐出口
15 噴射口
21 包装袋
22 包装袋
23 縦シール部
24 横シール部
25 縦シール部
27 横シール部
31 液体材料
32 液体材料
41 第2エアー管
42 第3エアー管
43、44 支持部
45、46 噴射口
100 包装機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7