特許第6464047号(P6464047)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6464047
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年2月6日
(54)【発明の名称】紙幣入出金装置及び紙幣取扱システム
(51)【国際特許分類】
   G07D 9/00 20060101AFI20190128BHJP
【FI】
   G07D9/00 456A
   G07D9/00 426B
   G07D9/00 408E
【請求項の数】12
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2015-129451(P2015-129451)
(22)【出願日】2015年6月29日
(65)【公開番号】特開2017-16225(P2017-16225A)
(43)【公開日】2017年1月19日
【審査請求日】2017年11月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】504373093
【氏名又は名称】日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098660
【弁理士】
【氏名又は名称】戸田 裕二
(72)【発明者】
【氏名】村田 龍彦
(72)【発明者】
【氏名】庄司 昌和
【審査官】 森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−76416(JP,A)
【文献】 特開昭61−208193(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 1/00−3/16
9/00−13/00
G07F 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙幣の入金を受付ける入金部と、
紙幣を出金する出金部と、
現金取引を実行する自動取引処理装置の現金収納部と交換可能な紙幣収納部と、
入出金取引の指示を受付ける入出力部と、
制御部とを有し、
前記制御部は、前記紙幣収納部に収納される紙幣収納量が、第1の閾値と第2の閾値との間に属することを検知すると、前記紙幣収納部が前記現金収納部と交換可能であることを通知する通知画面を前記入出力部に表示することを特徴とする紙幣入出金装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記入金部で受付けた紙幣を前記紙幣収納部に収納した後あるいは前記紙幣収納部から繰り出した紙幣を前記出金部に出金した後、前記紙幣収納部に収納される紙幣収納量が、前記第1の閾値と前記第2の閾値との間に属するかを検知することを特徴とする請求項1に記載の紙幣入出金装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記紙幣収納部に収納される紙幣収納量が、前記第1の閾値と前記第2の閾値との間に属することを検知すると、前記入出金取引の継続又は中止の指示を受付けることを特徴とする請求項1又は2に記載の紙幣入出金装置。
【請求項4】
前記紙幣収納部を複数有し、
前記制御部は、一の紙幣収納部に収納される紙幣収納量が、前記第1の閾値と前記第2の閾値との間に属することを検知すると、前記一の紙幣収納部に収納される紙幣の種別と同じ種別の紙幣を収納する他の紙幣収納部の有無を判断し、前記他の紙幣収納部が無い場合、前記入出金取引の継続又は中止の指示を受付ける選択画面を前記入出力部に表示することを特徴とする請求項3に記載の紙幣入出金装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記他の紙幣収納部が有る場合、前記他の紙幣収納部に収納される紙幣により前記入出金取引を実行することを特徴とする請求項4に記載の紙幣入出金装置。
【請求項6】
前記通知画面には、少なくとも前記紙幣収納量、前記第1の閾値及び前記第2の閾値の情報が含まれることを特徴とする請求項1乃至5に記載の紙幣入出金装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記第1の閾値及び前記第2の閾値の指定指示を受付けると、前記第1の閾値及び前記第2の閾値の値を指定する条件指定画面を前記入出力部に表示することを特徴とする請求項1乃至6に記載の紙幣入出金装置。
【請求項8】
管理装置と前記管理装置に接続される複数の自動装置とからなる紙幣取扱システムであって、
前記管理装置は、入出力部と第1制御部とを有し、
前記複数の自動装置の各々は、紙幣の入金を受付ける入金部と、紙幣を出金する出金部と、紙幣を収納する紙幣収納部と、第2制御部とを有し、
前記第2制御部が、前記紙幣収納部に収納される紙幣収納量が第1の閾値と第2の閾値との間に属することを検知すると、
前記第1制御部は、前記紙幣収納部を有する自動装置と異なる他の自動装置の紙幣収納部から前記紙幣収納部と交換可能な交換収納部を特定する交換収納部情報により前記交換収納部を通知する通知画面を前記入出力部に表示することを特徴とする紙幣取扱システム。
【請求項9】
前記第1制御部は、前記紙幣収納部に収納される紙幣と同じ種別の紙幣を収納し、前記紙幣収納量よりも少ない量の紙幣を収納する紙幣収納部を前記交換収納部に決定することを特徴とする請求項8に記載の紙幣取扱システム。
【請求項10】
前記第1制御部は、前記交換収納部を決定すると、前記紙幣収納部を有する自動装置が、前記紙幣収納部に収納される紙幣の種別と同じ種別の紙幣を収納する他の紙幣収納部を有するかを判断し、前記他の紙幣収納部を有しない場合、該自動装置における入出金取引を継続又は中止する指示を受付ける選択画面を、前記入出力部に表示することを特徴とする請求項8又は9に記載の紙幣取扱システム。
【請求項11】
前記他の紙幣収納部を有する場合、
前記第1制御部は、前記他の紙幣収納部に収納される紙幣により前記入出金取引を実行することを特徴とする請求項10に記載の紙幣取扱システム。
【請求項12】
前記通知画面には、前記紙幣収納部と、一又は複数の前記交換収納部の紙幣の収納情報が含まれることを特徴とする請求項8乃至11に記載の紙幣取扱システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙幣入出金装置及び紙幣取扱システムに関する。
【背景技術】
【0002】
銀行などの金融機関等には、顧客が紙幣の入出金等の取引を行う自動取引処理装置(Automated Teller Machine)が設置される。
【0003】
また、金融機関等の窓口には、係員が、顧客から直接預かった紙幣の入金や、直接顧客へ受け渡すための紙幣を出金する装置として、紙幣入出金装置(Teller Cash Recycler)が設置される。
【0004】
自動取引処理装置及び紙幣入出金装置は、それぞれ紙幣を収納する現金収納庫を有し、現金収納庫により入出金等の取引を行っている。また、係員は、顧客が滞りなく取引を行えるよう、現金収納庫を適宜交換して紙幣の補充/回収を行っている。
【0005】
しかし、現金収納庫を交換するには、装置を停止させる必要があるため、頻繁な交換作業は、顧客の取引時間を制限してしまう。
【0006】
そこで、先行技術文献1には、現金収納庫の交換頻度を低減するため、同一金種の現金収納庫を複数有する自動取引処理装置において、現金収納庫の収納量に第1と第2の閾値を設け、現金収納庫間で搬送制御を行うことにより、現金収納庫の使用効率を向上させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2011−76416号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、先行技術文献1に開示の技術は、自動取引処理装置内での現金収納庫の使用効率を向上させる技術であり、異なる装置間で現金収納庫の使用効率を向上させるものではない。
【0009】
金融機関等では、営業店内で稼働する異なる装置間で現金収納庫の運用を図ることにより、業務の運用を効率的に行いたいというニーズがある。特に、自動取引処理装置は、係員不在の場所で、顧客の操作によって多量の入出金取引を行うため、係員は、取引困難になって初めて現金収納庫の交換の契機を把握したり、予め運用に適する紙幣量の交換収納庫を準備するため、現金収納庫に収納する紙幣の調整をしたりしていた。
【0010】
そのため、現金収納庫の交換作業は、銀行等の業務効率や現金収納庫の運用効率の低下を招き、交換収納庫の紙幣の調整時の違算や紙幣抜取等の不正のおそれも招いている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、紙幣入出金装置は、紙幣の入金を受付ける入金部と、紙幣を出金する出金部と、現金取引を実行する自動取引処理装置の現金収納部と交換可能な紙幣収納部と、入出金取引の指示を受付ける入出力部と、制御部とを有し、制御部は、紙幣収納部に収納される紙幣収納量が、第1の閾値と第2の閾値との間に属することを検知すると、紙幣収納部が現金収納部と交換可能であることを通知する通知画面を入出力部に表示する。
【発明の効果】
【0012】
紙幣入出金装置の紙幣収納部に収納される紙幣の枚数を管理することにより、紙幣収納部を効率的に運用することができる。また、運用する紙幣の集約/仕分け作業及びそれに伴う違算や不正を無くし、安全性の高い運用を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】システム構成図の一例を示す図である。
図2】紙幣入出金装置を平面視した図の一例である。
図3】紙幣入出金装置の上部領域を概略的に示す図の一例である。
図4】紙幣入出金装置の内部構成と紙幣搬送経路を概略的に示す断面図の一例である。
図5】紙幣入出金装置の制御ブロック図の一例である。
図6】TCR収納部管理テーブルの一例を示す図ある。
図7】条件指定処理の処理フローの一例を説明する図である。
図8】収納部選択画面の一例を示す図である。
図9】通知条件設定画面の一例を示す図である。
図10】通知処理の処理フローの一例を説明する図である。
図11】係員通知画面の一例を示す図である。
図12】明細票の一例を示す図である。
図13】稼働選択処理の処理フローの一例を説明する図である。
図14】稼働選択画面の一例を示す図である。
図15】紙幣取扱システムの構成図の一例を示す図である。
図16】紙幣取扱システムの制御ブロック図の一例を示す図である。
図17】現金情報テーブルの一例を示す図である。
図18】接続装置テーブルの一例を示す図である。
図19】接続先表示画面の一例を示す図である。
図20】通知処理の処理フローの一例を説明する図である。
図21】要件判断処理の処理フローの一例を説明する図である。
図22】要件判断テーブルの一例を示す図である。
図23】候補一覧画面の一例を示す図である。
図24】稼働選択処理の処理フローの一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施の形態について図面を用いて説明する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、紙幣入出金装置の紙幣収納庫を自動取引処理装置の現金収納庫として効率的に運用するため、紙幣収納庫に収納される紙幣量を管理して、係員に対し運用の契機を効果的に提案するものである。
【0015】
図1は、本実施形態の紙幣入出金装置100及び紙幣入出金装置100に接続される操作端末10のシステムの構成図の一例を示す図である。
本実施形態の紙幣入出金装置100は、銀行等の金融機関の窓口に配置され、係員が、顧客から受け取った紙幣の入金や、顧客の要請に従って紙幣を出金する。
【0016】
紙幣入出金装置100は、その外観上、上下に区別される。下部領域は、紙幣を保管する金庫110とし、金庫110が有する筐体部112より上の上部領域を入出金機構部116とする。
筐体部112は、金属製鋼板から形成され、図1における紙面手前側に、開閉並びに施錠可能な金属製の金庫扉113を備え、この金庫扉113と共に金庫110を構成する。
紙幣入出金装置100は、金庫扉113で閉じられた筐体部112に後述の紙幣識別部170や紙幣収納部200などを収容することで、紙幣収納部200に対するセキュリティを確保している。
【0017】
入出金機構部116は、係員により操作される操作パネル118を備えるほか、上面に、後述の入金部120と出金部140を、図1における紙面手前側から紙面奥側、即ち装置前面側から後面側に掛けて、出金部140、入金部120の順に隣接して備える。
また、操作端末10は、紙幣入出金装置100に接続される。窓口の係員は、操作端末10を介して紙幣入出金装置100に処理指示を与えることや、紙幣入出金装置100の収納状態等を確認することができる。
【0018】
また、紙幣入出金装置100は、図2に示すように、顧客応対テーブルDにて装置後面側が覆われ、入出金機構部116の入金部120と出金部140とを顧客Kに視認可能な構成としている。この顧客Kによる視認の様子は、図3に示されており、紙幣入出金装置100は、顧客Kの側から、入金部120と出金部140をこの順に隣接して、入出金機構部116に備える。
【0019】
また、図2に示すように、係員Mは、顧客応対テーブルDを挟んで顧客Kと対面し、操作端末10や操作パネル118での所定操作の他、顧客Kから預かった紙幣Bの入金部120への投入や出金部140に出金された紙幣の顧客Kへの受渡を行う。以下、紙幣入出金装置100の構成について詳述する。
【0020】
図4は、紙幣入出金装置100の内部構成と紙幣搬送経路を概略的に示す断面図である。
図示するように、紙幣入出金装置100の入出金機構部116には、紙幣Bの入金を受け付ける入金部120と紙幣Bを出金する出金部140とを隣接配置して備え、金庫110の筐体部112には、紙幣識別部170と搬送機構部180と紙幣収納部200とを収容して備える。こうして金庫110に収容された紙幣識別部170と紙幣収納部200は、筐体部112により、入出金機構部116の入金部120と出金部140から区画され、筐体部112において、紙幣識別部170が紙幣収納部200の上方側に位置する。
【0021】
また図3に示すとおり、入金部120は、出金部140よりも紙幣識別部170側、即ち後面側に配置され、この入金部120と隣接配置された出金部140は、入金部120の側に壁部141を備える。この壁部141は、出金部140の内部を入金部120の側で覆い、その上端の基部141bに蓋体141cを隔てて備える。蓋体141cは、出金部140の開口上端を覆うよう開閉自在とされ、出金部140に搬送されてきた出金紙幣の飛び出しを防止する。壁部141は、入金部120の開口上端までしか延びておらず、蓋体141cにあってもその幅が狭くされている。よって、壁部141および蓋体141cは、顧客応対テーブルDを隔てた顧客K(図2参照)が入金部120の側から出金部140を眺める際の視線を遮らない。また、蓋体141cが出金部140全体を覆う形状になっておらず、その幅が狭い、かつ、中央位置付近に設けられているため、窓口係員Mの手の動線の妨げにならないことから入金部120への紙幣Bの投入の妨げにもならず操作性がよい。
【0022】
紙幣識別部170は、紙幣の金種種別の他、記番号、紙幣真偽、破損状況(リジェクト要否)等を、入出金の過程で鑑別する。紙幣識別部170による紙幣識別は、例えば、紙幣をスキャンして得られる画像データ、紙幣の表面の凹凸形状、磁気特性、紫外線などに対する光学特性など種々の情報を利用して行うことができる。紙幣識別部170の識別結果は、後述の制御部190に出力され、紙幣搬送先のカセットの決定、リジェクト搬送等に用いられる。
【0023】
搬送部に相当する搬送機構部180は、入金部120および出金部140から紙幣収納部200に掛けて、紙幣入金経路180INと紙幣出金経路180OUTとを形成する。図4に示すように、紙幣入金経路180INは、入金部120から紙幣識別部170に到る上流側入金経路181を備える。紙幣出金経路180OUTは、紙幣識別部170から出金部140に到る下流側出金経路186を備える。
【0024】
これら経路を有する搬送機構部180は、上記の入出金経路にて入金部120と出金部140とを紙幣識別部170と紙幣収納部200とに接続して、紙幣を搬送する。紙幣収納部200は、TCR収納部201〜205を備え、それぞれの収納部に紙幣を収納する。
【0025】
図5は、紙幣入出金装置100の制御ブロック図の一例を示す説明図である。
紙幣入出金装置100は、機能ブロックとして、入金部120と、出金部140と、紙幣収納部200のTCR収納部201〜205と、紙幣識別部170と、操作パネル118と、搬送機構部180と、制御部190とを有する。
【0026】
入金部120は、紙幣が投入されることで紙幣を機構内部へ搬送するための機構であり、その内部に、紙幣繰り出し機構を有し、搬送機構部180を介してTCR収納部に紙幣を入金する。出金部140は、係員の指示によりTCR収納部201〜205から繰り出した紙幣を出金するための機構である。
【0027】
TCR収納部201〜205は、金種別に設けられる。また、TCR収納部201〜205は、自動取引処理装置の現金収納庫であるATM収納部と互換性を有する。そのため、TCR収納部201〜205とATM収納部とを交換することにより、紙幣入出金装置100で回収された紙幣を、そのまま自動取引処理装置の取扱紙幣として運用することができる。
【0028】
操作パネルは118、紙幣入出金装置100の入出金等に必要や情報や、紙幣入出金装置100のエラー情報等を表示するためのパネルである。なお、操作端末10の入出力部に表示する画面は、操作パネル118に表示してもよい。
【0029】
搬送機構部180は、TCR収納部201〜205ごとのゲート201bを初めとするゲート群と、紙幣搬送経路に複数設置した検知センサの検知センサ群188と、紙幣搬送を担う複数の駆動モータの駆動モータ群189とを備える。
【0030】
検知センサ群188に含まれる検知センサは、紙幣入金経路180INや紙幣出金経路180OUTにて紙幣搬送状態を検知するほか、入金部120や出金部140における紙幣有無、TCR収納部201〜205における紙幣収納枚数等を検知し、その検知信号を制御部190に出力する。
【0031】
制御部190は、CPU191と、メモリ193とを有する。CPU191は、主に制御用のマイクロプロセッサからなる。CPU191は、入金部120や出金部140に含まれる紙幣送出・搬送に関与する駆動機器等の他、搬送機構部180のゲート群、駆動モータ群を、紙幣の入出金搬送に伴い駆動制御する。
【0032】
メモリ193は、CPU191によって実行されるプログラム及び当該プログラムの実行に必要なデータを記憶する。また、メモリ193は、プログラムとCPU191との協働により、上位通信部195及びTCR収納部管理テーブル197といった機能部を構成する。CPU191は、紙幣入出金装置100での入出金取引実行時にTCR収納部管理テーブル197を参照し情報の更新を行う。
【0033】
操作端末10は、係員が、紙幣入出金装置100に対し入出金等の処理指示や種々の情報を入出力するための端末である。なお、本実施形態では、紙幣入出金装置100と操作端末10とを別に図示しているが、操作端末10の有する機能部を全て紙幣入出金装置100が有し、係員は、操作端末10を介さずに処理を行うとしても良い。操作端末10は、入出力部11と、明細票を印字するための明細票印字部13と、制御部15とを有する。制御部15は、CPU17及びメモリ19からなり、メモリ19は、プログラムとCPU17との協働により、通信部21を構成する。
【0034】
また、本実施形態では、紙幣入出金装置100と操作端末10とが一対応である例を図示しているが、金融機関等には、複数の紙幣入出金装置100が配置されていることが一般的であり、一台の操作端末10が、複数台の紙幣入出金装置100への入力や出力を行うこともできる。
【0035】
自動取引処理装置では、係員を介さず顧客が入出金等の取引操作を行い、日に多量の入出金取引を取扱う。そのため、自動取引処理装置のATM収納部と交換するTCR収納部201〜205に収納される紙幣の量が、多すぎ又は少なすぎると、ATM収納部の交換作業が頻繁に必要となり、その度に係員が自動取引処理装置を停止して交換作業を行わなければならない。そこで、本実施形態では、TCR収納部201〜205の紙幣の収納量を管理し、ATM収納部の交換に適するTCR収納部を準備する。
【0036】
図6は、紙幣入出金装置100の有するTCR収納部管理テーブル197の一例を示す。
TCR収納部管理テーブル197は、紙幣入出金装置100のTCR収納部201〜205の紙幣の収納状況や、紙幣の収納量を管理するための条件を記憶するテーブルである。
【0037】
TCR収納部管理テーブル197は、収納部No.210と、金種211と、収納枚数212と、通知上限213と、通知下限214と、最大収納枚数215と、通知(○/×)情報216とから構成される。
【0038】
収納部No.210は、紙幣入出金装置100のTCR収納部201〜205を特定する番号である。金種211は、TCR収納部201〜205に収納する紙幣の金種を示す。
収納枚数212は、TCR収納部201〜205に収納されている紙幣の枚数を示す。なお、収納枚数212は、検知センサ群188の検知によって計数される。なお、本実施形態では、収納枚数212の値は、入金あるいは出金の取引実行時に更新されるものとするが、それに限られず、所定の時間毎に最新の情報に更新される仕様にしてもよい。
【0039】
通知上限213は、係員に対して通知を行う紙幣枚数の上限値(上限閾値)を示す。通知下限214は、係員に対して通知を行う紙幣枚数の下限値(下限閾値)を示す。即ち、制御部190は、TCR収納部201〜205の紙幣の収納枚数が、通知上限213と通知下限214との範囲に属する場合、係員に対して通知を行う。
【0040】
なお、通知上限213と通知下限214の値は、後述のカセット条件指定処理により、係員が指定する。係員は、紙幣入出金装置や自動取引処理装置の稼働場所、稼働時期、稼働方法や入出金傾向の特性等、実際の稼働実績を考慮して、最適な値を指定する。
【0041】
本実施形態では、通知条件として以上の通知上限と通知下限とを設けることにより、自動取引処理装置の運用に適する枚数の紙幣が収納されるTCR収納部201〜205を準備する。
【0042】
最大収納枚数215は、TCR収納部201〜205に収納できる最大の収納枚数の値を示す。
通知情報216は、TCR収納部201〜205が、通知に適する状態にあるか否かを示す情報である。本実施形態では、収納枚数212が、通知上限213と通知下限214との範囲内にある場合、TCR収納部201〜205がATM収納部の交換に適している状態であると判断し、係員に通知を行う。通知する状態を○で、通知しない状態を×で記憶する。
【0043】
例えば、収納部No.1の千円紙幣を収納するTCR収納部は、現在の収納枚数が2468枚であり、通知上限2600枚と通知下限2400枚との間に該当するため、通知情報216は○となる。
【0044】
図7は、制御部190が、TCR収納部201〜205に通知条件を指定する際に行う条件指定処理の処理フローを示す図である。
まず、S701で、制御部190が、係員の入力によりTCR収納部201〜205の条件指定の指示を受付けると、収納部選択画面800を表示する(S703)。係員は、収納部選択画面800を確認することにより、TCR収納部201〜205の状態を見ながら、どのTCR収納部201〜205に通知条件を指定するかを選択する。
【0045】
次いで、S705で、制御部190は、収納部選択画面800において収納部が選択されたことを検知すると(S705:Yes)、通知条件設定画面900を表示する(S707)。係員は、通知条件設定画面900にて、TCR収納部201〜205の通知条件(通知上限及び通知下限の値)を設定する。
【0046】
通知条件は、上述の通り、係員が、紙幣入出金装置100や自動取引処理装置の稼働場所、稼働時期、稼働方法や入出金傾向の特性等の実際の稼働実績を考慮して、最適な値を各TCR収納部に対して指定する。また、予め定めた値を、全てのTCR収納部あるいは金種毎のTCR収納部に自動で設定するようにしてもよい。
【0047】
次いで、通知条件が入力されると、制御部190は、入力された値を登録する(S709)。
入力値の登録後及び収納部選択指示を受付けていない場合(S705:No)、S711で、明細票印字の指示を受付けているかを判断する。明細票には、TCR収納部201〜205の紙幣の収納枚数や、通知条件等が印字される。印字される明細票の一例を図12に示す。明細票印字の指示を受付ける場合(S711:Yes)、明細票の印字を操作端末10に指示し、受付けていない場合(S711:No)、処理を終了する。
【0048】
図8は、条件指定処理のS703で表示する収納部選択画面800の一例を示す。
収納部選択画面800には、紙幣入出金装置100に構成されるTCR収納部201〜205の通知条件(通知上限及び通知下限の値)と現状の収納状態とが表示される。また、係員に対し通知条件を新規設定又は変更するTCR収納部201〜205を選択するように誘導する情報が表示される。
【0049】
係員は、TCR収納部201〜205の紙幣の収納状態を見ながら、どのTCR収納部201〜205に通知条件を指定するかを選択することができる。また、収納部選択画面800には、印刷ボタンが設けられ、係員は、印刷ボタンを選択することにより明細票を印字することができる。なお、本図面には図示していないが、全てのTCR収納部あるいは金種別のTCR収納部を一括で選択できるようにしてもよい。
【0050】
図9は、条件指定処理のS707で表示する通知条件設定画面900の一例を示す。
通知条件設定画面900には、例えば、TCR収納部201〜205の収納紙幣枚数と、通知条件と、通知条件の値を指定するためのテンキーとが表示される。係員は、テンキー入力により、選択したTCR収納部に対し通知条件を設定する。なお、通知条件の入力は、テンキーに限られず別途入力部を介して行うのでもよい。
【0051】
また、通知条件の新規設定や設定変更は、紙幣入出金装置100の電源立ち上げ時に限られず、いつでも行うことができる。そのため、係員は、紙幣の収納状態を確認しながら、運用に適する通知条件を適宜設定することができる。
【0052】
以上のように、本実施形態では、TCR収納部にATM収納部の運用に適する通知上限及び通知下限の値を適宜設定できるため、TCR収納部をATM収納部として柔軟に運用することができる。
【0053】
図10は、制御部190が行う通知処理の処理フローの一例を示す。
まず、S1001で、取引開始を検知すると、検知した取引種類が入金/出金のいずれの取引であるかを判断する(S1003)。取引が入金取引である場合、入金部120に投入された紙幣を紙幣鑑別部170で鑑別し、紙幣をTCR収納部201〜205に収納する(S1005)。取引が出金取引である場合、TCR収納部201〜205から紙幣を繰り出し、出金部140に紙幣を搬送する。
【0054】
次いで、S1009で、制御部190は、入出金取引後の情報でTCR収納部管理テーブル197を更新して、取引を終了する(S1011)。
次に、S1013で、制御部190は、TCR収納部管理テーブル197を参照して、収納枚数が、通知上限と通知下限との範囲内に属するか、即ち通知条件に該当しているかを判断する。
【0055】
通知条件に該当する場合(S1013:Yes)、S1015で係員通知画面1100を表示する。係員通知画面1100は、通知条件に該当するTCR収納部を係員に通知する画面である。係員通知画面1100については、図11を用いて後述する。
係員は、係員通知画面1100を確認することにより、ATM収納部の交換に適するTCR収納部201〜205を即時に把握できる。また、通知条件に該当しない場合(S1013:No)、処理を終了する。
本実施形態では、入金又は出金取引の動作後に、通知条件に該当するか否かを判断するため、次の取引を実行する前に、事前に係員に対して運用の契機を通知することができる。また、入金又は出金取引実行する度、即ち紙幣の収納枚数に変動がある度に以上の通知処理を実行することにより、係員に対し運用の契機を取り残しなく通知することができる。
【0056】
以上のように、本実施形態では、TCR収納部の紙幣量を管理し、ATM収納部の交換に適する紙幣量になると係員に通知することで、交換の契機を効果的に提案することができる。そのため、係員は、交換可能なTCR収納部を迅速かつ的確に把握することができ、TCR収納部とATM収納部との間で効率的に収納部を運用することができる。また、係員が、運用のためにTCR収納部に収納される紙幣量を調整する必要がないため、紙幣量を調整する際に生じていた違算や紙幣抜取等の不正を生じさせることなく、安全性の高い業務を遂行することができる。
【0057】
図11は、通知処理のS1013で表示する係員通知画面1100の一例を示す。
係員通知画面1100では、係員が、通知条件に該当するTCR収納部201〜205を即時に判別できるように、他のTCR収納部とは区別できる強調表示する等して通知を行う。また、印刷ボタンを選択することにより、TCR収納部201〜205の収納情報を明細票に印字することができる。図11は、「収納部2」の収納枚数が、通知上限と通知下限との間に該当し、ATM収納部への運用に適している状態であることを示している。
【0058】
図12は、印字される明細票1200の一例を示す。
明細票1200には、TCR収納部管理テーブル197の種々の情報が印字され、係員は、明細票1200に印字することによりTCR収納部201〜205の収納状態を適宜確認することができる。
【0059】
また、係員は、TCR収納部をATM収納部として運用するタイミングを、紙幣入出金装置での顧客対応状況や自動取引処理装置の稼働状況を考慮して判断したい場合がある。そこで、以降では、TCR収納部が通知条件に該当した場合、係員にTCR収納部としての稼働を優先するかATM収納部の交換収納部としての運用を優先するかを選択させることができる稼働選択処理について説明する。
【0060】
図13は、制御部190が行う稼働選択処理の処理フローを説明する図である。
S1001〜S1015については、図10の通知処理と同様であるため説明を省略する。
【0061】
通知条件に該当するTCR収納部が存在し、係員通知画面1100を表示すると、制御部190は、S1301で、紙幣入出金装置100に通知条件に該当するTCR収納部と同じ金種の他のTCR収納部が存在するかを判断する。他のTCR収納部がない場合(S1301:No)、稼働選択画面1400を表示する(S1303)。
【0062】
また、他のTCR収納部がある場合(S1017:Yes)、稼働選択処理を終了する。なお、紙幣入出金装置100は、他のTCR収納部に収納される紙幣を使用して、入出金取引を継続する。
【0063】
稼働選択画面1400は、紙幣入出金装置100としての稼働を継続あるいは中止するかを係員に判断させる画面である。他のTCR収納部がない場合、他の収納部を使って取引を継続することができないため、TCR収納部として運用を継続するか、ATM収納部の交換収納部として運用するかどうかを係員に選択させる必要があるためである。
【0064】
図14は、稼働選択処理のS1303で表示する稼働選択画面1400の一例を示す。
稼働選択画面1400には、紙幣入出金装置100の稼働の継続又は中止を選択できる情報が表示される。また、通知条件に該当するTCR収納部の状態情報があわせて表示される。
【0065】
以上のように、係員は、窓口での顧客対応状況や自動取引処理装置の稼働状況を考慮して、稼働選択画面により紙幣入出金装置の稼働を継続/中止するかを判断することができる。そのため、係員は、状況に応じた効率的な業務を遂行することができる。また、紙幣入出金装置は、係員により入出金操作される。そのため、係員は、次の入出金取引で取扱う紙幣量を確認し、その紙幣量を考慮した上で稼働の継続あるいは中止を判断することができる。
【0066】
[第2の実施形態]
第2の実施形態では、紙幣収納庫に収納される紙幣量を管理すると共に、交換先として適している現金収納庫を特定することにより、紙幣入出金装置の紙幣収納庫を自動取引処理装置の現金収納庫として効率的に運用するものである。
【0067】
図15は、本実施形態の紙幣取扱システムの構成図を示す。
本実施形態のシステムは、紙幣入出金装置100と、自動取引処理装置300と、上位装置である管理装置50と、これらを接続するネットワーク60とから構成される。なお、紙幣入出金装置100及び自動取引処理装置300は、一又は複数台接続されるものとする。
【0068】
図16は、紙幣取扱システムの制御ブロック図の一例を示す説明図である。
紙幣入出金装置100は、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
自動取引処理装置300は、機能ブロックとして、入金部301と、出金部303と、ATM収納部305と、紙幣識別部310と、操作パネル312と、搬送機構部314と、利用明細を印刷発行する明細書発行部320と、通帳を受付けて印字を行う通帳印字部322と、利用者の口座番号などの情報が記録された記録媒体であるカードを取り扱うカード部324と、制御部330とを有する。
【0069】
制御部330は、CPU332とメモリ334とを有する。CPU332は、主に制御用のマイクロプロセッサからなる。CPU332は、入金部301、出金部303、明細書発行部320、通帳印字部322やカード部に含まれる駆動機器の他、搬送機構部314のゲート群305b、駆動モータ群318を駆動制御する。
【0070】
メモリ334は、CPU332によって実行されるプログラム及び当該プログラムの実行に必要なデータを記憶する。また、メモリ334は、プログラムとCPU332との協働により、上位通信部336及び現金情報テーブル338といった機能部を構成する。CPU332は、入出金等の取引実行時に現金情報テーブル338を参照し情報の更新を行う。また、CPU332は、現金情報テーブル338を参照し、要件判断処理(図21)を実行する。
【0071】
管理装置50は、紙幣入出金装置100及び自動取引処理装置300接続され、通知条件に該当する紙幣収納部がある場合に、運用に適するATM収納部を決定する。
管理装置50は、入出力部51と制御部52とを有する。係員は、入出力部51により紙幣入出金装置100や自動取引処理装置300に対して処理指示を与えることや、種々の情報を表示することができる。
【0072】
制御部52は、CPU53とメモリ54とを有する。CPU53は、主に制御用のマイクロプロセッサからなる。メモリ54は、CPU53によって実行されるプログラム及び当該プログラムの実行に必要なデータを記憶し、プログラムとCPU53との協働により、通信部55と、接続装置テーブル56と、要件判断テーブル57といった機能部を構成する。CPU53は、要件判断テーブル57を参照し、通知処理(図20)を実行する。
【0073】
図17は、自動取引処理装置300のメモリ334に格納される現金情報テーブル338の一例を示す。
現金情報テーブル338は、自動取引処理装置300で実行した取引の取引時間340と、取引種別342と、金種別の収納カセットの紙幣収納枚数344とからなる。
自動取引処理装置300で行われる取引には、入金取引や出金取引の他、振込取引や通帳印字等がある。本実施形態では、現金情報テーブル338は、全ての取引実行時に更新されるものとするが、ATM収納部305に収納される紙幣の枚数に変化があった取引実行時のみ更新されるものとしてもよい。
【0074】
図18は、管理装置50のメモリ54に格納される接続装置テーブル56の一例を示す。
接続装置テーブル56は、管理番号1801と、装置名1803と、IPアドレス1805と、サブネットマスク1807と、デフォルトゲートウェイ1809とからなる。
【0075】
装置名1803は、管理装置50に接続される装置名称を示す。IPアドレス1805は、ネットワークに接続される装置に割り振られる識別番号である。サブネットマスク1807とは、IPアドレスと、ネットワークを示すネットワークアドレスと、ホストを示すホストアドレスとを識別するための値である。デフォルトゲートウェイ1809とは、紙幣入出金装置100と自動取引処理装置300とが接続する際に、通信対象が不明である場合に送信する中継機器のIPアドレスを示す。
【0076】
紙幣入出金装置100は、サブネットマスク1807により接続先の自動取引処理装置300が、同じネットワーク60内に存在するかを判断することができる。また、紙幣入出金装置100は、デフォルトゲートウェイ1809を中継することで異なるネットワーク60に存在する自動取引処理装置300と通信できる。例えば、ネットワークがフロアごとに区切られた店舗内であっても、紙幣入出金装置100は、デフォルトゲートウェイを中継することにより他のフロアに存在する自動取引処理装置300の現金情報テーブル338の情報を取得できる。
【0077】
図19は、管理装置50に表示する接続先表示画面1900の一例を示す。
係員は、接続先表示画面1900により管理装置50と接続する紙幣入出金装置100や自動取引処理装置300の追加や削除等の設定変更を柔軟に行うことができる。また、接続される装置群を一覧で確認することができるため、容易にシステムを管理することができる。
【0078】
図20は、制御部52が行う第2の実施形態の通知処理の処理フローの一例を示す。
なお、本実施形態のTCR収納部201〜205も第1の実施形態と同様に、通知条件となる通知上限及び通知下限が指定される。但し、条件指定の方法は、第1の実施形態の条件指定処理(図7)と同様であるため説明を省略する。
【0079】
S1901で、制御部52は、通知条件に該当するTCR収納部201〜205を有する紙幣入出金装置100を検知する場合(S1901:Yes)、S1903で要件判断処理を行う。
【0080】
要件判断処理とは、通知対象となったTCR収納部201〜205と交換可能な自動取引処理装置300のATM収納部305を決定する処理である。要件判断処理の詳細については、図21を用いて後述する。本実施形態では、要件判断処理を行うことにより、交換可能なTCR収納部をATM収納部へ効率良く運用することができる。
【0081】
要件判断処理により、TCR収納部201〜205と交換可能なATM収納部305が有ると判断されると(S1905:Yes)、S1907で、入出力部51に候補一覧画面を表示する。また、交換可能なATM収納部305が無いと判断されると(S1905:No)、処理を終了する。
候補一覧画面には、通知対象となったTCR収納部201〜205の情報や、該TCR収納部の交換候補となるATM収納部305を表示する。候補一覧画面については、図23で後述する。
【0082】
係員は、候補一覧画面を確認することにより、通知条件に該当するTCR収納部の有無と共に、該TCR収納部と交換できるATM収納部の候補を即時に知ることができる。そのため、係員が、交換先となるATM収納部を逐次検討することなく収納部の交換作業を行うことができ、TCR収納部を効率よくATM収納部として運用することができる。
【0083】
図21は、通知処理のS1903で行う要件判断処理(S1903)のフローの一例を示す。
要件判断処理では、通知対象となったTCR収納部201〜205と交換可能なATM収納部305を決定する。
【0084】
まず、S2001で、紙幣入出金装置100は、通知条件に一致するTCR収納部がある場合、管理装置50に対して、リクエスト情報を送信する。リクエスト情報には、少なくとも通知条件に該当したTCR収納部を有する紙幣入出金装置名と、該TCR収納部に収納される金種情報と、装填枚数とが含まれる。ここでは、紙幣入出金装置のTCR収納部に収納される紙幣の枚数を装填枚数と呼ぶ。その他、通知条件に該当した時間情報等をリクエスト情報として送信しても良い。
【0085】
管理装置50は、リクエスト情報を受信すると、自動取引処理装置300に対し、リクエスト情報及び交換カセット候補確認要求を送信する(S2003)。
交換カセット候補確認要求は、紙幣入出金装置100のTCR収納部と交換可能なATM収納部305が存在するかを確認するための問い合わせ通知である。なお、本実施形態では、管理装置50を介してリクエスト情報及び交換カセット候補確認要求を自動取引処理装置300に通知するものとしているが、紙幣入出金装置100から直接自動取引処理装置300に通知するものとしてもよい。
【0086】
自動取引処理装置300は、受信したリクエスト情報及び交換カセット候補確認要求により、通知条件に該当したTCR収納部と同じ金種のATM収納部305を抽出する。そして、通知条件に該当したTCR収納部の装填枚数と、抽出されたATM収納部305の収納枚数とを比較する(S2005)。
【0087】
なお、自動取引処理装置300に同じ金種のATM収納部305が複数存在する場合、それらの中で収納枚数が一番少ないATM収納部305における収納枚数を、装填枚数と比較するものとする。
【0088】
ATM収納部305の収納枚数が、TCR収納部201〜205の装填枚数より少ない場合(S2005:Yes)、S2007で、該ATM収納部305を交換先となる収納部の候補に決定する。
S2009で、自動取引処理装置300は、管理装置50に対し交換収納部候補情報を送信する。交換収納部候補情報は、少なくとも交換先のATM収納部305を有する自動取引処理装置300を特定する情報と、該ATM収納部305が収納している紙幣の金種と、その収納枚数とを含む。
【0089】
次いで、S2011で、管理装置50は、交換収納部候補情報により要件判断テーブル57を更新する。要件判断テーブル57は、通知条件に該当したTCR収納部と、該TCR収納部と交換可能なATM収納部の情報を集約するものである。
【0090】
以上のように、本実施形態では、要件判断処理を行うことにより、通知対象となったTCR収納部と交換可能なATM収納部を自動かつ即時に抽出することができる。
【0091】
なお、本実施形態では、紙幣入出金装置が、S2001で、リクエスト情報を送信することを契機に自動取引処理装置の交換収納部候補を決定しているがこれに限られない。例えば、紙幣量の過不足あるATM収納部を検知すると、紙幣入出金装置にリクエストを送信し、通知条件に該当するTCR収納部を抽出するとしてもよい。
【0092】
図22は、要件判断テーブル57の一例を示す図である。
要件判断テーブル57は、管理装置50のメモリ54に格納され、候補一覧画面2300を表示する際の情報となる。要件判断テーブル57は、リクエスト情報58と交換収納部候補情報59とから構成される。
【0093】
リクエスト情報58は、要件判断処理のS2001において、紙幣入出金装置100から管理装置50に送信される情報である。リクエスト情報58には、通知条件に該当したTCR収納部を有する紙幣入出金装置名と、該TCR収納部に収納される金種情報と、装填枚数とが含まれる。
【0094】
交換収納部候補情報59は、要件判断処理のS2009において、自動取引処理装置300から管理装置50に送信される情報である。
交換収納部候補情報59は、装置名と、金種と、収納枚数とからなる。装置名は、交換候補として抽出されたATM収納部305を有する自動取引処理装置300の名称を示す。金種及び収納枚数は、該ATM収納部305が収納する紙幣の金種及び枚数を示す。
【0095】
なお、紙幣入出金装置から送信されるリクエスト情報に対して、交換先となるATM収納部が複数抽出される場合もある。図21は、「TCR001」のリクエスト情報に対し、交換先として3つの自動取引処理装置300のATM収納部305が決定された様子を示す。
【0096】
図23は、管理装置50の入出力部51に表示される候補一覧画面2300の一例を示す。
候補一覧画面2300には、通知条件に該当したTCR収納部201〜205の収納状態が示される。また、交換候補として抽出されたATM収納部305の収納状態が、あわせて表示される。
交換候補となるATM収納部305が複数ある場合、収納枚数の少ないATM収納部305から順に表示してもよいし、収納枚数が最小のATM収納部305を強調表示してもよい。
【0097】
以上のように、本実施形態では、紙幣入出金装置で通知条件に該当するTCR収納部を通知すると共に、交換先の候補となる自動取引処理装置のATM収納部を抽出して通知する。そのため、係員は、通知情報を確認することにより、TCR収納部の交換の契機を図ることや、交換先となるATM収納部を逐次検討する必要がない。また、自動取引処理装置での取引が困難になる前に交換作業を行うこともでき、装置を停止させて顧客の取引を制限してしまう時間を低減することもできる。また、交換の際に、TCR収納部の紙幣を集約/仕分けする調整作業を行う必要もないため、効率的に収納部を運用することができる共に、違算や不正のない、安全性の高い業務を遂行することができる。
【0098】
また、第1の実施形態の稼働選択処理を第2の実施形態に適用することもできる。
図24は、第2の実施形態の稼働選択処理を説明する処理フローの一例を示す。
S1901〜S1905については、図20の通知処理と同様であるため説明を省略する。
【0099】
S1905で、通知条件に該当したTCR収納部201〜205と交換可能なATM収納部305が有る場合、S2401で、該TCR収納部に収納する金種と同じ金種を収納する他のTCR収納部が有るかを判断する。
【0100】
通知条件に該当したTCR収納部と同じ金種の紙幣を収納するTCR収納部がない場合(S2401:No)、S2403で稼働選択画面を入出力部に表示する。また、通知条件に該当したTCR収納部と同じ金種を収納するTCR収納部がある場合(S2401:Yes)、処理を終了する。
【0101】
稼働選択画面は、第1の実施形態の図14と同様に、紙幣入出金装置100の稼働の継続又は中止を選択できる情報を表示する画面である。TCR収納部が通知条件に該当し、交換可能なATM収納部が存在していても、同じ金種の紙幣を収納するTCR収納部が無い場合、紙幣入出金装置100での取引を優先するか、ATM収納部との交換を優先するかを係員に判断させることができる。
【0102】
また、以上では、交換可能な自動取引処理装置のATM収納部を決定し、紙幣入出金装置のTCR収納庫を運用する手法について説明したが、本手法は、自動取引処理装置間を含む自動装置間で現金収納部を運用する際にも適用することもできる。例えば、一の自動取引処理装置のATM収納部での紙幣収納量が、通知条件に該当することを検知すると、他の自動取引処理装置のATM収納部の収納状態を把握して交換収納部候補を決定するようにしても良い。
【0103】
以上、本発明を実施するための形態を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱することのない範囲で種々の構成や動作を適用可能である。
また、実施形態における各機能部は、プログラムとCPUの協働によって実現する例について説明したが、これらの一部や全部をハードウェアとして実現することも可能である。
さらに、実施形態において各種テーブル形式で管理する情報は、テーブル形式に限られるものではない。また、各種情報は、各装置の入出力部に出力することができる。
【符号の説明】
【0104】
10…操作端末
11、51…入出力部
13…明細票印字部
15、52、330…制御部
17、52、191、332…CPU
19、54、193、334…メモリ
21、55…通信部
50…管理装置
56…接続装置テーブル
57…要件判断テーブル
60…ネットワーク
100…紙幣入出金装置
118、312…操作パネル
120、301…入金部
140、303…出金部
170、310…紙幣識別部
180、314…搬送機構部
195、336…上位通信部
197…TCR収納部管理テーブル
300…自動取引処理装置
320…明細書発行部
322…通帳印字部
324…カード部
338…現金情報テーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24