(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6464051
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年2月6日
(54)【発明の名称】誘導加熱装置及び誘導加熱方法
(51)【国際特許分類】
H05B 6/10 20060101AFI20190128BHJP
H05B 6/44 20060101ALI20190128BHJP
H05B 6/06 20060101ALI20190128BHJP
C21D 1/42 20060101ALI20190128BHJP
C21D 9/02 20060101ALI20190128BHJP
【FI】
H05B6/10 331
H05B6/44
H05B6/06 393
C21D1/42 T
C21D9/02 B
C21D9/02 A
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-144799(P2015-144799)
(22)【出願日】2015年7月22日
(65)【公開番号】特開2017-27767(P2017-27767A)
(43)【公開日】2017年2月2日
【審査請求日】2018年2月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000210986
【氏名又は名称】中央発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 徹
(72)【発明者】
【氏名】深津 厚志
【審査官】
黒田 正法
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−330520(JP,A)
【文献】
特開2011−181217(JP,A)
【文献】
特開平3−015189(JP,A)
【文献】
特開2013−243025(JP,A)
【文献】
特開2010−082665(JP,A)
【文献】
実開昭63−000496(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 6/00− 6/10
H05B 6/14− 6/44
C21D 1/42
C21D 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属のワークを誘導加熱する誘導加熱装置において、
ワーク内に電流を誘起して当該ワークを発熱させる少なくとも1つの誘導コイルと、
予め設定された第1周波数の電流を前記誘導コイルに通電させる第1電源部と、
前記第1周波数より高い第2周波数の電流を前記誘導コイルに通電させる第2電源部と、
ワークを前記第1周波数にて誘導加熱する場合と当該ワークを前記第2周波数にて誘導加熱する場合とを切り替える切替装置とを備え、
ワークの断面のうち外形寸法が最小となる部位の寸法を外形寸法としたとき、
前記切替装置は、ワークの外形寸法が予め設定された所定寸法未満の場合には、当該ワークを前記第1周波数にて誘導加熱した後、当該ワークを前記第2周波数にて誘導加熱し、
さらに、ワークの外形寸法が前記所定寸法以上の場合には、当該ワークを前記第2周波数にて誘導加熱した後、当該ワークを前記第1周波数にて誘導加熱する
ことを特徴とする誘導加熱装置。
【請求項2】
ワークの磁気変態点を基準に予め設定された温度を変更温度としたとき、
ワークの温度を検出する温度検出器を備え、
前記切替装置は、前記温度検出器により検出された温度が前記変更温度に到達したときに、誘導加熱に用いる周波数を変更する
ことを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱装置。
【請求項3】
前記誘導コイルは、前記第1電源部から通電される第1誘導コイル、及び前記第2電源部から通電される第2誘導コイルを有して構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の誘導加熱装置。
【請求項4】
金属のワークを誘導加熱する誘導加熱方法において、
ワークの断面のうち外形寸法が最小となる部位の寸法を外形寸法とし、予め設定された第1周波数より高い周波数を第2周波数としたとき、
ワークの外形寸法が予め設定された所定寸法未満の場合には、当該ワークを前記第1周波数にて誘導加熱した後、当該ワークを前記第2周波数にて誘導加熱し、
さらに、ワークの外形寸法が前記所定寸法以上の場合には、当該ワークを前記第2周波数にて誘導加熱した後、当該ワークを前記第1周波数にて誘導加熱する
ことを特徴とする誘導加熱方法。
【請求項5】
ワークの磁気変態点を基準に予め設定された温度を変更温度としたとき、
ワークの温度が前記変更温度に到達したときに、誘導加熱に用いる周波数を変更する
ことを特徴とする請求項4に記載の誘導加熱方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属のワークを誘導加熱する誘導加熱装置、及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
誘導加熱装置及び誘導加熱方法では、例えば、特許文献1に記載されているように、電源周波数、及び浸透深さ(以下、深度ともいう。)を加熱対象のワークに応じて適切な値とする必要がある。
【0003】
電源周波数とは、誘導コイルに通電する電流の周波数をいう。深度とは、ワークに誘起される誘導電流(渦電流)の発生位置であってワーク表面からの深さ寸法をいう。つまり、ワークで発生する熱は深度方向で指数関数的に減少するように分布する。このため、深度が不適切であると、ワークを適切に加熱することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭63−36037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電源周波数及び深度は、ワークの大きさ等に応じた最適値がある。換言すれば、異なる大きさのワークを同一の誘導加熱装置にて誘導加熱することは難しい。このため、ワークの大きさ毎に、当該ワークに適した電源周波数等を実現可能な電源装置を必要とする。
【0006】
つまり、外形寸法が大きなワークに適した電源周波数等を実現可能な電源装置(以下、第1電源装置という。)、及び外形寸法が小さなワークに適した電源周波数等を実現可能な電源装置(以下、第2電源装置という。)を必要とする。
【0007】
このため、外形寸法が大きなワークを誘導加熱している場合には第2電源装置が非稼働状態となる。外形寸法が小さなワークを誘導加熱している場合には第1電源装置が非稼働状態となる。したがって、第1電源装置及び第2電源装置の稼働率、つまり、誘導加熱装置の稼働率を上げることが難しい。
【0008】
さらに、第1電源装置及び第2電源装置のいずれか一方の電源装置のみでワークを所定温度(例えば、1000℃)まで加熱する必要があるので、複数の大きな電源装置を必要とする。このため、多額の設備投資を必要とする。
【0009】
本発明は、上記点に鑑み、設備投資額を抑制しつつ、誘導加熱装置全体の稼働率を高めることが可能な誘導加熱装置及び誘導加熱方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願では、金属のワークを誘導加熱する誘導加熱装置において、ワーク内に電流を誘起して当該ワークを発熱させる少なくとも1つの誘導コイル(3)と、予め設定された第1周波数の電流を誘導コイル(3)に通電させる第1電源部(5)と、第1周波数より高い第2周波数の電流を誘導コイル(3)に通電させる第2電源部(7)と、ワークを第1周波数にて誘導加熱する場合と当該ワークを第2周波数にて誘導加熱する場合とを切り替える切替装置(9)とを備え、ワークの断面のうち外形寸法が最小となる部位の寸法を外形寸法としたとき、切替装置(9)は、ワークの外形寸法が予め設定された所定寸法未満の場合には、当該ワークを第1周波数にて誘導加熱した後、当該ワークを第2周波数にて誘導加熱し、さらに、ワークの外形寸法が所定寸法以上の場合には、当該ワークを第2周波数にて誘導加熱した後、当該ワークを第1周波数にて誘導加熱する。
【0011】
これにより、本願発明では、設備投資額を抑制しつつ、誘導加熱装置全体の稼働率を高めることが可能となる。すなわち、通電時の周波数が高くなるほど、深度が小さくなる傾向がある。したがって、周波数が高くなると、誘導電流はワークの表層部で発生し、ワークの中心部で発生し難くなる。
【0012】
このため、薄板材のように外形寸法が小さいワークでは、理論上の深度がワークの外形寸法を越えてしまう場合がある。この場合には、当該ワークを効率よく加熱することが困難である。厚板材のように外形寸法が大きいワークでは、理論上の深度がワークの断面中心から大きくずれてしまう場合がある。この場合には、当該ワーク全体を均一に加熱することが難しい。
【0013】
また、周波数が同一であっても、ワークの温度が異なると、深度が異なる。特に、金属においては、周波数が同一であっても、ワークの温度が特定温度を越えると、当該特定温度未満のときに比べて深度が著しく大きくなる。
【0014】
つまり、ワーク温度が特定温度未満のときには、周波数が相違しても深度が大きく変化しないのに対して、ワーク温度が特定温度以上のときには、周波数の変化に応じて深度が大きく変化する。
【0015】
そこで、本願発明では、ワークの外形寸法が所定寸法未満の場合には、当該ワークを第1周波数にて誘導加熱した後、当該ワークを第2周波数にて誘導加熱することにより、理論上の深度がワークの外形寸法を越えてしまうことを抑制して当該ワークを効率よく加熱可能とする。
【0016】
ワークの外形寸法が所定寸法以上の場合には、当該ワークを第2周波数にて誘導加熱した後、当該ワークを第1周波数にて誘導加熱することにより、理論上の深度がワークの断面中心から大きくずれてしまうことを抑制して当該ワーク全体を均一に加熱可能とする。
【0017】
そして、本願発明では、第1電源部(5)及び第2電源部(7)を利用してワークを加熱する。このため、1つの電源部にてワークを加熱する場合に比べて、各電源部(5、7)の能力を小さくすることが可能となるとともに、誘導加熱装置全体(特に、第1電源部(5)及び第2電源部(7))の稼働率を高めることができ得る。
【0018】
以上により、本願発明では、設備投資額を抑制しつつ、誘導加熱装置全体の稼働率を高めることが可能となる。
なお、特定温度は、ワークの物性値等によって決まる値である。したがって、ワークの磁気変態点を基準に予め設定された温度を変更温度としたとき、ワークの温度を検出する温度検出器(11A、11B)を備え、切替装置(9)は、温度検出器(11A、11B)により検出された温度が変更温度に到達したときに、誘導加熱に用いる周波数を変更する構成とすることが望ましい。
【0019】
因みに、上記各手段等の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的構成等との対応関係を示す一例であり、本発明は上記各手段等の括弧内の符号に示された具体的構成等に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本実施形態に係る誘導加熱方法を用いた誘導加熱装置1の模式図である。
【
図2】本実施形態に係る誘導加熱方法を用いた誘導加熱装置1の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に説明する「発明の実施形態」は実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的構成や構造等に限定されるものではない。
【0022】
本実施形態は、金属製の板バネ(以下、ワークWという。)を誘導加熱する誘導加熱装置に本発明を適用したものである。各図に付された方向を示す矢印等は、各図相互の関係を理解し易くするために記載したものである。本発明は、各図に付された方向に限定されるものではない。
【0023】
少なくとも符号を付して説明した部材又は部位は、「複数」や「2つ以上」等の断りをした場合を除き、少なくとも1つ設けられている。以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
【0024】
(第1実施形態)
1.誘導加熱装置の概要
図1は、本実施形態に係る誘導加熱方法を用いた誘導加熱装置1の模式図である。誘導加熱装置1は、誘導コイル3、第1電源部5、第2電源部7及び切替装置9等を少なくとも備える。
【0025】
誘導コイル3はワークW内に電流を誘起して当該ワークWを発熱させる。本実施形態に係る誘導コイル3は、第1誘導コイル3A及び第2誘導コイル3Bを有して構成されている。以下、なお、第1誘導コイル3A及び第2誘導コイル3Bを総称する場合には、誘導コイル3と記す。
【0026】
第1誘導コイル3Aは第1電源部5より通電される。第2誘導コイル3Bは第2電源部7により通電される。本実施形態に係る誘導コイル3は、楕円を描くように螺旋状に巻かれている。
【0027】
すなわち、本実施形態に係るワークWは、その長手方向と直交する断面(以下、ワーク断面という。)の形状が長方形状の帯板である。そして、誘導コイル3は、その長径方向がワーク断面の長手方向と平行となるような楕円形状である。以下、ワーク断面のうち外形寸法が最小となる部位の寸法(本実施形態では、ワークWの厚み寸法)を外形寸法という。
【0028】
第1電源部5は、予め設定された第1周波数の電流を第1誘導コイル3Aに通電させる。第2電源部7は、予め設定された第2周波数の電流を第2誘導コイル3Bに通電させる。第2周波数は第1周波数より高い周波数である。
【0029】
第1周波数及び第2周波数の具体的な周波数は、ワークWの材質、形状、外形寸法及び加熱温度等によって適宜選定される。以下、第1周波数を「中周波」ともいう。第2周波数を「高周波」ともいう。誘導コイル3に通電する電流の周波数を加熱周波数ともいう。
【0030】
切替装置9は、ワークWを中周波にて誘導加熱する場合と当該ワークWを高周波にて誘導加熱する場合とを切り替える。本実施形態に係る切替装置9では、ワークWを第1誘導コイル3A内に挿入する場合と当該ワークWを第2誘導コイル3B内に挿入する場合とを切り替えることにより加熱周波数を切り替えている。
【0031】
具体的には、本実施形態に係る切替装置9は、ワークWを搬送する搬送機9A、及びワークWを搬送機9Aと誘導コイル3との間で移送させるワーク投入用ロボットアーム(図示せず。)等を有して構成される。
【0032】
第1電源部5、第2電源部7並びに切替装置9(搬送機9A及びワーク投入用ロボットアーム)等の作動は、制御装置(図示せず。)により制御される。制御装置は、CPU、ROM及びRAM等を有するコンピュータにて構成されている。
【0033】
2.ワークの誘導加熱方法
制御装置は、ワークWを加熱する際の加熱周波数を、以下のように切替制御する。
すなわち、切替装置9(制御装置)は、ワークWの外形寸法が予め設定された所定寸法未満の場合には、当該ワークWを中周波にて誘導加熱した後、当該ワークWを高周波にて誘導加熱する(
図1参照)。
【0034】
さらに、切替装置9(制御装置)は、ワークWの外形寸法が前記所定寸法以上の場合には、当該ワークWを高周波にて誘導加熱した後、当該ワークWを中周波にて誘導加熱する(
図2参照)。
【0035】
加熱周波数は、ワークWの温度が変更温度に到達したときに切り替えられる。変更温度とは、ワークWの磁気変態点を基準に予め設定された温度をいう。このため、制御装置には、赤外線温度センサ等の非接触でワークWの表面温度を検出する温度検出器11A、11Bの出力信号が入力されている。
【0036】
制御装置は、温度検出器11A、11Bの出力信号を利用してワークWの温度が変更温度に到達したか否かを判定して、加熱周波数を切り替える。なお、ワークWの外形寸法及び変更温度は、誘導加熱装置1にワークWが搬送されてきたときに、自動的又は作業者による手動操作により制御装置に入力される。
【0037】
3.本実施形態に係る誘導加熱装置(誘導加熱方法)の特徴
通電時の周波数(加熱周波数)が高くなるほど、深度が小さくなる傾向がある。したがって、加熱周波数が高くなると、誘導電流はワークWの表層部で発生し、ワークWの中心部で発生し難くなる。
【0038】
このため、厚板材のように外形寸法が大きいワークWでは、理論上の深度がワークWの断面中心から大きくずれてしまう場合がある。この場合には、当該ワークW全体を均一に加熱することが難しい。
【0039】
薄板材のように外形寸法が小さいワークWでは、理論上の深度がワークWの外形寸法を越えてしまう場合がある。この場合には、当該ワークWを効率よく加熱することが困難である。
【0040】
また、加熱周波数が同一であっても、ワークWの温度が異なると、深度が異なる。特に、金属においては、加熱周波数が同一であっても、ワークWの温度が特定温度を越えると、当該特定温度未満のときに比べて深度が著しく大きくなる。
【0041】
つまり、ワーク温度が特定温度未満のときには、加熱周波数が相違しても深度が大きく変化しないのに対して、ワーク温度が特定温度以上のときには、周波数の変化に応じて深度が大きく変化する。
【0042】
そこで、本実施形態では、ワークWの外形寸法が所定寸法未満の場合には、当該ワークWを中周波にて誘導加熱した後、当該ワークWを高周波にて誘導加熱することより、理論上の深度がワークの外形寸法を越えてしまうことを抑制して当該ワークWを効率よく加熱可能とする。
【0043】
ワークの外形寸法が所定寸法以上の場合には、当該ワークWを高周波にて誘導加熱した後、当該ワークWを中周波にて誘導加熱することにより、理論上の深度がワークの断面中心から大きくずれてしまうことを抑制して当該ワークW全体を均一に加熱可能とする。
【0044】
そして、本実施形態では、第1電源部5及び第2電源部7を利用してワークを加熱する。このため、1つの電源部にてワークを加熱する場合に比べて、各電源部5、7の能力を小さくすることが可能となるとともに、誘導加熱装置全体(特に、第1電源部5及び第2電源部7)の稼働率を高めることができ得る。
【0045】
例えば、1つの電源にてワークWを1000℃昇温可能とするには、大きな容量の電源を必要とする。これに対して、本実施形態では、例えば、第1電源部5にて500℃昇温可能とし、第2電源部7にて500℃昇温可能とすれば、各電源5、7の容量を小さくすることができる。
【0046】
以上により、本実施形態では、設備投資額を抑制しつつ、誘導加熱装置全体の稼働率を高めることが可能となる。
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、第1誘導コイル3A及び第2誘導コイル3Bを用いてワークWへの加熱周波数を切り替えたが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0047】
すなわち、例えば、誘導コイル3を1つとし、その誘導コイル3に第1電源部5から通電する場合と第2電源部7から通電する場合とを切り替えることにより、ワークWへの加熱周波数を切り替えてもよい。なお、この場合、通電切替タイミングを制御する制御装置が切替装置9に相当する。
【0048】
上述の実施形態では、ワークWの温度が変更温度に到達したときにワークWへの加熱周波数を切り替えたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1周波数で加熱する時間、及び第2周波数で加熱する時間をワークWの材質及び外形寸法毎に予め設定しておき、その加熱時間に従ってワークWへの加熱周波数を切り替えてもよい。
【0049】
上述の実施形態では、2段階に分けてワークWを誘導加熱したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、3段階(低周波、中周波、高周波)に分けてワークWを誘導加熱してもよい。
【0050】
上述の実施形態では、帯板状のワークWを加熱対象とした例であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他形状のワークWであってもよい。なお、ワーク断面が円形の場合には、外形寸法は直径寸法となる。ワーク断面が正方形の場合には、外形寸法は対角線寸法となる。
【0051】
上述の実施形態に係る温度検出器11A、11Bは、赤外線温度センサ等の非接触でワークWの表面温度を検出するものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、電気抵抗値の変化を検出する等の接触してワークWの温度を検出する温度検出器であってもよい。
【0052】
上述の実施形態に係る誘導コイル3は、楕円状に巻かれたものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、円形又は矩形状等に巻かれたものであってもよい。
【0053】
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0054】
1… 誘導加熱装置
3… 誘導コイル
3A… 第1誘導コイル
3B… 第2誘導コイル
5… 第1電源部
5… 各電源部
7… 第2電源部
9… 切替装置
9A… 搬送機