【文献】
D. KEITH WILSON ET AL,Spatial structure of low-frequency wind noise,THE JOURNAL OF THE ACOUSTICAL SOCIETY OF AMERICA,米国,2007年12月 1日,VOL.122, No.6 (DOI: 10.1121/1.2786608),EL223-228,SESRの引用
【文献】
D,KEITH WILSON ET AL,Spatial structure of low-frequency wind noise,ThHE JOURNAL OF THE ACOUSTICAL SOCIETY OF AMERICA,米国,2007年12月 1日,VOL.122, No.6 (DOI: 10.1121/1.2786608),EL223-228,SESRの引用
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
プロセッサが各マイクからの圧力パルスデータを、風の流れ方向に対して横方向および風の流れ方向に沿った圧力の揺らぎを説明するパラメトリックモデルにフィッティングするように構成された、請求項1に記載のコンピューティング装置。
通信インターフェイスが複数のマイクのサブアレイを含むアレイの複数のマイクからの圧力パルスデータを受信するように構成され、サブアレイは、サブアレイが音響信号を検出するために構成されるように互いに間隔をあけており、各サブアレイのマイクは風雑音信号が各サブアレイのマイク間で実質的に相関されるように互いに近接して位置された、請求項1に記載のコンピューティング装置。
圧力パルスデータをフィッティングすることが、圧力パルスデータを、風の流れ方向に対して横方向および風の流れ方向に沿った風雑音における圧力の揺らぎを説明するパラメトリックモデルにフィッティングすることを含む、請求項6に記載の方法。
圧力パルスデータの受信が複数のマイクのサブアレイを含むアレイの複数のマイクからの圧力パルスデータを受信することを含み、サブアレイは、サブアレイが音響信号を検出するために構成されるように互いに間隔をあけており、各サブアレイのマイクは風雑音信号が各サブアレイのマイク間で実質的に相関されるように互いに十分接近して配置された、請求項6に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書で記述されるシステムおよび方法は、データ取得の前に風雑音の相関を知るまたは直接推定することなく、風雑音の相関を決定するために数学的モデルを利用する。数学的モデルには、風雑音信号を表す項および音響信号を表す項が含まれる。取得されたデータを数学的モデルにフィッティングすることによって、風雑音信号および音響信号は相互に分離され、すべての音響信号の推定が作成される。とりわけ、マイク間の間隔を増大させることによって風雑音の相関を回避しようと試みるのではなく、本明細書で記述されるシステムおよび方法は、風雑音の相関が実際に増大するように、マイク間の間隔を減らすことによってSNRを向上させる。さらに、本明細書で記述されるシステムおよび方法は、車両などの移動プラットフォームに実装され得る。
【0014】
次に、図面、特に
図1および
図2を参照すると、風雑音および音響信号を検出するためのシステムの一実施形態が通例どおり、100で示されている。
図1はシステム100の平面図で、
図2はシステム100の側面図である。
図1および
図2で示された実施形態では、システム100は4つのマイク104のアレイ102を含んでいる。詳細には、アレイ102は第1のマイク106、第2のマイク108、第3のマイク110、および第4のマイク112を含んでいる。
【0015】
図1および
図2で示された実施形態では、マイク104は、各マイク104が1.5センチメーター(cm)×1.5cmの寸法を有する正方格子の隅に配置されるようにアレイ102に整列されている。とりわけ、マイク104は風雑音がマイク間で比較的よく相関されるように、互いに十分に接近して配置されている。
【0016】
図2で示されているように、各マイク104は、ウィンドスクリーン120がマイク104の上部に位置しており、地面とほとんど同一平面上に位置されている。各マイク104は、圧力パルスを測定して、音響信号および風雑音を検出する。
図1および
図2で示された実施形態では、マイク104は5988Hzのサンプルレートの20ヘルツ(Hz)で高域フィルター処理されている。代替として、マイク104はシステム100が本明細書で記述されるように機能できるいずれかの適切なフィルター処理および/またはサンプリング周波数を有する。本明細書で記述される実施形態は詳細には、空気を伝わって移動する風雑音信号および音響信号を検出するために利用される。しかし、本明細書で記述されるシステムおよび方法は、任意の流体媒体の中の風雑音信号および音響信号を検出するために利用され得る。例えば、一部の実施形態では、本明細書で記述されるシステムおよび方法は、水を伝わって移動する風雑音信号および音響信号を検出するために利用され得る。
【0017】
テイラーの凍結乱流近似(Taylor’s frozen turbulence approximation)の下では、ハーモニック周波数に対して十分に短い時間スケールで、平均速度で下流に運ばれる時、乱流の空間分布(そしてしたがって、その圧力分布)が一定のままであることが想定されている。さらに、テイラーの凍結乱流近似は、より長い波長では、乱流は流れと流れに対して横に沿う両方で比較的よく相関されるが、一方、より短い波長では、乱流は流れに沿ってのみ比較的よく相関される。
【0018】
相関された風雑音を数学的にモデル化するには、テイラーの凍結乱流近似は、システム100によって測定された風雑音信号に適用され得る。つまり、テイラーの凍結乱流近似の下で、風が
図1で示された平均風向に沿って伝わる場合、第1のマイク106で測定された風雑音による同じ圧力パルスが、第1のマイク106から下流の第3のマイク110に伝わる、風の特定のパルスにかかる時間に等しい遅延期間の後に、第3のマイク110で測定される。マイク104は互いに十分に接近して配置されているので、テイラーの凍結乱流近似は比較的正確である。
【0019】
図3は、
図1および
図2で示されたシステム100を使用して記録された風雑音信号のグラフ300である。グラフ300は、パスカル(Pa)単位の圧力に対して秒単位で時間をプロットしている。チャネル1、チャネル2、チャネル3、およびチャネル4は、それぞれ、第1のマイク106、第2のマイク108、第3のマイク110、および第4のマイク112に対応している。テイラーの近似と一致して、より長い波長では、アレイ102の4つすべてのマイク104は比較的よく相関される。さらに、より短い波長では、波長の揺らぎが流れに垂直により少なく相関されるが(すなわち、第1のマイク106と第2のマイク108の間、および第3のマイク110と第4のマイク112の間)、流れに沿っては相関される状態のままである(すなわち、第1のマイク106と第3のマイク110の間、および第2のマイク108と第4のマイク112の間)。
【0020】
図4は、
図1および
図2で示されたシステム100を使用して、1.37秒の時間期間にわたり記録された風雑音のコヒーレンスを例示しているグラフ400である。詳細には、グラフ400はコヒーレンスに対してHz単位で周波数をプロットしている。
図4で示され、上述されているように、より長い波長(すなわち、より低い周波数)では、測定された風雑音は流れに沿って向けられているマイク104の組の間、および流れに対して横に向けられているマイク104の組の間でよく相関される。さらに、より短い波長(すなわち、より高い周波数)では、測定された風雑音は流れに対して横に向けられているマイクの組の間よりも流れに沿って向けられているマイクの組の間でより良く相関される。
【0021】
相関された風雑音を数学的にモデル化するために、本明細書で記述された実施形態はテイラーの凍結乱流近似に基づくモデルのような平面波を利用し、テイラーの凍結乱流近似では、平均流量に垂直な平面には様々な圧力分布がある。モデルは、流れに沿う時間単位での圧力の揺らぎだけではなく、流れに対して横の圧力の揺らぎも説明している。
【0022】
図5は、本明細書で記述された実施形態で利用される2次元の数学的モデルを例示する
図500である。
図500で、v
wは風の平均方向および速度を指定するベクトルで、P
w1(t)は流れに垂直の線上にある原点から1単位の半径での(−1での)圧力信号で、P
w2(t)は流れに垂直の線上に横たわる原点から1単位の半径での(1での)圧力信号で、a
mはマイクmの位置ベクトルである。
【0023】
流れに垂直の線に沿ういずれかの場所の風による圧力の揺らぎは次の数式1で表現され得る。
【0026】
【数3】
は平均の流れの方向の単位ベクトルで、u
Tはベクトルuの転置行列で、
【0028】
【数5】
はマイクでの平均流れの到来の時間遅延(原点に対して)である。
【0029】
したがって、モデルでは流れに垂直の他、流れに沿った変動も可能である。
図5に例示された2次元モデルは2つのノードの線形有限要素を利用するが、有限な要素をより使用するとより柔軟性を提供できる可能性があるが、風雑音の過度のパラメータ化のリスクの可能性がある。さらに、本明細書で記述されたシステムおよび方法は、風雑音からの圧力の揺らぎをモデル化するために数式1以外の数学的モデルを使用して実装され得る。
【0030】
音響信号を正確に検出するためには、数式1の風雑音の数学的表現は、測定された音響信号から局所的に相関された風信号を分離するために利用され得る数学的モデルを形成するために、音響信号の数学的表現と組み合わせ得る。測定された音響信号が平面波の存在の結果であると想定すると、音響信号による圧力パルスは次の数式2のように表現される。
【0031】
【数6】
ここで、P
aim(t)はマイクmの位置ベクトルa
mで測定された音響信号iによる圧力で、
【0032】
【数7】
は原点に対するマイクmでの音響信号iの時間遅延で、v
aiは音の局所的速度に等しい長さで平面波の移動の方向を指しているベクトルである。適用分野が認可する場合には、球面波も同様に表され得る。
【0033】
各マイクで測定された圧力が相関された風雑音の圧力パルス(数式1で表現されているとおり)、音響圧力パルス(数式2で表現されているとおり)、および無相関の加法性雑音ε
mの合計のためであると想定すると、マイクmで測定される圧力
【0034】
【数8】
のための完全なパラメトリックモデルは次の数式3のように表現され得る。
【0035】
【数9】
ここで、存在する音響平面波の数はNに等しい。
【0036】
したがって、数式3のパラメトリックモデルを使用すると、処理装置は音響信号から相関された風雑音信号を分離し、したがって、音響信号を正確に検出するために使用され得る。本明細書で記述されるシステムおよび方法は
図5の一実施形態で例示された風雑音モデルを利用するが、本明細書で記述されるシステムおよび方法は風雑音の他の数学的モデルを使用しても実装され得ることを認識されたい。
【0037】
図6は風雑音信号および音響信号を検出するためのアレイ600の一実施形態の図である。アレイ600には4つのサブアレイ602が含まれる。各サブアレイ602には、
図1で示された構成の4つのマイク104が含まれる。したがって、アレイ600は、16個のマイク104を含んでおり、おのおのは、16のそれぞれのチャネルの1つで圧力パルスを検出して測定する。
【0038】
図6で示されている実施形態では、サブアレイ602は円604の円周に沿って一定の間隔で配置されている。代替として、サブアレイ602はアレイ600が本明細書で記述されているように機能できるいかなる構成でもあり得る。
図6に示された実施形態では、円604は2メーター(m)の半径を有している。代替として、円604はアレイ600が本明細書で記述されているように機能できるいかなる半径をも有し得る。
【0039】
とりわけ、アレイ600では、各サブアレイ602のマイク104は、風雑音信号がマイク104間でよく相関されるように互いに十分接近して配置される。しかし、可聴および/または超低周波数での波長を有する音響信号では、各サブアレイ602のスケールは一般的に小さ過ぎて、そのような音響信号を正確検出することはできない。したがって、サブアレイ602は音響信号を適切に検出するために、相互から十分遠く離れて配置される。したがって、
図6で示されているように、アレイ600は2スケールアレイであって、各サブアレイ602のマイク104間の間隔は相関された風雑音信号を測定するために適切であり、サブアレイ602間の間隔は音響信号を測定するために適切である。
【0040】
図7は、(
図6で両方が示された)アレイ600のマイク104によって取得されたデータを処理するために使用され得るコンピューティング装置700の一実施形態のブロック図である。コンピューティング装置700には、少なくとも1つのメモリー装置710および命令を実行するためにメモリー装置710に結合されたプロセッサ715が含まれている。一部の実施形態では、実行可能な命令は、メモリー装置710に記憶される。コンピューティング装置700はプロセッサ715をプログラミングすることによって本明細書で記述された1つ以上の動作を行う。例えば、プロセッサ715は、動作を1つ以上の実行可能な命令としてコード化し、メモリー装置710の実行可能な命令を提供することによってプログラミングされ得る。
【0041】
プロセッサ715は1つ以上の処理ユニットを含み得る(例えば、マルチコア構成)。さらに、プロセッサ715は、メインプロセッサが単一チップ上にセカンダリプロセッサを伴い存在し得る1つ以上の異種プロセッサシステムを使用して実装され得る。別の例示的な例として、プロセッサ715は、同じ種類の複数のプロセッサを含む対称型マルチプロセッサシステムであり得る。さらに、プロセッサ715は、1つ以上のシステムおよびマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、縮小命令セット回路(RISC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジック回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、並びに本明細書で記述された機能を実行できる他のいずれかの回路を含む、他のいずれかの適したプログラマブル回路を使用して実行され得る。
【0042】
メモリー装置710は、実行可能な命令および/または他のデータなどの情報が記憶および取り出され得る1つ以上の装置である。メモリー装置710には、制限するわけではないが、ダイナミックランダムアクセスメモリー(DRAM)、スタティックランダムアクセスメモリー(SRAM)、ソリッドステートディスクおよび/またはハードディスクなどの1つ以上のコンピュータ可読媒体が含まれ得る。メモリー装置710は、制限するわけではないが、アプリケーションソースコード、アプリケーションオブジェクトコード、対象のソースコードの部分、対象のオブジェクトコードの部分、構成データ、実行イベントおよび/または他のいずれかの種類のデータを記憶するように構成され得る。例えば、一実施形態では、メモリー装置210はアレイ600のマイク104によって測定された圧力パルスを含むデータを記憶する。
【0043】
コンピューティング装置700には、プロセッサ715と結合されたプレゼンテーションインターフェイス720が含まれる。プレゼンテーションインターフェイス720は、情報をユーザー725に提示する。例えば、プレゼンテーションインターフェイス720には、ブラウン管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、有機LED(OLED)ディスプレイ、および/または「電子インク」ディスプレイなどの、表示装置に結合され得る表示アダプター(図示せず)を含め得る。一部の実施形態では、プレゼンテーションインターフェイス720には、1つ以上の表示装置が含まれる。
【0044】
図7で示された実施形態では、コンピューティング装置700には、ユーザー入力インターフェイス735が含まれる。例示的実施形態では、ユーザー入力インターフェイス735はプロセッサ715と結合され、ユーザー725からの入力を受信する。ユーザー入力インターフェイス735には、例えば、キーボード、ポインティング装置、マウス、スタイラスペン、タッチパネル(例えば、タッチパッドまたはタッチスクリーン)、ジャイロスコープ、加速度計、位置検出器および/またはオーディオユーザー入力インターフェイスを含み得る。タッチスクリーンなどの単一のコンポーネントがプレゼンテーションインターフェイス720の表示装置およびユーザー入力インターフェイス735の両方として機能し得る。
【0045】
コンピューティング装置700は、例示的実施形態では、プロセッサ715と結合された通信インターフェイス740を含んでいる。通信インターフェイス740は、2スケールアレイ600のマイク104などの1つ以上のリモート装置と通信する。リモート装置と通信するために、通信インターフェイス740は、例えば、有線ネットワークアダプター、無線ネットワークアダプターおよび/または移動体通信アダプターを含み得る。
【0046】
一実施形態では、圧力パルスデータは、通信インターフェイス740によってアレイ600のマイク104から受信され、メモリー装置710に記憶される。プロセッサ715は、圧力パルスデータを本明細書で記述されたように処理する。
【0047】
コンピューティング装置700を使用すると、数式3は16個のマイク104のそれぞれから取得されたデータにフィッティングされる。一実施形態では、プロセッサ715は、直ちに、数式3の種々のパラメータを推定するために、全16個の圧力データ(各マイク104からのもの)を数式3の16個のインスタンス(各マイク104に対するもの)にフィッティングする。代替として、プロセッサ715は各サブアレイ602のデータをフィッティングし、後で、各サブアレイ602の結果を組み合わせ(例えば、平均し)て、種々のパラメータのための推定値を決定する。
【0048】
とりわけ、数式3の無相関の加法性雑音信号ε
mの他、白色雑音や相関されないものがアレイ600全体で普通に分布されていると想定される場合には、数式3によって与えられたモデルのパラメータ全体で最小の平方エラーの最小化が最尤推定法と等価である。
【0049】
数式3では、データのフィッティングから決定されるパラメータは、風雑音および各音響信号の速度ベクトル{v
w;v
ai,i=1,...,N}並びに風雑音および各音響信号の圧力信号{p
w1;p
w2;p
ai,i=1,...,N}である。各マイク104からコンピューティング装置700に測定された信号を供給することによって、プロセッサ715は、風雑音および各音響信号の速度ベクトルおよび圧力信号を推定するために、数式3をデータにフィッティングし得る。
【0050】
少なくとも一部の実施形態では、プロセッサ715を使用すると、アレイ600のマイク104によって測定された圧力データは、データをフィッティングする前に、ウィンドウ表示され、ゼロ詰めされ、高速フーリエ変換(FFT)によって周波数領域に変換される。したがって、周波数領域のデータをフィッティングするために、数式3は次の周波数領域の数式4になる。
【0052】
一般的に、存在する音響過渡ソースの数および規模、並びに存在する風雑音の程度は、アレイ600によるデータの取得前には知られない。したがって、パラメータ(すなわち、速度ベクトルおよび圧力信号)の推定は、いくつかの統計的な方法を行うことによって達成され得、そういうわけで、赤池情報量規準などの、最良のモデル比較尺度を有する方法を選択する。例えば、種々の予測法は、収束率を向上させ、推定した最適なパラメータ値を決定し得る。
【0053】
さらに、少なくとも一部の実施形態では、推定された圧力信号の値は、推定プロセス中、保持される必要がなく、モデルでの未知数の数が減る。プロセッサ715により行われる推定プロセスの最終結果は、すべての音響信号での、平均風ベクトル、および移動ベクトル(速度を含む)の方向の決定である。プロセッサ715はさらに、アレイ全体に存在する音響信号、およびサブアレイ602のおのおのでの局所的平均風雑音に関連付けられた圧力信号(数式1で与えられるとおり)の推定値を決定する。
【0054】
風雑音信号および音響信号を正確に検出するアレイ600の能力をテストするために、データはマイク104の1つのサブアレイ602を使用して収集された。2スケールアレイ600をシュミレートするために、記録された風雑音の様々な短い時間セグメントが1分の記録から抽出され、アレイ600全体は、
図6で示された方向から来る合成の風雑音信号により、
図6で示されているようになるよう構成された。40Hzのサイン波の1サイクルの合成音響パルスが16個のチャネルすべてに追加され、
図6で示された方向に移動する音響平面波として表示するように適切に遅延された。
【0055】
図8Aは、合成音響信号(すなわち、40Hzパルス)なしの1つのサブアレイ602での4つのマイク104の圧力を例示するグラフ800で、
図8Bは、合成音響信号を伴う1つのサブアレイ602での4つのマイク104の圧力を例示するグラフ802である。両方のグラフ800および802は圧力に対して時間をプロットしている。
図8Aと
図8Bを比較して実証されるように、マイク104により取得される生データから、40Hzの音響信号の存在は明らかではない。
【0056】
図9は16個のマイク104のおのおのに対するSNRのグラフ900である。具体的には、グラフ900は、マイクインデックスに対してデシベル(dB)単位でのSNRをプロットしている。試験の場合、プロセッサ715は20Hzから200Hzの範囲で音響信号を探すようにプログラムされていたが、検出される音響信号の数、期間、または形状に関しては何も想定されていなかった。さらに、平均風速度は毎秒10メーター(m/s)未満に制約され、音の局所的速度は330m/sと350m/sの間に制約された。この設定を使用して、圧力パルスデータは、上述のように、マイク104によって取得され、コンピューティング装置700に送信され、そしてプロセッサ715を使用して処理された。したがって、プロセッサ715は受信した圧力パルスデータを数式4にフィッティングして、風雑音および音響信号の速度ベクトルおよび圧力信号の推定値を決定する。
【0057】
図10は、実際の合成音響パルスと、アレイ600およびコンピューティング装置700を使用して推定された音響パルスを比較するグラフ1000である。グラフ1000は、時間に対してPa単位で圧力をプロットしている。グラフ1000で実証されたように、プロセッサ715により決定された推定値は、実際の合成音響信号に比較的近い。とりわけ、フィルター処理(20Hzから200Hz)された残りの相互相関のピークはすべての組で.2未満で、正規化された自己相関の最大値(0による遅れ以外)は0.1であった。このことは、相関されたエネルギーのほとんど(すなわち、風雑音)が測定されたデータから除去されており、除去されていない風雑音の一部はほとんど白色雑音であることを示している。
【0058】
比較に関して、知られているブロードバンドビーム形成装置システム(図示せず)が使用され、同様の条件で同じ音響データを取得した。具体的には、ブロードバンドビーム形成装置システムは、正方アレイを使用して、同じ周波数範囲でデータを取得するように構成された。さらに、SNRはアレイ600とほぼ同じで、ブロードバンドビーム形成装置システムのマイクは、風雑音がそれぞれのチャネルの間で相関しないことを確保するために十分遠くに離して配置された。ブロードバンドビーム形成装置システムにより取得されたデータは、推定された音響信号を生成するために知られている方法を使用して処理された。
【0059】
図11は、実際の合成音響パルスと、知られているブロードバンドビーム形成装置システムによって生成された推定の音響パルスとを比較するグラフ1100である。グラフ1100は、時間に対してPa単位で圧力をプロットしている。
図10と
図11を比較することによって、本明細書で記述された実施形態により生成された推定の音響信号が、知られているブロードバンドビーム形成装置システムによって生成された推定の音響信号より正確であることは明らかである。したがって、本明細書で記述された方法およびシステムは、風雑音が存在する中で、より正確に音響信号を推定することができる。
【0060】
本明細書で記述された実施形態に従い、風雑音信号および音響信号を検出するためのシステムを組み立てるために、アセンブリキットが提供され得る。例示的な実施形態では、アセンブリキットには、マイク104(
図1および
図6で示されている)などの複数のマイク、並びにプロセッサ715および/またはコンピューティング装置700(
図7に両方が示されている)などのプロセス装置を含んでいる。アセンブリキットはさらに、本明細書で記述された実施形態に従い、システムを組み立てる方法についての指示を伴うガイドも含んでいる。例えば、ガイドには2スケールアレイ600(
図6で示されている)などのアレイでのマイクの配置のための指示を含み得る。ガイドは、印刷されたマニュアルおよび/またはパンフレット、オーディオおよび/またはビジュアルガイド、コンピューティング装置の使用によってアクセス可能な電子ガイド、並びに/あるいはユーザーに指示を提供するために適した他のいずれかのアイテムとし得る。したがって、アセンブリキットで提供されたコンポーネントを使用すると、ユーザーは風雑音信号および音響信号を検出するためのシステムを組み立て得る。
【0061】
本明細書で記述される実施形態は、データ取得の前に風雑音の相関を知るまたは直接推定することなく、風雑音の相関を決定するために数学的モデルを利用する。数学的モデルには、風雑音信号を表す項および音響信号を表す項が含まれる。取得されたデータを数学的モデルにフィッティングすることによって、風雑音信号および音響信号は相互に分離され、すべての音響信号の推定が作成される。とりわけ、マイク間の間隔を増大させることによって風雑音の相関を回避しようと試みるのではなく、本明細書で記述されるシステムおよび方法は、風雑音の相関が実際に増大するように、マイク間の間隔を減らすことによってSNRを向上させる。さらに、本明細書で記述されるシステムおよび方法は、車両などの移動プラットフォームに実装され得る。
【0062】
本明細書で記述されたシステムおよび方法の技術的効果には、少なくとも次の1つが含まれる。(a)複数のマイクからの圧力パルスデータを受信すること、(b)各マイクからの圧力パルスデータを、風雑音信号による圧力パルスを表す項および音響信号による圧力パルスを表す項を含むパラメトリックモデルにフィッティングすること、(c)圧力パルスデータのフィッティングに基づき、圧力パルスデータの少なくとも1つの風雑音信号の圧力および速度並びに圧力パルスデータの少なくとも1つの音響信号の圧力および速度を推定すること。
【0063】
本発明または本発明の好適な実施形態の要素を導入する場合、冠詞「a」、「an」、「the」および「前記(said)」は要素が1つ以上あることを意味することが意図されている。「備える(comprising)」、「含む(including)」および「有する(having)」という用語は、包括的であることが意図されており、リスト表示された要素以外の追加の要素もあり得ることを意味している。
【0064】
本発明の範囲を逸脱することなく、上記の組み立ておよび方法には、種々の変更が行われ得るので、上記説明に包含され、添付図面で示されたすべての事項は、例示的なものとして解釈されるべきであり、制限的な意味で解釈されるべきではない。