(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記赤外蛍光体または前記近赤外蛍光体が、インドシアニングリーン(ICG)、ICGの機能的等価物、ICGの類似体、ICGの誘導体、ICGの塩、IR800、Alexa680、cy5.5、IR800の機能的等価物、Alexa680の機能的等価物、cy5.5の機能的等価物、IR800の類似体、Alexa680の類似体、cy5.5の類似体、IR800の誘導体、Alexa680の誘導体、cy5.5の誘導体、IR800の塩、Alexa680の塩、またはcy5.5の塩からなる群の1つである、請求項1に記載の画像化システム。
センサシグナルを処理して画像フレームを生成するための画像処理ユニットを更に備え、該画像処理ユニットが前記イメージセンサに接続されている、請求項1に記載の画像化システム。
前記画像処理ユニットが、センサシグナルを処理して、前記試料が可視光のみを受ける場合には少なくとも1つの白色光フレーム(WLF)を生成し、該試料が可視光も前記励起光も受けない場合には少なくとも1つの迷光フレーム(SLF)を生成し、かつ、該試料が励起光のみを受ける場合には1つ以上の近赤外フレーム(NIF)を生成し、かつ該画像処理ユニットが、各NIFから該SLFを減算し、その後、SLFが減算されたNIFを全て合算して最終的なNIFを生成する、請求項10に記載の画像化システム。
前記画像処理ユニットが、疑似カラーを付けられた前記最終的なNIFを前記WLFに加算して、可視光及び赤外光の複合画像フレームを生成する、請求項12に記載の画像化システム。
前記画像処理ユニットから生成された前記画像フレームに基づいて画像を表示するための画像表示ユニットを更に備え、該画像表示ユニットが該画像処理ユニットに接続されている、請求項10に記載の画像化システム。
前記レーザーからの前記励起光が、第1のチャネルを通って前記試料に導通され、前記白色光源からの前記可視光が、第2のチャネルを通って該試料に導通され、該試料から放出された前記放射光が、第3のチャネルを通って前記イメージセンサに導通され、かつ該試料から反射された該可視光が、第4のチャネルを通って該イメージセンサに導通される、請求項1に記載の画像化システム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
発明の詳細な説明
全ての引用文献はその全体として、あたかも完全に記載されたのと同じように、参照により本明細書に組み入れられる。別段に定義しない限り、本文中の全ての技術的な及び科学的な用語は、本発明が属する分野の当業者により共通に理解されるのと同じ意味を有する。 Allen et al.,Remington: The ScIence and practice of pharmacy 22
nd ed.,Pharmaceutical Press(September 15,2012);Hornyak et al.,Introduction to Nanoscience and Nanotechnology,CRC Press(2008);Singleton and Sainsbury,Dictionary of Microbiology and Molecular Biology 3
rd ed.,revised ed.,J. Wiley & Sons(New York,NY 2006);Smith,March's Advanced Organic Chemistry Reactions,Mechanisms and Structure 7
th ed.,J. Wiley & Sons(New York,NY 2013);Singleton,Dictionary of DNA and Genome Technology 3
rd ed.,Wiley−Blackwell(November 28,2012);及びGreen and Sambrook,Molecular Cloning:A Laboratory Manual 4th ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press(Cold Spring Harbor,NY 2012)は、本出願で用いられる用語の多くに対する一般的な指針を、当業者に提供する。抗体を調製する方法に対する参考文献としては、Greenfield,Antibodies A Laboratory Manual 2
nd ed.,Cold Spring Harbor Press(Cold Spring Harbor NY,2013);Koehler and Milstein,Derivation of specific antibody−producing tissue culture and tumor lines by cell fusion,Eur. J. Immunol. 1976 Jul,6(7):511−9;Queen and Selick,Humanized immunoglobulins、米国特許第5,585,089号(1996年12月);及びRiechmann et al.,Reshaping human antibodies for therapy,Nature 1988 Mar 24,332(6162):323−7を参照されたい。
【0013】
当業者は、本明細書に記載される方法及び物質と同様または等価な、多くの方法及び物質を認識し、それらは本発明の実施に用いることができるものである。本発明のその他の特徴および効果は、添付図面とともになされる以下の詳細説明から明らかになり、それらは、一例として、本発明の実施形態の様々な特徴を例示する。実際、本発明はいかなる場合も、記載される方法及び物質に限定されない。便宜のため、本明細書において、すなわち明細書、実施例、及び添付の請求項で用いる特定の用語を、ここにまとめる。
【0014】
別段に述べられるか、または、文脈から内在しない限り、以下の用語及び表現は、下記に提供される意味を含む。明示的に別段に述べられるか、または、文脈から明らかでない限り、下記の用語および表現は、その用語また表現が関連する技術分野において得られている意味を除外するものではない。これら定義は、特定の実施形態の説明に役立つようにために提供され、特許請求の範囲に記載の発明を限定する意図は無く、何故なら、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によってのみ限定されるからである。別段に定義されない限り、本明細書に用いられる全ての技術的及び科学的な用語は、この発明が属する技術分野の当業者に共通して理解されていると同じ意味を有する。
【0015】
本明細書に用いられる場合において、「備えている」または「備える」という用語は、実施形態に有用であり、さらに、有用であるか否かを問わず明示されていない要素の包含も受け入れる組成物、方法、及びそのそれぞれのコンポーネントに関して用いられる。本明細書に用いられる用語は一般に、「オープン」な用語として意図されていることが、当業者には理解されよう。(例えば、「含んでいる」という用語は、「含んでいるが、これに限定されるものではない」ことと解釈されなければならず、「有している」という用語は、「少なくとも有している」ことと解釈されなければならず、「含む」という用語は、「含むが、これに限定されるものではない」と解釈されなければならない等である。)
【0016】
特に明記しない限り、本出願の特定の実施形態(特に請求項の文脈において)を説明するという文脈において用いられる用語「1つの(a)」及び「1つの(an)」及び「その(the)」及び類似の参照用語は、単数及び複数をカバーするものと解釈することができる。数値の範囲の引用は本明細書では単に、この範囲に入る別個の数値それぞれを個々に示すための短縮した方法としての機能を果たすと、意図されるのみである。本明細書に別段に示されない限り、個別の数値のそれぞれは、あたかも個々に引用されるように、本明細書に組み入れられる。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書に別段に示されない限り、または別段に明らかに文脈により否定されない限り、あらゆる適切な順序で実行することができる。本明細書に記載の特定の実施形態に関して提供される全ての例または例示的な言語の使用(例えば、「例えば」)は、単に適切に本出願を明らかにするのみの意図であり、別途特許請求の範囲に記載の本出願の範囲を限定するものではない。略語「例えば(e.g.)」は、ラテン語のexempli gratiaから誘導されたものであり、非限定的な例を示すために本明細書に用いられる。したがって、略語「例えば(e.g.)」(「例えば」)は、「例えば(for example)」の語と同義である。明細書の言語は、用途の実行に必須であるが特許請求の範囲に記載されていない、あらゆる要素を示すものとして解釈されてはならない。
【0017】
本明細書に用いられるように、用語「治療する」、「治療」、「治療している」、または「改善」は、疾病、疾患、または病状に関して用いられる場合は、治療及び予防または防止処置のことをいい、その目的は、症状または状態の進行または重症度を予防するか、逆転させるか、軽減するか、改善するか、抑制するか、低下させるか、失速させるか、または停止することである。用語「治療している」は、状態に関する少なくとも1つの副作用または症状を減少させるかまたは軽減することを含む。1つ以上の症状または臨床マーカーが減少されれば、治療は一般に「有効である」。代替的に、疾病、疾患、または病状の進行が減少されるかまたは停止するならば、治療は「有効である」。すなわち、「治療」は、症状またはマーカーを改善した場合を含むだけでなく、治療がない場合に予想される症状の進展または悪化を停止することまたは少なくとも減速させることも含むものである。また、「治療」は、有益な結果を追求または獲得すること、または、たとえ治療が最終的に不成功であるとしても、個人の状態発症の可能性を下げることを、意味する。治療が必要な者とは、すでにその状態にある者の他、その状態を有しやすい者またはその状態を防止すべき者を含む。
【0018】
「有益な結果」または「所望の結果」は、疾病状態の重症度を少なくするかまたは軽減すること、疾病状態の悪化を防止すること、疾病状態を治療すること、疾病状態を発症することを防止すること、患者の疾病状態発症の可能性を下げること、罹患率及び死亡率を減少させること、及び患者の生命または寿命を延長することを非限定的に含んでいてもよい。非限定的な例として、「有益な結果」または「所望の結果」は、1つ以上の症状の緩和、損失の範囲の減少、腫瘍の安定化(すなわち、悪化しない)状態、腫瘍成長の遅れまたは緩徐化、及び腫瘍に関係した症状の改良または緩和であってもよい。
【0019】
本明細書で用いられる「状態」及び「疾病状態」は、悪性腫瘍性細胞増殖の疾患または疾病(例えば、腫瘍及び癌)のあらゆる形態を、非限定的に含んでいてもよい。本発明に従い、本明細書で用いられる「状態」及び「疾病状態」は、組織の差異、すなわち組織の正常対異常、に対する全ての状態を非限定的に含み、この正常対異常は、腫瘍、損傷、外傷、虚血、感染、炎症、または自己炎症を非限定的に含むありとありうる事由による。さらに本発明に従い、本明細書で用いられる「状態」及び「疾病状態」とは、関心対象の組織(例えば、癌性、損傷、虚血性、感染、または炎症組織)が、生理的または病理学的原因で、それを包囲する組織(例えば、健康な組織)と異なっているあらゆる状況を非限定的に含む。「状態」及び「疾病状態」の例は、腫瘍、癌、外傷性脳損傷、脊髄損傷、脳卒中、脳出血、脳虚血、虚血性心疾患、虚血性再灌流傷害、心血管疾患、心臓弁狭窄、感染症、微生物感染症、ウイルス感染症、細菌感染症、真菌感染症、及び自己免疫性疾患を非限定的に含む。
【0020】
本明細書で用いられる「癌」または「腫瘍」は、身体の器官及び系統の正常機能に干渉する細胞の無制御な成長、及び/または、悪性のまたは良性を問わず全ての新生細胞成長及び増殖、並びに、全ての前癌性及び癌性細胞及び組織のことをいう。癌または腫瘍を有する対象とは、対象の体内に存在する客観的に測定可能な癌細胞を有する対象である。この定義では、良性及び悪性癌、並びに、休眠中の腫瘍または微小転移巣が含まれる。もとの場所から移動して重要臓器に播種する癌は、影響を受けた器官の機能劣化を通して、結局、対象の死亡につながる。本明細書に用いられる場合において、用語「侵襲」は、周囲の組織に浸入してこれを破壊する能力のことをいう。黒色腫とは、皮膚腫瘍の浸潤性形態である。本明細書に用いられる場合において、用語「癌腫」は、上皮細胞から生じる癌のことをいう。癌の非限定的な例としては、神経系腫瘍、脳腫瘍、神経鞘腫瘍、乳癌、結腸癌、癌腫、肺癌、肝細胞性癌、胃部癌、膵癌、子宮頸癌、卵巣癌、肝癌、膀胱癌、尿路の癌、甲状腺癌、腎臓癌、腎細胞癌、癌腫、黒色腫、頭頚部癌、脳癌、並びに、アンドロゲン従属前立腺癌及びアンドロゲン非依存性前立腺癌を非限定的に含む前立腺癌が挙げられる。脳腫瘍の非限定的な例としては、良性脳腫瘍、悪性脳腫瘍、原発性脳腫瘍、続発性脳腫瘍、転移性脳腫瘍、神経膠腫、多形神経膠芽腫(GBM)、髄芽細胞腫、上衣腫、星細胞腫、毛様細胞性星状細胞腫、希突起膠細胞腫、脳幹神経膠腫、視神経膠腫、並びに、乏突起星細胞腫、低悪性度神経膠腫、高悪性度の神経膠腫、テント上方神経膠腫、テント下神経膠腫、橋膠腫、髄膜腫、下垂体腺腫、及び神経鞘腫瘍等の混合神経膠腫が挙げられる。神経系腫瘍または神経系新生物は、神経系に影響を及ぼすあらゆる腫瘍のことをいう。神経系腫瘍は、中枢神経系(CNS)内、末梢神経系(PNS)内、または、CNS及びPNS内での腫瘍であってもよい。神経系腫瘍の非限定的な例としては、脳腫瘍、神経鞘腫瘍、及び視神経膠腫が挙げられる。
【0021】
本明細書に用いられる場合において、用語「投与している」とは、作用物質の少なくとも一部分が所望の部位に局在化する方法またはルートにより、本明細書に開示される作用物質を対象に配置させることをいう。「投与のルート」は、当該技術分野で公知であるあらゆる投与経路のことを言い得るものであり、それには、限定されないが、エアゾール、経鼻、経口、経粘膜、経皮、非経口、経腸、局所または局部が含まれる。「非経口」は、一般に注入に関連する投与のルートのことをいい、これは、眼窩内、注入、動脈内、包内、心臓内、皮内、筋肉内、腹腔内、肺内、脊椎内、胸骨内、鞘内、子宮内、静脈、クモ膜下、被膜下、皮下、経粘膜、または、経気管を含む。非経口ルートに対して、組成物は、点滴のためまたは注入のための溶液または懸濁液の形態でもよいか、または凍結乾燥粉体の形態でもよい。経腸ルートに対して、薬学的組成物は、錠剤、ゲルカプセル、糖衣錠、シロップ、懸濁液、溶液、粉体、顆粒、エマルジョン類、小球体もしくはナノ球体、または徐放が可能な脂肪小胞もしくは高分子ベシクルの形態であってもよい。
【0022】
本明細書で用いられる「試料」または「生体試料」という用語は、生物学的生物体の一部を意味する。試料は、細胞、組織、器官、または身体部分であってもよい。試料は更に、生物学的生物体と一体化していてもよい。例えば、外科医が患者から胸腫瘍を除去しようとしている場合に、試料とは、赤外色素で標識され、かつ、本明細書に記載された画像化システムで画像化される胸部組織のことをいう。この状況では、試料はさらに、除去される前の患者の身体の部分である。試料は、生物学的生物体、例えば、対象から除去される腫瘍試料等から取得または分離することができる。例示的な生物学的試料は、生体液試料、血清、血漿、尿、唾液、腫瘍試料、腫瘍生検、及び/または組織試料等を非限定的に含む。また、この用語は、上記の試料の混合物も含む。また、用語「試料」は、非処理のまたは前処理された(または予備処理された)生物学的試料を含む。ある実施形態では、試料は、対象からの1つ以上の細胞を含んでもよい。ある実施形態では、試料は、腫瘍細胞試料であってもよく、例えば、試料は癌細胞、腫瘍からの細胞、及び/または腫瘍生検を含んでいてもよい。
【0023】
本明細書に用いられる場合において、「対象」とは、人間または動物を意味する。通常、動物は脊椎動物、例えば霊長類、齧歯動物、家畜動物、または狩猟動物等である。霊長類は、チンパンジー、カニクイザル、クモザル及び、マカク、例えばアカゲザルを含む。齧歯動物は、マウス、ラット、ウッドチャック、フェレット、ウサギ及びハムスターを含む。家畜動物、及び狩猟動物は、ウシ、ウマ、ブタ、シカ、バイソン、バッファロー、ネコ科の種、例えばイエネコ、及びイヌ科の種、例えば、イヌ、キツネ、オオカミ等を含む。用語、「患者」、「個人」、及び「対象」は、本明細書に互換可能に用いられる。一実施形態では、対象は、哺乳類である。哺乳類は、ヒト、非ヒト霊長類、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウマ、またはウシであってもよいが、これらの例に限定されない。付加的に、本明細書に記載される方法は、家畜化された動物及び/またはペットを治療するために用いることができる。
【0024】
本明細書で用いられる「哺乳類」は、哺乳綱類のあらゆるメンバーのことをいい、ヒト及び、チンパンジー及びその他の類人猿及びサル種等の非ヒト霊長類;ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、及びウマ等の家畜;イヌ及びネコ等の飼育哺乳類、マウス、ラット、及びモルモット等の齧歯動物を含む実験動物などを、非限定的に含む。この用語は、特定の年齢または性別を意味しない。したがって、成体対象及び生まれたばかりの対象、ならびに胎児は、雌雄を問わず、この用語の範囲内に含まれると意図される。
【0025】
対象は、治療が必要な状態(例えば腫瘍)またはこの状態に関する1つ以上の合併症に罹患しているかまたはこの状態を有していると、あらかじめ診断されたかまたは特定された対象であってもよく、かつ任意にこの状態またはこの状態に関する1つ以上の合併症に対する治療をすでに経た対象であってもよい。代替的に、対象は、ある状態またはその状態に関する1つ以上の合併症を有していると、あらかじめ診断されなかった対象であってもよい。例えば、対象は、ある状態若しくはその状態に関する1つ以上の合併症の1つ以上のリスクファクタを示す対象であってもよいか、または、リスクファクタを示さない対象であってもよい。特定の状態のための治療の「必要がある対象」とは、その状態を有することが疑われる対象、その状態を有すると診断される対象、その状態に対して既に治療がなされたかまたは治療されている対象、その状態に対する治療がされていない対象、またはその状態を発症するリスクを有する対象であってもよい。
【0026】
用語「統計的に有意である」または「有意に」とは、差が存在するという統計学上の証拠のことをいう。それは、帰無仮説が実は真である時に、その帰無仮説を拒絶することを決定する可能性として定義される。p値を用いて決定がなされることが多い。
【0027】
本発明に従い、「チャネル」とは、一箇所から他の箇所へ光を導通させるチャネルを意味する。「チャネル」は、光ファイバ、光フィルタ、光エンハンサ、光減衰器、ビームスプリッタ、コンデンサ、ディフューザ、コリメーティングレンズ、ウインドウ、ホール、ミラー、シャッター、1つのレンズ若しくは一組のレンズ、または内視鏡及び顕微鏡を非限定的に含むデバイス、またはそれらの様々な組合せであってもよい。
【0028】
本発明に従い、様々な赤外蛍光体または近赤外蛍光体が用いられてもよい。これらの蛍光体の非限定的な例としては、様々な赤外線または近赤外蛍光色素及び量子ドットが含まれる。それらは、単独であってもよいか、または、ペプチド、タンパク質、ナノ粒子、ナノ複合体、抗体、並びに核酸(例えばDNA及びRNAストランド)等の標的指向化部分に結合しても、若しくは他の生物学的に特異的な標的指向化実体に結合していてもよい。近赤外波長は、赤外波長の一部であり、人間の目に視認可能な放射に最も近く、中赤外及び遠赤外は、可視スペクトルから漸次遠くなる。このように、近赤外蛍光体は、赤外蛍光体の部分集合である。
【0029】
本明細書に別段定義されない限り、本出願に関連して用いられる科学的な及び技術的な用語は、本開示の属する技術分野の当業者により共通して理解されている意味を有するものである。この発明は、本明細書に記載された特定の方法論、プロトコール及び試薬、その他に限定されず、そのため、変形することが可能であることが理解されるべきである。本明細書に使用される用語は、特定の実施形態を記載する目的のみに用いられ、特許請求の範囲によってもっぱら定義される本発明の範囲を限定すると意図されない。
【0030】
様々な実施形態において、本発明は、試料を画像化するための画像化システムを提供する。本発明に従って、試料は、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む。この画像化システムは、イメージセンサ、レーザー、レーザークリーンアップフィルタ、ノッチフィルタ、及び白色光源を備える。イメージセンサは、可視光及び赤外光を検出し、かつセンサシグナルを発生させる。レーザーは、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のための励起光を放出する。レーザークリーンアップフィルタは、レーザーから試料までの光路内に設置されて、励起光の波長帯を、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のピーク吸収帯まで狭める。狭められた励起光は、試料中の赤外蛍光体または近赤外蛍光体を励起して、放射光を放出する。ノッチフィルタは、試料からイメージセンサまでの光路内に設置され、励起光を遮断する。白色光源は、可視光を含む光を放出する。本発明に従って、可視光は、400〜700nmのスペクトルを有していてもよい。様々な実施形態において、画像化システムは、高速トリガユニットを更に含む。
【0031】
ある実施形態では、赤外フィルタが、白色光源から試料までの光路内に存在する。様々な実施形態において、レーザーの強度を制御して、可視光によって照射されたのと同じ領域上での均一な励起を確実にする。レーザーが当然単色であり、すなわち広い帯域範囲を有していないことを意味するが、実際には大部分のレーザーは、隣接する色帯域に少量の放射を有する。様々な実施形態において、レーザーは、非限定的に5、10、15、または20nm以下の幅の波長範囲を有しているレーザーを含む狭帯域レーザーである。非限定的な例として、レーザーは、約775〜795nmの波長を有し約785nmにピークを有する光を放出することができる(
図7)。
【0032】
様々な実施形態において、ノッチフィルタの遮断範囲は、レーザークリーンアップフィルタの透過範囲より広い。様々な実施形態において、ノッチフィルタの遮断範囲は、レーザークリーンアップフィルタの透過範囲よりも、約5〜10nm、10〜15nm、または15〜20nmだけ広い。様々な実施形態において、ノッチフィルタの遮断範囲は、レーザークリーンアップフィルタの透過範囲よりも、約5〜10%、10〜15%、15〜20%、20〜25%、25〜30%、30〜40%、40〜50%、50〜100%、または100〜200%だけ広い。非限定的な例として、レーザークリーンアップフィルタの透過範囲は、約775〜795nmであってもよく、ノッチフィルタの遮断範囲は約770〜800nm、765〜805nm、または760〜810nmであってもよい。
【0033】
様々な実施形態において、励起光は、約785nmの波長を有する光を含む。様々な実施形態において、レーザークリーンアップフィルタは、約785nmの波長を有する光を選択的に透過させる。様々な実施形態において、ノッチフィルタは、約785nmの波長を有する光を選択的に遮断する。
【0034】
様々な実施形態において、画像化システムは、レーザーから試料までの光路内に、ノッチビームスプリッタを更に含み、それにより、励起光は、ノッチビームスプリッタによって試料へ反射される。様々な実施形態において、画像化システムは、白色光源から試料までの光路内に、ノッチビームスプリッタを更に含み、それにより、可視光は、試料
に伝送される。レーザーから試料までの光路内のノッチビームスプリッタ及び白色光源から試料までの光路内のノッチビームスプリッタは、単一のノッチビームスプリッタであってもよいか、または、2つの別々のノッチビームスプリッタであってもよい。一実施形態では、ノッチビームスプリッタは、約700、725、または750nmの波長で、光を分割することができる。別の実施形態では、ノッチビームスプリッタは、約785nmの波長を有する光を反射する。
【0035】
様々な実施形態において、試料からイメージセンサまでの光路内には、赤外フィルタがない。様々な実施形態において、レーザーから試料までの光路内には、赤外フィルタがない。ある実施形態では、励起光を遮断する光フィルタが、試料からイメージセンサまでの光路内にある。その他の実施形態において、レーザーから試料までの光路内には、励起光を遮断する光フィルタがない。
【0036】
様々な実施形態において、画像化システムは、センサシグナルを処理して画像フレームを生成するための画像処理ユニットを更に備える。本発明に従って、画像処理ユニットは、イメージセンサに接続されている。様々な実施形態において、画像処理ユニットは、センサシグナルを処理して、試料が可視光のみを受ける場合には少なくとも1つの白色光フレーム(WLF)を生成し、試料が可視光も励起光も受けない場合には少なくとも1つの迷光フレーム(SLF)を生成し、かつ、試料が励起光のみを受ける場合には1つ以上の近赤外フレーム(NIF)を生成し、画像処理ユニットは、各NIFからSLFを減算し、その後にSLFが減算されたNIFを全て合算して最終的なNIFを生成する。様々な実施形態において、画像処理ユニットは、最終的なNIFに疑似カラーを付ける。様々な実施形態において、画像処理ユニットは、疑似カラーを付けられた最終的なNIFをWLFに加算して、可視光及び赤外光の複合画像フレームを生成する。様々な実施形態において、画像処理ユニットは、30Hzの周波数で可視光及び赤外光の複合画像フレームを生成する。
【0037】
様々な実施形態において、可視光及び赤外光の複合画像フレームの1つを生成する1サイクルを行う間、画像化システムは、1つ以上のWLF、1つ以上のSLF、及び1つ以上のNIFを生成する。本発明に従って、1サイクルの間のWLF(W)、SLF(S)及びNIF(N)のシーケンスは、W-S-N、W-N−S、S-W-N、S-N-W、N-S-W、及びN-W-Sを非限定的に含む多くの適切な選択肢を有する。さらに本発明に従って、1サイクルの間のWLF(W)、SLF(S)、及びNIF(N)の数は、1W-1S-1N、1W-1S-2N、1W-1S-3N、2W-2S-6N、及び1W-1S-3N-1W-1S-3Nを非限定的に含む多くの適切な選択肢を有する。様々な実施形態において、画像化システムは、サイクルを連続的に繰り返して、リアルタイムビデオとして複合画像フレームの連続ストリームを生成する。
【0038】
様々な実施形態において、画像化システムは、画像処理ユニットから生成された画像フレームに基づいて画像を表示する画像表示ユニットを更に含む。本発明に従って、画像表示ユニットは、画像処理ユニットに接続されている。画像表示ユニットの非限定的な例としては、モニタ、プロジェクタ、電話、タブレット、及びスクリーンが挙げられる。ある実施形態では、画像表示ユニットは、30Hzの周波数で可視光及び赤外光の複合画像フレームを表示する。
【0039】
様々な実施形態において、画像化システムは、レーザーから試料まで励起光を導通するための第1のチャネルと、白色光源から試料まで可視光を導通するための第2のチャネルと、試料からイメージセンサまで放射光を導通するための第3のチャネルと、試料からイメージセンサまで可視光を導通するための第4のチャネルとを、更に備える。本発明に従って、第1、第2、第3、及び第4のチャネルは、4個の別々のチャネルであるか、または組み合わされて1個、2個、または3個のチャネルとなっている。さらに本発明に従い4個のチャネルの2個以上は、それらの光路上で、部分的にまたは完全に重なっていてもよい。様々な実施形態において、第1、第2、第3、及び第4のチャネルは、内視鏡または顕微鏡である。
【0040】
様々な実施形態において、本発明は、試料を画像化するための画像化システムを提供する。本発明に従って、試料は、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む。非限定的な例として、赤外蛍光体または近赤外蛍光体は、インドシアニングリーン(ICG)であってもよい。このシステムは、(a)イメージセンサ、(b)レーザー、(c)レーザークリーンアップフィルタ、(d)第1のチャネル、(e)白色光源、(f)第2のチャネル、(g)ノッチビームスプリッタ、(h)第3のチャネル、(i)第4のチャネル、(j)ノッチフィルタ、(k)画像処理ユニット、及び(l)画像表示ユニットを備える。(a)イメージセンサは可視光及び赤外光を検出して、第1の周波数でセンサシグナルを発生させる。試料からイメージセンサまでの光路内には、赤外フィルタがない。イメージセンサは、青色、緑色、及び赤色の画素センサを備える。イメージセンサの非限定的な例としては、CCDイメージセンサ及びCMOSイメージセンサが挙げられる。(b)レーザーは、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のための励起光を放出する。(c)レーザークリーンアップフィルタは、レーザーから試料までの光路内に設置される。レーザークリーンアップフィルタは、励起光の波長帯を、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のピーク吸収帯まで狭め、狭められた励起光は、試料中の赤外蛍光体または近赤外蛍光体を励起して、放射光を放出する。(d)第1のチャネルは、励起光を、レーザーから試料へ導通する。(e)白色光源は、可視光を含む光を放出する。(f)第2のチャネルは、可視光を、白色光源から試料へ導通する。(g)ノッチビームスプリッタは、レーザーから試料までの光路内及び白色光源から試料までの光路内に、設置される。励起光は、ノッチビームスプリッタにより試料へ反射され、可視光はノッチビームスプリッタを通して試料
に伝送される。(h)第3のチャネルは、放射光を、試料からイメージセンサまで導通する。(i)第4のチャネルは、可視光を、試料からイメージセンサまで導通する。(j)ノッチフィルタは、試料からイメージセンサまでの光路内に設置され、このノッチフィルタは、励起光を遮断する。(k)画像処理ユニットは、イメージセンサに接続され、センサシグナルを処理して、画像フレームを生成する。試料が可視光のみを受ける場合には、少なくとも1つの白色光フレーム(WLF)が生成され、試料が可視光も励起光も受けない場合には、少なくとも1つの迷光フレーム(SLF)が生成され、試料が励起光のみを受ける場合には、1つ以上の近赤外フレーム(NIF)が生成される。画像処理ユニット置は、各NIFからSLFを減算し、その後にSLFが減算されたNIFを全て合算して最終的なNIFを生成する。画像処理ユニットは、最終的なNIFに疑似カラーを付け、疑似カラーを付けられた最終的なNIFをWLFに加算して、可視光及び赤外光の複合画像フレームを生成する。(l)画像表示ユニットは、画像処理ユニットに接続され、画像処理ユニットから生成された画像フレームに基づく画像を表示する。
【0041】
様々な実施形態において、イメージセンサは、青色、緑色、及び赤色の画素センサを備える。一実施形態では、青色、緑色、及び赤色の画素センサの全てが、可視光及び赤外光の両方を感知する。様々な実施形態において、イメージセンサは、可視光及び赤外光を検出してCCD映像シグナルを発生させるCCDイメージセンサである。様々な実施形態において、イメージセンサは、可視光及び赤外光を検出してCMOS映像シグナルを発生させるCMOSイメージセンサである。様々な実施形態において、イメージセンサは、NIRロングパスフィルタを有していない。
【0042】
様々な実施形態において、画像化システムは、画像化システムの全てのコンポーネントを制御するソフトウェアを更に備える。
図9は、1つ以上のプロセッサ930と、1つ以上のプロセッサ930での実行のための1つ以上のプログラム950を格納するメモリ940とを備えるデバイスまたはコンピュータシステム900を示す。
【0043】
ある実施形態では、デバイスまたはコンピュータシステム900は、デバイスまたはコンピュータシステム900のプロセッサ930の1つ以上での実行のための1つ以上のプログラム950を格納する非一時的コンピュータ可読保存媒体960を更に備えることができる。
【0044】
ある実施形態では、デバイスまたはコンピュータシステム900は、外部デバイス(図示せず)、1つ以上のプロセッサ930、メモリ940、非一時的コンピュータ可読保存媒体960、及び1つ以上の出力装置970からなる群のいずれかに対して情報を送信するかまたはそれから受信するように構成されることができる1つ以上の入力装置910を更に備えることができる。1つ以上の入力装置910は、アンテナ920、トランシーバ(図示せず)、またはその他等の無線通信のための手段によって、ワイヤレスで外部デバイスに対して情報を送信するかまたはそれから受信するように構成されることができる。
【0045】
ある実施形態では、デバイスまたはコンピュータシステム900は、外部デバイス(図示せず)、1つ以上の入力装置910、1つ以上のプロセッサ930、メモリ940、及び非一時的コンピュータ可読保存媒体960からなる群のいずれかに対して情報を送信するかまたはそれから受信するように構成されることができる1つ以上の出力装置970を更に備えることができる。1つ以上の出力装置970は、アンテナ980、トランシーバ(図示せず)、またはその他等の無線通信のための手段によって、ワイヤレスで外部デバイスに対して情報を送信するかまたはそれから受信するように構成されることができる。
【0046】
上記に特定されたモジュールまたはプログラムのそれぞれは、上記の機能を実行するための一組の命令に対応する。これらのモジュール及びプログラム(すなわち命令のセット)は、別々のソフトウェアプログラム、手順またはモジュールとして実行される必要はなく、したがって、これらのモジュールの様々な部分集合を併用してもよいか、または別段に、様々な実施形態において再編成してもよい。ある実施形態では、メモリは、上記に特定されるモジュール及びデータ構造の部分集合を格納してもよい。さらに、メモリは、上記に記載されない追加のモジュール及びデータ構造を格納してもよい。
【0047】
本開示で例示された態様は、分散コンピューティング環境で実行されてもよく、そこでは、通信網により結合されるリモート処理デバイスにより、所定のタスクが実行される。分散コンピューティング環境では、プログラムモジュールは、ローカル及びリモートメモリ記憶機器に設置することができる。
【0048】
更に、本明細書に記載される様々な部品は、本発明の実施形態を実行するために適切な価値のコンポーネント及び回路要素を備えうる電気回路を備えることができることが、認識されよう。さらに、様々なコンポーネントの多くを、1つ以上の集積回路(IC)チップに実装することができることが、認識できる。例えば、一実施形態では、一組のコンポーネントを単一のICチップに実装することができる。その他の実施形態において、一つ以上のそれぞれのコンポーネントは、別々のICチップ上で製作または実装される。
【0049】
上に記載されたことは、本発明の実施形態の例を含む。もちろん、主張される主題を記載する目的で、コンポーネントまたは方法に対して考え得る限りの組合せを、全て記載することは不可能であるものの、この革新対象について、更に多くの組合せ及び置換を行うことは可能であることが、認識されよう。従って、主張される主題は、添付の特許請求の範囲の精神および範囲に入る全てのそのような改変、変更、及び変形を受け入れることが、意図される。更に、要約書の記載を含めた本開示に例示の上記の実施形態の記載は、網羅的であることは意図されないか、または、開示された実施形態を開示された正確な形態に限定することも意図されない。例示目的のために、具体的な実施形態及び実施例が本明細書に記載されるが、関連技術分野における当業者が認識することができるような、この実施形態及び実施例の範囲内とされる様々な変更が可能である。
【0050】
特に、かつ、上記に記載されたコンポーネント、デバイス、回路、システム等で実行される様々な機能に関して、これらのコンポーネントを説明するために用いられる用語は、特に明記しない限り、説明されたコンポーネントの特定の機能を実行するあらゆるコンポーネント(例えば、機能的等価物)と一致すると意図され、それは、たとえ開示された構造に構造的に等しくないとしても、主張される主題に対して本明細書に例示された典型的な態様において、その機能を実行する。この事に関して、本発明は、システムだけでなく、主張される主題の様々な方法の作用及び/またはイベントを実行するためのコンピュータ実行可能命令を有するコンピュータ可読保存媒体を含むことも認識されよう。
【0051】
いくつかのコンポーネント/ブロックの間でのインタラクションに関して、前述のシステム/回路/モジュールを説明してきた。このようなシステム/回路及びコンポーネント/ブロックは、それらのコンポーネントまたは特定のサブコンポーネント、特定のコンポーネントまたはサブコンポーネントのいくつか、及び/または追加のコンポーネントを含むことができ、また、前述の様々な置換及び組合せに従って構成されることが、認識できよう。サブコンポーネントは、ペアレントコンポーネント(階層的な)に含まれるのではなく、その他のコンポーネントに通信可能に結合するコンポーネントとして、実装することもできる。さらに、1つ以上のコンポーネントを組み合わせて、機能を集積させた単一のコンポーネントにしてもよいか、または、1つ以上のコンポーネントをいくつかの別々のサブコンポーネントに分割し、一体型の機能性を提供するため、任意の1つ以上の中間層、例えば管理層を、そのようなサブコンポーネントに通信可能に結合させてもよいことに、留意する必要がある。本明細書に記載されるあらゆるコンポーネントは、本明細書には具体的に記載されていないが当業者には公知である1つ以上のその他のコンポーネントとやりとりしてもよい。
【0052】
さらに、いくつかの実現形態のうちの1つのみに関して、本発明の特定の特徴を開示してきた可能性があるが、このような特徴は、所望され、かつ、所与または特定の用途に対して有利となる可能性があるため、他の実現形態の他の1つ以上の特徴と組み合わせることもできる。さらに、用語「含む」、「含んでいる」、「有する」、「含有する」、これらの変形、並びに、その他の類似の言葉が、詳細な説明または特許請求の範囲で用いられる範囲まで、これらの用語は、あらゆる追加のまたはその他の要素を排除することなく、オープンな繋ぎ言葉としての「備える」の語と同様に包括的であることが意図される。
【0053】
この出願にて用いられるように、用語「コンポーネント」、「モジュール」、「システム」、またはその他とは、ハードウェア(例えば、回路)、ハードウェア及びソフトウェアの組合せ、ソフトウェア、または1つ以上の特定の機能性を有する操作機械に関する実体である、コンピュータ関連の実体のことをいうと一般に意図される。例えば、コンポーネントは非限定的に、プロセッサ(例えばデジタルシグナル処理装置)上で稼動するプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行ファイル、実行のスレッド、プログラム、及び/またはコンピュータであってもよい。一例として、コントローラ上で稼働するアプリケーション及びコントローラの両方共に、コンポーネントとすることができる。1つ以上のコンポーネントが、プロセス内及び/または実行のスレッドに常駐してもよく、また、コンポーネントは、1台のコンピュータにローカライズされてもよく、かつ/または2台以上のコンピュータの間に分配されていてもよい。さらに、「デバイス」は、特注のハードウェア、ソフトウェアの実行により、ハードウェアが特定の機能が実行可能となる、専門化される汎用ハードウェア、コンピュータ可読媒体に格納されるソフトウェア、またはその組合せの形態とすることができる。
【0054】
更に、語「例」または「典型的な」は、例証、事例、または例示としての機能を果たすことを意味するよう、本明細書に用いられる。本明細書に記載される「典型的な」とされるあらゆる態様またはデザインは、他の態様またはデザインよりも好ましいかまたは有利であると、必ずしも解釈されるわけではない。むしろ、語「例」または「典型的な」の使用は、具体的な形態の概念を提示すると意図される。この出願にて用いられる場合、用語は「または」は、排他的「または」ではなく包括的な「または」を意味すると意図される。すなわち、特に明記しない限り、または文脈から明白である場合は、「Xは、AまたはBを用いる」は、自然に包括するいずれの置換の意味が意図される。すなわち、XがAを用いるならば、XはBを用いるか、またはXはA及びBを用い、かつ、「Xは、AまたはBを用いる」は、当該の事例のいずれも満たしている。さらに、この出願及び添付の特許請求の範囲で用いられる冠詞「1つの(a)」及び「1つの(an)」は、特に明記しない限り、または、単数形を指示していると文脈から明白である場合を除き、「一つ以上」を意味すると一般に解釈されなければならない。
【0055】
コンピューティングデバイスは、コンピュータ可読保存媒体及び/または通信媒体を含み得る様々な媒体を典型的に備え、このコンピュータ可読保存媒体と通信媒体という2つの用語は、本明細書では以下の通りに相互に異なる意味に用いられる。コンピュータ可読保存媒体は、コンピュータによりアクセス可能なあらゆる使用可能な保存媒体であってもよく、典型的には非一時性であり、揮発性及び不揮発性媒体と、リムーバブル及びノンリムーバブル媒体の両方を含むことができる。一例として、かつ非限定的に、コンピュータ可読保存媒体は、コンピュータ可読命令、プログラムモジュール、構造化データまたは構造化されていないデータ等、情報の保存のためのあらゆる方法または技術に関連して、実装することができる。コンピュータ可読保存媒体の非限定的な例としては、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ若しくはその他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)若しくはその他の光ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置またはその他の磁気記憶装置デバイス、または所望の情報を格納するために使用可能な他の有形及び/または非一時的媒体が挙げられる。コンピュータ可読保存媒体は、その媒体に格納される情報に関する様々な操作のために、1つ以上のローカルまたはリモートコンピューティングデバイス、例えば、アクセス要求、クエリーまたはその他のデータ検索プロトコルによって、アクセス可能である。
【0056】
他方、通信媒体は、例えば、搬送波またはその他の搬送機構等の変調されたデータシグナル等、一時的とし得るデータシグナル内の、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、またはその他の構造化されたか若しくは構造化されていないデータを、典型的に具体化する。用語「変調されたデータシグナル」またはシグナルは、1つ以上のシグナルで情報をコードするような方法でその特性の一つ以上が設定または変化されたシグナルのことをいう。一例として、かつ非限定的に、通信媒体は、有線ネットワークまたは直接有線接続等の有線媒体、並びに、音響、RF、赤外、及びその他の無線媒体等の無線媒体を含む。
【0057】
上記の典型的なシステムを考慮し、記載された主題に従って実行可能な方法は、各図のフローチャートを参照してより適切に認識される。説明の単純さのために、方法は、一連の作用として示され、記載される。しかしながら、この開示に従う作用は、本明細書に提示も記載もされないその他の作用と共に、様々な順序で及び/或いは同時に、行うことができる。さらに、開示された主題に従って方法を実行するためには、例示された作用が全て必要であるわけではない。さらに、この方法は、状態図またはイベントを通して一連の相互関係のある状態として代替的に示されることもあり得ることを、当業者は、理解及び認識するだろう。さらに、この明細書で開示される方法を製造品に格納して、コンピューティングデバイスにそのような方法を伝達し及び伝送することを容易にすることができる点が、理解されるべきである。本明細書に用いられる場合において、製造品という用語は、あらゆるコンピュータ可読デバイスまたは保存媒体からアクセス可能なコンピュータプログラムを包含すると意図される。
【0058】
様々な実施形態において、本発明は、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む試料を画像化するためのコンピュータ実装方法を提供するものであり、この方法は、デバイス上に1つ以上のプロセッサと1つ以上のプロセッサによる実行のための1つ以上のプログラムを格納するメモリとを搭載することを含み、1つ以上のプログラムは、イメージセンサを動作させて可視光及び赤外光を検出し、かつセンサシグナルを発生させるための命令、レーザーを動作させて、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のための励起光を放出させるための命令、レーザーから試料までの光路内のレーザークリーンアップフィルタを動作させるための命令であって、レーザークリーンアップフィルタが、励起光の波長帯を赤外蛍光体または近赤外蛍光体のピーク吸収帯まで狭め、かつ狭められた励起光が、試料中の赤外蛍光体または近赤外蛍光体を励起して、放射光を放出する、命令、試料からイメージセンサまでの光路内のノッチフィルタを動作させるための命令であって、ノッチフィルタが励起光を遮断する、命令、並びに白色光源を動作させて、可視光を含む光を放出させるための命令を含む。
【0059】
様々な実施形態において、本発明は、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む試料を画像化するためのコンピュータシステムを提供するものであり、このコンピュータシステムは、1つ以上のプロセッサ及び1つ以上のプログラムを格納するためのメモリを備え、1つ以上のプログラムは、イメージセンサを動作させて可視光及び赤外光を検出し、かつセンサシグナルを発生させるための命令、レーザーを動作させて、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のための励起光を放出させるための命令、レーザーから試料までの光路内のレーザークリーンアップフィルタを動作させるための命令であって、レーザークリーンアップフィルタが、励起光の波長帯を、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のピーク吸収帯まで狭め、かつ狭められた励起光が、試料中の赤外蛍光体または近赤外蛍光体を励起して放射光を放出する、命令、試料からイメージセンサまでの光路内のノッチフィルタを動作させるための命令であって、ノッチフィルタが励起光を遮断する、命令、並びに白色光源を動作させて、可視光を含む光を放出させるための命令を含む。
【0060】
様々な実施形態において、本発明は、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む試料を画像化するための1つ以上のプログラムを格納する非一時的コンピュータ可読保存媒体を提供し、コンピュータシステムのプロセッサの1つ以上による実行のためのこの1つ以上のプログラムは、イメージセンサを動作させて可視光及び赤外光を検出し、かつセンサシグナルを発生させるための命令、レーザーを動作させて、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のための励起光を放出させるための命令、レーザーから試料までの光路内のレーザークリーンアップフィルタを動作させるための命令であって、レーザークリーンアップフィルタが、励起光の波長帯を赤外蛍光体または近赤外蛍光体のピーク吸収帯まで狭め、かつ狭められた励起光が、試料中の赤外蛍光体または近赤外蛍光体を励起して放射光を放出する、命令、試料からイメージセンサまでの光路内のノッチフィルタを動作させるための命令であって、ノッチフィルタが励起光を遮断する、命令、並びに白色光源を動作させて、可視光を含む光を放出させるための命令を含む。
【0061】
様々な実施形態において、本発明は、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む試料を画像化するためのコンピュータ実装方法を提供するものであり、この方法は、デバイス上に1つ以上のプロセッサと1つ以上のプロセッサによる実行のための1つ以上のプログラムを格納するメモリとを搭載することを含み、1つ以上のプログラムは、(a)イメージセンサを動作させて、可視光及び赤外光を検出しかつセンサシグナルを発生させるための命令であって、試料からイメージセンサまでの光路内には赤外フィルタがなく、かつイメージセンサが、青色、緑色、及び赤色の画素センサを備える、命令、(b)レーザーを動作させて、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のための励起光を放出させるための命令、(c)レーザーから試料までの光路内のレーザークリーンアップフィルタを動作させるための命令であって、レーザークリーンアップフィルタが、励起光の波長帯を赤外蛍光体または近赤外蛍光体のピーク吸収帯まで狭め、かつ狭められた励起光が、試料中の赤外蛍光体または近赤外蛍光体を励起して放射光を放出する、命令、(d)第1のチャネルを動作させて、レーザーから試料まで励起光を導通させるための命令、(e)白色光源を動作させて、可視光を含む光を放出させるための命令、(f)第2のチャネルを動作させて、白色光源から試料まで可視光を導通させるための命令、(g)レーザーから試料までの光路内及び白色光源から試料までの光路内のノッチビームスプリッタを動作させるための命令であって、励起光がノッチビームスプリッタにより試料へ反射され、可視光がノッチビームスプリッタを通して試料
に伝送される、命令、(h)第3のチャネルを動作させて、試料からイメージセンサまで放射光を導通させるための命令、(i)第4のチャネルを動作させて、試料からイメージセンサまで可視光を導通させるための命令、(j)試料からイメージセンサまでの光路内のノッチフィルタを動作させるための命令であって、ノッチフィルタが励起光を遮断する、命令、並びに(k)画像処理ユニットを動作させて、センサシグナルを処理して画像フレームを生成させるための命令であって、画像処理ユニットがイメージセンサに接続され、試料が可視光のみを受ける場合には少なくとも1つの白色光フレーム(WLF)が生成され、試料が可視光も励起光も受けない場合には少なくとも1つの迷光フレーム(SLF)が生成され、試料が励起光のみを受ける場合には1つ以上の近赤外フレーム(NIF)が生成され、画像処理ユニットが、各NIFからSLFを減算し、その後にSLFが減算されたNIFを全て合算して最終的なNIFを生成し、画像処理ユニットが、最終的なNIFに疑似カラーを付け、かつ画像処理ユニットが、疑似カラーを付けられた最終的なNIFをWLFに加算して、可視光及び赤外光の複合画像フレームを生成する、命令、(l)画像処理ユニットに接続されている画像表示ユニットを動作させて、画像処理ユニットから生成された画像フレームに基づいて画像を表示するための命令を含む。
【0062】
様々な実施形態において、本発明は、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む試料を画像化するためのコンピュータシステムを提供するものであり、このシステムは、1つ以上のプロセッサと1つ以上のプログラムを格納するためのメモリとを備え、1つ以上のプログラムは、(a)イメージセンサを動作させて、可視光及び赤外光を検出しかつセンサシグナルを発生させるための命令であって、試料からイメージセンサまでの光路内には赤外フィルタがなく、かつイメージセンサが、青色、緑色、及び赤色の画素センサを備える、命令、(b)レーザーを動作させて、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のための励起光を放出させるための命令、(c)レーザーから試料までの光路内のレーザークリーンアップフィルタを動作させるための命令であって、レーザークリーンアップフィルタが、励起光の波長帯を赤外蛍光体または近赤外蛍光体のピーク吸収帯まで狭め、かつ狭められた励起光が、試料中の赤外蛍光体または近赤外蛍光体を励起して放射光を放出する、命令、(d)第1のチャネルを動作させて、レーザーから試料まで励起光を導通させるための命令、(e)白色光源を動作させて、可視光を含む光を放出させるための命令、(f)第2のチャネルを動作させて、白色光源から試料まで可視光を導通させるための命令、(g)レーザーから試料までの光路内及び白色光源から試料までの光路内のノッチビームスプリッタを動作させるための命令であって、励起光がノッチビームスプリッタにより試料へ反射され、可視光がノッチビームスプリッタを通して試料
に伝送される、命令、(h)第3のチャネルを動作させて、試料からイメージセンサまで放射光を導通させるための命令、(i)第4のチャネルを動作させて、試料からイメージセンサまで可視光を導通させるための命令、(j)試料からイメージセンサまでの光路内のノッチフィルタを動作させるための命令であって、ノッチフィルタが励起光を遮断する、命令、(k)画像処理ユニットを動作させて、センサシグナルを処理して画像フレームを生成させるための命令であって、画像処理ユニットがイメージセンサに接続され、試料が可視光のみを受ける場合には少なくとも1つの白色光フレーム(WLF)が生成され、試料が可視光も励起光も受けない場合には少なくとも1つの迷光フレーム(SLF)が生成され、試料が励起光のみを受ける場合には1つ以上の近赤外フレーム(NIF)が生成され、画像処理ユニットが、各NIFからSLFを減算し、その後にSLFが減算されたNIFを全て合算して最終的なNIFを生成し、かつ、画像処理ユニットが、最終的なNIFに疑似カラーを付け、画像処理ユニットが、疑似カラーを付けられた最終的なNIFをWLFに加算して、可視光及び赤外光の複合画像フレームを生成する、命令、並びに(l)画像処理ユニットに接続されている画像表示ユニットを動作させて、画像処理ユニットから生成された画像フレームに基づいて画像を表示するための命令を含む。
【0063】
様々な実施形態において、本発明は、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む試料を画像化するための1つ以上のプログラムを格納する非一時的コンピュータ可読保存媒体を提供し、コンピュータシステムのプロセッサの1つ以上による実行のためのこの1つ以上のプログラムは、(a)イメージセンサを動作させて、可視光及び赤外光を検出しかつセンサシグナルを発生させるための命令であって、試料からイメージセンサまでの光路内には赤外フィルタがなく、かつイメージセンサが、青色、緑色、及び赤色の画素センサを備える、命令、(b)レーザーを動作させて、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のための励起光を放出させるための命令、(c)レーザーから試料までの光路内のレーザークリーンアップフィルタを動作させるための命令であって、レーザークリーンアップフィルタが、励起光の波長帯を赤外蛍光体または近赤外蛍光体のピーク吸収帯まで狭め、かつ狭められた励起光が、試料中の赤外蛍光体または近赤外蛍光体を励起して放射光を放出する、命令、(d)第1のチャネルを動作させて、レーザーから試料まで励起光を導通させるための命令、(e)白色光源を動作させて、可視光を含む光を放出させるための命令、(f)第2のチャネルを動作させて、白色光源から試料まで可視光を導通させるための命令、(g)レーザーから試料までの光路内及び白色光源から試料までの光路内のノッチビームスプリッタを動作させるための命令であって、励起光がノッチビームスプリッタにより試料へ反射され、かつ可視光がノッチビームスプリッタを通して試料
に伝送される、命令、(h)第3のチャネルを動作させて、試料からイメージセンサまで放射光を導通させるための命令、(i)第4のチャネルを動作させて、試料からイメージセンサまで可視光を導通させるための命令、(j)試料からイメージセンサまでの光路内のノッチフィルタを動作させて、ノッチフィルタが励起光を遮断するための命令、(k)画像処理ユニットを動作させて、センサシグナルを処理して画像フレームを生成させるための命令であって、画像処理ユニットがイメージセンサに接続され、試料が可視光のみを受ける場合には少なくとも1つの白色光フレーム(WLF)が生成され、試料が可視光も励起光も受けない場合には少なくとも1つの迷光フレーム(SLF)が生成され、試料が励起光のみを受ける場合には1つ以上の近赤外フレーム(NIF)が生成され、画像処理ユニットが、各NIFからSLFを減算し、その後にSLFが減算されたNIFを全て合算して最終的なNIFを生成し、画像処理ユニットが、最終的なNIFに疑似カラーを付け、かつ画像処理ユニットが、疑似カラーを付けられた最終的なNIFをWLFに加算して、可視光及び赤外光の複合画像フレームを生成する、命令、並びに(l)画像処理ユニットに接続されている画像表示ユニットを動作させて、画像処理ユニットから生成された画像フレームに基づいて画像を表示するための命令を含む。
【0064】
様々な実施形態において、本発明は、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む試料を画像化するためのコンピュータ実装方法を提供するものであり、この方法は、デバイス上に1つ以上のプロセッサと1つ以上のプロセッサによる実行のための1つ以上のプログラムを格納するメモリとを搭載することを含み、1つ以上のプログラムは、イメージセンサを動作させて、可視光及び赤外光を検出しかつセンサシグナルを発生させるための命令、レーザーを動作させて、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のための励起光を放出させかつオンとオフの状態を交互に繰り返すための命令、レーザーから試料までの光路内及び試料からイメージセンサまでの光路内のノッチビームスプリッタを動作させるための命令であって、励起光がノッチビームスプリッタにより試料へ反射され、励起光が、試料中の赤外蛍光体または近赤外蛍光体を励起して放射光を放出させ、かつ放射光がノッチビームスプリッタを通してイメージセンサ
に伝送される、命令、試料からイメージセンサまでの光路内のノッチフィルタを動作させるための命令であって、ノッチフィルタが励起光を遮断する、命令、並びに同期モジュールを動作させて、イメージセンサをレーザー及び可視光と同期させるための命令であって、単一のセンサシグナルをレーザーのオンまたはオフの単一の状態に同期させる、命令を含む。
【0065】
様々な実施形態において、本発明は、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む試料を画像化するためのコンピュータシステムを提供するものであり、このシステムは、1つ以上のプロセッサと1つ以上のプログラムを格納するためのメモリとを備え、1つ以上のプログラムは、イメージセンサを動作させて、可視光及び赤外光を検出しかつセンサシグナルを発生させるための命令、レーザーを動作させて、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のための励起光を放出させかつオンとオフの状態を交互に繰り返すための命令、レーザーから試料までの光路内及び試料からイメージセンサまでの光路内のノッチビームスプリッタを動作させるための命令であって、励起光がノッチビームスプリッタにより試料へ反射され、励起光が、試料中の赤外蛍光体または近赤外蛍光体を励起して放射光を放出させ、かつ放射光がノッチビームスプリッタを通してイメージセンサ
に伝送される、命令、試料からイメージセンサまでの光路内のノッチフィルタを動作させるための命令であって、ノッチフィルタが励起光を遮断する、命令、並びに同期モジュールを動作させて、イメージセンサをレーザー及び可視光と同期させるための命令であって、単一のセンサシグナルをレーザーのオンまたはオフの単一の状態に同期させる、命令を含む。
【0066】
様々な実施形態において、本発明は、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む試料を画像化するための1つ以上のプログラムを格納する非一時的コンピュータ可読保存媒体を提供し、コンピュータシステムのプロセッサの1つ以上による実行のためのこの1つ以上のプログラムは、イメージセンサを動作させて、可視光及び赤外光を検出しかつセンサシグナルを発生させるための命令、レーザーを動作させて、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のための励起光を放出させかつオンとオフの状態を交互に繰り返すための命令、レーザーから試料までの光路内及び試料からイメージセンサまでの光路内のノッチビームスプリッタを動作させて、励起光がノッチビームスプリッタにより試料へ反射され、励起光が、試料中の赤外蛍光体または近赤外蛍光体を励起して放射光を放出させ、かつ放射光がノッチビームスプリッタを通してイメージセンサ
に伝送される、命令、試料からイメージセンサまでの光路内のノッチフィルタを動作させるための命令であって、ノッチフィルタが励起光を遮断する、命令、並びに同期モジュールを動作させて、イメージセンサをレーザー及び可視光と同期させるための命令であって、単一のセンサシグナルをレーザーのオンまたはオフの単一の状態に同期させる、命令を含む。
【0067】
様々な実施形態において、本発明は、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む試料を画像化するためのコンピュータ実装方法を提供するものであり、この方法は、デバイス上に1つ以上のプロセッサと1つ以上のプロセッサによる実行のための1つ以上のプログラムを格納するメモリとを搭載することを含み、1つ以上のプログラムは、(a)イメージセンサを動作させて、可視光及び赤外光を検出しかつセンサシグナルを第1の周波数で発生させるための命令であって、試料からイメージセンサまでの光路内には赤外フィルタがなく、かつイメージセンサが、青色、緑色、及び赤色の画素センサを備える、命令、(b)レーザーを動作させて、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のための励起光を放出させるため、及び第1の周波数の半分である第2の周波数でオンとオフの状態を交互に繰り返すための命令、(c)第1のチャネルを動作させて、レーザーから試料まで励起光を導通させるための命令、(d)光源を動作させて、可視光を含む光を放出させるための命令、(e)第2のチャネルを動作させて、光源から試料まで可視光を導通させるための命令、(f)レーザーから試料までの光路内及び試料からイメージセンサまでの光路内のノッチビームスプリッタを動作させるための命令であって、励起光がノッチビームスプリッタにより試料へ反射され、励起光が、試料中の赤外蛍光体または近赤外蛍光体を励起して放射光を放出し、かつ放射光がノッチビームスプリッタを通してイメージセンサ
に伝送される、命令、(g)第3のチャネルを動作させて、試料からイメージセンサまで放射光を導通させるための命令、(h)第4のチャネルを動作させて、試料からイメージセンサまで可視光を導通させるための命令、(i)試料からイメージセンサまでの光路内のノッチフィルタを動作させるための命令であって、ノッチフィルタが励起光を遮断する、命令、(j)同期モジュールを動作させて、イメージセンサをレーザー及び可視光と同期させるための命令であって、単一のセンサシグナルをレーザーのオンまたはオフの単一の状態に同期させる、命令、(k)画像処理ユニットを動作させて、センサシグナルを処理して画像フレームを生成させるための命令であって、画像処理ユニットがイメージセンサに接続され、画像処理ユニットが、レーザーがオフの場合に生成された画像フレームを、レーザーがオンの場合に生成された直前または次の画像フレームから減算し、赤外線のみの画像フレームが、2つの連続した画像フレーム間の差によって生成され、画像処理ユニットが、赤外線のみの画像フレームに疑似カラーを付け、画像処理ユニットが、疑似カラーを付けられた赤外線のみの画像フレームを、レーザーがオフの場合に生成された画像フレームに再び加算し、可視光及び赤外光の複合画像フレームが生成される、命令、並びに(l)画像処理ユニットに接続されている画像表示ユニットを動作させて、画像処理ユニットから生成された画像フレームに基づいて画像を表示するための命令を含む。
【0068】
様々な実施形態において、本発明は、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む試料を画像化するためのコンピュータシステムを提供するものであり、このシステムは、1つ以上のプロセッサと1つ以上のプログラムを格納するためのメモリとを有し、1つ以上のプログラムは、(a)イメージセンサを動作させて、可視光及び赤外光を検出しかつセンサシグナルを第1の周波数で発生させるための命令であって、試料からイメージセンサまでの光路内には赤外フィルタがなく、かつイメージセンサが、青色、緑色、及び赤色の画素センサを備える、命令、(b)レーザーを動作させて、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のための励起光を放出させ、かつ第1の周波数の半分である第2の周波数でオンとオフの状態を交互に繰り返すための命令、(c)第1のチャネルを動作させて、レーザーから試料まで励起光を導通させるための命令、(d)光源を動作させて、可視光を含む光を放出させるための命令、(e)第2のチャネルを動作させて、光源から試料まで可視光を導通させるための命令、(f)レーザーから試料までの光路内及び試料からイメージセンサまでの光路内のノッチビームスプリッタを動作させるための命令であって、励起光がノッチビームスプリッタにより試料へ反射され、励起光が試料中の赤外蛍光体または近赤外蛍光体を励起して放射光を放出させ、かつ放射光がノッチビームスプリッタを通してイメージセンサ
に伝送される、命令、(g)第3のチャネルを動作させて、試料からイメージセンサまで放射光を導通させるための命令、(h)第4のチャネルを動作させて、試料からイメージセンサまで可視光を導通させるための命令、(i)試料からイメージセンサまでの光路内のノッチフィルタを動作させるための命令であって、ノッチフィルタが励起光を遮断する、命令、(j)同期モジュールを動作させて、イメージセンサをレーザー及び可視光と同期させるための命令であって、単一のセンサシグナルを、レーザーのオンまたはオフの単一の状態に同期させる、命令、(k)画像処理ユニットを動作させて、センサシグナルを処理して画像フレームを生成させるための命令であって、画像処理ユニットがイメージセンサに接続され、画像処理ユニットが、レーザーがオフの場合に生成された画像フレームを、レーザーがオンの場合に生成された直前または次の画像フレームから減算し、赤外線のみの画像フレームが、2つの連続した画像フレーム間の差によって生成され、画像処理ユニットが、赤外線のみの画像フレームに疑似カラーを付け、画像処理ユニットが、疑似カラーを付けられた赤外線のみの画像フレームを、レーザーがオフの場合に生成された画像フレームに再び加算し、可視光及び赤外光の複合画像フレームが生成される、命令、並びに(l)画像処理ユニットに接続されている画像表示ユニットを動作させて、画像処理ユニットから生成された画像フレームに基づいて画像を表示するための命令を含む。
【0069】
様々な実施形態において、本発明は、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む試料を画像化するための1つ以上のプログラムを格納する非一時的コンピュータ可読保存媒体を提供し、コンピュータシステムのプロセッサの1つ以上による実行のためのこの1つ以上のプログラムは、(a)イメージセンサを動作させて、可視光及び赤外光を検出しかつセンサシグナルを第1の周波数で発生させるための命令であって、試料からイメージセンサまでの光路内には赤外フィルタがなく、かつイメージセンサが、青色、緑色、及び赤色の画素センサを備える、命令、(b)レーザーを動作させて、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のための励起光を放出させ、かつ第1の周波数の半分である第2の周波数でオンとオフの状態を交互に繰り返すための命令、(c)第1のチャネルを動作させて、レーザーから試料まで励起光を導通させるための命令、(d)光源を動作させて、可視光を含む光を放出させるための命令、(e)第2のチャネルを動作させて、光源から試料まで可視光を導通させるための命令、(f)レーザーから試料までの光路内及び試料からイメージセンサまでの光路内のノッチビームスプリッタを動作させるための命令であって、励起光がノッチビームスプリッタにより試料へ反射され、励起光が、試料中の赤外蛍光体または近赤外蛍光体を励起して放射光を放出し、かつこの放射光がノッチビームスプリッタを通してメージセンサ
に伝送される、命令、(g)第3のチャネルを動作させて、試料からイメージセンサまで放射光を導通させるための命令、(h)第4のチャネルを動作させて、試料からイメージセンサまで可視光を導通させるための命令、(i)試料からイメージセンサまでの光路内のノッチフィルタを動作させるための命令であって、ノッチフィルタが励起光を遮断する、命令、(j)同期モジュールを動作させて、イメージセンサをレーザー及び可視光と同期させるための命令であって、単一のセンサシグナルをレーザーのオンまたはオフの単一の状態に同期させる、命令、(k)画像処理ユニットを動作させて、センサシグナルを処理して画像フレームを生成させるための命令であって、画像処理ユニットがイメージセンサに接続され、画像処理ユニットが、レーザーがオフの場合に生成された画像フレームを、レーザーがオンの場合に生成された直前またはその次の画像フレームから減算し、赤外線のみの画像フレームが、2つの連続した画像フレーム間の差によって生成され、画像処理ユニットが、赤外線のみの画像フレームに疑似カラーを付け、画像処理ユニットが、疑似カラーを付けられた赤外線のみの画像フレームを、レーザーがオフの場合に生成された画像フレームに再び加算し、可視光及び赤外光の複合画像フレームが生成される、命令、並びに(l)画像処理ユニットに接続されている画像表示ユニットを動作させて、画像処理ユニットから生成された画像フレームに基づいて画像を表示するための命令を含む。
【0070】
様々な実施形態において、本発明は、試料を画像化するためのコンピュータ実装方法を提供するものであり、この方法は、デバイス上に1つ以上のプロセッサと1つ以上のプロセッサによる実行のための1つ以上のプログラムを格納するためのメモリとを搭載することを含み、1つ以上のプログラムは、試料を提供するための命令、前述の請求項のいずれかの画像化システムを提供するための命令、及び画像化システムを用いて試料を画像化するための命令を含む。
【0071】
様々な実施形態において、本発明は、試料を画像化するためのコンピュータシステムを提供し、このコンピュータシステムは、1つ以上のプロセッサと1つ以上のプログラムを格納するためのメモリとを備え、1つ以上のプログラムは、試料を提供するための命令、前述の請求項のいずれかの画像化システムを提供するための命令、及び画像化システムを用いて試料を画像化するための命令を含む。
【0072】
様々な実施形態において、本発明は、試料を画像化するための1つ以上のプログラムを格納する非一時的コンピュータ可読保存媒体を提供し、コンピュータシステムのプロセッサの1つ以上による実行のためのこの1つ以上のプログラムは、試料を提供するための命令、前述の請求項のいずれかの画像化システムを提供するための命令、及び画像化システムを用いて試料を画像化するための命令を含む。
【0073】
様々な実施形態において、本発明は、腫瘍を有する対象を治療するためのコンピュータ実装方法を提供し、この方法は、デバイス上に1つ以上のプロセッサと1つ以上のプロセッサによる実行のための1つ以上のプログラムを格納するメモリとを搭載することを含み、1つ以上のプログラムは、対象に赤外色素を投与し、それにより赤外色素で腫瘍を標識するための命令、対象に対して手術を実行して、標識された腫瘍の領域にアクセスするための命令、前述の請求項のいずれかの画像化システムを提供するための命令、画像化システムに従って、標識された腫瘍を特定するための命令、及び、標識された腫瘍を除去し、それにより腫瘍を有する対象を治療するための命令を含む。
【0074】
様々な実施形態において、本発明は腫瘍を有する対象を治療するためにコンピュータシステムを提供し、このコンピュータシステムは、1つ以上のプロセッサと1つ以上のプログラムを格納するメモリとを備え、1つ以上のプログラムは、対象に赤外色素を投与し、それにより赤外色素で腫瘍を標識するための命令、対象に対して手術を実行して、標識された腫瘍の領域にアクセスするための命令、前述の請求項のいずれかの画像化システムを提供するための命令、画像化システムに従って、標識された化腫瘍を特定するための命令、及び、標識された腫瘍を除去し、それにより腫瘍を有する対象を治療するための命令を含む。
【0075】
様々な実施形態において、本発明は、腫瘍を有する対象を治療するための1つ以上のプログラムを格納する非一時的コンピュータ可読保存媒体を提供し、コンピュータシステムのプロセッサの1つ以上による実行のためのこの1つ以上のプログラムは、対象に赤外色素を投与し、それにより赤外色素で腫瘍を標識するための命令、対象に対して手術を実行して、標識された腫瘍の領域にアクセスするための命令、前述の請求項のいずれかの画像化システムを提供するための命令、画像化システムに従って、標識された腫瘍を特定するための命令、及び、標識された腫瘍を除去し、それより腫瘍を有する対象を治療するための命令を含む。
【0076】
様々な実施形態において、本発明は、画像を取り込みかつ処理するため及びスムーズな画像表示のためのコンピュータ実装方法を提供し、この方法は、デバイス上に1つ以上のプロセッサと1つ以上のプロセッサによる実行のための1つ以上のプログラムを格納するメモリとを搭載することを含み、1つ以上のプログラムは、並列処理ソフトウェアコーディングを用いるための命令、未加工の画像を伝送するための命令、及び、1つ以上のプロセッサに対する、未加工の画像にデモザイキング処理を行うための命令を含む。
【0077】
1つ以上のプロセッサは、図形処理ユニット(GPU)を備えていてもよい。
【0078】
並列処理ソフトウェアコーディングは、GPUベースのコンピュータ統合デバイスアーキテクチャ(CUDA)を備えていてもよい。
【0079】
並列処理ソフトウェアコーディングは、直接ビデオカードに格納することができる。
【0080】
未加工の画像は、8ビットの未加工の画像であってもよい。
【0081】
画像は、毎秒300フレームのフル高解像度フレームを含んでもよく、フルHD(1080p)8ビット画像は、サイズが約2Mbであってもよく、PCIe3.0のデータ転送速度は、約7Gb/sであってもよく、画像は300マイクロ秒でGPUへ伝送することができる。
【0082】
GPUに画像を伝送した後に、画像処理操作を実行することができる。画像処理操作は、ベイヤーデモザイキング処理を行うこと、散乱光画像を蛍光画像から減算すること、蛍光フレームの赤緑青のチャネルを加算すること、蛍光画像に疑似カラーを付けること、及び疑似カラーを付けられた蛍光画像を白色光画像に加算することからなる群の1つ以上であってもよい。
【0083】
速度を向上させる目的で、表示のためにシステムメモリに画像を戻す代わりに、GPUのopenGL/directx機能を用いて最終的な画像を表示することができる。
【0084】
画像は、医療グレードHD品質ビデオモニタで表示することができる。
【0085】
様々な実施形態において、本発明は、画像を取り込みかつ処理するため及びスムーズな画像表示のためのコンピュータシステムを提供し、このコンピュータシステムは、1つ以上のプロセッサと1つ以上のプログラムを格納するためのメモリとを備え、1つ以上のプログラムは、並列処理ソフトウェアコーディングを用いるための命令、未加工の画像を伝送するための命令、及び、1つ以上のプロセッサに対する、未加工の画像にデモザイキング処理を行うための命令を含む。
【0086】
1つ以上のプロセッサは、図形処理ユニット(GPU)を備えていてもよい。
【0087】
並列処理ソフトウェアコーディングは、GPUベースのコンピュータ統合デバイスアーキテクチャ(CUDA)を備えていてもよい。
【0088】
並列処理ソフトウェアコーディングは、直接ビデオカードに格納することができる。
【0089】
未加工の画像は、8ビットの未加工の画像であってもよい。
【0090】
画像は、毎秒300フレームのフル高解像度フレームを含んでもよく、フルHD(1080p)8ビット画像は、サイズが約2Mbであってもよく、PCIe3.0のデータ転送速度は、約7Gb/sであってもよく、画像は300マイクロ秒でGPUへ伝送することができる。
【0091】
GPUに画像を伝送した後に、画像処理操作を実行することができる。画像処理操作は、ベイヤーデモザイキング処理を行うこと、散乱光画像を蛍光画像から減算すること、蛍光フレームの赤緑青のチャネルを加算すること、蛍光画像に疑似カラーを付けること、及び疑似カラーを付けられた蛍光画像を白色光画像に加算することからなる群の1つ以上であってもよい。
【0092】
速度を向上させる目的で、表示のためにシステムメモリに画像を戻す代わりに、GPUのopenGL/directx機能を用いて最終的な画像を表示することができる。
【0093】
画像は、医療グレードHD品質ビデオモニタで表示することができる。
【0094】
様々な実施形態において、本発明は、画像を取り込みかつ処理するため及びスムーズな画像表示のための1つ以上のプログラムを格納する非一時的コンピュータ可読保存媒体を提供し、保存媒体のプロセッサの1つ以上による実行のためのこの1つ以上のプログラムは、並列処理ソフトウェアコーディングを用いるための命令、未加工の画像を伝送するための命令、及び、1つ以上のプロセッサに対する、未加工の画像にデモザイキング処理を行うための命令を含む。
【0095】
1つ以上のプロセッサは、図形処理ユニット(GPU)を備えていてもよい。
【0096】
並列処理ソフトウェアコーディングは、GPUベースのコンピュータ統合デバイスアーキテクチャ(CUDA)を備えていてもよい。
【0097】
並列処理ソフトウェアコーディングは、直接ビデオカードに格納することができる。
【0098】
未加工の画像は、8ビットの未加工の画像であってもよい。
【0099】
画像は、毎秒300フレームのフル高解像度フレームを含んでもよく、フルHD(1080p)8ビット画像は、サイズが約2Mbであってもよく、PCIe3.0のデータ転送速度は、約7Gb/sであってもよく、画像は300マイクロ秒でGPUへ伝送することができる。
【0100】
GPUに画像を伝送した後に、画像処理操作を実行することができる。画像処理操作は、ベイヤーデモザイキング処理を行うこと、散乱光画像を蛍光画像から減算すること、蛍光フレームの赤緑青のチャネルを加算すること、蛍光画像に疑似カラーを付けること、及び疑似カラーを付けられた蛍光画像を白色光画像に加算することからなる群の1つ以上であってもよい。
【0101】
速度を向上させる目的で、表示のためにシステムメモリに画像を戻す代わりに、GPUのopenGL/directx機能を用いて最終的な画像を表示することができる。
【0102】
画像は、医療グレードHD品質ビデオモニタで表示することができる。
【0103】
様々な実施形態において、本発明は、試料を画像化するための画像化システムを提供する。本発明に従って、試料は、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む。このシステムは、イメージセンサ、レーザー、ノッチビームスプリッタ、ノッチフィルタ、及び同期モジュールを有している。イメージセンサは、可視光及び赤外光を検出し、センサシグナルを発生させる。レーザーは、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のための励起光を放出し、かつ、オンとオフの状態を交互に繰り返す。ノッチビームスプリッタは、レーザーから試料までの光路内、及び試料からイメージセンサまでの光路内に、設置される。励起光は、ノッチビームスプリッタにより試料へ反射され、励起光は、試料中の赤外蛍光体または近赤外蛍光体を励起して、放射光を放出し、かつ、放射光はノッチビームスプリッタを通してイメージセンサ
に伝送される。ノッチフィルタは、試料からイメージセンサまでの光路内に設置され、このノッチフィルタは、励起光を遮断する。同期モジュールは、イメージセンサをレーザー及び可視光と同期させることにより、単一のセンサシグナルが、レーザーのオンまたはオフの単一の状態に同期する。様々な実施形態において、画像化システムは、高速トリガユニットを更に備える。
【0104】
様々な実施形態において、画像化システムは、可視光を含む光を放出するための光源を更に備える。本発明に従って、可視光は、400〜700nmのスペクトルを有していてもよい。ある実施形態では、赤外フィルタが、光源から試料までの光路内に存在する。本発明に従って、レーザーの強度を制御して、可視光によって照射されたのと同じ領域上での均一な励起を確実にする。
【0105】
本発明に従って、レーザーのオン-オフ周波数は、センサシグナルを発生させるイメージセンサの周波数の半分である。様々な実施形態において、レーザーは、60Hzの周波数で、オンとオフの状態を交互に繰り返す。様々な実施形態において、イメージセンサは、120Hzの周波数で、センサシグナルを発生させる。
【0106】
様々な実施形態において、励起光は、約785nm及び/または780nmの波長を有する光を含む。様々な実施形態において、ノッチビームスプリッタは、約785nm及び/または780nmの波長を有する光を選択的に反射する。様々な実施形態において、ノッチフィルタは、約785nm及び/または780nmの波長を有する光を遮断する。
【0107】
様々な実施形態において、試料からイメージセンサまでの光路内には、赤外フィルタがない。様々な実施形態において、レーザーから試料までの光路内には、赤外フィルタがない。ある実施形態では、励起光を遮断する光フィルタが、試料からイメージセンサまでの光路内にある。その他の実施形態において、レーザーから試料までの光路内には、励起光を遮断する光フィルタがない。
【0108】
様々な実施形態において、画像化システムは、センサシグナルを処理して画像フレームを生成するための画像処理ユニットを更に備える。本発明に従って、画像処理ユニットは、イメージセンサに接続されている。様々な実施形態において、画像処理ユニットは、レーザーがオフの場合に生成された画像フレームを、レーザーがオンの場合に生成された直前または次の画像フレームから減算し、赤外線のみの画像フレームが、2つの連続した画像フレーム間の差によって生成される。本発明に従って、画像処理ユニットは、赤外線のみの画像フレームに疑似カラーを付ける。本発明に従って、画像処理ユニットは、疑似カラーを付けられた赤外線のみの画像フレームを、レーザーがオフの場合に生成された画像フレームに再び加算し、それにより、可視光及び赤外光の複合画像フレームが生成される。ある実施形態では、画像処理ユニットは、60Hzの周波数で可視光及び赤外光の複合画像フレームを生成する。
【0109】
様々な実施形態において、画像化システムは、画像処理ユニットから生成された画像フレームに基づいて画像を表示するための画像表示ユニットを更に含む。本発明に従って、画像表示ユニットは、画像処理ユニットに接続されている。画像表示ユニットの非限定的な例としては、モニタ、プロジェクタ、電話、タブレット、及びスクリーンが挙げられる。ある実施形態では、画像表示ユニットは60Hzの周波数で、可視光及び赤外光の複合画像フレームを表示する。
【0110】
様々な実施形態において、画像化システムは、レーザーから試料まで励起光を導通するための第1のチャネルと、光源から試料まで可視光を導通するための第2のチャネルと、試料からイメージセンサまで放射光を導通するための第3のチャネルと、試料からイメージセンサまで可視光を導通するための第4のチャネルとを更に備える。本発明に従って、第1、第2、第3、及び第4のチャネルは、4個の別々のチャネルであるか、または組み合わされて1個、2個、または、3個のチャネルとなっている。さらに本発明に従い4個のチャネルの2個以上は、それらの光路上で、部分的にまたは完全に重なっていてもよい。様々な実施形態において、第1、第2、第3、及び第4のチャネルは、内視鏡または顕微鏡である。
【0111】
様々な実施形態において、本発明は、試料を画像化するための画像化システムを提供する。本発明に従って、試料は、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む。さらに本発明に従い、赤外蛍光体または近赤外蛍光体は、インドシアニングリーン(ICG)であってもよい。このシステムは、(a)イメージセンサ、(b)レーザー、(c)第1のチャネル、(d)光源、(e)第2のチャネル、(f)ノッチビームスプリッタ、(g)第3のチャネル、(h)第4のチャネル、(i)ノッチフィルタ、(j)同期モジュール、(k)画像処理ユニット、及び(l)画像表示ユニットを備えている。(a)イメージセンサは可視光及び赤外光を検出して、第1の周波数でセンサシグナルを発生させる。試料からイメージセンサまでの光路内には、赤外フィルタがない。イメージセンサは、青色、緑色、及び赤色の画素センサを備える。イメージセンサの非限定的な例としては、CCDイメージセンサ及びCMOSイメージセンサが挙げられる。(b)レーザーは、赤外蛍光体または近赤外蛍光体のための励起光を放出し、かつ第1の周波数の半分である第2の周波数で、オンとオフの状態を交互に繰り返す。(c)第1のチャネルは、励起光を、レーザーから試料へ導通する。(d)光源は、可視光を含む光を放出する。(e)第2のチャネルは、可視光を、光源から試料へ導通する。(f)ノッチビームスプリッタは、レーザーから試料までの光路内、及び試料からイメージセンサまでの光路内に、設置される。励起光は、ノッチビームスプリッタにより試料へ反射され、励起光は、試料中の赤外蛍光体または近赤外蛍光体を励起して、放射光を放出し、かつ、放射光はノッチビームスプリッタを通してイメージセンサ
に伝送される。(g)第3のチャネルは、放射光を、試料からイメージセンサまで導通する。(h)第4のチャネルは、可視光を、試料からイメージセンサまで導通する。(i)ノッチフィルタは、試料からイメージセンサまでの光路内に設置され、このノッチフィルタは、励起光を遮断する。(j)同期モジュールは、イメージセンサをレーザー及び可視光と同期させることにより、単一のセンサシグナルが、レーザーのオンまたはオフの単一の状態に同期する。(k)画像処理ユニットは、イメージセンサに接続され、かつセンサシグナルを処理して画像フレームを生成する。画像処理ユニットは、レーザーがオフの場合に生成された画像フレームを、レーザーがオンの場合に生成された直前または次の画像フレームから減算し、それにより、赤外線のみの画像フレームが、2つの連続した画像フレーム間の差によって生成される。画像処理ユニットは、赤外線のみの画像フレームに疑似カラーを付ける。画像処理ユニットは、疑似カラーを付けられた赤外線のみの画像フレームを、レーザーがオフの場合に生成された画像フレームに再び加算し、それにより、可視光及び赤外光の複合画像フレームが生成される。(l)画像表示ユニットは、画像処理ユニットに接続され、画像処理ユニットから生成された画像フレームに基づく画像を表示する。
【0112】
様々な実施形態において、イメージセンサは、青色、緑色、及び赤色の画素センサを備える。一実施形態では、青色、緑色、及び赤色の画素センサの全てが、可視光及び赤外光の両方を感知する。様々な実施形態において、イメージセンサは、可視光及び赤外光を検出してCCD映像シグナルを発生させるCCDイメージセンサである。様々な実施形態において、イメージセンサは、可視光及び赤外光を検出してCMOS映像シグナルを発生させるCMOSイメージセンサである。様々な実施形態において、イメージセンサは、NIRロングパスフィルタを有していない。
【0113】
様々な実施形態において、本発明は、試料を画像化する方法を提供する。この方法は、試料を提供するステップ、本明細書に記載される画像化システムを提供するステップ、及び、画像化システムを用いて試料を画像化するステップを含む。さらなる実施態様では、本方法は、対象に対して手術を実行して、試料にアクセスするかまたは試料を分離するステップを更に含む。様々な実施形態において、対象は、癌を有し、癌性組織を除去するための手術を必要とし得るものであり、かつ、試料とは、癌性組織を含む身体部分のことをいう。様々な実施形態において、対象はヒトである。様々な実施形態において、対象は、哺乳類の対象であり、これには、限定されないが、ヒト、サル、類人猿、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヤギ、ブタ、ウサギ、マウス、及びラットが含まれる。さらなる実施形態においては、この方法は、赤外蛍光体または近赤外蛍光体で試料を標識するステップを更に含む。さらに本発明に従い、赤外蛍光体または近赤外蛍光体は、インドシアニングリーン(ICG)であってもよい。
【0114】
様々な実施形態において、本発明はまた、腫瘍を有する対象を治療する方法を提供する。この方法は、対象に赤外色素を投与し、それにより、赤外色素で腫瘍を標識するステップ、対象に対して手術を実行して、標識された腫瘍の領域にアクセスするステップ、本明細書に記載される画像化システムを提供するステップ、画像化システムに従って、標識された腫瘍を特定するステップ、及び、標識された腫瘍を除去し、それより、腫瘍を有する対象を治療するステップを含む。
【0115】
本発明の画像化システム及び方法を用いて、様々な対象から試料を画像化することができ、この対象には、限定されないが、ヒト及びチンパンジー及びその他の類人猿及びサル種等の非ヒト霊長類;ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ及びウマ等の家畜;イヌ及びネコ等の飼育哺乳類、マウス、ラット及びモルモット等の齧歯動物を含む実験動物等が、含まれる。様々な実施形態において、対象は、癌を有し、癌性組織を除去するための手術を必要とし得るものであり、かつ、試料とは、癌性組織を含む身体部分のことをいう。様々な実施形態において、試料は、腫瘍、細胞、組織、器官、または身体部分である。ある実施形態では、試料は対象から分離されている。他の実施形態において、試料は、対象と一体化している。本発明に従って、試料は、赤外蛍光体または近赤外蛍光体を含む。
【0116】
赤外蛍光体または近赤外蛍光体の実施例には、限定されないが、インドシアニングリーン(ICG)、IR800、Alexa680及びcy5.5、並びに、それらの機能的等価物、類似体、誘導体、または塩が含まれる。本明細書に記載される画像化方法及びシステムにおいて、特定の赤外蛍光体または近赤外蛍光体に適切な要素をどのように選択するかを、当業者は公知であるであろう。1つの非限定的な例として、検出される赤外色素がICG(ピークが785nmにある748〜789nm励起;ピークが825nmにある814〜851nmの放射)である場合、当業者は、本明細書に記載される様々なシステム及び方法において、約785nmの励起光を放出するレーザー、775〜795nmの光を透過するレーザークリーンアップフィルタ、770〜800nmの光を遮断するノッチフィルタ、及び/または700nmで光を分割するノッチビームスプリッタを選択するであろう。ICGが、異なる材料に対して異なるピークを有することが公知である。また、ICGは非限定的な例であり、他の蛍光体をICGの代わりに用いてもよい。この非限定的な例に記載されるように、ピークが785にない場合に、それに応じて設定を変えてもよいことが、当業者には理解されよう。例えば、システムは、レーザー励起及び光フィルタを変化させることにより、ほとんど全てのIRまたはNIR波長を用いてもよい。
【0117】
赤外蛍光体または近赤外蛍光体の有効量の典型的な用量は、公知の画像化化合物が用いられる場合、製造者によって推奨される範囲とすることができ、また、細胞内のインビトロでの結果または動物モデルのインビボでの結果により、当業者に示される範囲とすることができる。このような用量は典型的には、関連性のある標識活性を失わずに、多くとも約1桁の濃度または量まで、減少することができる。実際の用量は、医師の判断、患者の状態、及び、例えば、関連性のある培養細胞若しくは組織培養された組織試料のインビトロでの結果に基づくか、または、適切な動物モデルで観測されるインビボの結果に基づく、画像化の方法の効果に、依存され得る。様々な実施形態において、対象へ有効量の赤外蛍光体または近赤外蛍光体を投与するように、赤外蛍光体または近赤外蛍光体は、1日につき1回(SID/QD)、1日につき2回(BID)、1日につき3回(TID)、1日につき4回(QID)、または、これ以上で投与されてもよく、ここで、有効量は、本明細書に記載されるあらゆる投与量の1つ以上である。
【0118】
様々な実施形態において、赤外蛍光体または近赤外蛍光体は、画像化の約5〜10、10〜20、20〜30、または30〜60分前に、対象に投与されるか、または、試料に適用される。様々な実施形態において、赤外蛍光体または近赤外蛍光体は、画像化の約1〜6、6〜12、12〜18、18〜24、24〜30、30〜36、36〜42、または42〜48時間前に対象に投与されるか、または、試料に適用される。一実施形態では、赤外蛍光体または近赤外蛍光体は、ICG、または、ICGの機能的等価物、類似体、誘導体若しくは塩である。他の実施形態において、赤外蛍光体または近赤外蛍光体は、IR800、Alexa680、cy5.5、IR800の機能的等価物、Alexa680の機能的等価物、cy5.5の機能的等価物、IR800の類似体、Alexa680の類似体、cy5.5の類似体、IR800の誘導体、Alexa680の誘導体、cy5.5の誘導体、IR800の塩、Alexa680の塩、またはcy5.5の塩からなる群の1つである。特定の実施形態では、赤外蛍光体または近赤外蛍光体は、ヒトに投与される。
【0119】
様々な実施形態において、赤外蛍光体または近赤外蛍光体は、約0.1〜0.5、0.5〜1、1〜1.5、1.5〜2、2〜3、3〜4、4〜5、5〜10、10〜20、20〜50、または50〜100mg/kgで対象に投与されるか、または、試料に適用される。様々な実施形態において、赤外蛍光体または近赤外蛍光体は、約0.001〜0.01mg/kg、0.01〜0.1mg/kg、0.1〜0.5mg/kg、0.5〜5mg/kg、5〜10mg/kg、10〜20mg/kg、20〜50mg/kg、50〜100mg/kg、100〜200mg/kg、200〜300mg/kg、300〜400mg/kg、400〜500mg/kg、500〜600mg/kg、600〜700mg/kg、700〜800mg/kg、800〜900mg/kg、または900〜1000mg/kgで対象に投与されるか、または、試料に適用される。本明細書では、「mg/kg」は対象の体重1kg当たりのmgのことをいう。一実施形態では、赤外蛍光体または近赤外蛍光体は、ICG、または、ICGの機能的等価物、類似体、誘導体、若しくは塩である。他の実施形態において、赤外蛍光体または近赤外蛍光体は、IR800、Alexa680、cy5.5、IR800の機能的等価物、Alexa680の機能的等価物、cy5.5の機能的等価物、IR800の類似体、Alexa680の類似体、cy5.5の類似体、IR800の誘導体、Alexa680の誘導体、cy5.5の誘導体、IR800の塩、Alexa680の塩、またはcy5.5の塩からなる群の1つである。特定の実施形態では、赤外蛍光体または近赤外蛍光体はヒトに投与される。
【0120】
様々な実施形態において、赤外蛍光体または近赤外蛍光体は、1回、2回、3回、またはそれ以上の頻度で対象に投与されるか、または、試料に適用される。様々な実施形態において、赤外蛍光体または近赤外蛍光体は、1日につき約1〜3回、1週間につき1〜7回、または、1ヵ月につき1〜9回、対象に投与されるか、または、試料に適用される。さらなる実施形態では、赤外蛍光体または近赤外蛍光体は、約1〜10日、10〜20日、20〜30日、30〜40日、40〜50日、50〜60日、60〜70日、70〜80日、80〜90日、90〜100日、1〜6ヵ月、6〜12ヵ月、または1〜5年の間、対象に投与されるか、または、試料に適用される。一実施形態では、赤外蛍光体または近赤外蛍光体は、ICG、または、ICGの機能的等価物、類似体、誘導体、若しくは塩である。特定の実施形態では、赤外蛍光体または近赤外蛍光体はヒトに投与される。
【0121】
本発明に従い、赤外蛍光体または近赤外蛍光体は、適切な投与の方法、例えば、製造者によって推奨される投与の方法等を用いて、投与されてもよい。本発明に従い、特許請求の範囲に記載の方法の赤外蛍光体または近赤外蛍光体を投与するために、様々なルートが使用されてもよく、このルートには、限定されないが、エアゾール、経鼻、経口、経粘膜、経皮、非経口、埋込可能なポンプ、連続点滴、局所適用、カプセル、及び/または注入が含まれる。様々な実施形態において、レチノイド作動薬は、血管内、静注、動脈内、腫瘍内、筋内、皮下、鼻腔内、腹膜内、または、経口により投与される。
【0122】
様々な実施形態において、赤外蛍光体または近赤外蛍光体は、薬学的組成物として提供される。哺乳類に投与される場合、好ましい組成物は最小限の毒性も示す。
【0123】
様々な実施形態において、本発明による薬学的組成物は、あらゆる投与ルートを経由する送達用として調製されてもよい。「投与のルート」とは、技術分野で公知であるあらゆる投与経路のことをいい得るものであり、それには、限定されないが、エアゾール、経鼻、経口、経粘膜、経皮、非経口、経腸、局所、または局部が含まれる。「非経口」とは、一般に注入に関連した投与のルートのことをいい、眼窩内、注入、動脈内、包内、心臓内、皮内、筋肉内、腹腔内、肺内、脊椎内、胸骨内、鞘内、子宮内、静脈、クモ膜下、被膜下、皮下、経粘膜、または、経気管を含む。非経口ルートに対して、組成物は、点滴のため若しくは注入のための溶液若しくは懸濁液の形態でもよいか、または凍結乾燥粉体の形態でもよい。非経口ルートに対して、組成物は、点滴のためまたは注入のための溶液または懸濁液の形態でもよい。経腸ルートを経る場合、薬学的組成物は、錠剤、ゲルカプセル、糖衣錠、シロップ、懸濁液、溶液、粉体、顆粒、エマルジョン類、小球体若しくはナノ球体、または、徐放可能な脂肪小胞若しくは高分子ベシクルの形態であってもよい。典型的に、組成物は注射によって投与される。これらの投与のための方法は、当業者には公知である。本発明に従い、薬学的組成物は、静脈、筋肉内、皮下、腹腔内、経口、または、吸入投与用に調製されてもよい。
【0124】
様々な実施形態において、本発明による薬学的組成物は、あらゆる薬学的に許容される賦形剤を含んでもよい。「薬学的に許容される賦形剤」とは、一般に安全であり、非毒性であり、望ましい薬学的組成物を調製する際に有用な賦形剤を意味し、ヒト用薬学的使用に対してだけでなく、獣医学的使用に対しても許容可能である、賦形剤を含む。そのような賦形剤は固体、液体、半固体でもよいか、または、エアゾール組成物の場合、ガス状でもよい。賦形剤の非限定的な例としては、デンプン、糖、微結晶性セルロース、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、バインダー、崩壊剤、湿潤剤、乳化剤、着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味料、着香料、芳香剤、防腐剤、抗酸化剤、可塑剤、ゲル化剤、増粘剤、硬化剤(hardener)、硬化剤(setting agent)、懸濁化剤、界面活性剤、湿潤剤、キャリア、安定剤、及びそれらの組合せが挙げられる。
【0125】
様々な実施形態において、本発明に従った薬学的組成物は、あらゆる薬学的に許容されるキャリアを含むことができる。本明細書で用いられる「薬学的に許容されるキャリア」は、身体の1つの組織、器官、または部分から、身体の他の組織、器官、または部分へ、関心対象の化合物を輸送または移送することに関与する薬学的に許容される物質、組成物、またはビヒクルのことをいう。例えば、キャリアは、液体若しくは固体の充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒、若しくは封入物質、またはそれらの組合せであってもよい。キャリアのそれぞれの構成物質は、製剤の他の成分と互換性を持たなければならないという意味で、「薬学的に許容され」なければならない。またそれは、それが接触し得るあらゆる組織または器官と接触させた使用に適切でなければならず、すなわちそれは、治療の利益を過度に上回る毒性、刺激、アレルギー応答、免疫原性、または、あらゆるその他の合併症のリスクを保有してはならないことを意味する。
【0126】
本発明による薬学的組成物は、経口投与のために、カプセル化されてもよいか、錠剤化されてもよいか、または、エマルジョンまたはシロップに調製されてもよい。薬学的に許容される固体または液体キャリアを添加して、組成物を改良若しくは安定させてもまたは組成物の調製物を容易にしてもよい。液体キャリアには、シロップ、ピーナッツ油、オリーブ油、グリセリン、生理食塩水、アルコール類、及び精製水が含まれる。固体キャリアには、デンプン、ラクトース、硫酸カルシウム、二水和物、白土、ステアリン酸マグネシウムまたはステアリン酸、タルク、ペクチン、アラビアゴム、寒天またはゼラチンが含まれる。キャリアは、また、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの除放性物質を単独でまたはワックスと共に含む。
【0127】
薬学的調製物は、薬学の従来の技術に従って作製され、これには、錠剤の形態のために必要な場合はミリング、混合、造粒、及び圧縮が含まれるか、または、ハードゼラチンカプセルの形態に対しては、粉砕、混合、及び充填が含まれる。液体キャリアが用いられる場合は、該調製物は、シロップ、エリキシル、エマルジョン、または水性若しくは非含水の懸濁液の形態である。このような液体製剤は直接経口投与されてもよいか、またはソフトゼラチンカプセルに充填されてもよい。
【0128】
本発明による薬学的組成物は、治療有効量で送達されてもよい。正確な治療有効量は、所定の対象内の試料を標識することの有効性に関して、最も有効な結果を与え得る組成物の量である。この量は、様々な因子に左右されて変化し、その因子には、限定されないが、赤外蛍光体または近赤外蛍光体等の標識化合物の特性(活性、薬物動態学、薬力学、及び生物学的利用能を含む)、対象の生理的状態(年齢、性別、疾病のタイプ及び段階、一般の身体状態、所定の用量に対する反応、並びに薬物のタイプを含む)、製剤中の薬学的に許容される単数または複数のキャリアの性質、及び投与のルートが含まれる。臨床分野及び薬理学的技術分野の当業者は、ルーチンの実験、例えば、化合物の投与に対する対象の反応をモニタすることによる、及び、従って用量を調整することによる、実験を通して、試料を標識するための有効量を決定することができる。追加のガイダンスのために、Remington: The Science and Practice of Pharmacy (Gennaro ed. 20th edition Williams & Wilkins PA, USA) (2000)を参照のこと。
【0129】
対象への投与の前に、配合物(formulant)が、組成物に加えられてもよい。液体製剤が好ましい。例えば、これらの配合物は、油、ポリマー、ビタミン、炭水化物、アミノ酸、塩、緩衝剤、アルブミン、界面活性剤、増量剤、またはそれらの組合せを含んでもよい。
【0130】
炭水化物配合物は、糖または糖アルコール、例えば単糖、二糖、若しくは多糖類、または水溶性グルカンを含む。糖質またはグルカンは、フルクトース、デキストロース、ラクトース、グルコース、マンノース、ソルボース、キシロース、マルトース、蔗糖、デキストラン、プルラン、デキストリン、アルファ及びベータシクロデキストリン、可溶性デンプン、ヒドロキシエチル澱粉、並びにカルボキシメチルセルロース、またはこれらの混合物を含み得る。「糖アルコール」は、‐OH基を有するC4〜C8の炭化水素として定義され、ガラクチトール、イノシトール、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、グリセロール、及びアラビトールを含む。上記のこれらの糖または糖アルコールは、個々にまたは組合せで用いられてもよい。糖または糖アルコールが水性調製物に対して可溶性である限り、用いられる量に対する一定の制限はない。一実施形態では、糖または糖アルコールの濃度は、1.0w/v%〜7.0w/v%、より好ましくは2.0〜6.0w/v%である。アミノ酸配合物は、カルニチン、アルギニン、及びベタインの左旋性(L)体を含むが、他のアミノ酸が添加されてもよい。ある実施形態では、配合物としてのポリマーは、平均分子量が2,000〜3,000のポリビニルピロリドン(PVP)、または、平均分子量が3,000〜5,000のポリエチレングリコール(PEG)を含む。
【0131】
また、真空凍結乾燥の前または還元の後に溶液のpH変化を最小にするために組成物に緩衝剤を用いることも好ましい。ほとんどの生理的緩衝剤は、使用可能であり、それには、限定されないが、シトレート、ホスフェート、スクシネート、かつ、グルタメート、またはそれらの混合物が含まれる。ある実施形態では、濃度は0.01〜0.3のモル濃度である。製剤に加えることができる界面活性剤は、EP 270,799及び同268,110に示される。
【0132】
循環の半減期を上昇させるための他の薬物送達系は、リポソームである。リポソーム送達系を調製する方法は、Gabizon et al., Cancer Research (1982) 42:4734; Cafiso, Biochem Biophys Acta (1981) 649:129及びSzoka, Ann Rev Biophys Eng (1980) 9:467で考察されている。他の薬物送達系は当該技術分野で公知であり、例えば、Poznansky et al., DRUG DELIVERY SYSTEMS (R. L. Juliano, ed., Oxford, N.Y. 1980), pp. 253−315;M. L. Poznansky, Pharm Revs (1984) 36:277に記載されている。
【0133】
液体の薬学的組成物が調製された後、これを凍結乾燥させて、分解を防止しかつ無菌性を維持することができる。液体組成物を凍結乾燥する方法は、当該技術分野の当業者には公知である。用いる直前に、組成物は、無菌の希釈剤(例えばリンガー液、蒸留水、または無菌の食塩水)で再構成されてもよく、この希釈剤は、追加の成分を含んでもよい。再構成した後、組成物は、当業者には公知である方法を用いて、対象に投与される。
【0134】
本発明の組成物は、従来から周知の殺菌技術によって殺菌されてもよい。得られた溶液は、使用のためにパッケージ化されてもよいか、または、無菌状態下でフィルタに通された後凍結乾燥されてもよく、この凍結乾燥された調製物は、投与の前に無菌液と混合される。組成物は、生理学的条件に近づけるために、必要に応じて薬学的に許容される補助物質を含んでもよく、この補助物質は例えば、pH調整剤及び緩衝化剤、等張化剤等、例えば酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、及び、安定剤(例えば、1〜20%のマルトース等)が挙げられる。
【0135】
ある実施形態では、例えば、本明細書に記載される本発明は、特注のレンズソリューション(例えば、カメラ)が、使用のための全ての部品を含む完全なシステムとして、提供される。他の実施形態において、本明細書に記載される本発明は、例えば、アドオン方式として、NIRが使用可能な外視鏡及び内視鏡で用いられるように、または、手術用顕微鏡と一体化されるように、ユーザーの既存の装置を補完するために提供される。
【実施例】
【0136】
以下の実施例は、特許請求の範囲に記載された発明をより適切に例示するために提供されるものであり、本発明の範囲を限定するもの解釈されるべきではない。特定の物質が言及される限度において、これは単に例示目的のみに提示されるものであり、本発明を限定することは意図されていない。当業者は、発明の能力を用いることなく、かつ、本発明の要旨を逸脱しない範囲で等価的手段または反応物を開発することができる。
【0137】
実施例1
カメラに用いられる電荷結合素子(CCD)または相補型酸化金属半導体(CMOS)センサは、400nm〜1000nm(
図2)に亘る感応性の広域スペクトルを有する。赤色、緑色、及び青色センサの全ては、800〜1000nmの波長で感度を示す。市販のカメラは、
図3に示すように、画像から色情報を収集するためのカラーフィルタアレイ(CFA)またはカラーフィルタモザイク(CFM)を、センサの上部に有している。このフィルタアレイに加えて、700〜1000nmの波長から光を遮断するための追加のNIRショートパスフィルタが提供される。
【0138】
実施例2
本発明者らは、近赤外領域(NIR)において赤色、緑色、及び青色の画素の感応性を用いて、赤外蛍光を検出する。可視光源は、関心対象の試料を照射する。また、組織中の赤外蛍光体のための励起光として、レーザーが用いられ、赤外蛍光体からの放射光はCCDカメラで検出される。その間に、励起光に対して、CCDカメラに到達する前にフィルタリングが行われて、放射光の検出の干渉が回避される。レーザーがオンである(オンフレーム)場合に、画像フレームが取り込まれる。レーザーがオフである(オフフレーム)場合に、他の画像フレームが取り込まれる。オンフレームでは、可視光及び赤外蛍光を検出し、他方、オフフレームでは可視光のみを検出する。したがって、オンフレームとオフフレームの間の強度差は、赤外蛍光シグナルに関する情報を提供する(
図4)。
【0139】
1.励起:
励起は、780または785nmのNIR波長(高吸収)の非常に狭い波長レーザーを用いて達成される。レーザー光線は、特殊なレンズを通過し、そこで、ノッチビームスプリッタ(例えばNFD01-785-25×36)を用いて、焦点を合わせて励起光が加えられる(
図4)。レーザーは、カメラフレームレートの半分の周波数でオン及びオフされる。カメラで視認される領域と同じ領域上での均一な励起を確実にするために、レーザー強度を制御することができる。
【0140】
2.トリガ及び同期調整:
CCDカメラで取り込まれる画像フレームと同期する外部トリガを用いて、レーザー光線が発せられる。CCDカメラのいずれのフレームも、レーザーのオン及びオフに同期する(
図4)。
【0141】
3.CCD:
フレーム露出は、外部トリガを用いて制御される。一例として、レーザーがオフであるときにフレーム1が取り込まれ、レーザーがオンであるときにフレーム2が取り込まれる。フレーム1は、組織から来る正常な可視光を取り込む(
図5の上パネル)。フレーム2は、追加の赤外蛍光を取り込む(
図5の中パネルのピンクのウインドウ)。フレーム1をフレーム2から減算することにより、本発明者らは、赤外蛍光によって加えられる追加の強度を回復させる。この算出された赤外蛍光には、疑似カラーが与えられて、これをフレーム1に再度加えて、可視光及び赤外蛍光の複合画像フレームを示すことが可能である。このプロセスは、外科的手術中に、リアルタイムビデオを表示または録画するために、連続的に繰り返される。
【0142】
実施例3
センサの前段にあったNIRショートパスフィルタを除去することにより、全てのRGBチャネルでNIR蛍光体により放出される蛍光光を検出することが可能となる(
図2)。しかしながら、可視光とNIR光を区別するため、本発明者らは、NIR画像フレームを取り込むとき、可視光がセンサ上にないことを確実にする必要がある。NIR光を取り込むためには、可視光が一切存在してはならない。一部の状況では、本発明者らは、可視光またはNIR光がないときに、1つのフレームを取り込み、その光を記録し、次いで、それをNIR取り込まれたフレームから減算する。臨床プロトタイプは
図6に示される。
【0143】
1.フィルタの組合せ:
本発明者らは、最も高い信号雑音比(SNR)を達成するために、非常に特殊なフィルタの組合せを用いる。最新のNIRシステムで記載される広帯域の励起を用いる代わりに、本発明者らは、785nm(ICGに対して最適、蛍光体により変化し得る)での非常に狭い帯域の励起を用い、レーザークリーンアップフィルタを用いて、励起光をさらに狭め(
図7)、レーザークリーンアップフィルタよりわずかに広いノッチフィルタを用いて、標的から戻る蛍光光からの励起光を除去する。これにより、本発明者らは、
図1で陰を付けた領域から蛍光を失うことなく、全体の蛍光シグナルを取り込むことを確実にする。
【0144】
2.レンズシステム:
レンズシステムは、2つの目標を達成する:(1)パルス状のNIR励起光及び白色光をレンズの末端部へ供給して、外科的視野の完全な照明を確実にすること、及び、放射光の光路内の励起光の強度を減少させること。このレンズシステムのケーシングは、均一な方法でNIR及び白色光を外科的視野に供給するように設計されている。(2)ビルトインタイプのノッチフィルタ(Semrock、785nmのStopLine(登録商標)、単一のノッチフィルタ、NF03-785E-25)を用いて、アポクロマートレンズが確実にカメラに最大光を取り込みかつ伝達して励起光を除去すること。
【0145】
3.フレーム取り込み時間:
フレームは、フレームグラバーを用いて、毎秒300フレームという非常に高いフレームレートで取り込まれる。これより低速または高速のフレームレートを用いることもできる。フレーム取り込みとレーザーストロボ(オン/オフ)とを、多機能DAQを用いて同期させる。これにより、本発明者らは、最後に表示される(30fps)いずれのフレームに対しても、10フレームを取り込むことが可能となっている。10フレームは、各々5つのフレームの2セットに分割される(
図8)。5つの取り込みフレームは、さらに分割され、(1)第1のフレームは、WLFであり(白色光「オン」、NIR光「オフ」)、(2)第2のフレームは、SLFであり(白色光「オフ」、NIR光「オフ」)、(3)その次の3つのフレームは、NIFである(白色光「オフ」、NIR光「オン」)。3つのNIF全てからSLFを減算し、その後に、NIF RGBチャネルを共に加算し、次いで、最終的なNIFは、WLFに加算される前に、疑似カラーが与えられる。両方のフレームから生成されたフレームを最終的に加算して、表示フレームを生じさせる。このプロセスは、十分なビデオレートで鮮明なWL及びNIR画像を生じさせて、外科医に瞬時に見えるのに役立つ。WLF、SLF、及びNIFの正確な順序は、入れ替えることができる。
【0146】
4.コンピュータアーキテクチャ、ハードウェア、およびソフトウェア:
毎秒300フレームで完全なHDフレームを取り込みかつ処理するために、本発明者らは、並列処理技術に依存してもよいが、これは、使用可能な最も高速なCPUであっても、スムーズな画像表示のために十分高いレートで必要なビデオ処理計算を実行することができる可能性が低いからである。このフレームレートで画像処理を実行するために、本発明者らは、直接ビデオカードにコーディングされたGPUベースのコンピュータ統合デバイスアーキテクチャ(CUDA)並列処理ソフトウェアを用いることができる。CUDAプログラミングを用いることへの主な限界の1つは、システムメモリからかつGPUへのおよびその逆の、データの移動のためのオーバーヘッドである。この限界を克服するため、本発明者らのアルゴリズムでは、GPUに対するデモザイキング処理の前に、未加工の8ビットの画像を伝送するようになっている。フルHD(1080p)8ビットの画像は、約2Mbのサイズである。PCIe3.0のデータが約7Gb/sのレートで伝送することを考慮すれば、本発明者らは、300μ秒でGPUに画像を伝送することができる。画像がGPUへ伝送された後、本発明者らは画像処理操作を実行し、これは例えば、ベイヤーデモザイキング処理を行うこと、散乱光画像を蛍光画像から減算すること、蛍光フレームの赤色、緑色、及び青色のチャネルを加算すること、蛍光画像に疑似カラーを付けること、並びに、最後に、疑似カラーを付けられた蛍光画像を白色光画像に加算すること等である。最後に、さらに速度を向上させるため、表示のためにシステムメモリに画像を戻す代わりに、本発明者らは、GPUのopenGL/directx機能を用いて、最終的な画像を表示させる。医療グレードHD品質ビデオモニタで、画像を表示させる。本発明者らは、これらの画像の高品位バージョンを得て、かつソフトウェアを用いて外観を調整する能力を、すでに実証した。
【0147】
上記の様々な方法及び技術は、本出願を遂行するための多数の方法を提供する。もちろん、必ずしも、記載される全ての目的または利点が、本明細書に記載されるあらゆる特定の実施形態に従って達成可能であるというわけではないことが、理解されるべきである。したがって、例えば、これらの方法は、本明細書に教示または示唆される他の目的または利益を必然的に達成することなく、本明細書に教示される1つの利点または複数の利益の群を、達成または最適化する方法で実行可能であることを、当業者は認識するだろう。様々な選択肢が、本明細書に言及される。一部の好ましい実施形態は、1つの、別の、または幾つかの特徴を具体的に含む一方で、他の実施形態が、1つの、別の、または幾つかの特徴を具体的に除外し、更に他の実施形態では、1つの、別の、または幾つかの有利な特徴の包含によって特定の特徴に酌量の余地を与えることが、理解されるべきである。
【0148】
さらに、当業者は、異なる実施形態から様々な特徴の適用性を認識するであろう。同様に、上記に考察された様々な要素、特徴、及びステップ、並びに、これら要素、特徴またはステップそれぞれの他の公知の等価物を、当該技術分野の当業者が、様々な組合せで用いることが可能であり、それにより、本明細書に記載される原理に従って本方法を実行することができる。様々な要素、特徴、及びステップには、多様な実施形態において、いくつかは具体的に含まれ、かつ、いくつかは具体的に除外される。
【0149】
本出願は、所定の実施形態及び実施例の文脈において開示されたが、本出願の実施形態は、具体的に開示された実施形態を超えて他の代替的な実施形態及び/またはその用途及びその変更並びにその等価物に広がるものであることが、当業者によって理解されるだろう。
【0150】
本発明の好ましい実施形態が本明細書に記載され、これは本出願を遂行するために本発明者らには公知である最良の様式を含む。それらの好ましい実施形態に関する変形は、当該技術分野の当業者にとって、上記の記載を読むことにより、明らかになる。当業者はそのような変形を適切となるように用いることができ、本出願は具体的に本明細書に記載されたこととは異なる方法で実施することができることが企図される。従って、準拠法によって容認されるように、この出願の多くの実施形態は、本文書に添付される特許請求の範囲で引用される主題の全ての変更及び等価物を含む。更に、本明細書に別段示されない限り、または別段文脈により明確に否定されない限り、その全ての可能な変形における上記の要素のあらゆる組合せは、本出願に包含されるものである。
【0151】
本明細書に参照した全ての特許、特許出願、特許出願の公報、及び他の資料、例えば論説、書籍、明細書、刊行物、文書、物事、その他は、全ての目的のためにその全体が、参照により本明細書に組み入れられ、これには、本願に関連したあらゆる出願審査履歴、本文書に矛盾するかまたは両立しない同上の全て、または、本文書に関係した現在または未来の特許請求の範囲の最も広い範囲に対して限定する影響を及ぼし得る同上の全てが、除外される。一例として、組み入れられた資料のいずれかに関係する用語の記載、定義、及び/または用法と、本文書に関係したこれらとの間に、何らかの不整合または矛盾がある場合は、本文書の記載、定義、及び/または用語の使用によるものとする。
【0152】
本明細書に開示される出願の実施形態は、本出願の実施形態の原理を例示するものであることが、理解されるべきである。用いることができる他の変更も、本出願の範囲内となり得る。したがって、一例として、非限定的に、本出願の実施形態の他の構成を、本明細書における教示に従って用いることができる。従って、本出願の実施形態は、精密に示され及び記載されるものに限定されない。
【0153】
本発明の様々な実施形態は、上記の発明の詳細な説明に記載されている。これらの記載が上記の実施形態を直接説明するものであるが、当業者が、本明細書に示され記載された特定の実施形態に対して、変更及び/または変形を考えることができることが、理解される。この記載の範囲に入るそのようなあらゆる変更または変形は、同様にその中に含まれるものと意図される。具体的に注記されない限り、本明細書及び特許請求の範囲の単語及び表現は、本出願に関連する技術分野の当業者にとって通常かつ慣れ親しんだ意味が与えられることが、本発明者の意図である。
【0154】
本出願の出願時点で本出願人には公知である本発明の様々な実施形態の前述の記載が提示され、これらは例示及び説明のためと意図される。この記載は網羅的であることは意図せず、本発明を開示された厳密な形態に限定するための意図も無く、かつ、上記の教示に照らして多くの変更及び変形が可能である。記載された実施形態は、本発明及びその実際の応用の原理を説明する役割を担い、かつ他の当業者が、様々な実施形態及び想定される特定の使用に適した様々な変更において、本発明を用いることができる役割を担うものである。したがって、本発明は、本発明を遂行するために開示される特定の実施形態に限定されないことが、意図される。
【0155】
本発明の特定の実施形態を示し、これを説明してきたが、本明細書における教示に基づいて、本発明及びそのより広い態様を逸脱しない範囲で、変更及び改造がなされてもよいことが、当業者にとって明らかであり、したがって、添付の特許請求の範囲は、全てのそのような変更及び改造を、この発明の真の精神および範囲の範囲内に含まれるものとして、それらの範囲内に含むものである。