(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6464164
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年2月6日
(54)【発明の名称】特に油霧、蒸気、浮遊粒子などによって汚染された空気をろ過するためのろ過装置
(51)【国際特許分類】
B01D 45/12 20060101AFI20190128BHJP
B01D 46/24 20060101ALI20190128BHJP
【FI】
B01D45/12
B01D46/24 A
【請求項の数】7
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-528504(P2016-528504)
(86)(22)【出願日】2014年7月22日
(65)【公表番号】特表2016-527080(P2016-527080A)
(43)【公表日】2016年9月8日
(86)【国際出願番号】EP2014065735
(87)【国際公開番号】WO2015011146
(87)【国際公開日】20150129
【審査請求日】2017年7月4日
(31)【優先権主張番号】MI2013A001231
(32)【優先日】2013年7月23日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】516023711
【氏名又は名称】ロスマ・ソシエタ・ペル・アチオニ
【氏名又は名称原語表記】LOSMA S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ポーラ,カルロ
【審査官】
目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭62−059122(JP,U)
【文献】
米国特許第01107485(US,A)
【文献】
米国特許第04303423(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0241369(US,A1)
【文献】
実開昭63−158253(JP,U)
【文献】
特開昭56−130250(JP,A)
【文献】
実開昭56−031822(JP,U)
【文献】
実公昭47−003031(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D45/00−46/54
F04B39/00−39/16
F04C23/00−29/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ろ過装置(1)であって、前記ろ過装置(1)は、閉鎖要素(3)が設けられた円筒形容器筐体(2)を備え、前記閉鎖要素(3)には、吸気口(4)が設けられ、ろ過アセンブリ(12)が、前記容器筐体(2)内部に収容されており、前記ろ過装置(1)は、輸送らせん(5)を備え、前記輸送らせん(5)は、前記容器筐体(2)内部に軸方向に、かつ、前記筐体(2)の内面と接して配置され、
前記輸送らせん(5)は、前記吸気口(4)の反対側の空気吐出領域で始まり、前記容器筐体(2)の内部の環境を前記容器筐体(2)の外部の環境と接続する排水口(6)で終わる、ろ過装置。
【請求項2】
前記容器筐体(2)は、支持要素(8)を収容し、前記支持要素(8)は、第1のリングおよび第2のリング(10、11)を含み、前記第1のリングおよび前記第2のリング(10、11)は、前記ろ過アセンブリ(12)を収容するための円周方向空間を規定するよう構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のろ過装置。
【請求項3】
前記支持要素(8)下方にある位置において、減圧隔膜(14)を含み、前記減圧隔膜(14)は、前記支持要素(8)下方に減圧下で減圧チャンバを形成するよう構成され、
前記減圧隔膜(14)には、前記支持要素(8)に支持される電気モータ(9)によって作動されるファン(16)のハブ(15)を貫通させるよう構成された孔が設けられていることを特徴とする、請求項2に記載のろ過装置。
【請求項4】
前記第1のリングと前記第2のリング(10、11)との間に、前記支持要素(8)において、前記ろ過アセンブリ(12)によって分離された液体を放出するための吐出孔(13)を含むことを特徴とする、請求項2から3のいずれか一項に記載のろ過装置。
【請求項5】
前記ファン(16)には、中心ディスク(18)および放射羽根(19)が設けられていることを特徴とする、請求項3に記載のろ過装置。
【請求項6】
前記ファンは、前記吸気口(4)に近接して配置されていることを特徴とする、請求項3または5に記載のろ過装置。
【請求項7】
さらなる閉鎖要素(20)を含み、前記さらなる閉鎖要素(20)は、前記閉鎖要素(3)の反対側に配置され、前記さらなる閉鎖要素(20)には、前記ろ過アセンブリ(12)に収容されるよう構成された円筒形区域(21)が設けられており、前記さらなる閉鎖要素(20)には、ろ過した空気を流出させるための開口(22)が設けられていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のろ過装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、油霧、蒸気、浮遊粒子などによって汚染された空気をろ過するための、ろ過装置に関する。より特定的には、本発明は、固体粒子、液体、煙、霧、蒸気、浮遊粒子などによって汚染された空気をろ過する必要のある用途のためのろ過装置に関する。
【背景技術】
【0002】
知られているように、固体粒子、液体、煙、蒸気、浮遊粒子などによって汚染された空気のろ過のためには、ろ過装置が使用されている。従来のろ過装置は、垂直回転軸または水平回転軸を有して位置付けられるよう構成され得るか、または、垂直方向および水平方向に区別なく動作し得る。
【0003】
従来の装置は、非常に複雑に形成されているため、特に費用がかかる。
従来のろ過装置の複雑さは、通常のメンテナンス活動を困難かつ長いものとしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の意図は、構造が簡単であることにより、簡略化されかつ低コストのメンテナンスを有する、特に、固体粒子、液体、霧、煙、蒸気、浮遊粒子などによって汚染された空気をろ過するための、ろ過装置を提供することである。
【0005】
この意図の範囲内で、本発明の目的は、低コストで作製可能であるとともに、最適な機能性を確保可能であるろ過装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この意図およびこれらおよび他の目的は、以下より明らかとなり、これらはすべて、次のろ過装置によって達成され、すなわち、該ろ過装置は、特に、油霧、蒸気、浮遊粒子などによって汚染された空気をろ過するためのろ過装置であって、閉鎖要素が設けられた円筒形容器筐体を含み、該閉鎖要素には、吸気口が設けられ、ろ過アセンブリが、該容器筐体内部に収容されており、該ろ過装置は、輸送らせんを含み、該輸送らせんは、該容器筐体内部に軸方向に、かつ、該筐体の内面と接して配置されていることを特徴とする、ろ過装置である。
【0007】
本発明のさらなる特徴および利点は、好ましいが、限定的でない、本発明に係るろ過装置の実施形態の説明からより明らかになり、この実施形態は、添付の図面において非限定的な例として例示される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に係るろ過装置の部分切取り斜視図である。
【
図2】ろ過部分を省略した本発明に係るろ過装置の部分切取り斜視図である。
【
図3】本発明に係るろ過装置の長手方向断面図である。
【
図4】本発明に係るろ過装置のフィルタを有するカバーを含むユニットの斜視図である。
【
図5】本発明に係るろ過装置の長手方向断面図である。
【
図6】上記長手方向断面についてさらなる詳細を有する本発明に係るろ過装置の長手方向断面図である。
【
図7】減圧チャンバの吐出孔の詳細の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図を参照して、参照番号1によっておおむね示される本発明に係るろ過装置は、容器筐体2を含んでおり、容器筐体2は、好ましくは、円筒形であり、金属、複合材料、または熱可塑性材料からなり、前部閉鎖要素3と、前部閉鎖要素3に配置された吸気口4とが設けられている。
【0010】
容器本体は、内部に輸送らせん5を収容しており、輸送らせん5は、たとえば、金属、複合材料、または熱可塑性材料からなり、傾斜面の形状を有しており、筐体2の内面と直接接触して配置されている。輸送らせん5は、上方から下方に向かう経路を有しており、吸気口4の反対側の空気吐出領域で始まり、容器2内部の環境を容器2外部の環境と接続する排水口6で終わっている。
【0011】
輸送らせん5は、容器筐体2内に軸方向に形成されている。
排水口6は、金属、複合材料、または熱可塑性材料からなり、円形、楕円形、または任意の他の形状もしくはサイズであり得る。
【0012】
排水口6には、液体の出口マニホールド7が設けられ、出口マニホールド7もまた、さまざまな形状およびサイズであり得る。対応するマニホールド7を有する排水口6は、上述のように、輸送らせん5の端部に配置されている。
【0013】
容器筐体2は、電気モータ9を支持するための要素8を収容している。モータ9の支持要素8には、第1のリング10および第2のリング11が設けられ、これらは、円周方向空間を規定するよう構成されており、この円周方向空間は、
図4によりよく示されるように、フィルタ12によって構成されるろ過アセンブリを収容することができる。
【0014】
内側リング10および外側リング11は、モータ9を支持するための要素8に対して垂直に配置された2つのバンドによって設けられている。
【0015】
外側リング11の機能は、ろ過アセンブリ12を外側から収容し、分離された液体の流入を防ぎ、空気の流れを上方に導くことである。
【0016】
内側リング10の機能は、ろ過アセンブリ12を内側から収容し、ろ過アセンブリ12によって分離された液体を収容し、かつ分離された液体の流出を防ぐことである。
【0017】
内側リング10と外側リング11との間に、電気モータ9を支持するための要素8においては、フィルタ12によって分離された液体を放出するために、さまざまなサイズの吐出孔13が設けられている。
【0018】
モータ9の支持要素8下方にある位置においては、電気モータ9の要素8の下方に、減圧チャンバを形成する減圧隔膜14が設けられ、これは、吐出孔13における減圧の領域である。
【0019】
減圧チャンバは、内側リング10と外側リング11との間の支持要素8に蓄積する液体を排出させる。
【0020】
減圧隔膜14は、中心孔を有しており、この中心孔を通って、電気モータ9によって作動されるファン16のハブ15が貫通している。
【0021】
ハブ15のまわりには、金属、複合材料、または熱可塑性材料からなるディスク状要素17がさらに存在し得、これは、モータ9によって回転される回転部分と一体的である。ディスク17の機能は、減圧チャンバ内部の減圧の値を調整することである。
【0022】
ハブ15は、金属、複合材料、または熱可塑性材料からなり得、流れ分離バルブを有し、1つ以上の突起25を有し得、突起25は、蓄積された液体の再上昇に対するバリアを形成するよう位置付けられている。ハブ15は、局所的な減圧を増加させる空気の遠心運動を生成することができ、ファン16と電気モータ9との間の伝達要素として作用する。
【0023】
さらに、ファン16には中心ディスク18および放射羽根19が設けられている。ファン16は、吸気口14に近接して配置されている。
【0024】
容器1には、ディスク状閉鎖要素またはカバー20がさらに設けられており、カバー20には、円筒形区域21が設けられており、円筒形区域21の機能は、ろ過アセンブリ12を収容することであり、円筒形区域21には、ろ過した空気を流出させるために、数および位置が変わり得る開口22が設けられている。
【0025】
ろ過アセンブリ12は、特定の用途のために特定の材料および寸法を用いて作製され得るフィルタを含む。
【0026】
本発明に係る装置の動作は、以下のとおりである。
空気は、吸気口4から入り、第1の遠心ステップに供される。このステップの間、液体と固体粒子との分離が生じる。
【0027】
その後、空気は、ファン16の領域から出て、渦状運動により上昇する。
この状態は、空気中に浮遊している粒子の分離をさらに促進させる。
【0028】
装置の壁に対して形成される圧力は、分離される液滴を層状化する効果を有する。
これらの液滴が蓄積するのを回避するために、液滴は、らせん5と出会い、らせん5が液滴を回収し、排水口6に向けて導く。
【0029】
この浄化過程を経た空気は、ろ過アセンブリ12を通過し、出口に向かって移動する際に、空気を冷却する電気モータ9を通過する。
【0030】
実際に、本発明に係るろ過装置は、設定された意図および目的を完全に達成することがわかった。
【0031】
このように構想されるろ過装置は、数多くの改良およびバリエーションが可能であり、これらのすべては添付の請求項の範囲内である。
【0032】
実際に、使用される材料、ならびに可能な寸法および形状は、要件および最先端技術に従って任意であり得る。
【0033】
本出願が優先権を主張するイタリア特許出願第MI2013A001231号の開示は、参照によって本願に援用される。
【0034】
任意の請求項において記載される技術的特徴に参照番号が付随する場合、これらの参照番号は、請求項の理解度を上げる目的のためだけに含められており、このため、これらの参照番号は、参照番号によって例示的に特定される各要素の解釈に何らの限定的効果を及ぼすものではない。