【文献】
New Postcom,RN Initial Attachment Procedure,R3-102027,フランス,3GPP,2010年 8月15日,paragraph 2
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記移動セルのハンドオーバが開始されると、前記移動セルのターゲット基地局を除いた残りの隣接基地局が割り当てたランダムアクセスプリアンブルを前記残りの隣接基地局に返すステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
前記移動セルのハンドオーバが開始されると、前記ターゲット基地局を除いた残りの隣接基地局が割り当てたランダムアクセスプリアンブル、RRC設定、及びシステム情報を削除することを前記移動セルに指示するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
前記移動セルのハンドオーバ履歴に関する情報に基づいて、前記移動セルが固定された移動軌跡を有するか、又は固定されていない移動軌跡を有するかを判断するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
前記移動セルが固定されていない移動軌跡を有する場合、前記隣接基地局のリストは、前記移動セルの移動性及び位置測定を管理するE−SMLC(Evolved Serving Mobile Location Center)によって決定される、請求項1に記載の方法。
前記移動セルが他の隣接基地局にハンドオーバを開始すると、前記隣接基地局が割り当てたランダムアクセスプリアンブルを回収するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
前記移動セルが他の隣接基地局にハンドオーバを開始すると、前記サービング基地局は、前記隣接基地局の前処理応答メッセージに含まれた前記ランダムアクセスプリアンブル、前記RRC設定、及び前記システム情報を削除することを前記移動セルに指示する、請求項8に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(発明を実施するための最良の形態)
以下の実施例は、本発明の構成要素と特徴を所定の形態で結合したものである。各構成要素又は特徴は、特別の言及がない限り、選択的なものと考慮すればよい。各構成要素又は特徴は、他の構成要素や特徴と結合していない形態で実施されもてよく、一部の構成要素及び/又は特徴を結合して本発明の実施例を構成してもよい。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更されてもよい。ある実施例の一部の構成や特徴は、他の実施例に含まれてもよく、他の実施例の対応する構成又は特徴に取り替えられてもよい。
【0030】
本明細書において、本発明の実施例を、基地局と端末間のデータ送信及び受信の関係を中心に説明する。ここで、基地局は、端末と通信を直接行うネットワークの終端ノード(terminal node)としての意味を持つ。本文書で基地局によって行われるとした特定動作は、場合によっては基地局の上位ノード(upper node)によって行われることもある。
【0031】
すなわち、基地局を含めた複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局、又は基地局以外の他のネットワークノードによって行われ得ることは明らかである。「基地局(BS:Base Station)」は、固定局(fixed station)、Node B、eNode B(eNB)、アクセスポイント(AP:Access Point)などの用語に置き換えてもよい。中継機は、RN(Relay Node)、RS(Relay Station)などの用語に置き換えてもよい。また、「端末(Terminal)」は、UE(User Equipment)、MS(Mobile Station)、MSS(Mobile Subscriber Station)、SS(Subscriber Station)などの用語に置き換えてもよい。
【0032】
以下の説明で使われる特定用語は、本発明の理解を助けるために提供されるものであり、このような特定用語の使用は、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で他の形態に変更してもよい。
【0033】
場合によって、本発明の概念が曖昧になることを避けるために、公知の構造及び装置は省略されたり、各構造及び装置の核心機能を中心にしたブロック図の形式で図示されることもある。また、本明細書全体を通じて同一の構成要素には同一の図面符号を付して説明する。
【0034】
本発明の実施例は、無線接続システムであるIEEE 802システム、3GPPシステム、3GPP LTE及びLTE−A(LTE−Advanced)システム、並びに3GPP2システムの少なくとも一つに開示された標準文書によって裏付けることができる。すなわち、本発明の実施例において、本発明の技術的思想を明確にするために説明を省いた段階又は部分は、上記の文書によって裏付けることができる。また、本文書で開示している用語はいずれも上記の標準文書によって説明することができる。
【0035】
以下の技術は、CDMA(Code Division Multiple Access)、FDMA(Frequency Division Multiple Access)、TDMA(Time Division Multiple Access)、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)などのような様々な無線接続システムに用いることができる。CDMAは、UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)やCDMA2000のような無線技術(radio technology)によって具現することができる。TDMAは、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)/GPRS(General Packet Radio Service)/EDGE(Enhanced Data Rates for GSM Evolution)のような無線技術によって具現することができる。OFDMAは、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802−20、E−UTRA(Evolved UTRA)などのような無線技術によって具現することができる。UTRAはUMTS(Universal Mobile TelecommunicationsSystem)の一部である。3GPP(3rd Generation Partnership Project) LTE(longterm evolution)は、E−UTRAを使用するE−UMTS(Evolved UMTS)の一部で、下りリンクにおいてOFDMAを採用し、上りリンクにおいてSC−FDMAを採用する。LTE−A(Advanced)は、3GPP LTEの進展である。WiMAXは、IEEE 802.16e規格(Wireless MAN−OFDMA Reference System)及び進展したIEEE 802.16m規格(Wireless MAN−OFDMA Advanced system)によって説明することができる。明確性のために、以下では3GPP LTE及び3GPP LTE−Aシステムを中心に説明するが、本発明の技術的思想がこれに制限されることはない。
【0036】
図1を参照して3GPP LTEシステムの無線フレーム構造について説明する。
【0037】
セルラーOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)無線パケット通信システムにおいて、上り/下りリンクデータパケット送信はサブフレーム(subframe)単位で行われ、1サブフレームは複数のOFDMシンボルを含む一定時間区間で定義される。3GPP LTE標準では、FDD(Frequency Division Duplex)に適用可能なタイプ1の無線フレーム(radio frame)構造と、TDD(Time Division Duplex)に適用可能なタイプ2の無線フレーム構造を支援する。
【0038】
図1(a)は、タイプ1の無線フレーム構造を示す図である。1個の無線フレーム(radioframe)は10個のサブフレーム(subframe)で構成され、1個のサブフレームは時間領域(time domain)において2個のスロット(slot)で構成される。1サブフレームを送信するために掛かる時間をTTI(transmission time interval)といい、例えば、1サブフレームの長さは1msで、1スロットの長さは0.5msであってよい。1スロットは時間領域において複数のOFDMシンボルを含み、周波数領域において複数のリソースブロック(Resource Block;RB)を含む。3GPP LTEシステムでは下りリンクにおいてOFDMAを用いるため、OFDMシンボルが1つのシンボル区間を表す。OFDMシンボルはまた、SC−FDMAシンボル又はシンボル区間と呼ばれることもある。リソースブロック(Resource Block;RB)はリソース割当単位であり、1スロットにおいて複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含むことができる。
【0039】
1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は、CP(Cyclic Prefix)の構成(configuration)によって異なることがある。CPには、拡張CP(extended CP)と正規CP(normal CP)がある。例えば、OFDMシンボルが正規CPによって構成された場合、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は7個であってよい。OFDMシンボルが拡張CPによって構成された場合、1 OFDMシンボルの長さが増えるため、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は正規CPの場合に比べて少ない。拡張CPの場合に、例えば、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は6個であってよい。端末が高速で移動するなどの場合のようにチャネル状態が安定していない場合、シンボル間干渉をより減らすために拡張CPを用いらればよい。
【0040】
図1(b)は、タイプ2の無線フレーム構造を示す図である。タイプ2の無線フレームは、2個のハーフフレーム(half frame)で構成され、各ハーフフレームは、5個のサブフレームと、DwPTS(Downlink Pilot Time Slot)、保護区間(Guard Period;GP)及びUpPTS(Uplink Pilot Time Slot)で構成され、1個のサブフレームは2個のスロットで構成される。DwPTSは、端末での初期セル探索、同期化又はチャネル推定のために用いられる。UpPTSは、基地局でチャネル推定及び端末と上り送信同期を取るために用いられる。保護区間は、上りリンクと下りリンクとの間に下りリンク信号の多重経路遅延によって上りリンクで生じる干渉を除去するための区間である。一方、無線フレームのタイプによらず、1個のサブフレームは2個のスロットで構成される。
【0041】
無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、又はスロットに含まれるシンボルの数は様々に変更されてもよい。
【0042】
図2は、下りリンクスロットでのリソースグリッド(resource grid)を示す図である。同図では、1個の下りリンクスロットが時間領域において7個のOFDMシンボルを含み、1個のリソースブロック(RB)が周波数領域において12個の副搬送波を含むとしているが、本発明はこれに制限されない。例えば、正規CPでは1スロットが7 OFDMシンボルを含むが、拡張CPでは1スロットが6 OFDMシンボルを含むことができる。リソースグリッド上のそれぞれの要素をリソース要素(resource element)という。1リソースブロックは12×7リソース要素を含んでいる。下りリンクスロットに含まれるリソースブロックのN
DLの個数は下りリンク送信帯域幅による。上りリンクスロットの構造は下りリンクスロットの構造と同一であってよい。
【0043】
図3は、下りリンクサブフレームの構造を示す図である。一つのサブフレームにおいて第1のスロットの先頭部における最大3個のOFDMシンボルは、制御チャネルが割り当てられる制御領域に該当する。残りのOFDMシンボルは、物理下りリンク共有チャネル(Physical Downlink Shared Chancel;PDSCH)が割り当てられるデータ領域に該当する。3GPP LTEシステムにおいて用いられる下りリンク制御チャネルには、例えば、物理制御フォーマット指示子チャネル(Physical Control Format Indicator Channel;PCFICH)、物理下りリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel;PDCCH)、物理HARQ指示子チャネル(Physical Hybrid automatic repeat request Indicator Channel;PHICH)などがある。PCFICHは、サブフレームの最初のOFDMシンボルで送信され、サブフレーム内の制御チャネル送信に使われるOFDMシンボルの個数に関する情報を含む。PHICHは、上りリンク送信の応答としてHARQ ACK/NACK信号を含む。PDCCHを介して送信される制御情報を下りリンク制御情報(Downlink Control Information;DCI)という。DCIは、上りリンク又は下りリンクのスケジューリング情報を含んだり、任意の端末グループに対する上りリンク送信電力制御命令を含む。PDCCHは、下りリンク共有チャネル(DL−SCH)のリソース割当及び送信フォーマット、上りリンク共有チャネル(UL−SCH)のリソース割当情報、ページングチャネル(PCH)のページング情報、DL−SCH上のシステム情報、PDSCH上で送信されるランダムアクセス応答(Random Access Response)のような上位層制御メッセージのリソース割当、任意の端末グループ内の個別端末に対する送信電力制御命令のセット、送信電力制御情報、VoIP(Voice over IP)の活性化などを含むことができる。複数のPDCCHが制御領域内で送信されてもよく、端末は複数のPDCCHをモニタすることができる。PDCCHは、一つ以上の連続する制御チャネル要素(Control Channel Element;CCE)の組合せ(aggregation)で送信される。CCEは、無線チャネルの状態に基づくコーディングレートでPDCCHを提供するために用いられる論理割当単位である。CCEは、複数個のリソース要素グループに対応する。PDCCHのフォーマットと利用可能なビット数は、CCEの個数とCCEによって提供されるコーディングレートとの相関関係によって決定される。基地局は、端末に送信されるDCIによってPDCCHフォーマットを決定し、制御情報に巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check;CRC)を付加する。CRCは、PDCCHの所有者又は用途によって無線ネットワーク臨時識別子(Radio Network Temporary Identifier;RNTI)という識別子でマスクされる。PDCCHが特定端末に対するものであれば、端末のcell−RNTI(C−RNTI)識別子をCRCにマスクすることができる。又は、PDCCHがページングメッセージに対するものであれば、ページング指示子識別子(Paging Indicator Identifier;P−RNTI)をCRCにマスクすることもできる。PDCCHがシステム情報(より具体的に、システム情報ブロック(SIB))に対するものであれば、システム情報識別子及びシステム情報RNTI(SI−RNTI)をCRCにマスクすることもできる。端末のランダムアクセスプリアンブルの送信に対する応答であるランダムアクセス応答を表すために、ランダムアクセス−RNTI(RA−RNTI)をCRCにマスクすることもできる。
【0044】
図4は、上りリンクサブフレームの構造を示す図である。上りリンクサブフレームは、周波数領域で制御領域とデータ領域とに分割されてもよい。制御領域には、上りリンク制御情報を含む物理上りリンク制御チャネル(Physical Uplink Control Channel;PUCCH)が割り当てられる。データ領域には、ユーザデータを含む物理上りリンク共有チャネル(Physical uplink shared channel;PUSCH)が割り当てられる。単一搬送波の特性を維持するために、一つの端末はPUCCHとPUSCHを同時に伝送しない。一つの端末に対するPUCCHは、サブフレームにおいてリソースブロック対(RB pair)に割り当てられる。リソースブロック対に属するリソースブロックは、2スロットに対して異なる副搬送波を占める。これを、PUCCHに割り当てられるリソースブロック対がスロット境界で周波数ホッピング(frequency−hopped)されるという。
【0045】
PSS(Primary synchronous signal)/SSS(Secondary Synchronous Signal)
【0046】
図5は、LTE/LTE−Aシステムにおいてセル探索(cell search)に使用される同期信号であるPSS及びSSSを説明するための図である。PSS及びSSSを説明する前に、セル探索について説明すると、セル探索は、端末が最初にセルに接続する場合、現在接続されているセルから他のセルにハンドオーバを行う場合、又はセル再選択(Cell reselection)の場合などのために行うものであって、セルに対する周波数及びシンボル同期取得、セルの下りリンクフレーム同期取得、及びセル識別子(ID)の決定からなることができる。セル識別子は、3個が一つのセルグループをなし、セルグループは168個が存在することができる。
【0047】
セル探索のために、基地局ではPSS及びSSSを伝送する。端末は、PSSを検出して、セルの5msタイミングを取得し、セルグループ内のセル識別子に対して知ることができる。また、端末は、SSSを検出してラジオフレームタイミング及びセルグループを知ることができる。
【0048】
図5を参照すると、PSSは、0番及び5番サブフレームで伝送され、より詳細には、0番及び5番サブフレームにおいて最初のスロットの最後のOFDMシンボルで伝送される。また、SSSは、0番及び5番サブフレームの最初のスロットの最後から2番目のOFDMシンボルで伝送される。すなわち、SSSは、PSSが伝送される直前のOFDMシンボルで伝送される。このような伝送タイミングはFDDの場合であり、TDDの場合、PSSは1番及び6番サブフレームの3番目のシンボル、すなわち、DwPTSで伝送され、SSSは0番及び5番サブフレームの最後のシンボルで伝送される。すなわち、TDDにおいて、SSSは、PSSよりも3シンボルの前で伝送される。
【0049】
PSSは、長さ63のザドフチュー(Zadoff−Chu)シーケンスであり、実際の伝送においては、シーケンスの両端に0がパディングされ、シーケンスがシステム周波数帯域幅の中央の73個の副搬送波(DC副搬送波を除けば72個の副搬送波、すなわち、6RB)上に伝送される。SSSは、長さ31の2つのシーケンスが周波数インターリーブされた長さ62のシーケンスからなり、PSSと同様に、全体システム帯域幅の中央の72個の副搬送波上で伝送される。
【0050】
PBCH(Physical Broadcast Channel)
【0051】
図6は、PBCHを説明するための図である。PBCHは、主情報ブロック(Master Information Block、MIB)に該当するシステム情報が伝送されるチャネルであって、端末が上述したPSS/SSSを介して下りリンク同期を取得し、セル識別子を取得した後、システム情報を取得するのに使用される。ここで、MIBには、下りリンクセル帯域幅情報、PHICH設定情報、サブフレーム番号(System Frame Number、SFN)などが含まれてもよい。
【0052】
MIBは、
図6に示したように、一つのMIB伝送ブロックが、4個の連続した無線フレームにおいてそれぞれ最初のサブフレームを介して伝送される。より詳細に説明すると、PBCHは、4個の連続した無線フレームにおいて0番サブフレームの2番目のスロットの先頭4個のOFDMシンボルで伝送される。したがって、一つのMIBを伝送するPBCHは、40msの周期で伝送される。PBCHは、周波数軸において全体帯域幅の中央の72個の副搬送波上で伝送され、これは、最も小さい下りリンク帯域幅である6RBに該当するもので、端末が全体システム帯域幅の大きさを知らない場合にも問題なくBCHを復号できるようにするためである。
【0054】
図7は、端末のハンドオーバ手順を説明するための図である。
【0055】
図7において、ネットワークシステムは、端末、ソース基地局(Source eNB)及びターゲット基地局(Target eNB)を含むことができる。このとき、ソース基地局は、端末にスケジューリングサービスを提供するサービング基地局(又はサービングセル)であり、ターゲット基地局(又はターゲットセル)は、ハンドオーバが完了した後に端末にスケジューリングサービスを提供する基地局である。また、ソース基地局及びターゲット基地局は固定セルであるか、又は移動セルであってもよい。例えば、端末は、固定セルから移動セルにハンドオーバするか、又は移動セルから固定セルに移動することができる。端末は、同種のセルにハンドオーバすることもできる。固定セルは、レガシーセルとして理解することができ、移動セルは、本発明の実施例によって新たに定義されるセルであって、移動セルについては詳細に後述する。
【0056】
図7を参照すると、端末は、ソース基地局に、隣接セルに対する測定結果を含む測定報告メッセージを伝送する(S601)。ここで、測定報告には、参照信号受信電力(Reference signal receive power、RSRP)、受信信号強度インジケータ(Received signal strength indicator、RSSI)、参照信号受信品質(Reference signal received quality、RSRQ)などが含まれてもよい。RSRPは、下りリンクRSの大きさを測定することによって得ることができる測定値である。RSSIは、端末での総受信電力値であって、隣接するセルからの干渉及びノイズ電力などを含む測定値である。RSRQは、N*RSRP/RSSIに基づいて取得される値であり、このとき、Nは、RSSIの測定時の帯域幅のRB個数である。
【0057】
測定報告は、次のようなイベントベースの測定報告判定によってその伝送が決定されてもよい。測定報告判定のためのイベントには、i)サービングセル(serving cell)に対する測定値が絶対閾値よりも大きい場合(Serving cell becomes better than absolute threshold)、ii)サービングセルに対する測定値が絶対閾値よりも小さくなる場合(Serving cell becomes worse than absolute threshold)、iii)隣接セル(neighboring)に対する測定値がサービングセルの測定値よりもオフセット値だけ大きくなる場合(Neighboring cell becomes better than an offset relative to the serving cell)、iv)隣接セルに対する測定値が絶対閾値よりも大きくなる場合(Neighboring cell becomes better than absolute threshold)、及びv)サービングセルに対する測定値が絶対閾値よりも小さくなり、隣接セルに対する測定値が他の絶対閾値よりも大きくなる場合(Serving cell becomes worse than one absolute threshold and Neighboring cell becomes better than another absolute threshold)のうちの少なくとも1つのイベントが含まれてもよく、これに限定されない。ここで、測定値は、上述したRSRPなどであってもよい。キャリアアグリゲーション環境で、サービングセルは、イベントに応じてPCell又はSCellを意味し得る。
【0058】
ソース基地局は、端末がハンドオーバを行うか否か、及び端末がハンドオーバするターゲット基地局を決定することができる(S603)。
【0059】
ソース基地局は、ハンドオーバを行うためにターゲット基地局にハンドオーバ要求メッセージを伝送することができる(S605)。例えば、ソース基地局は、ターゲット基地局に端末の無線リソース制御(Radio Resource Control、RRC)コンテキスト情報を提供する。
【0060】
ターゲット基地局は、RRCコンテキスト情報に基づいて、端末のハンドオーバを承認するか否かを決定する(S607)。
【0061】
端末のハンドオーバが承認された場合、ターゲット基地局は、HO要求確認(HO request Acknowledge)メッセージをソース基地局に伝送する(S609)。
【0062】
HO要求確認メッセージを受信したソース基地局は、HO過程の実行を指示するためにRRC接続再設定メッセージを端末に伝送する(S611)。RRC接続再設定メッセージは、ターゲット基地局でサーブされる端末に共通に適用される無線リソース設定情報、保安設定、セル識別子(C−RNTI)などを含むことができる。例えば、RRC接続再設定メッセージは、測定設定(Measurement Configuration)IE(information element)、移動性制御(Mobility Control)IE、無線リソース設定(Radio Resource Configuration)IE(例えば、ターゲット基地局のRB、MAC設定、そして、物理チャネル設定(Physical Channel Configuration)、ターゲット基地局のシステム情報を含むSIB)及び保安設定(Security Configuration)IEのうちの少なくとも1つのIEを含むことができる。表1は、移動性制御(Mobility Control)IEから抜粋した一部を例示する。
【表1】
【0063】
表2は、移動性制御(Mobility Control)IE内のradioResourceConfigCommon IEから抜粋した一部を例示する。
【表2】
【0064】
表3は、移動性制御(Mobility Control)IE内のRACH−ConfigDedicated IEを例示する。
【表3】
【0065】
RRC接続再設定メッセージを受信した端末は、既存のセル(すなわち、ソース基地局)から分離(detach)され、新しいセル(すなわち、ターゲット基地局)と同期を取る過程を行うことができる(S613)。
【0066】
ソース基地局は、端末がどのターゲット基地局にハンドオーバを行うかを知っているため、ターゲット基地局に、端末に伝送する格納されたパケットを伝達する(S615)。
【0067】
ソース基地局は、バッファリングされたデータ又はパケットをターゲット基地局に伝達するために、まず、シーケンス番号(SN:Sequence Number)状態伝達メッセージをターゲット基地局に伝送する(S617)。
【0068】
一方、RRC接続再設定メッセージを受信した端末は、ターゲット基地局に非競合ベースの任意接続手順を開始する。例えば、端末は、ターゲット基地局に任意接続プリアンブルを伝送する(S619)。端末は、ハンドオーバ命令(Handover Command)を介して指示されたランダムアクセスプリアンブルの集合から任意に(randomly)一つのランダムアクセスプリアンブルを選択し、前記ランダムアクセスプリアンブルを伝送できるPRACH(Physical RACH)リソースを選択して伝送する。ターゲット基地局は、任意接続プリアンブルに対する応答として、MAC(Medium Access Control)メッセージ又はRRCメッセージを介して、上りリンクリソース割当情報及び上りリンク同期のためにタイミングアドバンス(TA:Timing Advance)情報を端末に伝送する(S621)。
【0069】
端末は、上りリンクリソース割当情報及びTA情報に基づいてRRC接続再設定完了メッセージをターゲット基地局に伝送する(S623)。
【0070】
もし、ターゲット基地局がRRC接続再設定完了メッセージを端末から受信すると、ターゲット基地局は、端末と関連する情報の除去を要求するUEコンテキスト解除メッセージを伝送する(S625)。
【0071】
UEコンテキスト解除メッセージを受信したサービング基地局は、端末に対するリソースを解除し、ハンドオーバ過程を完了する(S627)。
【0072】
上述した端末のハンドオーバ手順は、大きく、ハンドオーバ準備(Preparation)、ハンドオーバ実行(Execution)及びハンドオーバ完了(Completion)手順に区分され、ハンドオーバ実行手順で最も長い時間がかかる。ハンドオーバ実行時間(Execution Time)は、ソース基地局から端末がRRC接続再設定メッセージを受信(S611)した後から、ターゲット基地局が端末からハンドオーバ接続再設定完了メッセージを受信(S623)するまでの時間を意味する。ハンドオーバ実行手順で端末がRRC接続再設定メッセージを処理する間、端末はソース基地局との接続を切り、ソース基地局からのデータ受信を中断する。端末がターゲット基地局に同期化を行い、接続を設定する前に、ソース基地局はターゲット基地局に端末の下りリンクデータをフォワードする。このようなデータフォワーディングは、無線リソースを再設定する手順よりも迅速に行われる。したがって、ターゲット基地局にフォワードされたデータは、UEがターゲット基地局からデータを受信する準備ができるまでは、ターゲット基地局のバッファに格納されて端末に伝送されることを待機する。
【0073】
このように、RRC接続再設定メッセージを受信した端末がソース基地局と分離手順を行った後から、ターゲット基地局との同期化を介してRRC接続再設定を完了するまでにかかる時間を、データ切れ時間(Data Interruption Time)と定義する。現在の移動通信システムでデータ切れ時間(Data Interruption Time)は、約10.5msであり、各プロセスの具体的な時間は、表4の通りである。
【表4】
【0075】
マクロセル(Macro Cell)とスモールセル(Small Cell)の階層的セル構造において、スモールセルのある形態として移動セルを考慮することができる。例えば、移動セルは、物理的に移動する装置(例えば、バス、トレイン、或いはスマートカーなどの交通手段)に装着された小型基地局であってもよい。一方、マクロセルは、従来と同様に固定されたセルであってもよい。
【0076】
固定セル(又はマクロセル)と移動セルは階層的セル構造を形成するため、マクロセルの立場で、移動セルと端末はほぼ同一に見える。しかし、移動セルは、一般的な端末とは異なり、多数の端末による大容量の併合トラフィック(Aggregated Traffic)を送受信することができなければならない。したがって、移動セルと固定セルとの間に大容量の併合トラフィック(Aggregated Traffic)をサポートする無線のバックホールリンクが形成される。
【0077】
一方、移動セルは端末をサーブしているため、端末の立場で移動セルは、他の端末ではなくサービングセルとして見なされる。移動セルは、物理的な移動とハンドオーバを介して、自身がサーブする端末にグループ移動性(Group Mobility)を提供する。移動セルの内部での帯域内(In−band)通信は、全二重(Full Duplex)方式をサポートすることができる。
【0078】
表5のように様々なタイプの移動セルを考慮することができ、移動セルのタイプによるそれぞれの特性を考慮しなければならない。
【表5】
【0079】
例えば、移動セルの移動パターンを見ると、公共交通の場合、一定の軌跡に従って規則的に動いているが、スマートカーや個人化セルの場合、不規則な動きが発生し得る。このように、移動距離、移動速度又はトラフィックの大きさも、移動セルのタイプによって異なり得る。
【0080】
端末のハンドオーバは、ソース基地局が端末から隣接基地局の測定報告を受信し、ソース基地局がターゲット基地局との交渉を通じて、ハンドオーバを行うか否かを端末に命令した。したがって、端末のハンドオーバはネットワーク主導的(initiated)である。
【0081】
しかし、このような端末のハンドオーバ手順は、移動セルのハンドオーバにそのまま使用しにくい。移動セルは、多数の端末をサーブしているため、個別端末のハンドオーバよりは高い通信サービスの信頼性及び小さいデータ切れ時間が要求されるためである。移動セルに接続した端末は、移動セルを自身のサービングセルとして認識するため、移動セルは、端末にサービスを提供するにおいて、自身の移動による無線チャネル環境の変化に透明且つ堅固でなければならない。表4で説明したように、端末のハンドオーバには約10.5msの遅延が発生し、移動セルのハンドオーバ手順は10.5msよりも迅速に完了することが好ましい。移動セルは迅速に固定セルを感知してハンドオーバを完了することによって、移動セルは、自身がサーブする端末にデータ切れをはじめとするハンドオーバによる影響を最小化しなければならない。以下、移動セルのハンドオーバのための実施例をより具体的に説明する。
【0082】
移動セル(Moving Cell)のハンドオーバ
【0083】
本発明の一実施例によれば、移動セルのハンドオーバ遅延を最小化するために、移動セルがハンドオーバを決定及びトリガする。例えば、移動セルは、ソース基地局への測定報告なしにターゲット基地局に直接接続する。移動セルは、測定結果に基づいて、ターゲット基地局を直接決定し、及びハンドオーバを開始することによって、データ切れ時間を短縮させることができる。
【0084】
図8は、本発明の一実施例に係る移動セルのハンドオーバ手順を示した図である。
【0085】
図8を参照すると、ソース基地局は、移動セルに測定制御メッセージを伝送する(S800)。測定制御メッセージは、RRCシグナリングを介して移動セルに伝送されてもよい。測定制御メッセージは、移動セルがサービングセルと隣接セルの測定を行うのに必要な情報を含む。例えば、移動セルが測定を行う時間/頻度/周期、測定対象となるサービングセル又は隣接セルに関する情報(例えば、cell ID)、測定が禁止されるセルを列挙したブラックリスト、測定対象となる周波数帯域(intra−frequency、inter−frequency)、inter−frequency測定のための測定ギャップ(measurement gap)などに関する情報が測定制御メッセージを介して伝送されてもよい。
【0086】
一方、測定制御メッセージには、ハンドオーバをトリガするイベントに関する情報が含まれてもよい。移動セルに多重搬送波が設定される場合、ハンドオーバをトリガするイベントは搬送波別に設定されてもよい。一方、上述した端末の測定報告のためのイベントが、移動セルのハンドオーバをトリガするイベントとして再利用されてもよい。これとは異なり、移動セルのハンドオーバをトリガするイベントが新たに定義されてもよい。
【0087】
一方、移動セルがターゲット基地局に接続するためには、ターゲット基地局と任意接続手順を行う必要がある。もし、移動セルが、ハンドオーバではなく、初期接続のように任意接続手順を競合に基づいて行う場合、移動セルは、任意接続手順で他の端末又は他の移動セルとランダムアクセスプリアンブル及び/又はRA−RNTIが互いに衝突するおそれがある。例えば、RA−RNTIは、ランダムアクセスプリアンブルを伝送した時間/周波数関数として決定される識別子であるため、移動セルが伝送したランダムアクセスプリアンブルと、他の移動セル又は端末が伝送したランダムアクセスプリアンブルとが偶然に同一である場合、RA−RNTIが衝突し、競合解消手順が行われる。このような競合解消手順は、ハンドオーバの実行において時間遅延をもたらすため、非競合ベースのランダムアクセスが行われることが好ましい。
【0088】
移動セルが非競合ベースのランダムアクセスを行うことができるように、測定制御メッセージは、移動セルが伝送するランダムアクセスプリアンブルを含むことができる。例えば、測定制御メッセージは、ターゲット基地局が移動セルに割り当てたランダムアクセスプリアンブルを含むことができる。一方、ターゲット基地局は移動セルが決定するようになるため、ソース基地局が測定制御メッセージを伝送する時に、ソース基地局は、どの隣接セルがターゲット基地局となるかを知ることができない。したがって、ソース基地局は、測定制御メッセージに多数の隣接セルのランダムアクセスプリアンブルを含ませることができる。この場合、ランダムアクセスプリアンブルと隣接セルの識別子が互いにマッピングされ、測定報告メッセージに含まれてもよい。
【0089】
一方、ソース基地局には、隣接セルが割り当てたランダムアクセスプリアンブルが予め格納されていてもよい。例えば、ソース基地局には、隣接基地局Aから予め割り当てられたランダムアクセスプリアンブルBが格納されていてもよい。ソース基地局が測定制御メッセージを介して移動セルCにランダムアクセスプリアンブルBを伝達した場合、ソース基地局は、隣接基地局Aに、ランダムアクセスプリアンブルBを伝送するものが移動セルCであることを予め知らせることができる。このとき、移動セルの識別子を含む移動セルのコンテキスト情報が隣接セルに伝達され得る。
【0090】
他の一実施例によれば、移動セルが競合ベースのランダムアクセスを行うが、端末と競合することを防止するために、ランダムアクセスプリアンブルを、移動セルのためのランダムアクセスプリアンブルタイプと、端末のためのランダムアクセスプリアンブルタイプとに区分することができる。このとき、移動セルのランダムアクセス手順は、他の移動セルのランダムアクセス手順と衝突する可能性があるが、移動セルの個体数が非常に低い場合、衝突可能性もまた非常に低くなる。移動セルが競合ベースのランダムアクセスを行う場合、測定制御メッセージにはランダムアクセスプリアンブルは含まれない。
【0091】
測定制御メッセージを受信した移動セルは、測定を行い、ハンドオーバを行うか否かを決定する(S805)。例えば、移動セルは、測定制御メッセージに基づいてサービングセルと隣接セルを測定し、測定結果に基づいて、ハンドオーバを行うか否かを決定する。一実施例によれば、移動セルが単純にハンドオーバを行うか否かを決定し、ソース基地局にハンドオーバを要求することもできるが、他の一実施例によれば、移動セルは、ハンドオーバを行うことに決定した場合、ターゲット基地局も自分で決定することができる。すなわち、移動セルは、測定結果に基づいて、隣接セルのうちターゲット基地局を決定することができる。隣接セルの測定結果は、隣接セルが伝送したRSを介して取得されたRSRP及び/又はRSRQであってもよい。
【0092】
一方、移動セルが物理的に移動することによって、RSRP及びRSRQの測定値は、時間によって動的に変更され得る。したがって、いずれか一つの時点でのみ測定されたRSRP/RSRQを用いてターゲット基地局を決定するよりは、移動セルの移動方向に沿って最適のRSRP/RSRQを提供する隣接セルをターゲット基地局として決定することができる。例えば、第1時点で第1隣接セルのRSRP/RSRQが第2隣接セルのRSRP/RSRQよりも大きくても、第1時点以降に第2時点での第1隣接セルのRSRP/RSRQが第2隣接セルのRSRP/RSRQよりも小さくなる場合、移動セルは第1隣接セルから遠くなり、第2隣接セルと近接する方向へ移動するものと見なすことができる。このように、移動セルは、互いに異なる時点で取得された隣接セルの測定結果を累積してターゲットセルを決定することが好ましい。
【0093】
例えば、第2隣接セルのRSRP/RSRQの増加勾配が所定の閾値を超える場合、第2隣接セルがターゲット基地局として決定され、第2基地局へのハンドオーバがトリガされ得る。このとき、所定の閾値は、移動セルに予め設定されたり、測定値から取得されたり、又はソース基地局が測定制御メッセージを介して移動セルに伝達した値であってもよく、これに限定されない。例えば、ハンドオーバをトリガするイベントは、i)サービングセル(serving cell)に対する測定値が減少する勾配が絶対閾値よりも大きい場合、ii)サービングセルに対する測定値が絶対閾値よりも小さくなる場合、iii)隣接セル(neighboring)に対する測定値が増加する勾配がサービングセルの測定値が減少する勾配よりもオフセット値だけ大きくなる場合、iv)隣接セルに対する測定値が増加する勾配が絶対閾値よりも大きくなる場合、及びv)サービングセルに対する測定値が絶対閾値よりも小さくなり、隣接セルに対する測定値が増加する勾配が他の絶対閾値よりも大きくなる場合のうちの少なくとも1つのイベントが含まれてもよく、これに限定されない。このように、ターゲット基地局を選択し、ハンドオーバを行うか否かを決定するにおいて、RSRP/RSRQの時間当たりの変化量を考慮することができる。
【0094】
移動セルは、ターゲット基地局へのハンドオーバのために下りリンク同期を取得し、ランダムアクセスプリアンブルを含むハンドオーバ要求メッセージを伝送する(S810)。このとき、移動セルは、ソース基地局との接続を解除せず、ターゲット基地局に下りリンク同期を取得し、ランダムアクセスプリアンブルを伝送する。したがって、移動セルは、移動セルに接続した端末のために、ソース基地局と上りリンク/下りリンクデータを送受信することができる。ハンドオーバ要求メッセージには、移動セルのコンテキストに関する情報が含まれていてもよい。他の実施例では、ソース基地局が移動セルのコンテキストに関する情報を隣接基地局に伝送することによって、ターゲット基地局が移動セルのコンテキストに関する情報を取得することもできる。
【0095】
ターゲット基地局は、移動セルのコンテキストに関する情報に基づいて、移動セルのハンドオーバに対する承認制御を行う(S815)。
【0096】
移動セルのハンドオーバが承認される場合、ターゲット基地局は、UL伝送のためのリソース及びTA情報を移動セルに伝送する(S820)。なお、ターゲット基地局は、移動セルのハンドオーバの承認を知らせるハンドオーバ受諾(Handover Accept)メッセージをソース基地局に伝送する(S825)。ハンドオーバ受諾メッセージには、ターゲット基地局によって受諾される又は受諾されないE−RAB情報などが含まれてもよい。
【0097】
ハンドオーバ受諾メッセージを受信したソース基地局は、移動セルにRRC接続再設定(Connection Reconfiguration)メッセージを伝送する(S830)。移動セルは、RRC接続再設定メッセージが受信されると、ソース基地局との分離(Detach)手順を行う。したがって、RRC接続再設定メッセージの受信によってデータ切れが開始される。
【0098】
一方、移動セルには、ターゲット基地局以外にも、隣接基地局が割り当てたC−RNTI又はランダムアクセスプリアンブルなどが使用されていない状態で格納されていてもよい。ソース基地局は、RRC接続再設定メッセージを介して、隣接基地局が割り当てたC−RNTI又はランダムアクセスプリアンブルの削除を移動セルに指示することができる。移動セルは、RRC接続再設定メッセージの指示によって、基地局が割り当てたC−RNTI又はランダムアクセスプリアンブルを削除する。
【0099】
一方、一実施例によれば、ターゲット基地局以外の隣接基地局も、移動セルのコンテキスト情報や移動セルのハンドオーバ履歴に関する情報をソース基地局から予め取得して格納していてもよい。ソース基地局は、ハンドオーバ受諾メッセージの受信によって、ターゲット基地局以外の隣接基地局に移動セルのコンテキスト情報や移動セルのハンドオーバ履歴に関する情報などを削除することを指示することができる。
【0100】
ソース基地局は、ハンドオーバ受諾メッセージの受信によって、SN状態伝達(Status Transfer)メッセージをターゲット基地局に伝送する(S840)。移動セルは、RRC接続再設定メッセージに基づいてターゲット基地局とのRRC設定を完了し、ターゲット基地局にRRC接続再設定完了(Connection Reconfiguration Complete)メッセージを伝送する(S845)。
【0101】
一方、ハンドオーバ受諾メッセージは、ターゲット基地局によって承認制御が行われた後、直ちにソース基地局に伝達されてもよい。
【0102】
上述した移動セルのハンドオーバ方法では、移動セルがソース基地局との接続を維持したまま、ターゲット基地局との接続を試みるため、データ切れ時間が減少する。例えば、移動セルは、ソース基地局からデータを受信しながら、ターゲット基地局との接続を試みる。ターゲット基地局との接続の試みの後にソース基地局と分離するため、移動セルがソース基地局との接続を切ってターゲット基地局に移るまでにかかる時間が減少する。端末のハンドオーバ方法が“Break before Make”形態の手順であったら、移動セルのハンドオーバ方法は“Make before Break”と見ることができる。表6は、本発明の一実施例によって移動セルのハンドオーバにかかる時間を示す。
【表6】
【0103】
図9は、本発明の他の一実施例に係る移動セルのハンドオーバ手順を示した図である。
図8と重複する内容は説明を省略し、
図8の実施例と異なる点を中心に説明する。
【0104】
図9を参照すると、ソース基地局は、移動セルに測定制御メッセージを伝送する(S900)。測定制御メッセージを受信した移動セルは測定を行い、ハンドオーバを行うか否かを決定する(S905)。移動セルは、ターゲット基地局へのハンドオーバのために下りリンク同期化を行い、ランダムアクセスプリアンブルを含むハンドオーバ要求メッセージを伝送する(S910)。ターゲット基地局は、移動セルのハンドオーバに対する承認制御を行う(S915)。移動セルのハンドオーバが承認される場合、ターゲット基地局は、UL伝送のためのリソース及び上りリンク同期のためのTA情報を移動セルに伝送する(S920)。
図8と同様に、移動セルは、ソース基地局との接続を切っていない状態でターゲット基地局と下りリンク同期化を行い、及びランダムアクセスプリアンブルを伝送する。
【0105】
移動セルは、ターゲット基地局にRRC接続再設定要求(RRC Connection Reconfiguration Request)メッセージを伝送する(S925)。RRC接続再設定要求メッセージは、移動セルのTMSI(Temporary Mobile Subscriber Identity)、ソース基地局又はターゲット基地局から事前に取得した移動セルのC−RNTI情報、及びRRC接続再設定要求のCause値のうちの少なくとも1つを含むことができる。移動セルのハンドオーバのために、RRC接続再設定要求のCause値はハンドオーバに対応する値に設定される。
【0106】
ターゲット基地局は、RRC接続再設定要求に対する応答としてRRC接続再設定メッセージを移動セルに伝送する(S930)。すなわち、ターゲット基地局とのRRC再設定に必要な情報をターゲット基地局が直接移動セルに伝送する。
図8の実施例では、ターゲット基地局とのRRC再設定に必要な情報がソース基地局を介して移動セルに伝達されたが、
図9の実施例では、ターゲット基地局がRRC再設定メッセージを直接伝送している。RRC接続再設定メッセージは、ターゲット基地局以外の隣接基地局から割り当てられて移動セルに格納された識別子(例えば、C−RNTI)、ランダムアクセスプリアンブルの削除を指示するインジケーション(Indication)を含むことができる。移動セルは、ターゲット基地局を除いた隣接基地局から割り当てられた識別子及びランダムアクセスプリアンブルを削除する。
【0107】
移動セルは、RRC再設定が完了すると、ターゲットセルにRRC再設定完了メッセージを伝送する(S935)。
【0108】
ターゲット基地局は、移動セルのハンドオーバが受諾及び完了したことをソース基地局に通知するために、ハンドオーバ受諾メッセージをソース基地局に伝送する(S940)。ハンドオーバ受諾メッセージには、ターゲット基地局によって受諾される又は受諾されないE−RAB情報が含まれてもよい。ハンドオーバ受諾メッセージを受信したソース基地局は、移動セルと分離(detach)する。ソース基地局が移動セルを分離するために、移動セルと依然として維持しているRRCシグナリングが用いられてもよい。例えば、ソース基地局がターゲット基地局からハンドオーバ受諾メッセージを受信した後、移動セルに、自身と分離(Detach)するようにRRCシグナリングを伝送することができる。または、ソース基地局は、移動セルからRRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージを受信した後、直ちに移動セルと分離する。
【0109】
本実施例では、移動セルがターゲット基地局とRRC接続を設定し、ソース基地局と分離されるので、データ切れ時間が発生しない。一方、
図9の実施例は、移動セルの移動軌跡が一定のパターンを有するか、または予測可能な場合に適用されることが有利である。
【0110】
以下、移動セルの移動軌跡を考慮したハンドオーバ方法に関する実施例を詳細に説明する。
【0111】
固定された移動軌跡を有する移動セルのハンドオーバ前処理(pre−processing)
【0112】
移動セルがバス路線、汽車線路などに沿って移動する場合、移動セルの次の位置を予測することができる。このように、移動セルの動きがパターンを有したり、事前に通知されたり、規則的であったり(regular)、又は一定である(consistent)場合を、固定された移動軌跡(fixed−moving path)と表現する。
【0113】
固定された移動軌跡上に位置した基地局は、移動セルの移動軌跡に関する情報を共有することができる。例えば、移動セルがハンドオーバする基地局のリストと順序に関する情報が各基地局に共有されてもよい。
【0114】
図7に示された端末のハンドオーバ方法では、端末が測定を行うとき、端末は、ターゲット基地局のシステム情報(例えば、MIB/SIB)又はRRC設定を取得していない状態である。端末は、ハンドオーバ命令メッセージ、すなわち、RRC接続再設定メッセージを介してターゲット基地局のシステム情報及びRRC設定に関する情報を取得する。一方、RRC接続再設定メッセージを介して取得されるターゲット基地局のシステム情報は、SIB 2に含まれたRadioResourceConfigCommonSIB IEである。したがって、端末がターゲット基地局の他のシステム情報を取得するためには、ターゲット基地局に同期化された後に、ターゲット基地局が下りリンク共有チャネルを介して伝送されるSIB(SIB 1〜14など)を受信しなければならない。
【0115】
本発明の一実施例によれば、移動セルは、ハンドオーバを開始する前にターゲット基地局のシステム情報又はRRC設定に関する情報を予め取得することができる。例えば、移動セルは、隣接セルの測定を行う前に、ターゲット基地局のシステム情報及びRRC設定に関する情報を取得することができる。したがって、移動セルは、ターゲット基地局にハンドオーバを行った後に別途にターゲット基地局のシステム情報を取得する必要がなく、したがって、移動セルに接続した端末のデータ切れ時間を最小化することができる。
【0116】
前述したように、端末が非競合ベースのランダムアクセスを行うためには、ターゲット基地局で使用された端末の専用ランダムアクセスプリアンブル(Dedicated Random Access Preamble)及びC−RNTIが移動セルに割り当てられなければならない。一方、ソース基地局は、移動セルのコンテキスト(Context)情報、ハンドオーバの履歴(History)に関する情報などを、移動セルのハンドオーバの前にターゲット基地局又はターゲット基地局の候補となる隣接基地局に予め伝達することができる。このように、情報の事前交換を含むハンドオーバ前処理過程を行うことができる。
【0117】
移動セルの移動軌跡が固定された場合、移動軌跡上に位置する基地局のうち少なくとも2つ以上の基地局が一つの移動セルの識別子(例えば、C−RNTI)を共有することができる。例えば、ハンドオーバの前に使用されていた移動セルの識別子が、ハンドオーバ後にターゲット基地局でも再利用されてもよい。
図10を参照すると、移動軌跡上に位置する基地局は、移動セルのために一つの永久的な識別子を割り当てる。一般的に、C−RNTIは、サービングセル内でのみユニークなIDであるため、端末がハンドオーバを行う場合、端末はターゲット基地局内で使用する新しいC−RNTIが割り当てられなければならない。本願発明の実施例に係る移動セルのIDは、移動軌跡上の基地局内でユニークなIDである。
【0118】
図10及び
図11を参照すると、移動セルが現在の第1基地局に位置しており、固定された移動軌跡に沿って第2基地局にハンドオーバすることが予定されていると仮定する。すなわち、第1基地局がサービング基地局であり、第2基地局がターゲット基地局であると仮定する。
【0119】
第1基地局は、第2基地局に、移動セルの識別子、移動セルのコンテキスト情報、及び移動セルのハンドオーバ履歴のうちの少なくとも1つを含むハンドオーバ前処理要求メッセージを伝送することができる(S1100)。例えば、移動セルが、ハンドオーバ又は初期接続を通じて第1基地局にRRC接続を設定する場合、第1基地局は、移動セルのハンドオーバ手順が開始される前にハンドオーバ前処理要求メッセージを第2基地局に伝送することができる。ハンドオーバ履歴に関する情報は、移動セルがどの基地局にハンドオーバするかを把握するために使用することができる。
【0120】
第2基地局は、ハンドオーバ前処理要求メッセージに対する応答として、移動セル専用のランダムアクセスプリアンブル、ターゲット基地局のシステム情報、及びターゲット基地局のRRC設定情報のうちの少なくとも1つを含むハンドオーバ前処理応答メッセージを第1基地局に伝送する(S1105)。ターゲット基地局のRRC設定情報は、MobilityControlInfo IE、MeasConfig IE、SecurityConfigHO IEのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0121】
第1基地局は、第2基地局から受信されたハンドオーバ前処理応答メッセージに含まれたランダムアクセスプリアンブル、ターゲット基地局のシステム情報、及びターゲット基地局のRRC設定情報のうちの少なくとも1つを移動セルに伝送する(S1110)。
【0122】
一方、移動セルの永久的な識別子の割り当ては、移動軌跡に存在する全ての基地局に対してユニークに割り当てられてもよく、TA(Tracking Area)単位でユニークに割り当てられてもよい。
【0123】
一方、移動軌跡上に沿って多数のCellが存在すれば、移動セルの測定オーバーヘッドが大きくなり得る。このような測定オーバーヘッドを減少させるために、ソース又はターゲット基地局が、移動セルが測定しなければならない測定オブジェクト(White Cell)、または測定してはならない(Black Cell)に対する情報を含む、測定設定(測定制御)メッセージを移動セルにRRCシグナリングすることができる。このとき、ホワイトセルは、移動軌跡上に位置するセルであり、ブラックセルは、移動軌跡から遠距離に位置したセルであってもよく、これに限定されない。
【0124】
非−固定移動軌跡を有する移動セルのハンドオーバ前処理(pre−processing)
【0125】
一方、移動軌跡が一定でない場合、ハンドオーバ前処理過程を行う例示的な実施例を説明する。前述した説明と重複する説明は省略する。
【0126】
移動セルがハンドオーバを行うことができる潜在的なターゲット基地局の候補を、候補基地局又は候補セルと呼ぶことにする。
【0127】
移動軌跡が固定されていないため、移動軌跡上の基地局でユニークな永久的な識別子を割り当てることは難しい。すなわち、どの基地局が移動軌跡上に位置するかを知ることができないためである。もし、全ての基地局で移動セルに対してユニークなIDを割り当てる場合、移動セルがハンドオーバを行わない基地局までも移動セルのために識別子を割り当てなければならない。しかし、識別子の数は制限的であるため、全ての基地局で移動セルに対してユニークなIDを割り当てる方法は、識別子利用の観点で非効率的である。
【0128】
したがって、移動軌跡が固定されていない実施例では、各サービング基地局(又はセル)内でのみユニークな識別子(例えば、C−RNTI)が割り当てられると仮定する。ハンドオーバ前処理過程では、サービング基地局は、移動セルがハンドオーバ後に使用する識別子を候補基地局から要求し、移動セルのハンドオーバの開始前に予め知らせることができる。
【0129】
ソース基地局で候補基地局をどのように決定できるかが問題となるが、本発明の一実施例によれば、移動通信システムでのE−SMLC(Evolved Serving Mobile Location Center)を用いることができる。E−SMLCは、端末又は移動セルの移動性及び位置測定を管理するネットワークノードである。E−SMLCは、移動セルの位置に基づいて、どのような隣接基地局が存在するかを知ることができる。E−SMLCは、ソース基地局から受信した情報、例えば、移動セルの識別子又は移動セルのハンドオーバ履歴に関する情報に基づいて、移動セルが潜在的にハンドオーバを行うことができる候補基地局を決定する。ソース基地局は、E−SMLCから受信した情報を通じて、移動セルの潜在的なハンドオーバターゲット基地局を把握し、ターゲット基地局にハンドオーバ前処理要求メッセージを伝送する。
【0130】
更に他の実施例では、移動セルが候補基地局を決定することもできる。例えば、移動セルが、測定を通じて潜在的なハンドオーバ基地局、すなわち、候補基地局を認知すると、移動セルは、候補基地局に対する情報をソース基地局に伝送する。ソース基地局は、ハンドオーバ前処理要求メッセージを候補基地局に伝送する。
【0131】
図12及び
図13を参照すると、現在の移動セルは現在eNB 4に位置し、eNB 1、5、7が候補基地局であると仮定する。移動セルが初期接続又はハンドオーバを通じてソース基地局に接続する。
【0132】
移動セルがソース基地局に接続すると、ソース基地局は、候補基地局に対する情報を要求する隣接基地局情報要求(Neighbor eNB/Cell Info Request)メッセージをE−SMLCに伝送する(S1300)。隣接基地局情報要求メッセージは、移動セルのハンドオーバ履歴に関する情報を含むことができる。ソース基地局がE−SMLCと送受信するメッセージは、LPPa(LTE Positioning Protocol A)に基づいたフォーマットであってもよい。LPPaは、3GPP TS 36.455によって定義される。
【0133】
E−SMLCは、移動セルのハンドオーバ履歴に関する情報に基づいて、移動セルが潜在的にハンドオーバ可能であると判断される候補基地局を決定する。E−SMLCは、候補基地局を決定するときにターゲット基地局の的中率(Hit Ratio)を高めるために、候補基地局の数を制限することができる。E−SMLCは、決定された候補基地局に関する情報を含む隣接基地局情報応答メッセージをソース基地局に伝送する(S1305)。
【0134】
ソース基地局は、移動セルのコンテキスト及びハンドオーバ履歴に関する情報を含むハンドオーバ前処理要求メッセージを、ターゲット基地局を含む候補基地局に伝送する(S1310)。
【0135】
候補基地局は、移動セルのためのC−RNTI、ランダムアクセスプリアンブル、候補基地局のシステム情報、及び候補基地局のRRC設定情報のうちの少なくとも1つを含むハンドオーバ前処理応答メッセージをソース基地局に伝送する(S1315)。
【0136】
ソース基地局は、候補基地局から受信された情報を移動セルに伝送する(S1320)。この場合にも、ソース又は候補基地局は、測定対象となるセルに対する情報、及び測定してはならないセルに対する情報を移動セルに伝送することができる。
【0137】
図14は、本発明の更に他の一実施例に係るハンドオーバ方法の流れを示した図である。
図14を参照すると、移動セル、移動端末、ソース基地局及びターゲット基地局が図示される。移動セルと移動端末は、それぞれソース基地局によってサーブされると仮定する。上述した実施例と重複する部分は説明を省略する。したがって、上述した内容を参照することができる。
【0138】
ソース基地局に移動個体(moving entity)が接続する。移動個体とは、移動性を有するネットワーク個体であって、移動セルと移動端末を包括する。移動個体は、ソース基地局に初期接続するか、又は他の基地局からハンドオーバしてソース基地局に接続してもよい。
【0139】
ソース基地局は、移動個体が接続すると、接続した移動個体が移動端末であるか、又は移動セルであるかを判断する(S1400)。
【0140】
移動個体が移動セルである場合、ソース基地局は、ハンドオーバ前処理要求メッセージをターゲット基地局を含む隣接基地局に伝送する(S1430)。ハンドオーバ前処理要求メッセージは、移動セルのハンドオーバ履歴に関する情報を含むことができる。
【0141】
隣接基地局は、ハンドオーバ前処理応答メッセージをソース基地局に伝送する(S1435)。ハンドオーバ前処理応答メッセージは、移動セルがハンドオーバを行った後に使用する識別子、隣接基地局が割り当てたランダムアクセスプリアンブルに関する情報のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0142】
ソース基地局は、隣接基地局に対する測定設定、及び移動セルがハンドオーバを開始するか否かを決定するのに必要な情報を含む測定設定メッセージを、移動セルに伝送する(S1440)。ソース基地局は、ハンドオーバ前処理応答メッセージを介して取得した情報を移動セルに伝送することができる。
【0143】
移動セルは、隣接基地局を測定した結果に基づいて、ハンドオーバを開始するか否か及びターゲット基地局を決定する。ハンドオーバの開始及びターゲット基地局が決定された場合、移動セルは、ターゲット基地局と非競合ベースのランダムアクセス手順を行う(S1445)。すなわち、移動セルは、ターゲット基地局からハンドオーバの開始前に割り当てられたランダムアクセスプリアンブルをターゲット基地局に伝送する。
【0144】
ターゲット基地局がハンドオーバを受諾する場合、ハンドオーバ受諾メッセージをソース基地局に伝送する(S1450)。
【0145】
ソース基地局は、移動個体にRRC(Radio Resource Control)接続を再設定することを指示するRRC接続再設定メッセージを伝送する(S1455)。
【0146】
一方、ソース基地局は、ハンドオーバ受諾メッセージの受信によって、ターゲット基地局を除いた残りの隣接基地局が割り当てた移動セルのための識別子及び/又はランダムアクセスプリアンブルを残りの隣接基地局に返す。また、移動セルは、ターゲット基地局を除いた残りの隣接基地局が割り当てたランダムアクセスプリアンブルを削除する。
【0147】
このような移動セルのハンドオーバは、移動セルによってサーブされる移動端末に透明(transparent)に行われ得る。
【0148】
移動個体が移動端末である場合、ソース基地局は、隣接基地局に対する測定設定(measurement configuration)を含む測定設定メッセージを移動個体に伝送する(S1405)。すなわち、ソース基地局は、移動端末には、ハンドオーバの開始を決定するための情報を伝送しない。移動個体が移動端末である場合、サービング基地局がハンドオーバの開始及び前記ターゲット基地局を決定するためである。一方、移動個体が移動セルである場合、移動セルがハンドオーバの開始及びターゲット基地局を決定する。
【0149】
ソース基地局は、移動端末から測定報告を受信する(S1410)。ソース基地局は、測定報告に基づいて、端末がハンドオーバを開始するか否か及びターゲット基地局を決定する。このように、移動個体(moving entity)が移動端末(mobile terminal)であるか、又は移動セル(moving cell)であるかによって、ハンドオーバの開始(initiation)及びターゲット基地局を選択する方式が決定される。
【0150】
ソース基地局は、ターゲット基地局にハンドオーバ要求を伝送し(S1415)、ターゲット基地局からハンドオーバ受諾メッセージ(handover accept)を受信する(S1420)。
【0151】
ソース基地局は、移動端末にRRC(Radio Resource Control)接続を再設定することを指示するRRC接続再設定メッセージを伝送する(S1425)。移動端末に伝送するRRC接続再設定メッセージは、ターゲット基地局が割り当てたランダムアクセスプリアンブルを含むことができる。すなわち、移動個体が移動端末である場合、ランダムアクセスプリアンブルは、RRC接続再設定メッセージを介してハンドオーバの開始後に移動端末に提供される。一方、移動個体が移動セルである場合、前記ターゲット基地局から割り当てられたランダムアクセスプリアンブルはハンドオーバの開始前に移動セルに提供される。
【0152】
一方、移動セルで移動端末のハンドオーバは、上述した移動端末のハンドオーバ手順に従って行うことができる。例えば、移動セルでサーブされる移動端末がハンドオーバを行う場合、移動セルは、移動端末がランダムアクセスプリアンブルを伝送する前に移動端末のRRC接続を解除する。
【0153】
図15は、本発明の更に他の一実施例に係るハンドオーバ前処理方法の流れを示した図である。前述した説明と重複する事項は説明を省略する。
【0154】
まず、ソース基地局は、移動セルのハンドオーバ履歴に関する情報に基づいて、移動セルが固定された移動軌跡を有するか、又は固定されていない移動軌跡を有するかを判断する(S1500)。
【0155】
もし、固定されていない移動軌跡を有すると判断されると、E−SMLCに隣接基地局情報を要求する(S1505)。例えば、ソース基地局は、移動セルのハンドオーバ履歴に関する情報を含むメッセージをE−SMLCに伝送する。
【0156】
E−SMLCは、隣接基地局のリストを含む隣接基地局情報応答メッセージを伝送する(S1510)。隣接基地局のリストには、例えば、ターゲット基地局と第1隣接基地局が含まれると仮定する。
【0157】
ソース基地局は、ターゲット基地局及び第1隣接基地局にハンドオーバ前処理要求メッセージを伝送する(S1515)。ハンドオーバ前処理要求メッセージには、移動セルのハンドオーバ履歴に関する情報及び移動セルのコンテキスト情報が含まれてもよい。
【0158】
ソース基地局は、ターゲット基地局及び第1隣接基地局からそれぞれハンドオーバ前処理応答メッセージを受信する(S1520)。ハンドオーバ前処理応答メッセージには、ランダムアクセスプリアンブル、移動セルの識別子、RRC設定に関する情報が含まれてもよい。
【0159】
ソース基地局は、ハンドオーバの開始前に移動セルにハンドオーバ前処理応答メッセージを伝達する(S1525)。
【0160】
移動セルは、ランダムアクセスプリアンブルをターゲット基地局に伝送する(S1530)。ランダムアクセスプリアンブルの伝送によってハンドオーバが開始される。
【0161】
ターゲット基地局は、ハンドオーバの受諾を知らせるハンドオーバ応答をソース基地局に伝送する(S1535)。
【0162】
ソース基地局は、移動セルによって使用されていないランダムアクセスプリアンブルを第1隣接基地局に返す(S1540)。一方、ソース基地局は、移動セルに第1隣接基地局が割り当てた識別子を共に返すことができる。第1隣接基地局は、移動セルに割り当てられていたランダムアクセスプリアンブル及び識別子を回収し、他の移動セル又は端末に割り当てることができる。また、ソース基地局は、移動セルのハンドオーバ履歴に関する情報及びコンテキスト情報の削除を第1隣接基地局に指示することができる。
【0163】
ソース基地局は、第1隣接基地局のランダムアクセスプリアンブル、第1隣接基地局のRRC設定、第1隣接基地局のシステム情報、及び第1隣接基地局が割り当てた識別子を削除することを移動セルに指示することができる(S1545)。
【0164】
一方、移動セルが固定された移動軌跡を有する場合、ソース基地局は、移動セルが次にどの基地局にハンドオーバするかを知ることができる。すなわち、ソース基地局は、ターゲット基地局を把握することができる。
【0165】
ソース基地局は、ハンドオーバ前処理要求をターゲット基地局に伝送し(S1550)、ターゲット基地局からハンドオーバ前処理応答を受信して(S1555)、移動セルに伝達する(S1560)。移動セルのハンドオーバが開始されると(S1565)、ソース基地局は、ターゲット基地局からハンドオーバ応答を受信する(S1570)。一方、ソース基地局で移動セルに割り当てた識別子は、固定された移動軌跡上に位置した基地局で再利用されてもよい。
【0166】
図16は、本発明の一実施例に係るセル(Cell)を示した図である。
図16に示されたセル1600は、移動セル又は固定セルであってもよい。セル1600が固定セルである場合、移動セルをサーブするサービング基地局であるか、又はサービング基地局の周辺に位置した隣接基地局であってもよい。セル1600は、前述した実施例での移動セル又は固定セルの動作を行うことができる。
【0167】
セル1600は、MU−MIMOのための多数のアンテナ、無線インターフェース1601、バックホールインターフェース1602、メモリ1603及びプロセッサ1604を含む。バックホールインターフェース1602は、他のセル又は基地局とバックホールリンクを介してデータを送受信する。バックホールインターフェース1602が無線のバックホールリンクを形成する場合、バックホールインターフェース1602と無線インターフェース1601は一つのモジュールとして実現することができる。無線インターフェース1601は、多数のアンテナを介して端末と信号を送受信する。プロセッサ1604は、バックホールインターフェース1602、無線インターフェース1601及びメモリ1603を制御する。
【0168】
まず、セル1600が移動セルのサービング基地局であって、サービング基地局が移動セルのハンドオーバのための前処理(pre−processing)を行うと仮定する。このとき、バックホールインターフェースは、サービング基地局の周辺に位置した少なくとも1つの隣接基地局に、移動セルのハンドオーバ履歴に関する情報を含むハンドオーバ前処理要求メッセージを伝送する。バックホールインターフェースは、隣接基地局から、隣接基地局が割り当てたランダムアクセスプリアンブル、隣接基地局のRRC(radio resource control)設定、及び隣接基地局のシステム情報のうちの少なくとも1つを含む前処理応答メッセージを受信する。無線インターフェースは、移動セルのハンドオーバの開始前に前処理応答メッセージを移動セルに伝送する。
【0169】
これとは異なり、セル1600が移動セルのハンドオーバのための前処理(pre−processing)を行う隣接基地局であると仮定する。このとき、バックホールインターフェースは、サービング基地局から、移動セルのハンドオーバ履歴に関する情報を含むハンドオーバ前処理要求メッセージを受信する。バックホールインターフェースは、サービング基地局に、隣接基地局が割り当てたランダムアクセスプリアンブル、隣接基地局のRRC(radio resource control)設定、及び隣接基地局のシステム情報のうちの少なくとも1つを含む前処理応答メッセージを伝送する。隣接基地局が伝送した前処理応答メッセージは、移動セルのハンドオーバの開始前に移動セルに伝達される。
【0170】
他の一実施例によって、セル1600が移動個体(moving entity)のハンドオーバをサポートするサービング基地局である場合、無線インターフェースは、隣接基地局に対する測定設定(measurement configuration)を含む測定設定メッセージを移動個体に伝送する。無線インターフェースは、移動個体にRRC(Radio Resource Control)接続を再設定することを指示するRRC接続再設定メッセージを伝送する。バックホールインターフェースは、隣接基地局のうち移動個体がハンドオーバするターゲット基地局から、ハンドオーバ受諾メッセージ(handover accept)を受信する。このとき、移動個体が移動端末(mobile terminal)であるか、または移動セルであるかによって、ハンドオーバの開始(initiation)及びターゲット基地局を選択する方式が決定され得る。
【0171】
図17は、本発明の一実施例に係る端末と基地局の構造を示した図である。
【0172】
基地局10は、受信機11、送信機12、プロセッサ13、メモリ14及び複数個のアンテナ15を含むことができる。複数個のアンテナ15は、MIMO送受信をサポートする基地局を意味する。受信機11は、端末からの上りリンク上の各種信号、データ及び情報を受信することができる。送信機12は、端末への下りリンク上の各種信号、データ及び情報を伝送することができる。プロセッサ13は、基地局10全般の動作を制御することができる。
【0173】
基地局10のプロセッサ13は、その他にも、基地局10が受信した情報、外部に伝送する情報などを演算処理する機能を行い、メモリ14は、演算処理された情報などを所定時間の間格納することができ、バッファ(図示せず)などの構成要素に代替可能である。
【0174】
端末20は、受信機21、送信機22、プロセッサ23、メモリ24及び複数個のアンテナ25を含むことができる。複数個のアンテナ25は、MIMO送受信をサポートする端末を意味する。受信機21は、基地局からの下りリンク上の各種信号、データ及び情報を受信することができる。送信機22は、基地局への上りリンク上の各種信号、データ及び情報を伝送することができる。プロセッサ23は、端末20全般の動作を制御することができる。
【0175】
端末20のプロセッサ23は、その他にも、端末20が受信した情報、外部に伝送する情報などを演算処理する機能を行い、メモリ24は、演算処理された情報などを所定時間の間格納することができ、バッファ(図示せず)などの構成要素に代替可能である。
【0176】
上述した本発明の実施例は、様々な手段を通じて具現することができる。例えば、本発明の実施例は、ハードウェア、ファームウエア(firmware)、ソフトウェア又はそれらの結合などによって具現することができる。
【0177】
ハードウェアによる具現の場合、本発明の実施例に係る方法は、一つ又はそれ以上のASICs(Application Specific Integrated Circuits)、DSPs(Digital Signal Processors)、DSPDs(Digital Signal Processing Devices)、PLDs(Programmable Logic Devices)、FPGAs(Field Programmable Gate Arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって具現することができる。
【0178】
ファームウエアやソフトウェアによる具現の場合、本発明の実施例に係る方法は、以上で説明された機能又は動作を行うモジュール、手順又は関数などの形態で具現されてもよい。ソフトウェアコードは、メモリユニットに格納され、プロセッサによって駆動され得る。前記メモリユニットは、前記プロセッサの内部又は外部に位置して、公知の様々な手段によって前記プロセッサとデータを授受することができる。
【0179】
上述したように開示された本発明の好適な実施例に関する詳細な説明は、当業者が本発明を具現し、実施できるように提供されている。以上では、本発明の好適な実施例態を参照して説明したが、当該技術分野における熟練した当業者は、本発明の領域から逸脱しない範囲内で本発明を様々に修正及び変更させることができるということが理解できる。例えば、当業者は、上述した実施例に記載された各構成を組み合わせる方式で用いることができる。したがって、本発明は、ここに開示した実施形態に制限されるものではなく、ここに開示した原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲を付与するためのものである。
【0180】
本発明は、本発明の精神及び必須の特徴を逸脱しない範囲で他の特定の形態に具体化することができる。したがって、上記の詳細な説明は、いずれの面においても制限的に解釈してはならず、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付の請求項の合理的解釈によって決定されなければならず、本発明の均等な範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。また、特許請求の範囲で明示的な引用関係を有しない請求項を結合して実施例を構成してもよく、出願後の補正によって新しい請求項として含めてもよい。