(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示における典型的な実施形態の一つについて、図面を参照して説明する。本実施形態では、患者眼の手術(例えば、白内障手術または緑内障手術)を行うために使用される医療装置1を例示して説明を行う。ただし、本開示で例示する技術を他の医療装置に適用してもよい。例えば、本開示で例示する技術は、患者眼以外の生体を処置する手術装置にも適用できる。
【0010】
図1および
図2を参照して、本実施形態の医療装置(手術装置)1の概略構成について説明する。
図1に示すように、本実施形態の医療装置1は、接続パネル2、カセット保持部3、電動ポール5、および表示ユニット10を備える。
【0011】
接続パネル2は、医療装置1の本体の正面に設けられている。接続パネル2には、手術器具(例えば、超音波ハンドピース15、灌流吸引用ハンドピース16等)が接続されるコネクタが設けられている。
【0012】
カセット保持部3は、本実施形態では医療装置1の本体の左側面に設けられている。カセット保持部3には手術用カセット4が保持される。手術用カセット4は、流体の流路を接続する機能等を有する。なお、カセット保持部3は複数設けられていてもよい。
【0013】
電動ポール5は、本実施形態では医療装置1の本体の背面に設けられている。電動ポール5の上部には、灌流瓶7を吊り下げるためのアーム6が設けられている。灌流瓶7には、灌流液(例えば、生理食塩水)が充填されている。電動ポール5は、ポール駆動モータ40(
図3参照)によって上下に移動する。その結果、灌流瓶7に充填された灌流液の液面の高さが変化し、患者眼に供給される灌流液の圧力が変わる。
【0014】
表示ユニット10は、複数の表示部11を備える。詳細には、本実施形態の表示ユニット10は、第一表示部11A、第二表示部11B、および支持部13を備える。第一表示部11Aおよび第二表示部11Bは、各種画像を表示する。一例として、本実施形態では薄型の表示装置である液晶ディスプレイ(LCD)が第一表示部11Aおよび第二表示部11Bとして用いられている。しかし、他の表示装置(例えば、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、ドット表示装置、ヘッドマウンドディスプレイ等)が第一表示部11Aおよび第二表示部11Bの少なくともいずれかとして用いられてもよい。
【0015】
支持部13は、第一表示部11Aの表示面が向く方向と、第二表示部11Bの表示面が向く方向とが異なるように、第一表示部11Aおよび第二表示部11Bを支持する。詳細には、本実施形態では、板状である第一表示部11Aの背面(表示面の反対側の面)と、同じく板状である第二表示部11Bの背面とが接するように重ね合わされることで、2つの表示部11A,11Bがユニット化されている。その結果、第一表示部11Aの表示面が向く方向と、第二表示部11Bの表示面が向く方向とが180度異なる(正反対を向いている)。支持部13は、ユニット化された2つの表示部11A,11Bを支持している。
【0016】
図2に示すように、本実施形態の支持部13は、第一表示部11Aおよび第二表示部11Bを可動可能に支持する。詳細には、支持部13は、2つの表示部11A,11Bの下部に接続されており、鉛直方向に延びる回転軸を中心として2つの表示部11A,11Bを回転可能な状態で支持している。従って、ユーザは、2つの表示部11A,11Bを回転させることで、2つの表示部11A,11Bの各々の表示面の向きを所望の向きに調整することができる。
【0017】
第一表示部11Aの表示面の表面(正面)には、第一タッチパネル12Aが第一操作部として設けられている。第二表示部11Bの表示面の表面には、第二タッチパネル12Bが第二操作部として設けられている。ユーザは、第一タッチパネル12Aおよび第二タッチパネル12Bを操作することで、各種指示(例えば、後述する動作パラメータの設定指示等)を医療装置1に入力することができる。
【0018】
本実施形態の医療装置1には、手術に適した手術器具が接続される。
図1に示す例では、白内障手術を実行するために、超音波ハンドピース15と、灌流吸引用ハンドピース16とが医療装置1に接続される。超音波ハンドピース15は、患者眼の水晶体核を、超音波振動によって破砕乳化する。灌流吸引用ハンドピース16は、患者眼への灌流液の供給、および、患者眼からの物質の吸引を行う。なお、超音波ハンドピース15には、灌流チューブ18と吸引チューブ19が接続される。灌流チューブ18の他端は、手術用カセット4が持つ灌流経路の接続口に接続される。吸引チューブ19の他端は、手術用カセット4が持つ吸引経路の接続口に接続される。なお、吸引経路の接続口には廃液袋が取り付けられる。また、医療装置1には、ユーザが手術器具の動作制御指示等を入力するためのフットスイッチ20が接続される。
【0019】
図3を参照して、本実施形態の医療装置1の電気的構成について説明する。医療装置1は、医療装置1の制御を司るCPU31を備える。CPU31は、第一表示部11Aおよび第二表示部11Bの画像表示の制御を含む各種制御を行う。つまり、CPU31は、医療装置1の制御部の一部である。CPU31には、RAM32、ROM33、不揮発性メモリ34、吸引機構36、バルブ37、外部通信I/F38、第一表示部11A、第二表示部11B、第一タッチパネル12A、第二タッチパネル12B、器具駆動部39、フットスイッチ20、およびポール駆動モータ40が、バスを介して接続されている。
【0020】
RAM32は、各種情報を一時的に記憶する。ROM33には、CPU31が実行するプログラム、および各種初期値等が記憶されている。不揮発性メモリ34は、電源の供給が遮断されても記憶内容を保持できる非一過性の記憶媒体である。後述する動作パラメータ設定処理(
図4参照)を実行するための動作パラメータ設定処理プログラムは、不揮発性メモリ34に記憶されていてもよい。
【0021】
吸引機構36は、医療装置1本体の内部に設けられており、患者眼からの物質の吸引等を行うための吸引力を発生させる。例えば、ペリスタルティックポンプ(蠕動型ポンプ)、およびベンチュリーポンプ等の少なくともいずれかを吸引機構36として用いることができる。バルブ37は、各種経路の開閉を行う。外部通信I/F38は、医療装置1と外部装置42を接続する。医療装置1は、外部通信I/F38によって外部装置42との間の通信(有線通信でも無線通信でもよい)を行うことができる。例えば、本実施形態の医療装置1は、外部装置42の1つである手術顕微鏡(図示せず)によって撮影された患者眼の画像を、外部通信I/F38によって取得し、表示部11A,11Bに表示させることができる。器具駆動部39は、医療装置1に接続された手術器具を駆動する。例えば、本実施形態の器具駆動部39は、超音波ハンドピース15の超音波振動を駆動する。ポール駆動モータ40は、電動ポール5(
図1参照)を上下に移動させる。
【0022】
図4〜
図7を参照して、本実施形態の医療装置1が実行する動作パラメータ設定処理について説明する。動作パラメータ設定処理では、ユーザによって入力された操作指示に応じて動作パラメータが設定される。また、設定された動作パラメータが、第一表示部11Aおよび第二表示部11Bの少なくともいずれかに表示される。なお、動作パラメータとは、医療装置1が各種動作を制御するために与えられる設定値である。例えば、本実施形態で用いられる動作パラメータには、超音波振動の種類、パワー、ONタイム、OFFタイム、およびパルスデューティー比等がある。また、本実施形態では、電動ポール5の高さ、吸引圧、および吸引流量等も、動作パラメータに含まれる。さらに、手術中に各種測定または撮影を行う医療装置においては、測定または撮影を行うための設定値も動作パラメータに含まれる。
【0023】
動作パラメータ設定処理は、開始指示が行われることを契機として、CPU31によって実行される。CPU31は、不揮発性メモリ34に記憶されている動作パラメータ設定処理プログラムに従って、
図4に例示する動作パラメータ設定処理を実行する。
【0024】
まず、CPU31は、表示画像選択指示が2つのタッチパネル12A,12Bのいずれかに入力されたか否かを判断する(S1)。表示画像選択指示とは、2つの表示部11A,11Bに表示させる画像を選択するためにユーザによって入力される指示である。本実施形態では、手術中に2つの表示部11A,11Bに表示される画像には、動作パラメータ表示画像51および推移画像52が含まれる。ユーザは、いずれの画像を2つの表示部11A,11Bの各々に表示させるかを、タッチパネル12A,12Bの操作によって指示することができる。
【0025】
図5に示すように、動作パラメータ表示画像51では、その時点で設定されている各種動作パラメータの少なくとも一部が表示される。さらに、本実施形態の動作パラメータ表示画像51には、動作パラメータの設定開始を指示するためのボタンも含まれる。例えば、
図5に示す例では、タッチパネル12A,12Bのうち、「US1」のボタンが表示されている部分に対応する部分が触れられることで、「US1」に関する超音波振動の動作パラメータの設定が開始される。また、プラス、マイナス、上矢印、下矢印のボタンが触れられることで、対応する動作パラメータが変更される。
【0026】
図6に示すように、推移画像52は、医療装置1の動作の推移を示す画像である。例えば、医療装置1は、超音波振動のパワーの推移、超音波振動のデューティー比の推移、および吸引圧の推移等の少なくともいずれかを、推移画像52に表示させることができる。また、医療装置1は、設定された動作パラメータの推移を推移画像52に表示させてもよい。
図6に示す例では、医療装置1は、時間を横軸、動作を示す値を縦軸とする時系列グラフを推移画像52に表示させることで、動作の推移を示している。従って、ユーザはより容易に医療装置1の動作の推移を把握することができる。また、
図6に示す推移画像52では、外部装置42(本実施形態では手術顕微鏡)から取得した患者眼の画像上に時系列グラフが重畳表示される。従って、ユーザは、医療装置1の動作と手術の進行状況とを容易且つ同時に把握することができる。さらに、
図6に示す推移画像52では、その時点で設定されている動作パラメータの少なくとも一部も表示される。つまり、本実施形態の推移画像52は動作パラメータ表示画像を兼ねる。
【0027】
図4の説明に戻る。表示画像選択指示が入力されていなければ(S1:NO)、処理はそのままS4の判断へ移行する。表示画像選択指示が入力されると(S1:YES)、CPU31は、入力された指示に応じて、動作パラメータ表示画像51および推移画像52を含む複数の画像のいずれかを、2つの表示部11A,11Bの各々に表示させる(S2)。本実施形態の医療装置1は、2つの表示部11A,11Bの各々に同一の画像を表示させることもでき、異なる画像を表示させることもできる。処理はS4の判断へ移行する。なお、CPU31は、推移画像52のデータを不揮発性メモリ34に記憶させると共に、外部装置42(例えば、パーソナルコンピュータまたはサーバ等)に出力させる。従って、ユーザは、手術・測定・撮影等の推移を後で確認することもできる。
【0028】
次いで、CPU31は、動作パラメータの設定開始指示が第一操作部(本実施形態では第一タッチパネル12A)に入力されたか否かを判断する(S4)。前述したように、ユーザは、動作パラメータ表示画像51に含まれるボタンに触れることで、設定開始指示を入力する(つまり、設定開始操作を行う)ことができる。なお、設定開始指示を入力するためのボタンは、推移画像52にも含まれていてもよい。設定開始指示が第一操作部に入力されていなければ(S4:NO)、処理はそのままS10の判断へ移行する。
【0029】
設定開始指示が第一操作部に入力されると(S4:YES)、CPU31は、第一表示部11Aに設定画像53を表示させる(S5)。
図7に示すように、設定画像53は、ユーザが動作パラメータの設定指示を入力するための画像である。つまり、設定画像53には、動作パラメータを設定する際に必要な表示(例えば、入力ボタン、現在の設定値、設定される候補となる値等)が含まれる。本実施形態の設定画像53は、表示されていた動作パラメータ表示画像51または推移画像52に重畳表示(いわゆるポップアップ表示)される。ただし、CPU31は、表示されていた画像を消去して推移画像52を表示させてもよい。本実施形態では、第一表示部11Aに設定画像53が表示されている間、第二表示部11Bには設定画像53は表示されない。従って、ユーザは、第一表示部11Aおよび第一タッチパネル12Aによって動作パラメータが設定されている間でも、その時点で設定されている動作パラメータを第二表示部11Bによって容易に把握することができる。
【0030】
動作パラメータの設定が完了したか否かが判断される(S6)。設定が完了するまで(S6:NO)、S6の判断が繰り返される。設定が完了すると(S6:YES)、CPU31は、第一表示部11Aに表示させていた設定画像53を消去する(S7)。設定された動作パラメータを、第一表示部11Aおよび第二表示部11Bの各々に表示させる(S8)。つまり、CPU31は、動作パラメータ表示画像51または推移画像52上で表示されている表示パラメータを、新たに設定された最新の動作パラメータに更新する。処理はS10の判断へ移行する。
【0031】
次いで、CPU31は、動作パラメータの設定開始指示が第二操作部(本実施形態では第二タッチパネル12B)に入力されたか否かを判断する(S10)。設定開始指示が第二タッチパネル12Bに入力されていなければ(S10:NO)、処理はS1の判断へ戻る。設定開始指示が第二タッチパネル12Bに入力されると(S10:YES)、CPU31は、第二表示部11Bに設定画像を表示させる(S11)。本実施形態では、第二表示部11Bに設定画像53が表示されている間、第一表示部11Aには設定画像53は表示されない。設定が完了すると(S12:YES)、CPU31は、第二表示部11Bに表示させていた設定画像53を消去する(S13)。設定された動作パラメータを、第一表示部11Aおよび第二表示部11Bの各々に表示させる(S14)。処理はS1の判断へ戻る。
【0032】
以上説明したように、本実施形態の医療装置1は、少なくとも2つの表示部(第一表示部11Aおよび第二表示部11B)と、第一タッチパネル12Aとを備える。第一タッチパネル12Aは、第一表示部11Aに対応して設けられている。医療装置1は、第一タッチパネル12Aが操作されることで設定された動作パラメータを、第一表示部11Aおよび第二表示部11Bに共に表示させる。従って、
図2に例示するように、補助者55が第一表示部11Aに向かい合いながら動作パラメータを設定している間でも、術者56は、補助者55によって設定された動作パラメータを第二表示部11Bによって確認することができる。よって、本実施形態の医療装置1は、動作パラメータの設定および確認を適切にユーザに行わせることができる。
【0033】
本実施形態の医療装置1では、第一タッチパネル12Aに対して設定開始操作が行われると、第一タッチパネル12Aに対応して設けられた第一表示部11Aに設定画像53が表示される。従って、ユーザは設定画像53を見ながら適切に動作パラメータを設定することができる。詳細には、本実施形態では、第一タッチパネル12Aが操作されると第一表示部11Aに設定画像53が表示されるが、第二表示部11Bには設定画像53が表示されない。従って、例えば、補助者55が第一表示部11Aの設定画像53を見ながら動作パラメータを設定している間でも、第二表示部11Bに表示される情報が設定画像53によって隠れることが無い。よって、本実施形態の医療装置1は、より適切に動作パラメータの設定および確認をユーザに行わせることができる。
【0034】
本実施形態の医療装置1は、第一表示部11Aおよび第二表示部11Bの各々に対応する少なくとも2つの操作部(第一タッチパネル12Aおよび第二タッチパネル12B)を備える。従って、ユーザは、第一表示部11Aおよび第二表示部11Bのいずれを見ながらでも動作パラメータを設定することができる。例えば、補助者55が第一表示部11Aを見ながら設定を行い、且つ、術者56が第二表示部11Bを見ながら設定を行うことも可能である。さらに、設定操作を行っていないユーザは、他方の表示部を用いて容易に設定内容を確認できる。
【0035】
本実施形態の医療装置1では、第一操作部11Aおよび第二操作部11Bのいずれが操作される場合でも、操作されている操作部に対応する表示部に設定画像53が表示される。従って、ユーザは、いずれの操作部11A,11Bを操作する場合でも、設定画像53を見ながら適切に動作パラメータを設定することができる。さらに、本実施形態では、操作されていない操作部に対応する表示部には設定画像53が表示されない。従って、ユーザは、より適切に動作パラメータの設定および確認を行うことができる。
【0036】
本実施形態の医療装置1は、動作の推移を示す推移画像52を、第一表示部11Aおよび第二表示部11Bの少なくともいずれかに表示させることができる。従って、ユーザは手術等の推移を容易に把握することができる。医療装置1は、例えば、一方の表示部に推移画像52を表示させつつ、他方の表示部を用いてユーザに動作パラメータの設定を行わせることも可能である。
【0037】
本実施形態の医療装置1では、第一表示部11Aの表示面が向く方向と、第二表示部11Bの表示面が向く方向とが異なる。従って、あるユーザが一方の表示部を見ながら動作パラメータを設定している間でも、他のユーザは他方の表示部の表示内容を容易に確認することができる。
【0038】
本実施形態の医療装置1は、第一表示部11Aおよび第二表示部11Bを支持部13によって可動可能に支持する。従って、ユーザは、第一表示部11Aおよび第二表示部11Bの向きを所望の向きに調整した状態で手術等を行うことができる。よって、ユーザは、より適切な向きで動作パラメータの設定および確認を行うことができる。
【0039】
上記実施形態で開示された技術は一例に過ぎない。従って、上記実施形態で開示された内容を変更することも可能である。例えば、上記実施形態で例示された技術の少なくとも一部を他の医療装置に適用することも可能である。例えば、先端から測定光が照射されるプローブを備え、生体の内部の画像(例えば、組織の断層画像等)を撮影することが可能な医療装置にも、上記実施形態で例示した技術の一部を適用できる。この場合、複数の表示部のうちの少なくともいずれかは、術者の頭部に装着されるヘッドマウントディスプレイ等であってもよい。この場合、例えば、補助者が動作パラメータを設定した場合でも、術者は、設定された動作パラメータをヘッドマウントディスプレイ等によって容易に確認することができる。また、前述したように、上記実施形態で例示された技術の少なくとも一部を、患者眼以外の手術を行う手術装置に適用することも可能である。手術を行わずに測定または診断等を行う医療装置に、上記実施形態で例示された技術の少なくとも一部を適用してもよい。また、医療装置1の構成を変更してもよい。例えば、医療装置1は、電動ポール5を上下させて灌流圧を変化させる代わりに、灌流圧を発生させる駆動源によって灌流圧を変化させてもよい。
【0040】
上記実施形態の医療装置1は2つの表示部11A,11Bを備える。しかし、上記実施形態で例示された技術は、3つ以上の表示部を備えた医療装置にも適用できる。また、上記実施形態では、動作パラメータの設定操作を受け付ける操作部としてタッチパネル12A,12Bが用いられている。しかし、タッチパネルの代わりに、またはタッチパネルと共に、別の操作部が用いられていても良い。例えば、第一表示部11Aの近傍に設けられたボタンまたはスイッチ等が、第一表示部11Aに対応する第一操作部として用いられてもよい。マウス、ジョイスティック等が第一操作部および第二操作部として用いられてもよい。
【0041】
上記実施形態では、操作されていない操作部に対応する表示部には設定画像53が表示されない。従って、ユーザは、より適切に動作パラメータの設定および確認を行うことができる。しかし、操作されていない操作部に対応する表示部にも設定画像53が表示されてもよい。この場合、例えば、補助者が動作パラメータを設定する過程を、術者は正確に把握することができる。また、医療装置は、操作されている操作部に対応する表示部に表示させる設定画像53と、操作されていない操作部に対応する表示部に表示させる設定画像53とを異なる態様で表示させてもよい。例えば、医療装置は、操作されている操作部に対応する表示部に設定画像53をポップアップ表示させつつ、操作されていない操作部に対応する表示部にポップアップ画像でない設定画像53を表示させてもよい。この場合でも、術者は設定値を容易に確認することができる。
【0042】
上記実施形態では、ユーザは、第一表示部11Aおよび第二表示部11Bのいずれを見ながらでも動作パラメータを設定することができる。しかし、医療装置1は、第一表示部11Aに対応する第一操作部でのみ動作パラメータの設定操作を受け付けることも可能である。この場合でも、例えば術者56は、第一表示部11Aおよび第一操作部によって動作パラメータが設定されている間に、第二表示部11Bによって動作パラメータを確認することができる。なお、この場合、第二表示部11Bに対応する第二操作部を省略してもよい。
【0043】
支持部13(
図1および
図2参照)の構成は適宜変更できる。例えば、第一表示部11Aを支持する支持部と、第二表示部11Bを支持する支持部とが別体であってもよい。また、回転可能な支持部13の代わりに、フレキシブルに可動可能なアーム等によって第一表示部11Aおよび第二表示部11Bが支持されてもよい。また、支持部13が2つの表示部11A,11Bの少なくとも一方を回転可能に支持する場合、支持部13の回転軸は、鉛直方向でなく、水平方向、または斜め方向に延びていてもよい。支持部13は、支持部11A,11Bの下部でなく、側部または上部等に接続してもよい。
【0044】
上記実施形態の支持部13は、2つの表示部11A,11Bの少なくとも一方(本実施形態では両方)を可動可能に支持する。従って、ユーザは、表示部11A,11Bの向きを所望の向きに調整した状態で手術を行うことができる。しかし、医療装置1は、可動できない状態で2つの表示部11A,11Bを固定してもよい。この場合、例えば、医療装置1本体の正面、右側面、左側面、背面、上面のうちの2つの面の各々に、第一表示部11Aを支持する支持部と、第二表示部11Bを支持する支持部とを設けることもできる。この場合でも、第一表示部11Aの表示面の向きと、第二表示部11Bの表示面の向きとが異なる。よって、ユーザは容易に動作パラメータの設定および確認を行うことができる。