特許第6465467号(P6465467)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6465467
(24)【登録日】2019年1月18日
(45)【発行日】2019年2月6日
(54)【発明の名称】薄膜型インダクター
(51)【国際特許分類】
   H01F 17/00 20060101AFI20190128BHJP
   H01F 27/29 20060101ALI20190128BHJP
【FI】
   H01F17/00 B
   H01F27/29 123
【請求項の数】16
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-225002(P2017-225002)
(22)【出願日】2017年11月22日
(65)【公開番号】特開2019-16767(P2019-16767A)
(43)【公開日】2019年1月31日
【審査請求日】2017年11月22日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0085286
(32)【優先日】2017年7月5日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ユン、チャン
(72)【発明者】
【氏名】シム、ウォン チョル
(72)【発明者】
【氏名】リー、ドン ファン
(72)【発明者】
【氏名】アン、ヨウン ギュ
【審査官】 竹下 翔平
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2016/039518(WO,A1)
【文献】 特開2015−220452(JP,A)
【文献】 特開2014−080674(JP,A)
【文献】 特開2017−103355(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0333404(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 17/00−21/12
27/00
27/02
27/06
27/08
27/23
27/26
27/28−27/29
27/30
27/32
27/36
27/42
38/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイルを封止する磁性物質を含む本体と、
前記本体の外部面上に配置される第1及び第2外部電極と、を含む薄膜型インダクターであって、
前記コイルは、コイル本体と、前記外部電極と前記コイル本体を互いに連結するビア部と、を含み、
前記ビア部は、前記第1外部電極と直接連結されており、
前記コイル本体は、下部のベース導体層と、上部のめっき層と、で構成され、
前記ビア部は、前記ベース導体層及び前記第1外部電極と直接連結される、薄膜型インダクター。
【請求項2】
前記本体は、ビア部が延びる方向に沿って互いに向かい合う上面及び下面を有し、
前記第1及び第2外部電極は、前記下面に互いに離隔するように配置される、請求項1に記載の薄膜型インダクター。
【請求項3】
前記第1及び第2外部電極は、本体の下面からそれに隣接した本体の端面に延びる、請求項2に記載の薄膜型インダクター。
【請求項4】
前記コイルは絶縁層により囲まれており、前記絶縁層は、前記コイルと前記磁性物質とを絶縁させる、請求項1から3のいずれか一項に記載の薄膜型インダクター。
【請求項5】
前記ビア部は、少なくとも1つのビアホールと、前記ビアホールを充填するビア電極と、を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の薄膜型インダクター。
【請求項6】
前記コイル本体は複数のコイルパターンを含み、前記複数のコイルパターンのうち最内側コイルパターンは、ベース導体層を介して前記ビア部と直接連結される、請求項1から5のいずれか一項に記載の薄膜型インダクター。
【請求項7】
前記コイル本体の下部の少なくとも一部には絶縁材が残存する、請求項1から6のいずれか一項に記載の薄膜型インダクター。
【請求項8】
前記絶縁材の最大厚さが30μm以下である、請求項7に記載の薄膜型インダクター。
【請求項9】
前記絶縁材において、前記第1及び第2外部電極と互いに向かい合う絶縁材の下面の表面粗さ(Ra_lower)は、前記絶縁材の下面と向かい合う上面の表面粗さ(Ra_upper)より大きい、請求項7または8に記載の薄膜型インダクター。
【請求項10】
前記コイル本体は複数のコイルパターンを含み、前記複数のコイルパターンのうち最外側コイルパターンは、前記コイルの引き出し部を介して前記第2外部電極と直接連結される、請求項1から9のいずれか一項に記載の薄膜型インダクター。
【請求項11】
前記引き出し部は、前記ビア部と互いに直角を成し、前記本体の外部面に露出する、請求項10に記載の薄膜型インダクター。
【請求項12】
前記めっき層は異方性めっき層を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の薄膜型インダクター。
【請求項13】
前記めっき層のコイルの成長方向は、前記ビア部が延びる方向と一致する、請求項1から12のいずれか一項に記載の薄膜型インダクター。
【請求項14】
前記第1及び第2外部電極はL字状の電極である、請求項1から13のいずれか一項に記載の薄膜型インダクター。
【請求項15】
前記コイルの上面は、上側に向かって凸の曲線状である、請求項1から14のいずれか一項に記載の薄膜型インダクター。
【請求項16】
チップの形態で構成され、前記チップの全厚さが200μm以上300μm以下である、請求項1に記載の薄膜型インダクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜型インダクターに関し、特に、高容量のパワーインダクターに関する。
【背景技術】
【0002】
インダクターは、抵抗、キャパシターとともに電子回路を成し、ノイズを除去する代表的な受動素子であって、電磁気的特性を用いて、キャパシターと組み合わせて特定周波数帯の信号を増幅させる共振回路、フィルター回路などの構成に用いられる。
【0003】
近年、電子製品、特に、スマートフォンの進化に伴い、高電流化、高効率化及び高性能化した小型サイズの薄型化パワーインダクターの需要が増加しており、1005(幅x長さ:1.0mmx0.5mm)、0.5T(厚さ0.5mm)程度のサイズを有するロープロファイル(Low Profile)のパワーインダクターの需要が益々増大する傾向にある。
【0004】
薄膜型パワーインダクターの形成工程は、基板工程と後工程に分けられる。先ず、約60μmの厚さのCCL(Copper Clad Lamination)基板上にドライフィルムを露光/現像した後、めっき工程を行う。その後、レーザー加工によりコイルの内部に貫通孔を形成し、絶縁材を塗布した後、基板構造をシート状の金属−樹脂複合体を用いて加圧及び積層して充填する。そして、ダイシング、グラインディング、外部電極形成工程を経て完成チップを製作する。このように、薄膜型パワーインダクターは、基板の上面及び下面にコイルがそれぞれ形成されるため、基板、上部及び下部のコイルの厚さだけでも、相当な厚さが要求される。そのため、ロープロファイルの薄膜型インダクターの実現に限界がある状況である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開1999−204337号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする様々な課題の一つは、小型化したパワーインダクター、特に、チップの厚さを著しく減少させることで、ロープロファイルの薄膜型インダクターを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態による薄膜型インダクターによると、上記薄膜型インダクターは、磁性物質で充填された本体と、上記本体の外部面上に配置される第1及び第2外部電極と、を含む。上記本体は、磁性物質と、上記磁性物質により封止されたコイルと、を含み、上記コイルと上記第1外部電極は上記コイルのビア部を介して互いに直接連結される。また、上記コイルは、薄膜型インダクター内に含まれるものであるため、シードパターンとして機能する下部のベース導体層と、上記ベース導体層上に成長された上部のめっき層と、で構成される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の様々な効果の一効果として、チップの厚さを著しく減少させ、0.2T(厚さ0.2mm)程度のパワーインダクターを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一例による薄膜型インダクターの概略的な斜視図である。
図2図1のI‐I'線に沿って切断した概略的な断面図である。
図3図2の一変形例による薄膜型インダクターの概略的な断面図である。
図4図2の他の変形例による薄膜型インダクターの概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)がされることがある。
【0011】
以下では、本発明の一例による薄膜型インダクターを説明するが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0012】
図1は本発明の一例による薄膜型インダクターの概略的な斜視図であり、図2図1のI‐I'線に沿って切断した断面図である。
【0013】
図1及び図2を参照すると、薄膜型インダクター100は、本体1と、上記本体の外部面上に離隔して配置される第1及び第2外部電極21、22と、を含む。
【0014】
上記本体1は、チップの形態で構成された薄膜型インダクターの外観を成すものであって、厚さ(T)方向に互いに向かい合う上面及び下面、長さ(L)方向に互いに向かい合う第1端面及び第2端面、幅(W)方向に互いに向かい合う第1側面及び第2側面を含み、実質的に六面体形状を有することができるが、これに制限されない。
【0015】
上記本体1は磁性物質11を含み、例えば、フェライトまたは金属系軟磁性材料が充填されて形成されることができる。上記フェライトとしては、Mn‐Zn系フェライト、Ni‐Zn系フェライト、Ni‐Zn‐Cu系フェライト、Mn‐Mg系フェライト、Ba系フェライトまたはLi系フェライトなどの公知のフェライトを含むことができる。上記金属系軟磁性材料としては、Fe、Si、Cr、Al、及びNiからなる群から選択される何れか1つ以上を含む合金が挙げられ、例えば、Fe‐Si‐B‐Cr系非晶質金属粒子を含むことができるが、これに制限されるものではない。上記金属系軟磁性材料の粒径は0.1μm以上20μm以下であることができ、エポキシ樹脂またはポリイミドなどの高分子に分散された形態で含まれることができる。
【0016】
上記本体1内には、磁性物質により封止されるコイル12が含まれ、上記コイル12は、コイル本体121と、上記コイル本体から延びるビア部122と、を含む。
【0017】
上記コイル本体は、薄膜型インダクター内に含まれるコイルの構成であるため、シードパターンとして機能するベース導体層121aと、上記ベース導体層上に形成されるめっき層121bと、で構成される。上記めっき層は、上記ベース導体層をシードとして異方性めっき及び等方性めっきの何れか1つ以上により形成される。図2では、上記めっき層121bが異方性めっきにより実現されるめっき層であると例示したが、これに制限されるものではなく、当業者の必要や製造条件に応じて、等方性めっきを先に行った後、異方性めっきを行ってもよく、2回以上の異方性めっきを行ってもよいなど、めっき層を実現する順序及び方法は制限されない。上記めっき層121bは、電気伝導性に優れた金属を含んで形成されることができ、例えば、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、金(Au)、銅(Cu)、白金(Pt)、またはこれらの合金などで形成されることができる。その具体的な形成方法は制限されないが、例えば、電解めっきにより形成されることができる。
【0018】
次に、上記ベース導体層121aも、電気伝導性に優れた金属を含んで形成されることができ、その形成方法としても、電解めっき、無電解めっき、及びスパッタリングなどを採択することができる。上記ベース導体層121aは、製造工程中に除去される支持部材上に形成されるため、ベース導体層の下面は、支持部材の上面の平面度と実質的に同一程度に平らである。
【0019】
コイル12は、複数のコイルパターン12a、12b、12c、12d・・・を含み、上記複数のコイルパターンは、互いに連結されて全体的に渦巻き状のコイルを成す。この際、複数のコイルパターンのうち、貫通孔Hに最も近い最内側コイルパターン12aはビア部122と連結されることで、コイルと外部電極を互いに連結させる。上記ビア部122は、製造工程中にコイルのベース導体層と同時に形成されることが好ましいため、上記ビア部を構成する材質と上記コイルのベース導体層を構成する材質は実質的に同一である。また、構造においても、上記最内側コイルパターン12aのベース導体層121aと上記ビア部は、互いに境界面が区別されず連続的に構成される。
【0020】
上記ビア部122は、本体の下面に対して実質的に垂直に配置される。上記本体の下面上には第1及び第2外部電極21、22が互いに離隔するように配置されるが、上記ビア部122は上記第1外部電極21と直接連結される。上記ビア部の断面の形状は、示されたように、直四角形であってもよく、下側に向かって次第に細くなるテーパ状または上側に向かって次第に細くなる逆テーパ状であってもよい。
【0021】
また、上記ビア部122は、実質的に少なくとも1つのビアホール122aと、上記ビアホールを充填するビア電極122bと、で構成され、上記ビアホールを形成する時に決定される断面の形状に応じてビア部の断面が決定される。上記ビア部122は、複数のビアホールと、それを充填するビア電極と、を含むことができるため、コイルと外部電極を互いに連結する時に発生するビアショートによる信頼性の低下を改善することができる。
【0022】
上記ビア部122と同一の平面上には磁性物質11が充填される。通常、ビア部を形成する時には、支持部材を貫通するビアホールを形成した後、上記ビアホールの内部を伝導性物質で充填するため、ビア部と同一の平面には支持部材が配置されることが一般的である。ところが、図2に示された薄膜型インダクター100のビア部122の周辺には磁性物質11が充填されるため、通常の支持部材が占める体積の分だけ、磁性物質をさらに充填することができる。その結果、薄膜型インダクターの高インダクタンスの実現に有利となる。
【0023】
第1外部電極21がコイルのビア部を介してコイルと直接連結されるのとは異なって、第2外部電極22はコイルのコイル本体を介してコイルと直接連結される。上記コイル内の複数のコイルパターンのうち、最外側コイルパターン12dと第2外部電極22が互いに直接連結される。上記複数のコイルパターンのうち第2外部電極の近くに配置される最外側コイルパターン12dは、コイルの引き出し部として機能するものである。ここで、コイルの引き出し部とは、コイル本体を本体の外部面に露出させることで、外部電極と電気的に導通されるようにする構成である。
【0024】
一方、図2では、貫通孔Hを中心として、第1端面側に配置される複数のコイルパターン12a、12b、12c、12d・・・と、第2端面側に配置される複数のコイルパターン12a、12b、12c、12d・・・のうち引き出し部を除いたコイルパターンのそれぞれの幅(w)が、実質的に同一であるように示された。但し、当業者であれば、製造条件や要求する特性値を考慮して複数のコイルパターンのそれぞれの幅や厚さなどを差別化することができ、例えば、貫通孔を中心として、第1端面側に配置される複数のコイルパターンの幅を、第2端面側に配置される複数のコイルパターンの幅に比べてより狭くすることもできる(不図示)。
【0025】
次に、第1及び第2外部電極21、22を説明すると、上記第1及び第2外部電極は全体的にアルファベットのL字状を有することができる。これは、第1外部電極は本体の下面に露出するビア部を介してコイルと連結され、第2外部電極は本体の第2端面に露出する引き出し部を介してコイルと連結されるため、第1外部電極の少なくとも一部は本体の下面に配置されるべきであり、第2外部電極の少なくとも一部は本体の第2端面に配置されるべきであることを考慮して導出された構造である。第1及び第2外部電極が本体の外部面上に対称的に構成されるようにするために、第1及び第2外部電極が、本体の下面の少なくとも一部からそれぞれ本体の第1端面の少なくとも一部及び第2端面の少なくとも一部に延びるようにする。但し、外部電極の形状がL字状に制限されるものではなく、アルファベットのC字状であってもよく、第1外部電極は下面にのみ配置されるようにし、且つ第2外部電極は第2端面にのみ配置されるようにしてもよいことは言うまでもない。
【0026】
次に、図3は、図1及び図2の薄膜型インダクター100の一変形例による薄膜型インダクター200の概略的な断面図である。説明の便宜のために、図1及び図2の薄膜型インダクターと重複される説明は省略し、重複される構成には同一の図面符号を用いる。
【0027】
図3を参照すると、コイル12の下面、すなわち、ビア部と同一の平面の少なくとも一部には絶縁材3が配置される。上記絶縁材3は、製造工程の一段階中にコイルを形成した後、支持部材を除去する工程で支持部材が完全に除去されずに残存するようにしたものである。上記絶縁材3は、図3に例示されたように、コイルの下面に連続的に構成されることができ、コイルの下面の一部領域では不連続的に構成されることもできる。
【0028】
上記絶縁材3が連続的に構成されるか不連続的に構成されるかに関係なく、上記絶縁材3の最大厚さは30μm以下であることが好ましい。上記絶縁材の最大厚さが30μmを超える場合、ロープロファイルのチップ構造を実現する条件で、コイルのアスペクト比(AR、Aspect Ratio)及び高容量を実現する上で限界が発生する。
【0029】
上記絶縁材3は、支持部材を除去する工程を経た後に残存する領域であるため、絶縁材3の上面3a及び下面3bの表面粗さ(Ra)が互いに異なり得る。上面の表面粗さ(Ra_upper)が下面の表面粗さ(Ra_lower)に比べて小さくて、平面で構成されることができるのに対し、下面の表面粗さ(Ra_lower)は、レーザーまたは湿式エッチング(wet etching)を行うことで形成される一部の凹凸などによって、上面の表面粗さ(Ra_upper)に比べて全体的に大きい表面粗さを有することができる。よって、上記下面の表面粗さが相対的に大きいため、磁性物質が充填される時には、磁性物質とコイルとの間のより安定した封止が可能である。
【0030】
一方、図1及び図2に示された薄膜型インダクター100及び図3に示された薄膜型インダクター200はチップ部品で構成されるが、全体的なチップ部品の厚さ(T1、T2)は200μm〜300μmであることが好ましい。これは、全体的なチップ部品の厚さが著しく減少したロープロファイルの薄膜型インダクターであることを意味し、通常、略60μmを占める基板の相当部分を除去し、除去された余裕空間内に磁性物質をさらに充填することができ、コイルの厚さをさらに確保することができるため可能な構造である。
【0031】
次に、図4は、図1及び図2の薄膜型インダクターと比較して、めっき層の形状が異なる薄膜型インダクター300の概略的な断面図である。説明の便宜のために、図1及び図2の薄膜型インダクターと重複される説明は省略し、重複される構成には同一の図面符号を用いる。
【0032】
図4を参照すると、コイルのめっき層321bの上面は曲線状で構成される。これは、めっき層を形成する時にめっき速度及びめっき液の種類を適宜選択することで構成することができる。コイルのめっき層321bはベース導体層121aの上面に配置され、具体的には、等方性めっき層321b1と、その上に構成される異方性めっき層321b2と、で構成される。この際、上記コイルのめっき層と磁性物質11とが互いに絶縁されるようにする追加の絶縁層3が配置されることができ、上記絶縁層は、上記めっき層の表面の形状に応じて所定の厚さで構成される。具体的な厚さは限定されず、コイルと磁性物質とを絶縁させることができる程度であれば十分であり、チップの全厚さなどを考慮して10μm以下に構成されることが好ましい。
【0033】
上述の薄膜型インダクター100、200、300は、コイルの一端部(ビア部)が本体の下面の第1外部電極と連結されるようにし、他端部(引き出し部)が本体の第2端面の第2外部電極と連結されるようにする構造を有することで、チップの厚さを著しく減少させることができるとともに、高容量及び高電流特性を両方とも満たすことができる。
【0034】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【符号の説明】
【0035】
100、200、300 薄膜型インダクター
1 本体
21、22 第1及び第2外部電極
11 磁性物質
12 コイル
3 絶縁層
図1
図2
図3
図4