特許第6465473号(P6465473)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6465473
(24)【登録日】2019年1月18日
(45)【発行日】2019年2月6日
(54)【発明の名称】クリーナ装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20190128BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20190128BHJP
   G03G 15/16 20060101ALI20190128BHJP
【FI】
   G03G21/00 318
   G03G21/00
   G03G15/00 550
   G03G15/16
【請求項の数】14
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-191112(P2014-191112)
(22)【出願日】2014年9月19日
(65)【公開番号】特開2015-132806(P2015-132806A)
(43)【公開日】2015年7月23日
【審査請求日】2017年9月4日
(31)【優先権主張番号】特願2013-256130(P2013-256130)
(32)【優先日】2013年12月11日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316018166
【氏名又は名称】エイチピー プリンティング コリア カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100082946
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 昭広
(74)【代理人】
【識別番号】100121061
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 清春
(74)【代理人】
【識別番号】100195693
【弁理士】
【氏名又は名称】細井 玲
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100148596
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 和弘
(74)【代理人】
【識別番号】100130052
【弁理士】
【氏名又は名称】大阪 弘一
(72)【発明者】
【氏名】森 忠男
【審査官】 岡▲崎▼ 輝雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−157992(JP,A)
【文献】 特開2009−098254(JP,A)
【文献】 特開2007−248646(JP,A)
【文献】 特開2009−237140(JP,A)
【文献】 特開2008−090185(JP,A)
【文献】 特開2006−030417(JP,A)
【文献】 特開2012−194390(JP,A)
【文献】 特開2007−171395(JP,A)
【文献】 特開2009−251431(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0188286(US,A1)
【文献】 特開昭61−103177(JP,A)
【文献】 特開2001−194882(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
G03G 15/00
G03G 15/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端部が上方に向けられたブレード部を備え、前記ブレード部の先端部を被掃除部材に当接させて前記被掃除部材上の粉体を除去するクリーナ装置であって、
前記ブレード部によって前記被掃除部材から掻き落とされた前記粉体を貯留する貯留部と、
前記ブレード部よりも前記貯留部側に配置され、前記貯留部へ向かう前記粉体を塞き止める規制部、及び、前記規制部によって塞き止められた前記粉体の前記貯留部への排出及び排出の停止を制御可能な排出制御部を有する塞き止め部材とを備え、
前記規制部には、前記粉体が通過可能な開口部が設けられ、及び前記排出制御部は、前記規制部の開口部を開閉する開閉部材であり、
前記ブレード部における前記被掃除部材に当接する部位を当接部とし、
前記開口部は、前記当接部が延在する方向に沿って設けられた複数の孔によって構成され、
互いに隣接する一方の前記孔の一部と他方の前記孔の一部とは、前記当接部が延在する方向及び前記一方の孔の軸線方向のそれぞれの方向に直交する方向に沿って見たときに、前記当接部が延在する方向において互いにオーバーラップしており、
前記開口部が、前記ブレード部の先端部と水平方向において対向する位置に設けられ、前記開閉部材の上部が前記規制部に固定され、及び該開閉部材が、前記粉体を前記貯留部へ排出する際に撓むことによって前記貯留部側に開き、前記規制部によって塞き止められることにより前記開口部の上側の縁部を越える位置まで溜められた前記粉体が前記開閉部材を付勢する力が、前記開閉部材を撓ませて開かせる際に必要な力よりも大きい、
クリーナ装置。
【請求項2】
前記開閉部材は、樹脂製の材料によって構成されている、請求項に記載のクリーナ装置。
【請求項3】
前記ブレード部の先端部に対して前記被掃除部材が移動する方向に直交する方向において、前記開閉部材のヤング率は、前記ブレード部によって掻き落とされる前記粉体の量が多い個所は掻き落とされる前記粉体の量が少ない個所に対してヤング率が低くなるように設定されている、請求項1又は請求項2に記載のクリーナ装置。
【請求項4】
前記規制部は、アルミニウム又はステンレスによって構成されている、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のクリーナ装置。
【請求項5】
前記開口部は、前記ブレード部と前記被掃除部材との当接範囲の全域にわたって設けられた1以上の孔によって構成されている、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のクリーナ装置。
【請求項6】
前記当接部が延在する方向において、前記開口部の形状は、前記ブレード部によって掻き落とされる前記粉体の量が多い個所は掻き落とされる前記粉体の量が少ない個所に対して排出される粉体が多くなる形状に形成されている、請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のクリーナ装置。
【請求項7】
前記塞き止め部材を収容するハウジングを更に備え、
前記ブレード部はブレード板金に取り付けられ、
前記ブレード板金は前記ハウジングに固定され、
前記貯留部は前記ハウジングの下部に設けられ、
前記塞き止め部材の固定は、前記塞き止め部材の下部を前記ブレード板金に固定する、前記塞き止め部材の上部を前記ハウジングに固定する、及び、前記塞き止め部材の下部を前記ブレード板金に固定すると共に前記塞き止め部材の上部を前記ハウジングに固定する、うちのいずれかによって行われている、請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のクリーナ装置。
【請求項8】
前記規制部は、前記ブレード部が取り付けられるブレード板金である、請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のクリーナ装置。
【請求項9】
前記塞き止め部材を収容するハウジングを更に備え、
前記貯留部は前記ハウジングの下部に設けられ、
前記規制部の固定は、前記規制部の下部を前記ハウジングに固定する、又は、前記規制部の上部及び下部を前記ハウジングに固定することによって行われている、請求項に記載のクリーナ装置。
【請求項10】
前記規制部は、前記ブレード部が取り付けられたブレード板金に固定されると共に前記ブレード板金を補強する補強板金である、請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のクリーナ装置。
【請求項11】
前記塞き止め部材を収容するハウジングを更に備え、
前記貯留部は前記ハウジングの下部に設けられ、
前記規制部の固定は、前記ブレード板金の下部を前記ハウジングに固定する、又は、前記規制部の上部及び前記ブレード板金の下部を前記ハウジングに固定することによって行われている、請求項10に記載のクリーナ装置。
【請求項12】
前記規制部は、前記開口部が設けられた部位と前記ブレード部との距離が離れるように屈曲させられた屈曲部を有している、請求項8ないし請求項11のいずれか一項に記載のクリーナ装置。
【請求項13】
回転軸を中心に回転するローラを更に備え、
前記被掃除部材は、ベルトであり、
前記ローラは、前記ベルトの延在方向に沿って前記ベルトが移動するように前記ベルトを支持し、
前記ブレード部の先端部は、前記ベルトにおける前記ローラによって支持される支持面に対して反対側の被掃除面に摺動可能に当接し、
更に、前記ブレード部の先端部は、前記ローラの回転軸の方向に沿って見たときに、前記ローラの前記回転軸を通る水平線と前記ローラの前記回転軸を通る鉛直線とによって区画される4つの領域のうち、前記水平線よりも下側の領域、且つ、前記被掃除面が上側から下側に向かって移動する領域に位置する、請求項1ないし請求項12のいずれか一項に記載のクリーナ装置。
【請求項14】
前記被掃除部材は、回転軸を中心に回転するローラであり、
前記ブレード部の先端部は、前記ローラの外周面に摺動可能に当接し、
更に、前記ブレード部の先端部は、前記ローラの回転軸の方向に沿って見たときに、前記ローラの前記回転軸を通る水平線と前記ローラの前記回転軸を通る鉛直線とによって区画される4つの領域のうち、前記水平線よりも下側の領域、且つ、前記外周面が上側から下側に向かって移動する領域に位置する、請求項1ないし請求項12のいずれか一項に記載のクリーナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被掃除部材上の粉体を除去するクリーナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置は、まず、感光体ドラム或は転写ベルト上にトナー像を形成する。そして、画像形成装置は、形成されたトナー像を記録媒体上に転写及び定着させている。このような画像形成装置においては、感光体ドラム及び転写ベルト等の各種の部材上に余分なトナーが残存することがある。このため、画像形成装置は、トナーの除去対象となる被掃除部材からトナーを除去するクリーナブレードを備えている。クリーナブレードの先端部は、回転等する被掃除部材の表面に当接している。これにより、クリーナブレードは、被掃除部材上のトナーを掻き落として除去する。
【0003】
ここで、クリーナブレードと被掃除部材とが当接している場合、クリーナブレードの先端部と被掃除部材との摩擦力により、クリーナブレードの先端部が被掃除部材に巻き込まれることがある。これにより、ブレードのめくれ現象、及び、異音(鳴き現象)が発生することがある。このめくれ現象及び異音の発生を抑制する構成が、例えば、特許文献1に記載されている。特許文献1には、掻き落としたトナーを塞き止めてクリーナブレードの先端部の周りにトナーを滞留させることが記載されている。そして、滞留させたトナーによって、クリーナブレードの先端部と被掃除部材との潤滑性を確保することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−171395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、塞き止められたトナーが長期保管等で放置された場合、クリーナブレードの先端部周りにトナーが固着することがある。この場合、クリーナブレード先端部の損傷等の不具合が生じることが考えられる。
【0006】
そこで、本発明は、めくれ現象及び異音の発生を好適に抑制可能なクリーナ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のクリーナ装置は、先端部が上方に向けられたブレード部を備えている。クリーナ装置は、ブレード部の先端部を被掃除部材に当接させて被掃除部材上の粉体を除去する。クリーナ装置は、貯留部と、塞き止め部材とを備えている。貯留部は、ブレード部によって被掃除部材から掻き落とされた粉体を貯留する。塞き止め部材は、規制部と、排出制御部とを備えている。規制部は、ブレード部よりも貯留部側に配置され、貯留部へ向かう粉体を塞き止める。排出制御部は、規制部によって塞き止められた粉体の貯留部への排出及び排出の停止を制御する。
【0008】
このクリーナ装置では、ブレード部によって掻き落とされた粉体が、規制部によって塞き止められる。これにより、クリーナ装置は、ブレード部の先端部の周りに粉体を滞留させることができる。また、塞き止められた粉体は、排出制御部によって、貯留部への排出及び排出の停止が制御される。これにより、規制部によって塞き止められた粉体を、被掃除部材から掻き落とされた新たな粉体と入れ替えることができる。従って、塞き止められた粉体がブレード部の先端部の周りで固まってしまうことが抑制される。このため、ブレード部のめくれ現象及び異音の発生を好適に抑制しつつ、被掃除部材上の粉体を除去することができる。
【0009】
規制部には、粉体が通過可能な開口部が設けられていてもよい。排出制御部は、規制部の開口部を開閉する開閉部材であってもよい。この場合には、開閉部材が開閉することにより、粉体の排出及び排出の停止を切り替えることができる。
【0010】
開口部は、ブレード部の先端部と水平方向において対向する位置、又はブレード部の先端部の位置よりも下側の位置に設けられていてもよい。開閉部材の上部は規制部に固定されていてもよい。開閉部材は、粉体を貯留部へ排出する際に撓むことによって貯留部側に開いてもよい。この場合には、開閉部材が貯留部側に撓むことによって、粉体が排出される。このように、開閉部材を撓ませるだけで粉体を排出することができるので、簡素な構成で粉体の排出を行うことができる。また、ブレード部の先端部と開口部とが対向していること等により、掻き落とされた粉体を適切な所望の量だけ塞き止めつつ余分な粉体を排出することができる。
【0011】
規制部によって塞き止められることにより開口部の上側の縁部を越える位置まで溜められた粉体が開閉部材を付勢する力は、開閉部材を撓ませて開かせる際に必要な力よりも大きくてもよい。この場合には、開口部の上側の縁部を越える位置まで粉体が溜められたときに、粉体が開口部を付勢する力、即ち粉体の重さによって開閉部材が開く。これにより、開閉部材を開閉させるための機構を別途設ける必要が無い。
【0012】
開閉部材は、樹脂製の材料によって構成されていてもよい。この場合には、様々な種類の樹脂製の材料から、所望の撓みを実現可能な材料を選択して開閉部材を形成することができる。
【0013】
ブレード部の先端部に対して被掃除部材が移動する方向に直交する方向において、開閉部材のヤング率は、ブレード部によって掻き落とされる粉体の量が多い個所は掻き落とされる粉体の量が少ない個所に対してヤング率が低くなるように設定されていてもよい。この場合には、掻き落とされる粉体の量に応じて排出される粉体の量を制御することができる。これにより、ブレード部の先端部に対して被掃除部材が移動する方向に直交する方向において、規制部によって塞き止められる粉体の量の均一化を図ることができる。
【0014】
規制部は、アルミニウム又はステンレスによって構成されていてもよい。この場合には、容易に開口部を形成することができるとともに、粉体を塞き止め可能な規制部を得ることができる。
【0015】
開口部は、ブレード部と被掃除部材との当接範囲の全域にわたって設けられた1以上の孔によって構成されていてもよい。例えば、規制部において、ブレード部と被掃除部材との当接範囲全域の一部分にのみ開口部が設けられている場合、開口部が設けられていない部分においては粉体を排出することができない。このため、開口部を、ブレード部と被掃除部材との当接範囲の全域にわたって設けられた1以上の孔によって構成することで、当接範囲の全域にわたって粉体を排出することができる。これにより、規制部によって塞き止められた粉体の入れ替えを好適に行うことができる。
【0016】
ブレード部における被掃除部材に当接する部位を当接部とする。開口部は、当接部が延在する方向に沿って設けられた複数の孔によって構成されている。互いに隣接する一方の孔の一部と他方の孔の一部とは、当接部が延在する方向及び一方の孔の軸線方向のそれぞれの方向に直交する方向に沿って見たときに、当接部が延在する方向において互いにオーバーラップしている。即ち、規制部には、当接部の延在方向に沿ったいずれの位置においても、孔(開口部)が形成されている。これにより、規制部は、当接部の延在方向に沿ったいずれの位置からも、開口部を介して粉体を排出できる。従って、規制部によって塞き止められた粉体の入れ替えを好適に行うことができる。
【0017】
当接部が延在する方向において、開口部の形状は、ブレード部によって掻き落とされる粉体の量が多い個所は掻き落とされる粉体の量が少ない個所に対して排出される粉体が多くなる形状に設定されていてもよい。この場合には、掻き落とされる粉体の量に応じて排出される粉体の量を制御することができる。これにより、当接部が延在する方向において、規制部によって塞き止められる粉体の量の均一化を図ることができる。
【0018】
クリーナ装置は、塞き止め部材を収容するハウジングを更に備えていてもよい。ブレード部はブレード板金に取り付けられていてもよい。ブレード板金はハウジングに固定されていてもよい。貯留部はハウジングの下部に設けられていてもよい。塞き止め部材の固定は、塞き止め部材の下部をブレード板金に固定する、塞き止め部材の上部をハウジングに固定する、及び、塞き止め部材の下部をブレード板金に固定すると共に塞き止め部材の上部をハウジングに固定する、うちのいずれかによって行われていてもよい。この場合には、ハウジング及びブレード板金の少なくともいずれかに固定された塞き止め部材によって、粉体を塞き止めることができる。
【0019】
規制部は、ブレード部が取り付けられるブレード板金であってもよい。この場合、ブレード板金を規制部としても利用することができる。これにより、部材点数の増加を抑制できる。
【0020】
クリーナ装置は、塞き止め部材を収容するハウジングを更に備えていてもよい。貯留部はハウジングの下部に設けられていてもよい。規制部の固定は、規制部の下部をハウジングに固定する、又は、規制部の上部及び下部をハウジングに固定することによって行われていてもよい。この場合には、ハウジングに固定された規制部によって、粉体を塞き止めることができる。
【0021】
規制部は、ブレード部が取り付けられたブレード板金に固定されると共にブレード板金を補強する補強板金であってもよい。この場合には、補強板金を規制部としても利用することができる。これにより、部材点数の増加を抑制できる。
【0022】
クリーナ装置は、塞き止め部材を収容するハウジングを更に備えていてもよい。貯留部はハウジングの下部に設けられていてもよい。規制部の固定は、ブレード板金の下部をハウジングに固定する、又は、規制部の上部及びブレード板金の下部をハウジングに固定することによって行われていてもよい。この場合には、ハウジングに固定された規制部によって、粉体を塞き止めることができる。
【0023】
規制部は、開口部が設けられた部位とブレード部との距離が離れるように屈曲させられた屈曲部を有していてもよい。屈曲部が設けられていることにより、規制部の開口部が設けられた部位の周囲と、ブレード部との間に隙間が形成される。この隙間に、粉体を貯留することができる。これにより、ブレード部の先端部の周りに粉体を容易に滞留させることができる。
【0024】
クリーナ装置は、回転軸を中心に回転するローラを更に備えていてもよい。被掃除部材は、ベルトであってもよい。ローラは、ベルトの延在方向に沿ってベルトが移動するようにベルトを支持してもよい。ブレード部の先端部は、ベルトにおけるローラによって支持される支持面に対して反対側の被掃除面に摺動可能に当接してもよい。更に、ブレード部の先端部は、ローラの回転軸の方向に沿って見たときに、ローラの回転軸を通る水平線とローラの回転軸を通る鉛直線とによって区画される4つの領域のうち、水平線よりも下側の領域、且つ、被掃除面が上側から下側に向かって移動する領域に位置していてもよい。この場合には、ブレード部によってベルト上の粉体を掻き落とすことができる。また、ブレード部の先端部を、上述した領域に位置させることにより、ブレード部によって掻き落とされて落下する粉体を規制部によって塞き止めることができる。
【0025】
被掃除部材は、回転軸を中心に回転するローラであってもよい。ブレード部の先端部は、ローラの外周面に摺動可能に当接していてもよい。更に、ブレード部の先端部は、ローラの回転軸の方向に沿って見たときに、ローラの回転軸を通る水平線とローラの回転軸を通る鉛直線とによって区画される4つの領域のうち、水平線よりも下側の領域、且つ、外周面が上側から下側に向かって移動する領域に位置していてもよい。この場合には、ブレード部によってローラ上の粉体を掻き落とすことができる。また、ブレード部の先端部を、上述した領域に位置させることにより、ブレード部によって掻き落とされて落下する粉体を規制部によって塞き止めることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、めくれ現象及び異音の発生を好適に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
図2図1のクリーナ部の概略構成を示す断面図である。
図3】塞き止め部材の正面図である。
図4】開閉部材を有する塞き止め部材と開閉部材を有さない塞き止め部材とにおけるトルクの変化を示すグラフである。
図5】第1変形例に係るクリーナ部の概略構成を示す断面図である。
図6】第2変形例に係るクリーナ部の概略構成を示す断面図である。
図7】(a)及び(b)は、塞き止め部材の変形例を示す図である。
図8】(a)〜(d)は、塞き止め部材の変形例を示す図である。
図9】(a)〜(d)は、塞き止め部材の変形例を示す図である。
図10図2のX−X線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明を適用した画像形成装置の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0029】
図1に示すように、画像形成装置1は、給紙部10、トナー像形成部20、感光体ドラム30、露光装置80、OPCクリーナ90、転写部40、クリーナ部(クリーナ装置)100、定着部50、及び、排紙ローラ60を含んで構成されている。給紙部10は、画像が形成される用紙(記録媒体)Pを収容している。給紙部10に収容された用紙Pは、給紙ローラ11によって搬送経路X上に送り出される。搬送経路X上に送り出された用紙Pは、搬送ローラ及び排紙ローラ60等によって、給紙部10から、感光体ドラム30と転写部40との間、及び、定着部50を介して取出部70に排紙される。
【0030】
感光体ドラム30は、周面にトナー画像が形成される静電潜像担持体である。感光体ドラム30は、例えばOPC(Organic PhotoConductor)からなる。露光装置80は、感光体ドラム30の表面を用紙Pに形成する画像に応じて露光する。トナー像形成部20は、感光体ドラム30の周面にトナー像を形成する。
【0031】
転写部40は、感光体ドラム30の周面に形成されたトナー像を用紙Pに転写する。転写部40は、転写ローラ41、上側ローラ42、下側ローラ43及び転写搬送ベルト(被掃除部材、ベルト)45を含んで構成されている。転写搬送ベルト45は、環状のベルトである。上側ローラ42及び下側ローラ43は、環状に形成された転写搬送ベルト45の内側に配置され、転写搬送ベルト45を内側から支持している。上側ローラ42及び下側ローラ43は、転写搬送ベルト45の延在方向(周方向)に沿って転写搬送ベルト45が移動するように、転写搬送ベルト45を支持している。転写ローラ41は、上側ローラ42と下側ローラ43との間、且つ、感光体ドラム30に対向する位置に配置されている。
【0032】
用紙Pは、感光体ドラム30と転写搬送ベルト45との間を通過する。感光体ドラム30に形成されたトナー像は、感光体ドラム30と転写ローラ41とが対向する位置において、用紙Pに転写される。
【0033】
クリーナ部100は、転写搬送ベルト45上に付着するトナー(紛体)を除去する。クリーナ部100の構成について、詳しくは後述する。OPCクリーナ90は、感光体ドラム30の表面にクリーナブレードを当接させることによって、感光体ドラム30の表面に残存するトナーを除去する。
【0034】
定着部50は、トナー像が転写された用紙Pに熱及び圧力を加えることによって、トナー像を用紙Pに溶融定着させる。排紙ローラ60は、定着部50を通過した用紙Pを取出部70に排紙する。
【0035】
次に、クリーナ部100の構成の詳細について説明する。図2に示すようにクリーナ部100は、クリーナブレード110、塞き止め部材120、及び、ハウジング130を含んで構成されている。ハウジング130は、クリーナブレード110及び塞き止め部材120を収容している。ハウジング130の下部には、転写搬送ベルト45上から掻き落とされたトナーTを貯留する貯留部130aが形成されている。ハウジング130における上側ローラ42と対向する位置には、開口部130bが形成されている。
【0036】
クリーナブレード110は、ブレード部111、及び、取付金具(ブレード板金)112を含んで構成されている。ブレード部111と取付金具112とは、接着剤等で固定されている。ブレード部111の下側の端部は取付金具112に固定されている。ブレード部111は、平板状の部材である。ブレード部111の幅は、転写搬送ベルト45の幅と略対応している。クリーナブレード110は、ブレード部111の先端部が上方を向き、且つ、ハウジング130の開口部130bからブレード部111の先端部分が突出するように配置されている。取付金具112は、ハウジング130における開口部130bの下側の縁部近傍の部分に取り付けられている。
【0037】
ブレード部111の上側の先端部は、転写搬送ベルト45に当接している。ブレード部111と転写搬送ベルト45との当接部分において、転写搬送ベルト45は、ブレード部111に対して上側から下側に向かって移動している。具体的には、ブレード部111の先端部は、転写搬送ベルト45の被掃除面40aに摺動可能に当接している。なお、転写部40の被掃除面40aとは、上側ローラ42によって支持される支持面40bに対して反対側の面(外周面)である。ここで、図2に示すように、上側ローラ42の回転軸Sの方向に沿って見たときに、上側ローラ42の周囲の領域を、水平線W1及び鉛直線W2によって4つに区画する。水平線W1は、上側ローラ42の回転軸Sを通る水平線である。鉛直線W2は、上側ローラ42の回転軸Sを通る鉛直線である。ブレード部111の先端部は、水平線W1及び鉛直線W2によって区画される4つの領域のうち、水平線W1よりも下側の領域、且つ、被掃除面40aが上側から下側に向かって移動する領域に位置している。転写搬送ベルト45が移動すると、転写搬送ベルト45上に付着するトナーTがブレード部111の先端部によって掻き落とされる。そして、トナーTはハウジング130の貯留部130aに向かって落下する。
【0038】
塞き止め部材120は、クリーナブレード110によって掻き落とされたトナーTが貯留部130aへ移動する移動方向において、クリーナブレード110よりも貯留部130a側に配置されている。塞き止め部材120は、規制部121、及び、開閉部材(排出制御部)122を含んで構成されている。規制部121は、クリーナブレード110によって掻き落とされて貯留部130aへ向かうトナーTを塞き止める。規制部121は平板状の部材である。規制部121の幅は、ブレード部111の幅と略対応している。規制部121は、一例として、アルミニウム又はステンレス等の材料によって構成されている。
【0039】
規制部121の下側の端部は、定荷重加圧用板金113を介してクリーナブレード110の取付金具112に固定されている。規制部121の上側の端部はハウジング130の開口部130bの上側の縁部近傍の部位に固定されている。規制部121は、下側の端部に対して上側の端部が上側ローラ42側に近づくように傾いている。図2及び図3に示すように、規制部121には、トナーTが通過可能な開口部123が設けられている。なお、図3では、規制部121に設けられた開口部123を図示するために、開閉部材122を仮想線で描いている(図5図8図9についても同様とする。)。開口部123は、ブレード部111の上側の先端部と水平方向において対向している。規制部121の開口部123は、クリーナブレード110と転写搬送ベルト45との当接範囲の全域にわたって設けられた矩形状の一つの孔によって構成されている。
【0040】
開閉部材122は、クリーナブレード110によって掻き落とされたトナーTが貯留部130aへ移動する移動方向において、規制部121の貯留部130a側の面に取り付けられている。開閉部材122は、開口部123を覆うように取り付けられている。開閉部材122は、開口部123を開閉することにより、規制部121によって塞き止められたトナーTの貯留部130aへの排出、及び、排出の停止を制御することができる。
【0041】
開閉部材122の上部は、規制部121に固定されている。開閉部材122は撓む(折れ曲がる)ことが可能な樹脂製の材料によって構成されている。開閉部材122の上部が規制部121に固定された状態で、開閉部材122の下側が規制部121から離れるように開閉部材122が撓むことにより、開口部123が開状態となる。規制部121の下部は、クリーナブレード110によって掻き落とされたトナーTが貯留部130aへ移動する移動方向において、貯留部130a側に開く。
【0042】
規制部121によって塞き止められることにより開口部123の上側の縁部を越える位置まで溜められたトナーTが開閉部材122を付勢する力は、開閉部材122を撓ませて開口部123を開かせる際に必要な力よりも大きい。即ち、規制部121によって塞き止められることにより開口部123の上側の縁部を越える位置まで溜められたトナーTが開閉部材122を付勢したときに、開閉部材122が撓んで開口部123が開状態となるように、開閉部材122が設定されている。
【0043】
以上の構成により、転写搬送ベルト45上に付着するトナーTは、ブレード部111によって掻き落とされる。掻き落とされたトナーTは、貯留部130aへ向かう途中で規制部121によって塞き止められる。規制部121によって塞き止められることにより、トナーTはブレード部111と規制部121との間の部分に滞留する。ブレード部111の先端部と開口部123とが水平方向において対向しているので、開閉部材122が閉じた状態において、ブレード部111の先端部の周りにトナーTが滞留する。これにより、滞留するトナーTによって、ブレード部111の先端部と転写搬送ベルト45との潤滑性が確保される。
【0044】
また、規制部121によって塞き止められたトナーTの上側表面は、転写搬送ベルト45側から規制部121側に向かって所定の安息角で下り方向に傾斜している。規制部121に当接するトナーTが開口部123の上側の縁部を越えると、トナーTの重さによって開閉部材122が撓んで開口部123が開状態となる。これにより、規制部121によって塞き止められたトナーTが貯留部130aに排出される。トナーTが排出されて塞き止められていたトナーTが少なくなると、開閉部材122が元の形状に戻って開口部123が封止される。これにより、トナーTの排出が停止する。
【0045】
次に、画像形成装置1によって印刷を行った場合における転写搬送ベルト45の回転に要するトルクの変化の実験結果について説明する。開閉部材122を有する塞き止め部材120の実験結果を、図4のグラフにおいて菱形印で示す。開閉部材122を有する塞き止め部材120の場合、開閉部材122が開口部123を開閉する。このため、規制部121によって塞き止められたトナーTの入れ替えが順次行われる。トナーTの入れ替えが順次行われるため、転写搬送ベルト45の回転に要するトルクは、印刷枚数が増えても一定値以上増加しなかった。
【0046】
一方、開閉部材122を有さない塞き止め部材の実験結果を、図4のグラフにおいて四角印で示す。開閉部材122を有さない塞き止め部材の場合、規制部に設けられた開口部からオーバーフローさせることのみによって、塞き止められたトナーを排出させた。この場合、印刷枚数が増加するにしたがって転写搬送ベルトを回転させるために必要なトルクも増大した。即ち、転写搬送ベルトとブレード部の先端部との摩擦が大きくなり、ブレード部のめくれ現象及び異音の発生がする可能性が高くなった。
【0047】
本実施形態は以上のように構成され、このクリーナ部100では、クリーナブレード110によって掻き落とされたトナーTが、規制部121によって塞き止められる。これにより、ブレード部111の上側の先端部の周りにトナーTを滞留させることができる。また、塞き止められたトナーTは、開閉部材122によって、貯留部130aへの排出及び排出の停止が制御される。これにより、規制部121によって塞き止められたトナーTを、転写搬送ベルト45から掻き落とされた新たなトナーTと入れ替えることができる。従って、塞き止められたトナーTがブレード部111の周りで固まってしまうことが抑制される。これにより、ブレード部111のめくれ現象及び異音の発生を好適に抑制しつつ、転写搬送ベルト45のトナーTを除去することができる。
【0048】
規制部121に、開口部123を開閉可能に覆う開閉部材122を取り付ける。これにより、開閉部材122が開閉することにより、トナーTの排出及び排出の停止を切り替えることができる。
【0049】
規制部121によって塞き止められたトナーTは、開閉部材122が貯留部130a側に撓むことによって貯留部130aに排出される。このように、開閉部材122を撓ませるだけでトナーTを排出することができるので、簡素な構成でトナーTの排出を行うことができる。また、ブレード部111の上側の先端部と開口部123とが水平方向において対向していることにより、掻き落とされたトナーTを適切な所望の量だけ塞き止めてブレード部111の先端部の周りにトナーTを滞留させながら、余分なトナーTを排出することができる。また、開口部123は、ブレード部111の先端部の位置よりも下側の位置に設けられていてもよい。この場合であっても、掻き落とされたトナーTを適切な所望の量だけ塞き止めてブレード部111の先端部の周りにトナーTを滞留させながら、余分なトナーTを排出することができる。
【0050】
規制部121に当接するトナーTが開口部123の上側の縁部を越えると、トナーTの重さによって開閉部材122が撓んで開口部123が開状態となる。これにより、開閉部材122を開閉させるための開閉機構を別途設ける必要無く、トナーTを排出することができる。
【0051】
開閉部材122は、樹脂製の材料によって構成されている。この場合、様々な種類の樹脂製の材料から、所望の撓みを実現可能な材料を選択して開閉部材122を形成することができる。
【0052】
規制部121は、アルミニウム又はステンレス等の材料によって構成されている。この場合には、容易に開口部123を形成することができるとともに、トナーTを塞き止め可能な規制部121を得ることができる。
【0053】
開口部123を、ブレード部111の先端部と転写搬送ベルト45との当接範囲の全域にわたって設けられた1つの孔によって構成した。例えば、規制部121において、ブレード部111の先端部と転写搬送ベルト45との当接範囲全域の一部分にのみ開口部が設けられている場合、開口部が設けられていない部分においてはトナーTを排出することができない。このため、開口部123を、ブレード部111の先端部と転写搬送ベルト45との当接範囲の全域にわたって設けられた1つの孔によって構成することで、当接範囲の全域にわたってトナーTを排出することができる。これにより、規制部121によって塞き止められたトナーTの入れ替えを好適に行うことができる。
【0054】
規制部121の上端部をハウジング130における開口部130bの上側の縁部の近傍に固定する。規制部121の下端部をクリーナブレード110の取付金具112に固定する。これにより、規制部121を確実に固定することができる。なお、規制部121の上下の端部をハウジング130及び取付金具112にそれぞれ固定するものとしたが、上下の端部のいずれか一方のみを固定してもよい。
【0055】
(クリーナ部の第1変形例)
次に、クリーナ部の第1変形例について説明する。図5に、第1変形例に係るクリーナ部100Aを示す。なお、クリーナ部100Aにおいて、上記実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。図5に示すようにクリーナ部100Aは、ブレード部111、塞き止め部材120A、及び、ハウジング130を含んで構成されている。
【0056】
塞き止め部材120Aは、ブレード部111よりも貯留部130a側に配置されている。塞き止め部材120Aは、規制部121A、及び、開閉部材(排出制御部)122を含んで構成されている。規制部121Aは、クリーナブレード110によって掻き落とされて貯留部130aへ向かうトナーTを塞き止める。規制部121Aの幅は、ブレード部111の幅と略対応している。規制部121Aは、一例として、アルミニウム又はステンレス等の材料によって構成されている。
【0057】
また、規制部121Aの転写搬送ベルト45側の面には、ブレード部111が取り付けられている。ブレード部111と規制部121Aとは、接着剤等で固定されている。即ち、規制部121Aは、ブレード部111を固定するためのブレード板金としての機能も有している。規制部121Aは、開口部123が設けられた部位とブレード部111との距離が離れるように屈曲させられた屈曲部121Wを有している。第1変形例において屈曲部121Wは、クランク状に屈曲している。即ち、屈曲部121Wは、規制部121Aを2回折り曲げることによって形成されている。規制部121Aに屈曲部121Wが設けられていることにより、ブレード部111と、規制部121Aの開口部123周りの部位との間に隙間が形成される。
【0058】
規制部121Aの上部は、ハウジング130の開口部130bの上側の縁部近傍の部位に固定されている。規制部121Aの下部は、ハウジング130の開口部130bの下側の縁部近傍の部位に固定されている。
【0059】
以上のように、本変形例に係るクリーナ部100Aでは、塞き止め部材120Aの規制部121Aに、ブレード部111が取り付けられている。即ち、規制部121Aは、ブレード部111を固定するためのブレード板金としての機能も有している。これにより、部品点数の増加を抑制できる。
【0060】
規制部121Aには、屈曲部121Wが設けられている。これにより、規制部121Aの開口部123が設けられた部位の周囲と、ブレード部111との間に隙間が形成される。この隙間に、トナーTを貯留することができる。これにより、ブレード部111の先端部の周りにトナーTを容易に滞留させることができる。従って、ブレード部111のめくれ現象及び異音の発生を好適に抑制することができる。
【0061】
規制部121Aの上部と下部とを、それぞれハウジング130に固定した。これにより、ハウジング130に確実に固定された規制部121Aによって、トナーTを塞き止めることができる。なお、少なくとも、規制部121Aの下部がハウジング130に固定されていればよい。規制部121Aの上部とハウジング130との間には、シール材が配置されていてもよい。この場合であっても、ハウジング130に固定された規制部121AによってトナーTを確実に塞き止めることができる。
【0062】
(クリーナ部の第2変形例)
次に、クリーナ部の第2変形例について説明する。図6に、第2変形例に係るクリーナ部100Bを示す。なお、クリーナ部100Bにおいて、上記実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。図6に示すようにクリーナ部100Bは、クリーナブレード110、塞き止め部材120B、及び、ハウジング130を含んで構成されている。
【0063】
塞き止め部材120Bは、ブレード部111よりも貯留部130a側に配置されている。塞き止め部材120Bは、規制部121B、及び、開閉部材(排出制御部)122を含んで構成されている。規制部121Bは、クリーナブレード110によって掻き落とされて貯留部130aへ向かうトナーTを塞き止める。規制部121Bの幅は、ブレード部111の幅と略対応している。規制部121Bは、一例として、アルミニウム又はステンレス等の材料によって構成されている。
【0064】
また、規制部121Bは、ブレード部111が取り付けられた取付金具(ブレード板金)112に固定されている。即ち、規制部121Bは、取付金具112を補強する補強板金としての機能も有している。規制部121Bは、開口部123が設けられた部位とブレード部111との距離が離れるように屈曲させられた屈曲部121Zを有している。屈曲部121Zは、規制部121Aを1回折り曲げることによって形成されている。規制部121Bに屈曲部121Zが設けられていることにより、ブレード部111と、規制部121Bの開口部123周りの部位との間に隙間が形成される。
【0065】
規制部121Bの上部は、ハウジング130の開口部130bの上側の縁部近傍の部位に固定されている。規制部121Bが固定された取付金具112は、ハウジング130の開口部130bの下側の縁部近傍の部位に固定されている。これにより、塞き止め部材120Bがハウジング130に固定される。
【0066】
以上のように、本変形例に係るクリーナ部100Bでは、取付金具112に規制部121Bが取り付けられている。即ち、規制部121Bは、取付金具112を補強するための補強板金としての機能も有している。これにより、部材点数の増加を抑制できる。
【0067】
規制部121Bには、屈曲部121Zが設けられている。これにより、規制部121Bの開口部123が設けられた部位の周囲と、ブレード部111との間に隙間が形成される。この隙間に、トナーTを貯留することができる。これにより、ブレード部111の先端部の周りにトナーTを容易に滞留させることができる。従って、ブレード部111のめくれ現象及び異音の発生を好適に抑制することができる。
【0068】
規制部121Bの上部は、ハウジング130に固定される。規制部121の下部は、クリーナブレード110を介してハウジング130に固定される。これにより、ハウジング130に確実に固定された規制部121Bによって、トナーTを塞き止めることができる。なお、少なくとも、規制部121Bの下部が、クリーナブレード110を介してハウジング130に固定されていればよい。規制部121Bの上部とハウジング130との間には、シール材が配置されていてもよい。この場合であっても、ハウジング130に固定された規制部121BによってトナーTを確実に塞き止めることができる。
【0069】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。以下、開閉部材122の変形例と、規制部121、121A及び121Bに設けられる開口部123の変形例とについて説明する。例えば、規制部121等に取り付けられる開閉部材122は、一つの部材ではなく、複数の部材によって構成されていてもよい。例えば、図7(a)に示す塞き止め部材120Cのように、開閉部材122Aを開閉部材片122a,122b,122cの3つの部材によって構成してもよい。また、開閉部材片122a,122b,122cのヤング率が、互いに異なっていてもよい。例えば、ブレード部111の先端部に対して転写搬送ベルト45が移動する方向に直交する方向(即ち、転写搬送ベルト45の幅方向)において、ブレード部111によって掻き落とされるトナーTの量が多い部分に対向する開閉部材片122a,122b,122cのヤング率を、他の開閉部材片に対して低くしてもよい。これにより、掻き落とされるトナーTの量が多い部分に対向する開閉部材片122a,122b,122cが容易に開き方向に撓み、多くのトナーTを排出することができる。従って、転写搬送ベルト45の幅方向において、規制部121によって塞き止められるトナーTの量の均一化を図ることができる。
【0070】
また、図7(b)に示す塞き止め部材120Dのように、開閉部材122Bを構成する3つの開閉部材片122a,122b,122cのうち開閉部材片122bのみ高さ方向の長さを長くしてもよい。この場合には、開閉部材片122bについては撓むことが可能な部分の長さ(高さ方向の長さ)が長くなり、他の開閉部材片122a,122cに比べて撓みやすくなる。この場合、ヤング率を低くした場合と同様に多くのトナーTを排出することができる。
【0071】
規制部121に設ける開口部123の形状は、矩形状に限定されない。例えば、図8(a)に示す塞き止め部材120Eのように、一部分のみ開口高さが高く形成された開口部123Aを設けてもよい。開口部123Aのうち、開口高さが高い部分は、ブレード部111の先端部に対して転写搬送ベルト45が移動する方向に直交する方向(即ち、転写搬送ベルト45の幅方向)において、ブレード部111によって掻き落とされるトナーTの量が多い部分に設けられている。このように、掻き落とされるトナーTの量が多い部位の開口部の開口高さが高くなっていることにより、多くのトナーTを排出することができる。従って、転写搬送ベルト45の幅方向において、規制部121によって塞き止められるトナーTの量の均一化を図ることができる。
【0072】
図8(b)に示す塞き止め部材120Fのように、規制部121に開口部123Aが設けられている場合においても、3つの開閉部材片122a,122b,122cによって構成された開閉部材122Cを規制部121に取り付けてもよい。この場合、開口部123Aのうち開口高さが高い部分に対向する開閉部材片122bのヤング率を他の開閉部材片122a,122cよりも低くする。これにより、開口部123Aにおける開口高さが高い部分を介してより一層多くのトナーTを排出することができる。
【0073】
図8(c)に示す塞き止め部材120Gのように、メッシュ状の開口部123Eを設けてもよい。また、図8(d)に示す塞き止め部材120Hのように、メッシュ状の開口部123Eが設けられた規制部121に対し、4つの開閉部材片122a,122b,122c,122dによって構成される開閉部材122Dを取り付けてもよい。
【0074】
図9(a)に示す塞き止め部材120Jのように、平行四辺形の複数の孔123aによって開口部123Gが構成されていてもよい。これにより、規制部121において、転写搬送ベルト45の幅方向の全ての位置に孔が設けられることとなる。これにより、開口部123Gを介してトナーTを排出する際に、ブレード部111と転写搬送ベルト45との当接範囲の全域にわたって効率よくトナーTを排出することができる。また、図9(b)に示す塞き止め部材120Kのように、開口部123Gが設けられた規制部121に対し、4つの開閉部材片122a,122b,122c,122dによって構成される開閉部材122Dを取り付けてもよい。
【0075】
図9(c)に示す塞き止め部材120Lのように、転写搬送ベルト45の幅方向に沿って所定の間隔で配置された複数の孔123bと、孔123bとは異なる高さ位置において、転写搬送ベルト45の幅方向に沿って所定の間隔で配置された複数の孔123cとによって開口部123Jが構成されていてもよい。この場合、規制部121の高さ方向に沿って見たときに、孔123bと孔123bとの間の部分に、孔123cが位置している。即ち、規制部121において、転写搬送ベルト45の幅方向の全ての位置に孔が設けられる。よって、開口部123Jを介してトナーTを排出する際に、ブレード部111と転写搬送ベルト45との当接範囲の全域にわたって効率よくトナーTを排出することができる。また、図9(d)に示す塞き止め部材120Mのように、開口部123Jが設けられた規制部121に対し、4つの開閉部材片122a,122b,122c,122dによって構成される開閉部材122Dを取り付けてもよい。
【0076】
ここで、図9(a)に示す開口部123Gの詳細について説明する。図9(a)及び図10に示すように、開口部123Gは、平行四辺形の複数の孔123aによって構成されている。図10は、図2のX−X線に沿った断面図である。また、図10は、図2の規制部121を図9(a)の規制部121Jに置き換えたクリーナ部100を示している。ここで、ブレード部111における転写搬送ベルト45に当接する部位を、当接部111aとする。なお、図10において、当接部111aを破線で囲み、斜線を付している。
【0077】
開口部123Gを構成する複数の孔123aは、当接部111aが延在する方向に沿って設けられている。説明の容易化のため、互いに隣接する一方の孔123aを孔123aXとし、他方の孔123aを孔123aYとする。一方の孔123aX及び他方の孔123aYは、互いに隣接していれば、複数の孔123aのいずれの孔であってもよい。また、当接部111aが延在する方向を、矢印Aで示す。孔123aXの軸線方向を、矢印Bで示す。矢印Aが示す方向及び矢印Bが示す方向のそれぞれに直交する方向を、図9(a)において矢印Cで示す。矢印Cが示す方向に沿って見たときに、一方の孔123aXの一部と、他方の孔123aYの一部とは、当接部111aが延在する方向(矢印Aの方向)において互いにオーバーラップしている。
【0078】
即ち、規制部121には、当接部111aの延在方向に沿ったいずれの位置においても、孔123a(開口部123G)が形成されている。これにより、規制部121は、当接部111aの延在方向に沿ったいずれの位置からも、開口部123Gを介してトナーTを排出できる。従って、規制部121によって塞き止められたトナーTの入れ替えを好適に行うことができる。なお、図9(c)に示す場合についても、矢印Cに沿って見たときに、孔123bの一部と孔123cの一部とは、当接部111aの延在方向おいて互いにオーバーラップしている。このように、孔123b及び孔123cが設けられた規制部121は、当接部111aの延在方向に沿ったいずれの位置からも、開口部123Jを介してトナーTを排出できる。なお、図9(a)〜図9(d)に示すようにオーバーラップする孔を有する開口部の構成を、図5及び図6に示す規制部121A及び規制部121Bに適用してもよい。
【0079】
また、本実施形態では、クリーナ部100,100A,100Bによって転写搬送ベルト45上に付着するトナーTを除去するものとしたが、例えば感光体ドラム30或いはカラープリンターの転写搬送ベルト等、転写搬送ベルト45以外の回転体(回転軸を中心に回転するローラ)やベルト等の表面に付着する粉体の除去を行うことができる。
【符号の説明】
【0080】
1…画像形成装置、45…転写搬送ベルト(被掃除部材、ベルト)、100…クリーナ部(クリーナ装置)、110…クリーナブレード、111…ブレード部、111a…当接部、112…取付金具(ブレード板金)、120…塞き止め部材、121…規制部、121W,121Z…屈曲部、122…開閉部材(排出制御部)、123…開口部、130…ハウジング、130a…貯留部、T…トナー(紛体)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10