【実施例1】
【0012】
以下、実施例を示す図に従って本発明を説明する。
図1乃至
図3に示すように、パレタイジング装置1の第1フレームを構成する本体フレーム3は、多数の物品5を集積する集積装置7より高い高さで、該集積装置7と側方に配置される搬入装置9に至る長手方向長さに構成される。該本体フレーム3には、長手方向(以下、左右方向とも称する。)へ延出するガイドレール11が設けられ、該ガイドレール11には、第1走行体13が上記左右方向へ移動するように支持される。
【0013】
該第1走行体13は、後述する保持手段29に保持された物品5を前後方向へ移動する際に、該物品5が本体フレーム3を乗り越える高さで起立するように構成される。
【0014】
本体フレーム3上にて第1走行体13を上記左右方向へ移動する第1駆動手段としては、例えば本体フレーム3の左右方向端部にそれぞれ回転可能に軸支されると共に一方に数値制御サーボモータ等の第1電動モータ15が連結された歯付きプーリ等の回転体に、一部が第1走行体13に固定された歯付きベルト(図示せず)を掛渡し、該第1電動モータ15の駆動に伴って走行する歯付きベルトにより第1走行体13を上記左右方向へ移動するベルト駆動機構とする。
【0015】
上記第1走行体13には、長手直交方向(以下、前後方向とも称する。)に延出し、上記集積装置7の前後方向幅に応じた長さからなる第2フレームとしての前後フレーム17が上記前後方向へ移動するように支持され、第2駆動手段により上記前後方向へ移動される。
【0016】
該第2駆動手段としては、例えば前後フレーム17に対して上記前後方向へ延出するラックギャまたは歯付きベルト(図示せず)を取り付け、該ラックギャまたは歯付きベルトに対して第1走行体13に設けられた数値制御されるサーボモータ等の第2電動モータ19の出力軸に固定されたピニオンギャ(図示せず)を噛合わせ、該第2電動モータ19の駆動に伴って第1走行体13に対して前後フレーム17を前後方向へ移動するラック・ピニオン駆動機構により構成する。
【0017】
上記前後フレーム17には、第2走行体としての前後走行体21が上記前後方向へ移動するように支持され、該前後走行体21は、連結された第3駆動手段により前後フレーム17に対して前後方向へ移動される。
【0018】
第3駆動手段としては、例えば上記前後方向に軸線を有して両端部が前後フレーム17の前後方向各端部に回転するように軸支されると共に一方の軸端部に数値制御されるサーボモータ等の第3電動モータ23が連結された送りねじ(図示せず)を前後走行体21に設けられたナット部材(図示せず)に噛合わせ、第3電動モータ23の駆動に伴って回転する送りねじにより前後走行体21を上記前後方向へ移動する送りねじ駆動機構により構成する。
【0019】
上記前後走行体21には、上下方向に軸線を有した上下ユニット25が昇降するように支持され、該上下ユニット25は、連結された第4駆動手段により前後走行体21に対して上下方向へ移動される。
【0020】
該第4駆動手段としては、例えば上記上下方向に軸線を有して上下ユニット25に側面に取り付けられたラックギャ25aに対し、前後走行体21に設けられた数値制御されるサーボモータ等の第4電動モータ27の出力軸に固定されたピニオンギャ(図示せず)を噛合わせ、第4電動モータ27の駆動に伴って回転するピニオンギャにより前後走行体21に対して上下ユニット25を昇降するラック・ピニオン駆動機構により構成する。
【0021】
上記第1乃至第4駆動手段としては、上記に例示した駆動機構の他に公知のベルト駆動機構、ラック・ピニオン駆動機構、送りねじ駆動機構或はリニアモータ駆動機構のいずれであってもよい。
【0022】
上記上下ユニット25の下部には、物品5を保持する保持手段29が取り付けられる。上記保持手段29は、例えば相対する一方の辺が少なくとも物品5の幅より長い四角形状の取付け板33下面に図示する前後方向へ延出するガイドロッド(図示せず)と、該該ガイドロッドに対して前後方向へそれぞれ移動するように支持される一対の挟持板37と、上記取付け板33に前後方向で互いに反対方向へ延出する軸線を有し、上記取付け板33にそれぞれ形成された長孔から突出する挟持板37の上部にそれぞれ連結されるエアーシリンダ等の作動部材39とにより構成される。上記一対の挟持板37は、各作動部材39の同期作動により互いに近づく方向及び遠ざかる方向へ移動して物品5を側面にて挟持して保持する。
【0023】
なお、各挟持板37の相対面には、物品5の側面に対する摩擦係数を高めるゴム等の弾性部材有37aが取り付けられる。また、保持手段29としては、物品5上面の大きさに応じた取付け板に上面を吸着して保持する多数の吸着部材(いずれも図示せず)を設け、物品5を吸着して保持するものであってもよい。更に、保持手段29は、取付け板33に対して一方の挟持板37の基端部(上端部)を固定すると共に他方の挟持板37を一方の挟持板37に対して近づく方向及び遠ざかる方向へ移動して物品5の把持及びその解除を行う構成としてもよい。
【0024】
上記パレタイジング装置1の図示する前方右側の集積位置には、集積装置7が配置される。該集積装置7としては、多数の物品5が複数列及び行で、かつ多段状に集積されたパレット41と、集積位置に配置され、載置された上記パレット41上に多数の物品5が複数列及び行で、かつ多段状に集積された際、該パレット41を1個分の長さで搬送する移載搬送装置43と、該移載搬送装置43に接続されて移載されたパレット41を所定の位置を搬出する搬出装置45により構成される。
【0025】
また、上記パレタイジング装置1の図示する後方左側の取出し位置には、物品5をフリーフロー搬送する搬入装置9が配置され、該搬入装置9は、フリーフロー搬送される物品5を上記パレタイジング装置1の取出し位置へ搬入させる。
【0026】
なお、上記の例にあっては、搬入装置9により順次搬入される物品5を集積装置7のパレット41上に順次移載した複数列及び行で、かつ多段状に集積するものとしたが、逆の場合、即ち、物品5が複数列及び行で、かつ多段状に集積されたパレット41が集積装置7に搬入された後に、該パレット41から物品5を順次取り出して搬入装置(搬出装置)9へ移載するものとしてもよい。
【0027】
また、パレタイジング装置1の制御手段における記憶手段(いずれも図示せず)には、搬入装置9により搬入される物品5の取出し位置に関する左右方向、前後方向及び高さ方向の三次元取出し位置データが、また集積装置7のパレット41上に物品5を複数列及び行で、かつ多段状に集積するための列位置及び行位置と段積高さに関する三次元集積パターンデータがそれぞれ記憶され、上記三次元取出し位置データ及び三次元集積パターンデータに基づいて第1乃至第4電動モータ15,19,23,27をそれぞれ駆動制御して対応する第1走行体13、前後フレーム17、前後走行体21及び上下ユニット25をそれぞれの位置へ移動して物品5の取出し動作と集積動作を実行する。
【0028】
更に、上記集積装置7の移載搬送装置43、搬出装置45及び搬入装置9は、キャタピラー形式の搬送装置を図示するが、これに限定されるものではなく、ローラコンベヤー等であってもよい。
【0029】
次に、パレタイジング装置1の背面側に配置された搬入装置9により順次搬入される物品5をパレタイジング装置1の正面側に配置された集積装置7のパレット41上に順次移載した複数列及び行で、かつ多段状に集積するパレタイジング装置1のパレタイジング作用及び方法を説明する。
【0030】
先ず、搬入装置9の搬送駆動により物品5がパレタイジング装置1における図示背面左側(後方左側)の取出し位置へ搬送されると、パレタイジング装置1の制御手段は、記憶手段から読み出された取出し位置データに基づいて第1電動モータ15を駆動制御して第1走行体13を図示する左側へ、また第2電動モータ19を駆動制御して第1走行体13に対して前後フレーム17を後方へ、更に第3電動モータ23を駆動制御して前後フレーム17に対して前後走行体21を後方へ移動して保持手段29を取出し位置に搬送された物品5の上方に位置させる。(
図4参照)
【0031】
次に上記状態にて制御手段は、第4電動モータ27を駆動制御して上下ユニット25を下降して保持手段29における一対の挟持板37を物品5の上部両側面側に位置させた後、各作動部材39を作動して互いに近づく方向へ移動して物品5を挟持して保持させる。
【0032】
次に、制御手段は、挟持板37により物品5を挟持した状態で第4電動モータ27を逆転駆動して上下ユニット25を上昇して保持手段29を上方位置へ移動した後に、第2電動モータ19を逆転駆動して第1走行体13に対して前後フレーム17を前方へ移動しながら第3電動モータ23を逆転駆動して前後フレーム17に対して前後走行体21を前方へ移動する。
【0033】
このとき、第1走行体13は、本体フレーム3の上面に対して物品5を保持した保持手段29が該本体フレーム3を乗り越えて通過可能な高さに設定されるため、物品5を保持した保持手段29をパレタイジング装置1の正面側へ移動することができる。(
図5参照)
【0034】
なお、第1走行体13に対して前後フレーム17を前方へ移動しながら前後フレーム17に対して前後走行体21を前方へ移動する際に、第2及び第3電動モータ19,23を同期駆動することにより保持手段29を倍速度で移動して移動時間を短縮してもよい。
【0035】
次に、制御手段は、第1電動モータ15を逆回転駆動して第1走行体をパレタイジング装置1の図示する正面右側へ移動して保持手段29が集積位置へ移動されると、記憶手段に記憶された集積パターンデータを読み出し、例えば第1段目の第1列第1行に関する集積パターンデータに基づいて第1及び第3電動モータ15,23を駆動制御して本体フレーム3に対して第1走行体13、前後フレーム17に対して前後走行体21をそれぞれ移動した後に第4電動モータ27を駆動制御して前後走行体21に対して上下ユニット25を下降して物品5を保持した保持手段29をパレット41における第1段目における第1列第1行目の集積位置に位置させる。(
図6参照)
【0036】
この状態にて各作動部材39を上記とは逆に作動して一対の挟持板37を互いに遠ざかる方向へ移動し、保持が解除された物品5をパレット41の第1段目第1列第1行目に移載させた後、第4電動モータ27を逆転駆動して上下ユニット25を上方位置へ移動させる。
【0037】
その後、第1乃至第3電動モータ15,19,23をそれぞれ逆転駆動制御して対応する第1走行体13、前後フレーム17、前後走行体21をそれぞれの方向へ移動して保持手段29をパレタイジング装置1における正面左側の待機位置へ戻す。
【0038】
そして搬入装置9の搬送駆動により次位の物品5が取出し位置に搬入されると、制御手段は、上記と同様に第1乃至第4電動モータ15,19,23,27をそれぞれ駆動制御して保持手段29に物品5を保持させた後に集積位置へ移動し、保持された物品5をパレット41における第1段目第1列第2行目位置に移載してパレタイジングを実行する。
【0039】
上記動作の繰り返しにより集積位置のパレット41上に多数の物品5が所定の列及び行数で多段状に集積されると、制御手段は、移載搬送装置43を駆動制御して上記したように多数の物品5が集積されたパレット41を搬送駆動される搬出装置45上へ移載して搬出させる。
【0040】
本実施例は、本体フレーム3に対して物品5を保持した保持手段29を乗り越えさせてパレタイジング装置1の正面側と背面側の間で移動することができるため、パレタイジング装置1の後側(背面側)に物品5を搬入する搬入装置9を、また前側(正面側)に集積装置7をそれぞれ配置してパレタイジングすることができ、集積ヤードに応じて集積装置7及び搬入装置9を有効に配置してパレタイジング動作を効率的に実行することができる。
【0041】
上記説明は、上下ユニット25の下部に保持手段9を直接取り付けた構成としたが、上下ユニット2の下部に姿勢回動手段を介して保持手段29を取り付ける構成としてもよい。該姿勢制御手段をエアーモータや電動モータ等の回転部材により構成し、集積姿勢に一致するように保持手段29を所望の角度で回動させる構成、または往復作動部材及びリング部材により反転部材を構成し、集積姿勢に一致するように保持手段29を所望の角度で搖動させる構成のいずれであってもよい。
【0042】
上記説明は、集積装置7の移載搬送装置43に対してパレット41を一定高さで載置し、上下ユニット25の昇降ストロークを可変して物品5を多段積みする構成としたが、上記移載搬送装置43にパンタグラフ機構等の公知のリフト機構を設け、該リフト機構により最上段に位置する移載搬送装置43を物品5の高さに応じて順次下降させて多段積みする構成としてもよい。
【0043】
また、移載搬送装置43の搬送方向上手側にパレット搬入装置を設け、該移載搬送装置43に対してパレット41を順次搬入して自動化する構成としてもよい。
【0044】
本発明は、物品5を保持した保持手段29を前後方向へ移動する際に本体フレーム3を乗り越えて通過可能にし、パレタイジング装置1の正面側(前側)に配置された集積装置7と背面側(後側)に配置された搬入装置(搬送装置)との間で物品5を移動させてこれら装置を効率的に配置してパレタイジングを効率的に行うことを可能にすることを要旨とするもので、上記集積装置7及び搬入装置9により本発明が限定されるものではない。
【0045】
更に、
図7に示すようにパレタイジング装置1の正面側及び背面側に異なる物品5a、5bを搬入する搬入装置71,73を配置すると共にパレタイジング装置1の図示左側に単一の搬出装置75を配置する。搬入装置71,73によりそれぞれ搬入される物品5a、5bとしては、例えば容器とその蓋等のようにセット物で、これら物品5a、5bを搬出装置75上にセットして搬出する。
【0046】
即ち、パレタイジング装置1の第1乃至第4電動モータ15,19、23,27をそれぞれ駆動制御して搬入装置71により搬入された物品5aを取り出して搬出装置75上のパレット41における所定位置へ移載した後に、同様に第1乃至第4電動モータ15,19、23,27をそれぞれ駆動制御して搬入装置73上から取り出された物品5bが搬出装置75上に移載された物品5aに隣接する列位置に移載されると、搬出装置75を駆動制御して1列状に移載された物品5a、5bが載置されたパレット41を搬出する。
【0047】
この例においては、パレタイジング装置1における正面側及び背面側と一方の側方側に作業領域(
図7に二点鎖線で示す。)を設けることができ、パレタイジング作業領域を拡大して作業性を高めることができる。また、物品5a、5bがセットされた状態で搬出されるため、例えば次位の組み付け工程においては、組み付け作業を効率的に行うことができる。
【0048】
上方へ移動した保持手段29を集積装置7及び搬入装置9の間で左右方向及び前後方向へ移動する際に、本体フレーム3に対する第1走行体13の左右方向への移動に同期して前後フレーム17及び前後走行体21を前後方向へ移動することにより保持手段29を最短距離で移動して移動時間を短縮する構成であってもよい。