特許第6465658号(P6465658)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6465658
(24)【登録日】2019年1月18日
(45)【発行日】2019年2月6日
(54)【発明の名称】電子機器、電子機器の制御方法
(51)【国際特許分類】
   G04G 21/02 20100101AFI20190128BHJP
   G04C 3/00 20060101ALI20190128BHJP
   G01C 5/06 20060101ALI20190128BHJP
【FI】
   G04G21/02 F
   G04C3/00 B
   G01C5/06
【請求項の数】6
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2015-5193(P2015-5193)
(22)【出願日】2015年1月14日
(65)【公開番号】特開2016-130694(P2016-130694A)
(43)【公開日】2016年7月21日
【審査請求日】2017年11月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002325
【氏名又は名称】セイコーインスツル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142837
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 則彰
(74)【代理人】
【識別番号】100166305
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 徹
(72)【発明者】
【氏名】土屋 忠士
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 健治
(72)【発明者】
【氏名】加藤 一雄
【審査官】 榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭63−121779(JP,A)
【文献】 特開2010−97243(JP,A)
【文献】 実開昭62−128397(JP,U)
【文献】 特開2008−82909(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0183264(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 5/06
G01L 7/00
G04B 47/06
G04C 3/00
G04G 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
気圧を検出する検出部と、
検出された気圧を高度に変換する変換部と、
登降開始の時刻から経過した経過時間を計測する経過時間計測部と、
変換された前記高度と、登降開始した地点の高度である出発開始高度と、目標とする地点の高度である到達目標高度とに基づいて、前記出発開始高度から前記到達目標高度までの高度差に対する、前記出発開始高度から現在の地点の高度である現在高度までの高度差との割合を登降割合として算出する登降割合算出部と、
前記出発開始高度と、前記到達目標高度と、前記登降開始した地点における時刻である出発開始時刻と、前記到達目標高度に到達する時刻である目標到達時刻とに基づいて、利用者が山を登降するかを表す指標である目標登降速度を算出する目標登降速度算出部と、
前記目標登降速度と、前記経過時間とに基づいて、現在までの目標登降高度を算出する目標登降割合算出部と、
前記登降割合を第1の表示手段で表示させる第1表示制御部と、
前記現在までの目標登降高度を第2の表示手段で表示させる第2表示制御部と、
を備える電子機器。
【請求項2】
前記第1の表示手段は、円周上を360度回転する第1針であり、
前記第2の表示手段は、円周上を360度回転する第2針であり、
前記第1針と、前記第2針とは、同じ軸に取り付けられている請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記登降割合算出部は、
前記登降割合が100%を越えている場合に、報知する請求項1または請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記目標登降速度算出部は、
前記出発開始高度と、複数の前記到達目標高度と、前記登降開始した地点における時刻である出発開始時刻と、複数の前記到達目標高度に到達する時刻である目標到達時刻とに基づいて、第n(nは1以上の整数)の前記出発開始高度から第n+1の前記到達目標高度までの区間の前記目標登降速度を、前記区間毎に算出し、
前記目標登降割合算出部は、
前記経過時間に基づいて、複数の前記目標登降速度の中から1つを抽出し、抽出した前記目標登降速度と、前記経過時間とに基づいて現在までの目標登降高度を算出する請求項1から請求項のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記高度と、前記経過時間とに基づいて、現在の登降速度を算出する登降速度算出部と、
前記出発開始時刻と、前記到達目標高度に到達目標時刻とに基づいて、現在の登降速度で登山または下山を継続した場合、前記到達目標時刻に到着する推定高度を推定する推定高度算出部と、
前記前記到達目標時刻に到着する推定高度を第3の表示手段で表示させる第3表示制御部と、
をさらに備える請求項1から請求項のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
検出部が、気圧を検出する検出手順と、
変換部が、前記検出手順によって検出された気圧を高度に変換する変換手順と、
経過時間計測部が、登降開始の時刻から経過した経過時間を計測する経過時間計測手順と、
登降割合算出部が、前記高度と、登降開始した地点の高度である出発開始高度と、目標とする地点の高度である到達目標高度とに基づいて、前記出発開始高度から前記到達目標高度までの高度差に対する、前記出発開始高度から現在の地点の高度である現在高度までの高度差との割合を登降割合として算出する登降割合算出手順と、
目標登降速度算出部が、前記出発開始高度と、前記到達目標高度と、前記登降開始した地点における時刻である出発開始時刻と、前記到達目標高度に到達する時刻である到達目標時刻とに基づいて、利用者が山を登降するかを表す指標である目標登降速度を算出する目標登降速度算出手順と、
目標登降割合算出部が、前記目標登降速度と、前記経過時間とに基づいて、現在までの目標登降高度を算出する目標登降割合算出手順と、
第1表示制御部が、前記登降割合を第1の表示手段で表示させる第1表示制御手順と、
第2表示制御部が、前記現在までの目標登降高度を第2の表示手段で表示させる第2表示制御手順と、
を含む電子機器の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、電子機器の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高度を針によって表示させる電子時計がある。この電子時計では、例えば3本の針を用いて、高度をアナログ表示する。この電子時計では、第1の針によって1000[m]単位で高度が表示され、第2の針によって100[m]単位で高度が表示され、第3の針によって2.5[m]単位で高度が表示される(従来技術1)。
【0003】
圧力センサが検出した検出値に基づいて高度を測定し、測定した高度を表示する電子時計が提案されている。この電子時計では、測定した高度の値を液晶表示装置に表示する。また、この電子時計では、高度の値が液晶表示装置に表示されるため、利用者が読み取った値を加算して高度を求める必要がない(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このような高度を測定する電子時計は、例えば登山を行う利用者によって利用される。登山者は、自分が現在いる地点から山頂まで登るために、また、現在いる地点から地上へ下山するために、どの位の時間がかかるかを知る必要がある。このため、利用者は、現在の自分の登降速度(登降スピードともいう)を知ることが必要であった。なお、登降速度とは、自分がどの位のスピードで山に登っていくかを表す指標である。利用者は、まず現在の地点の高度を電子時計から読み取り、例えば1時間後の高度を電子時計から読み取る。そして、利用者は、読み取った高度と高度との高度差を算出して、移動にかかった時間で割ることで、登降速度を自分で算出していた。利用者は、このように算出した登降速度を、例えば登山スケジュールに基づく標準の登降速度と比較することで、自分のペースが速いのか遅いのかを確認していた。また、利用者は、登降速度によって、休憩を行うポイントに到着する時刻や今日の目標地点に到着する時刻を予想していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭62−185186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術1の技術では、3本の針によって高度を表示する電子時計では、3本の針が示す高度をそれぞれ利用者が読み取って、読み取った3つの値を利用者が加算して、高度を利用者が算出する必要があった。
また、特許文献1に記載の電子時計または従来技術の電子時計を登山に利用する場合、利用者は、目標高度に対して、現在どの程度の地点にいるのかを自分で計算して求める必要があった。例えば、現在の登降速度で登山を継続すると到着予定時刻より速い時刻に到着すると予測される場合、利用者は、ペースが速すぎるため登降速度を遅くすると判断する。また、現在の登降速度で登山を継続すると到着予定時刻より遅い時刻に到着すると予測される場合、利用者は、ペースが遅すぎるため登降速度を速くすると判断する。このように、従来技術の電子時計を登山に利用する場合、利用者は、自分で算出した登降速度を用いて目標地点に到着する時刻が予定通りか否かを自分で判断する必要があった。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、現在の登山または下山ペースが登山計画通りであるか否かを表示することができる電子機器、電子機器の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る電子機器は、気圧を検出する検出部と、検出された気圧を高度に変換する変換部と、登降開始の時刻から経過した経過時間を計測する経過時間計測部と、変換された前記高度と、登降開始した地点の高度である出発開始高度と、目標とする地点の高度である到達目標高度とに基づいて、前記出発開始高度から前記到達目標高度までの高度差に対する、前記出発開始高度から現在の地点の高度である現在高度までの高度差との割合を登降割合として算出する登降割合算出部と、前記出発開始高度と、前記到達目標高度と、前記登降開始した地点における時刻である出発開始時刻と、前記到達目標高度に到達する時刻である目標到達時刻とに基づいて、利用者が山を登降するかを表す指標である目標登降速度を算出する目標登降速度算出部と、前記目標登降速度と、前記経過時間とに基づいて、現在までの目標登降高度を算出する目標登降割合算出部と、前記登降割合を第1の表示手段で表示させる第1表示制御部と、前記現在までの目標登降高度を第2の表示手段で表示させる第2表示制御部と、を備える。
【0009】
また、本発明の一態様に係る電子機器において、前記第1の表示手段は、円周上を360度回転する第1針であり、前記第2の表示手段は、円周上を360度回転する第2針であり、前記第1針と、前記第2針とは、同じ軸に取り付けられているようにしてもよい。
【0010】
た、本発明の一態様に係る電子機器において、前記登降割合算出部は、前記登降割が100%を越えている場合に、報知するようにしてもよい。
【0011】
また、本発明の一態様に係る電子機器において、前記目標登降速度算出部は、複数の前記出発開始高度と、前記到達目標高度と、前記登降開始した地点における時刻である出発開始時刻と、複数の前記到達目標高度に到達する時刻である目標到達時刻とに基づいて、第n(nは1以上の整数)の前記出発開始高度から第n+1の前記到達目標高度までの区間の前記目標登降速度を、前記区間毎に算出し、前記目標登降割合算出部は、前記経過時間に基づいて、複数の前記目標登降速度の中から1つを抽出し、抽出した前記目標登降速度と、前記経過時間とに基づいて現在までの目標登降高度を算出するようにしてもよい。
【0012】
また、本発明の一態様に係る電子機器において、前記高度と、前記経過時間とに基づいて、現在の登降速度を算出する登降速度算出部と、前記出発開始時刻と、前記到達目標高度に到達目標時刻とに基づいて、現在の登降速度で登山または下山を継続した場合、前記到達目標時刻に到着する推定高度を推定する推定高度算出部と、前記前記到達目標時刻に到着する推定高度を第3の表示手段で表示させる第3表示制御部と、をさらに備えるようにしてもよい。
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る電子機器の制御方法は、検出部が、気圧を検出する検出手順と、変換部が、前記検出手順によって検出された気圧を高度に変換する変換手順と、経過時間計測部が、登降開始の時刻から経過した経過時間を計測する経過時間計測手順と、登降割合算出部が、前記高度と、登降開始した地点の高度である出発開始高度と、目標とする地点の高度である到達目標高度とに基づいて、前記出発開始高度から前記到達目標高度までの高度差に対する、前記出発開始高度から現在の地点の高度である現在高度までの高度差との割合を登降割合として算出する登降割合算出手順と、目標登降速度算出部が、前記出発開始高度と、前記到達目標高度と、前記登降開始した地点における時刻である出発開始時刻と、前記到達目標高度に到達する時刻である到達目標時刻とに基づいて、利用者が山を登降するかを表す指標である目標登降速度を算出する目標登降速度算出手順と、目標登降割合算出部が、前記目標登降速度と、前記経過時間とに基づいて、現在までの目標登降高度を算出する目標登降割合算出手順と、第1表示制御部が、前記登降割合を第1の表示手段で表示させる第1表示制御手順と、第2表示制御部が、前記現在までの目標登降高度を第2の表示手段で表示させる第2表示制御手順と、を含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、現在の登山または下山ペースが登山計画通りであるか否かを表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態に係る電子機器の構成を示すブロック図である。
図2】第1実施形態に係る表示部の一例を説明する図である。
図3】第1実施形態に係る記憶部に記憶される情報の一例を説明する図である。
図4】第1実施形態に係る利用者が入力部を操作して入力した情報を取得して、記憶部に記憶させる処理の手順のフローチャートである。
図5】第1実施形態に係る登降割合算出部が行う登降割合の算出処理の手順のフローチャートである。
図6】第1実施形態に係る標登降速度算出部が行う目標登降速度の算出処理の手順のフローチャートである。
図7】第1実施形態に係る目標登降割合算出部が行う目標登降割合の算出処理の手順のフローチャートである。
図8】第1実施形態に係る第1針および第2針による表示例を説明する図である。
図9】第1実施形態に係る第1針と第2針の他の配置を説明する図である。
図10】表示部が液晶表示装置である場合の登降割合と目標登降割合とを表示する一例を説明する図である。
図11】文字盤の外周部に液晶表示部9011と液晶表示部9012とが設けられている例を説明する図である。
図12】第2実施形態に係る電子機器の構成を示すブロック図である。
図13】本実施形態に係る表示部の一例を説明する図である。
図14】第2実施形態に係る登降速度算出部と推定高度算出部とが行う処理の手順のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の例では、電子機器の一例として、電子時計を例に説明する。
【0017】
図1は、本実施形態に係る電子時計1の構成を示すブロック図である。図1に示すように、電子時計1は、検出部10、入力部20、制御部30、発振回路40、分周回路45、記憶部50、パルス発生部60、駆動部70、モータ部80、および表示部90を備える。
【0018】
検出部10は、気圧検出部101を備える。入力部20は、登降開始入力部201、目標高度入力部202、目標時刻入力部203を備える。制御部30は、計時部301、時刻針制御部302、高度変換部303、経過時間計測部304、登降割合算出部305、第1針制御部306、目標登降速度算出部307、目標登降割合算出部308、第2針制御部309、および画像処理部310を備える。パルス発生部60は、駆動パルス発生回路601、駆動パルス発生回路602、および駆動パルス発生回路603を備える。駆動部70は、第1モータ駆動回路701、第2モータ駆動回路702、および第3モータ駆動回路703を備える。モータ部80は、第1モータ801、第2モータ802、および第3モータ803を備える。表示部90は、第1針901、第2針902、時刻表示針903、および液晶表示部904を備える。
【0019】
まず、電子時計1の表示部90について説明する。
図2は、本実施形態に係る表示部90の一例を説明する図である。図2に示す例では、表示部90は、文字盤910、第1針901、第2針902、時刻表示針903、液晶表示部904を備える。時刻表示針903は、時針9031、分針9032、秒針9033から構成される。図2示すように、第1針901、第2針902、時刻表示針903は、時針9031、分針9032、および秒針9033と同じ軸9034に取り付けられている。また、文字盤910上には、例えば12個のインデックスバー920−1〜920−12を備える。インデックスバー920−1〜920−12それぞれは、30度間隔で配置されている。
【0020】
第1針901は、出発地点の高度を0%とし、到達地点の高度を100%としたとき、利用者が現在いる地点の高度が何%であるかを指し示す。
第2針902は、出発地点の高度を0%とし、到達地点の高度を100%としたとき、経過時間における到達予定高度が何%であるかを指し示す。
例えば、文字盤910上の12時の位置のインデックスバー920−12を0%と100%に割り当てた場合、6時の位置のインデックスバー920−6は、50%に割り当てられる。この割合を示す0%〜100%の印字は、文字盤910上、または不図示のベゼル上に設けられていてもよい。
なお、利用者が現在いる高度の割合、および経過時間における到達予定高度の割合については後述する。
【0021】
時刻表示針903は、図2に示す例では、12時間で360度回転する時針9031、1時間で360度回転する分針9032、および1分間で360度回転する秒針9033から構成される。
液晶表示部904は、情報を表示する装置であり、一例として液晶表示装置(LCD)によって構成される。液晶表示部904には、利用者が目標高度入力部202を操作するとき目標高度が表され、利用者が目標時刻入力部203を操作するとき目標時刻が表示される。
【0022】
図1に戻って、電子時計1の説明を続ける。
気圧検出部101は、例えば気圧センサであり、気圧を計測し、計測した気圧を示す値を高度変換部303に出力する。
【0023】
次に、入力部20について説明する。
登降開始入力部201は、ボタン(スイッチ)であり、利用者からの操作入力を検出し、検出した操作入力された結果に基づく操作結果信号を、高度変換部303、および経過時間計測部304に出力する。利用者は、登山を開始するとき、または下山を開始するときに、この登降開始入力部201を押す。また、利用者は、登山または下山の目標地点に到着したときに、この登降開始入力部201を押す。
【0024】
目標高度入力部202は、利用者からの操作入力を検出し、検出した操作入力された結果に基づく操作結果信号を、目標登降速度算出部307および画像処理部310に出力する。利用者は、登山を開始するとき、または下山を開始するときに、この目標高度入力部202を操作して、目標地点の高度(以下、目標高度という)を液晶表示部904に表示される値を見ながら入力する。なお、目標高度には、その日の最終目的地の高度と、利用者が休憩を行う高度が含まれている。
【0025】
目標時刻入力部203は、利用者からの操作入力を検出し、検出した操作入力された結果に基づく操作結果信号を、目標登降速度算出部307に出力する。利用者は、登山を開始するとき、または下山を開始するときに、この目標時刻入力部203を操作して、目標地点に到着する目標時間を入力する。なお、目標時間には、その日の最終目的地に到着する目標時間と、利用者が休憩を行う地点の到達目標時刻と、休憩を行う地点の出発目標時刻とが含まれている。
【0026】
なお、目標高度入力部202および目標時刻入力部203は、例えばアップボタンと、ダウンボタンと、モード切替ボタン、決定ボタンの4つから構成されていてもよい。または、登降開始入力部201、目標高度入力部202、および目標時刻入力部203は、リューズ(竜頭)に操作を検出することで、利用者の操作を検出するようにしてもよい。
【0027】
次に、発振回路40、分周回路45、および記憶部50について説明する。
発振回路40は、水晶振動子を備え、水晶振動子の振動に基づいた所定周波数(例えば32[kHz])の発振クロック信号を発生させる。発振部225は、発生させた発振信号を分周回路45に出力する。
分周回路45は、発振回路40から入力された発振信号を分周して計時に用いられる基準信号を生成する。基準信号の駆動周波数は、例えば1[Hz]である。分周回路45は、生成した基準信号を計時部301に出力する。
【0028】
記憶部50には、出発開始時刻を示す情報、出発開始地点の高度を示す情報、目標高度を示す情報、到達目標時刻を示す情報、出発目標時刻を示す情報、目標登降速度を示す情報が記憶される。
図3は、本実施形態に係る記憶部50に記憶される情報の一例を説明する図である。図3に示す例は、高度が800[m]の出発地点から、高度が3776[m]の到達地点への登山を行う場合の例である。図3に示す例において、記憶部50には、出発開始時刻を示す情報として800[m]と、出発開始地点の高度を示す情報として6時とが関連付けられて記憶される。記憶部50には、目標高度を示す情報として2200[m]と、到達目標時刻を示す情報として9時と、出発目標時刻を示す情報として9時15分とが関連付けられて記憶される。記憶部50には、目標高度を示す情報として3200[m]と、到達目標時刻を示す情報として11時30分と、出発目標時刻を示す情報として11時45分とが関連付けられて記憶される。記憶部50には、目標高度を示す情報として3776[m]と、到達目標時刻を示す情報として13時30分とが関連付けられて記憶される。さらに、記憶部50には、高度が800[m]から2200[m]の区間の目標登降速度を示す情報として7.78[m/分]が記憶され、高度が2200[m]から3200[m]の区間の目標登降速度を示す情報として7.41[m/分]が記憶され、高度が3200[m]から3776[m]の区間の目標登降速度を示す情報として5.48[m/分]が記憶される。
【0029】
図1に戻って、制御部30について説明する。
制御部30は、不図示のモード切替ボタンが利用者によって操作されたことを検出して、目標高度を入力する目標高度入力モードと、目標時間を入力する目標時刻入力モードとを切り替える。
【0030】
画像処理部310は、目標高度入力部202から入力される操作入力された結果に基づく情報、または、目標時刻入力部203から入力される操作入力された結果に基づく情報に応じて、液晶表示部904に目標高度の値、到達目標時刻の値または出発目標時間の値を表示させる。
目標高度入力モードの場合、画像処理部310は、例えば、アップボタンの利用者による操作に応じて、高度の値を大きくしていくように液晶表示部904に表示させ、ダウンボタンの利用者による操作に応じて、高度の値を小さくしていくように液晶表示部904に表示させる。目標時間入力モードの場合、画像処理部310は、例えば、アップボタンの利用者による操作に応じて、時刻の値を大きくしていくように液晶表示部904に表示させ、ダウンボタンの利用者による操作に応じて、時刻の値を小さくしていくように液晶表示部904に表示させる。
【0031】
計時部301は、分周回路45から入力される基準信号を用いて、計時を行う。計時された結果は、現在の時刻である。計時部301は、計時した結果を示す計時情報を時刻針制御部302に出力する。また、計時部301は、計時情報を、経過時間計測部304および目標登降速度算出部307に出力する。
時刻針制御部302は、計時部301から入力される計時情報に基づいて制御信号を生成し、生成した制御信号を駆動パルス発生回路603に出力する。
【0032】
高度変換部303は、気圧検出部101から入力される気圧を示す値を、周知の技術を用いて高度を示す値に変換する。高度変換部303は、変換した高度を示す値を、登降割合算出部305および目標登降速度算出部307に出力する。
【0033】
経過時間計測部304は、登降開始入力部201から入力される操作結果信号に応じて、経過時間の値を0に初期化する。初期化後、経過時間計測部304は、計時部301から入力される計時情報を用いて経過時間を計測し、計測した経過時間を示す情報を、登降割合算出部305および目標登降割合算出部308に出力する。この経過時間は、利用者が登山または下山を開始してからの経過時間である。
【0034】
登降割合算出部305は、登降開始入力部201の操作が検出されたとき、記憶部50に記憶されている出発開始高度を示す情報、および山頂または麓の目標高度を示す情報を読み出す。なお、山頂の目標高度とは、例えば最も大きな目標高度であり、麓の目標高度とは、例えば最も小さな目標高度である。
登降割合算出部305は、登降開始入力部201の操作が検出されてから次に登降開始入力部201の操作が検出されるまで、所定の時間毎に、高度変換部303から入力される現在の高度(以下、現在高度という)の値を受け取る。ここで、所定の時間とは、例えば1分である。なお、登降割合算出部305は、経過時間計測部304から入力される経過時間を示す情報を用いて、所定の時間毎に、現在高度の値を受け取る。登降割合算出部305は、次式(1)を用いて、登降割合として算出する。
【0035】
{|(現在高度)−(出発開始高度)|}/{|(山頂または麓の目標高度)−(出発開始高度)|}×100 …(1)
【0036】
ここで、登降割合とは、例えば図3に示した例では、出発地点と到達地点との高度差は2976[m]であり、これを100%としたときの現在高度と出発開始高度との高度差の百分率の値である。登降割合算出部305は、算出した登降割合を示す情報を、第1針制御部306に出力する。
【0037】
第1針制御部306は、登降割合算出部305から入力される登降割合を示す情報に基づいて、第1針901を制御するための制御信号を生成し、生成した制御信号を駆動パルス発生回路601に出力する。
【0038】
目標登降速度算出部307は、目標時刻入力モードのとき、目標時刻入力部203から入力される操作結果信号に応じて到達目標時刻を示す情報および出発目標時刻を示す情報を生成し、生成した目標時刻を示す情報を記憶部50に記憶させる。
目標登降速度算出部307は、目標高度入力モードのとき、目標高度入力部202から入力される操作結果信号に応じて目標高度を示す情報を生成し、生成した目標高度を示す情報を記憶部50に記憶させる。
目標登降速度算出部307は、登降開始入力部201の操作が検出されたとき、計時部301から入力される計時情報に基づいて現在時刻を取得し、取得した現在時刻を示す情報を、出発開始時刻を示す情報として記憶部50に記憶させる。また、目標登降速度算出部307は、登降開始入力部201の操作が検出されたとき、高度変換部303から入力される現在高度を取得し、取得した現在高度を示す情報を、出発開始高度を示す情報として記憶部50に記憶させる。
【0039】
目標登降速度算出部307は、まず、出発開始高度、出発開始時刻、第1の目標高度、および第1の到達目標時刻を用いて、第1の目標登降速度を算出し、算出した第1の目標登降速度を記憶部50に記憶させる。次に、目標登降速度算出部307は、第1の目標高度、出発目標時刻、第2の目標高度、および第2の到達目標時刻を用いて、第2の目標登降速度を算出し、算出した第2の目標登降速度を記憶部50に記憶させる。以後、目標登降速度算出部307は、山頂または麓の目標高度および到達目標時間まで、この処理を繰り返して登降速度を算出し、算出した目標登降速度を順次、目標登降割合算出部308に出力し、さらに記憶部50に記憶させる。なお、目標登降速度算出部307は、次式(2)を用いて目標登降速度を算出する。
【0040】
{(次の目標地点の目標高度)−(現在高度)}/{(次の目標地点の到達目標時刻)−(現在の時刻)} …(2)
【0041】
なお、式(2)において、最初の目標登降速度の演算では、現在高度が出発開始高度であり、次の目標地点の目標高度が第1の目標高度であり、現在の時刻が出発時刻であり、次の目標地点の到達目標時刻が第1の到達目標時刻である。2回目の演算では、現在高度が第1の目標であり、次の目標地点の目標高度が第2の目標高度であり、現在の時刻が第1の出発目標時刻であり、次の目標地点の到達目標時刻が第2の到達目標時刻である。
【0042】
目標登降割合算出部308は、経過時間計測部304から入力される経過時間を示す情報に基づいて、目標登降速度算出部307から入力された目標登降速度のうち、現在の目標登降速度を選択する。目標登降割合算出部308は、選択した目標登降速度と、経過時間を示す情報と、記憶部50に記憶されている目標時刻を示す情報と、を用いて目標登降割合を算出し、算出した目標登降割合を示す情報を第2針制御部309に出力する。ここで、目標登降割合とは、出発地点と到達地点との高度差を100%としたとき、経過時間において目標登降速度で登山または下山した場合の予測される到達する高度と出発地点の高度との高度差が何%であるかを示す値である。なお、目標登降割合算出部308は、次式(3)によって目標登降割合を算出する。
【0043】
{(現在の目標登降速度)×(経過時間)}/{|(山頂または麓の目標高度)−(出発開始高度)|} …(3)
【0044】
第2針制御部309は、目標登降割合算出部308から入力される目標登降割合を示す情報に基づいて、第2針902を制御するための制御信号を生成し、生成した制御信号を駆動パルス発生回路602に出力する。
【0045】
次に、パルス発生部60について説明する。
駆動パルス発生回路601は、第1針制御部306から入力される制御信号に応じて、第1モータ801を駆動するための駆動パルス信号を発生させ、発生させた駆動パルス信号を、第1モータ駆動回路701に出力する。
駆動パルス発生回路602は、第2針制御部309から入力される制御信号に応じて、第2モータ802を駆動するための駆動パルス信号を発生させ、発生させた駆動パルス信号を、第2モータ駆動回路702に出力する。
駆動パルス発生回路603は、時刻針制御部302から入力される制御信号に応じて、第3モータ803を駆動するための駆動パルス信号を発生させ、発生させた駆動パルス信号を、第3モータ駆動回路703に出力する。
【0046】
次に、駆動部70について説明する。
第1モータ駆動回路701は、駆動パルス発生回路601から入力される駆動パルス信号に応じて、第1モータ801を駆動するための駆動信号を生成し、生成した駆動信号で第1モータを駆動する。
第2モータ駆動回路702は、駆動パルス発生回路602から入力される駆動パルス信号に応じて、第2モータ802を駆動するための駆動信号を生成し、生成した駆動信号で第2モータを駆動する。
第3モータ駆動回路703は、駆動パルス発生回路603から入力される駆動パルス信号に応じて、第3モータ803を駆動するための駆動信号を生成し、生成した駆動信号で第3モータを駆動する。
【0047】
次に、モータ部80について説明する。
第1モータ801は、第1モータ駆動回路701によって駆動され、これにより第1針901を回転させる。
第2モータ802は、第2モータ駆動回路702によって駆動され、これにより第2針902を回転させる。
第3モータ803は、第3モータ駆動回路703によって駆動され、これにより第3針905を回転させる。なお、時刻表示針903が、図2に示したように時針9031、分針9032、および秒針9033の3本の場合、第3モータ803は、3つのモータから構成される。
また、第1モータ801、第2モータ802、および第3モータ803それぞれは、例えばステッピングモータである。
【0048】
次に、利用者が、入力部20を操作して入力した情報を取得して、記憶部50に記憶させる処理について説明する。
図4は、本実施形態に係る利用者が入力部20を操作して入力した情報を取得して、記憶部50に記憶させる処理の手順のフローチャートである。なお、図4の例では、目標高度入力部202および目標時刻入力部203は、アップボタンと、ダウンボタンと、モード切替ボタン、決定ボタンの4つから構成されている例を説明する。
【0049】
(ステップS1)制御部30は、モード切替ボタンが押され、入力モードが選択されたか否かを判別する。制御部30は、入力モードが選択されたと判別した場合(ステップS1;YES)、ステップS2の処理に進め、入力モードが選択されていないと判別した場合(ステップS1;NO)、ステップS1の処理を繰り返す。
【0050】
(ステップS2)目標登降速度算出部307は、入力モードが目標高度入力モードであるか、目標時刻入力モードであるかを判別する。目標登降速度算出部307は、入力モードが目標高度入力モードであると判別した場合(ステップS2;目標高度入力モード)、ステップS3に処理を進め、入力モードが目標時刻入力モードであると判別した場合(ステップS2;目標時刻入力モード)、ステップS5に処理を進める。
【0051】
(ステップS3)目標登降速度算出部307は、目標高度入力部202から入力される操作結果信号に応じて目標高度を示す情報を生成し、生成した目標高度を示す情報を記憶部50に記憶させる。
【0052】
(ステップS4)目標登降速度算出部307は、目標高度の入力が完了したか否かを判別する。目標登降速度算出部307は、目標高度の入力が完了したと判別した場合(ステップS4;YES)、ステップS7に処理を進め、目標高度の入力が完了していないと判別した場合(ステップS4;NO)、ステップS3に処理を戻す。複数の目標高度がある場合、利用者は、目標高度入力部202を操作して目標高度を入力し、決定ボタンを押す処理を繰り返す。そして、全ての目標高度の入力が完了した場合、例えば、モード切替ボタンを押して、目標時刻入力モード、または入力完了を選択する。
【0053】
(ステップS5)目標登降速度算出部307は、目標時刻入力部203から入力される操作結果信号に応じて目標高度を示す情報を生成し、生成した目標時刻を示す情報を記憶部50に記憶させる。なお、目標時刻には、到達目標時刻と、出発目標時刻とが含まれる。
【0054】
(ステップS6)目標登降速度算出部307は、目標時刻の入力が完了したか否かを判別する。目標登降速度算出部307は、目標時刻の入力が完了したと判別した場合(ステップS6;YES)、ステップS7に処理を進め、目標時刻の入力が完了していないと判別した場合(ステップS6;NO)、ステップS5に処理を戻す。複数の目標高度がある場合、利用者は、目標時刻入力部203を操作して目標時刻を入力し、決定ボタンを押す処理を繰り返す。そして、全ての目標時刻の入力が完了した場合、例えば、モード切替ボタンを押して、目標高度入力モード、または入力完了を選択する。
【0055】
(ステップS7)目標登降速度算出部307は、入力完了が選択されたか否かを判別する。目標登降速度算出部307は、入力完了が選択されたと判別した場合(ステップS7;YES)、処理を終了し、入力完了が選択されていないと判別した場合(ステップS7;YNO)、ステップS2に処理を戻す。
以上で、利用者が入力部20を操作して入力した情報を取得して、記憶部50に記憶させる処理を終了する。
【0056】
次に、登降割合算出部305が行う登降割合の算出処理について説明する。
図5は、本実施形態に係る登降割合算出部305が行う登降割合の算出処理の手順のフローチャートである。
(ステップS101)登降割合算出部305は、登降開始入力部201の操作が検出されたか否かを判別する。登降割合算出部305は、登降開始入力部201の操作が検出されたと判別された場合(ステップS101;YES)、ステップS102に処理を進め、登降開始入力部201の操作が検出されていないと判別された場合(ステップS101;NO)、ステップS101の処理を繰り返す。
【0057】
(ステップS102)目標登降速度算出部307は、登降開始入力部201の操作が検出されたとき、計時部301から入力される計時情報に基づいて現在時刻を取得し、取得した現在時刻を示す情報を、出発開始時刻を示す情報として記憶部50に記憶させる。
【0058】
(ステップS103)目標登降速度算出部307は、登降開始入力部201の操作が検出されたとき、高度変換部303から入力される現在高度を取得し、取得した現在高度を示す情報を、出発開始高度を示す情報として記憶部50に記憶させる。
【0059】
(ステップS104)登降割合算出部305は、記憶部50に記憶されている出発開始時刻を示す情報、出発開始高度を示す情報、および最も大きな値の目標高度を示す情報を読み出す。
(ステップS105)登降割合算出部305は、登降開始入力部201の操作が検出されてから次に登降開始入力部201の操作が検出されるまで、所定の時間毎に、高度変換部303から入力される現在高度の値を取得する。
【0060】
(ステップS106)登降割合算出部305は、式(1)を用いて、登降割合を算出する。次に、第1針制御部306は、登降割合算出部305から入力される登降割合を示す情報に基づいて、第1針901を制御するための制御信号を生成し、生成した制御信号を駆動パルス発生回路601に出力する。
【0061】
(ステップS107)登降割合算出部305は、登降開始入力部201の操作が検出されたか否かを判別する。登降割合算出部305は、登降開始入力部201の操作が検出されたと判別された場合(ステップS107;YES)、処理を終了し、登降開始入力部201の操作が検出されていないと判別された場合(ステップS107;NO)、ステップS105に処理を戻す。
以上で、登降割合算出部305が行う登降割合の算出処理を終了する。
【0062】
なお、目標登降速度算出部307は、ステップS102の処理とステップS103の処理のどちらを先に行ってもよく、同時に処理を行うようにしてもよい。また、ステップS102の処理およびステップS103の処理を、登降割合算出部305が行うようにしてもよい。
【0063】
次に、目標登降速度算出部307が行う目標登降速度の算出処理を説明する。
図6は、本実施形態に係る標登降速度算出部307が行う目標登降速度の算出処理の手順のフローチャートである。
(ステップS201)目標登降速度算出部307は、出発開始高度、出発開始時刻、第1の目標高度、および第1の到達目標時刻を記憶部50から読み出す。続けて、目標登降速度算出部307は、nを1に初期化する。
【0064】
(ステップS202)目標登降速度算出部307は、式(2)を用いて目標登降速度を算出し、算出した目標登降速度を目標登降割合算出部308に出力し、さらに記憶部50に記憶させる。
【0065】
(ステップS203)目標登降速度算出部307は、全ての目標登降速度の算出処理が終了したか否かを判別する。目標登降速度算出部307は、全ての目標登降速度の算出処理が終了したと判別した場合(ステップS203;YES)、処理を終了し、全ての目標登降速度の算出処理が終了していないと判別した場合(ステップS203;NO)、ステップS204に処理を進める。
【0066】
(ステップS204)目標登降速度算出部307は、nに1を加算してnに代入する。
(ステップS205)目標登降速度算出部307は、第nの目標高度、第nの出発目標時刻、第n+1の目標高度、および第n+1の到達目標時刻を記憶部50から読み出す。なお、nは1以上の整数である。目標登降速度算出部307は、ステップS202に処理を戻す。
以後、目標登降速度算出部307は、最も大きな値の目標高度および到達目標時間まで、この処理を繰り返して登降速度を算出し、算出した目標登降速度を順次、記憶部50に記憶させる。
【0067】
次に、目標登降割合算出部308が行う目標登降割合の算出処理を説明する。
図7は、本実施形態に係る目標登降割合算出部308が行う目標登降割合の算出処理の手順のフローチャートである。
(ステップS301)目標登降速度算出部307は、登降開始入力部201の操作が検出されたか否かを判別する。目標登降速度算出部307は、登降開始入力部201の操作が検出されたと判別された場合(ステップS301;YES)、ステップS302に処理を進め、登降開始入力部201の操作が検出されていないと判別された場合(ステップS301;NO)、ステップS301の処理を繰り返す。
【0068】
(ステップS302)目標登降割合算出部308は、経過時間計測部304から入力される経過時間を示す情報を取得する。
(ステップS303)目標登降割合算出部308は、ステップS302で取得した経過時間を示す情報に基づいて、目標登降速度算出部307から入力された目標登降速度のうち、現在の目標登降速度を選択する。
【0069】
(ステップS304)目標登降割合算出部308は、ステップS303で選択した登降速度と、経過時間を示す情報と、記憶部50に記憶されている目標時刻を示す情報と、を用いて、式(3)によって目標登降割合を算出する。
【0070】
(ステップS305)目標登降割合算出部308は、登降開始入力部201の操作が検出されたか否かを判別する。目標登降割合算出部308は、登降開始入力部201の操作が検出されたと判別された場合(ステップS305;YES)、処理を終了し、登降開始入力部201の操作が検出されていないと判別された場合(ステップS305;NO)、ステップS302に処理を戻す。
以上で、目標登降割合算出部308が行う目標登降割合の算出処理を終了する。
【0071】
次に、第1針901および第2針の表示例を説明する。
図8は、本実施形態に係る第1針901および第2針902による表示例を説明する図である。図8において、符号g101が示す領域の画像は、高度が800[m]の出発地点から、高度が3776[m]の目標地点まで登山するイメージ画像である。
符号g111、g121、g131、およびg141が示す画像は、第1針901が指し示す例を説明する画像である。また、符号g112、g122、g132、およびg142が示す画像は、第2針902が指し示す例を説明する画像である。符号g113、g123、g133、およびg143が示す画像は、第1針901と第2針902とが指し示す例を説明する画像である。なお、符号g111〜g143が示す画像において、時刻表示針903を省略して示している。
【0072】
図8に示した例では、出発地点と目標地点との高度差は、2976[m]である。
高度が1000[m]において、登降割合は、6.7%(|(1000[m]−800[m])|/|(3776[m]−800[m])|)である。このため、符号g111が示す画像のように、第1針901は、略1時の位置を指し示している。また、符号g112および符号g113が示す画像のように、第2針902の位置が、第1針901の位置より手前の位置を指し示している。符号g113が意味するのは、登山ペースが目標のスピードより速いことを表している。利用者は、このような表示を見ることで、登山するペースを落とす必要があることをしることができる。
【0073】
高度が2288[m]において、登降割合は、50%(|(2288[m]−800[m])|/|(3776[m]−800[m])|)である。このため、符号g121が示す画像のように、第1針901は、略6時の位置を指し示している。また、符号g122および符号g123が示す画像のように、第2針902に位置が、第1針901と同じ位置を指し示している。符号g123が意味するのは、第1針901と第2針902とが重なっているため、登山ペースが目標のスピード通りであることを意味している。
【0074】
高度が3032[m]において、登降割合は、75%(|(3032[m]−800[m])|/|(3776[m]−800[m])|)である。このため、符号g131が示す画像のように、第1針901は、略9時の位置を指し示している。また、符号g132および符号g133が示す画像のように、第2針902の位置が、第1針901の位置より先の位置を指し示している。符号g113が意味するのは登山ペースが目標のスピードより遅いことを表している。利用者は、このような表示を見ることで、登山するペースを早くする必要があることをしることができる。
【0075】
高度が3776[m]において、登降割合は、100%(|(3776[m]−800[m])|/|(3776[m]−800[m])|)である。このため、符号g141が示す画像のように、第1針901は、略12時の位置を指し示している。また、符号g142および符号g143が示す画像のように、第2針902に位置が、第1針901と同じ位置を指し示している。符号g143が意味するのは、第1針901と第2針902とが重なっているため、目標位置に予定通りに到着したことを意味している。
【0076】
なお、本実施形態では、第1針901と第2針902とが、時刻表示針903と同軸である例を示したが、これに限られない。図9に示すように、第1針901と第2針902とが同軸であれば、時刻表示針903と同軸でなくてもよい。図9は、本実施形態に係る第1針と第2針の他の配置を説明する図である。図9に示す例では、第1の軸9034−1に時刻表示針9031〜9033が取り付けられ、第2の軸9034−2に第1針901と第2針902とが取り付けられている例である。
【0077】
また、本実施形態では、第1針901と第2針902とが、円の一周の360度を10等分して、4時の位置を25%、6時の位置を50%、9時の位置を75%、12時の位置を100%として示す例を説明したが、これに限られない。例えば、1時の位置を10%、10時の位置を100%として、第1針901と第2針902とが指し示すようにしてもよい。これにより、時刻表示針903が指し示す数字の位置と、第1針901と第2針902とが指し示す数字の割合が一致しているため、文字盤910やベゼル等に印字が不要である。また、時刻表示針903が指し示す数字の位置と、第1針901と第2針902とが指し示す数字の割合が一致しているため、利用者は、直感的に割合を知ることができる。また、目標地点を通り過ぎてしまった場合、第1針901は、10時の位置より先を指し示しているため、目標地点を通り過ぎたことを利用者は知ることができる。また、目標地点の高度を超えた場合、制御部30は、液晶表示部904に通り過ぎたことを示す情報、現在高度などを表示して報知するようにしてもよい。この報知は、不図示のスピーカ等から音響信号や音声信号を用いて制御部30が行うようにしてもよい。
また、12時の位置を100%または120%にした場合、この割合を超えた場合、第1針901および第2針902は、12時の位置以上回転しないように、制御部30は制御するようにしてもよい。
【0078】
なお、本実施形態では、第1針901が登降割合を示し、第2針902が目標登降割合を示す例を説明したが、これに限られない。図10は、表示部90’’が液晶表示装置である場合の登降割合と目標登降割合とを表示する一例を説明する図である。図10において、符号g201が示す領域の画像は登降割合の画像であり、符号g202が示す領域の画像は目標登降割合の画像であり、符号g203が示す領域の画像は時刻表示の画像である。すなわち、図10に示す例では、第1針901(図1)の表示が符号g201に示す領域の画像のようにバーグラフで表示され、第2針902(図1)の表示が符号g202に示す領域の画像のようにバーグラフで表示される例である。図10に示す例では、バーグラフの左端が0%、右端が100%の例である。図10に示すように、符号g201が示す領域の画像と、符号g202が示す領域の画像とを隣接して表示するようにしてもよい。
【0079】
図11は、文字盤910の外周部に液晶表示部9011と液晶表示部9012とが設けられている例を説明する図である。図11では、第1針901(図1)の表示が液晶表示部9011に円周上にバーグラフで表示され、第2針902(図1)の表示が液晶表示部9012に円周上にバーグラフで表示される例である。図11においても、液晶表示部9011と液晶表示部9012とが隣接して設けられていればよい。
なお、図9および図11に示した例においても、12時の位置を100にしてもよく、10時の位置を100%にしてもよい。また、図10に示した例において、右端が例えば120%であってもよい。
【0080】
以上のように、本実施形態の電子機器(電子時計1)は、気圧を検出する検出部(気圧検出部101)と、検出された気圧を高度に変換する変換部(高度変換部303)と、登降開始の時刻から経過した経過時間を計測する経過時間計測部304と、変換された高度と、登降開始した地点の高度である出発開始高度と、目標とする地点の高度である到達目標高度とに基づいて、出発開始高度から到達目標高度までの高度差に対する、出発開始高度から現在の地点の高度である現在高度までの高度差との割合を登降割合として算出する登降割合算出部305と、出発開始高度と、到達目標高度と、登降開始した地点における時刻である出発開始時刻と、到達目標高度に到達する時刻である目標到達時刻とに基づいて、利用者が山を登降するかを表す指標である目標登降速度を算出する目標登降速度算出部307と、目標登降速度と、経過時間とに基づいて、現在までの目標登降高度を算出する目標登降割合算出部308と、登降割合を第1の表示手段(第1針901)で表示させる第1表示制御部(第1針制御部306)と、現在までの目標登降高度を第2の表示手段(第2針902)で表示させる第2表示制御部(第2針制御部309)と、を備える。
【0081】
この構成によって、本実施形態の電子時計1は、実測した高度の現在の割合と、目標とする高度の現在の割合とを比較できるように表示することができる。この結果、本実施形態によれば、利用者が目標高度に対して、現在どの程度の高度にいるのかをわかりやすく提示することができ、現在の登降速度が登山計画に対して速いのか否かをわかりやすく提示することができる。
【0082】
また、本実施形態の電子機器(電子時計1)は、目標登降速度算出部307は、出発開始高度と、複数の到達目標高度と、登降開始した地点における時刻である出発開始時刻と、複数の到達目標高度に到達する時刻である目標到達時刻とに基づいて、第n(nは1以上の整数)の出発開始高度から第n+1の到達目標高度までの区間の目標登降速度を、区間毎に算出し、目標登降割合算出部308は、経過時間に基づいて、複数の目標登降速度の中から1つを抽出し、抽出した目標登降速度と、経過時間とに基づいて現在までの目標登降高度を算出する。
【0083】
この構成によって、本実施形態の電子時計1は、利用者が最終到達地点と出発開始地点の間で、休憩を行う場合や、高度によって登降速度を変える場合であっても、区間毎に目標登降速度を算出して記憶部50に記憶しておけるので、精度良く現在の登降速度が登山計画に対して速いのか否かをわかりやすく提示することができる。
【0084】
なお、図3に示した例では、利用者が、目標高度、到達目標時刻、出発目標時刻を入力する例を説明したが、入力される情報は、最終の目的地点の目標高度、および最終の目的地点への到達目標時刻のみであってもよい。この場合、目標登降速度算出部307は、入力された情報と、開始地点の高度と時刻に基づいて、目標登降速度を算出するようにしてもよい。
【0085】
<第2実施形態>
第1実施形態では、第1針901が登降割合を示し、第2針902が目標登降割合を示す例を説明した。本実施形態では、さらに第3針を備え、第3針によって、現在の登降速度のまま登山または下山を継続した場合、山頂または麓の高度に対する最終の目的地点への到達目標時刻に到達する高度の割合を表示する例を説明する。
【0086】
図12は、本実施形態に係る電子時計1Aの構成を示すブロック図である。図12に示すように、電子時計1Aは、検出部10、入力部20、制御部30A、発振回路40、分周回路45、記憶部50、パルス発生部60A、駆動部70A、モータ部80A、および表示部90Aを備える。なお、第1実施形態の電子時計1と同じ機能を有する機能部については、同じ符号を用いて、説明を省略する。
【0087】
制御部30Aは、計時部301、時刻針制御部302、高度変換部303A、経過時間計測部304A、登降割合算出部305、第1針制御部306、目標登降速度算出部307、目標登降割合算出部308、第2針制御部309、画像処理部310、登降速度算出部311、推定高度算出部312、及び第3針制御部313を備える。パルス発生部60Aは、駆動パルス発生回路601、駆動パルス発生回路602、駆動パルス発生回路603、および駆動パルス発生回路604を備える。駆動部70Aは、第1モータ駆動回路701、第2モータ駆動回路702、第3モータ駆動回路703、および第4モータ駆動回路704を備える。モータ部80Aは、第1モータ801、第2モータ802、第3モータ803、および第4モータ804を備える。表示部90Aは、第1針901、第2針902、時刻表示針903、液晶表示部904、および第3針905を備える。
【0088】
図13は、本実施形態に係る表示部90Aの一例を説明する図である。
図13に示す例では、表示部90Aは、文字盤910、第1針901、第2針902、時刻表示針903、液晶表示部904、第3針905を備える。時刻表示針903は、時針9031、分針9032、秒針9033から構成される。図13示すように、第1針901、第2針902、第3針905は、時針9031、分針9032、および秒針9033と同じ軸9034に取り付けられている。
第1針901および第2針902は、例えば12時の位置が100%に設定されている。また、第3針905は、推定高度を示すため、例えばベゼルに高度が印字され、算出された高度に対応する印字を指し示す。
【0089】
高度変換部303Aは、気圧検出部101から入力される気圧を示す値を、周知の技術を用いて高度を示す値に変換する。高度変換部303Aは、変換した高度を示す値を、登降割合算出部305、目標登降速度算出部307、および登降速度算出部311に出力する。
【0090】
経過時間計測部304Aは、登降開始入力部201から入力される操作結果信号に応じて、系時刻の値を0に初期化する。初期化後、経過時間計測部304Aは、計時部301Aから入力される計時情報を用いて経過時間を計測し、計測した経過時間を示す情報を、目標登降速度算出部307、目標登降割合算出部308、および登降速度算出部311に出力する。
【0091】
登降速度算出部311は、所定の時間毎に、高度変換部303Aから入力される高度を示す値と、経過時間計測部304Aから入力される経過時間を示す情報とを取得する。なお、所定の時間とは、例えば10分である。登降速度算出部311は、次式(4)を用いて、現在の登降速度を算出する。
【0092】
{(第n+1の時刻の高度)−(第nの時刻の高度)}/(経過時間) …(4)
【0093】
式(4)において、nは1以上の整数である。
登降速度算出部311は、算出した登降速度を示す情報と、入力された現在高度を示す情報と経過時間を示す情報とを推定高度算出部312に出力する。
【0094】
推定高度算出部312は、記憶部50に記憶されている出発開始時刻を示す情報と、山頂または麓の到達目標時刻を示す情報と、出発開始高度を示す情報と、目標高度を示す情報とを読み出す。推定高度算出部312は、登降速度算出部311から入力された登降速度を示す情報と、現在高度を示す情報と経過時間を示す情報と、記憶部50から読み出した情報とを用いて、次式(5)によって、所定の時間毎に、現在の登降速度で登山または下山を継続した場合、山頂または麓の高度に対する最終目的地に到着する到達目標時刻に到着する推定高度の割合を推定する。
【0095】
[(現在高度)+(現在の登降速度)×{(到達目標時刻)−(現在時刻)}]/{(山頂または麓の高度)−(出発開始高度)}×100 …(5)
【0096】
第3針制御部313は、推定高度算出部312から入力される推定高度を示す情報に基づいて、第3針905を制御するための制御信号を生成し、生成した制御信号を駆動パルス発生回路604に出力する。
駆動パルス発生回路604は、第3針制御部313から入力される制御信号に応じて、第4モータ804を駆動するための駆動パルス信号を発生させ、発生させた駆動パルス信号を、第4モータ駆動回路704に出力する。
【0097】
第4モータ駆動回路704は、駆動パルス発生回路604から入力される駆動パルス信号に応じて、第4モータ804を駆動するための駆動信号を生成し、生成した駆動信号で第4モータを駆動する。
第4モータ804は、第4モータ駆動回路704によって駆動され、これにより第3針905を回転させる。
【0098】
次に、登降速度算出部311と推定高度算出部312とが行う処理を説明する。
図14は、本実施形態に係る登降速度算出部311と推定高度算出部312とが行う処理の手順のフローチャートである。
(ステップS401)登降速度算出部311は、高度変換部303Aから入力される高度を示す値と、経過時間計測部304Aから入力される経過時間を示す情報とを取得する。
(ステップS402)登降速度算出部311は、現在時刻における登降速度を算出する。
【0099】
(ステップS403)推定高度算出部312は、式(5)を用いて、現在の登降速度で登山または下山を継続した場合、推定高度を推定する。
登降速度算出部311と推定高度算出部312とは、所定の時間毎に、ステップS401〜S403の処理を行う。
【0100】
ここで、第3針905が指し示す値の具体例を説明する。
発開始時刻が6時であり、最終目的地に到達する到達目標時刻が13時30分であり、出発高度が800[m]であり、山頂の高度が3776[m]であり、現在高度が1800[m]であり、経過時間が3時間15分である場合を例に、具体例を説明する。なお、現在の登降速度は、7[m/分]であったとする。このときの山頂の高度に対する最終目的地に到着する到達目標時刻に到着する高度の割合は、約120%(={(1800[m]+7[m/分]×(13時30分−9時15分)}/(3776[m]−800[m])×100)である。これにより、第3針905は、約120%を指し示すように駆動される。
【0101】
以上のように、本実施形態の電子機器(例えば電子時計1A)は、高度と、経過時間とに基づいて、現在の登降速度を算出する登降速度算出部311と、出発開始時刻と、到達目標高度に到達目標時刻とに基づいて、現在の登降速度で登山または下山を継続した場合、到達目標時刻に到着する推定高度を推定する推定高度算出部312と、到達目標時刻に到着する推定高度を第3の表示手段で表示させる第3表示制御部(第3針制御部313)と、をさらに備える。
【0102】
この構成によって、本実施形態の電子時計1Aは、第3針905によって推定された現在の登降速度で登山または下山を継続した場合、到達目標時刻に到着する推定高度をさらに表示することができる。これにより、利用者は、現在のペースで登山または下山を継続した場合に、到達目標時間に到達する高度を知りことができる。
【0103】
なお、第1実施形態および第2実施形態では、利用者が目標高度入力部202を操作して目標高度を入力し、目標時刻入力部203を操作して目標時刻を入力する例を説明したが、これに限られない。電子時計1は、不図示の通信部を備え、スマートフォンやタブレット端末等の携帯機器で入力された目標高度を示す情報および目標時刻を示す情報を通信部によって受信し、受信した情報を記憶部50に記憶させるようにしてもよい。
【0104】
なお、第1実施形態および第2実施形態において、登山時は、各針が時計回りの方向に回転し、下山時に時計回りとは逆の方向に回転するように制御部30または30Aが制御するようにしてもよい。
【0105】
なお、第1実施形態において、登山時以外の利用時に、第1針901と第2針902を用いて、他の国の第2時刻を表示させるようにしてもよい。第2実施形態において、登山時以外の利用時に、第1針901と第2針902と第3針905を用いて、他の国の第2時刻を表示させるようにしてもよい。
また、第1実施形態において、第1針901と第2針902との初期位置は、12時の位置であってもよい。第2実施形態において、第1針901と第2針902と第3針905との初期位置は、12時の位置であってもよい。
【0106】
なお、第1実施形態において、第1針901と第2針902とは、異なる色の針、異なる形状(幅、長さ)であってもよい。例えば、第1針901が。第2針902より長い場合、文字盤910の上に第1針901が配置され、第1針901の上に第2針902が配置されるようにしてもよい。これにより、図8の符号g143が示す画像のように、第1針901と第2針902とが重なった場合であっても、利用者は、第1針901と第2針902との指し示す位置を確認することができる。
同様に、第2実施形態において、第1針901と第2針902と第3針905とは、異なる色の針、異なる形状(幅、長さ)であってもよい。
【0107】
なお、上述した実施形態における電子時計1または1Aが備える構成要素のそれぞれの機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0108】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【符号の説明】
【0109】
1、1A…電子時計、10…検出部、20…入力部、30、30A…制御部、40…発振回路、45…分周回路、50…記憶部、60、60A…パルス発生部、70、70A…駆動部、80、80A…モータ部、90、90A…表示部、101…気圧検出部、301…計時部、302…時刻針制御部、303…高度変換部、304…経過時間計測部、305…登降割合算出部、306…第1針制御部、307…目標登降速度算出部、308…目標登降割合算出部、309…第2針制御部、310…画像処理部、311…登降速度算出部、312…推定高度算出部、313…第3針制御部、601…駆動パルス発生回路、602…駆動パルス発生回路、603…駆動パルス発生回路、604…駆動パルス発生回路、701…第1モータ駆動回路、702…第2モータ駆動回路、703…第3モータ駆動回路、704…第4モータ駆動回路704、801…第1モータ、802…第2モータ、803…第3モータ、804…第4モータ、901…第1針、902…第2針、903…時刻表示針、904…液晶表示部、905…第3針
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14