特許第6465714号(P6465714)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6465714スタータ金具及びそれを用いた建築物の建築方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6465714
(24)【登録日】2019年1月18日
(45)【発行日】2019年2月6日
(54)【発明の名称】スタータ金具及びそれを用いた建築物の建築方法
(51)【国際特許分類】
   E04F 13/08 20060101AFI20190128BHJP
【FI】
   E04F13/08 101Q
   E04F13/08 101F
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-64286(P2015-64286)
(22)【出願日】2015年3月26日
(65)【公開番号】特開2016-183504(P2016-183504A)
(43)【公開日】2016年10月20日
【審査請求日】2017年9月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】714003416
【氏名又は名称】日新製鋼株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100179914
【弁理士】
【氏名又は名称】光永 和宏
(72)【発明者】
【氏名】彦坂 明良
【審査官】 五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−160809(JP,A)
【文献】 特開2002−121880(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 13/00−13/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物の壁基材に取り付けられ最下段の外壁板を支持するスタータ金具であって、
平板状の第1固定板と、
前記第1固定板の下部から延出された第1下フランジと、
平板状の第2固定板と、
前記第2固定板の下部から延出された第2下フランジと、
前記第1及び第2固定板を互いに連結する連結部と
を備え、
前記第1及び第2固定板が前記壁基材に固定されるとともに、前記第1及び第2下フランジが前記最下段の外壁板を支持するように構成されており、
前記連結部は、前記第1及び第2固定板を互いに近づける前記連結部の屈曲を案内する貫通孔又は薄肉部が設けられた平板状の板部であるとともに、前記第1下フランジの先端と前記第2下フランジの先端とが互いに干渉せずに前記第1下フランジの先端と前記第2下フランジの先端とを互いに近づける前記連結部の屈曲を許容する幅を有している
ことを特徴とするスタータ金具。
【請求項2】
建築物の壁基材に取り付けられ最下段の外壁板を支持するスタータ金具であって、
平板状の第1固定板と、
前記第1固定板の下部から延出された第1下フランジと、
平板状の第2固定板と、
前記第2固定板の下部から延出された第2下フランジと、
前記第1及び第2固定板を互いに連結する連結部と
を備え、
前記第1及び第2固定板が前記壁基材に固定されるとともに、前記第1及び第2下フランジが前記最下段の外壁板を支持するように構成されており、
前記連結部は、前記第1及び第2固定板を互いに近づける前記連結部の屈曲を案内する予備屈曲部が設けられた板部であるとともに、前記第1下フランジの先端と前記第2下フランジの先端とが互いに干渉せずに前記第1下フランジの先端と前記第2下フランジの先端とを互いに近づける前記連結部の屈曲を許容する幅を有している
ことを特徴とするスタータ金具。
【請求項3】
前記連結部の幅は、前記第1下フランジの先端と前記第2下フランジの先端とが互いに干渉せずに前記第1下フランジの先端と前記第2下フランジの先端とを互いに近づけるように前記連結部を90°屈曲させることができる幅である、
請求項1又は請求項2に記載のスタータ金具。
【請求項4】
前記第1及び第2下フランジの側端は、前記スタータ金具の開放側端を構成している
ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のスタータ金具。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のスタータ金具を用いた建築物の建築方法であって、
前記建築物の複数の角で出合う前記壁基材の2つの面の角度に合わせて、複数のスタータ金具の前記連結部をそれぞれ屈曲する工程と、
前記複数の角において、各スタータ金具の前記第1及び第2固定板を前記壁基材の2つの面にそれぞれ固定する工程と
を含むことを特徴とする建築物の建築方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、最下段の外壁板を支持するスタータ金具及びそれを用いた建築物の建築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来用いられていたこの種のスタータ金具としては、例えば下記の特許文献1等に示されている構成を挙げることができる。図11は従来のスタータ金具を示す斜視図である。図において、従来のスタータ金具5は、直線状に延在された長手状部材であり、平板状の固定板50と、固定板50の下部から延出された下フランジ51と、固定板50の上部から延出された上フランジ52とが設けられている。固定板50は、例えば胴縁等の建築物の壁基材100に固定されている。下フランジ51は、壁基材100に取り付けられる最下段の外壁板(図示せず)を支持し、上フランジ52は壁基材100と外壁板との間に空隙を確保する。このようなスタータ金具5は、建築物の1つの角を起点として一方向に建築物を一周するように順に連結される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】登録実用新案第3166770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図12は、図11の領域XIIを拡大して示す斜視図である。上述のように、従来のスタータ金具5は、直線状に延在された長手状部材であり、建築物の1つの角を起点として一方向に建築物を一周するように順に連結される。そして、スタータ金具5の連結を繰り返すうちにスタータ金具5の高さ位置にずれが生じ、連結起点におけるスタータ金具5の高さ位置と連結終点におけるスタータ金具5の高さ位置とがずれることがある(図12参照)。このようなスタータ金具5の高さ位置のずれは、異なる面にスタータ金具5を取り付ける建築物の角において生じやすい。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、建築物の角において生じるスタータ金具の高さ位置のずれを低減できるスタータ金具及びそれを用いた建築物の建築方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るスタータ金具は、建築物の壁基材に取り付けられ最下段の外壁板を支持するスタータ金具であって、平板状の第1固定板と、第1固定板の下部から延出された第1下フランジと、平板状の第2固定板と、第2固定板の下部から延出された第2下フランジと、第1及び第2固定板を互いに連結する連結部とを備え、第1及び第2固定板が壁基材に固定されるとともに、第1及び第2下フランジが最下段の外壁板を支持するように構成されており、連結部は、第1及び第2固定板を互いに近づける連結部の屈曲を案内する貫通孔又は薄肉部が設けられた平板状の板部であるとともに、第1下フランジの先端と第2下フランジの先端とが互いに干渉せずに第1下フランジの先端と第2下フランジの先端とを互いに近づける連結部の屈曲を許容する幅を有している。
また、本発明に係るスタータ金具は、建築物の壁基材に取り付けられ最下段の外壁板を支持するスタータ金具であって、平板状の第1固定板と、第1固定板の下部から延出された第1下フランジと、平板状の第2固定板と、第2固定板の下部から延出された第2下フランジと、第1及び第2固定板を互いに連結する連結部とを備え、第1及び第2固定板が壁基材に固定されるとともに、第1及び第2下フランジが最下段の外壁板を支持するように構成されており、連結部は、第1及び第2固定板を互いに近づける連結部の屈曲を案内する予備屈曲部が設けられた板部であるとともに、第1下フランジの先端と第2下フランジの先端とが互いに干渉せずに第1下フランジの先端と第2下フランジの先端とを互いに近づける連結部の屈曲を許容する幅を有している
【0007】
また、本発明に係るスタータ金具を用いた建築物の建築方法は、上記のスタータ金具を用いた建築物の建築方法であって、建築物の複数の角で出合う壁基材の2つの面の角度に合わせて、複数のスタータ金具の連結部をそれぞれ屈曲する工程と、複数の角において、各スタータ金具の第1及び第2固定板を壁基材の2つの面にそれぞれ固定する工程とを含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明のスタータ金具及びそれを用いた建築物の建築方法によれば、第1及び第2固定板を互いに近づけるように連結部の屈曲を案内する貫通孔、薄肉部又は予備屈曲部が連結部に設けられているので、連結部を屈曲させて建築物の角において出合う壁基材の2つの面に第1及び第2固定板をそれぞれ固定させることができる。これにより、角に取り付けたスタータ金具に他のスタータ金具を連結することで、建築物の角において生じるスタータ金具の高さ位置のずれを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態1によるスタータ金具を示す斜視図である。
図2図1のスタータ金具の第1使用態様を示す斜視図である。
図3図1のスタータ金具の第2使用態様を示す斜視図である。
図4図1の連結部の第1変形例を示す斜視図である。
図5図1の連結部の第2変形例を示す斜視図である。
図6図1の連結部の第3変形例を示す斜視図である。
図7図1の連結部の第4変形例を示す斜視図である。
図8図1の連結部の第5変形例を示す斜視図である。
図9】本発明の実施の形態2によるスタータ金具を示す斜視図である。
図10】本発明の実施の形態3によるスタータ金具を示す斜視図である。
図11】従来のスタータ金具を示す斜視図である。
図12図11の領域XIIを拡大して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態1によるスタータ金具1を示す斜視図である。図1において、スタータ金具1には、図右側に示す第1固定板10、第1下フランジ11及び第1上フランジ12、図左側に示す第2固定板13、第2下フランジ14及び第2上フランジ15、並びに図中央に示す連結部16が設けられている。
【0011】
第1固定板10は、平板状の部材である。第1下フランジ11は第1固定板10の下部から延出され、第1上フランジ12は第1固定板10の上部から延出されている。第1下フランジ11及び第1上フランジ12が延出されている側を第1固定板10の表面と呼び、その逆側を第1固定板10の裏面と呼ぶ。後に図を用いて説明するように、第1固定板10は、その裏面が建築物の壁基材100の外面に接するように配置される(図2及び図3参照)。第1固定板10は、ビス等により建築物の壁基材100に固定される。
【0012】
第1下フランジ11には、第1固定板10の表面に対して略垂直な方向に延在された平板状の第1下フランジ本体11aと、第1下フランジ本体11aの先端から上方に向けて突出された第1上向リップ11bとが設けられている。第1下フランジ11は、建築物の壁基材100に第1固定板10が固定された後、その壁基材100に取り付けられる最下段の最下段の外壁板(図示せず)を支持する。第1上向リップ11bは外壁板の下部に設けられた溝に係合される。
【0013】
第1上フランジ12には、第1固定板10の表面に対して略垂直な方向に延在された平板状の第1上フランジ本体12aと、第1上フランジ本体12aの先端から下方に向けて突出された第1下向リップ12bとが設けられている。第1上フランジ12は、第1下フランジ11に支持された外壁板と壁基材100との間に隙間を確保する。
【0014】
第1下フランジ本体11a及び第1上フランジ本体12aには、複数の楕円状開口11c,12cが設けられている。楕円状開口11c,12cは、外壁板が取り付けられた後に通風孔又は排水口として機能する。
【0015】
第2固定板13は、平板状の部材である。第2下フランジ14は第2固定板13の下部から延出され、第2上フランジ15は第2固定板13の上部から延出されている。第2下フランジ14及び第2上フランジ15が延出されている側を第2固定板13の表面と呼び、その逆側を第2固定板13の裏面と呼ぶ。後に図を用いて説明するように、第2固定板13は、その裏面が建築物の壁基材100の外面に接するように配置される(図2及び図3参照)。第2固定板13は、ビス等により建築物の壁基材100に固定される。
【0016】
第2下フランジ14には、第2固定板13の表面に対して略垂直な方向に延在された平板状の第2下フランジ本体14aと、第2下フランジ本体14aの先端から上方に向けて突出された第2上向リップ14bとが設けられている。第2下フランジ14は、建築物の壁基材100に第2固定板13が固定された後、その壁基材100に取り付けられる最下段の最下段の外壁板(図示せず)を支持する。第2上向リップ14bは外壁板の下部に設けられた溝に係合される。
【0017】
第2上フランジ15には、第2固定板13の表面に対して略垂直な方向に延在された平板状の第2上フランジ本体15aと、第2上フランジ本体15aの先端から下方に向けて突出された第2下向リップ15bとが設けられている。第2上フランジ15は、第2下フランジ14に支持された外壁板と壁基材100との間に隙間を確保する。
【0018】
第2下フランジ本体14a及び第2上フランジ本体15aには、複数の楕円状開口14c,15cが設けられている。楕円状開口14c,15cは、外壁板が取り付けられた後に通風孔又は排水口として機能する。
【0019】
第1及び第2下フランジ11,14の側端11d,14dは、スタータ金具1の開放側端を構成している。すなわち、第1及び第2下フランジ11,14はスタータ金具1の端部位置まで延在されているとともに、第1及び第2下フランジ11,14の側端11d,14dを塞ぐような壁面(第1及び第2固定板10,13の延在面並びに第1及び第2下フランジ11,14の延在面に直交する壁面)はスタータ金具1の端部位置に設けられていない。
【0020】
連結部16は、第1及び第2固定板10,13を互いに連結する平板状の板部である。連結部16には、第1及び第2固定板10,13を互いに近づけるように連結部16の屈曲を案内する貫通孔16aが設けられている。本実施の形態では、スタータ金具1の上下方向1aに沿って一列に配置された3つ貫通孔16aが設けられている。各貫通孔16aは、長手方向がスタータ金具1の上下方向1aに沿って延在された長孔とされている。貫通孔16aにより板材が減少している箇所は、強度が低くなっており、例えば人手等により容易に屈曲可能とされている。本実施の形態の態様では、図中の一点鎖線に沿って連結部16を山折り又は谷折りすることができる。
【0021】
次に、図2図1のスタータ金具1の第1使用態様を示す斜視図であり、図3図1のスタータ金具1の第2使用態様を示す斜視図である。
図2に示すように、図1の一点鎖線に沿って連結部16が山折りされることで、建築物の突出した角(出隅)において出合う壁基材100の2つの面100a,100bに第1及び第2固定板10,13をそれぞれ固定することができる。
同様に、図3に示すように、図1の一点鎖線に沿って連結部16が谷折りされることで、建築物の窪んだ角(入隅)において出合う壁基材100の2つの面100a,100bに第1及び第2固定板10,13をそれぞれ固定することができる。
第1固定板10の裏面と第2固定板13の裏面との間の角度θrは、建築物の角の角度に応じて適宜調節可能である。
【0022】
次に、図1図3のスタータ金具1を用いた建築物の建築方法を説明する。まず、建築物の複数の角において出合う壁基材100の2つの面100a,100bの角度に合わせて、複数のスタータ金具1の連結部16をそれぞれ屈曲する。その次に、建築物の複数の角において、各スタータ金具1の第1及び第2固定板10,13を壁基材100の2つの面100a,100bにそれぞれ固定する。このとき、各スタータ金具1の高さ位置を互いに合わせる。
【0023】
その次に、建築物の角に取り付けられたスタータ金具1の間を埋めるように直線状のスタータ金具を壁基材100に取り付ける。直線状のスタータ金具としては、図11に示すようなスタータ金具5を用いることができる。このとき、角用のスタータ金具1の側端と直線状のスタータ金具5の側端とが突き合わされる。上述のように第1及び第2下フランジ11,14の側端11d,14dがスタータ金具1の開放側端を構成していることで、角用のスタータ金具1の第1及び第2下フランジ11,14と直線状のスタータ金具の下フランジとを連続させることができる。
【0024】
その次に、角用のスタータ金具1の第1及び第2下フランジ11,14と直線状のスタータ金具の下フランジとに最下段の外壁板を支持させるとともに、最下段の外壁板の上に外壁板を順次積み重ねて建築物の外壁を構成する。
【0025】
次に、図4は、図1の連結部16の第1変形例を示す斜視図である。図4に示すように、より多くの貫通孔16aを連結部16に設けてもよい。すなわち、連結部16に設けられる貫通孔16aの数及び配置は、第1及び第2固定板10,13を互いに近づけるように連結部16の屈曲を案内するものである限り任意である。
【0026】
次に、図5図1の連結部16の第2変形例を示す斜視図であり、図6図1の連結部16の第3変形例を示す斜視図である。図5及び図6に示す態様では、スタータ金具1の上下方向1aに沿って延在された線状の薄肉部16bが連結部16に設けられている。図5に示すように1つの薄肉部16bが連結部16に設けられてもよいし、図6に示すように複数の薄肉部16bが連結部16に設けられてもよい。薄肉部16bは、例えばプレス加工又は切削加工等により連結部16に設けることができる。薄肉部16bは、連結部16の片側の面のみが圧縮又は切削されることで設けられてもよい。このような薄肉部16bも、第1及び第2固定板10,13を互いに近づけるように連結部16の屈曲を案内することができる。なお、連結部16の薄肉化を表すため、図5及び図6の連結部16のみ厚みを表現している。
【0027】
次に、図7図1の連結部16の第4変形例を示す斜視図であり、図8図1の連結部16の第5変形例を示す斜視図である。図7及び図8に示す態様では、スタータ金具1の上下方向1aに沿って延在された予備屈曲部16cが連結部16に設けられている。図7に示すように1つの予備屈曲部16cが連結部16に設けられてもよいし、図8に示すように複数の予備屈曲部16cが連結部16に設けられてもよい(蛇腹状としてもよい)。このような予備屈曲部16cも、第1及び第2固定板10,13を互いに近づけるように連結部16の屈曲を案内することができる。
【0028】
このようなスタータ金具1によれば、第1及び第2固定板10,13を互いに近づけるように連結部16の屈曲を案内する貫通孔16a、薄肉部16b又は予備屈曲部16cが連結部16に設けられているので、連結部16を屈曲させて建築物の角において出合う壁基材の2つの面100a,100bに第1及び第2固定板10,13をそれぞれ固定させることができる。これにより、角に取り付けたスタータ金具1に他のスタータ金具を連結することで、建築物の角において生じるスタータ金具の高さ位置のずれを低減できる。
【0029】
また、第1及び第2下フランジ11,14の側端11d,14dがスタータ金具1の開放側端を構成しているので、角用のスタータ金具1の第1及び第2下フランジ11,14と直線状のスタータ金具の下フランジとにより連続する下フランジを構成することができ、スタータ金具の高さ位置のずれをより確実に低減できる。
【0030】
さらに、建築物の複数の角で出合う壁基材100の2つの面100a,100bの角度に合わせて、複数のスタータ金具1の連結部16をそれぞれ屈曲するので、様々な建築物の角に広くスタータ金具1を対応させることができる。これにより、施工精度を向上させることができるとともに、施工の利便性を向上させることができる。
【0031】
実施の形態2.
図9は、本発明の実施の形態2によるスタータ金具1を示す斜視図である。実施の形態1では、第1及び第2上フランジ12,15に第1及び第2下向リップ12b,15bが設けられるように説明したが、図3に示すように第1及び第2上フランジ12,15に上向リップ12d,15dが設けられてもよい。その他の構成は、実施の形態1と同じである。
【0032】
実施の形態3.
図10は、本発明の実施の形態3によるスタータ金具を示す斜視図である。実施の形態1では、第1及び第2上フランジ12,15に第1及び第2下向リップ12b,15bが設けられるように説明したが、図3に示すように第1及び第2上フランジ12,15にリップが設けられなくてもよい。その他の構成は、実施の形態1と同じである。
【0033】
なお、実施の形態1〜3では下フランジ本体及び上フランジ本体が平板状であると説明したが、これら下フランジ本体及び上フランジ本体の形状は任意である。
【0034】
また、実施の形態1〜3では上フランジが設けられるように説明したが、上フランジは省略されてもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 スタータ金具
10 第1固定板
11 第1下フランジ
12 第1上フランジ
13 第2固定板
14 第2下フランジ
15 第2上フランジ
16 連結部
16a 貫通孔
16b 薄肉部
16c 予備屈曲部
100 壁基材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12