特許第6465730号(P6465730)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6465730電子装置、走行車線識別システムおよび走行車線識別方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6465730
(24)【登録日】2019年1月18日
(45)【発行日】2019年2月6日
(54)【発明の名称】電子装置、走行車線識別システムおよび走行車線識別方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/01 20060101AFI20190128BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20190128BHJP
   B60R 21/00 20060101ALI20190128BHJP
   G06T 7/60 20170101ALI20190128BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20190128BHJP
【FI】
   G08G1/01 K
   G01C21/26 A
   B60R21/00 991
   G06T7/60 200J
   G06T7/00 650
【請求項の数】11
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-86404(P2015-86404)
(22)【出願日】2015年4月21日
(65)【公開番号】特開2016-206868(P2016-206868A)
(43)【公開日】2016年12月8日
【審査請求日】2017年12月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000101732
【氏名又は名称】アルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】櫛田 敏夫
(72)【発明者】
【氏名】箱崎 智広
(72)【発明者】
【氏名】須藤 修一
【審査官】 東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−278813(JP,A)
【文献】 特開2003−035541(JP,A)
【文献】 特開2015−069288(JP,A)
【文献】 特開2010−078387(JP,A)
【文献】 特開2008−170267(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0320121(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 − 1/16
G01C 21/00 − 21/36
B60R 21/00
G06T 7/00
G06T 7/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の後方を撮像した撮像データに基づき車線の左右に存在する右白線および左白線を認識する認識手段と、
前記認識手段により認識された右白線と前記車両間の第1の距離を測定する第1の測定手段と、
前記認識手段により認識された左白線と前記車両間の第2の距離を測定する第2の測定手段と、
前記第1の距離および前記第2の距離のうち少なくとも一方の変化量を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に基づき車線数の増加の有無を検出する車線増加検出手段と、
前記車線増加検出手段の検出結果に基づき前記車両が走行する走行車線を識別する識別手段と、
を有する電子装置。
【請求項2】
前記車線増加検出手段は、前記検出手段によって検出された前記第1の距離の変化量が予め決められた変化量よりも大きいとき、車線の左側に車線が増加したことを検出し、前記第2の距離の変化量が予め決められた変化量よりも大きいとき、車線の右側に車線が増加したことを検出する、請求項に記載の電子装置。
【請求項3】
前記識別手段は、前記車線増加検出手段により車線が増加したことが検出された場合に、第1の距離の変化量が一定の割合以上で増加した後に一定の割合以上で減少したとき、増加した左側の車線を走行していると識別する、請求項1または2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記識別手段は、前記車線増加検出手段により車線が増加したことが検出された場合に、第1の距離の変化量が一定以上の割合で減少したとき、増加した左側の車線を走行していると識別する、請求項1または2に記載の電子装置。
【請求項5】
前記識別手段は、前記車線増加検出手段により車線が増加したことが検出された場合に、第2の距離の変化量が一定の割合以上で増加した後に一定の割合以上で減少したとき、増加した右側の車線を走行していると識別する、請求項1または2に記載の電子装置。
【請求項6】
前記識別手段は、前記車線増加検出手段により車線が増加したことが検出された場合に、第2の距離の変化量が一定以上の割合で減少したとき、増加した右側の車線を走行していると識別する、請求項1または2に記載の電子装置。
【請求項7】
前記電子装置はさらに、車線の分岐に関する情報を取得する取得手段を有し、前記識別手段は、取得された車線の分岐に関する情報に基づき前記車両の走行車線を識別する、請求項1ないしいずれか1つに記載の電子装置。
【請求項8】
前記電子装置はさらに、
車線の基準点を示す複数の車線ノードと、前記複数の車線ノード間における前記車線の区間態様を示す複数の車線リンクを含む地図データベースと、
現在位置を測位する測位手段と、
前記測位手段により測位された現在位置を前記車線リンク上に補正するマップマッチング手段とを有し、
前記マップマッチング手段は、前記現在位置を前記識別手段により識別された走行車線に対応する前記車線リンクに補正する、
請求項1ないしいずれか1つに記載の電子装置。
【請求項9】
請求項1ないしいずれか1つに記載の電子装置と、
車両の後方を撮像する撮像装置とを備え、
前記電子装置は、前記撮像装置から撮像データを受け取り、当該撮像データに基づき走行車線を識別する走行車線識別システム。
【請求項10】
車両の後方を撮像する撮像手段を備えた電子装置が実行する走行車線識別方法であって、
前記撮像手段により撮像された撮像データに基づき車線の左右に存在する右白線および左白線を認識する認識ステップと、
前記認識された右白線と前記車両間の第1の距離、および前記認識された左白線と前記車両間の第2の距離を測定する測定ステップと、
前記第1の距離および前記第2の距離のうち少なくとも一方の変化量を検出する検出ステップと、
前記検出ステップの検出結果に基づき車線数の増加の有無を検出する車線増加検出ステップと、
前記車線増加検出ステップの検出結果に基づき前記車両が走行する走行車線を識別する識別ステップと、
を有する走行車線識別方法。
【請求項11】
車両の後方を撮像する撮像手段を備えた電子装置が実行する走行車線識別プログラムであって、
前記撮像手段により撮像された撮像データに基づき車線の左右に存在する右白線および左白線を認識する認識ステップと、
前記認識された右白線と前記車両間の第1の距離、および前記認識された左白線と前記車両間の第2の距離を測定する測定ステップと、
前記第1の距離および前記第2の距離のうち少なくとも一方の変化量を検出する検出ステップと、
前記検出ステップの検出結果に基づき車線数の増加の有無を検出する車線増加検出ステップと、
前記車線増加検出ステップの検出結果に基づき前記車両が走行する走行車線を識別する識別ステップと、
を有する走行車線識別プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の後方を撮像する後方カメラによって撮像された撮像データに基つき車線を検出し、特に、車線数が変化するときの自車の走行車線の識別に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション機能を備えた車載装置に車両の前方、後方、側方等を撮影する撮像カメラを接続し、撮像カメラで撮像された撮像画像を車載装置のディスプレイ等に表示することにより運転者の支援を行うシステムが普及している。特に、後方カメラによって撮像される撮像画像は、運転者にとって最も見にくい車両後方の画像であり、車庫入れ時の運転操作を容易にしている。また、撮像カメラで撮像された撮像画像は、運転者に見せるだけでなく、撮像画像に基づいて道路状況を把握し、様々な機能の内部処理に役立てられている。
【0003】
前方や後方を撮像する撮像画像を使用して、車線変更や走行車線を検出する技術が開示されている。特許文献1には、前方または後方を撮像する撮像画像に基づいて走行中の車線の左右の白線を認識し、認識された前記車線と推定された走行車線に基づいて分岐路境界地点の通過後の走行車線を推定する車載装置が開示されている。特許文献2には、車線境界線の傾斜角を測定し、測定された前記傾斜角や車速等に基づいて車両の横方向への移動を検出し、横方向の移動量が所定距離以上になった時に車線変更を検出する車線変更検出装置が開示されている。特許文献3には、劣化や汚れ等により白線種別が認識できない場合であっても、過去の走行履歴情報に基づいて白線種別を推定する車両運転支援装置が開示されている。特許文献4には、撮像画像のうち、予め決められた領域を抽出し、抽出された当該領域に含まれる画像情報に基づいて走行車線の種類を判別する走行車線判別装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−181959号公報
【特許文献2】特開2010−281781号公報
【特許文献3】特開2010−221859号公報
【特許文献4】特開2005−4442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
撮像カメラにより撮像された撮像データから走行車線を検知する機能を備えた電子装置では、自車の両側の左右の車線区分線(または、白線ともいう)を画像認識することにより自車の走行車線を識別している。また、自車が車線移動する場合、自車が白線を通過したときに車線の移動を検出している。
【0006】
しかしながら、白線を検出して自車の走行車線を検出する方法には、次のような課題がある。交差点等において車線が増加する分岐路地点で車線を変更するとき、通過すべき車線区分線が撮像カメラに映らず、自車の走行車線を識別できない場合がある。図8は、車線が増加する分岐路地点において、車両Mが車線移動する様子を示している。車両M(以下、図8に示す車両の位置に基づき、M1、M2、M3と呼ぶ)には、後方を撮像する撮像カメラCが搭載され、車線(レーン)R2を走行中の車両M1が、分岐路で増加する車線R1に移動したとき、撮像カメラCには、一定期間、車線区分線が撮像されない状態が発生する。つまり、車線R1が増加する分岐路地点には、車線R1とR2とを区分する車線区分線が存在せず、車両M2の撮像カメラCで撮像された撮像領域A2には、車線R1と車線R2との境界である白線Lが映らない。車両M3が完全に車線R1に移動し車線R1を走行するとき、撮像領域A3には、車線R1と車線R2との境界の白線Lが映し出される。従来の走行車線の識別では、車両M3が車線R1をしばらく走行した後、白線Lが検出され、その検出結果に基づき車線M3の走行が識別されるため、分岐路地点において迅速な走行車線の識別を行うことができなかった。
【0007】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、撮像データに基づき車線数が増減するような分岐路地点において迅速に走行車線の識別を行うことができる電子装置、走行車線識別システムおよび走行車線識別方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る電子装置は、車両の後方を撮像した撮像データに基づき車線の左右に存在する右白線および左白線を認識する認識手段と、前記認識手段により認識された右白線と前記車両間の第1の距離を測定する第1の測定手段と、前記認識手段により認識された左白線と前記車両間の第2の距離を測定する第2の測定手段と、前記第1の距離および前記第2の距離のうち少なくとも一方の変化量を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された変化量に基づいて前記車両が走行する走行車線を識別する識別手段とを有する。
【0009】
好ましくは電子装置はさらに、前記検出手段の検出結果に基づき車線数の増加の有無を検出する車線増加検出手段を含み、前記識別手段は、前記車線増加検出手段の検出結果に基づき走行車線を識別する。好ましくは前記車線増加検出手段は、前記検出手段によって検出された前記第1の距離の変化量が予め決められた変化量よりも大きいとき、車線の左側に車線が増加したことを検出し、前記第2の距離の変化量が予め決められた変化量よりも大きいとき、車線の右側に車線が増加したことを検出する。好ましくは前記識別手段は、前記車線増加手段により車線が増加したことが検出された場合に、第1の距離の変化量が一定の割合以上で増加した後に一定の割合以上で減少したとき、増加した左側の車線を走行していると識別する。好ましくは前記識別手段は、前記車線増加手段により車線が増加したことが検出された場合に、第1の距離の変化量が一定以上の割合で減少したとき、増加した左側の車線を走行していると識別する。好ましくは前記識別手段は、前記車線増加手段により車線が増加したことが検出された場合に、第2の距離の変化量が一定の割合以上で増加した後に一定の割合以上で減少したとき、増加した右側の車線を走行していると識別する。好ましくは前記識別手段は、前記車線増加手段により車線が増加したことが検出された場合に、第2の距離の変化量が一定以上の割合で減少したとき、増加した右側の車線を走行していると識別する。好ましくは前記電子装置はさらに、車線の分岐に関する情報を取得する取得手段を有し、前記識別手段は、取得された車線の分岐に関する情報に基づき前記車両の走行車線を識別する。好ましくは前記電子装置はさらに、車線の基準点を示す複数の車線ノードと、前記複数の車線ノード間における前記車線の区間態様を示す複数の車線リンクを含む地図データベースと、現在位置を測位する測位手段と、前記測位手段により測位された現在位置を前記車線リンク上に補正するマップマッチング手段とを有し、前記マップマッチング手段は、前記現在位置を前記識別手段により識別された走行車線に対応する前記車線リンクに補正する。
【0010】
本発明に係る走行車線識別システムは、上記構成の電子装置と、車両の後方を撮像する撮像装置とを備え、前記電子装置は、前記撮像装置から撮像データを受け取り、当該撮像データに基づき走行車線を識別する。
【0011】
本発明に係る走行車線識別方法は、車両の後方を撮像する撮像手段を備えた電子装置が実行するものであって、前記撮像手段により撮像された撮像データに基づき車線の左右に存在する右白線および左白線を認識する認識ステップと、前記認識された右白線と前記車両間の第1の距離、および前記認識された左白線と前記車両間の第2の距離を測定する測定ステップと、前記第1の距離および前記第2の距離のうち少なくとも一方の変化量を検出する検出ステップと、前記検出ステップにより検出された変化量に基づいて前記車両が走行する走行車線を識別する識別ステップとを有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、後方を撮像する撮像カメラの撮像データに基づいて左右の白線を認識し、認識された左右の白線と車両との距離を算出し、当該算出された距離の変化量に基づいて車両の走行車線を識別するようにしたので、車線数が増減する分岐路地点において、白線が不連続となったような場合であっても、より迅速に走行車線の識別を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態に係る走行車線識別システムの構成例を示す図である。
図2】走行車線識別プログラムの機能的な構成例を示す図である。
図3】車線幅検出部によって測定される車線幅の一例を示す図である。
図4A】車線移動検出部の処理フローの一例を示す図である。
図4B】左車線移動を示す図である。
図4C】右車線移動を示す図である。
図4D】車線移動検出部の初期化処理を示す図である。
図5A】車線増加検出部の処理フローの一例を示す図である。
図5B】車線が増加する分岐点において車両が増加した車線へ進入するときの走行車線の識別動作を説明する図である。
図5C】車両が左車線へ移動した場合の左白線および右白線までの距離の変化量を模式的に示す図である。
図5D】車線が増加する分岐点において車両が増加しない車線へ進入するときの走行車線の識別動作を説明する図である。
図6】車線数が右側に増加する分岐路を走行するときの走行車線の識別を説明する図である。
図7】本実施例の走行車線識別プログラムの全体処理フローを示す図である。
図8】車両に備えられた後方を撮像する撮像カメラが白線を撮像しないまま車線移動が行われる様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。本発明の好ましい態様では、電子装置は、車両の後方を撮像する撮像カメラからの撮像データを利用して自車が走行している走行車線を識別する機能を有する。識別された結果は、例えば、ナビゲーション機能の自車位置の判定に利用される。好ましい態様では、電子装置は、車両等の移動体内に搭載される車載装置または移動体に持ち込まれる端末装置であることができる。好ましい態様では、電子装置は、ナビゲーション機能を有するが、それ以外に、種々の機能、例えば、オーディオ・ビデオデータを再生する機能、テレビ・ラジオを受信する機能、データ通信機能などを備えることが可能である。
【実施例】
【0015】
次に、本発明の実施例について説明する。図1は、本発明の実施例に係る走行車線識別システム1の構成例を示す図である。走行車線識別システム1は、車載装置10と撮像部20を含んで構成される。撮像部20は、自車の走行中、自車の周辺エリアを撮像し、その撮像データを車載装置10へ提供する。車載装置10は、撮像データを画像解析することで、白線の検知および認識、車線数の増減、走行車線の識別等を行う。
【0016】
車載装置10は、同図に示すように、入力部100、ナビゲーション部110、マルチメディア再生部120、表示部130、音声出力部140、通信部150、記憶部160、制御部170を含んで構成される。但し、ここに示す構成は一例であり、車載装置10の構成は、これに限定されるものではない。
【0017】
撮像部20は、例えば、車両の後方を撮像するリアカメラ200と、車両の側方を撮像するサイドカメラ210を含む。さらに車両の前方を撮像するフロントカメラを搭載することも可能である。リアカメラ200、サイドカメラ210によって撮像された撮像データS1、S2は、車載装置100へ提供される。好ましい例では、リアカメラ200によって撮像された撮像データS1に基づき白線の検知や認識、車線数の増減、走行車線の識別の判定が行われる。
【0018】
入力部100は、入力キーデバイス、音声入力認識装置、タッチパネルなどにより、ユーザーからの指示を受け取り、これを制御部170へ提供する。ナビゲーション部110は、GPS衛星から送信されるGPS信号、車両に搭載されるジャイロセンサや加速度センサのセンサ出力に基づき自車の現在地を算出し、入力部100から入力された目的地までの案内経路を算出し、算出された経路案内を行ったり、自車位置周辺の道路地図を表示部130に表示させたりする。
【0019】
マルチメディア再生部120は、DVD、CD、ブルーレイディスク等の記録媒体や記憶部160に記憶されたビデオデータ、オーディオデータを再生する。再生されたビデオデータは、表示部130に表示され、オーディオデータは音声出力部140から出力されることができる。
【0020】
表示部130は、液晶ディスプレイやその他の表示装置を含み、例えば、ナビゲーション部110によって生成された道路地図の画像を表示したり、車載装置10のユーザー設定を行うための設定画面やメニュー画面を表示したり、マルチメディア再生部120により再生する音楽データを選択する際の選択画面等を表示することができる。音声出力部140は、ナビゲーション部110によって算出された経路を案内する音声案内を出力したり、車載装置10のユーザーに対して各種音声案内を行ったりする。
【0021】
通信部150は、外部のネットワーク等と無線によるデータ通信を行うことを可能にする。記憶部160は、車載装置10が実行するアプリケーションソフトウエア、制御部170が実行するプログラム、ナビゲーション部110が実行されるときに必要とされる地図データ等を記憶することができる。好ましくは、当該地図データには、車線の基準点を示す複数の車線ノード、当該複数の車線ノード間における車線の区間態様を示す複数の車線リンクを含む。制御部170は、好ましい態様では、ROM、RAMなどを含むマイクロコントローラ等から構成され、ROMまたはRAMは、車載装置10の各部の動作を制御するための種々のプログラムを格納することができる。本実施例では、車両の走行車線を識別する走行車線識別プログラム300を含む。
【0022】
図2は、走行車線識別プログラム300の機能的な構成例を示す図である。走行車線識別プログラム300は、白線認識部310、車線幅検出部320、車線移動検出部330、車線増加検出部340、走行車線識別部350を含んで構成される。走行車線識別プログラム300は、リアカメラ200から一定の周期で提供される撮像データ(画像フレームデータ)を処理し、走行車線を識別するが、この処理の周期または間隔は、必ずしも画像フレームの周期である必要はなく、一定の周期または間隔で走行車線の識別を行うことも可能である。
【0023】
白線認識部310は、リアカメラ200により撮像された自車後方の撮像データを画像解析し、当該撮像データから白線(車線区分線)の検出および認識を行う。リアカメラ200は、例えば、自車後部の中心部に設置され、当該中心部から一定の視野角で後方エリアを撮像する。自車が左白線と右白線により規定された車線を走行しているとき、リアの撮像データには、左白線と右白線が映し出される。白線の検出方法は、任意であるが、例えば、撮像データの白線の輪郭を検出するエッジ検出、あるいは主走査線方向(水平方向)に走査し、一定以上の輝度を有する画素を抽出し、抽出された画素から白線を検出する。さらに白線認識部310は、一定の間隔で配置された複数の白線を検出したときに白線を検出したと認識するようにしてもよい。これ以外の公知の手法により白線の検出を行うものでもよい。白線認識部310は、左白線および右白線を検出することで、自車を基準とする左白線および右白線の位置の認識を可能にする。
【0024】
車線幅検出部320は、白線認識部310によって認識された左右の白線に基づき、自車後方の右車線から左車線までの距離や、自車から右車線までの距離、自車から左車線までの距離を測定する。測定方法は、任意であるが、リアカメラ200が自車の中心に設置されている場合には、例えば、撮像データの中心から左白線および右白線までの画素数をカウントすることで自車中心から左白線および右白線までの距離が測定される。また、実際に撮像された左白線および右白線は、自車の後方に向けて幾分広がるように傾斜されるので、主走査線方向の幾つかの測定地点を予め設定しておき、そこで測定された距離の平均値を算出したり、あるいは自車から一定の距離だけ後方の地点の左白線および右白線の距離を測定するようにしてもよい。
【0025】
図3は、車線幅検出部320によって検出される車線幅の一例を示す図である。車線幅検出部320は、車両Mの中心軸Yから車線R2の左白線Q1までの幅(または距離)W1および中心軸Yから車線R2の右白線Q2までの幅(または距離)W2を測定する。車線R2の車線幅は、幅W1および幅W2を加算することにより求めることができる。また、車線幅検出部320は、撮像データによって隣接する車線R3が撮像されている場合には、中心軸Yから隣接する車線R3の右白線Q3までの幅(または距離)W3を測定することができる。
【0026】
車線移動検出部330は、自車が車線移動をしたか否かを検出する。図4Aは、車線移動検出部330の処理フローの一例を示す図である。ここで、変数「left」は、車両Mの中心軸Yから直近の左白線までの距離を示し、変数「right」は、車両Mの中心軸Yから直近の右白線までの距離を示し、変数「preLeft」は、1つ前に車線幅検出部320によって検出された中心軸Yから直近の左白線までの距離を示し、変数「preRight」は1つ前に車線幅検出部320によって検出された中心軸Yから直近の右白線までの距離を示す。また、変数「laneChange」は、車線移動を示す変数であり、左車線に車線移動したと判定された場合は「laneChange」に“−1”が設定され、右車線に車線移動したと判定された場合は“1”が設定される。車線移動が行われていない場合は、初期値の“0”が保持される。
【0027】
図4Bは、車線R3から車線R2への左車線への移動であり、この移動の検出を説明する。車両Mが車線R2の地点P2にいるとき、車線幅検出部320によって測定された右白線および左白線までの距離が変数「left」、「right」にそれぞれ設定される(S100、S102)。また、変数「laneChange」は“0”に初期化される(S104)。また、「preLeft」および「preRight」には、車両Mが車線R3の地点P1にいるときの左白線および右白線までの距離が設定されている。
【0028】
次に、車線移動検出部330は、ステップS106に示す条件に合致するか否かを判定する。すなわち、「preLeft」が「preRight」よりも小さく、かつ、「left」が「right」よりも大きく、さらに白線Q2を跨いだことを判定するために、「preLeft」および「right」が予め決められた値(0.2m)よりも小さい、という条件を満足するか否かを判定する。これらの条件を全て満たす場合、車線移動検出部330は、車両Mが左車線に移動したことを検出し、「laneChange」に−1を設定する(S110)。左車線の移動を検出した後は、「preLeft」および「preRight」を初期化(0を設定)し(S118、S120)、処理を終了する。
【0029】
図4Cは、車線R2から車線R3への右車線への移動を示す図である。この場合、「preLeft」および「preRight」には、車両Mが車線R2の地点P3にいるときの左白線および右白線までの距離が設定される。ステップS106によって、左車線への移動ではないと判定されるため、次に、右車線への移動か否かが判定される(S108)。すなわち、「preLeft」が「preRight」よりも大きく、かつ、「left」が「right」よりも小さく、かつ、「preRight」および「left」が予め決められた値(0.2m)よりも小さい場合に、車線移動検出部330は、車両が右車線に移動したと判定し、「laneChange」に“1”を設定する(S112)。右車線の移動を検出した後は、「preLeft」および「preRight」を初期化(0を設定)し(S118、S120)、処理を終了する。
【0030】
図4Aのフローに示すように、右車線および左車線への移動がない場合は、「left」および「right」の値は、「preLeft」および「preRight」として設定され(S114、S116)、再度、車両が車線移動をしたか否かを検出する際の処理に使用される。なお、図4Aの処理を行う際は、図4Dに示す初期化処理を事前に行われる。もっとも、初期化処理では、「preLeft」および「preRight」の値も初期化(0を設定)しているため、初回処理時のみ初期化することが好ましい。
【0031】
車線増加検出部340は、白線認識部310の認識結果および車線幅検出部320の検出結果に基づき、車線数の増加を検出する。車線増加検出部340は、典型的に、車線幅(図3のW1+W2の合計距離)の絶対値または変化量が大きく変化したとき、あるいは白線認識部310によって認識された白線数が増加したとき、車線数が増加したことを検出する。但し、図8に示すように、車線R1が増加するとき、その境界において車線R1と車線R2との間に白線が存在しないことがある。もし、車両Mが車線R2を走行するならば、その境界において、車両Mから左白線Q1までの距離が著しく大きく変化することになる。反対に、車両Mが車線R1へ進入する方向に進めば、車両Mから右白線Q2までの距離が著しく大きく変化することになる。つまり、車線が増加する分岐路において、仮に白線が存在しなくても、左白線Q1から右白線Q2までの車線幅の変化量または変化率が一定の値よりも大きくなれば、車線数が増加したことを判定することができる。さらに、左白線までの距離、あるいは右白線までの距離のいずれかが大きく変化したかを検出することで、大きく変化した側に車線が増加したと判定することができる。また、図8に示すように、左側に車線R1が増加する境界では、白線Q1が左斜め方向に傾斜するので、車線増加検出部340は、白線認識部310により認識された白線の傾斜する方向が一定角度以上であるとき、その方向に車線が増加すると判定し、判定精度を高めるようにすることができる。さらにナビゲーション部110の道路地図データに車線数の情報が含まれている場合には、その車線数の情報を判定に利用したり、路側機から車線数の情報を得ることができる場合には、その情報を利用してもよい。
【0032】
図5Aは、車線増加検出部340の処理フローの一例を示す図である。ここで、「laneIncrease」は、車線数増加を示す変数であり、車線数の増加がない場合は“0”が設定され、車線数の増加が検出された場合には“1”が設定される。「lanePosition」は、車線数が増加した際の自車両の走行車線を示す変数であり、増加車線のうち左側の車線を自車が走行している場合には“−1”が設定され、右側の車線を自車両が走行している場合には“1”が設定される。
【0033】
車線増加検出部340は、車線幅検出部320により検出された車線幅が増大しているか否かを検出する(S300)。車線幅が増大しているか否かは、上記したように、前回測定された車線幅と今回測定された車線幅とを比較することにより行われる。車線幅が増大していないと判定された場合は、「laneIncrease」および「lanePosition」に“0”を設定し(S304、S306)、処理を終了する。
【0034】
一方、車線幅が増大していると判定された場合は、直前まで検出してきた直近の左右の白線の間に新たな白線があるか否かが判定される(S302)。新たな車線とは、例えば、図8で示す道路R1および道路R2の間に存在する白線Lのような白線であり、新たな白線の有無は、白線認識部310の認識結果に基づき判定される。車線増加検出部340は、新たな白線を検出することができない場合には、「laneIncrease」および「lanePosition」に“0”を設定し(S304、S306)、処理を終了する。新たな白線を検出することができた場合には、車線数が増加したと判定し、「laneIncrease」に“1”を設定する(S308)。さらに、新たな白線は、車両の左右のいずれかを判定し(S310)、新たな白線が右側にある場合には「lanePosition」に“−1”を設定し(S312)、新たな白線が左側にある場合には「lanePosition」に“1”を設定し(S314)、処理を終了する。
【0035】
走行車線識別部350は、車線移動検出部330、車線増加検出部340等の検出結果に基づき自車が走行している車線を識別する。走行車線識別部350の識別結果は、例えば、後方からの障害物を報知する運転支援のための情報、あるいはナビゲーション部110の位置情報等に利用される。
【0036】
次に、本実施例の詳細な走行車線の識別動作について説明する。図5Bは、車線が増加する分岐点において車両が増加した車線へ進入するときの走行車線の識別動作を説明する図である。車両Mは、地点P5から地点P6、地点P7の順に移動し、車線R2から分岐した車線R1へ移動するものとする。このような走行を行う場合、車両Mと直近の左白線Q1までの距離L1は、地点P5、P6、P7においてほぼ一定であるか、または極めて小さい変化量で変化する。一方、車両Mから直近の右白線Q2までの距離L2は、地点P6において急激に距離L3に増加する(L3>L2)。これは、分岐路する地点で車線R1と車線R2との境界を示す白線が存在せず、リアカメラ200によってその白線が撮像されず、白線Q2との距離L3が測定されるためである。
【0037】
1つの実施態様では、車線増加検出部340は、地点P5からP6への移動により距離L1+L3の合計が一定の値を越えるとき、車線数が増加すると判定する。さらに、車線増加検出部340は、地点P5からP6への移動において左白線Q1の傾斜角が左側に一定角以上傾斜しているとき、左側に車線が増加すると判定する。この車線増加検出部340の検出結果に基づき、走行車線識別部350は、地点P5において、距離L1と距離L3とを比較し、L1<L3であれば、増加した車線R1へ進入すると推定し、L1>L3であれば、車線R2へ進入すると推定する。この推定結果は、例えば、図5Aのフローにおいて、新たな白線Lの検出を待たずに、ステップS304、S306において「lanePosition」に“1”または“−1”の設定に利用することができる。これにより、走行車線の識別に要する時間の短縮を図ることができる。
【0038】
さらに他の実施態様では、走行車線識別部350は、地点P7の車線幅L1、L4を判定に加えることができる。車両Mが道路R1に進入し白線Lが撮像されると、車両Mから右車線Lまでの距離L4が測定される。この距離L4は、距離L3よりも急激に小さくなり、変化量が極めて大きくなる。一方、地点P6から地点P7へ移動しても、距離L1の変化量は小さい。つまり、距離L2が増加して距離L3となり、距離L3が減少して距離L4に変化するとき、走行車線識別部350は、増加した車線R1を走行していると判定することができる。
【0039】
図5Cは、車両が車線R2から車線R1へ移動した場合の車両から左白線Q1および右白線Qまでの距離の変化を模式的に表す図である。右白線までの距離L1および左白線までの距離L2は、分岐路地点に到達するまではほぼ一定であるが、車両Mが分岐エリアに進入を開始すると(車線R1へ進入)、右白線までの距離L2が増加していき、白線Lが検出された時点で、最大変化量Xを伴って急激に降下する。車線増加検出部340は、ある変化量が一定の値または絶対値が一定の値を越えるとき、車線の増加を検出し、左白線までの距離または右白線までの距離の変化量または絶対値の比較により増加する車線の方向を検出するようにしてもよい。さらに走行車線識別部350は、右白線Q2までの距離の変動が増加し、その後減少する挙動、あるいは、最大変化量Xからの距離の低下量または変化量が一定の値以上である挙動から、増加した車線または増加してない車線のいずれの車線を走行しているか識別することができる。
【0040】
図5Dは、車線が増加する分岐点において車両が増加した車線へ進入しないときの走行車線の識別動作を説明する図である。車両Mは、地点P8から地点P9、地点P10の順に移動し、車線R2から分岐地点を越えて車線R2へ走行するものとする。このような場合、車両Mと直近の右白線Q2までの距離L2は、地点P8、P9、P10においてほぼ一定であるか、または極めて小さい変化量で変化する。一方、車両Mから直近の右白線Q1までの距離L1は、地点P9において急激に距離L5に増加する(L5>L1)。これは、分岐路する地点で車線R1と車線R2との境界を示す白線が存在せず、リアカメラ200によってその白線が撮像されず、白線Q1との距離L5が測定されるためである。この場合、図5Bで示したときの同様の処理判定が実行される。
【0041】
図6は、車線数が右側に増加する分岐路における走行車線の識別を説明する図である。同図に示すように、新たに車線R4が右側に増加する場合、車両Mが地点P11、P12、P13を移動するものとする。車両が地点P12を移動するとき、右白線Q1と左白線Q2との車線幅(L1+L2)の変化量または絶対値が一定値よりも大きくなることで車線数の増加が検出される。また、右白線Q1が右側に傾斜することで、右側に車線R4が追加されることが検出される。さらに、地点P11、P12、P13における車両Mと右白線Q1との間の距離L1の変化、車両Mと左白線Q2との距離L2の変化に基づき走行車線識別部350は、分岐路において車両Mが車線R4またはR5のいずれかに進入するのかを識別する。
【0042】
図7は、本実施例の走行車線識別プログラム300の全体処理フローを示す図である。走行車線識別プログラム300が起動されたとき、必要に応じて車線移動検出部330および車線増加検出部340が初期化される。次に、リアカメラ200により撮像された撮像データが取得され(S500)、白線認識部310が取得した撮像データから白線を認識する(S502)。白線認識部310により白線が認識されると、車線幅検出部320は、自車から左車線Q1までの距離L1、右白線Q2までの距離L2を測定し、車線幅の検出を行う(S504)。ステップS504からステップS508までの処理は、リアカメラ200からの撮像データが提供される間、継続的に繰り返される。距離L1、L2が測定されると、車線移動検出部330、および車線増加検出部340により距離L1、L2が監視され(S506)、走行車線識別部350は、その検視結果に基づき分岐路の推定を行う(S508)。走行車線識別部350は、車線数の増加が検出されたにもかかわらず、新たな白線が認識されないとき、車線数が増加する分岐路であると推定する(S508)。分岐路であると推定されると、走行車線識別部350は、図5B図5D図6で説明したように、自車が、増加した車線かそうでない車線のいずれかを走行するかが識別される(S510)。分岐路でない場合には、通常の図4A図5Aに示すような通常の処理により走行車線が識別される(S512)。
【0043】
本実施例によれば、従来は白線Lを跨いだ場合に車線移動を検出していたが、白線Lの跨ぎを検出しなくとも、車線幅の変化量や白線の傾斜に基づき車線数の増加および走行車線の識別を行うことができる。従って、白線が存在しない、車線数が増加する分岐路等において走行車線の識別を行うことができ、その結果、分岐路を通過した後に白線が認識された時点での走行車線の識別が迅速かつ容易になる。また、本実施例では、道理地図データやGPSや自立航法センサ等の自車位置算出データを用いることなく、リアカメラからの撮像データだけを用いて走行車線の識別が可能となる。
【0044】
上記実施例では、リアカメラ200による撮像データから白線の認識や走行車線の識別を行う例を示したが、車両に複数のリアカメラが搭載されているとき、複数の撮像データを利用しても良い。さらに車両の後方を撮像するカメラは、車両の側部に搭載されたサイドビューカメラであってもよい。
【0045】
さらに上記実施例では、撮像データのみを用いて車線数が増加する分岐点における走行車線の識別を行ったが、さらに精度を向上するための他の情報、例えば、ナビゲーション部の道路地図データを利用してもよい。例えば、地図データから、自車の走行している道路の前方に、車線数が増加する交差点があるとき、自車位置が交差点に進入したことをトリガーにして車線数が増加すると判定し、車線幅の絶対値または変化量に基づく検出をキャンセルしてもよい。この場合、走行車線識別部は、自車から左白線までの距離L1または右白線までの距離L2を比較し、距離が小さい方の車線に進入すると識別する。
【0046】
さらに上記実施例の利用例として、走行車線の識別結果をマップマッチング処理に利用する例が挙げられる。例えば、ナビゲーション部110によって、GPS信号等から車両の現在地が算出された場合、上記実施例の処理に従い車両の走行車線を識別し、GPS信号等から算出した車両の現在地を識別された走行車線にマップマッチングすることにより、ナビゲーション部110によって現在地を算出した際の誤差を補正することができる。マップマッチングする際は、記憶部160に記憶された車線の区間態様を示す車線リンクに車両の現在地を補正することによりマップマッチングすることが可能である。
【0047】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の要旨の範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0048】
1:走行車線識別システム 10:車載装置
20:撮像部 100:入力部
110:ナビゲーション部 120:マルチメディア再生部
130:表示部 140:音声出力部
150:通信部 160:記憶部
170:制御部 200:リアカメラ
210:サイドカメラ 300:走行車線識別プログラム
310:白線認識部 320:車線幅検出部
330:車線移動検出部 340:車線増加検出部
350:走行車線識別部 A2、A3:撮像領域
Q1、Q2、Q3、L:白線
C:撮像カメラ
L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7、L8:距離
M、M1、M2、M3:自車両
P1、P2、P3、P4、P5、P6、P7、P8、P9、P10:地点
P11、P12、P13:地点
R1、R2、R3、R4、R5、R6:車線
W1、W2、W3:幅
Y:中心軸
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7
図8