(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6465841
(24)【登録日】2019年1月18日
(45)【発行日】2019年2月6日
(54)【発明の名称】作業台車
(51)【国際特許分類】
E04G 1/24 20060101AFI20190128BHJP
B61D 15/00 20060101ALI20190128BHJP
A01B 51/02 20060101ALI20190128BHJP
B62B 5/06 20060101ALI20190128BHJP
B62B 3/02 20060101ALI20190128BHJP
【FI】
E04G1/24 301B
B61D15/00 A
A01B51/02
B62B5/06 E
B62B3/02 E
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-175282(P2016-175282)
(22)【出願日】2016年9月8日
(65)【公開番号】特開2018-40174(P2018-40174A)
(43)【公開日】2018年3月15日
【審査請求日】2016年11月1日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成28年7月27−29日「GPEC施設園芸・植物工場展覧」において公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成28年7月27日、パンフレット「トマト高軒高ハウス長期多段どり栽培向けレール式高所作業台車」にて公開
(73)【特許権者】
【識別番号】000108708
【氏名又は名称】タキゲン製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078950
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 忠
(72)【発明者】
【氏名】石原 健
【審査官】
五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】
特許第5879413(JP,B1)
【文献】
登録実用新案第3090386(JP,U)
【文献】
特開2002−178926(JP,A)
【文献】
実公平07−007688(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 1/24
A01B 51/02
B61D 15/00
B62B 3/02
B62B 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視概略矩形で水平の基台と基台の前後左右の四隅に立設される支柱とを具備する台車本体と、この台車本体の支柱に高さ位置を変更可能に水平に支持される平面視概略矩形の足場板とを具備し、
後方左右の前記支柱間は、少なくとも1つの水平のステップ兼用の後部横桟で接続され、
前後の前記各支柱間は、上下方向に相互間隔を置いて左右対向位置に設けられる複数の水平の支持桟でそれぞれ接続され、
前記足場板は、溝を内側に向けて矩形枠状に結合された溝型鋼材からなる枠体と、この枠体の上辺の上面に溶着された矩形鋼板製の天板とを具備し、左右に相対向するいずれか一対の前記支持桟の上に選択的に着脱自在に載せ置かれ、
前記支持桟は、前後の各支柱の左右方向の内側にねじ止めされる垂直辺と、当該垂直辺の下縁から内側へ相対向するように延出する水平辺と、当該水平辺の内側縁部から垂直に起立する開き止め突片と、前後の端部において垂直辺と水平辺とを垂直に接続し前記足場板を前後方向に抜け止めする端辺とを具備し、
前記支持桟の端辺間の水平辺上に、前記足場板の枠体の下辺を載せ受けたとき、当該下辺の内側縁部に前記開き止め突片が対面して左右の支柱間が足場板を介して開き止めされるように構成され、
前記台車本体は、さらに、前記基台の前方の左右に、それぞれ地面を前後に直進走行する前方接地車輪と、軌道を前後に直進走行する前方軌道車輪とを具備すると共に、前記基台の後方の左右に、駆動軸に支持され、それぞれ前記前方軌道車輪と共に軌道を前後に直進走行する後方軌道車輪を具備し、
前記前方接地車輪と前記前方軌道車輪は同軸上に支持され、かつ前記前方接地車輪は前記前方軌道車輪より大径に構成され、
前記台車本体の後部を持ち上げて前記前方接地車輪で地面上を人力移動させるように、後方左右の前記支柱の下部から後方へ延出する手押しハンドルをさらに具備することを特徴とする作業台車。
【請求項2】
平面視概略矩形で水平の基台と基台の前後左右の四隅に立設される支柱とを具備する台車本体と、この台車本体の支柱に高さ位置を変更可能に水平に支持される平面視概略矩形の足場板とを具備し、
後方左右の前記支柱間は、少なくとも1つの水平のステップ兼用の後部横桟で接続され、
前後の前記各支柱間は、上下方向に相互間隔を置いて左右対向位置に設けられる複数の水平の支持桟でそれぞれ接続され、
前記足場板は、溝を内側に向けて矩形枠状に結合された溝型鋼材からなる枠体と、この枠体の上辺の上面に溶着された矩形鋼板製の天板とを具備し、左右に相対向するいずれか一対の前記支持桟の上に選択的に着脱自在に載せ置かれ、
前記支持桟は、前後の各支柱の左右方向の内側にねじ止めされる垂直辺と、当該垂直辺の下縁から内側へ相対向するように延出する水平辺と、当該水平辺の内側縁部から垂直に起立する開き止め突片と、前後の端部において垂直辺と水平辺とを垂直に接続し前記足場板を前後方向に抜け止めする端辺とを具備し、
前記支持桟の端辺間の水平辺上に、前記足場板の枠体の下辺を載せ受けたとき、当該下辺の内側縁部に前記開き止め突片が対面して左右の支柱間が足場板を介して開き止めされるように構成され、
前記台車本体は、前記基台の前方の左右に設けられる一対の操舵車輪と、当該基台の後方の左右に設けられる一対の駆動車輪と、当該基台の前方中央に長さ調整自在に立設されるステアリング軸とを備え、
前記操舵車輪は、それぞれ地面を走行する前方接地車輪と、軌道を走行する前方軌道車輪とを具備し、
前記駆動車輪は、それぞれ地面を走行する後方接地車輪と、軌道を走行する後方軌道車輪とを具備し、
前記前方接地車輪と前記前方軌道車輪は前方車軸上に回転自在に支持され、かつ前記前方接地車輪は前記前方軌道車輪より大径に構成され、
前記操舵車輪は、拘束部材により、直進状態に固定可能に構成され、
前記拘束部材は、前記台車本体から前方へ延出するように設けられるピン孔付の支持板部と、前記前方車軸から前記支持板部に平行に対向するように前方へ延出する受け板部と、前記前方車軸が直進位置にあるとき前記ピン孔に合致する位置において前記受け板部に立設されるピン受け筒と、前記ピン孔を姦通して前記ピン受け筒へ挿抜自在のストッパピンとを具備し、
前記台車本体の後部を持ち上げて直進状態に固定された前記操舵車輪にて地面又は軌道上を人力移動できるように、後方左右の前記支柱の下部から後方へ延出する手押しハンドルをさらに具備することを特徴とする作業台車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農場等において、高所作業を行う際の作業足場を提供する作業台車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、走行車輪を電動モータで駆動しながら機体を推進し、昇降可能な作業台上に作業者が搭乗して高所作業を行うことができる作業台車が提案されている(例えば特許文献1参照)。この作業台車においては、機体の左右方向の中央に、前後に縦断してパンタグラフ状の昇降手段が立設される。昇降手段は油圧シリンダの伸縮により上下方向に伸縮し、作業台の高さを変更する。走行車輪の駆動電力と油圧シリンダの駆動電力は、車載のバッテリから得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−206260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の作業台車は、油圧シリンダの駆動電力を車載のバッテリから得るから、バッテリの消耗を早める難点がある。また、昇降手段がパンタグラフ式であるから、保安上、伸縮に伴う重心位置の変化に対応する複雑な機構を必要とする。
地面を走行するものであるから、軌道走行には対応できない。
したがって、本発明は、バッテリ駆動の昇降手段を用いず、簡易な手動式の昇降手段を用い、操作が容易で、安価に得られ、軌道走行が可能な作業台車を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、添付図面の符号を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上記課題を解決するための、本発明の作業台車1は、平面視概略矩形で水平の基台4と基台4の四隅に立設される支柱5とを具備する台車本体2と、この台車本体2の支柱5に高さ位置を変更可能に水平に支持される平面視概略矩形の足場板3とを具備する。台車本体2は、基台4の前方の左右に設けられる一対の操舵車輪6と、当該基台4の後方の左右に設けられる一対の駆動車輪7と、当該基台の前方中央に長さ調整自在に立設されるステアリング軸8とを備える。操舵車輪6は、それぞれ地面を走行する前方接地車輪31と、軌道を走行する前方軌道車輪32とを具備する。駆動車輪7は、それぞれ地面を走行する後方接地車輪34と、軌道を走行する後方軌道車輪35とを具備する。操舵車輪6は、直進状態に固定可能に構成される。作業台車1は、操舵可能状態で、接地車輪31,34にて、地面上を走行できる。後方左右の支柱5の下部からは、後方へ手押しハンドル12が延出する。手押しハンドル12を握って、台車本体2の後部を持ち上げ、直進固定された操舵車輪6にて、地面又は軌道上で作業台車1を人力移動させ、軌道車輪32,35を軌道上に乗せる。
上記課題を解決するための、本発明の作業台車101は、平面視概略矩形で水平の基台4と基台4の四隅に立設される支柱5とを具備する台車本体2と、この台車本体2の支柱5に高さ位置を変更可能に水平に支持される平面視概略矩形の足場板3とを具備する。台車本体2は、基台4の前方左右に、それぞれ地面を走行する前方接地車輪31と、軌道を走行する前方軌道車輪32とを具備すると共に、基台4の後方左右に、それぞれ前方軌道車輪32と共に軌道を走行する後方軌道車輪35を具備する。後方左右の支柱5の下部からは、後方へ、手押しハンドル12が延出する。手押しハンドル12を握って、台車本体2の後部を持ち上げ、前方接地車輪31又は前方軌道車輪32にて地面又は軌道上で作業台車1を人力移動させる。
【発明の効果】
【0006】
本発明の作業台車1においては、任意の高さ位置の支持桟14を選んで、これに足場板3を載せることにより、容易に足場板3の設置位置を上下に変更することができる。地面上では、ステアリング軸8の操作で操舵して作業台車1を移動させることができるが、方向転換の回転半径は比較的大きい。手押しハンドル12を握って、台車本体2の後部を持ち上げ、前方接地車輪31のみで作業台車1を走行させれば、地面上で小回りをきかせて任意方向へ自在に移動させることができる。この操作で、軌道車輪32,35を軌道上に容易に乗り上げさせることができる。また、全体に比較的簡易な構成であり、安価に提供することができる。
本発明の作業台車101は、操舵機構がなく、軌道上での直進走行を基本的使用形態とするものであるが、より構造簡易で安価に提供できる利点がある。使用上、地面上での走行も必要となるが、この場合には、手押しハンドル12を握って、台車本体2の後部を持ち上げ、前方の接地車輪31のみで作業台車101を走行させ、任意の場所へ移動させることができる。接地車輪31は、前方のみであるから、コスト削減に貢献する。前方にのみ接地車輪31を設ける効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明に係る作業台車の前方から見た斜視図である。
【
図2】
図1の作業台車の後方から見た斜視図である。
【
図5】
図1の作業台車における足場板の一部を切欠した斜視図である。
【
図8】
図7におけるVIII−VIII断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1、
図2において、作業台車1は、台車本体2と足場板3とを具備する。台車本体2は、平面視概略矩形で水平の基台4と基台4の四隅に立設される支柱5とを具備する。足場板3は、平面視概略矩形状で、台車本体2の支柱5に、高さ位置を変更可能に水平に支持される。
【0009】
台車本体2は、さらに、基台4の前方の左右に設けられる一対の操舵車輪6と、基台4の後方の左右に設けられる一対の駆動車輪7と、基台4の前方中央に長さ調整自在に立設されるステアリング軸8とを備える。
【0010】
操舵車輪6は、それぞれ地面を走行する前方接地車輪31と、軌道を走行する前方軌道車輪32とを具備する。両車輪31,32は、それぞれ前方車軸33上に回転自在に支持される。前方接地車輪31は、地面を走行するための軌道を走行するり、前方軌道車輪32は、地面に敷設された軌道R上を走行する車輪である。
駆動車輪7は、同様に、それぞれ地面を走行する後方接地車輪34と、軌道を走行する後方軌道車輪35とを具備する。両車輪34,35は、それぞれ駆動車軸36上に固着される。
いずれの接地車輪31,34も、軌道車輪32,35よりわずかに大径である。
【0011】
基台4の前部にはバッテリ19が取り付けられ、後方下部には、駆動モータ20と伝動機構21が設けられる。モータ20の回転は、伝動機構21、駆動車軸36を介して駆動輪7に伝えられる。図示しないが、モータの制御スイッチは、足場板3上に乗る作業者の操作しやすい位置に設けられる。
【0012】
図1に示すように、前方左右の支柱5間は、上部において水平の横桟9で接続される。横桟9には、ステアリング軸8の上部を回転自在に支持する支持部材10が固着される。ステアリング軸8は、下端において前方車軸33に固着される軸筒8aと、これに昇降自在に挿入される軸本体8bとを具備する。足場板3の設置高さ位置に合わせて軸本体8bの高さを変更し、ボルト8cで固定可能に構成される。軸本体8bの上端には、水平のハンドル8dが設けられる。ステアリング軸8は、前方車軸33と共に、支持枠37に軸周り回転自在に支持される。
【0013】
図3、
図4に示すように、支持枠37は、水平に前方へ延出する支持板部37aを具備する。支持板部37aはピン孔7bを有する。一方、前方車軸33からは、支持板部37aに対向する受け板部33aが延出する。受け板部33aは、前方車軸33が直進位置にあるときピン孔37bに合致するピン受け筒33bを具備する。ピン孔37bを介してピン受け筒33bにストッパピン38が挿入されると、ステアリング軸8は、直進位置で、前方車軸33と共に、支持枠37に固定される。作業台車1を軌道R上で、軌道車輪32,35によって走行させる場合には、ストッパピン38で、操舵車輪6を直進方向に固定する。これを地面上で、接地車輪31,34によって走行させる場合には、ストッパピン38を外して操舵車輪6を自由にする。
【0014】
図2に示すように、後方左右の支柱5間は、2つの水平のステップ兼用の後部横桟11で接続される。後方の各支柱5の下部からは、後方へ手押しハンドル12が延出する。左右の手押しハンドル12間は、水平の足掛けバー13で接続され、この足掛けバー13と後部横桟11が、高所に配置された足場板3上への搭乗用ステップを提供する。
【0015】
前後の各支柱間5は、上下方向に相互間隔を置いて左右対向位置に設けられる複数の水平の支持桟14でそれぞれ接続される。
【0016】
図5に示すように、足場板3は、溝を内側に向けて矩形枠状に結合された溝型鋼材からなる枠体15と、この枠体15の上辺15aの上面に溶着された矩形鋼板製の天板16とを具備する。枠体15の後面には、取手17が取り付けられる。足場板3は、左右に相対向するいずれか一対の支持桟14の上に選択的に着脱自在に載せ置かれる。
【0017】
図6ないし
図8に示すように、支持桟14は、前後の各支柱5の左右方向の内側にねじ5bで固着される垂直辺14aと、当該垂直辺14aの下縁から内側へ相対向するように延出する水平辺14bと、当該水平辺14bの後部の内側縁部から垂直に起立する開き止め突片14cと、前後の端部において垂直辺14aと水平辺14bとを垂直に接続する端辺14dとを具備する。端辺14dは、足場板3を前後方向に抜け止めする。
【0018】
支持桟14の前後の端辺14d間の水平辺14b上に、足場板3の枠体15の下辺15bを載せ受ける。下辺15bの内側縁部に係合突片14cが対面し、それによって、後方左右の支柱5間が足場板3を介して開き止めされる。
【0019】
支柱5には、上下方向に相互間隔を置いて多数のボルト孔5aが形成される。任意の高さ位置のボルト孔5aを選択し、ねじ5bで支持桟14を支柱5に固着することができる。
【0020】
前後の支柱5の上端部間は、金属管材を屈曲成形してなる手摺部材18で接続される。手摺部材18は、水平の手摺部18bと、その両端から下方へ垂直に延出する一対の脚部18aとを具備し、脚部18aの下端部においてそれぞれ前後の各支柱5の上端部に、ねじにて固着される。
【0021】
この作業台車1を使用する場合には、足場板3を、作業を行う高さ位置に合せて適宜の支持桟14上に後方から滑らせるように差し込んで装着する。
図7,8 に示すように、足場板3の枠体15の後部は、支持桟14の垂直辺14aと係合辺14cとの間に嵌め込まれる。これにより、足場板3の枠体15が、支持桟14を介して左右の支柱5間を連結する。このため、例えば、作業者が手摺18につかまりながら、足場板3の後部に乗るときに、左右の支柱5間に相互間を左右に開く方向の荷重がかかっても、左右の支柱5間が開くことはなく、足場板3が不用意に支持桟14から脱落することがない。作業者が足場板3に上がる際には、例えば、基台4、足掛けバー13、後部横桟11と順次足を掛けることができる。
【0022】
作業台車1を地面上で使用する場合には、接地車輪31,34によって走行し、ハンドル8dで操舵する。作業台車1を軌道R上に乗せる際や、小回りさせる際には、ストッパピン38をピン孔37b、ピン受け筒33bに差して、前方車軸33を直進位置に固定し、手押しハンドル12を握って後部を持ち上げて操作する。操舵ハンドル8dによる操舵で作業台車1を方向転換させる際の回転半径は限定されるから、より小さな回転半径で作業台車1を自在に方向転換させたい場合には、手押しハンドル12を握って後部を持ち上げて操作するのが有効である。
【0023】
図9に示す他の実施形態の作業台車101は、軌道走行専用で、操舵機構を備えていない点、また後方の駆動車輪が、軌道R上を走行する溝付きの軌道車輪35のみで構成される点を除き、
図1ないし
図8に示す先の実施形態の作業台車1と同等の構成である。したがって、
図9において、先の実施形態と同等の構成部分に同一の符号を付して説明を省略する。
この実施形態の作業台車101においては、前方車軸33が直進方向に固定されている。前方車軸33の左右には、それぞれ地面を走行する前方接地車輪31と、軌道R上を走行する前方軌道車輪32が回転自在に支持される。後方の駆動車軸36の左右には、後方軌道車輪35のみが固着される。後方軌道車輪35は、前方軌道車輪32と対応している。
【0024】
この実施形態の作業台車101は、基本的に、軌道R上で、前後方向に直進走行のみ行う。操舵機構がないので、構造が簡易で安価に提供できる。作業台車101を保管場所から軌道設置場所まで移動させる場合等、地面上で作業台車101を移動させる場合には、手押しハンドル12を握って後部を持ち上げ、後方の軌道車輪35を浮かせ、前方の接地車輪31のみによって走行させる。この操作によれば、操舵機構がなくても、作業台車101を地面上で自在に方向転換することができる。これが、前方にのみ接地車輪31を設けたことの効果である。
【符号の説明】
【0025】
1 作業台車
2 台車本体
3 足場板
4 基台
5 支柱
6 操舵車輪
7 駆動車輪
8 ステアリング軸
8a 下部軸
8b 上部軸
8c ねじ
8d ハンドル
9 前部横桟
10 ステアリング軸支持部材
11 後部横桟
12 手押しハンドル
13 足掛けバー
14 支持桟
14a 垂直辺
14b 水平辺
14c 開き止め突片
14d 端辺
15 足場板の枠体
15a 上辺
15b 下辺
16 天板
17 取手
18 手摺部材
19 バッテリ
20 駆動モータ
21 伝動機構
31 前方接地車輪
32 前方軌道車輪
33 前方車軸
33a 受け板部
33b ピン受け筒
34 後方接地車輪
35 後方軌道車輪
36 駆動車軸
37 支持枠
37a 支持板部
37b ピン孔
38 ストッパピン
R 軌道