(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
概要
概要では、改良型の廃棄物貯蔵装置および改良型の廃棄物カセットが提供される。
【0012】
改良型廃棄物貯蔵装置は、廃棄物貯蔵装置内に抗菌剤および/または防臭剤を分配する分配手段を備える。分配器は、噴霧器などのスプレー型の分配器であってもよいし、流体の容器と流体を分配するウィック(芯)とを備えていてもよい。代替的に、抗菌剤および/または防臭剤が粉末状であってもよい。廃棄物貯蔵装置内に抗菌剤および/または防臭剤を分配するために分配器を始動させる始動手段が備えられていてもよい。始動は、足踏みペダルを用いた駆動を含む、廃棄物貯蔵装置の蓋の駆動とリンクされていてもよいし、または、分配器の始動が、廃棄物貯蔵装置の蓋および他の部品の操作から独立していてもよい。
【0013】
分配手段および始動手段は、廃棄物貯蔵装置内の所望の範囲に抗菌剤および/または防臭剤分配するような形状、大きさにされ、そのように構成されている。例えば、プラスチックバッグ、または廃棄物貯蔵装置内で廃棄物貯蔵カセットまたはカートリッジから延びるプラスチックチューブのある長さ(装置の蓋が開いているとき、この中にユーザが廃棄物を入れる)の上に、薬剤を分配してもよい。薬剤が分配される範囲を変更するために、分配器が装置内を移動可能とすることができる。任意の所与の時間に装置内にある量の薬剤を分布することも可能である。
【0014】
改良型廃棄物カートリッジは、廃棄物パッケージを貯蔵するバッグと、バッグの上部を封止する上部リングと、を有する折り畳み式のカートリッジを備える。上部リングを使用して、例えば、リングを支持するか、または廃棄物貯蔵装置内の構造からリングを吊り下げることによって、廃棄物貯蔵装置内に廃棄物カートリッジを固定することもできる。使用時に、バッグの上部でリングが下方に折り畳まれ、リングの二辺がプレスされるか、クリップ留めされるか、または他の方法で封止されて、廃棄物貯蔵装置から取り出すための気密な廃棄物サックを形成する。
【0015】
改良型廃棄物貯蔵装置および改良型廃棄物カートリッジは、互いに組み合わせて使用してもよいし、または他の廃棄物貯蔵製品と組み合わせて使用してもよい。個別におよび組み合わせの両方で、これらは、ユーザにとって簡単で費用効率が高く、かつ、既知の廃棄物貯蔵システムと比較して衛生状態および臭気防止が改良された廃棄物貯蔵システムを提供する。
【0016】
詳細な説明
図1は、既知の廃棄物貯蔵装置の一例を示す図である。この装置は、サンジェニック・インターナショナル・リミテッドの名義の国際特許出願番号PCT/GB2007/004410にさらに詳細に記載されているが、本明細書では例示のみを目的として示されている。
図1に示すように、廃棄物貯蔵装置100は、廃棄物貯蔵区画をその中に含む底部102と、底部102に取り外し可能に取り付けられる上部104と、廃棄物貯蔵装置100を開閉するための蓋106と、を備えている。背景技術で述べたように、様々な種類の多数の廃棄物貯蔵装置が知られているが、そのほぼ全てが、
図1に対して説明したような基本的部品を備えている。
【0017】
図2は、廃棄物貯蔵装置とともに使用可能な廃棄物貯蔵カセットの一例を示す。
図2に示す廃棄物貯蔵カセットは、サンジェニック・インターナショナル・リミテッドの名義の国際特許出願番号PCT/GB2008/002360にさらに詳細に記載されているが、本明細書では例示のみを目的として示されている。
図2から分かるように、廃棄物貯蔵カセット108は、その間に空洞110を画成する内壁および外壁を備える。空洞110を使用して、廃棄物パッケージを保持および/または包装するためのプラスチックバッグまたはプラスチックチューブを収納することができる。カセット108は、廃棄物貯蔵装置100の上部104に配置することができる。例えば、
図2のカセット108は外壁の周りにフランジ114を有しており、フランジ114によって廃棄物貯蔵装置100にカセットを支持または懸架することができる。しかしながら、廃棄物貯蔵装置内に廃棄物貯蔵カセットを収納する多くの他の構成が知られている。
図2のカセット108の内壁は、中子112を画成する。使用時、廃棄物貯蔵カセット108の空洞110から供給されるバッグまたはある長さのチューブ内に廃棄物パッケージを配置し、カセット108の中子112を通り廃棄物貯蔵装置100の廃棄物貯蔵区画を通して、廃棄物貯蔵カセット108の下方に送られる。
【0018】
当業者には知られているように、廃棄物貯蔵カセットともに機能する廃棄物貯蔵装置内で廃棄物パッケージを包装する様々な手法が存在する。例えば、廃棄物を包装する柔軟なチューブを供給する廃棄物貯蔵カセットまたはカートリッジが、廃棄物貯蔵装置の内部で回転可能であってもよい。廃棄物パッケージの連続的な堆積の間で回転が生じ、その結果、連続する廃棄物パッケージの間の柔軟なチューブにねじれが形成される。この「ねじって封止する」手法により、個別の廃棄物パッケージを包装することが可能になり、また、廃棄物貯蔵装置の使用中に臭いや廃棄物が漏れ出す可能性があるカセットの中子112と包装されたパッケージとの間に障壁を提供する。他の手法は、廃棄物貯蔵装置内で廃棄物パッケージが堆積されるポイントと、その下方の廃棄物貯蔵区画との間に、一つまたは複数の副室(antechamber)を提供することを含む。このような副室を設けることによって、新たな廃棄物パッケージを堆積するユーザと、廃棄物貯蔵装置内に貯蔵されている既存の廃棄物パッケージとの間を気密にすることができる。代替的にまたは追加として、内部に堆積された廃棄物パッケージによって生じる臭気を隠すか中和する手段を廃棄物貯蔵装置に設けてもよい。さらに代替的にまたは追加として、廃棄物貯蔵装置内に抗菌剤を分配してユーザの衛生を改善する手段を設けてもよい。
【0019】
抗菌剤および/または防臭剤を分配するスプレー分配器
図3は、改良型廃棄物貯蔵システムを示す。改良型廃棄物貯蔵システムは廃棄物貯蔵装置200を備え、
図3では、その中に収納された廃棄物貯蔵カセット202とともに示されている。当業者であれば理解するように、装置200とカセット202は、別々に製造され販売されることができる。
図3では、廃棄物貯蔵装置200の上部に設けられた棚204からカセット202が懸架されている。このような棚204は、廃棄物貯蔵装置に固定されてもよいし、または内部で移動可能であってもよい。例えば、装置200内部の中心軸周りに回転可能である廃棄物カセット回転機が備えられていてもよい。懸架する代わりに、廃棄物貯蔵装置200内の構造上でカセットを支持してもよい。
【0020】
図3に示す廃棄物貯蔵装置200は、さらに蓋206を備える。蓋206は、廃棄物貯蔵装置200の内部にユーザがアクセスできるように開閉される。
図3では、蓋206は、廃棄物貯蔵装置200の上部に枢動可能に取り付けられているが、蓋206と廃棄物貯蔵装置200との間で適切な取り付け手段を使用することができる。
図3の断面図の左上角に示すように、蓋206の内部には分配器208が収納されている。分配器208は貯蔵部とスプレー機構とを備えている。
図3に示す装置では、分配器208は、スプレー機構を駆動するために押圧可能なアクチュエータをその上端に有するキャニスターである。貯蔵部は、抗菌剤および/または防臭剤として機能する液体またはガス(例えば圧縮ガス)を収容することができる。防臭剤を使用する場合、防臭剤は香料および/または脱臭化学物質を含んでもよい。一例として、防臭剤は、銀イオン技術に基づいていてもよい。
【0021】
分配器208は、蓋206を開くことで始動される。
図3に示すように、分配器208は、蓋206の内面から突出する第1突起210と第2突起212との間に収容される。第1突起210はそのままで分配器208の上面とほぼ同一高さであり、第2突起は分配器208の下面とほぼ同一高さであるので、分配器はそれらの間に事実上押し込められている。代替的にまたは追加として、突起210、212は、分配器208の周りを固定するかまたは分配器208と連結して分配器を適所に保持する係合手段を備えてもよい。
【0022】
図3に示す装置では、蓋206を開くために廃棄物貯蔵装置200の蓋206の外面にユーザにより加えられる力が第2突起212を変形させるように、第2突起212の位置が選択される。これを実現するために、蓋206は、終端がフック216である薄い部分214を有している。フック216は、廃棄物貯蔵装置200のリップ218と相互作用して、蓋206と廃棄物貯蔵装置200との間を係合し、これによって蓋206を閉じる。蓋206の残りの部分と比較して厚さが減じられているために、薄い部分214はかなりの柔軟性がある。したがって、ユーザは薄い部分214を押し曲げて廃棄物貯蔵装置200のリップ218からフック216を解放することができ、これによって蓋206が開く。
図3に示すこのような薄い部分214の動きが、蓋206の内部で第2突起216を屈曲させるが、第1突起210は屈曲させない。結果として、分配器の端部に力が作用し、アクチュエータの上端を押圧し、これによって分配器208を作動させ中に貯蔵されている薬剤の一部が噴霧される。上述したように、薬剤は抗菌剤および/または防臭剤であってもよく、このため、ユーザが蓋206を開いて廃棄物貯蔵装置200の中に廃棄物パッケージを置くとき、廃棄物貯蔵装置200の内部に清潔で無臭の表面がユーザに提供される。
【0023】
図3に示す分配器208は、廃棄物貯蔵装置200の内部の選択された表面に薬剤を分配するように角度を付けることができる。例えば、その中にユーザが廃棄物を入れる、廃棄物貯蔵カセット202から供給される柔軟なチューブの上に抗菌剤または防臭剤を噴霧してもよい。さらに、分配器208は、ユーザによる蓋206の駆動時に、限られた量の薬剤を噴霧するように構成されてもよい。様々な種類のスプレー機構、キャニスターおよび噴霧器が当業者には周知であり、その多くが制御された部分を提供できるが、本明細書では詳細な説明は行わない。
【0024】
図4は、廃棄物貯蔵装置300の蓋206の中に収容された分配器308を備える代替的な装置を示す。この装置では、押圧可能な薄い部分を有する蓋306の端部の代わりに、略L字形のアクチュエータ310が設けられている。L字形アクチュエータ310の第1分岐は、蓋306の外部に、ユーザが蓋306を開くために駆動する押しボタンをその端部に備えている。第1分岐は蓋306を貫通し、
図4に示す装置では、内部に収容された分配器308の底面とほぼ同一面で終了する。アクチュエータ310の第2分岐は、第1分岐とほぼ直角に下方に延び、蓋306を閉じるために廃棄物貯蔵装置300と相互に係合するフック314を遠位端に有している。蓋306の上部の内面からほぼ下方に延びる突起316が設けられており、分配器308は、L字形アクチュエータ310とこの突起316との間に収容される。動作時、ユーザが押しボタン312を押すと、L字形アクチュエータ310が変位してフックを外し、廃棄物貯蔵装置300から蓋306を解放する。同時に、L字形アクチュエータ310の変位により分配器308が変位し、スプレー機構を押圧して、分配器308から抗菌剤および/または防臭剤を噴霧する。
【0025】
図4から理解できるように、図示の部品は、廃棄物貯蔵装置300のあらゆる他の部品と干渉せずに、あるいはその中に収容されている廃棄物貯蔵カセットまたはカートリッジと干渉せずに、分配器308が蓋306の中に十分適合するような、適切な大きさにすることができる。さらに、廃棄物貯蔵装置300の内部の選択した範囲に所望の量の噴霧を行って、ユーザに対して清潔で無臭の環境を提供できるように、部品の大きさおよび構造を選択することができる。
【0026】
図3および
図4は、廃棄物貯蔵装置の蓋を開くユーザの動作がその中の分配器を駆動する、二つの特定の装置を示しているが、この動作原理から逸脱することなく、他の変形例を用いることができる。例えば、別のタイプの変形可能なアクチュエータまたはばね式アクチュエータなどの異なる機構によって、蓋を開くようにしてもよい。蓋は、廃棄物貯蔵装置と係合するフックを備えている必要はなく、任意の他の適切な係止手段または相互係合手段を用いて廃棄物貯蔵装置と係合してもよい。さらに、
図3および
図4は、その上端に押圧可能なアクチュエータまたは部分を有する分配器を示しているが、他のタイプの分配器も等しく使用することができる。例えば、分配器はヒンジ機構を備えてもよい。蓋または廃棄物貯蔵装置の内面に対して分配器の第1部分が固定され、第1部分にヒンジで留められた分配器の第2部分は、ユーザが蓋を開くためにアクチュエータを押圧するときに変形するように構成されている。分配器の第2部分の変形により、第2部分が第1部分に向けてヒンジによって移動し、これによって廃棄物貯蔵装置内部の薬剤のスプレーを解放する。
【0027】
廃棄物貯蔵装置は、蓋を開くための足踏みペダルを備えてもよい。足踏みペダルを踏んだときに廃棄物貯蔵装置の蓋を開くための適切なレバーまたは他の機構は、当業者には周知であるので、本明細書では詳細に説明しない。しかしながら、蓋を操作する足踏みペダルを有する廃棄物貯蔵装置の一例が、
図5に示されている。図示するように、蓋506は、蓋506と足踏みペダル504とは、蓋506から下方に延びる少なくとも一つのほぼ垂直のコネクタ502と、ほぼ垂直のコネクタ502にヒンジ取り付けされるとともに遠位端に配置された足踏みペダル504を有する少なくとも一つのほぼ水平のコネクタ508と、を介して接続されている。
図5の廃棄物貯蔵装置500は、その中に廃棄物貯蔵カセット510が収容されている。
【0028】
抗菌剤および/または防臭剤を分配する分配器は、その一つを
図5に示すように、多くの方法で足踏み操作式廃棄物貯蔵装置に組み込むことができる。その可能性の一つを
図6に示す。図から分かるように、抗菌剤および/または防臭剤を分配する分配器608が、その一つを
図5に示したような足踏み操作式廃棄物貯蔵装置に設けられている。分配器608は、その中のほぼ垂直のコネクタ602に隣接してその内側に配置されている。
図6に示す分配器608は、押圧可能なアクチュエータまたは部分を分配器608の上端に有するキャニスターまたは別のタイプの分配器であってもよい。
【0029】
ほぼ垂直のコネクタ602は、コネクタ602の側面から分配器608に向けて突出する突起610を備えている。
図6のほぼ垂直のコネクタ602は、足踏みペダルが操作され蓋が開くときに生じる上昇位置に示されている。
図6から分かるように、突起600は、蓋が開いた位置にあるときに分配器608の上端よりも垂直上方に配置されている。蓋が閉じると、ほぼ垂直のコネクタ602が下方に移動し、突起60も下方に移動して分配器608と出会い、それに圧力を与える。分配器608上での突起600の圧力が分配器608を起動して、廃棄物貯蔵装置の内部、例えばその中に収容されている廃棄物貯蔵カセット510から吊り下がった柔軟なチューブ上に、薬剤を噴霧する。蓋は、足踏みペダルを離したときに自動的に閉じられてもよいし、または、薬剤の噴霧のために突起600が分配器608を押下するようにユーザが十分な下向きの力を付与することができるように、蓋の閉鎖がユーザにより制御されてもよい。
【0030】
図7は、ほぼ垂直のコネクタ702と、足踏み操作式廃棄物貯蔵装置の廃棄物貯蔵カセット510との間にヒンジ付き分配器708が設けられた、
図6に示す構成の変形例である。分配器708は、分配器708の第1部分710が蓋の動作中に静止状態を維持する一方、第1部分710にヒンジ留めされた分配器の第2部分720が蓋の動作中に移動するように、任意の適切な手段によって適所に保持される。ほぼ垂直のコネクタ702上に突起600が設けられる。突起600は分配器708に向けて突出しており、蓋の閉鎖中に突起600が分配器708に圧力を及ぼし、第2部分720を分配器の第1部分710に向けて移動させ、これによってそこから薬剤を噴霧させる。
【0031】
図6および
図7に示す構成では、上述したようなほぼ垂直のコネクタの下方への移動中にのみ突起が分配器を噴霧させるように、分配器および突起を構成するか、または、ほほ垂直のコネクタの上方と下方の両方への移動時に突起が分配器を噴霧させるように、分配器および突起を構成することができる。このように蓋が開くときと閉じるときの両方で噴霧することによって、廃棄物貯蔵装置内に廃棄物パッケージが堆積された直後に、細菌および/または臭気を抑制することができ、そのため、装置の連続的な使用の間に細菌および/または臭気が残ることがない。さらに、ユーザが装置の蓋を開くときに新たに噴霧が行われるので、次の使用まで装置をきれいで清潔な状態にする。廃棄物貯蔵装置の連続的な使用の間に比較的長い遅延があるとき、これは有益である。
【0032】
足踏みペダル操作式廃棄物貯蔵装置で分配器808を駆動する代替的な手段が、
図8に示されている。図から分かるように、ほぼ垂直のコネクタ802上に、突起800が設けられている。突起800は、その下端が分配器808に向けてコネクタ802から突出しており、下端からコネクタ802に向けて内向き上方に傾斜するような断面を有している。この断面の結果、蓋を開いている間に、分配器808を駆動しつつ、ほぼ垂直のコネクタ802が上方に移動するリスクが軽減されるので、突起800の動作が制御される。その代わりに、突起800は、蓋が閉じられるときのコネクタ802の下方への移動中に、分配器808を押し込むだけである。
【0033】
廃棄物貯蔵装置の蓋を開閉する別の既知の手法は、歯車機構を使用することである。このような装置の一例が、
図9B、
図9Cに示されている。装置920は、その一端で装置920の蓋926と接続しラックギアとして機能するギアアーム922を備える。ギアアーム922は、蓋906の開閉中に、装置920の本体の穴または凹部を通して移動することができる。
【0034】
図示していないが、アーム922と相互作用する一連の歯車を、歯車式廃棄物貯蔵装置の内部に備えている。装置内部の歯車が回転すると、ギアアーム922が上下に移動し、蓋を開閉する。選択的に、装置内部に配置されたカセットまたはカートリッジの周りに、カセットまたはカートリッジを回転させる歯車の歯が設けられていてもよい。
【0035】
図9Bおよび
図9Cに示す装置では、歯車機構と協動する分配器924が設けられている。分配器は、本明細書の
図3、4、6、7、8のいずれかに示したタイプのものであってもよいし、任意の他の適切なタイプのものであってもよい。分配器924は、廃棄物貯蔵装置920内の静止点で固定されており、蓋926に取り付けられたギアアーム922に設けられた突起928と相互作用することができる。したがって、蓋926の開閉中に、突起928が分配器924と接触して、分配器を噴霧させる。
【0036】
図9Bおよび
図9Cに示す構成の代替として、分配器がギアアーム自体に固定されていてもよい。廃棄物貯蔵装置内部の静止点に突起が設けられており、蓋の開閉中に、アームの動作中に分配器がこれを通り過ぎる。この突起を通過することによって、分配器が屈曲または変形され、そこから薬剤が噴霧される。
【0037】
分配器および協動する突起は、廃棄物貯蔵装置の蓋の開閉中に移動する様々な機械的アームとともに使用できることを認めるであろう。アームがラックギアを備えている必要はない。
【0038】
図9Aは、廃棄物貯蔵装置900内の分配器908を直接駆動するために蓋906の内面が使用される、廃棄物貯蔵装置900を示す。足踏みペダル、ギアアーム、別のタイプの機械的アームの駆動によって、あるいは、蓋906をユーザが単に持ち上げることによって、蓋906を開くことができる。蓋906が閉じると、その内面が分配器908を押し下げて分配器を噴霧させるように、廃棄物貯蔵装置900の上部に分配器908が収容されている。このような構成では、蓋が閉じられている間じゅう噴霧し続けるのではなく、分配器908が限られた量の薬剤を噴霧することが重要である。制御された分だけ噴霧可能なタイプの分配器は周知である。
【0039】
図9aでは、蓋906の上部の内面にピン910が設けられている。ピンは、蓋の内面から、廃棄物貯蔵装置900の本体に向けて、下方に突出している。したがって、蓋が閉じると、ピン919が分配器908のアクチュエータまたは他の部分を押し下げて、分配器を噴霧させることができる。
【0040】
変形例によると、ピン910は、単に蓋906を閉じるだけでは分配器908を押圧しない。代わりに、蓋906の外面に押しボタンまたは他のアクチュエータが設けられている。ユーザは、ピン910を押し下げるためにそのボタンまたはアクチュエータを押さなければならず、これによって分配器908を押し下げて噴霧させる。この種類の構成により、蓋が閉じられたときに分配器が永久的に押し下げられなくなるので、分配器908が加圧容器を備えることができる。
【0041】
図9aには、分配器908を駆動させるために設けられたピン910が示されているが、同様の目的のために、別のタイプの構造を使用することができる。例えば、分配器908が廃棄物貯蔵装置900の通常の動作とできるだけ干渉しないようにするために、蓋の頂点に凹部を設けてもよい。分配器908の上端がその凹部に適合し、この係合により分配器908が駆動されて噴霧を行う。
【0042】
上述した装置では、分配器をほぼ垂直にまたはほぼ水平に配置するか、または、使用中に廃棄物貯蔵装置内部で任意の他の適切な角度となるように配置することができる。廃棄物貯蔵装置の他の部品と干渉することなく、必要に応じて廃棄物貯蔵装置の蓋または別の部分に分配器を収容することができる。例えば、装置の一部の凹部の中に分配器を配置してもよいし、および/または廃棄物貯蔵装置の適所に分配器をクリップ留め、滑動、係止してもよい。分配器を廃棄物貯蔵装置に固定する手段は、そのような装置と一体的に製造されてもよいし、または、その動作を改善するために既存の廃棄物貯蔵装置にそのような手段を組み込むようにしてもよい。
【0043】
液体放出用容器
スプレー型の分配器を設ける代わりに、廃棄物貯蔵装置内に抗菌剤および/または防臭剤を分配する他のタイプの分配器を使用してもよい。そのような分配器の一つを
図10に示す。図示のように、抗菌剤および/または防臭剤の容器1010が、廃棄物貯蔵装置1000の蓋1006の表面の下に設けられている。例えば、エッセンシャルオイル、香り付きの液体、または消臭化学物質を含む液体が、容器1010に与えられてもよい。
図10では、容器は、蓋1006の下面に固定されたキャップ1002によって形成されている。キャップ1002は、蓋にねじ留めされてもよいし、または任意の他の適切な手段によって固定されてもよい。
図10に示すようなキャップ1002は、容器1010内に含まれる液体をそこから分配することができる開口部1012をその最下面に有している。分配を制御するために、開口部1012は、少なくとも部分的に停止される。
図10に示すストッパー1004は、フェルトなどの吸収材料を含む。使用時、容器1010内の液体がストッパー1004に染み込み、ゆっくりと途切れなくストッパー1004からその下方の廃棄物貯蔵装置1000内に漏れ出す。
【0044】
容器1010からの液体の分配を制御するために、および
図10に示す廃棄物貯蔵装置1000の蓋1006と本体との係合を強化するために、廃棄物貯蔵装置1000から上方に突出するピン1008が設けられる。ピン1008は、容器1010の底部で開口部1012と結合する。この構成では、蓋1006が閉じられると、液体が容器1010を離れることが防止されるか、または一般に制限される。使用の間で比較的長期の間蓋が閉じられる場合、液体を分配する必要はほとんどない。ピン1008は、容器から液体が離れることを効果的に防止するために、プラスチックなどの非吸収材料で作成することができる。または、代替的に、ピン1008が吸収材料のウィック(芯)の形態をとり、一旦蓋が開かれると、容器1010からの液体が、二つ異なる場所から放出されるようにしてもよい。
【0045】
図10に示す容器1010は、廃棄物貯蔵装置1000の使用中に、必要に応じて空にしたり、掃除したり、詰め替えしたり、または交換したりすることができる。例えば、これを行うために、蓋1006の下面からキャップ1002をねじって外してもよい。
【0046】
容器を備える別の構成を
図11に示す。図示のように、香料などの抗菌剤および/または防臭剤の容器1010が、廃棄物貯蔵装置の蓋1106の下方に設けられている。容器1110は、蓋1106の下面から下方に突出し下面に恒久的に固定されるキャップ1102によって形成される。キャップ1102の最下面の少なくとも一部は、フェルトなどの吸収材料1104を備える。したがって、容器からの香料または他の薬剤が、吸収材料を通って下方の廃棄物貯蔵装置内に染み出す。キャップ1102は、蓋1106の下面に恒久的に固定されているので、蓋1106の外面には、容器1110内に下向きに延びるプラグ1108が設けられている。プラグ1108は、廃棄物貯蔵装置から香料が漏れ出すのを防止するために気密シールを形成するとともに、使用中に必要に応じて容器1110を詰め替えたり掃除したりできるように、取り外すことができる。吸収材料1104は、廃棄物貯蔵装置の本体に設けられたピンと共に位置し、
図10のように薬剤の放出を制御するように構成されてもよい。
【0047】
別の構成を
図12に示す。図示のように、抗菌剤および/または防臭剤の容器1210が、廃棄物貯蔵装置の蓋1206の下方に設けられている。容器1210は、押し込み式またはねじ込み式などの任意の適切な手段によって蓋に固定されるキャップ1202で形成される。香料または他の薬剤の容器と廃棄物貯蔵装置の外側との間を気密に封止するためのプラグ1208が設けられる。容器120は、吸収材料のウィック1204を備える。
図12に示すウィック1204は、容器1210の容積の一部のみを占めているが、より大きく、容器1210のほぼ全容積を占めてもよく、容器1210が充填されたときに香料または他の薬剤がウィック1204内に浸透する。
【0048】
図12のキャップ1202の最下面は、一つまたは複数の通気口1212を備える。これらの通気口1212により、容器1210から薬剤が蒸発し、廃棄物貯蔵装置の本体へと分配させることができる。通気口は、容器から装置への薬剤の分配を制御するために選択的にメッシュを備える流路を含む。例えば、通気口1212は、力が加えられたとき、例えば蓋1206が開閉されるときの力が加えられたときを除き、通気口1212を通して容器1210内の薬剤が流れるのを防止するメッシュまたはグリッドを備えていてもよい。したがって、通気口1212は、蓋の動作中に、容器1210から下方の廃棄物貯蔵装置に薬剤を散らすように機能することができる。
図10および
図11にそれぞれ示したストッパー1004および/または吸収材料1104は同様に作用することができる。容器からの液体は、蓋の移動中に、これらを通ってのみ廃棄物貯蔵装置内に移動することができる。代替的に、
図10ないし
図12に示す構成のいずれかにおける容器からの薬剤が、廃棄物貯蔵装置に向けて継続的に排出してもよい。
【0049】
粉末状の抗菌剤および/または防臭剤を分配する分配器
廃棄物貯蔵装置内の抗菌剤および/または防臭剤は、粉末状で供給されてもよい。粉末分配器を
図13に示す。分配器1308は、廃棄物貯蔵装置の蓋1306の下面に設けられている。分配器は、プラスチックまたは任意の他の適切な材料で形成されてよい。
図13では、分配器はドーム形または断面が略U字形であるが、中に粉末を保持できる空洞を形成する任意の他の形状を使用できる。
【0050】
分配器1308は、ねじによって
図13の蓋1306に固定されるが、押し込み式または他のタイプの係合も使用できる。分配器1308は、その内面から外面に延びる多数の穴1312を有している。穴1312は、完全に中空であり、分配器1308の内面と外面の間に直接の管を提供してもよい。代替的に、材料の通過を部分的に阻害または濾過するために、穴1312にグリッドまたはメッシュを設けてもよい。
【0051】
分配器1308には、抗菌性および/または防臭性を有する粉末剤1310が充填される。粉末剤は、例えば吸湿性などの他の特性を有してもよい。このような粉末剤の例には、活性炭、重炭酸ソーダ、シリカゲル、または適切な特性を持つ他の既知の化学物質が含まれる。
【0052】
廃棄物貯蔵装置の蓋1306の外面には、蓋1306の下方に分配器1308によって形成される空洞内に延びる押しボタン1304が隙間を付けて設けられる。押しボタン1304は、粉末が分配器1308から蓋1306の外に漏れ出さないように、気密シールを提供する。
図13に示す構成では、蓋1306の構造の下に引っかかり、蓋1306から出る粉末の通路を遮蔽するリップ1302を、押しボタンの下端に設けることによって、これが実現される。加えて、押しボタンは、蓋1306の穴を通り抜けることができない幅広部または肩部1314をその上端に備えているので、蓋1306に対して押しボタン1304が移動できる範囲が制限されている。したがって、押しボタン1304の上面を押しても、その下方の空気を移動させるだけであり、押しボタン1304自体を恒久的に押しのけることはない。
【0053】
分配器1308は、その間に分配器が移動する蓋1306の開閉時に、粉末1310を分配してもよい。代替的にまたは追加して、押しボタン1304を用いて粉末1310をかき混ぜて、分配器1308からその下の廃棄物貯蔵装置の本体へと粉末を分配してもよい。押しボタン1304は蓋1306から外に延びているので、蓋が閉じているときに、ユーザは廃棄物貯蔵装置内の粉末を分配するために押しボタン1304を押し下げることができる。これによって、廃棄物貯蔵装置の外側に粉末が分配されることがなくなり、汚れたり粉末1310を無駄にしたりすることがない。
図13の押しボタン1304を駆動すると、少量の空気が粉末の中に入って粉末をかき混ぜる。これにより、測定量の粉末1310が分配器1308の穴1312から外に出て廃棄物貯蔵装置に入る。したがって、粉末状態の抗菌剤および/または防臭剤を分配する整然とした制御されたシステムが提供される。
【0054】
図13に示すような押しボタンを設ける代わりに、蓋1306の外側に代替的なユーザ駆動手段を設けてもよい。例えば、分配器1308の上方の蓋の表面に隙間を設け、その隙間を覆う柔軟な膜を設け、ユーザがそこを押すと柔軟な膜が伸張するようにしてもよい。分配器1308により形成される空洞内への柔軟な膜のこのような伸張によって、その中の空気がかき混ぜられ、粉末1310が穴1312の外に押し出される。
【0055】
図13に示した可動の押しボタン1304を、
図14に示すベローズ部1406を備えるアクチュエータ1404で置き換えてもよい。このような構成では、アクチュエータ1404の基部が蓋に固定されて蓋に対して動くことができないが、ベローズ部1406は柔軟であり、アクチュエータ1404の上端へのユーザの圧力がベローズ部1406を圧縮し、その下の分配器内の空気をかき混ぜて、分配器の穴または通気口から粉末が押し出される。
【0056】
図13の押しボタン1304の代替物を
図15に示す。内部のアクチュエータは、廃棄物貯蔵装置の蓋1506の表面の隙間に配置された固いピストンまたはプランジャー1504を備える。固いピストンまたはプランジャー1504と蓋1506との間には柔軟なシール1508が設けられており、そこを通って空気が逃げることはできない。固いピストンまたはプランジャー1504の下にばね1502が設けられる。固いピストンまたはプランジャー1504をユーザが押し下げると、ピストンまたはプランジャーが下向きに移動し、その下方の分配器内の空気をかき混ぜ、その後、ばねが上向きに戻る。固いピストンまたはプランジャー1504の移動を制限するとともにばね1502を適所に固定するための止め具1510が設けられる。
【0057】
図13ないし
図15に対する上述の構成では、分配器の空洞の中で空気の移動を引き起こすために、ユーザは、廃棄物貯蔵装置の蓋の外側でアクチュエータを押すか曲げることができる。これによって、その中の粉末剤をかき混ぜ、廃棄物貯蔵装置内に粉末剤が制御された状態で分配される。
図16は、
図13ないし
図15の構成と同様の原理で動作するが、蓋の外側のアクチュエータの駆動が分配器内の粉末に直接気流を引き起こす、代替的な構成を示す。粉末内での直接の気流が、粉末へのユーザの力の影響を拡大するので、分配器から粉末を分配するのためのユーザの動きをさらに小さくすることができる。
【0058】
図16では、廃棄物貯蔵装置の蓋1606の外面にアクチュエータ1604が設けられている。
図16のアクチュエータ1604は、とりわけ、
図13、
図14、
図15に関して上述した押しボタン、伸縮性の膜、ベローズまたはピストンを含む。
【0059】
アクチュエータ1604は、蓋1606の表面の隙間にわたり延在する。したがって、アクチュエータ1604と蓋1606の間には気密シールが形成されており、粉末が廃棄物貯蔵装置から漏れ出すことを防止している。
図16では、アクチュエータ1604の下向きに延びるリップが、蓋1606の上向きに延びる突起と係合することによって、気密シールが形成されている。しかしながら、任意の他の適切なタイプの気密シールを設けてもよい。
図16では、蓋の断面が下向きに傾斜して、アクチュエータ1604の下で、その表面の隙間の周りにじょうご1602を形成している。じょうご1602は、蓋1606の下面に取り付けられた分配器1608によって形成された空洞内へと下向きに延びる。
図16の空洞はドーム形、すなわち断面U字形に描かれているが、他の分配器形状も可能である。じょうご1602は下向きに延びているが、分配器1608の底に対して直角ではない。したがって、
図16に示すように、分配器が粉末1610で少なくとも部分的に満たされていないとき、じょうご1602は粉末1610内に下向きに突出する。その結果、ユーザが蓋1606の外側でアクチュエータ1604を押し下げると、この下向きの圧縮が、じょうご1602により導かれて、粉末1610内に直接空気を吹き込む。これにより、粉末1610がかき混ぜられ、粉末の少なくとも一部が分配器1608から押し出される。
【0060】
図16の分配器1608は、粉末1610が漏れ出すことができる通気口または穴1612を備える。
図16に示す穴は分配器1608の高い位置に配置され、蓋1606の下面に接近している。そのため、蓋1606が上下に動かされることを含む装置の通常動作中には、粉末が穴1612から外に落ちることはない。代わりに、ユーザがアクチュエータ1604を押し下げるとき、穴1612から粉末が漏れ出るように十分に粉末1610がかき混ぜられるだけである。
【0061】
図13では、分配器1308の表面に穴1312が均等に分布しているが、このような構成における穴の配置は、
図16に示す位置決めと同様に選択することができる。任意の数の穴または通気口を設けることができる。代替的にまたは追加して、分配器の表面の選択された領域にだけ、穴または通気口を設けてもよい。例えば、
図17は、分配器に穴1712が非対称に分布しており、通常の蓋の開閉が分配器内の粉末を穴から遠ざけるような角度にし、粉末を分配器の外に振り落とさないようにした装置を示す。代わりに、分配器内の空気が上述したように故意にかき混ぜられた場合、粉末は穴を通って出ることができる。穴または通気口の配置の選択は、粉末剤の密度、分配器により形成される空洞のサイズ、ユーザが分配器内の空気をかき混ぜる動作の大きさなどの要因によって決められてもよく、分配器における穴の配置を選択するとき、廃棄物貯蔵装置内の粉末の所望の投与量が考慮に入れられてもよい。同様に、かき混ぜる量は、アクチュエータに与える変位の大きさによって決まる。
【0062】
図13ないし
図17に示す構成において、蓋の表面またはアクチュエータの適切な位置に一方向弁が設けられ、駆動後に空気のかき混ぜが完了した後に、分配器により形成される空洞内に空気が戻れるようにしてもよい。また、手動による駆動を必要とする装置について上述してきたが、自動動作を用いて同様の効果を達成することができる。例えば、使用後に廃棄物貯蔵装置の蓋が閉じられると、分配器の粉末をかき混ぜるためにアクチュエータが自動的に押し下げられる機構が設けられてもよい。
【0063】
空気を用いて直接かき混ぜることによって、粉末状の抗菌剤および/または防臭剤をかき混ぜる代わりに、そのような粉末を間接的にかき混ぜることも可能である。このタイプの構成を
図18に示す。分配器1808は、フィルター1814により分離された上部1804と下部1802とを備える。分配器1808の穴または通気口1812は、上部1804のみに設けられている。好ましくは、分配器1808の表面において互いに直径方向のほぼ反対側に好ましくは配置された、少なくとも二つの通気口1812が設けられ、通気口の間に気流が作られる。上部1804は、空気のみを含み、粉末1810を含まない。他方、下部1802には、抗菌剤および/または防臭剤を含む粉末1810が満たされているか、または少なくとも部分的に満たされている。操作時、分配器1808の上部1804を通る気流が底部182から粉末1810を引き出し、分配器1808から粉末を廃棄物貯蔵装置へと粉末1810を放出する。
【0064】
図18に示す構成では、分配器1808の上部1804を通る気流を形成する特定のアクチュエータは存在しない。廃棄物貯蔵装置の蓋1806が開閉されると、この動きが通気口1812を通る気流を自然に形成する。分配器1808の上部1804と下部1802との間にフィルター1814を設けることで、蓋の移動中に、下部1802から粉末1810が単に落ちることがないようにしている。代わりに、フィルターは、蓋が移動するたびにわずかな粉末1810のみを通す十分な障壁を提供する。空気を移動させ分配器1808から廃棄物貯蔵装置の本体へと放出することによって、粉末が拾い上げられる。
【0065】
粉末を引き出して廃棄物貯蔵装置に放出するために、分配器の上部を横切るように空気を動かす乱流を作るアクチュエータを設けてもよい。このような乱流形成手段は、分配器の上部に形成される空洞の中にあってもよいし、または、分配器の外部に設けられ、乱流形成手段と分配器の間に気流を形成してもよい。
図19は、そのような構成の一つを示す。図から分かるように、廃棄物貯蔵装置の蓋1906の外側から蓋1906の下に設けられた分配器1908内に延びるベローズ部1902を備えるアクチュエータが設けられている。
図14に関して上述したように、アクチュエータ1904のユーザによる押圧がベローズ部1902の圧縮を生じさせ、これによりアクチュエータ1904の下方で空洞内に空気を押し込む。これが分配器1908の上部に気流を生じさせる。複数の穴または通気口1912が形成された分配器1908の上部と、抗菌剤および/または防臭剤を含む粉末1910が蓄積された下部との間に、フィルター1914が設けられる。
【0066】
図19の分配器1908の上部の表面に、一方向弁1916が設けられる。この一方向弁により、アクチュエータ1904の駆動により分配器1908から空気が追い出され、空気および取り込まれた粉末を廃棄物貯蔵装置の本体に送り込んだ後に、空気が分配器1908内に戻ることができる。空気を戻すことなく取り込まれた粉末を分配器1908から逃がすようにするフラップを出口に有することによって、この効果を改善することができる。全体的な効果は、分配器を通る気流をほぼ一方向のみにすることである。
【0067】
図19に示すようなベローズ部を備えるアクチュエータを設ける代わりに、分配器内n粉末層の上方に空気の動きを生じさせ、粉末を引き込んで廃棄物貯蔵装置内へと放出するために、
図13に示す可動アクチュエータ1304、または
図15に示すピストンベースのアクチュエータ1504などの代替的なアクチュエータを設けてもよい。このようなアクチュエータは、手動または自動で駆動されてもよい。
【0068】
空気の移動を生じさせ粉末を取り込んで廃棄物貯蔵装置に放出する貯めに、上述した構成にファンを含めることができる。ファンは、手動で駆動されてもよい。例えば、上述したベローズ部またはピストンを備えるアクチュエータ上の下向きの移動が、任意の既知の方法によってファンの回転運動に変換されてもよい。ファンの回転運動は、分配器内の粉末の上で追加の乱流を形成し、分配器内の穴または通気口から出る気流を強化する。代替的に、蓋を開閉する蓋の移動によってファンが駆動されてもよい。さらなる代替として、エネルギー貯蔵手段を設け、蓋が閉じられるまで蓋の移動により発生したエネルギーを貯蔵し、その後、エネルギーを放出してファンを駆動し、気流を形成して廃棄物貯蔵装置の分配器から粉末を取り込んでもよい。廃棄物貯蔵装置の蓋が閉じられるときにこのような気流を形成することによって、空気の移動ひいては粉末の分配を、廃棄物貯蔵装置内に限定することができる。したがって、粉末の利用がさらに効率的になり、さらに巧みな粉末分配システムが提供される。
【0069】
代替として、廃棄物貯蔵装置の外部での別のタイプのアクチュエータのユーザによる駆動時に、分配器の上部で内部の粉末の上方に気流を形成するファンを設けてもよい。例えば、ファンを駆動するために、蓋の頂点に引張コードを設けてもよい。このような構成は、コードを引っ張ると限られた期間だけファンを回転させ、したがって気流を限定し廃棄物貯蔵装置内の分配器からの粉末の分配を制御するので、有利である。コードの代わりに、蓋の外面にホイールまたはスピナーを設け、ホイールまたはスピナーの回転がファンに回転運動を与えるようにしてもよい。代替的に、蓋の外面に回転ハンドルを設け、ハンドルの回転がファンを回転させるようにしてもよい。
【0070】
廃棄物貯蔵装置内の分配器に貯蔵された粉末を分配するために分配器内部で空気をかき混ぜる代わりに、分配器の全体を揺動させることができる。上記のいくつかの構成について述べたように、廃棄物貯蔵装置の蓋の下面に分配器が固定されている場合、蓋自体の移動が分配器から粉末を分配するのに十分なことがあり得る。さらに、蓋が開かれたままでユーザが廃棄物貯蔵装置をうっかりと叩いた場合に、これによって廃棄物貯蔵装置の所望の領域に粉末を分配するだけでなく、他の場所に粉末を分配して混乱をもたらすことがある。したがって、分配器の揺動により、特定の制御された状況で内部の粉末が分配されるようにすることが望ましい。
【0071】
可能性のある構成の一つを
図20Aおよび
図20Bに示す。図示のように、廃棄物貯蔵装置の蓋2006の下面に、分配器2008が設けられている。図示していないが、抗菌剤および/または防臭剤を含む粉末を分配器2008に貯蔵することができる。再び図示していないが、他の構成について上述したように、粉末を分配器2008の外に振り落とすために、分配器2008の表面に通気口または穴を設けてもよい。
図20Aの分配器2008は、ねじ込み機構2004によって蓋2006の下面に取り付けられる。ねじ込み機構2004は、
図20Bにより詳細に示すように、間隔の広いねじ山を有している。図から分かるように、ねじ込み機構2004によって蓋2006と分配器2008とを互いに確実に取り付ける一方、分配器が固定されている蓋2006に対して、分配器を距離「d」だけ上下に移動することができる。したがって、分配器を直接叩くか揺らすと、分配器が蓋2006に対して揺れたり振動することができる。このような揺れまたは振動により、粉末を分配器2008から下方の廃棄物貯蔵装置へと振り落とすことができる。
【0072】
図20Cは、
図20Aおよび
図20Bに示した構成の選択的な改良を描いている。図から分かるように、ねじ込み機構2004は、分配器2008の雌ねじ2009と、蓋2006の雄ねじ2011とを有する。ねじ込み機構2004は、雌ねじ2009から内向きに突出する内向き突起2010と、雄ねじ2011から外向きに突出する外向き突起2012と、をさらに備える。これらの突起2010、2012は、ねじ込み機構2004の係止部材を形成する。したがって、これらは、分配器2008を蓋2006に固定しつつ、両者の間での相対的な垂直移動を可能にする。使用時に、分配器2008を蓋2006の下面に固定するとき、ユーザは、二つの突起2010、2012の衝突を越えてねじ山を回すが、それ以上は回さない。したがって、ユーザは、ねじ山機構2004の形始点に関して触覚のフィードバックを受け取り、同時に、ねじ込み機構の垂直変位の可能性を維持するために、ねじ込み機構2004をそれ以上締めないようにという警告を受け取る。
【0073】
図20Cの突起は径方向に突出するが、軸方向に延びる突起を設けて、分配器を廃棄物貯蔵装置の蓋に係止するための同様の衝突および触覚フィードバックを提供することも可能である。代替的に、蓋2006と分配器2008の間に中断するねじ山を設けて、二つのしっかり固定するとともに相対運動のためのいくらかの空間を持たせてもよい。
【0074】
代替として、
図21に示すように、バヨネットおよびばね機構を用いて廃棄物貯蔵装置の蓋2106に分配器2108を固定してもよい。このタイプの効こうは、当業者には周知である。バヨネット2102の取り付けにより、分配器2108が蓋2106にしっかりと係止されるが、ばね2104が、分配器2108と蓋2106の間の相対運動を可能にする。
【0075】
分配器の全体を、固くない柔軟な材料で作成し、分配器全体を変形させて中の粉末をかき混ぜ、分配器から粉末を放出させるようにしてもよい。例えば、分配器が取り付けられた蓋を閉じるときに、分配器が廃棄物貯蔵装置の本体と衝突するか、あるいその中に収納された廃棄物カセットまたはカートリッジと衝突するように、分配器の寸法と配置を決めてもよい。このような衝突が分配器を歪ませ、中から粉末を分配させる。分配器の表面の通気口または穴を、分配器が歪むときを除いてそこから漏れ出さないような形状にしてもよい。例えば、通気口を二層に設け、分配器が非変形状態であるときに各層の穴が互いに整列せず、分配器が歪んだとき、各層の穴が互いに整列して粉末を通過させるようにしてもよい。
【0076】
図32aおよび
図32bは、別の可能性のある柔軟な分配器3200を示す。中の通気口3202は、柔軟な分配器3200の壁の狭いスリットの形状をしている。分配器3200は廃棄物貯蔵装置の蓋3204の下面に配置され、蓋3204が閉位置にあるときに分配器3200が廃棄物貯蔵装置の本体3206と衝突し、分配器3200の形状を圧縮するように構成されている。代替的に、分配器は、蓋3204の開閉中に装置のどこかの突起との衝突時に圧縮してもよい。このような圧縮がスリット通気口3202を歪ませ、通気口を開いて粉末を解放する。
図32aおよび
図32bでは、スリット通気口は、分配器の表面の高いところに描かれているが、分配器の任意の場所、例えば衝突地点に配置されてもよい。スリット通気口が長すぎる場合、分配器と装置との衝突時にスリットが十分に開かず粉末を投与できないおそれがあることを念頭に置いて、スリット通気口を、分配器内部の粉末または他の薬剤の投与条件によって決まる適切な長さにすることができる。
【0077】
分配器からの粉末状薬剤の投与
粉末状の抗菌剤および/または防臭剤を利用する装置では、粉末がこぼれたり、それ以外にも操作中に無駄になったりする潜在的なリスクがある。したがって、そのような装置の量を制御することが望ましい。
図22は、これを実現する一つの取り得る装置を示す。
【0078】
廃棄物貯蔵装置2200は、装置の蓋2206に固定された分配器2208を備える。図示のように、分配器2208が挿入される隙間が蓋2206に設けられており、分配器2208は、廃棄物貯蔵装置2200の本体に向けて下向きに延びる。
図22に示す装置では、分配器2208は押し込み式で蓋2206と係合しているが、任意の適切な相互係合手段を利用することができる。分配器2208は、分配器2208のほぼ中空の本体を覆うキャップ2202を備える。キャップ2202の外面には、アクチュエータ2204がある。アクチュエータ2204は、蓋2206の下方で分配器2208の中空本体内に下向きに延びるスピンドル2216を有している。廃棄物貯蔵装置の蓋2206が閉じられているとき、アクチュエータ2204を使用してスピンドル2216を回転することができる。キャップ2202は、任意の適切な材料で作成することができるが、理想的には、ユーザがキャップ2202を取り外して分配器の詰め替えができるように、蓋2206の隙間または開口部にキャップ2202しっかり嵌るが取り外し可能でなければならない。キャップ2202は、スピンドル2216にもぴったりと合うが、それでもスピンドル2216を回転できるようになっていなければならない。
【0079】
スピンドル2216の遠位端には、分配器2208に貯蔵されている粉末2210の一部を集積するためのコレクタ2214が付いている。
図22に示す装置では、コレクタ2214は上からみると円盤形であるが、分配器2208のサイズおよび形状、並びに、コレクタ2214から分配するべき粉末の一部の量に応じて、任意の適切なサイズおよび形状のコレクタ2214を使用することができる。コレクタ2214の底の一部には、開口部2218がある。開口部2218は、例えば、コレクタ2214の底の円盤形状の4分の1であってもよい。分配器2208の下面には、第2開口部2212がある。分配器2208に貯蔵されている粉末2210をそこから分配するためには、コレクタ2214の底の開口部2218が、分配器2208の底の開口部2212と整列しなければならない。実際には、アクチュエータ2204とスピンドル2216とを用いて、コレクタ2214を中心軸周りに回転させることによって、これが実現される。
【0080】
アクチュエータ2204の駆動時、二つの開口部2218、2212が整列したことをユーザが知ることができるように、フィードバック機構を設けてもよい。分配器2208から下方の廃棄物貯蔵装置へと開口部を通して粉末が分配されることをユーザが望まないときに、二つの開口部2218、2212が整列状態から完全に外れるまでユーザがコレクタ2214をさらに回転することができるように、触覚フィードバックおよび/または可聴フィードバックなどのさらなるフィードバックを設けてもよい。開口部2218と分配器2208の開口部2212との位置がずれた状態でコレクタ2214を係止するような係止機構をさらに設けてもよい。こうすると、蓋2206の駆動や、装置2200が叩かれたり動かされたりするなどの移動によって、分配器2208から粉末剤2210が誤って分配されることがなくなる。
【0081】
図22に示すアクチュエータ2204は、多数の異なる形態で設けることができる。例えば、アクチュエータが回転ハンドルであり、ハンドルを回転するとスピンドル2216とコレクタ2214に回転運動が付与されてもよい。粉末剤2210の分配を防止するようにコレクタ2214が係止されているとき、および、最大量の粉末剤2210を分配するよう位置合わせされているときをユーザに視覚的に示すようなマーキングを回転ハンドルに設けてもよい。代替的に、スピンドル2216とコレクタ2214を回転するために、ユーザがアクチュエータ2204を押圧可能であってもよい。このような構成は、アクチュエータの垂直方向の押圧をスピンドル2216とコレクタ2214の回転運動に変換するためのばねを必要とする。このタイプの機構は既知である。
【0082】
コレクタ2214と分配器2208の開口部2218、2202は、それぞれ、完全に開いた管路であってもよいし、分配器2208から廃棄物貯蔵装置2200の本体への粉末の分配を濾過および投与するためにメッシュまたはグリッドを備えていてもよい。分配器2208の底の開口部2212は、廃棄物貯蔵装置内の選択された範囲に(例えば、廃棄物貯蔵装置に収容された廃棄物貯蔵カセットまたはカートリッジから引き出された柔軟なチューブ上に)粉末を分配するように選択されてもよい。代替的にまたはこれに加えて、分配器自体が中心軸周りに回転可能であり、開口部2218、2212の整列後、投与される粉末が一点のみに分配されるのではなく、代わりに廃棄物貯蔵装置2200内のより広い一定の範囲にわたり粉末が分配されてもよい。
【0083】
図22に示すような、分配器内の粉末の一部を収集しそれを分配器から投与する手段は、分配器2208から粉末が分配されないときに分配器の底の開口部2212を覆うように、十分な範囲にわたり閉じられている必要がある。加えて、粉末が通過するような一つ以上の開放部を備えていなければならない。例えば、
図23はコレクタの上面図を示す。コレクタ2314は断面が円形であり、コレクタ2314の底の開口部2318は、円形断面の4分の1である。このような構成では、分配器内の粉末とその下の廃棄物貯蔵装置の本体との間の通路が完全に開くコレクタ2314の位置は、一つだけである。
【0084】
コレクタ2414が第1開放部2418と第2開放部2420とを底に有している代替的な構成を
図24に示す。したがって、分配器内の粉末からその下の廃棄物貯蔵装置への通路が完全に開くようなコレクタ2414の二つの回転位置が分配器内にある。当然なことに、底に開口部を有する任意のコレクタを用いると、閉位置から完全な開位置へのコレクタの回転中に、コレクタの底の開口部の一部が分配器の底の開口部と整列して、いくらかの粉末がそこを通って通過するような部分開放状態になる。
【0085】
図25は、
図22に関して上述した全ての特徴と、分配器内のコレクタ2514の直上に設けられた追加の棚2520と、を備える構成を示す。棚2520は開口部2522を有する。
図25に示すように、棚2520の開口部2522は、分配器の底の開口部2512とは位置がずれているが、コレクタ2514の底の開口部2518とは位置合わせ可能である。このような構成では、コレクタ2514を完全にロックするためには、棚2520の開口部2522および分配器2508の底の開口部2512の両方とコレクタの開口部2518との位置がずれるように、アクチュエータ2504とスピンドル2516を用いてコレクタを回転させなければならない。
図25に示すように、このロック位置は、コレクタ2514をその位置から90°回転させることによって達成される。操作時、完全な閉状態から完全な開状態へのコレクタ2514の回転は、二段階の過程となる。第1ステージでは、開口部2518が棚2520の開口部2522と整列するようにコレクタ2514が回転される。この結果、分配器2508内の粉末2510が、底に開口部を有するコレクタ2514の一部の中に落ちることができるようになる。詳細に上述したように、粉末2510は抗菌剤および/または防臭剤を含んでもよい。過程の第2ステージでは、開口部2518が分配器2508の底の開口部2512と整列するように、コレクタ2514が再び回転される。その結果、コレクタ内の粉末が、分配器2508の底を通って、その下の廃棄物貯蔵装置2500の本体内に落ちる。
【0086】
分配器内のコレクタの上に棚が設けられていない
図22−24に示した構成では、分配器の底の開口部を覆うために、コレクタは、少なくとも一つの閉鎖部を持つ底を備える必要があった。
図25に示すような構成では、コレクタの上に棚を設けることで、分配器の底の開口部を棚が効果的に覆うため、コレクタは閉じられた底部を備える必要がない。
図26は、このタイプの取り得るコレクタ2614を示す。コレクタ2614は、第1コレクタ部2618と第2コレクタ部2620とを備える。これらはそれぞれ底が開いており、閉鎖底部を有していない。このようなコレクタ2614をロックするためには、開放コレクタ部2618、2620のいずれもその下方の分配器の底の開口部と整列しないように、スピンドル2616を回転させなければならない。
【0087】
図22−26に関して本明細書で説明した構成および代替物のそれぞれでは、コレクタの底が分配器の底と同一面であるか、または少なくとも非常に近接するように、分配器内にコレクタを配置する必要がある。このような構成により、コレクタが係止位置にあるとき、コレクタの底の開口部を通り分配器の本体内へと粉末がほとんど、または全く戻らないようになる。当業者は、分配器がコレクタを覆うのに少なくとも十分な粉末を内部に有していれば、粉末の下向きの圧力によって、係止位置にあるときコレクタの底の穴から漏れ出る粉末が、コレクタの上の分配器からのより多くの粉末によって置き換えられることを理解するであろう。これを実現するために、分配器の内部に、粉末の最低充填量を示すマーキングを設けてもよい。コレクタのサイズ、特に分配器の底の開口部と整列するコレクタの開放部のサイズは既知であるので、コレクタの穴が分配器の底の穴と整列するたびに分配器から投与される粉末の量も既知である。したがって、抗菌剤および/または防臭剤を含む粉末を廃棄物貯蔵装置内に分配する制御されたシステムが提供される。
【0088】
図22−26に関して上述した、部分的に開いた底を持つコレクタを設ける代わりに、同様の投与効果を与える代替手段を設けてもよい。
図25に示すコレクタ2514を、棚2520の開口部2522から分配器2508の底の開口部2512に粉末を落として粉末を分配する流路を与えるように配置可能である管路で置換してもよい。続いて、二つの開口部の間の通路を取り除きその間を閉鎖するように、この管路を回転させることができる。管路は、二つの開口部2522、2512の間に直接の二点間の流路を有するのではなく、より制御された粉末の通路を提供するコークスクリューを備えていてもよい。さらなる代替によると、コレクタを回転させて分配器から粉末を分配する代わりに、プランジャーまたは他のアクチュエータの直線運動を使用して分配器から粉末を押し出してもよい。駆動毎に予め定められた量の粉末を分配器から押し出し、投与効果を与えるように、プランジャーを構成してもよい。代替的に、中心軸周りの回転の代わりに、水平軸周りに回転して投与量の粉末を分配器から出すコレクタを設けてもよい。このようなコレクタは、
図22−26に関して上述したコレクタのように、上端が開いているが、底に開口部を有する必要はない。代わりに、操作時にコレクタが逆さまに回転し、その上端から分配器の底の開口部を通して粉末が出る。
【0089】
図22−26に示したコレクタは、断面がほぼ円形である。しかしながら、任意の適切な断面形状のコレクタを使用することができる。加えて、上述した構成では、分配器の底に開口部がある。しかしながら、分配器の側面に開口部を設けることも可能である。分配器の側面にある開口部から粉末を分配するために、適切な態様でコレクタを駆動することができる。例えば、分配器の側面のスロットから出るようにコレクタの底が開いた部分をスライドさせるか他の方法で移動させて、粉末を下方の廃棄物貯蔵装置へと出すようにしてもよい。
【0090】
上述したように、粉末の分配範囲を広げるために、分配器自体が回転可能であるか、他の方法で移動可能であってもよい。抗菌剤および/または防臭剤を含む粉末が、廃棄物貯蔵装置の選択部分に、および/またはその中の廃棄物貯蔵カセットやカートリッジに分配されるように、分配範囲を選択することができる。
【0091】
改良型カートリッジ
改良型カートリッジまたは廃棄物貯蔵カセットが本明細書で提供される。
【0092】
ある長さの柔軟なチューブが分配される、
図2に示したタイプの廃棄物貯蔵カセットと同様に、廃棄物貯蔵装置とともに使用される折り畳み式カートリッジが知られている。このようなカートリッジの一例を
図27に示す。カートリッジ2700は、その上端のリング2702と、バッグ2704またはそこから下方に延びるある長さのチューブと、を備える。リング2702は比較的固い一方、バッグ2704またはチューブは、比較的柔らかいが多数の廃棄物を保持するのに十分な強度である。
図27に示す例では、リングは二つの折り目またはヒンジ2706を備えている。折り目またはヒンジ2706は、リング2702の表面の互いに略直径方向の反対側に配置され、それぞれの位置でリング2702の幅を横切るように延びる。使用時に、これらヒンジ2706の周りでリング2702を折り畳み、二つのリングの半分の部分を合わせて、バッグ2704の上部を閉じることができる。リング2702を確実に閉じることができる任意の適切な手段を設けてもよい。例えば、
図27では、リブ2708と協働する凹部2710とが設けられている。
【0093】
図27に示したもののような従来技術のカートリッジでは、一般にリング2702の下面にバッグ2704が溶着されている。使用時に、リングが上向きに折り畳まれてバッグの上部が閉じられる。このような構成の問題点は、バッグをヒンジ上に溶着することはできないので、溶着が連続的にならないことである。その結果、リングが閉じられ封止されると、
図28に示すように、折り畳まれたリングの両側に小さな穴2712が存在する。この穴のために、臭気がバッグから漏れ出してしまう。これは、カートリッジ2700を使用して使用済みおむつなどの廃棄物を貯蔵しているときには特に、ユーザにとって大きな問題である。さらに、従来技術の構成におけるバッグ2704とリング2702の下面との間の接合部2714は、充填されたバッグの全ての重みに耐えるように十分な強度でなければならない。この要件のために、従来技術の構成では、表面積を増やして接合部2714の強度を高めるために、リング2702の外縁の比較的近くに接合部2714を配置しなければならない。リング2702の下面に溶着されるバッグ2704の部分は、廃棄物パッケージを保持したり包んだりするために使用できないので、事実上無駄になる。さらに、従来技術の構成においてリング2702を閉じるためには、バッグ2704に詰めすぎることはできず、これもバッグ材料の無駄になる。
【0094】
改良型の廃棄物カートリッジを
図29に示す。カートリッジ2900は、その上端の比較的固いリング2902と、そこから下向きに延びる比較的柔らかい材料のバッグ2904と、を備える。代替として、閉じたバッグの代わりに、その遠位端を結ぶことができるある長さの開いたチューブがリング2902から延びていてもよい。
【0095】
図29に示すバッグ2904は、リング2902の上面に取り付けられる。好ましくは、バッグ2904は溶着によってリング2902に取り付けられる。
図29では、リング2902の上面に、第1接合部2914と第2接合部2916とが示されている。図から分かるように、各接合部2914、2916は、リング2902の上面の円周のうち比較的わずかな部分のみに沿って延びている。特に、二つの接合部2914、2916は互いに出会うようには延びていない。したがって、バッグ2904は、上側周縁の一部に沿ってリング2902に溶着されているだけである。バッグの上部の大部分は、リング2902に全く溶着されていない。
【0096】
リング2902には、折り目またはヒンジ2906が設けられている。ヒンジ2906は、リング2902上で互いに略直径方向の反対側に配置されており、各ヒンジはそれぞれの場所でリング2902の幅を横切って延びている。
図29に示すカセットでは、ヒンジ2906は、リング2902の上面の接合部2914、2916から離れて配置されている。したがって、ヒンジ2906の近傍に、接合部の最小限の小さな不連続部を設ける代わりに、本明細書に記載の改良型カートリッジでは、バッグ2904とリング2902との間に大きく意図的な接合部の不連続部が存在しており、ヒンジ2906の周りに大きな非接合部を残している。
【0097】
改良型廃棄物カートリッジにおいて、リング2902を下向きに折り畳んでバッグ2904の上部を封止するように、折り目またはヒンジ2906が構成されている。これは、
図30および
図31でより明瞭に見て取ることができる。特定の方向にヒンジを付勢する機械的手段は周知であるので、本明細書ではより詳細には説明しない。バッグは、ヒンジ2906から離れたリングの一部に溶着されているだけなので、このようにリング2902を下向きに折り畳むと、バッグの上部がヒンジ領域から自然に外れ落ちて、リング2902の閉鎖に干渉することはない。
【0098】
改良型廃棄物カートリッジ2900では、各ヒンジ2906の両側に、リブ2908と凹部2910の構成が設けられている。ヒンジ2906の周りでリング2902を閉じたときに、リブ2908が凹部2910と相互に係合してリング2902をしっかりと閉じるように、リブ2908と凹部2910とが協働する。リブ2908と凹部2910の構成は、リング2902の上面の、接合部2914、2916の端の近くに設けられているので、リング2902が下向きに折り畳まれ接合領域を除くリング2902からバッグ2904が自然にはがれ落ちると、リブ2908と凹部2910の相互係合がバッグの上端の緩い部分を効果的に捕捉し、リング2902の閉鎖により提供される封止を強化する。
図29には示していないが、リング2902の閉鎖をさらに強化するために、追加のリブと凹部の構成を接合部の近傍に設けることも可能である。
【0099】
代替構成によると、特定のヒンジまたは折り目2906がリング上に設けられていない。代わりに、リングを180°曲げられるように、リングが単に弱い領域を備えている。また、
図29に示すカセットでは、リング2902の封止を強化するためにリブおよび凹部が用いられたが、折り畳まれた状態のリングの二辺の係止を助ける、任意の適切なピン、突起または溝などの代替相互係止手段を用いることも可能である。
【0100】
上述した改良型カートリッジに関連していくつかの利点がある。バッグがリングの表面のわずかな部分に沿ってリングに溶着されているに過ぎず、また、リングが折り畳まれるとき、溶着の正確な位置が封止の品質を決定する訳ではないので、溶着プロセスをより迅速に行うことができる。折り畳まれたリングの最終的な封止が、リブ2908と凹部2910の相互係合によって達成されるという事実により、溶着の精度が必須ではないので、不合格となる製品の数が少なくなり、溶着の費用効率がより高くなる。また、バッグがリングの上面に溶着されるので、リングの内縁のより近くに接合部を配置することができ、これによってリングに溶着すべきバッグの必要な表面積が小さくなる。これにより、廃棄されるプラスチックが削減され、溶着過程がさらに迅速になり、費用効率が高くなる。
【0101】
バッグはリング表面の二つの限られた部分に沿ってリングに溶着されているだけであり、したがってリングが折り畳まれるとバッグがリングから自然にはがれ落ちるので、リングを閉じた状態で接合領域に応力をかけることなく、かなり高いレベルまでバッグに廃棄物を詰めることができる。
【0102】
リングの上部が閉じられる前に高いレベルまでバッグに詰めることができるので、改良型カートリッジは従来技術のカートリッジよりも多くの廃棄物を保持することができ、したがって交換の必要性がより少なくなる。よって、ユーザにとって利便性が高くなり費用効率が高くなる。リングを閉じてバッグの上部を封止すると、臭気が漏れる隙間または穴が存在しなくなる。代わりに、リングの両側を近づけ、リング上のヒンジから離れてバッグ材料を捕捉するように設けられたリブと凹部または他の構成によって、バッグの材料が互いにしっかりと押し付けられる。リングを折り畳みながらバッグの上部の緩い部分を捕捉装置に押し込むことによって、ユーザはこれを確実に行うことができる。したがって、衛生的で無臭の廃棄物貯蔵装置を提供することができる。
【0103】
改良型廃棄物カートリッジは、様々な廃棄物貯蔵装置とともに使用することができる。例えば、リングの下方でバッグの一部を把持し、廃棄物パッケージの連続的な堆積の間でバッグを一時的に封止する把持手段を備える廃棄物貯蔵装置とともに、改良型廃棄物カートリッジを使用してもよい。代替的にまたは追加して、貯蔵済みの廃棄物パッケージとバッグに挿入される次の廃棄物パッケージとの間に障壁を設けるためにバッグの一部をひねる廃棄物貯蔵装置とともに、改良型カートリッジを使用してもよい。
【0104】
リングおよびバッグは、プラスチックなどのリサイクル材料を含む任意の適切な材料で形成してもよい。生分解性材料であってもよい。その働きをさらに改良するために、バッグおよび/またはリングに抗菌剤および/または防臭剤を染み込ませてもよい。
【0105】
このように、改良型廃棄物貯蔵装置および改良型カートリッジが提供される。使用済みおむつの処分に使用するものとして、廃棄物貯蔵装置およびカートリッジについて説明してきたが、任意の廃棄材料の貯蔵にそれらを使用できることを認めるであろう。本明細書には記載していないが、例えば、廃棄物貯蔵装置の底の開口部を使用して、および/または装置の上部と下部とを互いに分離し廃棄物が蓄積されたバッグまたはチューブを装置から取り除くことによって、任意の適切な手段で廃棄物貯蔵装置から蓄積された廃棄物を取り除いてもよい。
【0106】
特定の実施形態および実施例について本明細書で図示し説明してきたが、添付の特許請求の範囲で規定する本発明の範囲から逸脱することなく、他の変形例も可能であることを認めるであろう。