(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6465875
(24)【登録日】2019年1月18日
(45)【発行日】2019年2月6日
(54)【発明の名称】静電式フィルターを備える真空掃除機
(51)【国際特許分類】
A47L 9/00 20060101AFI20190128BHJP
A47L 9/10 20060101ALI20190128BHJP
A47L 9/16 20060101ALI20190128BHJP
A47L 9/28 20060101ALI20190128BHJP
【FI】
A47L9/00 H
A47L9/10 E
A47L9/16
A47L9/00 Z
A47L9/00 B
A47L9/28 Z
【請求項の数】13
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-522861(P2016-522861)
(86)(22)【出願日】2014年6月24日
(65)【公表番号】特表2016-527936(P2016-527936A)
(43)【公表日】2016年9月15日
(86)【国際出願番号】GB2014051927
(87)【国際公開番号】WO2014207449
(87)【国際公開日】20141231
【審査請求日】2017年6月21日
(31)【優先権主張番号】1311451.7
(32)【優先日】2013年6月27日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】515260070
【氏名又は名称】デレガレラ ホールディングス リミテッド
【氏名又は名称原語表記】DEREGALLERA HOLDINGS LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ボウトウッド、マーティン ヒュー
【審査官】
大光 太朗
(56)【参考文献】
【文献】
特開平09−182705(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第00908121(EP,A1)
【文献】
米国特許第05400465(US,A)
【文献】
米国特許第05150499(US,A)
【文献】
特開平11−353540(JP,A)
【文献】
特開2004−013582(JP,A)
【文献】
特開2001−017361(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2005/0180845(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/00
A47L 9/10
A47L 9/16
A47L 9/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気入口、空気出口及びそれらの間に延在する通路を区画する本体と、
空気が前記通路を通過する時、空気から塵埃を除去する静電式除塵フィルターと、
前記空気入口へ空気を吸入し、前記通路を通して、前記空気出口へ送る空気ポンプと、を備える真空掃除機であって、
前記真空掃除機は更に、前記空気ポンプを直接に駆動する推進力を有効に提供する電極配置を含み、
前記空気ポンプはテスラタービンを含み、前記テスラタービンは少なくとも1つのロータ・ディスクと結合する少なくとも1つのステータ・ディスクを含み、前記電極配置は、対応するロータ・ディスクを回転させる前記少なくとも1つのステータ・ディスクに設けられる真空掃除機。
【請求項2】
請求項1に記載の真空掃除機において、前記通路または前記通路に配置された部品は、気流接触面を含み、前記気流接触面は、電圧を前記電極配置へ提供するように構成される導電下層に設けられた摩擦電気被膜を含むことを特徴とする真空掃除機。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の真空掃除機において、前記空気ポンプは可動要素を含み、前記可動要素は、前記電極配置へ電圧を提供するように構成される導電層に設けられた摩擦電気被膜を含む気流接触面を含むことを特徴とする真空掃除機。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載の真空掃除機において、前記静電式除塵フィルターはサイクロンフィルターステージを含み、前記サイクロンフィルターステージは前記電極配置へ電圧を提供するように構成される導電下層に設けられた摩擦電気被膜を含むサイクロン気流接触面を含むことを特徴とする真空掃除機。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載の真空掃除機において、前記真空掃除機は前記空気出口を通過し、イオン化された気流を生成するように構成されることを特徴とする真空掃除機。
【請求項6】
空気入口、空気出口及びそれらの間に延在する通路を区画する本体と、
空気が前記通路を通過する時、空気から塵埃を除去する静電式除塵フィルターと、
前記空気入口へ空気を吸入し、前記通路を通して、前記空気出口へ送る空気ポンプと、を備える真空掃除機であって、
前記静電式除塵フィルターは、閾値電圧を超える電圧に空気をさらすことによって、前記通路を通過する空気に存在する微生物を消滅する電極配置を含み、
前記通路または前記通路に配置された部品は、気流接触面を含み、前記気流接触面は、前記電極配置へ電圧を提供するように構成される導電下層に設けられた摩擦電気被膜を含むことを特徴とする真空掃除機。
【請求項7】
請求項6に記載の真空掃除機において、前記閾値電圧は少なくとも1000Vであることを
特徴とする真空掃除機。
【請求項8】
請求項7に記載の真空掃除機において、前記閾値電圧は少なくとも10,000Vであること
を特徴とする真空掃除機。
【請求項9】
請求項6〜8の何れか一項に記載の真空掃除機において、前記閾値電圧は前記通路を通過する空気を実質的に殺菌することを特徴とする真空掃除機。
【請求項10】
請求項6〜9の何れか一項に記載の真空掃除機において、前記空気ポンプは可動要素を含み、前記可動要素は、前記電極配置へ電圧を提供するように構成される導電下層に設けられた摩擦電気被膜を含む気流接触面を含むことを特徴とする真空掃除機。
【請求項11】
請求項6〜10の何れか一項に記載の真空掃除機において、前記静電式除塵フィルターはサイクロンフィルターステージを含み、前記サイクロンフィルターステージは前記電極配置へ電圧を提供するように構成される導電下層に設けられた摩擦電気被膜を含むサイクロン気流接触面を含むことを特徴とする真空掃除機。
【請求項12】
請求項6〜11の何れか一項に記載の真空掃除機において、前記真空掃除機は前記空気出口を通過し、イオン化された気流を生成するように構成されることを特徴とする真空掃除機。
【請求項13】
請求項6〜12の何れか一項に記載の真空掃除機において、前記空気ポンプは静電空気ポンプを含むことを特徴とする真空掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は真空掃除機に関するものであり、特に家庭用真空掃除機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の真空掃除機は、電気モーターを動力とする回転するファン、即ちインペラーを用いて差圧を生成することによって稼働する。清浄される対象である床面と接触するワンドまたはチューブの端部に負圧が導入される一方で、正圧は分散システムを通して大気に連通される。真空掃除機を通過して生成された空気流は、粒子を保留するほど十分に小さい多数の孔を有する多孔バッグに流れるか、または旋回する粒子に作用する遠心力によって、粒子を捕捉するサイクロン室を介して集塵室を通過する。この気流はサイクロン室の頂部から、または、多孔バッグの場合、封入室を経由して、拡散排気の形で大気に到着する前にフィルター出口まで続く。
【0003】
例えば、インペラーファンのスピードを増加することにより、インペラーファンの効率を改善し、インペラーを螺旋形状の多翼タービンのタイプに設計し、空気を旋回するように導き、流れに遠心力を発生させ、旋回流直径の漸減によって速度を増加するサイクロン技術を利用することによって、性能を向上させるために、数年かけて様々な試みがなされた。
【0004】
現在の装置における塵埃抽出は主に真空、または負圧を利用する。この負圧性能はほとんどインペラーの設計及び効率に依存する。インペラー効率が50%以下である場合は典型的である。しかし、いくつか最近のタービンタイプのインペラーは70%と同一の高い効率を有すると言われる。全部のシステムの性能は更に、ワンドシステムを通過する損失、または空気流がどのように大気からヘッドの真空入口帯まで導入されるかに関してブラシヘッドの設計などのような要因によって低くなる。
【0005】
バッグ式フィルターを介して、小さい多孔はほとんどの粒子を捕捉するが、小さ過ぎる多孔率は、流れを抑制したり、大量の圧力がバッグを貫抜く結果をもたらす。従って、小さい粒子がフィルターシステムを通過することが要求される。サイクロンシステムは、塵埃粒子に作用する遠心力を旋回させて、粒子を容器の壁に衝突させ、投げだすことによって粒子を捕捉する。容器からの気流は2次システムを通過して濾過される。2次システムは空気の通過を許可する多孔を有し、粒子用の経路を有しなければならない。従って、どちらの濾過技術も理想ではなく、完璧には近くない。周知のように、バッグ及びサイクロンシステムの両方において、排気ガス流は、塵埃粒子及び/または微生物を含み、その塵埃粒子及び/または微生物はフィルターシステムには小さ過ぎて、捕捉できない。
【0006】
ここでは、塵取機を容易に空にすることを検討する。バッグは除去され、開封され、そして、ゴミ入れに捨てられなければならない。通常、そのバッグは再使用不可能で、バッグが一杯になった時、バッグ全体が処理される。このサイクロンシステムを空にするには、取り外し可能な容器の中身を捨てればよい。現実では、この容器は通常はプラスチック製材料から構成されたり、コーティングされている。プラスチック製材料は、容器の内部表面と塵埃粒子との間における運動及び当然の摩擦に起因して、静電荷を帯びる。この摩擦帯電効果が粒子を容器の表面に粘着させるため、ゴミを捨てて容器を空にすることが困難になる。
【0007】
最後に、絶縁された表面を高速度で移動する空気の進行は電荷の蓄積及び排気ガスの正イオン化という結果をもたらす。特に、これは高速度のサイクロンタイプのシステムに係る問題である。このシステムにおいて、摩擦帯電効果は分子の速度及び摩擦によって拡大される。交直両用電動機ではイオン化効果が増加され、火炎災害を起こすブラシスパーキングの問題がある一方で、この電気モーターは磁気誘起正イオン化をさせる。この正イオン化は最悪の場合においては、周知の健康災害をもたらし、最善の場合においても、思考の曖昧さ及び病気に高い傾向をもたらすと思われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来技術と関連する問題を克服し、または少なくとも問題を緩和する、改善された真空掃除機の必要性を確定した。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第一の発明は真空掃除機を提供するものである。前記真空掃除機は空気入口、空気出口及びそれらの間に延在する通路を区画する本体と、空気が前記通路を通過する時、空気から塵埃を除去する静電式除塵フィルター(例えば、集塵室に収集する)と、前記空気入口へ空気を吸入し、前記通路を通して、前記空気出口へ送る空気ポンプとを備える。前記静電式除塵フィルターは、閾値電圧を超える電圧に空気をさらすことによって、前記通路を通過する空気に存在する微生物を殺菌する電極配置を含む。
【0010】
このように、真空掃除機は、排気ガス流からの生存生物の除去と一緒に有効な濾過を得るように構成される。
前記真空掃除機は家庭用真空掃除機である(例えば、車輪または携帯用装置に取り付けられた移動装置)。
【0011】
一実施形態において、前記閾値電圧は少なくとも1000Vである。
一実施形態において、前記閾値電圧は少なくとも10,000Vである。
一実施形態において、前記閾値電圧は前記通路を通過する空気を実質的に殺菌するように構成される。
【0012】
一実施形態において、前記通路または前記通路に配置された部品は、気流接触面を含み、前記気流接触面は、前記電極配置へ(例えば、エネルギー蓄積装置を介して直接またはその次の時間に)電圧を提供するように構成される導電下層に設けられた摩擦電気被膜を含む。このように、気流接触面で空気と塵埃運動の摩擦によって生成された静電荷を利用することで、電極配置によって実行された濾過、滅菌及びイオン化過程のうち少なくとも1つを高めたり、援助したりする。
【0013】
一実施形態において、前記空気ポンプは
可動要素(例えば、以下に述べるようなファンの翼またはテスラタービンのプレート)を含み、前記
可動要素は、前記電極配置へ電圧を提供するように構成される導電下層に設けられた摩擦電気被膜を含む気流接触面を含む。
【0014】
一実施形態において、前記静電式除塵フィルターはサイクロンフィルターステージを含み、前記サイクロンフィルターステージは前記電極配置へ電圧を提供するように構成される導電下層に設けられた摩擦電気被膜を含むサイクロン気流接触面を含む。
【0015】
一実施形態において、前記真空掃除機は前記空気出口を通過し、イオン化された気流を生成するように構成される(例えば、負イオン化された気流)。このように、真空掃除機に存在する気流は健康により有利な状態で提供される。
【0016】
一実施形態において、前記電極配置は前記空気ポンプに対して機械的に接続された静電モーターを駆動する推進力を提供する。
一実施形態において、前記電極配置は前記空気ポンプを直接に駆動する推進力を提供するように構成される。
【0017】
一実施形態において、前記空気ポンプはテスラタービン(例えば、境界層タービン)を含み、前記テスラタービンは少なくとも1つのロータ・ディスクと結合する少なくとも1つのステータ・ディスクを含み、前記電極配置は、対応するロータ・ディスクを回転させる前記少なくとも1つのステータ・ディスクに設けられる。
【0018】
一実施形態において、前記空気ポンプは静電空気ポンプを含む(例えば、可動部分を有しない静電液加速器)。
本発明の第二の発明は真空掃除機を提供するものである。前記真空掃除機は空気入口、空気出口及びそれらの間に延在する通路を区画する本体と、空気が前記通路を通過する時、空気から塵埃を除去する静電式除塵フィルター(例えば、集塵室に収集する)と、前記空気入口へ空気を吸入し、前記通路を通して、前記空気出口へ送る空気ポンプと、を備える。前記真空掃除機は更に、前記空気ポンプに対して機械的に接続される静電モーターを駆動する推進力、または前記空気ポンプを直接に駆動する推進力を有効に提供する電極配置を含む。
【0019】
一実施形態において、前記空気ポンプはテスラタービンを含み、前記テスラタービンは少なくとも1つのロータ・ディスクと結合する少なくとも1つのステータ・ディスクを含み、前記電極配置は、対応するロータ・ディスクを回転させる前記少なくとも1つのステータ・ディスクに設けられる。
【0020】
一実施形態において、前記通路または前記通路に配置された部品は、気流接触面を含み、前記気流接触面は、前記電極配置へ電圧を提供するように構成される導電下層に設けられた摩擦電気被膜を含む。
【0021】
一実施形態において、前記空気ポンプは
可動要素(例えば、以下に述べるようなファンの翼またはテスラタービンのプレート)を含み、前記
可動要素は、前記電極配置へ電圧を提供するように構成される導電層に設けられた摩擦電気被膜を含む気流接触面を含む。
【0022】
一実施形態において、前記静電式除塵フィルターはサイクロンフィルターステージを含み、前記サイクロンフィルターステージは前記電極配置へ電圧を提供するように構成される導電下層に設けられた摩擦電気被膜を含むサイクロン気流接触面を含む。
【0023】
一実施形態において、前記真空掃除機は前記空気出口を通過し、イオン化された気流を生成するように構成される(例えば、負イオン化された気流)。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の実施形態に係る真空掃除機を示す概略図である。
【
図2】
図1の真空掃除機に用いられる静電サイクロンフィルターを示す概略図である。
【
図3】
図1の真空掃除機に用いられる空気ポンプを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は真空掃除機10を示す。真空掃除機10は空気入口22、空気出口24及びそれらの間に延在する通路26を区画する本体と、空気が通路26を通過する時、空気から塵埃を除去する静電式除塵フィルター30と、空気入口22へ空気を吸入し、通路26を通して、空気出口24へ送る空気ポンプ40とを備える。概略図では、空気入口22及び空気出口24は本体20の反対側に配置されるように示されるが、空気入口22及び空気出口24は塵埃の進入位置(例えば、真空掃除機のワンドブラシヘッドの周囲にある空気出口24を備える)において、互いに近接するように、好ましくは、同心状に配置される。
【0026】
本発明によれば、静電式除塵フィルター30は二つの主な機能を有する。即ち、(1)塵埃粒子を静電的に濾過して取り除くように通路26を通過して塵埃粒子における静電荷を制御する;(2)通路26を通過する空気を滅菌する。選択可能には、真空掃除機10は更に、(静電式除塵フィルター30の自らを用いて、もしくは静電式除塵フィルター30の下流に配置される、更なる荷電制御装置を用いて)空気出口24(例えば、真空掃除機が有益な空気及び典型的には、負イオン状態のイオンを排出し、または放出することを許可する)を経由して通路26から出ていく空気に存在する静電荷を制御するように構成される。
【0027】
除塵フィルター30は少なくとも1000Vの閾値電圧を超える電圧に空気をさらすことによって真空掃除機を通過する微生物(例えば、細菌及び昆虫)を殺菌するように構成され、かつ前記通路を通過する空気を滅菌消毒するように構成される電極配置32を含む。一実施形態において、閾値電圧は少なくとも10,000Vである。
【0028】
空気/塵埃粒子のイオン化状態を制御し、空気を滅菌する設備はたくさんの手段で実行される。
第1実施形態において、静電式除塵フィルター30は電離室を含み、前記電離室は、気流方向において、十分な長さの電場を維持するために、動力付きの電極配置32を充填する同時に、動的なインプットの電力とともに稼働するとともに、気流に微小なインピーダンスを提供するように構成されて、適切な割合の塵埃粒子(例えば、電離室が唯一の真空掃除機または主な除塵フィルターである場合、これは実質的に全部の粒子である)の捕捉を確保する。これは流入する空気の集塵に適用され、更に、流出する空気のイオン化に有利である。
【0029】
別の実施形態において、静電式除塵フィルターは静電フィルター・ガーゼの形で電極配置32を含み、静電フィルター・ガーゼはパルスキャパシタエネルギー蓄蔵部に接続された導電本体を含む。フィルター・ガーゼの表面は摩擦帯電材料で被覆われている。摩擦帯電材料は、帯電列の負電端にあることによって、気流がその表面を通過する時、負電荷を生成する。量子トンネル効果の電流が導電本体を通過することを許可するために、その被覆層は選択的に充分に薄い(例えば、厚さは5nm未満)。これは、気流がフィルター及びエネルギー蓄蔵部における電子の堆積部から出ていく時、正電荷を帯びる気流を生じるという結果になる。
【0030】
空気ポンプ40はインペラー、テスラタービン及び静電液加速器(EFA)を含むが、それに限定されない真空を生成する、いずれかの手段を含む。一実施形態において、電極配置32は、前記空気ポンプに対して機械的に接続された静電モーターを駆動する推進力を提供し、または前記空気ポンプを直接に駆動する推進力を提供するように構成される(以下、テスラタービンの実施形態の検討に参照)。
【0031】
機械的な空気ポンプの場合、空気ポンプ40の能動部品(例えば、動翼)が今回ではスケールの正電端にあって、薄い(例えば、厚さは5nm未満)摩擦帯電層を有する導電下層を含み、そして、移動する空気/粒子の正電荷に電子を送達することによって正電荷を生成するように構成される。正電荷はエネルギー蓄蔵部の反対側に蓄えられて、負電荷蓄蔵側にバランスを提供する。この蓄蔵された電荷はイオン化/濾過過程における清浄または浄化の部分として使用される。
【0032】
図2は静電式除塵フィルター30と結合して使用するオプショナルサイクロン静電式除塵フィルターステージ50を示す。サイクロンフィルターステージ50は円筒状電離室52を含み、円筒状電離室52はそこの上側の端部における進入口54と、そこの下側の端部における複数の脱出孔58を区画する中空状の中央円筒状の脱出管56とを含む。
【0033】
含塵空気は進入口54を経由して吸引される。含塵空気が主に直流供給の一端子に電気的に接続されるチャンバ52の導電性のチャンバ内壁52Aに当たって円周運動をして、進入口54から下側の脱出孔58に向かって導かれる。塵埃粒子は導電性の内壁52Aに引き付けられる。これは遠心力とともに気流から塵埃を分離させ、そして、チャンバ内壁52Aに保留させる。その間に、空気が中央出口チューブ56の上側の端部における出口59を経由してチャンバ52から出ていく。
【0034】
より多い塵埃粒子をうまく吸引するために、チャンバ内壁52Aが大きな表面面積を有することが望ましいため、該表面は垂直方向において波形に形成されることで、局部程度の乱れ及び余分の表面を提供し塵埃を保留する。
【0035】
内壁表面の極性は正極性または負極性であって、特定タイプの塵埃の環境及びローカル大気において、流行する状況に適応する。
中央出口チューブ56は、チャンバ内壁52Aに接続する反対側の直流供給に電気的に接続される。従って、中央出口チューブ56及びチャンバ内壁52Aの間における空間にわたって電場が存在する。この電場は塵埃粒子に作用してそれらをチャンバ内壁52Aへ引き付ける。
【0036】
チャンバ52は実質的に塵埃粒子が溢れた時、チャンバ内壁52Aは、直流供給端子に接続するのではなく、床面に接続し、またはアース接続をすることを許可することによって空にされる。これは、塵埃粒子に蓄積された電荷を部分的に解放し、塵埃がチャンバ内壁52Aへの引き付けを解除することを許可する。
【0037】
チャンバ52の下流は類似な機能を有する第2チャンバ(図示せず)を設ける。該機能は、いくつかの残りの塵埃粒子が移動する空気が出口に向かって大気点へ導かれる前に捕捉されることを特徴とする。
【0038】
大気への出口の道において、選択的には、真空掃除機10は気流によって運ばれた正味の電荷を均衡することによって、真空掃除機からの出口において、全部の負電荷状態で存在させる。
【0039】
一実施形態において、伝導性のチャンバ内壁52Aは導電性基板を含み、導電性基板は薄い被膜で覆われる。該薄い被膜は絶縁材料、好ましくはセラミック材料から構成され、排他的ではない。被膜の材料はその表面にわたって塵埃粒子との摩擦の結果によって電子を容易に放し、または受け取るように最大な摩擦帯電性能を有するように選択される。この被膜は非常に薄くて(例えば、厚さにおいて5nm未満)、量子トンネル効果が発生することを許可し、導電性基板へ電荷を移動することを許可することによって、キャパシタのような適切な記憶装置へ電流を提供し、または直接的に何らかの負荷回路へ流入する。
【0040】
例として、サイクロンフィルターステージ50が基板(出口チューブ56に対して)において、負電圧とともに稼働する場合、塵埃粒子はチャンバ内壁52Aと摩擦的に接触する。チャンバ内壁52Aは正電荷を帯びる特性を有する。この特性は、容易に電子を放す。塵埃粒子がチャンバ内壁52Aにおける被膜の表面から電子を取り出す時、これらは負電荷を帯びるようになって、その表面材料は正電荷を獲得する。正電荷が蓄積される時、量子トンネル効果は導電性基板から被膜の表面へ電子を移動して電荷を中和し、進行の循環を許可する。従って、電子流が確定される。その間に、まず、塵埃が被膜の表面に引きつかれ、そして、次に、電子中和の後に、塵埃が落下し、チャンバ52の底部に堆積する。この例において、空気も負電荷を帯びて、そして排気点から出ていく前に、改善された品質の状態を有する。
【0041】
当業者に明らかであるように、サイクロンフィルターステージ50における極性はチャンバ52から出ていく空気が正電荷の状態を有するように逆にされる。この場合、排出空気は、正電荷を除去し、負電荷を空気に与える空気調節ステージを通過することで全体の空気の質を改善する。これは、いくつかの残りの塵埃粒子を更に捕捉しまたは除去するように配置される。しかし、後者の場合、まず空気によって得られた正電荷及び次に得られた負電荷の間におけるバランスはその両部分の間において、電荷流の閉回路という結果をもたらす。従って、この電荷流は空気の運動エネルギーから電気エネルギーを受け取るエネルギー抽出システムである。このエネルギーは蓄えられて自分の進行に動力を提供し、もしくは他の目的のために、抽出される(例えば、真空掃除機の他の部分に動力を付ける)。
【0042】
更なる実施形態の静電サイクロンフィルターステージ50は連続的な導電性基板の代わりに、一連の垂直方向に向けられた電極を含み、各電極は異なる制御の位相に接続される。電極の通電を順番付けることによって、回転磁界が確定される。この回転磁界は空気の流れ及び塵埃粒子を駆動するとともに、摩擦帯電によって生じた電子流の集合を順番付けるように使用される。
【0043】
何れかの配置は円錐状に形成されることによって、回転の流れの速度が最適化される。
図3は真空掃除機10に設けられる空気ポンプ40として使用されるテスラタービンインペラー装置60を示す。
【0044】
テスラタービン60は運転隙間66を有する台間ステータ・ディスク64の間において、間隔を空けた共通の軸に取り付けられたロータ・ディスク62の配置を含む。
従来のテスラタービンにおいては、空気は軸において吸引され、そして、周辺において加速され、排出される。周辺において、収納室が排出物を受け取って、導く。インペラー翼を備えていないため、この過程は非常に静かな作動を提供する。
【0045】
ロータ・ディスク及びステータ・ディスク62,64を交替に正電荷及び負電荷を持たせることによって、合成静電電荷は更に、空気質の改善及び塵埃粒子のイオン化のうち何れかもしくはその両方を提供する同時に、ドラッグ及びポンピング効果を高める。塵埃イオン化/帯電は次に、タービンステージの下流に設けられた適切な帯電翼に捕集された塵埃を濾すように使用される。
【0046】
更に、ロータ・ディスク及びステータ・ディスク62,64は、薄い(例えば、厚さにおいて5nm未満)摩擦電気被膜を覆うことで、量子トンネル効果を用いて摩擦によって生じた電子流及びその集合を基板導体に導入する。
【0047】
テスラタービン装置(例えば、周知の静電モーターの原理に基づく)のステータ・ディスクにおいて、放射状に電極を適切に配置することによって、ステータ・ディスク64に対して、ロータ・ディスク62をスピンする静電力を提供することは可能である。このように、空気運動は簡単なテスラタービンインペラーが要求されるように、モーターは空気ポンプ(例えば、インペラー)として稼働する。このモーターロータ及びステータはそれぞれタービンロータ及びステータ62,64である。