(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6465879
(24)【登録日】2019年1月18日
(45)【発行日】2019年2月6日
(54)【発明の名称】偏肉フィルムの製造装置、及び偏肉フィルムの製造方法
(51)【国際特許分類】
B29C 48/88 20190101AFI20190128BHJP
B29C 48/305 20190101ALI20190128BHJP
B29C 43/46 20060101ALI20190128BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20190128BHJP
B29L 7/00 20060101ALN20190128BHJP
B29L 11/00 20060101ALN20190128BHJP
【FI】
B29C47/88 Z
B29C47/14
B29C43/46
G02F1/13357
B29L7:00
B29L11:00
【請求項の数】29
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-525719(P2016-525719)
(86)(22)【出願日】2015年3月19日
(86)【国際出願番号】JP2015058277
(87)【国際公開番号】WO2015186408
(87)【国際公開日】20151210
【審査請求日】2017年12月8日
(31)【優先権主張番号】特願2014-115761(P2014-115761)
(32)【優先日】2014年6月4日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004466
【氏名又は名称】三菱瓦斯化学株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】597003516
【氏名又は名称】MGCフィルシート株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100110663
【弁理士】
【氏名又は名称】杉山 共永
(74)【代理人】
【識別番号】100141025
【弁理士】
【氏名又は名称】阿久津 勝久
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】鴇田 敦大
【審査官】
▲高▼村 憲司
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−088649(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0062868(US,A1)
【文献】
特開2010−058437(JP,A)
【文献】
特開2004−082359(JP,A)
【文献】
特開2009−040009(JP,A)
【文献】
特開昭61−146524(JP,A)
【文献】
特開昭60−089341(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 47/00 − 47/96
B29C 43/00 − 43/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂板を押出すダイと、前記樹脂板を成型する第1ロール及び第2ロールとを備える偏肉フィルムの製造装置であって、
前記樹脂板に厚さが不均一な不均一部を成型するために、前記ダイ側に設けられる予備成型部と、
前記不均一部から偏肉部を成型するために、前記第1ロール及び/又は前記第2ロールに設けられる主成型部とを備え、
前記予備成型部は、前記ダイ側で前記樹脂板を分断して押し出すことを特徴とする、製造装置。
【請求項2】
前記予備成型部には、前記ダイ内に1つ又は複数のディッケルが設置されることを特徴とする、請求項1に記載の製造装置。
【請求項3】
樹脂板を押出すダイと、前記樹脂板を成型する第1ロール及び第2ロールとを備える偏肉フィルムの製造装置であって、
前記樹脂板に厚さが不均一な不均一部を成型するために、前記ダイ側に設けられる予備成型部と、
前記不均一部から偏肉部を成型するために、前記第1ロール及び/又は前記第2ロールに設けられる主成型部とを備え、
前記予備成型部は、前記ダイと、前記樹脂板とは幅が異なる第2樹脂板を押出す第2ダイとから構成されることを特徴とする、製造装置。
【請求項4】
前記ダイから押し出される樹脂板と、前記第2ダイから押し出される第2樹脂板とが結合して前記不均一部を備えた前記樹脂板となるように、前記ダイ及び前記第2ダイが並んで配置されることを特徴とする請求項3に記載の製造装置。
【請求項5】
前記予備成型部には、前記第2ダイ内の樹脂流路を狭めるために前記第2ダイ内にインナーディッケルが設置されることを特徴とする、請求項3又は4に記載の製造装置。
【請求項6】
樹脂板を押出すダイと、前記樹脂板を成型する第1ロール及び第2ロールとを備える偏肉フィルムの製造装置であって、
前記樹脂板に厚さが不均一な不均一部を成型するために、前記ダイ側に設けられる予備成型部と、
前記不均一部から偏肉部を成型するために、前記第1ロール及び/又は前記第2ロールに設けられる主成型部とを備え、
前記予備成型部は、前記ダイの押出口のリップ部に設けられる1つ又は複数の切欠部であることを特徴とする、製造装置。
【請求項7】
前記切欠部は、半円状、半楕円状、ドーム状、又は多角形状であることを特徴とする、請求項6に記載の製造装置。
【請求項8】
前記多角形状は、三角形状、矩形状、又は台形状であることを特徴とする、請求項7に記載の製造装置。
【請求項9】
前記主成型部は、前記第1ロールに設けられる円錐台状部分と、前記第2ロールに設けられる円柱状部分とから構成されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の製造装置。
【請求項10】
前記主成型部は、前記第1ロールに設けられる円錐台状部分及び円盤状部分と、前記第2ロールに設けられる円柱状部分とから構成され、前記円盤状部分の直径が前記円錐台状部分の大径面の直径より大きいことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の製造装置。
【請求項11】
前記製造装置は、前記第1ロールの前記円錐台状部分と前記第2ロールの前記円柱状部分との間で、前記偏肉フィルムの成型体に肉厚部を形成し、
前記第1ロールの前記円盤状部分と、前記第2ロールの前記円柱状部分との間で、前記成型体に薄肉の接続部を形成することを特徴とする、請求項10に記載の製造装置。
【請求項12】
前記円錐台状部分が一対の円錐台状部分であり、前記円盤状部分を挟むように前記一対の円錐台状部分が対称に配置されることを特徴とする、請求項10又は11に記載の製造装置。
【請求項13】
前記第1ロールを構成する各部分は、同一軸線上に一体的に配置されることを特徴とする、請求項9〜12のいずれか一項に記載の製造装置。
【請求項14】
前記円盤状部分と前記円錐台状部分の小径面とが接続されることを特徴とする、請求項10〜13のいずれか一項に記載の製造装置。
【請求項15】
前記第1ロールがさらに円柱状部分を備えることを特徴とする、請求項9〜14のいずれか一項に記載の製造装置。
【請求項16】
前記第1ロールの前記円柱状部分と、前記第1ロールの前記円錐台状部分の大径面とが接続されることを特徴とする、請求項15に記載の製造装置。
【請求項17】
前記主成型部は、前記第1ロールに設けられる円柱状部分及び円盤状部分と、前記第2ロールに設けられる円錐台状部分及び小径部分とから構成され、前記小径部分が前記円錐台状部分の小径面側と接続することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の製造装置。
【請求項18】
前記製造装置は、前記第1ロールの前記円柱状部分と前記第2ロールの前記円錐台状部分との間で、前記偏肉フィルムの成型体に偏肉部を形成し、
前記第1ロールの前記円盤状部分と、前記第2ロールの小径部分との間で、前記成型体に薄肉の接続部を形成することを特徴とする、請求項17に記載の製造装置。
【請求項19】
前記円錐台状部分が一対の円錐台状部分であり、前記小径部分を挟むように前記一対の円錐台状部分が対称に配置されることを特徴とする、請求項17又は18に記載の製造装置。
【請求項20】
前記第1ロール又は第2ロールを構成する各部分は、同一軸線上に一体的に配置されることを特徴とする、請求項17〜19のいずれか一項に記載の製造装置。
【請求項21】
前記第2ロールがさらに円柱状部分を備えることを特徴とする、請求項17〜20のいずれか一項に記載の製造装置。
【請求項22】
前記第2ロールの前記円柱状部分と、前記第2ロールの前記円錐台状部分の大径面とが接続されることを特徴とする、請求項21に記載の製造装置。
【請求項23】
前記成型体の偏肉部は、押出方向に平行な一方の側部から他方の側部にかけて肉厚が変化するように形成されることを特徴とする、請求項11又は18に記載の製造装置。
【請求項24】
前記円錐台状部分の表面には、ドットパターンが設けられることを特徴とする、請求項9〜23のいずれか一項に記載の製造装置。
【請求項25】
前記第1ロール及び前記第2ロールにより成型された前記成型体を裁断する裁断部を備えることを特徴とする、請求項9〜24のいずれか一項に記載の製造装置。
【請求項26】
前記偏肉フィルムの前記成型体は、複数のサブ成型体から構成され、前記サブ成型体は、前記接続部で接続されることを特徴とする、請求項11、18、23のいずれか一項に記載の製造装置。
【請求項27】
樹脂板を押出すダイと、前記樹脂板を成型する第1ロール及び第2ロールとを用いて偏肉フィルムを成型するための偏肉フィルムの製造方法であって、
前記ダイ側に設けられる予備成型部を用いて、前記樹脂板に厚さが不均一な不均一部を成型する予備成型工程と、
前記第1ロール及び/又は前記第2ロールに設けられる主成型部を用いて、前記不均一部から偏肉部を成型する主成型工程とを備え、
前記予備成型工程は、前記ダイ側で前記樹脂板を分断して押し出すことにより、前記不均一部を成型することを特徴とする製造方法。
【請求項28】
樹脂板を押出すダイと、前記樹脂板を成型する第1ロール及び第2ロールとを用いて偏肉フィルムを成型するための偏肉フィルムの製造方法であって、
前記ダイ側に設けられる予備成型部を用いて、前記樹脂板に厚さが不均一な不均一部を成型する予備成型工程と、
前記第1ロール及び/又は前記第2ロールに設けられる主成型部を用いて、前記不均一部から偏肉部を成型する主成型工程とを備え、
前記予備成型工程は、前記ダイと、前記樹脂板とは幅が異なる第2樹脂板を押出す第2ダイとを用いて、前記不均一部を成型することを特徴とする、偏肉フィルムの製造方法。
【請求項29】
樹脂板を押出すダイと、前記樹脂板を成型する第1ロール及び第2ロールとを用いて偏肉フィルムを成型するための偏肉フィルムの製造方法であって、
前記ダイ側に設けられる予備成型部を用いて、前記樹脂板に厚さが不均一な不均一部を成型する予備成型工程と、
前記第1ロール及び/又は前記第2ロールに設けられる主成型部を用いて、前記不均一部から偏肉部を成型する主成型工程とを備え、
前記予備成型工程は、前記ダイの押出口のリップ部に設けられる1つ又は複数の切欠部を用いて、前記不均一部を成型することを特徴とする、偏肉フィルムの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂製の偏肉フィルム、例えば、液晶表示装置の背面照射装置に用いられる導光板に用いられる偏肉フィルムの製造装置及び製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タブレットPC、スマートフォン等の液晶表示装置には、エッジライト方式の導光板(導光フィルム)が背面照明装置として用いられている。エッジライト方式の導光板は、四角形の板状体である透明板の1つの側面(光入射面)から光が入射し、入射した光を表面(光出射面)から出射する。背面照明装置は、導光板の少なくとも1つの側面に光源が配置されている。導光板の光出射面に対向する面(光反射面)には、導光板の内部を透過する光の進行角度を変える要素(以下、「偏向要素」という。)が設けられている。導光板の光入射面から入射した光は、光反射面で反射され、進行方向を変えられて導光板内を伝搬し、光出射面から出射する。一般に、導光板には偏向要素が設けられ、光の輝度が光出射面全面で均一になるように、偏向要素の密度分布および偏向要素の形状が決定される。
【0003】
このような導光板の製造方法としては、特開平9−222514号公報に開示されているような射出成型法が一般的である。射出成型法で製造される導光板では、湯流れ性、成型性、などの制約から板厚を薄くすることが制限され、板厚の薄い側は、0.3〜0.4mmに止まっている。さらに、液晶画面の大型化に伴って、導光板が大型化されるため、大型の射出成型機が必要となり、製造コストが増加したり、転写精度を確保するために、過大な圧力、比較的長い加圧、冷却時間が必要となる等の問題がある。
【0004】
このような問題を解決する方法として、特開平2004−82359号公報に開示されているような少なくとも2枚の偏肉フィルムが対称に一体的に並べられて成型されるよう押出すことを特徴とする押出機による偏肉フィルムの製造方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−222514号公報
【特許文献2】特開2004−82359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特開平2004−82359号公報に開示されているような製造方法から導光フィルムを得るには、対称に並べられた偏肉フィルムの肉厚部を切り離す必要がある。さらに、切り離した個所を光入射面とするには、その端面を入念に研磨する必要があり、製造効率を高めることが困難であった。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものである。本発明は、効率よく偏肉フィルムを製造できる偏肉フィルムの製造装置の提供を目的とする。また、本発明は、製造された偏肉フィルムを押出し方向に対して略垂直に分割(切断)するのみで容易に導光フィルムとすることができる偏肉フィルムの製造装置及び方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明は下記通り構成される。
(態様1)樹脂板を押出すダイと、前記樹脂板を成型する第1ロール及び第2ロールとを備える偏肉フィルムの製造装置であって、前記樹脂板に厚さが不均一な不均一部を成型するために、前記ダイ側に設けられる予備成型部と、前記不均一部から偏肉部を成型するために、前記第1ロール及び/又は前記第2ロールに設けられる主成型部とを備えることを特徴とする製造装置。
【0009】
(態様2)前記予備成型部は、前記ダイ内で前記樹脂板を分断して押し出すことを特徴とする、態様1に記載の製造装置。(態様3)前記予備成型部には、前記ダイ側に1つ又は複数のディッケルが設置されることを特徴とする、態様2に記載の製造装置。(態様4)前記予備成型部は、前記ダイと、前記樹脂板とは幅が異なる第2樹脂板を押出す第2ダイとから構成されることを特徴とする、態様1に記載の製造装置。(態様5)前記ダイから押し出される樹脂板と、前記第2ダイから押し出される第2樹脂板とが結合して前記不均一部を備えた前記樹脂板となるように、前記ダイ及び前記第2ダイが並んで配置されることを特徴とする態様4に記載の製造装置。
【0010】
(態様6)前記予備成型部には、前記第2ダイ内の樹脂流路を狭めるために前記第2ダイ内にインナーディッケルが設置されることを特徴とする、態様4又は5に記載の製造装置。(態様7)前記予備成型部は、前記ダイの押出口のリップ部に設けられる1つ又は複数の切欠部であることを特徴とする、態様1に記載の製造装置。(態様8)前記切欠部は、半円状、半楕円状、ドーム状、又は多角形状であることを特徴とする、態様7に記載の製造装置。(態様9)前記多角形状は、三角形状、矩形状、又は台形状であることを特徴とする、態様8に記載の製造装置。(態様10)前記主成型部は、前記第1ロールに設けられる円錐台状部分と、前記第2ロールに設けられる円柱状部分とから構成されることを特徴とする、態様1~9のいずれか一項に記載の製造装置。(態様11)前記主成型部は、前記第1ロールに設けられる円錐台状部分及び円盤状部分と、前記第2ロールに設けられる円柱状部分とから構成され、前記円盤状部分の直径が前記円錐台状部分の大径面の直径より大きいことを特徴とする、態様1~9のいずれか一項に記載の製造装置。
【0011】
(態様12)前記製造装置は、前記第1ロールの前記円錐台状部分と前記第2ロールの前記円柱状部分との間で、前記偏肉フィルムの成型体に肉厚部を形成し、前記第1ロールの前記円盤状部分と、前記第2ロールの前記円柱状部分との間で、前記成型体に薄肉の接続部を形成することを特徴とする、態様11に記載の製造装置。(態様13)前記円錐台状部分が一対の円錐台状部分であり、前記円盤状部分を挟むように前記一対の円錐台状部分が対称に配置されることを特徴とする、態様11又は12に記載の製造装置。(態様14)前記第1ロールを構成する各部分は、同一軸線上に一体的に配置されることを特徴とする、態様10〜13のいずれか一項に記載の製造装置。(態様15)前記円盤状部分と前記円錐台状部分の小径面とが接続されることを特徴とする、態様11〜14のいずれか一項に記載の製造装置。
【0012】
(態様16)前記第1ロールがさらに円柱状部分を備えることを特徴とする、態様10〜15のいずれか一項に記載の製造装置。(態様17)前記第1ロールの前記円柱状部分と、前記第1ロールの前記円錐台状部分の大径面とが接続されることを特徴とする、態様16に記載の製造装置。(態様18)前記主成型部は、前記第1ロールに設けられる円柱状部分及び円盤状部分と、前記第2ロールに設けられる円錐台状部分及び小径部分とから構成され、前記小径部分が前記円錐台状部分の小径面側となだらかに接続することを特徴とする、態様1〜9のいずれか一項に記載の製造装置。(態様19)前記製造装置は、前記第1ロールの前記円柱状部分と前記第2ロールの前記円錐台状部分との間で、前記偏肉フィルムの成型体に偏肉部を形成し、前記第1ロールの前記円盤状部分と、前記第2ロールの小径部分との間で、前記成型体に薄肉の接続部を形成することを特徴とする、態様18に記載の製造装置。
【0013】
(態様20)前記円錐台状部分が一対の円錐台状部分であり、前記小径部分を挟むように前記一対の円錐台状部分が対称に配置されることを特徴とする、態様18又は19に記載の製造装置。(態様21)前記第1ロール又は第2ロールを構成する各部分は、同一軸線上に一体的に配置されることを特徴とする、態様18〜20のいずれか一項に記載の製造装置。(態様22)前記小径部分と前記円錐台状部分の小径面とが接続されることを特徴とする、態様9〜12のいずれか一項に記載の製造装置。(態様23)前記第2ロールがさらに円柱状部分を備えることを特徴とする、態様18〜22のいずれか一項に記載の製造装置。(態様24)前記第2ロールの前記円柱状部分と、前記第2ロールの前記円錐台状部分の大径面とが接続されることを特徴とする、態様23に記載の製造装置。
【0014】
(態様25)前記成型体の偏肉部は、押出方向に平行な一方の側部から他方の側部にかけて肉厚が変化するように形成されることを特徴とする、態様12又は19に記載の製造装置。(態様26)前記円錐台状部分の表面には、ドットパターンが設けられることを特徴とする、態様10〜25のいずれか一項に記載の製造装置。(態様27)前記第1ロール及び前記第2ロールにより成型された前記成型体を裁断する裁断部を備えることを特徴とする、態様10〜26のいずれか一項に記載の製造装置。(態様28)前記偏肉フィルムの成型体は、複数のサブ成型体から構成され、前記サブ成型体は、前記接続部で接続されることを特徴とする、態様12、19、25のいずれか一項に記載の製造装置。
【0015】
(態様29)樹脂板を押出すダイと、前記樹脂板を成型する第1ロール及び第2ロールとを用いて偏肉フィルムを成型するための偏肉フィルムの製造方法であって、前記ダイ側に設けられる予備成型部を用いて、前記樹脂板に厚さが不均一な不均一部を成型する予備成型工程と、前記第1ロール及び/又は前記第2ロールに設けられる主成型部を用いて、前記不均一部から偏肉部を成型する主成型工程とを備えることを特徴とする製造方法。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、予備成型部によって予備成型した樹脂板を、本成型部によってさらに成型することにより、分割が容易な偏肉フィルムを連続して製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1の実施形態で製造される偏肉フィルムの断面図である。
【
図2】
図1の偏肉フィルムのサブ成型体を示す斜視図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る製造装置を示す斜視図である。
【
図4】
図3の製造装置の第1及び第2ロールを示す上方斜視図である。
【
図5】
図3の製造装置による成型過程を示す模式図である。
【
図6】本発明の第2の実施形態で製造される偏肉フィルムの断面図である。
【
図7】
図6の偏肉フィルムのサブ成型体を示す斜視図である。
【
図8】本発明の第2の実施形態に係る製造装置の第1及び第2ロールを示す上方斜視図である。
【
図9】本発明の第3の実施形態に係る製造装置を示す斜視図である。
【
図10】
図9の製造装置による成型過程を示す模式図である。
【
図11】(a)比較例に係る製造装置を示す斜視図であり、(b)本発明の第4の実施形態に係る製造装置を示す斜視図である。
【
図12】
図11(b)の製造装置による成型過程を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の偏肉フィルムの製造装置及びその製造方法に係る各実施形態を図面を用いて説明する。各図において同一部分に同一符号を付し説明は省略する。
【0019】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る製造装置及び方法を、
図1〜
図5を用いて説明する。第1の実施形態では、ダイに設けたディッケルで樹脂を分断して、樹脂板を押し出すことにより、分断された樹脂板の端に肉厚部を予備成型した後、第1及び第2ロールで樹脂板に偏肉部を本成型する。
【0020】
図1は、第1の実施形態の製造装置及び方法によって、押し出し成型された偏肉フィルムの成型体の押出(長手)方向に垂直な方向の断面図である。成型体120は、2つのサブ成型体120’から構成される。サブ成型体120’は、膜厚が等しい平坦部122と、膜厚が変化する偏肉部124と、平坦部122より膜厚が薄い接続部128とを備える。成型体120’の上面は、偏肉部124側で立ち上がるように形成され、成型体120’の下面は、平坦になるように形成される。偏肉部124は、接続部128側の第1の側部126から平坦部122側の第2の側部130に向かって肉厚(膜厚)が減少する。接続部128を介して、2つの偏肉部124の側部126が対向している。接続部128は、成型体120’の平坦な下面側に形成される。
【0021】
図2は
図1の偏肉フィルムの成型体120を切断したサブ成型体120’を示す斜視図である。サブ成型体120’は、接続部128において、押出方向に平行な切断面128aで切断され、押出方向に垂直な2つの切断面132で切断されている。
【0022】
なお、第1の実施形態では、
図1に示すように2枚のサブ成型体120’の両側部126を対向して、対称に並べて一体的に成型されるようにしたが、この2枚のサブ成型体120’含む複数の成型体の側部130を接続部で接続して並べて一体化して成型してもよい。サブ成型体120’から接続部128全体を切断したものが、導光フィルムとして用いられる。
【0023】
図2において、側部126が光入射面、側部130が端面、偏肉部124の傾斜面124aが光反射面、平坦部122の上側平面が光出射面となる。光反射面である傾斜面124aには、後述するように光を反射するドットパターンが形成される。
【0024】
図3は、
図1の偏肉フィルムの成型体を成型する製造装置200の要部斜視図である。製造装置200は、樹脂を収容して押出すダイ201と、ダイ201に形成される長方形状の押出口202と、第1ロール230と、第2ロール240とを備える。第1及び第2ロール230及び240は、押出口202から押し出される成型前の樹脂板110を挟み込むように、押出口202の下方に配置される。
【0025】
ダイ201は、樹脂が内部を流れるマニホルド部203と、マニホルド部203内で押出口202の手前に配置されるインナーディッケル205(予備成型部)とを備える。マニホルド部203内を流れる樹脂は、インナーディッケル205により、2つに分断されて、押出口202から押し出される。なお、インナーディッケル205に換えて、押出口にアウターデッケルを設けてもよい。また、
図3では、インナーディッケル205を1つ設けたが、これに限定されず、複数のインナーディッケルをマニホルド部203内に設けることができる。
【0026】
図4を用いて、第1ロール230及び第2ロール240から構成される本成型部の構造を説明する。第1ロール230は、円盤状部分232と、円盤状部分232を挟む一対の円錐台状部分234と、一対の円錐台状部分234の外側にそれぞれ配置される一対の円柱状部分236とから構成される。第1ロール230の各部分は、回転中心が同一軸線上となるように一体的に配置される。一対の円錐台状部分234は、小径面234aが内側に大径面234bが外側になるように、円盤状部分232に対して対称に配置される。円盤状部分232の直径は、円錐台状部分234の大径面234aの直径より大きい。第2ロール240は、全体が円柱状部分であり、第1〜第2ロール230、240の回転中心軸線は平行に配置される。なお、
図3及び4の第1ロール230及び第2ロール240を逆に配置することもできる。
図4に示すように、円錐台状部分234の表面には、全体にわたってドットパターン234cが設けられ、ドットパターン234cにより、偏肉部124に光反射面が形成される。第2ロール240の表面は平滑面である。
【0027】
製造装置200による偏肉フィルムの成型体の成型工程を説明する。製造装置200は、不図示の加熱手段により導光フィルムの材料となる樹脂を低粘度になる温度に加熱する。この樹脂は、ダイ201のマニホルド部203内でインナーディッケル205によって、2つに分断されて、ダイ201の押出口202から2つの樹脂板110として押し出される。
図5(a)は、比較例であり、インナーディッケル205を備えない場合の樹脂板10の断面形状である。樹脂板10は両端に球状の肉厚部を有している。
図5(b)は、
図3のA1−A1線に沿った樹脂板110の断面である。
図5(b)に示すように、押出口202から押し出された樹脂板110は、インナーディッケル205により、2つに分断されており、2つに分断された樹脂板110は、それぞれの両端に肉厚部(不均一部)114aを有している。
図5(c)は、
図3のB1−B1線に沿った成型体120の断面である。
【0028】
図5(b)の予備成型された樹脂板110は、第1及び第2ロール230及び240からなる2段ロール(本成型部)に導かれる。第1及び第2ロール230及び240は、樹脂板110を賦形して、
図5(c)の成型体120とする。具体的には、樹脂板110が第1及び第2ロール230及び240を通過する際、インナーディッケル205により形成された2つの肉厚部114aが、第1ロール230の円盤状部分232及び円柱状部分236に導かれる。そして、第1ロール230の円盤状部分232と第2ロール240との間で、樹脂板110の肉厚部114aの一部から接続部128が形成され、第1ロール230の円錐台状部分234と第2ロール240との間で、樹脂板110の肉厚部114aから偏肉部124が形成され、第1ロール230の円柱状部分236と第2ロール240との間で平坦部122が形成される。円錐台状部分234のドットパターン234cにより、樹脂板に光反射用のドットパターンが形成される。
【0029】
図3には図示していないが第3ロールを設けて3段ロールとしてもよい。第3ロールは、通常、成型体120を形成する樹脂のガラス転移温度以下に制御されている。これによって、成型体120が3段ロールを離れるときには、少なくとも、成型体120の表面が固化している。3段ロールから離れた成型体120は、さらに空気中を冷却されながら進行し、図示しない裁断部において、スリッタやエッジナイフ等によって長さ方向に分割され、さらに押し切り等で板幅方向の分割切断がなされ、導光フィルムとなる。これにより、プラスチックパネル(成型体120)の成型と同時に、ドットを形成することができる。なお、
図1に示した薄膜の接続部分128の厚さ、幅によっては長さ方向の分割を省略し製品への組み込み段階で割って導光フィルムとすることも出来る。また、第1の実施形態において、
図4の円盤状部分232を省略してもよい。この場合には、偏肉フィルムの成型体120の肉厚の中央部を切断すれば、導光フィルムを製造することができる。
【0030】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態の製造装置及び方法を
図6〜
図8を用いて説明する。第2の実施形態では、第1の実施形態の第1及び第2ロール230及び240に換えて、
図8に示す第1及び第2ロール330及び340を用いる。
【0031】
図6は、第2の実施形態の製造装置及び方法によって、押し出し成型された偏肉フィルムの成型体の押出方向に垂直な方向の断面図である。成型体220は、2つのサブ成型体220’から構成される。サブ成型体220’は、膜厚が等しい平坦部222と、膜厚が変化する偏肉部224と、平坦部222より膜厚が薄い接続部228とを備える。成型体220’の上面は、偏肉部224側で立ち上がるように形成され、成型体220’の下面は、平坦になるように形成される。偏肉部224は、接続部228側の第1の側部226から平坦部232側の第2の側部230に向かって肉厚(膜厚)が減少する。接続部228を介して、2つの偏肉部224の側部226が対向している。接続部228は、成型体120’の立ち上がる上面側に形成される。
【0032】
図7は
図6の偏肉フィルムの成型体220を切断したサブ成型体220’を示す斜視図である。サブ成型体220’は、接続部228において、押出方向に平行な切断面228aで切断され、押出方向に垂直な2つの切断面232で切断されている。
【0033】
なお、第2の実施形態では、
図6に示すように2枚のサブ成型体220’の両側部226を対向して、対称に並べて一体的に成型されるようにしたが、この2枚のサブ成型体220’含む複数の成型体の側部230を接続部で接続して並べて一体化して成型してもよい。サブ成型体220’から接続部228全体を切断したものが、導光フィルムとして用いられる。
【0034】
図7において、側部226が光入射面、側部230が端面、偏肉部224の傾斜面224aが光反射面、平坦部232の上側平面が光出射面232aとなる。光反射面である傾斜面224aには、ドットパターンが形成される。
【0035】
第2実施形態において、偏肉フィルムの成型体を成型する製造装置は、第1実施形態の製造装置200(
図3)と同様である。ただし、第2実施形態の製造装置の第1ロール及び第2ロールのみが、製造装置200のものとは異なる構造である。以下、第2実施形態の製造装置に用いる第1ロール330及び第2ロール340を説明する。
【0036】
図8に示すように、第1ロール330は、円盤状部分332と、円盤状部分332を挟む一対の円柱状部分334とから構成される。第1ロール330の各部分は、回転中心が同一軸線上となるように一体的に配置される。円盤状部分332の直径は、円柱状部分334の直径より大きい。第2ロール340は、小径部分342と、小径部分342を挟む一対の円錐台状部分344と、一対の円錐台状部分344の外側にそれぞれ配置される一対の円柱状部分346とから構成される。一対の円錐台状部分344は、小径面344aが内側に大径面344bが外側になるように、小径部分342を挟んで対称に配置される。円錐台状部分344の小径面344aの直径は、小径部分342の直径と同じである。小径部分342は、円錐台状部分344の小径面344a側となだらかに接続される。円錐台状部分344の大径面344bの直径は、円柱状部分346の直径と同じである。なお、第1ロール330、第2ロール340を逆に配置することもできる。図示しないが、円錐台状部分334の表面には、全体にわたってドットパターンが設けられている。第1ロール330の表面は平滑面である。
【0037】
第2実施形態における偏肉フィルムの成型体の成型工程を説明する。第1実施形態の成型工程と同一の工程は省略する。ダイ201の押出口202から押し出され、予備成型された樹脂板110は、第1及び第2ロール330及び340からなる2段ロール(本成型部)に導かれる。樹脂板110が第1及び第2ロール330及び340を通過する際、第1ロール340の円盤状部分332と第2ロール340の小径部分342との間で、樹脂板110の肉厚部114aから接続部228が形成され、第1ロール330の円柱状部分334の内側と、第2ロール340の円錐台状部分344との間で、樹脂板110の肉厚部114aから偏肉部224が形成され、第1ロール330の円柱状部分334の外側と第2ロール340の円柱状部分346との間で平坦部222が形成される。円錐台状部分344のドットパターンにより、樹脂板にドットパターンが形成される。なお、第2の実施形態において、
図7の円盤状部分332を省略してもよい。この場合には、偏肉フィルムの成型体120の肉厚の中央部を切断すれば、導光フィルムを製造することができる。
【0038】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る偏肉フィルムの製造装置及び方法を、
図9及び
図10を用いて説明する。第3の実施形態の製造装置200Bは、第1ダイ201A及び第2ダイ201Bから構成されるタンデム機を用いて樹脂板に肉厚部を成型する。予備成型部を構成する第1ダイ201A及び第2ダイ201Bは、第1ロール230(330)及び第2ロール240(340)の上方に平行に配置される。
【0039】
第1ダイ201Aは、
図3に示したダイ201と同様の構造を有するが、第1ダイ201Aはダイ201とは異なりセンターディッケル205を備えていない。したがって、ダイ201Aの押出口202Aから、幅が広い樹脂板110Aが押し出される。第2ダイ201Bも、
図3に示したダイ201と同様の構造を有するが、第2ダイ201Bは、センターディッケル205を備えず、一対のインナーディッケル205Bをマニホルド部203B内に備える。一対のインナーディッケル205Bは、マニホルド部203B内の樹脂流路を内側に寄せて狭めるように配置されている。この配置により、押出口202Bから押し出される樹脂板110Bの幅が、樹脂板110Aの幅より狭くなる。
【0040】
製造装置200Bによる偏肉フィルムの成型体の成型工程を説明する。製造装置200Bは、不図示の加熱手段により導光フィルムの材料となる樹脂を低粘度になる温度に加熱する。この樹脂は、第1ダイ201Aの押出口202Aから幅が広い樹脂板110Aとして押し出され、かつ、第2ダイ201Bの押出口202Bから幅が狭い樹脂板110Bとして押し出される。これらの樹脂板110A、110Bは下方に移動しながら互いに接近し、一体化して結合樹脂板115となり、結合樹脂板115が第1ロール230及び第2ロール240の間に導かれて、成型される。
【0041】
図10(a)は、
図9のA2−A2線に沿った結合樹脂板115の断面である。
図10(b)は、
図9のB2−B2線における成型体120の断面である。
図10(a)に示すように、結合樹脂板115は、樹脂板110Aに対応する厚さの平坦部115aと、樹脂板110Aに樹脂板110Bを加えた厚さに対応する肉厚部(不均一部)115bとから構成される。
【0042】
図4に示した第1及び第2ロール230(330)及び240(340)から構成される本成型部は、結合樹脂板115を賦形して成型体120(220)とする。具体的には、結合樹脂板115の肉厚部115bが第1及び第2ロール230及び240を通過する際、第1ロール230の円盤状部分232及び円柱状の第2ロール240に導かれる。そして、第1ロール230の円盤状部分232と第2ロール240との間で、結合樹脂板115の肉厚部115bの一部から接続部128が形成され、第1ロール230の円錐台状部分234と第2ロール240との間で、結合樹脂板115の肉厚部115bから偏肉部124が形成され、第1ロール230の円柱状部分236と第2ロール240との間で、結合樹脂板115の平坦部115aから平坦部122が形成される。
【0043】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係る偏肉フィルムの製造装置及び方法を、
図11及び
図12を用いて説明する。第4の実施形態の製造装置200Cは、ダイのリップ部の形状を不均一として肉厚部を形成する。
図11(a)は、比較例の製造装置20を示し、製造装置20は偏肉フィルム製造用でない従来のフィルム製造装置である。製造装置20のダイ21は、長方形状開口を有するリップ部29を押出口に備え、平坦な長方形断面の樹脂板10を押出す。
【0044】
これに対して、第4の実施形態の製造装置200Cは、
図11(b)に示すように、ダイ201Cのリップ部209に、切欠部209C(予備成型部)が設けられている。切欠部209Cは矩形状としたがこれに限定されず、切欠部209Cを多角形状(三角形状、矩形状、又は台形状)、半円状、又は半楕円状等に形成することができる。また、切欠部209Cを、設ける数、大きさ、又は配置は、成型される成型体120の肉厚部の位置及び/又は形状に応じて適宜変更可能である。
【0045】
製造装置200Cによる偏肉フィルムの成型体の成型工程を説明する。製造装置200Cは、不図示の加熱手段により導光フィルムの材料となる樹脂を低粘度になる温度に加熱し、この樹脂は、ダイ201Cの押出口に設けられたリップ部209から不均一樹脂板110Cとして押し出される。不均一樹脂板110Cは、第1ロール230(330)及び第2ロール240(340)の間に導かれて本成型されて、成型体120となる。
【0046】
図12(a)は、
図11のA3−A3線に沿った不均一樹脂板110Cの断面である。
図12(b)は、
図11のB3−B3線に沿った成型体120の断面である。
図12(a)に示すように、不均一樹脂板110Cは、切欠部209Cに対応する肉厚部(不均一部)110C1と、平坦部110C2とから構成される。
【0047】
図4に示した第1及び第2ロール230及び240から構成される本成型部は、不均一樹脂板110Cを賦形して成型体120とする。具体的には、不均一樹脂板110Cの肉厚部110C1が第1及び第2ロール230及び240を通過する際、第1ロール230の円盤状部分232及び円柱状部分236に導かれる。そして、第1ロール230の円盤状部分232と第2ロール240との間で、不均一樹脂板110Cの肉厚部110C1の一部から接続部128が形成され、第1ロール230の円錐台状部分234と第2ロール240との間で、不均一樹脂板110Cの肉厚部115bから偏肉部124が形成され、第1ロール230の円柱状部分236と第2ロール240との間で、不均一樹脂板110Cの平坦部110C2から平坦部122が形成される。
【0048】
各実施の形態では、2段ロールを用いて説明したが、2段に限られるものではなく、第1ロール、第2ロール、及び第3ロールからなる3本のロールでもよく、また、4段以上としてもよい。各実施形態において、導光フィルムを製造するための偏肉フィルムには、透明樹脂であるアクリル樹脂やポリカーボネイト樹脂等が用いられる。各実施形態において、成型体120、220の下面に、凹凸を有する型押し面を用いて偏向要素を型押しをすることができる。各実施形態において、第1及び第2ロール230及び240は、第1及び第2ロール330及び340と交換可能である。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、連続して、安価にウエッジ状の導光フィルムに代表される偏断面形状の成型体である偏肉フィルムを製造することができる。
【符号の説明】
【0049】
110 樹脂板
110A 樹脂板
110B 樹脂板
110C 樹脂板
115 結合樹脂板
120 成型体
124 偏肉部
122 平坦部
128 接続部
200 製造装置
200B 製造装置
200C 製造装置
201 ダイ
202 押出口
203 マニホルド部
205 センターディッケル
205B インナーディッケル
209 リップ部
209C 切欠部
230 第1ロール
240 第2ロール
232 円盤状部分
234 円錐台状部分
236 円柱状部分
220 成型体
224 偏肉部
222 平坦部
228 接続部
330 第1ロール
340 第2ロール
332 円盤状部分
334 円柱状部分
342 小径部分
344 円錐台状部分
346 円柱状部分