(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6465897
(24)【登録日】2019年1月18日
(45)【発行日】2019年2月6日
(54)【発明の名称】電気自動車
(51)【国際特許分類】
B60L 15/20 20060101AFI20190128BHJP
B60K 17/356 20060101ALI20190128BHJP
B60K 17/12 20060101ALI20190128BHJP
B60K 1/02 20060101ALI20190128BHJP
【FI】
B60L15/20 S
B60K17/356 B
B60K17/12
B60K1/02
【請求項の数】7
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-555775(P2016-555775)
(86)(22)【出願日】2015年3月5日
(65)【公表番号】特表2017-511106(P2017-511106A)
(43)【公表日】2017年4月13日
(86)【国際出願番号】CN2015073712
(87)【国際公開番号】WO2015135435
(87)【国際公開日】20150917
【審査請求日】2016年9月5日
(31)【優先権主張番号】201410085492.9
(32)【優先日】2014年3月10日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】507362513
【氏名又は名称】浙江吉利控股集団有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG GEELY HOLDING GROUP CO.,LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】516099613
【氏名又は名称】浙江吉利汽車研究院有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG GEELY AUTOMOBILE RESEARCH INSTITUTE CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【弁理士】
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】李書福
【審査官】
清水 康
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2005/0023053(US,A1)
【文献】
特開2001−171378(JP,A)
【文献】
特開2002−078105(JP,A)
【文献】
特開平11−099838(JP,A)
【文献】
特開2001−121981(JP,A)
【文献】
特開2002−178944(JP,A)
【文献】
特開2009−119973(JP,A)
【文献】
特表2009−532277(JP,A)
【文献】
特開2012−110158(JP,A)
【文献】
特開2007−131108(JP,A)
【文献】
特開2008−306813(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00 − 3/12
B60L 7/00 − 13/00
B60L 15/00 − 15/42
B60K 1/02
B60K 17/12
B60K 17/356
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車であって、
複数の伝動軸を備え、各伝動軸は電気自動車の横方向に沿って配置され、該複数の伝動軸は電気自動車の縦方向に沿って互いに間隔をあけて配置され、各伝動軸は、同軸に配置され車両の両側に位置する対応する車輪の駆動に用いられ、
少なくとも2つの駆動モータを備え、各々の駆動モータは、複数の伝動軸の内の少なくとも1つと伝動接続され、該少なくとも1つの伝動軸の駆動に用いられ、
前記少なくとも2つの駆動モータの内の少なくとも1つは、一軸駆動モータであり、1つの伝動軸とのみ伝動接続されて該1つの伝動軸のみを駆動し、
さらに、動力要求に基づいて自動的に、前記少なくとも2つの駆動モータの内の予め設定された数の駆動モータを指定して駆動させる制御装置を備え、
1つの一軸駆動モータと、それに対応して駆動される1つの伝動軸と、が予め組み立てられた一軸駆動モジュールを形成し、
前記一軸駆動モジュールはさらに、前記電気自動車の車両フレームに着脱可能に装着されるための1つのモジュールホルダーを有し、
前記一軸駆動モータと、それによって駆動される対応する1つの伝動軸と、が前記モジュールホルダーに保持されて、一体的に移動装備可能な独立したモジュールとして構成され、
前記一軸駆動モジュールはさらに、前記モジュールホルダーに保持される、差動装置および/または伝動装置を備える、
電気自動車。
【請求項2】
請求項1に記載の電気自動車であって、
前記少なくとも2つの駆動モータの各々は、一軸駆動モータである、
電気自動車。
【請求項3】
請求項1に記載の電気自動車であって、
前記少なくとも2つの駆動モータの内の少なくとも1つは、二軸駆動モータであり、2つの隣接する伝動軸とのみ伝動接続されて、該2つの隣接する伝動軸のみを駆動する、
電気自動車。
【請求項4】
請求項3に記載の電気自動車であって、
前記二軸駆動モータは、前記2つの隣接する伝動軸の間にのみ配置される、
電気自動車。
【請求項5】
請求項3または4に記載の電気自動車であって、
前記少なくとも2つの駆動モータの内の1つは前記二軸駆動モータであり、残りの駆動モータの各々は前記一軸駆動モータである、
電気自動車。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電気自動車であって、
前記複数の伝動軸の数は、少なくとも3つである、
電気自動車。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電気自動車であって、
前記複数の伝動軸の数は、少なくとも4つである、
電気自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車分野に関し、特に電気自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
既存の電気自動車は、通常2つの伝動軸を備え、各伝動軸が、車両の両側に位置する1対の車輪を駆動する。伝動軸はすべて、車両の前方または後方に配置される1つの駆動モータによって制御される。駆動モータに駆動される伝動軸の数と位置によって、電気自動車は、前輪駆動、後輪駆動、または四輪駆動となる。
【0003】
積載量の大きい車両、例えば大型の車両やトラックでは、一般的にシャーシにより多くの伝動軸を有し、例えば4軸、6軸、または8軸のものもある。このような車両の駆動構造は複雑であり、それに対応する八輪駆動、十二輪駆動、または十六輪駆動を行うのは非常に難しい。また、既存の電気自動車における蓄電技術には限界があるため、必要な動力需要と継続走行距離を考えると、このような車両では一般的に、電気自動車のような駆動モータによる駆動ではなく、直接動力源として燃料エンジンを採用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の1つの目的は、電気自動車を提供することであり、特に、伝動軸の多い電気自動車に適している。本発明の別の目的は、伝動軸と駆動モータとを一体化したモジュール化装着アセンブリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
特に、本発明は、電気自動車であって、
複数の伝動軸を備え、各伝動軸は、電気自動車の横方向に沿って配置され、該複数の伝動軸は、電気自動車の縦方向に沿って間隔をあけて配置され、各伝動軸は、同軸に配置され車両の両側に位置する車輪の駆動に用いられ、
少なくとも2つの駆動モータを備え、各々の駆動モータは、複数の伝動軸のうちの少なくとも1つと伝動接続され、その少なくとも1つの伝動軸の駆動に用いられ、
前記少なくとも2つの駆動モータのうちの少なくとも1つは、一軸駆動モータであり、1つの(または単一の)伝動軸とのみ伝動接続されて、その1つの伝動軸のみを駆動する、
電気自動車を提供する。
【0006】
また、上記少なくとも2つの駆動モータの各々は、一軸駆動モータである。
【0007】
また、上記少なくとも2つの駆動モータの内の少なくとも1つは、二軸駆動モータであり、2つの互いに隣接する伝動軸とのみ伝動接続されて、該2つの隣接する伝動軸のみを駆動する。
【0008】
また、上記二軸駆動モータは、上記2つの隣接する伝動軸のみの間に配置される。
【0009】
また、上記少なくとも2つの駆動モータのうちの1つは、上記二軸駆動モータであり、残りの駆動モータの各々は上記一軸駆動モータである。
【0010】
また、1つの一軸駆動モータと、それに対応して駆動される1つの伝動軸と、が予め組み立てられた一軸駆動モジュールを形成し、
上記一軸駆動モジュールはさらに、上記電気自動車の車両フレームに着脱可能に装着されるためのモジュールホルダーを有し、
前記一軸駆動モータと、それによって駆動される対応する1つの伝動軸と、が上記モジュールホルダーに保持されて、一体的に移動装備可能な独立したモジュールとして構成されている。
【0011】
また、上記一軸駆動モジュールはさらに、上記モジュールホルダーに保持される、差動装置および/または伝動装置を備える。
【0012】
また、上記電気自動車はさらに、上記少なくとも2つの駆動モータのうちのいくつかの駆動モータを選択して駆動させる制御装置を備える。
【0013】
また、上記複数の伝動軸の数は、少なくとも3つ、または少なくとも4つである。
【0014】
本発明の電気自動車は、複数の駆動モータを備え、その内の少なくとも1つは、1つの伝動軸を駆動するための一軸駆動モータである。これは、モジュール化された状態の車体シャーシの組み立てに適しており、また車体の拡張にも都合がよい。本発明によれば、各伝動軸を一つのユニットとして制御することで、車両の駆動モードを正確に制御することができる。本発明は、例えば大型車、トラック、オフロード車、特装車等、複数の伝動軸(例えば、4つ以上の伝動軸)を備える車両に特に適している。
【0015】
以下の本発明の具体的な実施形態の詳細な説明と添付の図面により、本発明の上記およびその他の目的、効果、および特徴は、当業者により理解される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の具体的な実施形態について、添付の図面を参照して以下に説明する。これらは限定的ではなく例示的なものである。添付の図面において、同一または類似の部品または部分は、同一の符号で示す。これらの添付図面が必ずしも正確な縮尺率でないことは、当業者には理解される。
【
図1】本発明の1つの実施形態における、伝動軸と駆動モータの配置を示す概略図である。
【
図2】本発明の別の実施形態における、伝動軸と駆動モータの配置を示す概略図である。
【
図3】本発明のさらに別の実施形態における、伝動軸と駆動モータの配置を示す概略図である。
【
図4】
図1〜
図3に示す、一軸駆動モータと、それによって駆動される伝動軸とから構成される、一軸駆動モジュールの概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1〜
図3を参照すると、本出願において、電気自動車は複数の伝動軸を備えてもよい。各伝動軸2は、電気自動車の横方向(図面の上下方向)に沿って配置され、複数の伝動軸は、電気自動車の縦方向(図面の左右方向)に沿って間隔をおいて配置される。隣接する伝動軸2間の間隔は、車両の設計要件に従って設定できる。各伝動軸2は通常、車輪(図示せず)を駆動するために使用される。車輪は同軸配置され、車両の両側に設けられている。
【0018】
電気自動車はさらに、複数の駆動モータ1を備えてもよい。各駆動モータ1は、少なくとも1つの伝動軸2と伝動接続され、対応する伝動軸2の駆動に使用される。駆動モータ1によって駆動される伝動軸2の数によって、駆動モータ1は一軸駆動モータ11または二軸駆動モータ12でもよい。
【0019】
一軸駆動モータ11は、1つの伝動軸2とのみ伝動接続され、その伝動軸2を駆動する。二軸駆動モータ12は、2つの隣接する伝動軸2と伝動接続され、その2つの隣接する伝動軸2を駆動する。二軸駆動モータ12は、そのモータによって駆動される2つの隣接する伝動軸2間に配置されることが好ましい。図示していない別の実施形態において、駆動モータ1は、3つ以上の伝動軸2を駆動する多軸駆動モータでもよい。なお、本発明において、電気自動車の複数の駆動モータ1のうちの少なくとも1つは、一軸駆動モータ11である。
【0020】
図1は、本発明の1つの実施形態にかかる伝動軸および駆動モータの配置を示す概略図であり、電気自動車は5つの伝動軸2を備えている。具体的には、左から右に向かって、一番目と二番目の伝動軸2は、その間にある二軸駆動モータ12によって駆動され、三番目の伝動軸2は一軸駆動モータ11によって駆動され、四番目と五番目の伝動軸2は、その間にある二軸駆動モータ12によって駆動される。
【0021】
図2に示す実施形態では、電気自動車の5つの伝動軸2は、各々対応する一軸駆動モータ11によって駆動される。
【0022】
図3に示す実施形態では、一番目と二番目の伝動軸2は、その間にある二軸駆動モータ12によって駆動され、残りの三番目から五番目の伝動軸2は各々対応する一軸駆動モータ11によって駆動される。
【0023】
図示しない他の実施形態では、電気自動車の伝動軸の数は、これより多くても少なくてもよい。1つの実施形態では、電気自動車が2つの伝動軸を備え、各伝動軸は対応する一軸駆動モータ11によって各々駆動されてもよい。別の実施形態では、電気自動車が3つまたは4つの伝動軸を備え、各伝動軸は対応する1つの一軸駆動モータ11によって各々駆動されてもよく、または隣接する一対の伝動軸が、その間にある1つの二軸駆動モータ12によって駆動されてもよく、その他の伝動軸は、各々対応する1つの一軸駆動モータ11によって駆動されてもよい。
【0024】
さらに別の実施形態では、電気自動車が6つ以上の伝動軸を備え、各伝動軸は対応する1つの一軸駆動モータ11によって各々駆動されてもよく、または一対または二対の隣接する伝動軸が、その隣接する伝動軸間にある対応する二軸駆動モータ12によって各々駆動されてもよく、残りの伝動軸は各々、対応する1つの一軸駆動モータ11によって駆動されてもよい。
【0025】
一般的に、車両の構成において伝動軸が2つというのは最も少ない構成であるため、3つ以上の伝動軸を有する電気自動車については、その内の2つの伝動軸は従来のモードで駆動されるか、または、本発明のモードにより、2つの隣接する伝動軸間に駆動モータを配置し、残りの伝動軸は各々、一軸駆動モータ11によって、以下に記載する一軸駆動モジュールで駆動されてもよい。もちろん、3つ以上の伝動軸を有する電気自動車については、それらの伝動軸は各々対応する一軸駆動モータ11によって駆動されてもよい。また、伝動軸が2つしかない電気自動車についても、それらの伝動軸は各々対応する一軸駆動モータ11によって駆動されてもよい。
【0026】
上記の実施形態において、駆動モータ1の駆動は、電気自動車の制御装置3によって選択され、制御されてもよい。
図1〜
図3では、個々の駆動モータの駆動を制御するために制御装置3によって使用される制御ラインを点線で示している。制御装置3は、複数の駆動モータ1の内の予め設定された数の駆動モータを選択して、オペレータの指示にしたがって駆動させるか、または、移動している車両の動力需要にしたがって駆動モータ1の駆動を自動的に指定して制御してもよい。このように、例えば、
図2に示す電気自動車については、駆動モードを二輪駆動と十輪駆動との間で調整することができる。
【0027】
上記の実施形態から、本発明において、電気自動車の複数の駆動モータの少なくとも1つは、一軸駆動モータ11であることがわかる。このような配置は、以下に説明する一軸モジュールによる車両のモジュール化製造に特に適している。
【0028】
図4は、
図1〜
図3に示す、1つの一軸駆動モータ11と、それによって駆動される1つの伝動軸から構成される、一軸駆動モジュールの構造を示す概略図である。本出願の1つの実施形態において、伝動軸2および駆動モータ1を簡便に装着して、その間に安定した接続構造を事前に形成するために、各一軸駆動モータ11と、それによって駆動される対応する1つの伝動軸2とで、予め組み立てられた一軸駆動モジュールを形成する。つまり、1つの一軸駆動モータ11が1つの伝動軸2と事前に組み付けられて1つのアセンブリを形成することで、そのアセンブリを電気自動車に組み込んで装着するその後のステップが簡易になる。
【0029】
図4に示すように、一軸駆動モジュールは、電気自動車の車両フレームに着脱可能に接続するためのモジュールホルダー4を備える。一軸駆動モータ11と、それによって駆動される対応する伝動軸2は、モジュールホルダー4に保持されることで、一体的に移動可能な独立したモジュールとなる。装着する際、モジュールホルダー4によって、伝動軸2および駆動モータ1全体を電気自動車の車両フレームに同時に装着することができるため、伝動軸2と駆動モータ1との装着同時性と安定性が実現される。一軸駆動モジュールに、例えば差動装置6および/または伝動装置5等、伝動軸2を駆動するために必要な他の部品を追加してもよい。一軸駆動モータ11、伝動軸2、差動装置6、および/または伝動装置5の間の伝動接続モードは当業者には周知であるため、ここでは省略する。
【0030】
本願の出願人は、中国特許出願第201310467918.2号で、シリーズハイブリッド車の動力システムを提案している。本発明の電気自動車において、この出願の動力システムを本発明の駆動モータの動力源として使用することは好ましい。
【0031】
また、複数の駆動モータの内の少なくとも1つは一軸駆動モータであるという本発明の原則のもと、3つ以上の伝動軸を駆動する多軸駆動モータの使用も排除しない。図示していないある実施形態において、
図1〜
図3に示す5つの伝動軸を有する車両において、一番目から三番目の伝動軸が多軸駆動モータによって駆動され、四番目と五番目の伝動軸が各々対応する一軸駆動モータによって駆動されてもよい。ただし、上述した車両の様々な駆動モードとモジュール化製造モードを考えると、本発明の電気自動車は、できる限り一軸駆動モータ、特に一軸駆動モジュールを選択するべきであり、状況に応じて、例えば、上述した車両の最低構成を考慮して、一定数の二軸駆動モータを採用してもよい。
【0032】
以上、本発明の複数の例示的な実施形態を示して詳細に説明したが、本発明の原理と一致する他の様々な変更または変形も、本発明の精神または範囲から逸脱することなく、本発明に開示された内容に従って直接的に判断または推定することが可能であることは、当業者には認識される。したがって、本発明の範囲はこれらのあらゆる変更または変形を含むと理解され、定義される。