(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
発明の詳細な説明
以下の詳細な説明の目的のために、そうでないと明白に指定される場合を除き、本発明が種々の代替的な変法および工程順序を仮定してもよいことが理解されるべきである。その上、任意の機能している例、または別段に記載の場合を除き、本明細書および特許請求の範囲において使用される、例えば成分の量を表す数はすべて、用語「約」によってすべての場合において修飾されるものとして理解されるべきである。したがって、別段の記載がない限り、以下の明細書および添付の特許請求の範囲において示される数的パラメータは、本発明によって得られるべき所望の特性に応じて変動してもよい概数である。少なくとも、および特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限する意図としてではなく、各数的パラメータは、報告された有意な桁数の点で、および通常の丸め技術を適用することによって、少なくとも解釈されるべきである。
【0014】
本発明の広範な範囲を示す数的な範囲およびパラメータが概数であるにもかかわらず、具体的な例において示される数値は、できる限り正確に報告される。しかしながら、いかなる数値も、それらの個々の試験測定において認められる標準偏差から必ず結果として生じるある誤差を本質的に含有する。
【0015】
また、本明細書で列挙されるいかなる数的範囲も、該数的範囲に包摂される下位の範囲をすべて含むよう意図されると理解されるべきである。例えば、「1〜10」の範囲は、列挙された最小値1と列挙された最大値10の間の(ならびに最小値1および最大値10を含む)、すなわち、1以上の最小値と10以下の最大値を有する下位の範囲をすべて含むよう意図される。
【0016】
示されるように、本発明のある実施形態は、硬化したシーラントを作製するための方法に関する。これらの方法は、硬化していないシーラント組成物を基材上に堆積させることを含む。該硬化していないシーラント組成物は、種々の基材のうちのいずれかの上に堆積することができる。一般的な基材は、チタン、ステンレス鋼、アルミニウム、これらの陽極処理した、下塗りした、有機物で被覆した、およびクロメートで被覆した形態、エポキシ、ウレタン、グラファイト、ガラス繊維複合材、Kevlar(登録商標)、アクリル、ならびにポリカーボネートが含むことができる。該硬化していないシーラント組成物は、基材表面の上に、または下層(例えば、下塗り層もしくは予め付与されたシーラント)にわたって、堆積され得る。
【0017】
本発明の方法において使用される硬化していないシーラント組成物は、チオール終端化ポリチオエーテルを含む。本明細書で使用する場合、用語「ポリチオ―エーテル」は、少なくとも2つのチオエーテル結合、すなわち「−C−S−C−」結合を含む化合物を指す。本発明における使用に好適なチオール終端化ポリチオエーテル、および該ポリマーの製造のための方法には、例えば、その引用部分が本明細書において引用により援用される米国特許第4,366,307号第3欄第7行目〜第9欄第51行目、および米国特許第6,172,179号第5欄第42行目〜第12欄第7行目において開示されているものが含まれる。それゆえ、ある実施形態においては、該チオール終端化ポリチオエーテルは、式(I):
−R
1−[−S−(CH
2)
2−O−[−R
2−O−]
m−(CH
2)
2−S−R
1−]
n− (I)
(式中、(1)各R
1は独立して、C
2−6n−アルキレン基、C
2−6分枝鎖アルキレン基、C
6−8シクロアルキレン基、またはC
6−10アルキルシクロアルキレン基、
−[(−CH
2−)
p−X−]
q−(−CH
2−)
r−、または
−[(−CH
2−)
p−X−]
q−(−CH
2−)
r−(式中、少なくとも1つの−CH
2−単位はメチル基で置換される)
を示し、ここで、式中(i)各Xは独立してO、S、および−NR
6−から選択され、式中R
6はHまたはメチルを示し、(ii)pは2〜6に及ぶ値を有する整数であり、(iii)qは0〜5に及ぶ値を有する整数であり、および(iv)rは2〜10に及ぶ値を有する整数であり、(2)各R
2は独立して、C
2−6n−アルキレン基、C
2−6分枝鎖アルキレン基、C
6−8シクロアルキレン基、またはC
6−10アルキルシクロアルキレン基、または
−[(−CH
2−)
p−X−]
q−(−CH
2−)
r−
を示し、式中(i)各Xは独立して、O、S、および−NR
6−から選択され、式中R
6はHまたはメチルを示し、(ii)pは2〜6に及ぶ値を有する整数であり、(iii)qは0〜5に及ぶ値を有する整数であり、および(iv)rは2〜10に及ぶ値を有する整数であり、(3)mは0〜10の有理数であり、ならびに(4)nは1〜60に及ぶ値を有する整数である)を有する構造を含むポリチオエーテルを含む。このようなポリチオエーテルおよび該ポリチオエーテルの製造のための方法は、先の引用により本明細書において援用されるその部分内の米国特許第6,172,179号において説明されている。
【0018】
より詳細には、ある実施形態においては、前記チオール終端化ポリチオエーテルは、式(II):
HS−R
1−[−S−(CH
2)
2−O−[−R
2−O−]
m−(CH
2)
2−S−R
1−]
n−SH (II)
(式中、R
1、R
2、m、およびnは、式(I)に関して先に説明した通りである)に従った構造を有する。
【0019】
ある実施形態においては、前記チオール終端化ポリチオエーテルは多官能化されている。結果として、ある実施形態においては、該チオール終端化ポリチオエーテルは、式(III):
B−(A−[R
3]
y−SH)
z (III)
(式中、(1)Aは式(I)に従った構造を示し、(2)yは0または1であり、(3)R
3はy=0の場合、単結合を、y=1の場合、
−S−(CH
2)
2−[−O−R
2−]
m−O−
を示し、(4)zは3〜6の整数であり、および(5)Bは多官能化剤のz価の残基を示す)に従った構造を有する。
【0020】
このような多官能化ポリチオエーテルポリマーを作製するのに好適な方法は、例えばその引用部分が先の引用により本明細書に援用される米国特許第6,172,179号第7欄第48行目〜第12欄第7行目において開示されている。
【0021】
本発明の方法において使用される硬化していないシーラント組成物は、ポリビニルエーテルおよび/またはポリアリル化合物を含むポリエンも含む。本明細書で使用する場合、用語「ポリエン」は、少なくとも2つの炭素間二重結合(C=C)を含有する化合物を指す。
【0022】
ある実施形態においては、前記硬化していないシーラント組成物中に存在するポリアリル化合物は、3つのアリル基(C=C−C)を含む化合物を指し、例えばトリアリルシアヌレート(TAC)およびトリアリルイソシアヌレート(TAIC)を含むトリアリル化合物を含む。
【0023】
ある実施形態においては、前記ポリエンはポリビニルエーテルを含む。好適なポリビニルエーテルには例えば、式(IV)
CH
2=CH−O−(−R
5−O−)
m−CH=CH
2 (IV)
(ここで、式(IV)中のR
5は、C
2−6n−アルキレン基、C
2−6分枝鎖アルキレン基、C
6−8シクロアルキレン基、C
6−10アルキルシクロアルキレン基、または
−[(−CH
2−)
p−O−]
q−(−CH
2−)
r−(式中、pは2〜6に及ぶ値を有する整数であり、qは1〜5に及ぶ値を有する整数であり、rは2〜10に及ぶ値を有する整数である)である)によって表されるものが含まれる。
【0024】
式(IV)の材料はジビニルエーテルである。好適なジビニルエーテルには、1〜4のオキシアルキレン基などの少なくとも1つのオキシアルキレン基を有する該ジビニルエーテル化合物、すなわち、式(IV)中のmが1〜4の整数である該化合物が含まれる。一部の場合においては、式(IV)中のmは2〜4の整数である。本発明のポリマーを製造するために、市販のジビニルエーテル混合物を使用することも可能である。このような混合物は、1分子あたりのオキシアルキレン単位数についての非積分平均値によって特徴づけられる。したがって、式(IV)中のmは、有理数に関して1.0と10.0の間、1.0と4.0の間、または2.0と4.0の間など、0と10.0の間の値をとることもできる。
【0025】
本発明における使用に好適なジビニルエーテルモノマーには例えば、ジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル(EG−DVE)(式(IV)中Rはエチレンであり、mは1である)、ブタンジオールジビニルエーテル(BD−DVE)(式(IV)中Rはブチレンであり、mは1である)、ヘキサンジオールジビニルエーテル(HD−DVE)(式(IV)中Rはヘキシレンであり、mは1である)、ジエチレングリコールジビニルエーテル(DEG−DVE)(式(IV)中Rはエチレンであり、mは2である)、トリエチレングリコールジビニルエーテル(式(IV)中Rはエチレンであり、mは3である)、テトラエチレングリコールジビニルエーテル(式(IV)中Rはエチレンであり、mは4である)、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ポリテトラヒドロフリルジビニルエーテル、およびこれらの混合物が含まれる。一部の場合においては、トリメチロールプロパントリビニルエーテルなどのトリビニルエーテルモノマー、ペンタエリトリトールテトラビニルエーテルなどの四官能性エーテルモノマー、および2以上のこのようなポリビニルエーテルモノマーの混合物を使用することができる。該ポリビニルエーテル材料は、アルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、およびアミン基から選択される1つ以上のペンダント基を有することができる。
【0026】
式(IV)中のRがC
2−6分枝鎖アルキレンである有用なジビニルエーテルは、ポリヒドロキシ化合物をアセチレンと反応させることによって調製することができる。この種類の例示的な化合物には、式(IV)中のRが−CH(CH
3)−などのアルキル置換メチレンである化合物(例えば、式(IV)中のRがエチレンであり、mが3.8である、PLURIOL(登録商標)E−200ジビニルエーテルなどの「PLURIOL(登録商標)」ブレンド(ニュージャージー州パルシッパニーのBASF Corp.))、またはアルキル置換エチレン(例えば、DPE−2およびDPE−3を含む「DPE」ポリマーブレンド(ニュージャージー州ウェインのInternational Specialty Products)などの−CH
2CH(CH
3)−)が含まれる。
【0027】
他の有用なジビニルエーテルには、平均約3モノマー単位を有するものなど、式(IV)中のRがポリテトラヒドロフリル(ポリ−THF)またはポリオキシアルキレンである化合物が含まれる。
【0028】
所望の場合、式(IV)の2以上のジビニルエーテルモノマーを使用することができる。
【0029】
ある実施形態においては、本発明の方法において使用される硬化していないシーラント組成物は、例えば、少なくとも一部の場合においては本発明の方法によって形成された硬化したシーラントの金属基材への接着を(以下に説明されるものなどの従来の接着促進剤を使用する場合に達成されるものよりも大きな程度まで)改良することが示された含硫エチレン性不飽和シランなどのエチレン性不飽和シランも含む。本明細書で使用する場合、用語「含硫エチレン性不飽和シラン」は、分子内に(i)少なくとも1つの硫黄(S)原子、(ii)少なくとも1つの、一部の場合においては少なくとも2つの、炭素間二重結合(C=C)などのエチレン性不飽和炭素間結合、および(iii)少なくとも1つのシラン基(
【化1】
、式中、RおよびR
1は各々独立して有機基を表し、xは1、2、または3である)を含む分子化合物を指す。
【0030】
ある実施形態においては、本発明の方法において使用される硬化していないシーラント組成物における使用に好適な含硫エチレン性不飽和シランはそれ自体、(i)メルカプトシランと(ii)ポリエンとを含む反応体の反応生成物を含む。本明細書で使用する場合、用語「メルカプトシラン」は、分子内に(i)少なくとも1つのメルカプト(−SH)基と(ii)少なくとも1つのシラン基(先に定義したもの)とを含む分子化合物を指す。好適なメルカプトシランには例えば、式(V):
HS−R−Si(R
1)
m(OR’)
(3−m) (V)
(式中(i)Rは二価の有機基であり、(ii)R’は水素またはアルキル基であり、(iii)R
1は水素またはアルキル基であり、および(iv)mは0〜2の整数である)に従った構造を有するものが含まれる。
【0031】
本発明における使用に好適な含硫エチレン性不飽和シランを調製する上での使用に好適なメルカプトシランの具体例としては、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシランメルカプトメチルトリエトキシシラン、およびこれらの組み合わせを含むこれらに類するものが挙げられるが、それらに限定されない。
【0032】
ある実施形態においては、本発明における使用に好適な含硫エチレン性不飽和シランを調製するのに使用されるポリエンは、上記で示したトリアリル化合物を用いる場合のように、3つの炭素間二重結合を含有する化合物を指すトリエンを含む。
【0033】
本明細書の実施例は、本発明における使用に好適な含硫エチレン性不飽和シランを製造するのに好適な方法を説明している。ある実施形態においては、前記ポリエンは、前述のトリアリル化合物のうちの1つ以上などのトリエンを含み、前記メルカプトシランおよびトリエンは、結果として生じる反応生成物が1分子あたり平均で少なくとも2つのエチレン性不飽和基を理論上含むような相対量で互いに反応する。
【0034】
本発明の組成物はしばしば、化学線放射への該組成物の曝露の際に、本明細書に記載されるような許容可能なシーラント特性を有する硬化したシーラントを得るために、「エン」基と本質的に化学量論的等価量のチオール基を含有する。本明細書で使用する場合、「本質的に化学量論的等価」は、該組成物中に存在するチオール基および「エン」基の数が互いに10%以下しか、一部の場合においては5%以下しか、または一部の場合においては1%以下もしくは0.1%以下しか異ならないことを意味する。一部の場合においては、該組成物中に存在するチオール基および「エン」基の数は等しい。その上、認められるように、本発明の組成物中の「エン」基の源には、エチレン性不飽和シラン自体(使用される場合)および、該組成物中に含まれる他のポリエン(複数可)が含まれ得る。ある実施形態においては、先に説明されたエチレン性不飽和シランは、該組成物中のエチレン性不飽和基の数を基にして、該組成物中に存在するエチレン性不飽和基の総数の1〜30%など0.1〜30%、または一部の場合においては10〜25%がエチレン性不飽和シラン分子の一部であるような量で存在する。
【0035】
示されるように、本発明の方法は、硬化していないシーラント組成物を化学線放射に曝露して、硬化したシーラントを提供することを含む。ある実施形態においては、特に硬化したシーラントが、先に説明した硬化していないシーラント組成物の紫外放射への曝露によって形成されるべきである場合、該組成物は光重合開始剤も含む。当業者によって認められるように、光重合開始剤は紫外放射を吸収し、それをラジカルへと変態させて、該ラジカルが重合を開始する。光重合開始剤は、作用の様式に基づいて2つの主な群に分類され、それらのうちのいずれかまたは両方は、本明細書に説明される組成物において使用されてもよい。開裂型光重合開始剤には、アセトフェノン、α−アミノアルキルフェノン、ベンゾインエーテル、ベンゾイルオキシム、アシルホスフィンオキシド、およびビスアシルホスフィンオキシド、ならびにこれらの混合物が含まれる。引抜き型光重合開始剤には、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、チオキサントン、アントラキノン、カンファーキノン、フルオロン、ケトクマリン、およびこれらの混合物が含まれる。
【0036】
本発明において使用してもよい光重合開始剤の具体的な非制限例としては、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルベンゾフェノール、アセトフェノン、ベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビス(N,N’−ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、フルオロン、例えばSpectra Group Ltd.から入手可能なH−Nuシリーズの開始剤、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−イソプロピルチオキサントン、α−アミノアルキルフェノン、例えば2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン、アシルホスフィンオキシド、例えば2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、および2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビスアシルホスフィンオキシド、例えばビス(2,6−ジメチルオキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、およびビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
【0037】
ある実施形態においては、本明細書において説明される組成物は、該組成物の総重量を基にして0.01〜15重量%の光重合開始剤を、または一部の実施形態においては0.01〜10重量%の、またはなおも他の実施形態においては0.01〜5重量%の光重合開始剤を含む。
【0038】
本明細書において説明される組成物のある実施形態において有用な充填剤には、当該技術分野で通常使用されるものが含まれ、これには、ヒュームドシリカ、炭酸カルシウム(CaCO
3)、およびカーボンブラックなどの従来の無機充填剤、ならびに軽量充填剤が含まれる。ヒュームドシリカなど、紫外放射に対して実質的に透過性の充填剤は、一部の実施形態において特に有用であるかもしれない。好適な軽量充填剤には例えば、その引用部分が引用により本明細書に援用される米国特許第6,525,168号第4欄第23〜55行目において説明されているもの、およびその引用部分が引用により本明細書に援用される米国特許出願公報第US2010−0041839A1号[0016]〜[0052]において説明されているものが含まれる。
【0039】
一部の実施形態においては、本明細書において説明される組成物には光活性充填剤が含まれる。本明細書で使用する場合、用語「光活性充填剤」は、紫外放射および/または可視放射への曝露および吸収の際に光励起可能な材料を含む充填剤を指す。光活性材料とは、結晶の伝導帯と価電子帯の間のエネルギーギャップよりも高いエネルギーを有する光へ曝露されると、価電子帯における電子の励起が伝導電子を生じ、それにより特定の価電子帯の陰にある正孔を生み出す材料である。本明細書において説明されるある組成物における使用に好適な例示的だが非制限的な光活性充填剤は、例えば酸化亜鉛、酸化スズ、酸化第二鉄、三酸化二ビスマス、三酸化タングステン、二酸化チタン(二酸化チタンの板チタン石結晶形、鋭錐石結晶形、および/または金紅石結晶形を含む)、およびこれらの混合物などの金属酸化物である。
【0040】
ある実施形態においては、前記組成物には、該組成物の総重量を基にして10〜50重量%など、5〜60重量%の充填剤または充填剤の組み合わせが、このような量におけるこのような充填剤の存在が該組成物の性能に有意な有害な影響を生じない限り、含まれる。
【0041】
先の成分に加えて、本発明のある組成物は任意に、以下、すなわち、他の成分のうち、とりわけ、着色剤(光活性染料を含む)、チキソトロープ剤、従来の接着促進剤、抑制剤、溶媒、およびマスキング剤のうちの1つ以上を含むことができる。
【0042】
本明細書で使用する場合、用語「着色剤」は、前記組成物に対して色彩および/または他の不透明性および/または他の視覚的効果を与える任意の物質を意味する。着色料は、離散粒子、分散系、溶液、および/または薄片など任意の好適な形態で被膜に添加することができる。単一の着色剤または2以上の着色剤の混合物は、本発明の被膜において使用することができる。
【0043】
着色剤の例としては、塗料産業において使用されるおよび/またはDry Color Manufacturers Association(DCMA)において列挙されるものなどの顔料、染料、およびチント(tint)、ならびに特殊効果組成物が挙げられる。着色剤には、例えば、使用条件下で不溶性だが湿潤可能な細かく分割された固体粉末が含まれてもよい。着色剤は、有機または無機であることができ、凝集することができまたは凝集することができない。着色剤は、アクリル粉砕媒体などの粉砕媒体の使用によって、被膜へと組み込むことができ、該粉砕手段の使用は当業者に周知である。
【0044】
顔料および/または顔料組成物の例としては、カルバゾールジオキサジン粗顔料、アゾ、モノアゾ、ジアゾ、ナフトールAS、塩タイプ(薄片)、ベンゾイミダゾロン、イソインドリノン、イソインドリンおよび多環式フタロシアニン、キナクリドン、ペリレン、ペリノン、ジケトピロロピロール、チオインディゴ、アントラキノン、インダントロン、アントラピリミジン、フラバントロン、ピラントロン、アンタントロン、ジオキサジン、トリアリールカルボニウム、キノフタロン顔料、ジケトピロロピロールレッド(「DPPBOレッド」)、二酸化チタン、カーボンブラック、およびこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。用語「顔料」および「有色充填剤」は、互換的に使用することができる。
【0045】
染料の例としては、フタログリーンもしくはフタロブルー、酸化鉄、バナジン酸ビスマス、アントラキノン、ペリレン、およびキナクリドンなど、溶媒系ものであるおよび/または水系であるものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0046】
チントの例としては、Degussa, Inc.から市販されているAQUA−CHEM 896、Eastman Chemical, Inc.のAccurate Dispersions事業部から市販されているCHARISMA COLORANTSおよびMAXITONER INDUSTRIAL COLORANTSなど、水系担体または水混和性担体の中に分散した顔料が含まれるが、これらに限定されない。
【0047】
先に記載したように、着色剤は、ナノ粒子分散系を含むがこれに限定されない分散系の形態にあり得る。ナノ粒子分散系には、所望される可視的な色彩および/または不透明性および/または視覚効果を生じる、1つ以上の高度に分散したナノ粒子着色剤および/または着色剤粒子を含むことができる。ナノ粒子分散系には、粒径が70nm未満または30nm未満など、150nm未満の顔料または染料などの着色剤を含むことができる。ナノ粒子は、粒径が0.5mm未満の粉砕媒体を用いてストックの有機顔料または無機顔料を挽くことによって製造することができる。ナノ粒子分散系およびこれを製造するための方法の例は、引用により本明細書に援用される米国特許第6,875,800号B2において確認される。ナノ粒子分散系は、結晶化、沈殿、気相凝縮、および化学的摩耗(すなわち部分溶解)によっても製造することができる。被膜内のナノ粒子の再凝集を最小にするために、樹脂で被覆したナノ粒子の分散系を使用することができる。本明細書で使用する場合、「樹脂で被覆したナノ粒子の分散系」は、ナノ粒子とナノ粒子上の樹脂被膜とを含む分散した離散「混成微粒子」が存在している連続相を指す。樹脂で被覆したナノ粒子の分散系およびそれを製造するための方法の例は、各々の出願が引用によりその全体が本明細書に援用される米国特許出願公報第2005/0287348A1号および米国特許出願公報第2006/0251896A1号において確認される。
【0048】
本発明の組成物において使用してもよい特殊効果組成物の例としては、反射率、光沢、金属光沢、リン光、蛍光、光互変性、感光性、熱変色性、角度変色性、および/または変色などの1つ以上の様相効果を生じる顔料および/または組成物が挙げられる。追加的な特殊効果組成物は、不透明性または肌理など、他の知覚可能な特性を提供することができる。非限定的な実施形態においては、特殊効果組成物は、被膜を異なる角度で見る場合、被膜の色調が変化するよう、変色を生じることができる。色彩効果組成物の例は、引用により本明細書に援用される米国特許第6,894,086号において確認される。追加的な色彩効果組成物には、被覆した透明な雲母および/もしくは合成雲母、被覆したシリカ、被覆したアルミナ、透明な液晶顔料、液晶被膜、ならびに/または任意の組成物を含むことができ、ここで、干渉は、材料内の屈折率の差から結果として生じるのであって、材料表面と空気の間の屈折率の差の起因するものではない。
【0049】
一般に、着色剤は、所望の視覚的効果および/または色彩効果を与えるのに十分な任意の量で存在することができる。着色剤は、本組成物の総重量を基にした重量%を用いて、3〜40重量%または5〜35重量%など、該組成物の1〜65重量%を構成してもよい。
【0050】
可逆的または永久的な光誘導性変色効果を提供する光活性染料も、本発明において説明される組成物における使用に好適である。好適な光活性染料は、オハイオ州ミルベリーのSpectra Group Limited, Inc.から市販されている。
【0051】
チキソトロープ剤、例えばシリカはしばしば、前記組成物の総重量を基にして0.1〜5重量%の量で使用される。
【0052】
ステアリン酸などの抑制剤も同様に、しばしば、前記組成物の総重量を基にして0.1〜5重量%の量で使用される。従来の接着促進剤は、使用される場合、しばしば、前記組成物の総重量を基にして0.1〜15重量%の量で存在する。好適なこのような接着促進剤には、Occidental Chemicalsから入手可能なMETHYLONフェノール樹脂などのフェノール(phenolics)、ならびにMomentive Performance Materialsから入手可能なSilquest A−187およびSilquest A−1100などのエポキシ、メルカプト、またはアミノ官能性シランなどの有機シランが含まれる。該組成物の低レベルの任意の悪臭を隠すのに有用なパイナップル(pine)芳香剤または他の香気などのマスキング剤はしばしば、該組成物の総重量を基にして0.1〜1重量%の量で存在する。
【0053】
ある実施形態においては、組成物は、少なくとも一部の場合において航空宇宙用シーラントにおいて通常有用であるよりも高いT
gを有するポリマーを該組成物に含めてもよい可塑剤を含む。すなわち、可塑剤の使用は、該組成物のT
gを効果的に低下させてもよく、したがって、ポリマー単独のT
gを基に期待されるものを超えて、硬化した重合可能な組成物の低温での可撓性を増大させてもよい。本発明の組成物のある実施形態において有用である可塑剤には、例えば、フタラートエステル、塩素化パラフィン、および水素化テルフェニルが含まれる。可塑剤または可塑剤の組み合わせはしばしば、該組成物の1〜10重量%など、1〜40重量%を構成する。ある実施形態においては、該組成物において使用される可塑剤(複数可)の性質および量に応じて、−55℃までなど、−50℃までのT
g値を有する本発明のポリマーを使用することができる。
【0054】
ある実施形態においては、組成物はさらに、例えば、該組成物の総重量を基にして15重量%未満、および一部の場合においては10重量%未満など、0〜15重量%に及ぶ量で、イソプロピルアルコールなどの1つ以上の有機溶媒を含むことができる。しかしながら、ある実施形態においては、本発明の組成物は、有機溶媒または水性溶媒、すなわち水など、任意の溶媒を実質的に含まない、または一部の場合においては完全に含まない。別の言い方をすれば、ある実施形態においては、本発明の組成物は実質的に100%固体である。
【0055】
先の説明から認められるべきであるように、本発明は、(a)チオール終端化ポリチオエーテルと(b)ポリビニルエーテルおよび/またはポリアリル化合物を含むポリエンとを含む組成物にも関する。これらの組成物は、本質的に化学量論的等価量のチオール基およびエン基を含む。その上、これらの組成物は、先に説明した追加的な任意選択の成分のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0056】
また、先の説明から認められるべきであるように、本発明は、(a)チオール終端化ポリチオエーテルと、(b)ポリビニルエーテルおよび/またはポリアリル化合物を含むポリエンと、(c)ヒドロキシ官能性ビニルエーテルと、(d)光重合開始剤とを含む組成物にも関する。その上、これらの組成物は、先に説明した追加的な任意選択の成分のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0057】
ある実施形態においては、被膜またはシーラントは、少量の反応性希釈剤、例えば、ヒドロキシ官能性ビニルエーテル、または末端ヒドロキシ基を有する他の低粘度化合物、例えば、末端ヒドロキシ基を有する直鎖状炭化水素を含んでもよい。ある実施形態においては、組成物中の反応性希釈剤の量は、約0重量%〜約3重量%、約0.25重量%〜約2重量%、約0.5重量%〜約1重量%、およびある実施形態においては、約0.5重量%であってもよい。
【0058】
ある実施形態においては、本開示によって提供される組成物は、ヒドロキシ官能性ビニルエーテルを含む。ある実施形態においては、ヒドロキシ官能性ビニルエーテルは、式(VI):
CH
2=CH−(CH
2)
d−OH (VI)
(式中、dは0〜10の整数である)
の構造を有する。ある実施形態においては、dは、1〜4の整数である。好適なヒドロキシ官能性ビニルエーテルの例には、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメチロールモノビニルエーテル、1−メチル−3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、および前述のいずれかの組合せが含まれる。ある実施形態においては、ヒドロキシ官能性ビニルエーテルは、4−ヒドロキシブチルビニルエーテルである。
【0059】
ある実施形態においては、本開示によって提供される組成物は、約60重量%〜90重量%のチオール終端化ポリチオエーテル、例えば、Permapol(登録商標)ポリマーL1633およびL56086の組合せ、70重量%〜90重量%、ならびにある実施形態においては、75重量%〜85重量%のチオール終端化ポリチオエーテルプレポリマーを含み、ここで、重量%は、組成物の総固体重量に基づく。
【0060】
ある実施形態においては、本開示によって提供される組成物は、約1重量%〜約5重量%のジビニルエーテル、例えば、トリエチレングリコールジビニルエーテル、約2重量%〜約4重量%、およびある実施形態においては、約2.5重量%〜約3.5重量%のジビニルエーテルを含む。
【0061】
ある実施形態においては、本開示によって提供される組成物は、約0.5重量%〜約4重量%の多官能化剤、例えば、トリアリルシアヌレート、約0.5重量%〜約3重量%、およびある実施形態においては、約0.5重量%〜約2重量%の多官能化剤を含む。
【0062】
ある実施形態においては、本開示によって提供される組成物は、約0.05重量%〜約2重量%のヒドロキシ官能性ビニルエーテル、例えば、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、約0.1重量%〜約1重量%、およびある実施形態においては、約0.2重量%〜約0.7重量%のヒドロキシ官能性ビニルエーテルを含む。
【0063】
ある実施形態においては、本発明の組成物は、−60℃以下、または一部の場合においては−65℃以下など、−55℃以下で硬化する場合のT
gを有する。
【0064】
先に説明したように、本発明の方法は、先に説明した硬化していないシーラント組成物を、化学線放射へ曝露して、硬化したシーラントを提供することを含む。本明細書の実施例は、この方法の工程を実施するのに好適な条件を説明している。本発明の一部の実施形態においては、硬化したシーラントを形成するチオール−エン反応は、(a)チオール終端化ポリチオエーテル(先に説明したもののうちのいずれかなど)と(b)先に説明したポリビニルエーテルおよび/またはポリアリル化合物を含むポリエンとを含む硬化していない組成物を、化学線放射で照射することによってもたらされる。本明細書で使用する場合、「化学線放射」は、電子線(EB)放射、紫外(UV)放射、および可視光を包含する。多くの場合においては、該チオール−エン反応は、該組成物を紫外光で照射することによってもたらされ、このような場合においては、先に記載したとおり、該組成物はしばしば、他の任意選択の成分のうちでとりわけ光重合開始剤をさらに含む。
【0065】
例えば180〜400nmに及ぶ波長を有する紫外光を発光する任意の好適な源からの紫外放射を使用して、先に説明したチオール−エン反応を開始し、それにより硬化したシーラントを形成してもよい。紫外光の好適な源は一般的には公知であり、例えば、水銀アーク、炭素アーク、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、渦巻流プラズマアーク、および紫外光発光ダイオードを含む。本発明の組成物のある実施形態は、紫外光における比較的低エネルギー曝露における優れた程度の硬化を呈することができる。
【0066】
実際、驚くべきことに、本発明の組成物を2インチ以上までの深さまで紫外硬化させることが、一部の場合においては達成できることが発見された。このことは、2インチ以上の厚さを有し、本明細書に説明される所望のシーラント特性を有する硬化したシーラントが、空気中で比較的低エネルギー曝露での紫外線放射など化学線放射へ本明細書に説明される組成物を曝露することによって成し遂げられることができることを意味する。
【0067】
示されるように、本発明のある実施形態は、シーラント組成物、被膜組成物、および/または電気ポッティング組成物などの組成物に関する。本明細書で使用する場合、用語「シーラント組成物」は、湿度および温度などの大気条件に耐え、水、燃料、ならびに他の液体および気体などの材料の透過を少なくとも部分的に遮断する能力を有するフィルムを製造できる組成物を指す。ある実施形態においては、本発明のシーラント組成物は、例えば、燃料タンクのための航空宇宙用シーラントおよび内張りとして有用である。
【0068】
ある実施形態においては、本発明の方法に従って製造されたシーラントは燃料耐性である。本明細書で使用する場合、用語「燃料耐性」は、引用により本明細書に援用されるASTM D792またはAMS 3269において説明されるものに類似した方法に従った1型のジェット基準流体(JRF)において140°F(60℃)および周囲圧力で1週間浸漬した後に、%膨潤体積が40%以下である、一部の場合においては25%以下である、一部の場合においては20%以下である、さらに他の場合においては10%以下である、シーラントを提供することができることを意味する。1型のジェット基準流体(JRF)は、燃料耐性の決定のために本明細書で使用される場合、以下の組成を有する(1989年7月1日に発行されたAMS 2629の第3.1.1節およびそれ以降を参照されたい。これは、SAE(Society of Automotive Engineers、Warrendale,Pa)から入手可能である(これは引用により本明細書に援用される):引用により本明細書に)。
トルエン 28±1体積%
シクロヘキサン(工業用) 34±1体積%
イソオクタン 38±1体積%
第三級ジブチルジスルフィド 1±0.005体積%
(ドクタースイート(doctor sweet))
【0069】
ある実施形態においては、本発明の方法に従って製造されたシーラントは、AMS 3279の第3.3.17.1節の試験手順AS5127/1の第7.7節において説明されている手順に従って測定する場合、少なくとも100%の伸長および少なくとも250psiの引張強度を有する。
【0070】
ある実施形態においては、本発明の方法に従って製造されたシーラントは、ASTM D624 Die Cに従って測定した場合、少なくとも25ポンド/リニアインチ(pound per linear inch)(pli)の引裂強度を有する。
【0071】
先の説明から明らかであるべきであるように、本発明は、本発明の組成物を利用する開口を密封するための方法にも関する。該方法は、(a)本発明の組成物を表面に付与して、開口を密封することと、(b)該組成物を化学線放射に曝露することによって、該組成物を硬化させることとを含む。また、認められるように、本発明は、少なくとも1つの本明細書に説明されるように形成されるシーラントを含む航空宇宙ビークルにも関する。
【0072】
以下の実施例は、本発明を説明しているが、本発明を実施例の詳細に限定するものとして解釈されるべきではない。別段の記載がない限り、以下の実施例におけるおよび明細書全体での部および百分率はすべて重量によるものである。
【実施例】
【0073】
(実施例1:ポリチオエーテルポリマーの合成)
米国特許第6,232,401号の実施例1において説明されている様式で、樹脂を調製した。このポリマー(理論上の官能性:2.2)は、1640のメルカプタン当量、および70ポアズの粘度を有していた。
【0074】
(実施例2:ポリチオエーテルポリマーの合成)
トリアリルシアヌレート(TAC)(36.67g、0.15モル)およびジメルカプトジオキサオクタン(DMDO)(449.47g、2.47モル)を1Lの4つ首丸底フラスコに充填した。このフラスコに攪拌機、通気アダプタ、および温度計を装備した。撹拌を開始した。このフラスコを乾燥窒素で洗い流し、水酸化カリウム溶液(0.012g、濃度:50%)を添加し、この反応混合物を76℃まで加熱した。ジエチレングリコールジビニルエーテル(316.44g、2.00モル)におけるラジカル開始剤Vazo−67(0.32g)の溶液を該反応混合物中に2時間かけて導入し、この間、66〜76℃の温度を維持した。該ジビニルエーテルの添加の完了後、この反応混合物の温度は84℃まで上昇した。この反応混合物を74℃まで冷却し、9回分のVazo−67(各約0.15g)を1時間間隔で添加し、この間温度を74〜77℃に維持した。この反応混合物を100℃で2時間加熱し、80℃まで冷却し、68〜80℃/5〜7mmHgで1.75時間減圧にした。結果として生じるポリマー(理論上の官能性:2.8)は、1566のメルカプタン当量、および140ポアズの粘度を有していた。
【0075】
(実施例3:ポリチオエーテルポリマーの合成)
米国特許第4,366,307号の実施例16において説明されたものと類似の様式だが、例外として、トリメチロールプロパン(TMP)を、米国特許第4,366,307号の実施例3において合成されたHDT(1,5,13−トリヒドロキシ−7−オキサ−ジチアトリデカン)の代わりに使用して、樹脂を調製した。結果として生じるポリマー(理論上の官能性:2.75)は、1704のメルカプタン当量、および400ポアズの粘度を有していた。
【0076】
(実施例4:DEG−DVEを有する実施例1のポリマーの硬化)
この硬化反応を100gの蓋付きプラスチック容器の中で実施した。実施例1において説明したポリマー(50.00g、0.03モル当量)およびジエチレングリコールジビニルエーテル(DEG−DVE)(2.40g、0.03モル当量)を該100gの容器に入れた。この容器を高速混合機(DAC 600 FVZ)の中に配置し、2300rpmで1分間混合した。この容器を開口し、Irgacure(登録商標)2022(BASF Corporation製のビスアシルホスフィン/α−ヒドロキシケトン光重合開始剤、0.54g、1重量%)を添加し、この容器を閉口して高速混合機の中に再度配置し、2300rpmで30秒間混合した。このポリマーを環状(直径5インチ)の金属蓋(Valspar Mold Release 225で前処理済み)上に注ぎ、紫外光の下で15秒間置いた後、このポリマーは完全に硬化した。硬化は、Fusion Systems Inc.から入手可能なSuper Six硬化ユニットを使用してなし遂げた。該硬化ユニットに300WのH型電球(H−bulb)を装備し、該H型電球は200nm〜450nmに及ぶ紫外波長を生じた。バージニア州スターリングのEIT, Incから入手可能な紫外パワーパック(UV power puck)によって測定された総線量3.103J/cm
2の紫外エネルギーをこのポリマー組成物に付与した。最大2インチの硬化したポリマーを得た。デュロメータを使用してこのポリマーの硬度が20ショアAであることを測定した。このポリマーを、引張強度ゲージを使用して1/2インチの6つのドッグボーンへと切断し、この試料のうちの3つを使用して、乾燥時(水または燃料への浸漬なし)の引張強度および伸長を、Instronを介して測定した。この結果(この3つの平均)は次のとおり、すなわち250psi(引張強度)および1011%(伸長)であった。上記1/2インチのドッグボーンのうちの1つを半分に切断して、蓋付きの20mLバイアルの中に置き、200°F(93℃)のオーブンの中に置いた。この試料を200°F(93℃)で2日間維持した後、この硬度が10ショアAであることをチェックした。引張強度および伸長のデータをASTM D 412に従って得、硬度のデータをASTM D 2240に従って得た。
【0077】
(実施例5:DEG−DVEを有する実施例1のポリマーと実施例2のポリマーのブレンドの硬化)
この硬化反応を300gの蓋付きプラスチック容器の中で実施した。実施例1において説明したポリマー(120.00g、0.07モル当量)、実施例2において説明したポリマー(30.00g、0.02モル当量)、およびジエチレングリコールジビニルエーテル(DEG−DVE)(7.25g、0.09モル当量)を該300gの容器に入れた。この容器を高速混合機(DAC 600 FVZ)の中に配置し、2300rpmで1分間混合した。この容器を開口し、Irgacure(登録商標)2022(0.79g、0.5重量%)を添加し、この容器を閉口して高速混合機の中に再度配置し、2300rpmで30秒間混合した。このポリマーを環状(直径5インチ)の3つの金属蓋(Valspar Mold Release 225で前処理済み)において等しく分配し、紫外光の下で15秒間置いた後、このポリマーは完全に硬化した。硬化は、Fusion Systems Inc.から入手可能なSuper Six硬化ユニットを使用してなし遂げた。該硬化ユニットに300WのH型電球を装備し、該H型電球は200nm〜450nmに及ぶ紫外波長を生じた。バージニア州スターリングのEIT, Incから入手可能な紫外パワーパックによって測定された総線量3.103J/cm
2の紫外エネルギーをこのポリマー組成物に付与した。最大2インチの硬化したポリマーを得た。このポリマーの硬度は、デュロメータを使用して22ショアAであると測定された。このポリマーを、引張強度ゲージを使用して1/2インチの21のドッグボーンへと切断した。乾燥時の引張強度および伸長をこの試料のうちの3つについてInstronを介して測定した。この結果(この3つの平均)は次のとおり、すなわち258psi(引張強度)および625%(伸長)である。上記1/2インチのドッグボーンのうちの3つをガラス製の蓋付きジャーの中に置き、ジェット基準燃料(JRF1型)で覆い、140°F(60℃)の湯浴中に7日間置いた。この結果(この3つの平均)は、次のとおり、すなわち287psi(引張強度)および755%(伸長)である。ドッグボーンのうちのさらに3つをガラス製の蓋付きジャーの中に置き、水道水で覆い、95°F(35℃)のオーブンの中に置いた。この試料を95°F(35℃)のオーブンの中で41日間維持した。この結果(この3つの平均)は、次のとおり、すなわち19ショアA(硬度)、191psi(引張強度)、および713%(伸長)である。3%塩水浸漬試験に使用する追加的な3つの試料を採取した。この試料をガラス製の蓋付きジャーの中に置き、140°F(60℃)のオーブンの中に4.5日間置いた。この結果(この3つの平均)は、次のとおり、すなわち20A(硬度)、224psi(引張強度)、および765%(伸長)である。引張強度および伸長のデータをASTM D 412に従って得、硬度のデータをASTM D 2240に従って得た。
【0078】
(実施例6:TEG−DVEを有する実施例1および実施例2のブレンドの硬化)
この硬化反応を100gの蓋付きプラスチック容器の中で実施した。実施例1において説明したポリマー(40.80g、0.02モル当量)、実施例2において説明したポリマー(10.20g、0.01モル当量)、およびトリエチレングリコールジビニルエーテル(TEG−DVE)(3.15g、0.03モル当量)を該100gの容器に入れた。この容器を高速混合機(DAC 600 FVZ)の中に配置し、2300rpmで1分間混合した。この容器を開口し、Irgacure(登録商標)2022(0.26g、0.5重量%)を添加し、この容器を高速混合機の中に再度配置し、2300rpmで30秒間混合した。このポリマーを環状(直径5インチ)の金属蓋(Valspar Mold Release 225で前処理済み)上に注ぎ、紫外光の下で15秒間置いた後、このポリマーは完全に硬化した。硬化は、Fusion Systems Inc.から入手可能なSuper Six硬化ユニットを使用してなし遂げた。該硬化ユニットに300WのH型電球を装備し、該H型電球は200nm〜450nmに及ぶ紫外波長を生じた。バージニア州スターリングのEIT, Incから入手可能な紫外パワーパックによって測定された総線量3.103J/cm
2の紫外エネルギーをこのポリマー組成物に付与した。最大2インチの硬化したポリマーを得た。デュロメータを使用してこのポリマーの硬度が22ショアAであることを測定した。このポリマーを、引張強度ゲージを使用して1/2インチの6つのドッグボーンへと切断した。乾燥時の引張強度および伸長をこの試料のうちの3つについてInstronを介して測定した。この結果(この3つの平均)は次のとおり、すなわち182psi(引張強度)および660%(伸長)であった。この1/2インチのドッグボーンのうちの3つをガラス製の蓋付きジャーの中に置き、ジェット基準燃料(JRF1型)で覆い、140°F(60℃)の湯浴中に7日間置いた。この結果(この3つの平均)は、次のとおり、すなわち248psi(引張強度)、658%(伸長)である。引張強度および伸長のデータをASTM D 412に従って得、硬度のデータをASTM D 2240に従って得た。
【0079】
(実施例7:DEG−DVEを有する実施例3のポリマーの硬化)
この硬化反応を100gの蓋付きプラスチック容器の中で実施した。実施例3において説明したポリマー(50.00g、0.03モル当量)およびジエチレングリコールジビニルエーテル(DEG−DVE)(2.32g、0.03モル当量)を該100gの容器に入れた。この容器を高速混合機(DAC 600 FVZ)の中に配置し、2300rpmで1分間混合した。この容器を開口し、Irgacure(登録商標)2022(0.52g、1重量%)を添加し、この容器を閉口して高速混合機の中に再度配置し、2300rpmで30秒間混合した。このポリマーを環状(直径5インチ)の金属蓋(Valspar Mold Release 225で前処理済み)上に注ぎ、紫外光の下で15秒間置いた後、このポリマーは完全に硬化した。硬化は、Fusion Systems Inc.から入手可能なSuper Six硬化ユニットを使用してなし遂げた。該硬化ユニットに300WのH型電球を装備し、該H型電球は200nm〜450nmに及ぶ紫外波長を生じた。バージニア州スターリングのEIT, Incから入手可能な紫外パワーパックによって測定された総線量3.103J/cm
2の紫外エネルギーをこのポリマー組成物に付与した。最大1/4インチの硬化したポリマーを得た。デュロメータを使用してこのポリマーの硬度が18ショアAであることを測定した。このポリマーを、引張強度ゲージを使用して1/2インチの6つのドッグボーンへと切断し、この試料のうちの3つを使用して、乾燥時(水または燃料への浸漬なし)の引張強度および伸長を、Instronを介して測定した。この結果(この3つの平均)は次のとおり、すなわち81psi(引張強度)および166%(伸長)である。引張強度および伸長のデータをASTM D 412に従って得、硬度のデータをASTM D 2240に従って得た。
【0080】
(実施例8:実施例1のポリマーを使用するシーラント組成物)
実施例1において説明したポリマーを、ジエチレングリコールジビニルエーテル(DEG−DVE)および表1において説明した他の成分と混合することによって、シーラント組成物を調製した。
【表1】
【0081】
表1において説明した成分すべてを完全に混合した。前記シーラント組成物の一部を直径2インチのプラスチックコップへと注ぎ、Fusion Systems Inc.から入手可能なSuper Six硬化ユニットを使用して15秒間硬化させた。この硬化ユニットに300WのH型電球を装備し、該H型電球は200nm〜450nmに及ぶ紫外波長を生じた。バージニア州スターリングのEIT, Incから入手可能な紫外パワーパックによって測定された総線量3.103J/cm
2の紫外エネルギーをこのシーラント組成物に付与した。最大1.5インチの硬化したシーラントを得た。
【0082】
前記シーラント組成物の別の一部を2つのポリエチレンシートの間に注ぎ、液圧プレスを使用して厚さ1/8インチのシートへとプレス加工し、先に説明したのと同じ硬化ユニットを使用して硬化させた。引張強度、伸長、引裂強さ、および硬度の測定のために、硬化したシーラントの厚さ1/8インチの平らなシートを得た。このデータを表4に示す。
【0083】
(実施例9:実施例1および実施例2のポリマーを使用するシーラント組成物)
実施例1および実施例2において説明したポリマーを、トリエチレングリコールジビニルエーテル(TEG−DVE)および表2において説明した他の成分と混合することによって、シーラントを調製した。
【表2】
【0084】
表2において説明した成分すべてを完全に混合した。前記シーラント組成物の一部を直径2インチの紙コップへと注ぎ、Fusion Systems Inc.から入手可能なSuper Six硬化ユニットを使用して15秒間硬化させた。この硬化ユニットに300WのH型電球を装備し、該H型電球は200nm〜450nmに及ぶ紫外波長を生じた。バージニア州スターリングのEIT, Incから入手可能な紫外パワーパックによって測定された総線量3.103J/cm
2の紫外エネルギーをこのシーラント組成物に付与した。最大1.5インチの硬化したシーラントを得た。
【0085】
前記シーラント組成物の別の部分を2つのポリエチレンシートの間に注ぎ、液圧プレスを使用して厚さ1/8インチのシートへとプレス加工し、先に説明したのと同じ硬化ユニットを使用して硬化させた。引張強度、伸長、引裂強さ、および硬度の測定のために、硬化したシーラントの厚さ1/8インチの平らなシートを得た。このデータを表4に示す。
【0086】
(実施例10:実施例3のポリマーを使用するシーラント組成物)
実施例3において説明したポリマーを、ジエチレングリコールジビニルエーテル(DEG−DVE)および表3において説明した他の成分と混合することによって、シーラントを調製した。
【表3】
【0087】
表3において説明した成分すべてを完全に混合した。前記シーラント組成物の一部を直径2インチの紙コップへと注ぎ、Fusion Systems Inc.から入手可能なSuper Six硬化ユニットを使用して15秒間硬化させた。この硬化ユニットに300WのH型電球を装備し、該H型電球は200nm〜450nmに及ぶ紫外波長を生じた。バージニア州スターリングのEIT, Incから入手可能な紫外パワーパックによって測定された総線量3.103J/cm
2の紫外エネルギーをこのシーラント組成物に付与した。最大1/4インチの硬化したシーラントを得た。
【0088】
前記シーラント組成物の別の部分を2つのポリエチレンシートの間に注ぎ、液圧プレスを使用して厚さ1/8インチのシートへとプレス加工し、先に説明したのと同じ硬化ユニットを使用して硬化させた。引張強度、伸長、引裂強さ、および硬度の測定のために、硬化したシーラントの厚さ1/8インチの平らなシートを得た。このデータを表3に示す。
【0089】
(実施例11:比較例)
この硬化反応を400gの蓋付きプラスチック容器の中で実施した。実施例1において説明したポリマー(162.00g、0.10モル当量)およびトリメチロールプロパントリアクリラート(10.00g、0.10モル当量)を該400gの容器に入れた。この容器を高速混合機(DAC 600 FVZ)の中に配置し、2300rpmで1分間混合した。この容器を開口し、Irgacure(登録商標)2022(1.72g、1重量%)を添加し、この容器を閉口して高速混合機の中に再度配置し、2300rpmで30秒間混合した。硬化のために、このポリマー組成物を紫外光の下で15秒間置いた。硬化は、Fusion Systems Inc.から入手可能なSuper Six硬化ユニットを使用することによってなし遂げた。該硬化ユニットに300WのH型電球を装備し、該H型電球は200nm〜450nmに及ぶ紫外波長を生じた。バージニア州スターリングのEIT, Incから入手可能な紫外パワーパックによって測定された総線量3.103J/cm
2の紫外エネルギーをこのポリマー組成物に付与した。このような硬化条件の下で、該ポリマー組成物は固体エラストマーを形成しないどころか、該ポリマー組成物はゲル化した。測定可能な硬度、引張強度、および伸長は得られなかった。
【表4】
1固体エラストマーは形成されなかったので測定不可能。
【0090】
(実施例12:含硫エチレン性不飽和シランの合成)
攪拌機、窒素注入口、および温度プローブを装着した1Lの4つ首丸底フラスコの中に、TAC(121.00g、0.49モル)およびγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(Silquest(登録商標)189、95.25g、0.49モル)を室温(25℃、77°F)で添加した。添加の際に、40℃(104°F)に至るわずかな発熱があった。この反応物を70℃(158°F)まで緩徐に加熱した。一旦この温度が70℃(158°F)に到達すると、Vazo−67(.026g、0.012重量%)を添加し、この反応物をメルカプタン滴定によって監視した(50,000を超えるメルカプタン当量を示すメルカプタン滴定は、この反応の終了を示した)。6100のメルカプタン当量時に、Vazo 67(.042g、0.019重量%)を添加し、この反応物を監視しながら70℃(158°F)で撹拌させた。16,335のメルカプタン当量時に、Vazo−67(0.036g、1.7%)を添加した。39,942のメルカプタン当量時に、Vazo−67(0.016g、0.007%)を添加した。61,425のメルカプタン当量時に、この反応を完了とみなして停止させた。
【0091】
(実施例13:DEG−DVE/付加物ブレンドを有するポリチオエーテルポリマーの硬化)
硬化反応を300gの蓋付きプラスチック容器の中で実施した。実施例1のポリマー(120.00g、0.07モル当量)、DEG−DVE(4.28g、0.05モル当量)、および実施例12において説明した付加物(4.03g、0.02モル当量)を300gの容器に入れた。この容器を高速混合機(DAC 600 FVZ)の中に配置し、2300rpmで30秒間混合した。この容器を開口し、Irgacure(登録商標)2022(0.64g、0.5重量%)を添加し、この容器を高速混合機の中に再度配置し、2300rpmで1分間混合した。このポリマーを環状(直径5インチ)の金属蓋(Valspar Mold Release 225で前処理済み)上に注ぎ、紫外光の下で15秒間置いた後、このポリマーは硬化したように見えた。硬化は、Fusion Systems Inc.から入手可能なSuper Six硬化ユニットを使用してなし遂げた。該硬化ユニットに300WのH型電球を装備し、該H型電球は200nm〜450nmに及ぶ紫外波長を生じた。バージニア州スターリングのEIT, Incから入手可能な紫外パワーパックによって測定された総線量3.103J/cm
2の紫外エネルギーをこのポリマー組成物に付与した。最大2インチの硬化したポリマーを得た。このポリマーが完全に硬化したことを保証するために、該ポリマーを大気温度で4日間放置した。デュロメータによって測定されたこのポリマーの硬度は、31ショアAであった。このポリマーを、引張強度ゲージを使用して1/2インチの7つのドッグボーンへと切断した。乾燥時の引張強度および伸長をこの試料のうちの3つについて測定した。この結果(この3つの平均)は次のとおり、すなわち282psi(引張強度)および421%(伸長)である。上記1/2インチのドッグボーンのうちの2つをガラス製の蓋付きジャーの中に置き、ジェット基準燃料(JRF1型)で覆い、140°F(60℃)の湯浴中に7日間置いた。結果(この2つの平均)は、次のとおり、すなわち141psi(引張強度)、78%(伸長)であった。上記1/2インチのドッグボーンのうちの2つをガラス製の蓋付きジャーの中に置き、水道水で覆い、200°F(93℃)のオーブンの中に2日間置いた。この結果(2つの平均)は、次のとおり、すなわち36ショアA(硬度)、134psi(引張強度)、および50%(伸長)であった。引張強度および伸長のデータをASTM D 412に従って得、硬度のデータをASTM D 2240に従って得た。
【0092】
前記ポリマー組成物の一部を、AMS−C−27725で被覆した3インチ×6インチのアルミニウムパネルに延展し、先に説明した硬化方法に従って硬化させた。厚さおよそ1/8インチの硬化したポリマーフィルムを得た。このフィルムを1インチの2つのストリップへとさらに切断し、このストリップを180°の角度で手で引っ張った。この基材への接着%を記録し、この結果を表7に示した。
【0093】
(実施例14:DEG−DVE/付加物ブレンドを有するポリチオエーテルポリマーの硬化)
この硬化反応を300gの蓋付きプラスチック容器の中で実施した。実施例1において説明したポリマー(120.00g、0.073モル当量)、DEG−DVE(5.20g、0.066モル当量)、および実施例12において説明した付加物(1.60g、0.007モル当量)を該300gの容器に入れた。この容器を高速混合機(DAC 600 FVZ)の中に配置し、2300rpmで30秒間混合した。この容器を開口し、Irgacure(登録商標)2022(0.63g、0.5重量%)を添加し、この容器を高速混合機の中に再度配置し、2300rpmで1分間混合した。このポリマーを環状(直径5インチ)の金属蓋(Valspar Mold Release 225で前処理済み)上に注ぎ、紫外光の下で15秒間置いた後、このポリマーは硬化したように見えた。硬化は、Fusion Systems Inc.から入手可能なSuper Six硬化ユニットを使用してなし遂げた。該硬化ユニットに300WのH型電球を装備し、該H型電球は200nm〜450nmに及ぶ紫外波長を生じた。バージニア州スターリングのEIT, Incから入手可能な紫外パワーパックによって測定された総線量3.103J/cm
2の紫外エネルギーをこのポリマー組成物に付与した。最大2インチの硬化したポリマーを得た。このポリマーが完全に硬化したことを保証するために、該ポリマーを大気温度で4日間放置した。デュロメータによって測定されたこのポリマーの硬度は、30ショアAであった。このポリマーを、引張強度ゲージを使用して1/2インチの7つのドッグボーンへと切断した。乾燥時の引張および伸長をこの試料のうちの3つについて測定した。この結果(この3つの平均)は次のとおり、すなわち251psi(引張強度)および559%(伸長)であった。上記1/2インチのドッグボーンのうちの2つをガラス製の蓋付きジャーの中に置き、ジェット基準燃料(JRF 1型)で覆い、140°F(60℃)の湯浴中に7日間置いた。結果(この2つの平均)は、次のとおり、すなわち202psi(引張強度)、351%(伸長)であった。上記1/2インチのドッグボーンのうちの2つをガラス製の蓋付きジャーの中に置き、水道水で覆い、200°F(93℃)のオーブンの中に2日間置いた。この結果(2つの平均)は、次のとおり、すなわち25ショアA(硬度)、204psi(引張強度)、および274%(伸長)であった。引張強度および伸長のデータをASTM D 412に従って得、硬度のデータをASTM D 2240に従って得た。
【0094】
前記ポリマー組成物の一部を、AMS−C−27725で被覆した3インチ×6インチのアルミニウムパネルに延展し、先に説明した方法に従って硬化させた。厚さおよそ1/8インチの硬化したポリマーフィルムを得た。このフィルムを1インチの2つのストリップへとさらに切断し、このストリップを180°の角度で手で引っ張った。この基材への接着%を記録し、この結果を表7に示した。
【0095】
(実施例15:シーラント組成物)
実施例1において説明したポリマーおよび実施例12に従って調製した付加物を、トリエチレングリコールジビニルエーテル(TEG−DVE)および表5において説明した他の成分と混合することによって、シーラント組成物を調製した。
【表5】
【0096】
表5において説明した成分すべてを完全に混合した。前記シーラント組成物の一部を直径2インチの紙コップへと注ぎ、Fusion Systems Inc.から入手可能なSuper Six硬化ユニットを使用して15秒間硬化させた。この硬化ユニットに300WのH型電球を装備し、該H型電球は200nm〜450nmに及ぶ紫外波長を生じた。バージニア州スターリングのEIT, Incから入手可能な紫外パワーパックによって測定された総線量3.103J/cm
2の紫外エネルギーをこのシーラント組成物に付与した。最大1.5インチの硬化したシーラントを得た。
【0097】
前記ポリマー組成物の一部を、AMS−C−27725で被覆した3インチ×6インチのアルミニウムパネルに延展し、先に説明した方法に従って硬化させた。厚さおよそ1/8インチの硬化したポリマーフィルムを得た。このフィルムを1インチの2つのストリップへとさらに切断し、このストリップを180°の角度で手で引っ張った。この基材への接着%を記録し、この結果を表7に示した。
【0098】
(実施例16:付加物をを有さないポリチオエーテルポリマーの硬化)
この硬化反応を100gの蓋付きプラスチック容器の中で実施した。実施例1において説明したポリマー(50.00g、0.03モル当量)およびジエチレングリコールジビニルエーテル(DEG−DVE)(2.0g、0.03モル当量)を該100gの容器に入れた。この容器を高速混合機(DAC 600 FVZ)の中に配置し、2300rpmで1分間混合した。この容器を開口し、Irgacure(登録商標)2022(0.54g、1重量%)を添加し、この容器を閉口して高速混合機の中に再度配置し、2300rpmで30秒間混合した。このポリマーを環状(直径5インチ)の金属蓋(Valspar Mold Release 225で前処理済み)上に注ぎ、紫外光の下で15秒間置いた後、このポリマーは完全に硬化した。硬化は、Fusion Systems Inc.から入手可能なSuper Six硬化ユニットを使用してなし遂げた。該硬化ユニットに300WのH型電球を装備し、該H型電球は200nm〜450nmに及ぶ紫外波長を生じた。バージニア州スターリングのEIT, Incから入手可能な紫外パワーパックによって測定された総線量3.103J/cm
2の紫外エネルギーをこのポリマー組成物に付与した。最大2インチの硬化したポリマーを得た。デュロメータを使用してこのポリマーの硬度が20ショアAであることを測定した。このポリマーを、引張強度ゲージを使用して1/2インチの6つのドッグボーンへと切断し、この試料のうちの3つを使用して、乾燥時(水または燃料への浸漬なし)の引張強度および伸長を、Instronを介して測定した。この結果(この3つの平均)は次のとおり、すなわち250psi(引張強度)および1011%(伸長)である。上記1/2インチのドッグボーンのうちの1つを半分に切断して、蓋付きの20mLバイアルの中に置き、200°F(93℃)のオーブンの中に置いた。この試料を200°F(93℃)で2日間維持した後、この硬度が10ショアAであることをチェックした。
【0099】
前記ポリマー組成物の一部を、AMS−C−27725で被覆した3インチ×6インチのアルミニウムパネルに延展し、先に説明した方法に従って硬化させた。厚さおよそ1/8インチの硬化したポリマーフィルムを得た。このフィルムを1インチの2つのストリップへとさらに切断し、このストリップを180°の角度で手で引っ張った。この基材への接着%を記録し、この結果を表7に示した。
【0100】
(実施例17)
実施例1において説明したポリマーおよび実施例2において説明したポリマーを、ジエチレングリコールジビニルエーテル(DEG−DVE)および表6において説明した他の成分と混合することによって、シーラントを調製した。
【表6】
1Silquest A−189は、Momentive Performance Materials, Inc.から入手可能なメルカプトプロピルトリメトキシシランである。
【0101】
表6において説明した成分すべてを完全に混合した。前記シーラント組成物の一部を直径2インチの紙コップへと注ぎ、Fusion Systems Inc.から入手可能なSuper Six硬化ユニットを使用して15秒間硬化させた。この硬化ユニットに300WのH型電球を装備し、該H型電球は200nm〜450nmに及ぶ紫外波長を生じた。バージニア州スターリングのEIT, Incから入手可能な紫外パワーパックによって測定された総線量3.103J/cm
2の紫外エネルギーをこのシーラント組成物に付与した。最大1.5インチの硬化したシーラントを得た。
【0102】
前記ポリマー組成物の一部を、AMS−C−27725で被覆した3インチ×6インチのアルミニウムパネルに延展し、先に説明した方法に従って硬化させた。厚さおよそ1/8インチの硬化したポリマーフィルムを得た。このフィルムを1インチの2つのストリップへとさらに切断し、このストリップを180°の角度で手で引っ張った。この基材への接着%を記録し、この結果を表7に示した。
【表7】
(実施例18)
ヒドロキシ官能性ビニルエーテルを有するシーラント
【0103】
シーラントを、表8に示す配合に従って作製した。
【表8】
* PRC-Desoto International, Inc.から市販されている。
** PQ Corporationから市販されている。
*** BASFから市販されている。
【0104】
プラスチックコップに、Permapol(登録商標)ポリマーL1633およびL56086、炭酸カルシウム、ヒュームドシリカ(fume silica)、ならびにGasil(登録商標)IJ35を充填した。このコップを密封し、すべての充填剤が樹脂中に均一に分散されるまで高速混合機の中に90秒間置いた。これに、TAC、TEGDVE、HBVE、Silquest(登録商標)A−189、Darocure(登録商標)1173、およびIrgacure(登録商標)819を23℃で添加した。次いで、全配合物を高速混合機の中で30秒間混合した。
【0105】
剥離強度試験パネルを調製し、AS5127(6)に従って清浄にし、AS5127/1C(8)に従って組み立てた。従来の金属メッシュスクリーンまたはコットンダック布の代わりに強化材として350nm〜450nmの範囲で透明性を有する光学的に透明なストリップを使用した。試料を、395nmにピーク放射照度を有するPhoseon FireFly UV LED硬化ランプに1分間曝露することによって硬化させた。
【0106】
引張および伸長用試料を、AS5127/1C(7.7)に従って調製した。シーラントは、395nmにピーク放射照度を有するPhoseon FireFly UV LED硬化ランプによって1分間硬化させた。
【0107】
硬度用試料をAS5127/1C(6.2)に従って調製した。シーラントは、395nmにピーク放射照度を有するPhoseon FireFly UV LED硬化ランプによって1分間硬化させた。
【0108】
曝露前のシーラントの性能を表9に示す。
【表9】
【0109】
曝露後のシーラントの性能を、表10、11、および12に示す。
【表10】
【表11】
【表12】
【0110】
本発明の特定の実施形態が説明目的のために先に説明されたが、本発明の詳細に関する数多くの変法が、添付の特許請求の範囲に定義されるように本発明から逸脱することなく実施されてもよいことは、当業者に明白である。