特許第6466417号(P6466417)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6466417二峰性放出プロファイルを有する改変防止(tamper−resistant)剤形
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6466417
(24)【登録日】2019年1月18日
(45)【発行日】2019年2月6日
(54)【発明の名称】二峰性放出プロファイルを有する改変防止(tamper−resistant)剤形
(51)【国際特許分類】
   A61K 9/00 20060101AFI20190128BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20190128BHJP
   A61K 9/28 20060101ALI20190128BHJP
   A61K 9/24 20060101ALI20190128BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20190128BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20190128BHJP
   A61K 31/485 20060101ALI20190128BHJP
   A61K 31/136 20060101ALI20190128BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20190128BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20190128BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20190128BHJP
   A61K 45/06 20060101ALI20190128BHJP
   A61K 45/08 20060101ALI20190128BHJP
【FI】
   A61K9/00
   A61K9/48
   A61K9/28
   A61K9/24
   A61K47/32
   A61K47/34
   A61K31/485
   A61K31/136
   A61P29/00
   A61P43/00 121
   A61P25/18
   A61K45/06
   A61K45/08
【請求項の数】15
【全頁数】100
(21)【出願番号】特願2016-516124(P2016-516124)
(86)(22)【出願日】2014年5月27日
(65)【公表番号】特表2016-520107(P2016-520107A)
(43)【公表日】2016年7月11日
(86)【国際出願番号】EP2014060925
(87)【国際公開番号】WO2014191396
(87)【国際公開日】20141204
【審査請求日】2017年5月26日
(31)【優先権主張番号】13169658.5
(32)【優先日】2013年5月29日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】390035404
【氏名又は名称】グリュネンタール・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 克礼
(72)【発明者】
【氏名】バルンシャイト・ルッツ
(72)【発明者】
【氏名】ガイスラー・アンヤ
(72)【発明者】
【氏名】シュヴィーア・ゼバスティアン
(72)【発明者】
【氏名】デンカー・ヤーナ
(72)【発明者】
【氏名】ヴェニング・クラウス
(72)【発明者】
【氏名】シュトラーウプ・シュテファニー
【審査官】 石井 裕美子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−534204(JP,A)
【文献】 特表2007−501201(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/085657(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/076907(WO,A1)
【文献】 特表2012−512139(JP,A)
【文献】 特表2012−526047(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 9/00− 9/72
A61K 47/00−47/69
A61K 45/00−45/08
A61K 31/136
A61K 31/485
A61P 25/18
A61P 29/00
A61P 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)各々の成形セグメントが第1の薬理活性成分(A)を含有し、その持続性放出を提供する複数の成形セグメント(Sであって、前記第1の薬理活性成分Aがオピオイドおよびその生理学的に許容可能な塩からなる群から選択される前記複数の成形セグメント(Sと、
(ii)各々の成形セグメントが第2の薬理活性成分(A)を含有し、その即時放出を提供する複数の成形セグメント(Sであって、前記第2の薬理活性成分Aが非オピオイドの鎮痛薬およびその生理学的に許容可能な塩からなる群から選択される前記複数の成形セグメント(S
を含む医薬剤形であって、
前記複数の成形セグメント(S)および複数の更なるセグメント(S)において個々のセグメントは20mg以上の重量を有し、前記の複数の成形セグメント(S)は非オピオイドの鎮痛薬もその生理学的に許容可能な塩も含まず、前記の複数の更なるセグメント(S)はオピオイドもその生理学的に許容可能な塩も含まず、
前記の複数の成形セグメント(S)が、前記の複数の更なるセグメント(S)よりも高い破壊強さを示し、前記の複数の成形セグメント(S)が、500Nを超える破壊強さを示し、そして前記の複数の更なるセグメント(S)が最大で500Nの破壊強さを示す、医薬剤形。
【請求項2】
第2の薬理活性成分(A)が、アセチルサリチル酸、アロキシプリン、サリチル酸コリン、サリチル酸ナトリウム、サリチルアミド、サルサラート、エテンザミド、サリチル酸モルホリン、ジピロセチル、ベノリラート、ジフルニサル、サリチル酸カリウム、グアセチサル、カルバサラートカルシウム、サリチル酸イミダゾール、フェナゾン、メタミゾールナトリウム、アミノフェナゾン、プロピフェナゾン、ニフェナゾン、パラセタモール、フェナセチン、ブセチン、プロパセタモール、リマゾリウム、グラフェニン、フロクタフェニン、ビミノール、ネホパム、フルピルチン、ジコノチド、メトキシフルラン、ナビキシモルス、ジヒドロエルゴタミン、エルゴタミン、メチセルギド、リスリド、フルメドロキソン、スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、リザトリプタン、アルモトリプタン、エレトリプタン、フロバトリプタン、ピゾチフェン、クロニジン、イプラゾクロム、ジメトチアジン、オキセトロン、フェニルブタゾン、モフェブタゾン、オキシフェンブタゾン、クロフェゾン、ケブゾン、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、ゾメピラック、ジクロフェナク、アルクロフェナク、ブマジゾン、エトドラク、ロナゾラク、フェンチアザク、アセメタシン、ジフェンピラミド、オキサメタシン、プログルメタシン、ケトロラク、アセクロフェナク、ブフェキサマク、ピロキシカム、テノキシカム、ドロキシカム、ロルノキシカム、メロキシカム、イブプロフェン、ナプロキセン、ケトプロフェン、フェノプロフェン、フェンブフェン、ベノキサプロフェン、スプロフェン、ピルプロフェン、フルルビプロフェン、インドプロフェン、チアプロフェン酸、オキサプロジン、イブプロキサム、デクスイブプロフェン、フルノキサプロフェン、アルミノプロフェン、デクスケトプロフェン、ナプロキシノド、メフェナム酸、トルフェナム酸、フルフェナム酸、メクロフェナム酸、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブ、エトリコキシブ、ルミラコキシブ、ナブメトン、ニフルム酸、アザプロパゾン、グルコサミン、ベンジダミン、グルコサミノグリカンポリサルフェート、プロカゾン、オルゴテイン、ニメスリド、フェプラゾン、ジアセレイン、モルニフルメート、テニダップ、オキサセプロール、コンドロイチン硫酸、オキシシンコフェン、金チオリンゴ酸ナトリウム、金チオ硫酸ナトリウム、オーラノフィン、金チオグルコース、オーロチオプロール、ペニシラミンおよびブシラミンからなる群から選択される、請求項1に記載の医薬剤形。
【請求項3】
第1の薬理活性成分(A)が、ヒドロコドンまたはその生理学的に許容可能な塩であり、第2の薬理活性成分(A)が、パラセタモールである、請求項1または2に記載の医薬剤形。
【請求項4】
第1の薬理活性成分(A)が、合成または天然ポリマー(C)を含む持続性放出マトリックスに埋め込まれている、請求項1〜3のいずれか一つに記載の医薬剤形。
【請求項5】
(i)合成または天然ポリマー(C)の含有量が、成形セグメント(S)の全重量に対して少なくとも30wt%であり;および/または
(ii)合成または天然ポリマー(C)が、アクリルポリマーまたはポリアルキレンオキシドから選択される、
請求項4に記載の医薬剤形。
【請求項6】
ヨーロッパ薬局方に準じたバスケット法を75rpmで使用する、600mLの0.1N HClにおけるインビトロ条件下において、生理学的な条件下で1時間後、医薬剤形に元々含有されていた第1の薬理活性成分(A)の全量に対して最大で50%のAを放出している、請求項1〜5のいずれか一つに記載の医薬剤形。
【請求項7】
ヨーロッパ薬局方に準じたバスケット法を75rpmで使用する、600mLの0.1N HClにおけるインビトロ条件下において、生理学的な条件下で1時間後、医薬剤形に元々含有されていた第2の薬理活性成分(A)の全量に対して少なくとも60%の第2の薬理活性成分(A)を放出している、請求項1〜6のいずれか一つに記載の医薬剤形。
【請求項8】
前記の複数の成形セグメント(S)が、改変防止性であり、摩砕に対する抵抗性および/または溶媒抽出に対する抵抗性および/またはエタノール水溶液における用量ダンピングに対する抵抗性を提供する、請求項1〜7のいずれか一つに記載の医薬剤形。
【請求項9】
カプセル剤、糖コーティング錠剤、乾燥コーティング錠剤、マントル錠剤および層状錠剤からなる群から選択される、請求項1〜8のいずれか一つに記載の医薬剤形。
【請求項10】
前記の複数の成形セグメント(S)が熱成形されている、請求項1〜9のいずれか一つに記載の医薬剤形。
【請求項11】
成形セグメント(S)が、少なくとも2.0mmの任意の方向への伸びを有する、請求項1〜10のいずれか一つに記載の医薬剤形。
【請求項12】
経口投与するためのものである、請求項1〜11のいずれか一つに記載の医薬剤形。
【請求項13】
全体として投与されるためのものである、請求項1〜12のいずれか一つに記載の医薬剤形。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか一つに記載の医薬剤形を製造する方法であって、
(i)第1の薬理活性成分(A)および天然または合成ポリマー(C)を含む、複数の成形セグメント(S)を熱成形するステップと、
(ii)第2の薬理活性成分(A)を含む複数の更なるセグメント(S)を提供するステップと、
(iii)前記の複数の成形セグメント(S)、前記の複数の更なるセグメント(S)および任意選択で更なる賦形剤を組み合わせるステップと
を含む方法。
【請求項15】
剤形が全体として嚥下される、疼痛の治療に使用するための請求項1〜11のいずれか一つに記載の医薬剤形。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
(i)第1の薬理活性成分(A)を含有し、その持続性放出(prolonged release)を提供する少なくとも1個の成形セグメント(S)と、
(ii)第2の薬理活性成分(A)を含有し、その即時放出(immediate release)を提供する少なくとも1個の更なるセグメント(S)と
を含む医薬剤形であって、
少なくとも1個の成形セグメント(S)が、少なくとも1個の更なるセグメント(S)よりも高い破壊強さを示し、少なくとも1個の成形セグメント(S)が、500Nを超える破壊強さを示す
医薬剤形に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の薬理活性物質は、乱用または誤用される可能性を有し、すなわち、意図される使用と一致しない効果を生じるために使用されうる。したがって、例えば、重度から極めて重度な疼痛の制御に優れた効力を示すオピオイドは、酩酊に類似した陶酔状態を誘導するために頻繁に乱用されている。特に、向精神効果を有する活性物質は、そのように乱用されている。
【0003】
乱用を可能にするためには、医薬剤形またはカプセル剤などの対応する医薬剤形は、破砕、例えば乱用者により摩砕され、このようにして得られた粉末から、好ましくは水性液体を使用して活性物質が抽出され、任意選択で脱脂綿またはセルロースワッディング(cellulose wadding)を介して濾過した後、得られた溶液が非経口的に、特に静脈内に投与される。この種類の投与は、乱用者にとって望ましい結果、すなわち刺激を伴って、経口乱用と比較して活性物質のより素早い拡散をもたらす。粉末化された医薬剤形が経鼻的に投与された場合、すなわち鼻から吸い込まれた場合も、この刺激またはこれらの酩酊様陶酔状態が達成される。
【0004】
薬物乱用を避けるための様々な構想が練り上げられてきた。
【0005】
医薬剤形が改変されたときに嫌悪および/または拮抗効果のみを生じるように、嫌悪剤および/または拮抗薬を医薬剤形に組み込むことが提案されている。しかし、そのような嫌悪剤の存在は、原則的に望ましくなく、嫌悪剤および/または拮抗薬に依存しないで十分な改変防止性を提供する必要がある。
【0006】
乱用を防止する別の構想は、医薬剤形の機械的特性、特に破壊強さ(破砕に対する抵抗力)の増加に依存する。そのような医薬剤形の主な利点は、乳鉢における摩砕またはハンマーを用いる破断などの従来の手段による粉砕、特に微粉砕が不可能である、または少なくとも実質的に妨げられることである。したがって、潜在的な乱用者が通常利用可能な手段による医薬剤形の乱用のために必要な微粉砕は、防止され、または少なくとも複雑になる。そのような医薬剤形は、従来の手段により粉末化できず、したがって粉末化形態で、例えば経鼻的に投与することができないので、含有された薬理活性成分の薬物乱用を回避するために有用である。これらの医薬剤形の機械的特性、特に、高い破壊強さは、医薬剤形を改変防止性にする。そのような改変防止医薬剤形に関連して、例えば、WO2005/016313(特許文献1)、WO2005/016314(特許文献2)、WO2005/063214(特許文献3)、WO2005/102286(特許文献4)、WO2006/002883(特許文献5)、WO2006/002884(特許文献6)、WO2006/002886(特許文献7)、WO2006/082097(特許文献8)、WO2006/082099(特許文献9)およびWO2009/092601(特許文献10)を参照することができる。
【0007】
含有された薬物を乱用するために医薬剤形を改変することのほかに、経口製剤の改変された放出による薬物のインビボ放出(用量ダンピング(dose−dumping))に対するエタノール同時摂取の潜在的な影響が近年ますます懸念されている。制御または改変放出製剤は、典型的には、即時放出の対応物と比べて多い量の薬理活性成分を含有する。製剤の制御放出部分が容易に打ち破られると、最終結果は、活性薬物への曝露の潜在的な増加および恐らくは安全性の問題である。安全性を改善するため、および意図的な改変(例えば、制御放出医薬剤形をエタノールに溶解して、薬物を抽出すること)を回避するため、そのような製剤の改変放出部分のエタノールへの溶解度の低減が有益でありうる。したがって、アルコールへの用量ダンピングの可能性が低減された新たな製剤を開発する必要性が存在する。
【0008】
更に、薬理活性成分の放出動力学が重要な要素である。薬学的な薬理活性成分がどのように錠剤に製剤されるかによって、その放出パターンを改変できることは、周知である。
【0009】
一方、経口投与により即時放出を提供する製剤は、胃腸管において薬理活性成分の迅速な放出をもたらすので有利である。その結果、比較的高い用量の薬理活性成分が急速に吸収され、短時間内に高い血漿レベルをもたらし、迅速な医薬作用の開始をもたらし、すなわち、医薬作用は投与の直後に始まる。しかし、同時に、薬理活性成分の代謝および/または排泄が血漿レベルの減少を引き起こすので、医薬作用の迅速な低減が観察される。このため、薬理活性成分の即時放出を提供する製剤は、典型的には頻繁な、例えば1日6回の投与を必要とする。このことは、比較的高いピーク血漿薬理活性成分濃度およびピークとトラフの血漿薬理活性成分濃度の間に高い変動を引き起こし、忍容性を劣化させることがある。
【0010】
制御放出(例えば、遅延放出、延長放出、持続放出など)は、医薬剤形を制御放出膜でコーティングすること、薬理活性成分をマトリックスに埋め込むこと、薬理活性成分をイオン交換樹脂と結合させること、薬理活性成分の複合体を形成することなどの様々な構想に基づいていてもよい。この文脈において、例えば、W.A. Ritschel、Die Tablette、2. Auflage、Editio Cantor Verlag Aulendorf、2002(非特許文献1)を参照することができる。
【0011】
経口投与により持続性放出を提供する製剤は、即時放出を提供する製剤と比較して、少ない頻度、典型的には1日1回または1日2回の投与を要するので有利である。このことは、ピーク血漿薬理活性成分濃度およびピークとトラフの血漿薬理活性成分濃度の間の変動を低減することができ、忍容性を改善することができる。
【0012】
しかし、とりわけ制御放出製剤による治療を開始した患者は、多くの場合に医薬作用の迅速な開始を望んでいる。したがって、急速な医薬作用を提供し、同時に制御または改変放出製剤の利益を有する、改変防止製剤を開発する必要性が存在する。
【0013】
US2009/0005408(特許文献11)は、a)乱用の可能性を有する少なくとも1つの活性成分および少なくとも1つの合成または天然ポリマー(C)を含有し、少なくとも500Nの破壊強さを示す製剤混合物を、力の適用により成形物品(formed article)に成形すること、b)任意選択で成形物品を単体化(singulating)し、任意選択でそれぞれの場合においてサイズにより等級付けすること、c)ポリマー(C)の少なくとも軟化点に加熱した後または加熱している間に、成形物品を、少なくとも500Nの破壊硬さを有するまで力に曝露し、任意選択で覆いを提供し、任意選択で全ての成形物品を再び一緒に混合することによる、少なくとも低減された乱用の可能性を有する固体医薬製剤の製造プロセスに関する。
【0014】
US2009/0022798(特許文献12)およびWO2009/014534(特許文献13)は、それぞれ、コアに実質的に封じ込めた乱用関連薬物および非コア領域の非乱用関連薬物を有する、薬物、特に乱用薬物の送達のための製剤および方法を開示している。これらの製剤は、乱用の可能性を低減している。製剤において、好ましくは、乱用関連薬物はオピオイドであり、非乱用関連薬物は、アセトアミノフェンまたはイブプロフェンである。より好ましくは、オピオイドはヒドロコドンであり、非乱用関連鎮痛薬はアセトアミノフェンである。ある特定の好ましい実施形態において、剤形は、溶媒抽出、改変、破砕または摩砕に対する抵抗性によって特徴付けられる。好ましい実施形態において、剤形は少なくとも500Nの破壊強さを有する。ある特定の実施形態は、薬物の初期突発放出(initial burst of release)、続く長時間の制御可能な薬物放出を提供する剤形に関する。しかし、改変防止特性を有するこれらの剤形を提供する場合、改変防止性、特に破壊強さが、放出マトリックス材料として作用して剤形からの薬物の放出を緩徐するポリマーの存在に典型的に依存しているので、薬物の初期突発放出を達成することが困難である。したがって、この薬物が乱用される可能性を有するとき、改変防止性、特に破壊強さと、薬物の初期突発放出との組合せを提供することのみが意味を持つ。更に、薬剤製品(drug product)の非コア層は、フィルムコーティングプロセスを使用して明確に適用される。フィルムコーティングプロセスは、製造の際に生じる高い費用のために不利である。膜形成層材料は、最初に溶解され、次にコアに噴霧され、最後に溶媒が除去され、全てが、高いエネルギー消費を伴って長いプロセス時間となる。膜層に存在する必要がある多量の活性剤(active)のために、このことは、薬剤製品の費用競争的製造にとって大変不利である。
【0015】
EP1980245A1(特許文献14)は、(i)活性医薬成分(API)の凍結乾燥剤形を含む上層(a)と、(ii)口腔粘膜に接着するように製剤され、APIおよび/または賦形剤の遅延、持続または延長放出が意図される基底層(b)とを含む二層剤形に関する。
【0016】
WO2009/005803A1(特許文献15)は、配合錠の形態の医薬組成物に関する。錠剤は、頬粘膜を通過して循環に入る迅速に吸収される構成成分、および嚥下されるより緩徐に吸収される構成成分を有する。嚥下部分の治療剤は、胃粘膜を横断して吸収される。迅速および緩徐構成成分は、特定の医療条件への適用に応じて同一または異なった治療剤を有することができる。配合錠の一実施形態は、緩徐吸収構成成分における即時放出ナイアシンの副作用を和らげるために、迅速吸収構成成分にプロスタグランジン・インヒビターを含む。
【0017】
従来技術の医薬剤形の特性は、あらゆる点において十分ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】WO2005/016313
【特許文献2】WO2005/016314
【特許文献3】WO2005/063214
【特許文献4】WO2005/102286
【特許文献5】WO2006/002883
【特許文献6】WO2006/002884
【特許文献7】WO2006/002886
【特許文献8】WO2006/082097
【特許文献9】WO2006/082099
【特許文献10】WO2009/092601
【特許文献11】US2009/0005408
【特許文献12】US2009/0022798
【特許文献13】WO2009/014534
【特許文献14】EP1980245A1
【特許文献15】WO2009/005803A1
【非特許文献】
【0019】
【非特許文献1】W.A. Ritschel、Die Tablette、2. Auflage、Editio Cantor Verlag Aulendorf、2002
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
従来技術の医薬剤形に対して利点を有する医薬剤形を提供することが、本発明の目的である。医薬剤形は、第1の薬理活性成分の持続性放出および第2の薬理活性成分の即時放出を提供するべきであり、特に第1の薬理活性成分は、乱用から防護されている。
【課題を解決するための手段】
【0021】
この目的は、特許請求の範囲の主題によって達成されている。
【0022】
本発明の第1の態様は、
(i)第1の薬理活性成分(A)を含有し、その持続性放出を提供する少なくとも1個の成形セグメント(S)と、
(ii)第2の薬理活性成分(A)を含有し、その即時放出を提供する少なくとも1個の更なるセグメント(S)と
を含む医薬剤形であって、
少なくとも1個の成形セグメント(S)が、少なくとも1個の更なるセグメント(S)よりも高い破壊強さを示し、少なくとも1個の成形セグメント(S)が、500Nを超える破壊強さを示す
医薬剤形に関する。
【0023】
本発明の別の態様は、前記医薬剤形を製造する方法であって、
(i)第1の薬理活性成分(A)および天然または合成ポリマー(C)を含む少なくとも1個の成形セグメント(S)を、好ましくは、前記成形セグメント(S)が前記第1の薬理活性成分(A)の持続性放出を提供するように、熱成形するステップと、
(ii)第2の薬理活性成分(A)を含み、好ましくはその即時放出を提供する、少なくとも1個の更なるセグメント(S)を提供するステップと、
(iii)少なくとも1個の成形セグメント(S)、少なくとも1個の更なるセグメント(S)および任意選択で更なる賦形剤を組み合わせるステップと
を含む方法に関する。
【0024】
本発明の更なる態様は、剤形が全体として嚥下される、疼痛の治療に使用するための前記医薬剤形に関する。
【0025】
持続性放出形態の第1の薬理活性成分および即時放出形態の第2の薬理活性成分を含有する改変防止医薬剤形を提供できることが、驚きを持って見出された。迅速であるが持続性されてもいる医薬効果を提供することによって、患者の服薬遵守を改善することができる。
【0026】
特に明確に記述のない限り、全ての百分率は重量に基づいている(wt%)。
【0027】
本明細書の目的において、用語「医薬剤形」は、第1の薬理活性成分(A)および第2の薬理活性成分(A)を含有し、かつ患者に投与される薬学的実体(用量単位)を指す。これは、製造の際に圧縮または成形されることがあり、ほとんどのサイズ、形状、重量および色のものでありうる。医薬剤形は、好ましくは固体または半固体である。
【0028】
医薬剤形は、好ましくは経口投与が意図される。好ましくは、患者が容易に嚥下できる単体の形態で提供される。本発明の医薬剤形の典型的な例には、錠剤(例えば、コーティング錠剤、多層錠剤など)およびカプセル剤が含まれるが、これらに限定されない。
【0029】
本明細書の目的において、用語「セグメント」は、本明細書で使用されるとき、第1の薬理活性成分(A)または第2の薬理活性成分(A)を含有し、医薬剤形の別の物理的に別個の実体と区別されうる、医薬剤形の任意の物理的に別個の実体を指す。好ましくは、全てのセグメントが固体または半固体である。
【0030】
医薬剤形の成形セグメント(S)および更なるセグメント(S)は、好ましくは、第1の薬理活性成分(A)および第2の薬理活性成分(A)のそれぞれからなるものではなく、医薬賦形剤などの更なる成分を含有する。したがって、成形セグメント(S)および更なるセグメント(S)は、とりわけ第1の薬理活性成分(A)および第2の薬理活性成分(A)をそれぞれ含むが、好ましくはこれらからならない、圧縮された、顆粒化された、凝固された、そうでなければ凝集された材料のより大きな単位とみなすことができる。
【0031】
好ましい実施形態において、第1の薬理活性成分(A)のほかに、成形セグメント(S)は、医薬剤形に含有されている第2の薬理活性成分(A)の総量の少なくとも一部を含む。
【0032】
別の好ましい実施形態において、第1の薬理活性成分(A)のほかに、更なるセグメント(S)は、医薬剤形に含有されている第1の薬理活性成分(A)の総量の少なくとも一部を含む。
【0033】
第1の薬理活性成分(A)および第2の薬理活性成分(A)の含有量のほかに、医薬剤形の成形セグメント(S)および更なるセグメント(S)は、好ましくは、以下の特性:成分の組成(例えば、性質および/もしくは量)、総重量、密度、硬度、破壊強さ、サイズ、形状、色、形態、凝集性(例えば、モノリスの塊対多数の微粒子)、ならびに/または多孔性の少なくとも1つによって異なり、前記特性により区別することができる。
【0034】
典型的には、医薬剤形の任意のセグメントは、医薬剤形の総体積の少なくとも1vol%または少なくとも2vol%または少なくとも5vol%、より好ましくは少なくとも10vol%または少なくとも15vol%、なおより好ましくは少なくとも17.5vol%または少なくとも20vol%、なおより好ましくは少なくとも22.5vol%または少なくとも25vol%、さらにより好ましくは少なくとも30vol%または少なくとも35vol%、最も好ましくは少なくとも40vol%、特に少なくとも45vol%に及ぶ。したがって、医薬剤形の総体積のそのような部分に及ばないほど小さい物理的に別個の実体は、典型的には、本発明の意味において「セグメント」と考慮されない。
【0035】
医薬剤形の成形セグメント(S)および更なるセグメント(S)は、互いに離されており、すなわち、医薬剤形の異なる位置にある。しかし、1つのセグメントが、他のセグメントを部分的または完全に囲んでいることも可能である。それにもかかわらず、医薬剤形の所定の位置が、成形セグメント(S)の物質と更なるセグメント(S)の物質を両方とも同時に含有することは、可能ではない。
【0036】
例えば、セグメントは、粉末状材料、例えば別のセグメントが埋め込まれていてもよい凝集マトリックス材料、または医薬剤形の層などの医薬剤形内の空間的に限定されたエリア、または医薬剤形のコーティングでありうる。
【0037】
特に、医薬剤形が多層錠剤の形態で提供される場合、多層錠剤の全ての層が、剤形のセグメントを構成する。医薬剤形がコーティング錠剤の形態で提供される場合、錠剤のコアが1つのセグメントを構成し、コーティングが剤形の別のセグメントを構成する。
【0038】
医薬剤形が粒子状である、例えば多数のペレットおよび粉末でそれぞれ充填されているカプセル剤の形態で提供される場合、状況は異なりうる。これらの状況下では、第1の薬理活性成分(A)または第2の薬理活性成分(A)を含有する全てのペレットはそれぞれ、複数の成形セグメント(S)内の個々の成形セグメント(S)として、および複数の更なるセグメント(S)内の個々の更なるセグメント(S)とみなされうる。
【0039】
しかし、第1の薬理活性成分(A)または第2の薬理活性成分(A)が粉末状材料の構成要素として含有される場合、第1の薬理活性成分(A)または第2の薬理活性成分(A)の中間視的または微視的粒子は、典型的には、成形セグメント(S)および更なるセグメント(S)とそれぞれみなされず、これらの状況下では、粉末状材料の全体が、成形セグメント(S)および更なるセグメント(S)とそれぞれ考慮されるべきである。したがって、医薬剤形が、第1の薬理活性成分(A)を含有する多数のペレット、および粉末形態の第2の薬理活性成分(A)を含有する粉末状材料で充填されたカプセル剤である場合、前記多数のペレットは多数の成形セグメント(S)を構成し、一方、前記粉末状材料は(単一の)更なるセグメント(S)を構成するが、ペレットおよび粉末状材料は、互いに均一に混合されていてもよい。
【0040】
医薬剤形の成形セグメント(S)および更なるセグメント(S)を互いに区別することができる。
【0041】
本発明の医薬剤形は、少なくとも1個の成形セグメント(S)(モノリス)を含むが、複数の成形セグメント(S)(例えば、多数の粒子)も含有することができる。本発明の医薬剤形が、複数の成形セグメント(S)を含む場合、個々の成形セグメント(S)は、好ましくは本質的に同じ種類および性質、例えば、組成、総重量、密度、硬度、破壊強さ、サイズ、形状、色、形態、凝集性および/または多孔性のものである。好ましくは、医薬剤形は、10個以下の成形セグメント(S)、より好ましくは9個以下、なおより好ましくは8個以下、なおより好ましくは7個以下、さらにより好ましくは6個以下、最も好ましくは5個以下、特に、4個以下の成形セグメント(S)を含有する。好ましくは、医薬剤形は、1、2または3個の成形セグメント(S)を含有する。
【0042】
本発明の医薬剤形は、少なくとも1個の更なるセグメント(S)(モノリス)を含むが、複数の更なるセグメント(S)(多数の粒子)も含有することができる。本発明の医薬剤形が、複数の更なるセグメント(S)を含む場合、個々の更なるセグメント(S)は、好ましくは本質的に同じ種類および性質、例えば、組成、総重量、密度、硬度、破壊強さ、サイズ、形状、色、形態、凝集性および/または多孔性のものである。好ましくは、医薬剤形は、10個以下の更なるセグメント(S)、より好ましくは9個以下、なおより好ましくは8個以下、なおより好ましくは7個以下、さらにより好ましくは6個以下、最も好ましくは5個以下、特に、4個以下の更なるセグメント(S)を含有する。好ましくは、医薬剤形は、1、2または3個の更なるセグメント(S)を含有する。医薬剤形が1個の更なるセグメント(S)を含有する場合、前記更なるセグメント(S)は、好ましくは凝集性の塊または粉末状材料の形態でありうる。
【0043】
医薬剤形が1個を超える成形セグメント(S)および/または1個を超える更なるセグメント(S)を含有する場合、医薬剤形は粒子状である。
【0044】
好ましい実施形態において、医薬剤形は、追加のセグメント(S)、例えば薬理活性成分を含有するが、成形セグメント(S)および更なるセグメント(S)それぞれと本質的に同じ種類および性質ではないセグメントを含有する。例えば、追加のセグメント(S)は、第1の薬理活性成分(A)および/または第2の薬理活性成分(A)および/または第3の薬理活性成分(A)を含有し、それらの持続性放出を提供することができる。持続性放出は、例えば、好ましくは成形セグメント(S)に含有されているポリマーマトリックスと異なるポリマーマトリックスに、薬理活性成分を埋め込むことによって達成することができる。このように、これらの状況下では、成形セグメント(S)および追加のセグメント(S)のポリマーマトリックスは、互いに異なっており、したがって、インビトロ放出プロファイルも異なっていることがある。
【0045】
医薬剤形は追加のセグメント(S)、例えば薬理活性成分を含有するが、成形セグメント(S)および更なるセグメント(S)それぞれと本質的に同じ種類および性質ではないセグメントを含有することができるが、医薬剤形は、好ましくは少なくとも1個の成形セグメント(S)および少なくとも1個の更なるセグメント(S)からなり、追加のセグメント(S)を含有しない。好ましい実施形態において、少なくとも1個の成形セグメント(S)および少なくとも1個の更なるセグメント(S)は、容器、例えば硬ゼラチンカプセルの中に存在する。
【0046】
好ましくは、医薬剤形が粒子状である場合、
(i)成形セグメント(S)と更なるセグメント(S)は粒子状である、または
(ii)成形セグメント(S)は粒子状であるが、更なるセグメント(S)は粒子状ではない、または
(iii)更なるセグメント(S)は粒子状であるが、成形セグメント(S)は粒子状ではない。
【0047】
(i)成形セグメント(S)と更なるセグメント(S)がそれぞれ粒子状である(粉末状ではない)場合、成形セグメント(S)を更なるセグメント(S)と混合することができる。それにもかかわらず、これらの特定の状況下であっても、成形セグメント(S)は、医薬剤形の別の物理的に別個の実体をそれぞれ構成する更なるセグメント(S)と区別されうる、医薬剤形の物理的に別個の実体をそれぞれ構成する。
【0048】
好ましい実施形態において、成形セグメント(S)および更なるセグメント(S)は、それぞれ、医薬剤形内に空間的に限定されたエリアを構成する。この実施形態によると、成形セグメント(S)および/または更なるセグメント(S)は、好ましくは錠剤の形態である医薬剤形の層、コーティング、コアまたはマントル(mantle)を好ましくは形成する。
【0049】
成形セグメント(S)および更なるセグメント(S)を含む錠剤の好ましい実施形態は、図1に例示されている。
【0050】
別の好ましい実施形態において、成形セグメント(S)および更なるセグメント(S)は、両方とも容器、例えば硬ゼラチンカプセルの中に含有されている。
【0051】
成形セグメント(S)および更なるセグメント(S)を含むカプセル剤の好ましい実施形態は、図2に例示されている。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1A】第1の層(1)として成形セグメント(S)および第2の層(2)として更なるセグメント(S)を含む二層錠剤を概略的に例示する図である。
図1B】コア(3)として成形セグメント(S)および前記コア(3)の周りを囲む更なるセグメント(S)(4)を含むマントル錠剤を概略的に例示する図である。
図1C】第1の層(5)として成形セグメント(S)、ならびに層(6)および層(7)として2個の更なるセグメント(S)を含む三層錠剤を概略的に例示する図である。
図1D】マトリックス(10)を形成している更なるセグメント(S)に埋め込まれて不連続相を形成する、2個の成形セグメント(S)(8)および(9)を含む多成分錠剤を概略的に例示する図である。
図2A】カプセルの本体(11)およびカプセルの蓋(12)から形成されるカプセル剤を概略的に例示する図である。カプセル剤は、成形セグメント(S)(13)と更なるセグメント(S)(14)を含有する。
図2B】成形セグメント(S)(15)と複数の更なるセグメント(S)(16)を含有するカプセル剤を概略的に例示する図である。
図2C】複数の成形セグメント(S)(17)と複数の更なるセグメント(S)(18)を含有するカプセル剤を概略的に例示する図である。
図2D】複数の成形セグメント(S)(19)と、図2Cの更なるセグメント(S)(18)よりも小さい複数の粒子(20)を含有するカプセル剤を概略的に例示する図である。やはり、全ての粒子(20)は、第2の薬理活性成分(A)を含有し、したがって、全ての粒子(20)が個々の更なるセグメント(S)を構成し、そのため、このカプセル剤は複数の更なるセグメント(S)(20)も含有する。
図2E】複数の成形セグメント(S)(21)、複数の粒子(22)および複数の粒子(23)を含有するカプセル剤を概略的に例示する図である。粒子(22)は、第2の薬理活性成分(A)を含有し、一方、粒子(23)は、第1の薬理活性成分(A)も、第2の薬理活性成分(A)も含有しない。全ての粒子(22)が個々の更なるセグメント(S)を構成し、そのため、このカプセル剤は複数の更なるセグメント(S)(20)も含有する。しかし粒子(23)は、本発明の意味の範囲内にあるセグメントを構成しない。
図2F】複数の成形セグメント(S)(24)と粉末状材料(25)を含有するカプセル剤を概略的に例示する図である。粉末状材料(25)は、第2の薬理活性成分(A)を含有するが、より大きな物理的実体の構成要素としてではなく、適切であれば、粉末状材料に含有されている他の賦形剤との単なる混合物として含有する。これらの状況下において、粉末状材料(25)の全体が1個の更なるセグメント(S)を構成する。
図3】500Nを超える破壊強さを有するカットロッドの力距離ダイアグラムを示す図である。
図4】600mLのSGF(pH1.2)およびSGF(pH1.2)+40%エタノールのそれぞれにおいてヨーロッパ薬局方に準じたシンカーを75rpmで用いるバスケット方法を使用して、インビトロ条件下(n=3)で決定された1個のカットロッド(cut rod)の放出プロファイルを示す図である。
図5】600mLのSGF(pH1.2)およびSGF(pH1.2)+40%エタノールのそれぞれにおいてヨーロッパ薬局方に準じたシンカー(カットロッド1個あたり1個のシンカー)を75rpmで用いるバスケット方法を使用して、インビトロ条件下(n=3)で決定された2個のカットロッドの放出プロファイルを示す図である。
図6】600mLのSGF(pH1.2)およびSGF(pH1.2)+40%エタノールのそれぞれにおいてヨーロッパ薬局方に準じたシンカーを75rpmで用いるバスケット方法を使用して、インビトロ条件下(n=3)で決定された、カプセル内の1個のカットロッドの放出プロファイルを示す図である。
図7】600mLのSGF(pH1.2)およびSGF(pH1.2)+40%エタノールのそれぞれにおいてヨーロッパ薬局方に準じたシンカーを75rpmで用いるバスケット方法を使用して、インビトロ条件下(n=3)で決定された、カプセル内の2個のカットロッドおよびラクトース錠剤の放出プロファイルを示す図である。
図8】600mLのSGF(pH1.2)およびSGF(pH1.2)+40%エタノールのそれぞれにおいてヨーロッパ薬局方に準じたシンカーを75rpmで用いるバスケット方法を使用して、インビトロ条件下(n=3)で決定されたマントル錠剤の放出プロファイルを示す図である。
図9】600mLのSGF(pH1.2)およびSGF(pH1.2)+40%エタノールのそれぞれにおいてヨーロッパ薬局方に準じたシンカーを75rpmで用いるバスケット方法を使用して、インビトロ条件下(n=3)で決定されたマントル錠剤の放出プロファイルを示す図である。
図10】参考例2〜7(図4〜9)から得た放出プロファイルの組合せを示す図である。
図11】参考例2〜7(図4〜9)から得た放出プロファイルの組合せを示す図である。
図12】参考例2〜7(図4〜9)から得た放出プロファイルの組合せを示す図である。
図13】参考例2〜7(図4〜9)から得た放出プロファイルの組合せを示す図である。
図14】参考例2〜7(図4〜9)から得た放出プロファイルの組合せを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
好ましくは、本発明の医薬剤形における成形セグメント(S)の総含有量は、医薬剤形の総重量に基づいて、最大で95wt%、より好ましくは最大で85wt%、なおより好ましくは最大で75wt%、なおより好ましくは最大で65wt%、最も好ましくは最大で55wt%、特に最大で50wt%である。
【0054】
好ましくは、本発明の医薬剤形における成形セグメント(S)の総含有量は、医薬剤形の総重量に基づいて、少なくとも5wt%または少なくとも10wt%、より好ましくは少なくとも15wt%または少なくとも20wt%、なおより好ましくは少なくとも25wt%または少なくとも30wt%、さらにより好ましくは少なくとも35wt%または少なくとも40wt%、なおより好ましくは少なくとも45wt%または少なくとも50wt%、最も好ましくは少なくとも55wt%または少なくとも60wt%、特に少なくとも65wt%または少なくとも70wt%である。
【0055】
好ましい実施形態において、成形セグメント(S)および/または更なるセグメント(S)はモノリスであり、すなわち、剤形は、単一の成形セグメント(S)および/または単一の更なるセグメント(S)をそれぞれ含有する。
【0056】
この点において、モノリスは、好ましくは100mg以上の重量を有する単一の凝集性の実体(モノリス)を好ましくは指す。この実施形態によると、モノリスは、好ましくは少なくとも120mg、より好ましくは少なくとも140mg、なおより好ましくは少なくとも160mg、最も好ましくは少なくとも180mg、特に少なくとも200mgの重量を有する。好ましくは、モノリスは、100〜1000mg、より好ましくは120〜900mg、なおより好ましくは140〜800mg、なおより好ましくは150〜700mg、さらにより好ましくは160〜600mg、最も好ましくは170〜500mg、特に200〜400mgの重量を有する。定義の目的にために、フィルムコーティングされているモノリスのセグメントも、本発明のモノリスのセグメントと考慮されるべきである。
【0057】
別の好ましい実施形態において、成形セグメント(S)および/または更なるセグメント(S)は粒子状(particulate)であり、好ましくは少粒子状(oligoparticulate)または多粒子状(multiparticulate)であり、すなわち、剤形は、多数の成形セグメント(S)および/または多数の更なるセグメント(S)をそれぞれ含有する。本明細書の目的において、用語「粒子状」、「少粒子状」または「多粒子状」は、材料の別個の塊、すなわち、例えば20℃または室温または周囲温度で固体である多数の粒子を指す。好ましくは、粒子は20℃で固体である。
【0058】
好ましい実施形態において、成形セグメント(S)および/または更なるセグメント(S)は少粒子状である。この点において、少粒子状とは、好ましくは、全ての個々の少粒子、すなわち、それぞれ20mg以上の重量を有する、成形セグメント(S)および/または更なるセグメント(S)を意味する。この実施形態によると、全ての個々の少粒子、すなわち成形セグメント(S)および/または更なるセグメント(S)は、それぞれ、好ましくは少なくとも30mg、より好ましくは少なくとも40mg、なおより好ましくは少なくとも50mg、最も好ましくは少なくとも60mg、特に少なくとも100mgの重量を有する。好ましくは、全ての個々の少粒子、すなわち成形セグメント(S)および/または更なるセグメント(S)は、それぞれ、20〜1000mg、より好ましくは30〜800mg、なおより好ましくは40〜600mg、なおより好ましくは50〜400mg、さらにより好ましくは60〜200mg、最も好ましくは70〜150mg、特に80〜120mgの重量を有する。
【0059】
更に、この実施形態によると、医薬剤形は、成形セグメント(S)および/または更なるセグメント(S)を、好ましくは最大で10個、より好ましくは最大で9個、なおより好ましくは最大で8個、なおより好ましくは最大で7個、さらにより好ましくは最大で6個、最も好ましくは最大で5個、特に最大で4個または3個または2個含む。成形セグメント(S)および/または更なるセグメント(S)が少粒子状である場合、医薬剤形は、それぞれ20mg未満の個々の重量を有してもよい薬物不含粒子を更に含んでもよい。
【0060】
別の好ましい実施形態において、成形セグメント(S)および/または更なるセグメント(S)は多粒子状である。この点において、多粒子状とは、好ましくは、全ての個々の多粒子、すなわち、それぞれ20mg未満の重量を有する、成形セグメント(S)および/または更なるセグメント(S)を意味する。この実施形態によると、全ての多粒子、すなわち成形セグメント(S)および/または更なるセグメント(S)は、それぞれ、好ましくは18mg未満、より好ましくは16mg未満、なおより好ましくは14mg未満、なおより好ましくは12mg未満、さらにより好ましくは10mg未満、最も好ましくは8mg未満、特に6または4mg未満の重量を有する。更に、この実施形態によると、医薬剤形は、好ましくは少なくとも2個、より好ましくは少なくとも4個、なおより好ましくは少なくとも6個、なおより好ましくは少なくとも8個、さらにより好ましくは少なくとも10個、最も好ましくは少なくとも15個、特に少なくとも20個、または少なくとも100個、または少なくとも1000個の粒子、すなわち、成形セグメント(S)および/または更なるセグメント(S)を含む。
【0061】
しかし、多粒子状セグメントは、モノリスセグメントおよび少粒子状セグメントよりも好ましくない。
【0062】
好ましい実施形態において、医薬剤形は、単一のモノリス成形セグメント(S)または多数の粒子状成形セグメント(S)を含有する。
【0063】
特に好ましい実施形態において、医薬剤形のモノリスまたは粒子状の成形セグメント(S)および/または更なるセグメント(S)は、それぞれ、少なくとも2.0mm、より好ましくは少なくとも2.2mm、なおより好ましくは少なくとも2.5mm、なおより好ましくは少なくとも2.8mm、さらにより好ましくは少なくとも3.0mm、最も好ましくは少なくとも3.2mm、特に少なくとも3.5mmまたは4.0mmの任意の所定方向への伸び(extension)を有する。この実施形態によると、モノリスまたは粒子状の成形セグメント(S)および/または更なるセグメント(S)は、特に好ましくは、それぞれ少なくとも2.0mmまたは3.0mmの任意の所定方向への伸びを有し、少なくとも20mgの重量を有する。
【0064】
特に好ましくは、医薬剤形は、少なくとも2.0mmの任意の方向への伸びを有する単一のモノリス成形セグメント(S)、またはそれぞれ少なくとも2.0mmの任意の方向への伸びを有する多数の粒子状成形セグメント(S)を含有する。
【0065】
本明細書の目的において、「任意の方向」は、好ましくは三次元空間のあらゆる方向を意味する。
【0066】
粒子またはモノリスのサイズは、当該技術分野において公知の任意の従来の手順、例えば、レーザー光散乱、篩分析、光学顕微鏡法または画像分析によって決定することができる。
【0067】
粒子および/またはモノリスの形状、すなわち、成形セグメント(S)および/または更なるセグメント(S)の形状は、特に制限されない。好ましくは、粒子および/またはモノリスは、本質的に円筒の形状、例えば押出カットロッドである。したがってそのような粒子および/またはモノリスの直径は、円形断面の直径である。円筒形状は、熱溶融押出によって生じることができ、それによると、円形断面の直径は押出ダイの関数であり、円筒の長さは、材料の押出ストランドが好ましくはある程度所定の長さの片に切断される切断長さの関数である。
【0068】
セグメント(S)は、「成形される(formed)」。この点において、用語「成形される」は、所定または恣意的外側形状を有するセグメント(S)の材料を提供する任意の手段を指す。成形は、ダイを用いて達成することができるが、必ずしもダイを用いる必要はない。好ましくは、成形セグメント(S)は熱成形される。例えば、加熱された材料を、例えば熱溶融押出を用いて押し出し、続いて押出ストランドを、所定の長さのセグメントに切断することは、本発明の成形セグメント(S)を提供する。
【0069】
好ましい実施形態において、成形セグメント(S)および/または更なるセグメント(S)は、フィルムコーティングされない。
【0070】
別の好ましい実施形態において、成形セグメント(S)および/または更なるセグメント(S)は、フィルムコーティングされる。本発明の成形セグメント(S)および/または更なるセグメント(S)は、任意選択で部分的または全面的に従来のコーティングを伴って提供されることができる。成形セグメント(S)および/または更なるセグメント(S)は、好ましくは、従来のフィルムコーティング組成物によりフィルムコーティングされる。適切なコーティング材料は、例えば商標Opadry(登録商標)およびEudragit(登録商標)で市販されている。
【0071】
適切な材料の例には、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(Na−CMC)、エチルセルロース(EC)、セルロースアセテートフタレート(CAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)などのセルロースエステルおよびセルロースエーテル;アミノアルキルメタクリレートコポリマー、エチルアクリレートメチルメタクリレートコポリマー、メタクリル酸メチルメタクリレートコポリマー、メタクリル酸メチルメタクリレートコポリマーなどのポリ(メタ)アクリレート;ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテートフタレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフトコポリマー、ポリビニルアセテートなどのビニルポリマー;ならびに天然膜形成剤が含まれる。
【0072】
コーティング材料は、安定剤(例えば、マクロゴール、セトステアリルエーテル、ナトリウムドデシルサルフェートなどの界面活性剤)などの賦形剤を含有することができる。フィルムコーティング材料に適した賦形剤は、当業者に公知である。
【0073】
特に好ましい実施形態において、コーティングは水溶性である。
【0074】
あまり好ましくないが、コーティングは、原則的に胃液に対して抵抗性があり、放出環境のpH値の関数として溶解することができる。このコーティングを用いることによって、本発明の医薬剤形が溶解しないで胃を通過し、活性化合物を腸にのみ放出することを確実にすることが可能である。胃液に抵抗性があるコーティングは、好ましくは5〜7.5の間のpH値で溶解する。活性化合物の遅延放出および胃液に抵抗性があるコーティングの適用に対応する材料および方法は、例えば、Kurt H. Bauer、K. Lehmann、Hermann P. Osterwald、Rothgang, Gerhart、「Coated Pharmaceutical dosage forms − Fundamentals, Manufacturing Techniques, Biopharmaceutical Aspects, Test Methods and Raw Materials」、第1版、1998、Medpharm Scientific Publishersによって、当業者に公知である。
【0075】
特に好ましいコーティングは、ポリビニルアルコール、ならびに任意選択で、キサンタンガムおよび/または滑石などの更なる賦形剤を含有する。
【0076】
本明細書の目的において、用語「薬理活性成分」は、本明細書で使用されるとき、1個または複数の薬理活性成分のいずれかを指すことができ、すなわち用語「第1の薬理成分(A)」および「第2の薬理成分(A)」は、それぞれ、単一の薬理活性成分または1個もしくは複数の薬理活性成分の組合せを指すことができる。
【0077】
本発明の医薬剤形のセグメントに組み込むことができる薬理活性成分(薬理活性化合物)には、一般に制限はない。更に、用語「薬理活性成分」には、好ましくは、任意の生理学的に許容可能な塩、例えば、薬理活性成分の塩基形態の生理学的に許容可能な酸付加塩が含まれる。生理学的に許容可能な酸付加塩は、薬理活性成分の塩基形態を適切な有機および無機酸で処理することによって都合良く得ることができる、任意の酸付加塩を含む。酸性プロトンを含有する薬理活性成分を、適切な有機および無機塩基による処理によって、非毒性金属またはアミン付加塩形態に変換することができる。付加塩という用語は、薬理活性成分を形成することができる水和物および溶媒付加形態も含む。そのような形態の例は、例えば、水和物、アルコレートなどである。
【0078】
特に明確な記述のない限り、以下に特定されている第1の薬理活性成分(A)および第2の薬理活性成分(A)の全ての量は、遊離化合物の対応する量に準じて提示されている。
【0079】
好ましくは、第1の薬理活性成分(A)はオピオイドであり、第2の薬理活性成分(A)は別の鎮痛薬であるが、好ましくはオピオイド、例えばパラセタモール(アセトアミノフェン)、NSAIDまたはCOX−2−インヒビターではない。
【0080】
特に好ましい実施形態において、第1の薬理活性成分(A)は、ヒドロコドンまたはその生理学的に許容可能な塩であり、第2の薬理活性成分(A)はパラセタモールである。
【0081】
好ましい実施形態において、第1の薬理活性成分(A)および第2の薬理活性成分(A)は、空間的に互いに離されている。この実施形態によると、成形セグメント(S)は、好ましくは0.1ppm未満、より好ましくは0.01ppm未満、最も好ましくは0.001ppm未満、特に0.0001ppm未満の第2の薬理活性成分(A)を含有する。更に、この実施形態によると、更なるセグメント(S)は、好ましくは0.1ppm未満、より好ましくは0.01ppm未満、最も好ましくは0.001ppm未満、特に0.0001ppm未満の第1の薬理活性成分(A)を含有する。特に好ましい実施形態において、成形セグメント(S)は、第2の薬理活性成分(A)を含有せず、更なるセグメント(S)は、第1の薬理活性成分(A)を含有しない。
【0082】
好ましくは、医薬剤形に含有される第1の薬理活性成分(A)の総量の少なくとも99wt%、より好ましくは少なくとも99.9wt%、最も好ましくは少なくとも99.99wt%、特に少なくとも99.999wt%が、成形セグメント(S)に含有される。
【0083】
好ましくは、医薬剤形に含有される第2の薬理活性成分(A)の総量の少なくとも99wt%、より好ましくは少なくとも99.9wt%、最も好ましくは少なくとも99.99wt%、特に少なくとも99.999wt%が、更なるセグメント(S)に含有される。
【0084】
用語「持続性放出(prolonged release)」は、当業者に公知である。本明細書の目的において、用語「持続性放出」は、治療活性を維持するため、毒性作用を低減するため、または投与頻度を低減するなどの他の治療目的のために長い時間をかけて低減されている、製剤からの薬理活性成分の放出速度を、好ましくは指す。
【0085】
用語「即時放出(immediate release)」は、当業者に公知である。本明細書の目的において、用語「即時放出」は、製剤からの薬理活性成分の比較的素早い、遅延されていない放出速度を好ましくは指す。
【0086】
好ましくは、成形セグメント(S)および/または更なるセグメント(S)が粒子状である場合、本発明の医薬剤形は、不連続相として粒子を含み、すなわち、粒子は、同様に好ましくは連続相を形成する外側マトリックス材料に不連続相を形成する(図1Dを参照すること)。この点において、不連続とは、すべての粒子が別の粒子と密接に接触しているわけではないことを意味し、粒子が埋め込まれている外側マトリックス材料によって、粒子が互いに少なくとも部分的に離されていることを意味する。換言すると、粒子は、好ましくは、本発明の医薬剤形内で単一の凝集塊を形成しない(多成分錠剤)。
【0087】
好ましい実施形態において、更なるセグメント(S)は、成形セグメント(S)が埋め込まれている外側マトリックス材料を形成する。この実施形態によると、本発明の医薬剤形は、好ましくはMUPS製剤(多単位ペレット系)またはカプセル剤でありうる。
【0088】
好ましくは、成形セグメント(S)および更なるセグメント(S)は、異なる形態および特性を有し、より好ましくは、成形セグメント(S)はモノリスまたは粒子状であり、更なるセグメント(S)は外側マトリックス材料を形成する。成形セグメント(S)が粒子状である場合、粒子は、好ましくは、更なるセグメント(S)により形成される外側マトリックス材料内に不連続相を形成する(図1Dを参照すること)(多成分錠剤)。成形セグメント(S)が持続性放出マトリックス材料を含有する場合、外側マトリックス材料は、外側マトリックス材料が好ましくは持続性放出を提供しないので、前記持続性放出マトリックス材料と区別されるべきである。
【0089】
成形セグメント(S)がモノリスまたは粒子状であり、更なるセグメント(S)が外側マトリックス材料を形成する場合、本発明の医薬剤形は、好ましくはカプセル剤、すなわち軟カプセル剤または硬カプセル剤の形態である。
【0090】
成形セグメント(S)は、典型的には、外側マトリックス材料の機械的特性と異なる機械的特性を有する。好ましくは、成形セグメント(S)は、外側マトリックス材料の機械的強度よりも高い機械的強度を有する。成形セグメント(S)は、固体核磁気共鳴分光法、走査電子顕微鏡法、テラヘルツ分光法などの従来の方法によって好ましくは可視化されうる。
【0091】
更に好ましい実施形態において、成形セグメント(S)および/または更なるセグメント(S)は、医薬剤形内に空間的に限定されたエリアを構成する。この実施形態によると、成形セグメント(S)および/または更なるセグメント(S)は、好ましくは、医薬剤形の層、コーティング、コアまたはマントルを形成する。
【0092】
成形セグメント(S)および/または更なるセグメント(S)が層を形成する場合、医薬剤形は、好ましくは層状錠剤の形態である(図1Aおよび図1Cを参照すること)。
【0093】
成形セグメント(S)または更なるセグメント(S)は、医薬剤形のコーティングを形成することもできる。好ましくは、成形セグメント(S)は、更なるセグメント(S)によりコーティングされた医薬剤形のコアを形成する。しかし好ましくは、成形セグメント(S)も、更なるセグメント(S)も、医薬剤形のコーティング、特に噴霧コーティングを形成しない。むしろ第1のセグメント(S)および更なるセグメント(S)は、好ましくは両方とも、糖コーティングなどの別の材料によりコーティングされている。
【0094】
好ましい実施形態において、医薬剤形はマントル錠剤の形態である(図1Bを参照すること)。この実施形態によると、成形セグメント(S)は、好ましくはコアを形成し、更なるセグメント(S)は、好ましくはマントルを形成する。
【0095】
好ましい実施形態において、本発明の医薬剤形は錠剤であり、
(i)二層錠剤を形成するように配置されている単一の成形セグメント(S)および単一の更なるセグメント(S)を含む(図1Aを参照すること);
(ii)単一の更なるセグメント(S)により囲まれているコアを形成する単一の成形セグメント(S)を、成形セグメント(S)および更なるセグメント(S)がマントル錠剤を形成するように配置されるように含む(図1Bを参照すること);
(iii)三層錠剤を形成するように配置される単一の成形セグメント(S)および2個の更なるセグメント(S)を含み、ここで、成形セグメント(S)は中間層を形成し、2個の更なるセグメント(S)は外側層を形成する(図1Cを参照すること);
(iv)多層錠剤を形成するように配置されている複数の成形セグメント(S)および複数の更なるセグメント(S)を含み、ここで、好ましくは成形セグメント(S)は、それぞれ、2個の隣接する更なるセグメント(S)の間に配置されている;
(v)マトリックスを形成する更なるセグメント(S)に埋め込まれている不連続相を形成する、複数の成形セグメント(S)を含む(図1Dを参照すること)(多成分錠剤);または
(vi)糖コーティングにより一緒にコーティングされ、それにより糖コーティング錠剤(糖衣錠)を形成する、単一の成形セグメント(S)および1個もしくは複数の更なるセグメント(S)を含む。
(vii)。
【0096】
別の好ましい実施形態において、本発明の医薬剤形はカプセル剤であり、
(i)単一の成形セグメント(S)および単一の更なるセグメント(S)で充填されており、これらは、任意選択でモノリスの形態または粉末状材料の形態で存在しうる(図2Aを参照すること);
(ii)単一の成形セグメント(S)および複数の更なるセグメント(S)で充填されている(図2Bを参照すること);
(iii)複数の成形セグメント(S)および単一の更なるセグメント(S)で充填されており、これらは、任意選択でモノリスの形態または粉末状材料の形態で存在しうる(図2Fを参照すること);または
(iv)複数の成形セグメント(S)および複数の更なるセグメント(S)で充填されている(図2C、DおよびEを参照すること)。
【0097】
医薬剤形は、第1の薬理活性成分(A)を含有し、かつその持続性放出を提供する成形セグメント(S)を含む。
【0098】
好ましい実施形態において、第1の薬理活性成分(A)は、単一の薬理活性成分のみである。別の好ましい実施形態において、第1の薬理活性成分(A)は、2つ以上の薬理活性成分の組合せである。
【0099】
好ましくは、第1の薬理活性成分(A)は、乱用される可能性を有する。乱用される可能性を有する薬理活性成分は、当業者に公知であり、例えば、トランキライザー、興奮剤、バルビツール酸塩、麻薬、オピオイドまたはオピオイド誘導体を含む。
【0100】
好ましくは、第1の薬理活性成分(A)は向精神効果を有し、すなわち、血液脳関門を通過して、主に中枢神経系に作用し、そこで脳機能に影響を与え、知覚、気分、意識、認識および行動に変更をもたらす。
【0101】
好ましくは、第1の薬理活性成分(A)は、オピオイド、興奮剤、トランキライザーおよび他の麻薬からなる群から選択される。
【0102】
特に好ましくは、第1の薬理活性成分(A)は、オピオイドまたはその生理学的に許容可能な塩である。WHOによるAnatomical Therapeutic Chemical(ATC)分類系(ATCインデックス)に従って、オピオイドは、天然のアヘンアルカロイド、フェニルピペリジン誘導体、ジフェニルプロピルアミン誘導体、ベンゾモルファン誘導体、オリパビン誘導体、モルフィナン誘導体などに分けられる。好ましくは、第2の薬理活性成分(A)は、WHOによるATC分類[M01A]、[M01C]、[N02B]および[N02C]から選択される。
【0103】
以下のオピオイド、トランキライザーまたは他の麻薬は、向精神作用を有する物質であり、すなわち、乱用の可能性を有し、したがって、好ましくは本発明の医薬剤形の成形セグメント(S)に含有される:アルフェンタニル、アロバルビタール、アリルプロジン、アルファプロジン、アルプラゾラム、アンフェプラモン、アンフェタミン、アンフェタミニル(amphetaminil)、アモバルビタール、アニレリジン、アポコデイン(apocodeine)、アキソマドール(axomadol)、バルビタール、ベミドン(bemidone)、ベンジルモルフィン(benzylmorphine)、ベジトラミド、ブロマゼパム、ブロチゾラム、ブプレノルフィン、ブトバルビタール、ブトルファノール、カマゼパム、カルフェンタニル、カシン/D−ノルシュードエフェドリン、クロルジアゼポキシド、クロバザムクロフェダノール、クロナゼパム、クロニタゼン、クロラゼペート、クロチアゼパム、クロキサゾラム、コカイン、コデイン、シクロバルビタール、シクロルファン(cyclorphan)、シプレノルフィン、デロラゼパム、デソモルフィン、デキストロモラミド、デキストロプロポキシフェン、デゾシン、ジアンプロミド、ジアモルホン(diamorphone)、ジアゼパム、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルフィン、ジヒドロモルホン(dihydromorphone)、ジメノキサドール、ジメフェタモール(dimephetamol)、ジメチルチアンブテン、ジオキサフェチルブチレート、ジピパノン、ドロナビノール、エプタゾシン、エスタゾラム、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、ロフラゼプ酸エチル、エチルモルフィン、エトニタゼン、エトルフィン、ファキセラドール(faxeladol)、フェンカンファミン、フェネチリン、フェンピプラミド、フェンプロポレクス、フェンタニル、フルジアゼパム、フルニトラゼパム、フルラゼパム、ハラゼパム、ハロキサゾラム、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ヒドロキシメチルモルフィナン、ケタゾラム、ケトベミドン、レバセチルメタドール(LAAM)、レボメタドン(levomethadone)、レボルファノール、レボフェナシルモルファン(levophenacylmorphane)、レボキセマシン(levoxemacin)、リスデキサンフェタミンジメシル酸塩、ロフェンタニル、ロプラゾラム、ロラゼパム、ロルメタゼパム、マジンドール、メダゼパム、メフェノレクス、メペリジン、メプロバメート、メタポン(metapon)、メプタジノール、メタゾシン、メチルモルフィン、メタンフェタミン、メタドン、メタカロン、3−メチルフェンタニル(methylfentanyl)、4−メチルフェンタニル、メチルフェニデート、メチルフェノバルビタール、メチプリロン、メトポン、ミダゾラム、モダフィニル、モルヒネ、ミロフィン(myrophine)、ナビロン、ナルブフェン(nalbuphene)、ナロルフィン、ナルセイン、ニコモルヒネ、ニメタゼパム、ニトラゼパム、ノルダゼパム、ノルレボルファノール(norlevorphanol)、ノルメタドン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、アヘン、オキサゼパム、オキサゾラム、オキシコドン、オキシモルホン、パパベルソムニフェルム(Papaver somniferum)、パパベレタム、ペルノリン(pernoline)、ペンタゾシン、ペントバルビタール、ペチジン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ホルコデイン(pholcodeine)、フェンメトラジン、フェノバルビタール、フェンテルミン、ピナゼパム、ピプラドロール、ピリトラミド、プラゼパム、プロファドール、プロヘプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロポキシフェン、レミフェンタニル、セクブタバルビタール、セコバルビタール、スフェンタニル、タペンタドール、テマゼパム、テトラゼパム、チリジン(シスおよびトランス)、トラマドール、トリアゾラム、ビニルビタール、N−(1−メチル−2−ピペリジノエチル)−N−(2−ピリジル)プロピオンアミド、(1R,2R)−3−(3−ジメチルアミノ−1−エチル−2−メチル−プロピル)フェノール、(1R,2R,4S)−2−(ジメチルアミノ)メチル−4−(p−フルオロベンジルオキシ)−1−(m−メトキシフェニル)−シクロヘキサノール、(1R,2R)−3−(2−ジメチルアミノメチル−シクロヘキシル)フェノール、(1S,2S)−3−(3−ジメチルアミノ−1−エチル−2−メチル−プロピル)フェノール、(2R,3R)−1−ジメチルアミノ−3(3−メトキシフェニル)−2−メチル−ペンタン−3−オール、(1RS,3RS,6RS)−6−ジメチルアミノメチル−1−(3−メトキシフェニル)−シクロヘキサン−1,3−ジオール、好ましくはラセミ化合物として、3−(2−ジメチルアミノメチル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)フェニル2−(4−イソブチル−フェニル)プロピオネート、3−(2−ジメチルアミノメチル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)フェニル2−(6−メトキシ−ナフタレン−2−イル)プロピオネート、3−(2−ジメチルアミノメチル−シクロヘキサ−1−エニル)−フェニル2−(4−イソブチル−フェニル)プロピオネート、3−(2−ジメチルアミノメチル−シクロヘキサ−1−エニル)−フェニル2−(6−メトキシ−ナフタレン−2−イル)プロピオネート、(RR−SS)−2−アセトキシ−4−トリフルオロメチル−安息香酸3−(2−ジメチルアミノメチル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−フェニルエステル、(RR−SS)−2−ヒドロキシ−4−トリフルオロメチル−安息香酸3−(2−ジメチルアミノメチル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−フェニルエステル、(RR−SS)−4−クロロ−2−ヒドロキシ−安息香酸3−(2−ジメチルアミノメチル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−フェニルエステル、(RR−SS)−2−ヒドロキシ−4−メチル−安息香酸3−(2−ジメチルアミノメチル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−フェニルエステル、(RR−SS)−2−ヒドロキシ−4−メトキシ−安息香酸3−(2−ジメチルアミノメチル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−フェニルエステル、(RR−SS)−2−ヒドロキシ−5−ニトロ−安息香酸3−(2−ジメチルアミノメチル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−フェニルエステル、(RR−SS)−2’,4’−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−ビフェニル−4−カルボン酸3−(2−ジメチルアミノメチル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−フェニルエステル、ならびに対応する立体異性化合物、それぞれの場合におけるそれらの対応する誘導体、生理学的に許容可能な鏡像体、立体異性体、ジアステレオマーおよびラセミ化合物、ならびにそれらの生理学的に許容可能な誘導体、例えば、エーテル、エステルまたはアミド、ならびに、それぞれの場合におけるそれらの生理学的に許容可能な化合物、特に、それらの酸または塩基付加塩、および溶媒和物、例えば塩酸塩。
【0104】
好ましい実施形態において、成形セグメント(S)は、DPI−125、M6G(CE−04−410)、ADL−5859、CR−665、NRP290およびセバコイルジナルブフィン(sebacoyl dinalbuphine)エステルからなる群から選択されるオピオイドを含有する。
【0105】
好ましい実施形態において、成形セグメント(S)は、オキシコドン、オキシモルホン、ヒドロモルホン、ヒドロコドン、モルヒネ、タペンタドール、トラマドール、ブプレノルフィンおよびそれらの生理学的に許容可能な塩からなる群から選択される1つの薬理活性成分またはそれ以上の薬理活性成分である、第1の薬理活性成分(A)を含有する。
【0106】
別の好ましい実施形態において、第1の薬理活性成分(A)は、タペンタドール、ファキセラドール、アキソマドールおよびそれらの生理学的に許容可能な塩からなる群から選択される。
【0107】
なお別の好ましい実施形態において、第1の薬理活性成分(A)は、1,1−(3−ジメチルアミノ−3−フェニルペンタメチレン)−6−フルオロ−1,3,4,9−テトラヒドロピラノ[3,4−b]インドール(セブラノパドール)、特にそのヘミクエン酸塩;1,1−[3−ジメチルアミノ−3−(2−チエニル)ペンタメチレン]−1,3,4,9−テトラヒドロピラノ[3,4−b]インドール、特にそのクエン酸塩;および1,1−[3−ジメチルアミノ−3−(2−チエニル)ペンタメチレン]−1,3,4,9−テトラヒドロピラノ[3,4−b]−6−フルオロインドール、特にそのヘミクエン酸塩からなる群から選択される。これらの化合物は、例えば、WO2004/043967およびWO2005/066183によって公知である。
【0108】
第1の薬理活性成分(A)は、医薬剤形に治療有効量で存在する。一般に、治療有効量を構成する量は、使用される薬理活性成分、治療される状態、前記状態の重症度、治療される患者、および薬理活性成分が含有されている医薬剤形またはセグメントが、即時または遅延放出用に設計されているかによって変わる。
【0109】
第1の薬理活性成分(A)の含有量は、成形セグメント(S)の総重量または医薬剤形の総重量に基づいて、好ましくは約0.01wt%〜約95wt%、より好ましくは約0.1wt%〜約80wt%、さらにより好ましくは約1.0wt%〜約50wt%、なおより好ましくは約1.5wt%〜約30wt%、最も好ましくは約2.0wt%〜20wt%の範囲である。
【0110】
好ましくは、第1の薬理活性成分(A)の含有量は、医薬剤形の総重量に基づいて、0.01〜80wt%、より好ましくは0.1〜50wt%、なおより好ましくは1〜25wt%の範囲内である。好ましい実施形態において、第1の薬理活性成分(A)の含有量は、医薬剤形の総重量に基づいて、7±6wt%、より好ましくは7±5wt%、なおより好ましくは5±4wt%、7±4wt%または9±4wt%、最も好ましくは5±3wt%、7±3wt%または9±3wt%、特に5±2wt%、7±2wt%または9±2wt%の範囲内である。別の好ましい実施形態において、第1の薬理活性成分(A)の含有量は、医薬剤形の総重量に基づいて、11±10wt%、より好ましくは11±9wt%、なおより好ましくは9±6wt%、11±6wt%、13±6wt%または15±6wt%、最も好ましくは11±4wt%、13±4wt%または15±4wt%、特に11±2wt%、13±2wt%または15±2wt%の範囲内である。更に好ましい実施形態において、第1の薬理活性成分(A)の含有量は、医薬剤形の総重量に基づいて、20±6wt%、より好ましくは20±5wt%、なおより好ましくは20±4wt%、最も好ましくは20±3wt%、特に20±2wt%の範囲内である。
【0111】
好ましくは、第1の薬理活性成分(A)の含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、0.01〜80wt%、より好ましくは0.1〜60wt%、なおより好ましくは5〜50wt%の範囲内である。好ましい実施形態において、第1の薬理活性成分(A)の含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、7±6wt%、より好ましくは7±5wt%、なおより好ましくは5±4wt%、7±4wt%または9±4wt%、最も好ましくは5±3wt%、7±3wt%または9±3wt%、特に5±2wt%、7±2wt%または9±2wt%の範囲内である。別の好ましい実施形態において、第1の薬理活性成分(A)の含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、11±10wt%、より好ましくは11±9wt%、なおより好ましくは9±6wt%、11±6wt%、13±6wt%または15±6wt%、最も好ましくは11±4wt%、13±4wt%または15±4wt%、特に11±2wt%、13±2wt%または15±2wt%の範囲内である。更に好ましい実施形態において、第1の薬理活性成分(A)の含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて20±6wt%、25±6wt%または30±6wt%、より好ましくは20±5wt%、25±5wt%または30±5wt%、なおより好ましくは20±4wt%、25±4wt%または30±4wt%、最も好ましくは20±3wt%、25±3wt%または30±3wt%、特に20±2wt%、25±2wt%または30±2wt%の範囲内である。
【0112】
成形セグメント(S)および医薬剤形それぞれにおける第1の薬理活性成分(A)の総用量は、制限されない。投与に適合されている第1の薬理活性成分(A)の用量は、好ましくは0.01mg〜2,000mg、または0.01mg〜1,000mg、または0.1mg〜500mgの範囲、より好ましくは1.0mg〜400mgの範囲、さらにより好ましくは1.0mg〜10.0mgまたは5.0mg〜300mgの範囲、最も好ましくは1.5mg〜8mgまたは10mg〜250mgの範囲である。好ましい実施形態において、成形セグメント(S)および医薬剤形それぞれに含有されている第1の薬理活性成分(A)の総量は、0.01〜200mg、より好ましくは0.1〜190mg、なおより好ましくは1.0〜180mg、なおより好ましくは1.5〜160mg、最も好ましくは2.0〜100mg、特に2.5〜80mgの範囲内である。別の好ましい実施形態において、成形セグメント(S)および医薬剤形それぞれに含有されている第1の薬理活性成分(A)の総量は、10〜500mg、より好ましくは12〜450mg、なおより好ましくは14〜400mg、なおより好ましくは16〜350mg、最も好ましくは18〜325mg、特に20〜300mgの範囲内である。
【0113】
好ましい実施形態において、第1の薬理活性成分(A)は、成形セグメント(S)および医薬剤形のそれぞれに、10±5μg、20±5μg、30±5μg、40±5μg、50±5μg、60±5μg、70±5μg、80±5μg、90±5μg、100±5μg、125±25μg、150±25μg、175±25μg、200±25μg、250±50μg、300±50μg、350±50μg、400±50μg、450±50μg、500±50μg、550±50μg、600±50μg、650±50μg、700±50μg、750±50μg、800±50μg、850±50μg、900±50μg、950±50μgまたは1000±50μgの総量で含有されている。別の好ましい実施形態において、第1の薬理活性成分(A)は、成形セグメント(S)および医薬剤形のそれぞれに、7.5±5mg、10±5mg、20±5mg、30±5mg、40±5mg、50±5mg、60±5mg、70±5mg、80±5mg、90±5mg、100±5mg、110±5mg、120±5mg、130±5、140±5mg、150±5mg、160±5mg、170±5mg、180±5mg、190±5mg、200±5mg、210±5mg、220±5mg、230±5mg、240±5mgまたは250±5mgの総量で含有されている。別の好ましい実施形態において、第1の薬理活性成分(A)は、成形セグメント(S)および医薬剤形のそれぞれに、5±2.5mg、7.5±2.5mg、10±2.5mg、15±2.5mg、20±2.5mg、25±2.5mg、30±2.5mg、35±2.5mg、40±2.5mg、45±2.5mg、50±2.5mg、55±2.5mg、60±2.5mg、65±2.5mg、70±2.5mg、75±2.5mg、80±2.5mg、85±2.5mg、90±2.5mg、95±2.5mg、100±2.5mg、105±2.5mg、110±2.5mg、115±2.5mg、120±2.5mg、125±2.5mg、130±2.5mg、135±2.5mg、140±2.5mg、145±2.5mg、150±2.5mg、155±2.5mg、160±2.5mg、165±2.5mg、170±2.5mg、175±2.5mg、180±2.5mg、185±2.5mg、190±2.5mg、195±2.5mg、200±2.5mg、205±2.5mg、210±2.5mg、215±2.5mg、220±2.5mg、225±2.5mg、230±2.5mg、235±2.5mg、240±2.5mg、245±2.5mgまたは250±2.5mgの総量で含有されている。なお別の好ましい実施形態において、第1の薬理活性成分(A)は、成形セグメント(S)および医薬剤形のそれぞれに、250±10mg、275±10mg、300±10mg、325±10mg、350±10mg、375±10mg、400±10mg、425±10mg、450±10mg、475±10mg、500±10mg、525±10mg、550±10mg、575±10mgまたは600±10mgの総量で含有されている。
【0114】
特に好ましい実施形態において、第1の薬理活性成分(A)は、オキシコドン、好ましくはそのHCl塩であり、医薬剤形は、1日2回の投与に適合されている。この実施形態において、第1の薬理活性成分(A)は、好ましくは、成形セグメント(S)および医薬剤形のそれぞれに1〜80mgの総量で含有されている。別の特に好ましい実施形態において、第1の薬理活性成分(A)は、オキシコドン、好ましくはそのHCl塩であり、医薬剤形は、1日1回の投与に適合されている。この実施形態において、第1の薬理活性成分(A)は、好ましくは、成形セグメント(S)および医薬剤形のそれぞれに2〜320mgの総量で含有されている。
【0115】
別の特に好ましい実施形態において、第1の薬理活性成分(A)は、オキシモルホン、好ましくはそのHCl塩であり、医薬剤形は、1日2回の投与に適合されている。この実施形態において、第1の薬理活性成分(A)は、好ましくは、成形セグメント(S)および医薬剤形のそれぞれに5〜40mgの総量で含有されている。別の特に好ましい実施形態において、第1の薬理活性成分(A)は、オキシモルホン、好ましくはそのHCl塩であり、医薬剤形は、1日1回の投与に適合されている。この実施形態において、第1の薬理活性成分(A)は、好ましくは、成形セグメント(S)および医薬剤形のそれぞれに10〜80mgの総量で含有されている。
【0116】
別の特に好ましい実施形態において、第1の薬理活性成分(A)は、タペンタドール、好ましくはそのHCl塩であり、医薬剤形は、1日1回または1日2回の投与に適合されている。この実施形態において、第1の薬理活性成分(A)は、好ましくは、成形セグメント(S)および医薬剤形のそれぞれに25〜250mgの総量で含有されている。
【0117】
なお別の特に好ましい実施形態において、第1の薬理活性成分(A)は、ヒドロモルホン、好ましくはそのHCl塩であり、医薬剤形は、1日2回の投与に適合されている。この実施形態において、第1の薬理活性成分(A)は、好ましくは、成形セグメント(S)および医薬剤形のそれぞれに2〜52mgの総量で含有されている。別の特に好ましい実施形態において、第1の薬理活性成分(A)は、ヒドロモルホン、好ましくはそのHCl塩であり、医薬剤形は、1日1回の投与に適合されている。この実施形態において、第1の薬理活性成分(A)は、好ましくは、成形セグメント(S)および医薬剤形のそれぞれに4〜104mgの総量で含有されている。
【0118】
なお別の特に好ましい実施形態において、第1の薬理活性成分(A)は、トラマドール、好ましくはそのHCl塩であり、医薬剤形は、1日2回の投与に適合されている。この実施形態において、第1の薬理活性成分(A)は、好ましくは、成形セグメント(S)および医薬剤形のそれぞれに5〜300mgの総量で含有されている。別の特に好ましい実施形態において、第1の薬理活性成分(A)は、トラマドール、好ましくはそのHCl塩であり、医薬剤形は、1日1回の投与に適合されている。この実施形態において、第1の薬理活性成分(A)は、好ましくは、成形セグメント(S)および医薬剤形のそれぞれに10〜500mgの総量で含有されている。
【0119】
別の特に好ましい実施形態において、第1の薬理活性成分(A)は、ヒドロコドン、好ましくはそのHCl塩であり、医薬剤形は、1日2回の投与に適合されている。この実施形態において、第1の薬理活性成分(A)は、好ましくは、成形セグメント(S)および医薬剤形のそれぞれに5〜250mgの総量で含有されている。別の特に好ましい実施形態において、第1の薬理活性成分(A)は、ヒドロコドン、好ましくはそのHCl塩であり、医薬剤形は、1日1回の投与に適合されている。この実施形態において、第1の薬理活性成分(A)は、好ましくは、成形セグメント(S)および医薬剤形のそれぞれに5〜250mgの総量で含有されている。
【0120】
なお別の特に好ましい実施形態において、第1の薬理活性成分(A)は、モルヒネ、好ましくはそのHClまたはHSO塩であり、医薬剤形は、1日2回の投与に適合されている。この実施形態において、第1の薬理活性成分(A)は、好ましくは、成形セグメント(S)および医薬剤形のそれぞれに5〜250mgの総量で含有されている。別の特に好ましい実施形態において、第1の薬理活性成分(A)は、モルヒネ、好ましくはそのHClまたはHSO塩であり、医薬剤形は、1日1回の投与に適合されている。この実施形態において、第1の薬理活性成分(A)は、好ましくは、成形セグメント(S)および医薬剤形のそれぞれに5〜250mgの総量で含有されている。
【0121】
別の特に好ましい実施形態において、第1の薬理活性成分(A)は、ブプレノルフィン、好ましくはそのHCl塩であり、医薬剤形は、1日2回の投与に適合されている。この実施形態において、第1の薬理活性成分(A)は、好ましくは、成形セグメント(S)および医薬剤形のそれぞれに1〜12mgの総量で含有されている。別の特に好ましい実施形態において、第1の薬理活性成分(A)は、ブプレノルフィン、好ましくはそのHCl塩であり、医薬剤形は、1日1回の投与に適合されている。この実施形態において、第1の薬理活性成分(A)は、好ましくは、成形セグメント(S)および医薬剤形のそれぞれに2〜12mgの総量で含有されている。
【0122】
成形セグメント(S)の調製に用いられる第1の薬理活性成分(A)は、好ましくは500ミクロン未満、なおより好ましくは300ミクロン未満、なおより好ましくは200または100ミクロン未満の平均粒径を有する。平均粒径に下限はなく、例えば50ミクロンであってもよい。薬理活性成分の粒径は、当該技術分野における任意の従来の技術、例えば、レーザー光散乱、篩分析、光学顕微鏡法または画像分析によって決定することができる。
【0123】
成形セグメント(S)は、第1の薬理活性成分(A)の持続性放出を提供する。そのような持続性放出は、細孔形成剤(pore former)を含有する持続性放出コーティングを有する成形セグメント(S)を提供することによって原則的に達成することができるが、持続性放出は、好ましくは持続性放出マトリックスによって達成される。
【0124】
したがって、成形セグメント(S)は、好ましくは持続性放出マトリックスを含む。次いで持続性放出マトリックスは、好ましくは、第1の薬理活性成分(A)の持続性放出を提供する機能を果たす持続性放出マトリックス材料、任意選択で、放出プロファイルに実質的な影響を及ぼさない更なる医薬賦形剤、および第1の薬理活性成分(A)を含む。
【0125】
第1の薬理活性成分(A)は、持続性放出マトリックス材料に好ましくは埋め込まれており、特に好ましくは分散されている。
【0126】
成形セグメント(S)に含有されている持続性放出マトリックス(第1の薬理活性成分(A)+持続性放出マトリックス材料+放出プロファイルに実質的な影響を及ぼさない、任意選択で存在する賦形剤)の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に対して、好ましくは少なくとも30wt%、より好ましくは少なくとも40wt%、なおより好ましくは少なくとも50wt%、なおより好ましくは少なくとも60wt%、さらにより好ましくは少なくとも70wt%、最も好ましくは少なくとも80wt%、特に少なくとも90wt%である。
【0127】
成形セグメント(S)に含有されている持続性放出マトリックス(第1の薬理活性成分(A)+持続性放出マトリックス材料+放出プロファイルに実質的な影響を及ぼさない、任意選択で存在する賦形剤)の総含有量は、医薬剤形の総重量に対して、好ましくは5〜95wt%、より好ましくは7〜90wt%、なおより好ましくは9〜80wt%、なおより好ましくは11〜70wt%、さらにより好ましくは13〜60wt%、最も好ましくは14〜50wt%、特に15〜40wt%の範囲内である。
【0128】
好ましくは、第1の薬理活性成分(A)および持続性放出マトリックス材料は、成形セグメント(S)が第1の薬理活性成分(A)が持続性放出マトリックス材料の不在下で存在するかまたは持続性放出マトリックス材料が第1の薬理活性成分(A)の不在下で存在する部分を含有しないように、成形セグメント(S)内に密接に均一に分布されている。
【0129】
成形セグメント(S)がフィルムコーティングされている場合、持続性放出マトリックス材料は、好ましくは、成形セグメント(S)の本体内に均一に分布されており、すなわちフィルムコーティングは、好ましくは持続性放出マトリックス材料を含有していない。
【0130】
持続性放出マトリックス材料とは別に、成形セグメント(S)は、好ましくは、放出プロファイルに実質的な影響を及ぼさない従来の医薬賦形剤を含有する。
【0131】
好ましくは、持続性放出マトリックス材料、すなわち第1の薬理活性成分(A)の持続性放出を提供する機能を果たす材料の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に対して20〜99wt%の範囲内である。成形セグメント(S)が微粒子である場合、これらのパーセント値は、好ましくは成形セグメント(S)の全ての粒子の総重量に対するものである。
【0132】
好ましい実施形態において、持続性放出マトリックス材料の含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、少なくとも5wt%または少なくとも10wt%または少なくとも15wt%、より好ましくは少なくとも20wt%または少なくとも25wt%または少なくとも30wt%、なおより好ましくは少なくとも35wt%または少なくとも40wt%または少なくとも45wt%、なおより好ましくは少なくとも50wt%または少なくとも55wt%または少なくとも60wt%、最も好ましくは少なくとも65wt%または少なくとも70wt%または少なくとも75wt%、特に少なくとも80wt%または少なくとも85wt%または少なくとも90wt%である。
【0133】
好ましい実施形態において、持続性放出マトリックス材料の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、25±20wt%、より好ましくは25±15wt%、最も好ましくは25±10wt%、特に25±5wt%の範囲内である。
【0134】
別の好ましい実施形態において、持続性放出マトリックス材料の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、30±20wt%、より好ましくは30±15wt%、最も好ましくは30±10wt%、特に30±5wt%の範囲内である。
【0135】
なお別の好ましい実施形態において、持続性放出マトリックス材料の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、35±20wt%、より好ましくは35±15wt%、最も好ましくは35±10wt%、特に35±5wt%の範囲内である。
【0136】
なお別の好ましい実施形態において、持続性放出マトリックス材料の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、40±20wt%、より好ましくは40±15wt%、最も好ましくは40±10wt%、特に40±5wt%の範囲内である。
【0137】
更に好ましい実施形態において、持続性放出マトリックス材料の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、45±20wt%、より好ましくは45±15wt%、最も好ましくは45±10wt%、特に45±5wt%の範囲内である。
【0138】
なお更に好ましい実施形態において、持続性放出マトリックス材料の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、50±20wt%、より好ましくは50±15wt%、最も好ましくは50±10wt%、特に50±5wt%の範囲内である。
【0139】
なお更に好ましい実施形態において、持続性放出マトリックス材料の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、55±20wt%、より好ましくは55±15wt%、最も好ましくは55±10wt%、特に55±5wt%の範囲内である。
【0140】
別の好ましい実施形態において、持続性放出マトリックス材料の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、60±20wt%、より好ましくは60±15wt%、最も好ましくは60±10wt%、特に60±5wt%の範囲内である。
【0141】
なお別の好ましい実施形態において、持続性放出マトリックスの総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、65±20wt%、より好ましくは65±15wt%、最も好ましくは65±10wt%、特に65±5wt%の範囲内である。
【0142】
なお別の好ましい実施形態において、持続性放出マトリックス材料の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、70±20wt%、より好ましくは70±15wt%、最も好ましくは70±10wt%、特に70±5wt%の範囲内である。
【0143】
更に好ましい実施形態において、持続性放出マトリックス材料の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、75±20wt%、より好ましくは75±15wt%、最も好ましくは75±10wt%、特に75±5wt%の範囲内である。
【0144】
なお更に好ましい実施形態において、持続性放出マトリックス材料の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、80±15wt%、より好ましくは80±12wt%、最も好ましくは80±10wt%、特に80±5wt%の範囲内である。
【0145】
なお更に好ましい実施形態において、持続性放出マトリックス材料の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、85±10wt%、より好ましくは85±8wt%、最も好ましくは85±6wt%、特に85±4wt%の範囲内である。
【0146】
別の好ましい実施形態において、持続性放出マトリックス材料の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、90±8wt%、より好ましくは90±7wt%、最も好ましくは90±6wt%、特に90±4wt%の範囲内である。
【0147】
なお別の好ましい実施形態において、持続性放出マトリックス材料の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、95±3wt%、より好ましくは95±2wt%、最も好ましくは95±1wt%、特に95±0.5wt%の範囲内である。
【0148】
好ましくは、持続性放出マトリックス材料、すなわち、成形セグメント(S)に含有されている、第1の薬理活性成分(A)の持続性放出を提供する機能を果たす材料の総含有量は、医薬剤形の総重量に対して5〜95wt%、より好ましくは15〜80wt%または20〜80wt%の範囲内である。
【0149】
好ましい実施形態において、持続性放出マトリックス材料の含有量は、医薬剤形の総重量に基づいて、少なくとも5wt%または少なくとも10wt%、より好ましくは少なくとも15wt%、なおより好ましくは少なくとも20wt%、なおより好ましくは少なくとも25wt%、特に少なくとも30wt%、または少なくとも35wt%、または少なくとも40wt%、または少なくとも45wt%、または少なくとも50wt%、または少なくとも55wt%、または少なくとも60wt%である。
【0150】
なお別の好ましい実施形態において、持続性放出マトリックス材料の総含有量は、医薬剤形の総重量に基づいて、20±16wt%、より好ましくは20±12wt%、最も好ましくは20±8wt%、特に20±4wt%の範囲内である。
【0151】
なお別の好ましい実施形態において、持続性放出マトリックス材料の総含有量は、医薬剤形の総重量に基づいて、25±20wt%、より好ましくは25±15wt%、最も好ましくは25±10wt%、特に25±5wt%の範囲内である。
【0152】
更に好ましい実施形態において、持続性放出マトリックス材料の総含有量は、医薬剤形の総重量に基づいて、30±20wt%、より好ましくは30±15wt%、最も好ましくは30±10wt%、特に30±5wt%の範囲内である。
【0153】
なお更に好ましい実施形態において、持続性放出マトリックス材料の総含有量は、医薬剤形の総重量に基づいて、35±20wt%、より好ましくは35±15wt%、最も好ましくは35±10wt%、特に35±5wt%の範囲内である。
【0154】
なお更に好ましい実施形態において、持続性放出マトリックス材料の総含有量は、医薬剤形の総重量に基づいて、40±20wt%、より好ましくは40±15wt%、最も好ましくは40±10wt%、特に40±5wt%の範囲内である。
【0155】
なお更に好ましい実施形態において、持続性放出マトリックス材料の総含有量は、医薬剤形の総重量に基づいて、45±20wt%、より好ましくは45±15wt%、最も好ましくは45±10wt%、特に45±5wt%の範囲内である。
【0156】
別の好ましい実施形態において、持続性放出マトリックス材料の総含有量は、医薬剤形の総重量に基づいて、50±20wt%、より好ましくは50±15wt%、最も好ましくは50±10wt%、特に50±5wt%の範囲内である。
【0157】
なお更に好ましい実施形態において、持続性放出マトリックス材料の総含有量は、医薬剤形の総重量に基づいて、55±20wt%、より好ましくは55±15wt%、最も好ましくは55±10wt%、特に55±5wt%の範囲内である。
【0158】
別の好ましい実施形態において、持続性放出マトリックス材料の総含有量は、医薬剤形の総重量に基づいて、60±20wt%、より好ましくは60±15wt%、最も好ましくは60±10wt%、特に60±5wt%の範囲内である。
【0159】
なお別の好ましい実施形態において、持続性放出マトリックス材料の総含有量は、医薬剤形の総重量に基づいて、65±20wt%、より好ましくは65±15wt%、最も好ましくは65±10wt%、特に65±5wt%の範囲内である。
【0160】
好ましくは、持続性放出マトリックス材料、すなわち第1の薬理活性成分(A)の持続性放出を提供する機能を果たす材料と、第1の薬理活性成分(A)との相対的な重量比は、40:1〜1:40、または35:1〜1:35、または30:1〜1:30、または20:1〜1:20、より好ましくは15:1〜1:15、なおより好ましくは10:1〜1:10、なおより好ましくは7:1〜1:7、最も好ましくは5:1〜1:5、特に2:1〜1:2の範囲内である。
【0161】
持続性放出マトリックス材料、すなわち第1の薬理活性成分(A)の持続性放出を提供する機能を果たす材料は、好ましくは少なくとも1つの合成または天然ポリマー(C)および/または任意選択でロウ状材料を含む。好ましくは、持続性放出マトリックス材料は、1つの合成または天然ポリマー(C)のみを含む。好ましい実施形態において、持続性放出マトリックス材料は、合成または天然ポリマー(C)からなる。
【0162】
好ましい実施形態において、第1の薬理活性成分(A)は、合成または天然ポリマー(C)を含む持続性放出マトリックスに埋め込まれている。
【0163】
合成または天然ポリマー(C)の総含有量は、持続性放出マトリックス材料、すなわち第1の薬理活性成分(A)の持続性放出を提供する機能を果たす材料の総重量に対して、好ましくは少なくとも65wt%、より好ましくは少なくとも70wt%、なおより好ましくは少なくとも75wt%、なおより好ましくは少なくとも80wt%、さらにより好ましくは少なくとも85wt%、最も好ましくは少なくとも90wt%、特に少なくとも95wt%である。
【0164】
合成または天然ポリマー(C)の総含有量は、持続性放出マトリックス(第1の薬理活性成分(A)+持続性放出マトリックス材料+放出プロファイルに実質的な影響を及ぼさない、任意選択で存在する賦形剤)の総重量に対して、好ましくは少なくとも20wt%、より好ましくは少なくとも30wt%、なおより好ましくは少なくとも40wt%、なおより好ましくは少なくとも50wt%、さらにより好ましくは少なくとも60wt%、最も好ましくは少なくとも70wt%、特に少なくとも80wt%である。
【0165】
好ましくは、合成または天然ポリマー(C)の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に対して、少なくとも20wt%、より好ましくは少なくとも30wt%、なおより好ましくは少なくとも40wt%、なおより好ましくは少なくとも50wt%、さらにより好ましくは少なくとも60wt%、最も好ましくは少なくとも70wt%、特に少なくとも80wt%である。
【0166】
好ましい実施形態において、合成または天然ポリマー(C)の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に対して、少なくとも5wt%、より好ましくは少なくとも10wt%、なおより好ましくは少なくとも15wt%、なおより好ましくは少なくとも20wt%、特に少なくとも25wt%である。特に好ましい実施形態において、合成または天然ポリマー(C)の含有量は、成形セグメント(S)の総重量に対して少なくとも30wt%である。
【0167】
好ましい実施形態において、合成または天然ポリマー(C)の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、10±8wt%、より好ましくは10±6wt%、最も好ましくは10±4wt%、特に10±2wt%の範囲内である。
【0168】
別の好ましい実施形態において、合成または天然ポリマー(C)の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、15±12wt%、より好ましくは15±10wt%、最も好ましくは15±7wt%、特に15±3wt%の範囲内である。
【0169】
なお別の好ましい実施形態において、合成または天然ポリマー(C)の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、20±16wt%、より好ましくは20±12wt%、最も好ましくは20±8wt%、特に20±4wt%の範囲内である。
【0170】
なお別の好ましい実施形態において、合成または天然ポリマー(C)の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、25±20wt%、より好ましくは25±15wt%、最も好ましくは25±10wt%、特に25±5wt%の範囲内である。
【0171】
更に好ましい実施形態において、合成または天然ポリマー(C)の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、30±20wt%、より好ましくは30±15wt%、最も好ましくは30±10wt%、特に30±5wt%の範囲内である。
【0172】
なお更に好ましい実施形態において、合成または天然ポリマー(C)の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、35±20wt%、より好ましくは35±15wt%、最も好ましくは35±10wt%、特に35±5wt%の範囲内である。
【0173】
なお更に好ましい実施形態において、合成または天然ポリマー(C)の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、40±20wt%、より好ましくは40±15wt%、最も好ましくは40±10wt%、特に40±5wt%の範囲内である。
【0174】
なお更に好ましい実施形態において、合成または天然ポリマー(C)の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、45±20wt%、より好ましくは45±15wt%、最も好ましくは45±10wt%、特に45±5wt%の範囲内である。
【0175】
別の好ましい実施形態において、合成または天然ポリマー(C)の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、50±20wt%、より好ましくは50±15wt%、最も好ましくは50±10wt%、特に50±5wt%の範囲内である。
【0176】
なお更に好ましい実施形態において、合成または天然ポリマー(C)の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、55±20wt%、より好ましくは55±15wt%、最も好ましくは55±10wt%、特に55±5wt%の範囲内である。
【0177】
別の好ましい実施形態において、合成または天然ポリマー(C)の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、60±20wt%、より好ましくは60±15wt%、最も好ましくは60±10wt%、特に60±5wt%の範囲内である。
【0178】
なお更に好ましい実施形態において、合成または天然ポリマー(C)の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、65±20wt%、より好ましくは65±15wt%、最も好ましくは65±10wt%、特に65±5wt%の範囲内である。
【0179】
別の好ましい実施形態において、合成または天然ポリマー(C)の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、70±20wt%、より好ましくは70±15wt%、最も好ましくは70±10wt%、特に70±5wt%の範囲内である。
【0180】
なお更に好ましい実施形態において、合成または天然ポリマー(C)の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、75±20wt%、より好ましくは75±15wt%、最も好ましくは75±10wt%、特に75±5wt%の範囲内である。
【0181】
別の好ましい実施形態において、合成または天然ポリマー(C)の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、80±20wt%、より好ましくは80±15wt%、最も好ましくは80±10wt%、特に80±5wt%の範囲内である。
【0182】
好ましくは、ポリマー(C)の総含有量は、医薬剤形の総重量に基づいて、1〜99wt%、より好ましくは3〜90wt%、なおより好ましくは5〜75wt%、なおより好ましくは7〜70wt%、最も好ましくは10〜65wt%、特に10〜60wt%の範囲内である。
【0183】
好ましい実施形態において、ポリマー(C)の総含有量は、医薬剤形の総重量に基づいて、少なくとも2wt%、より好ましくは少なくとも5wt%、なおより好ましくは少なくとも10wt%、なおより好ましくは少なくとも15wt%、特に少なくとも20wt%である。
【0184】
好ましい実施形態において、合成または天然ポリマー(C)の総含有量は、医薬剤形の総重量に基づいて、10±8wt%、より好ましくは10±6wt%、最も好ましくは10±4wt%、特に10±2wt%の範囲内である。
【0185】
別の好ましい実施形態において、合成または天然ポリマー(C)の総含有量は、医薬剤形の総重量に基づいて、15±12wt%、より好ましくは15±10wt%、最も好ましくは15±7wt%、特に15±3wt%の範囲内である。
【0186】
なお別の好ましい実施形態において、合成または天然ポリマー(C)の総含有量は、医薬剤形の総重量に基づいて、20±16wt%、より好ましくは20±12wt%、最も好ましくは20±8wt%、特に20±4wt%の範囲内である。
【0187】
なお別の好ましい実施形態において、合成または天然ポリマー(C)の総含有量は、医薬剤形の総重量に基づいて、25±20wt%、より好ましくは25±15wt%、最も好ましくは25±10wt%、特に25±5wt%の範囲内である。
【0188】
更に好ましい実施形態において、合成または天然ポリマー(C)の総含有量は、医薬剤形の総重量に基づいて、30±20wt%、より好ましくは30±15wt%、最も好ましくは30±10wt%、特に30±5wt%の範囲内である。
【0189】
なお更に好ましい実施形態において、合成または天然ポリマー(C)の総含有量は、医薬剤形の総重量に基づいて、35±20wt%、より好ましくは35±15wt%、最も好ましくは35±10wt%、特に35±5wt%の範囲内である。
【0190】
なお更に好ましい実施形態において、合成または天然ポリマー(C)の総含有量は、医薬剤形の総重量に基づいて、40±20wt%、より好ましくは40±15wt%、最も好ましくは40±10wt%、特に40±5wt%の範囲内である。
【0191】
なお更に好ましい実施形態において、合成または天然ポリマー(C)の総含有量は、医薬剤形の総重量に基づいて、45±20wt%、より好ましくは45±15wt%、最も好ましくは45±10wt%、特に45±5wt%の範囲内である。
【0192】
別の好ましい実施形態において、合成または天然ポリマー(C)の総含有量は、医薬剤形の総重量に基づいて、50±20wt%、より好ましくは50±15wt%、最も好ましくは50±10wt%、特に50±5wt%の範囲内である。
【0193】
なお別の好ましい実施形態において、合成または天然ポリマー(C)の総含有量は、医薬剤形の総重量に基づいて、60±20wt%、より好ましくは60±15wt%、最も好ましくは60±10wt%、特に60±5wt%の範囲内である。
【0194】
なお別の好ましい実施形態において、合成または天然ポリマー(C)の総含有量は、医薬剤形の総重量に基づいて、70±20wt%、より好ましくは70±15wt%、最も好ましくは70±10wt%、特に70±5wt%の範囲内である。
【0195】
好ましくは、ポリマー(C)と第1の薬理活性成分(A)との相対的な重量比は、40:1〜1:40、または35:1〜1:35、または30:1〜1:30、または20:1〜1:20、より好ましくは15:1〜1:15、なおより好ましくは10:1〜1:10、なおより好ましくは7:1〜1:7、最も好ましくは5:1〜1:5、特に2:1〜1:2の範囲内である。
【0196】
合成または天然ポリマー(C)は、好ましくは、ポリアルキレンオキシド(好ましくは、ポリメチレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリ(ヒドロキシ脂肪酸)、ポリ(ヒドロキシ吉草酸)、ポリカプロラクトン、ポリビニルアルコール、ポリエステルアミド、ポリエチレンスクシネート、ポリラクトン、ポリグリコリド、セルロースエーテル(好ましくは、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、ポリウレタン、ポリビニルピロリドン、ポリアミド、ポリラクチド、ポリアセタール、ポリラクチド/グリコリド、ポリラクトン、ポリグリコリド、ポリオルトエステル、ポリ無水物、そのコポリマー、そのブロックコポリマーおよび記述されたポリマーの少なくとも2つの混合物からなる群から選択される。
【0197】
好ましい実施形態において、ポリマー(C)は、非イオン性である。別の好ましい実施形態において、ポリマー(C)は、アニオン性である。なお別の好ましい実施形態において、ポリマー(C)は、カチオン性である。
【0198】
好ましくは、合成または天然ポリマー(C)は、アクリルポリマーまたはポリアルキレンオキシドから選択される。
【0199】
特に好ましい実施形態において、
(i)合成または天然ポリマー(C)の含有量は、成形セグメント(S)の総重量に対して少なくとも30wt%である;および/または
(ii)ポリマー(C)は、アクリルポリマーまたはポリアルキレンオキシドから選択される。
【0200】
好ましい実施形態において、ポリマー(C)は、第1のC1〜4アルキル(メタ)アクリレートおよび前記第1のC1〜4アルキル(メタ)アクリレートと異なる第2のC1〜4アルキル(メタ)アクリレートを含むモノマー混合物から好ましくは誘導されるアクリルポリマーである。
【0201】
持続性放出マトリックスの持続性放出マトリックス材料がアクリルポリマーを含む場合、好ましくは、ポリアルキレンオキシドまたはロウ状材料を追加的に含まず、逆もまた同じである。しかし、持続性放出マトリックスの持続性放出マトリックス材料が、アクリルポリマー、ポリアルキレンオキシドおよび/またはロウ状材料の組合せを含むことは、原則的に可能である。
【0202】
好ましいC1〜4アルキル(メタ)アクリレートには、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルメタクリレート、エチルアクリレート、プロピルメタクリレート、プロピルアクリレート、ブチルメタクリレートおよびブチルアクリレートが含まれる。
【0203】
本明細書の目的において、「(メタ)アクリル」は、アクリルとメタクリルを指す。
【0204】
好ましくは、アクリルポリマーは、100,000g/mol〜2,000,000g/molの範囲内の重量平均分子量を有する。好ましい実施形態において、アクリルポリマーは、少なくとも150,000または少なくとも200,000g/mol、好ましくは少なくとも250,000g/molまたは少なくとも300,000g/mol、より好ましくは約300,000g/mol〜約2,000,000g/molの範囲、最も好ましくは約300,000g/mol〜約1,000,000g/molの範囲の重量平均分子量(M)または粘度平均分子量(Mη)を有する。MおよびMηを決定するのに適した方法は、当業者に公知である。Mηは、好ましくはレオロジー的な測定により決定され、一方、Mは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって決定することができる。
【0205】
アクリルポリマーは、非イオン性アクリルポリマーまたはイオン性アクリルポリマーでありうる。本明細書の目的において、「非イオン性ポリマー」は、1モル%を超えるイオン性、すなわちアニオン性またはカチオン性のモノマー単位を含有しない、好ましくはイオン性モノマー単位を全く含有しないポリマーを指す。
【0206】
好ましい実施形態において、合成または天然ポリマー(C)は、第1のC1〜4アルキル(メタ)アクリレートおよび前記第1のC1〜4アルキル(メタ)アクリレートと異なる第2のC1〜4アルキル(メタ)アクリレートを含むモノマー混合物から好ましくは誘導される非イオン性アクリルポリマーである。
【0207】
好ましくは、第1のC1〜4アルキル(メタ)アクリレートは、エチルアクリレートであり、第2のC1〜4アルキル(メタ)アクリレートは、メチルメタクリレートである。
【0208】
好ましくは、非イオン性アクリルポリマー内のエチルアクリレートの相対的なモル含有量は、非イオン性アクリルポリマー内のメチルメタクリレートの相対的なモル含有量よりも大きい。
【0209】
好ましくは、第1のC1〜4アルキル(メタ)アクリレート、好ましくはエチルアクリレートと、第2のC1〜4アルキル(メタ)アクリレート、好ましくはメチルメタクリレートとのモル比は、5:1〜1:3、より好ましくは4.5:1〜1:2.5、なおより好ましくは4:1〜1:2、なおより好ましくは3.5:1〜1:1.5、さらにより好ましくは3:1〜1:1、最も好ましくは2.5:1〜1.5:1の範囲内、特に約2:1である。
【0210】
好ましくは、非イオン性アクリルポリマーは、100,000g/mol〜2,000,000g/molの範囲内の重量平均分子量を有する。好ましい実施形態において、非イオン性アクリルポリマーは、少なくとも150,000または少なくとも200,000g/mol、好ましくは少なくとも250,000g/molまたは少なくとも300,000g/mol、より好ましくは約300,000g/mol〜約2,000,000g/molの範囲、最も好ましくは約300,000g/mol〜約1,000,000g/molの範囲の重量平均分子量(M)または粘度平均分子量(Mη)を有する。MおよびMηを決定するのに適した方法は、当業者に公知である。Mηは、好ましくはレオロジー的な測定により決定され、一方、Mは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって決定することができる。
【0211】
好ましい実施形態において、非イオン性アクリルポリマーの重量平均分子量は、675,000±500,000g/mol、より好ましくは675,000±450,000g/mol、なおより好ましくは675,000±400,000g/mol、なおより好ましくは675,000±350,000g/mol、さらにより好ましくは675,000±300,000g/mol、最も好ましくは675,000±250,000g/mol、特に675,000±200,000g/molの範囲内である。
【0212】
非イオン性アクリルポリマーは、特定の平均分子量を有する単一の非イオン性アクリルポリマー、あるいは2、3、4または5つの非イオン性アクリルポリマー、例えば、同じ化学的性質であるが、異なる平均分子量の非イオン性アクリルポリマー、異なる化学的性質であるが、同じ平均分子量の非イオン性アクリルポリマー、または異なる化学的性質でもあり、異なる分子量でもある非イオン性アクリルポリマーなどの、異なる非イオン性アクリルポリマーの混合物(ブレンド)を含むことができる。
【0213】
好ましい実施形態において、非イオン性アクリルポリマーは、成形セグメント(S)に均一に分布されている。この実施形態によると、第1の薬理活性成分(A)および非イオン性アクリルポリマーは、成形セグメント(S)が第1の薬理活性成分(A)が非イオン性アクリルポリマーの不在下で存在するかまたは非イオン性アクリルポリマーが第1の薬理活性成分(A)の不在下で存在する部分を含有しないように、成形セグメント(S)内に密接に均一に分布されている。
【0214】
成形セグメント(S)がフィルムコーティングされている場合、非イオン性アクリルポリマーは、好ましくは、成形セグメント(S)の本体内に均一に分布されており、すなわち、フィルムコーティングは好ましくは非イオン性アクリルポリマーを含有していない。それにもかかわらず、フィルムコーティングは、それ自体、当然のことながら1つまたは複数のポリマーを含有しうるが、好ましくは、本体に含有されている非イオン性アクリルポリマーと異なっている。
【0215】
非イオン性アクリルポリマーは、好ましくは、1±15℃、より好ましくは1±11℃の範囲内のガラス転移温度(T)を有する。
【0216】
非イオン性アクリルポリマーは、好ましくは、5±5℃、より好ましくは5±2℃の範囲内の最低造膜温度(MFT)を有する。
【0217】
本発明の成形セグメント(S)における使用に適した非イオン性アクリルポリマーは、例えばEvonikから市販されている。例えば、ポリ(エチルアクリレート−co−メチルメタクリレート)2:1の水性分散体として提供されるEudragit(登録商標)NE30D、Eudragit(登録商標)NE40DおよびEudragit(登録商標)NM30Dを、本発明の成形セグメント(S)に使用することができる。これらの製品の特性に関する詳細は、例えば製品の仕様書を参照することができる。
【0218】
好ましい実施形態において、合成または天然ポリマー(C)は、イオン性アクリルポリマーである。
【0219】
好ましい実施形態において、イオン性アクリルポリマーは、成形セグメント(S)内に均一に分布されている。この実施形態によると、第1の薬理活性成分(A)およびイオン性アクリルポリマーは、成形セグメント(S)が第1の薬理活性成分(A)がイオン性アクリルポリマーの不在下で存在するかまたはイオン性アクリルポリマーが第1の薬理活性成分(A)の不在下で存在する部分を含有しないように、成形セグメント(S)内に密接に均一に分布されている。
【0220】
成形セグメント(S)がフィルムコーティングされている場合、イオン性アクリルポリマーは、好ましくは、成形セグメント(S)の本体内に均一に分布されており、すなわち、フィルムコーティングは好ましくはイオン性アクリルポリマーを含有していない。それにもかかわらず、フィルムコーティングは、それ自体、当然のことながら1つまたは複数のポリマーを含有しうるが、好ましくは、本体に含有されているイオン性アクリルポリマーと異なっている。
【0221】
好ましいイオン性アクリルポリマーは、アニオン性アクリルポリマーである。好ましいアニオン性アクリルポリマーには、1つまたは2つの異なるC1〜4アルキル(メタ)アクリレートモノマーおよびアクリル酸などの共重合性のアニオン性モノマーのコポリマーが含まれるが、これらに限定されない。好ましい代表例は、メチルアクリレート、メチルメタクリレートおよびメタクリル酸の三元コポリマーであり、モノマーの相対的なモル含有量は、好ましくは、メチルアクリレート>メチルメタクリレート>メタクリル酸である。好ましくは、アニオン性アクリルポリマーは、280,000±250,000g/mol、より好ましくは280,000±200,000g/mol、なおより好ましくは280,000±180,000g/mol、なおより好ましくは280,000±160,000g/mol、さらにより好ましくは280,000±140,000g/mol、最も好ましくは280,000±120,000g/mol、特に280,000±100,000g/molの範囲内の重量平均分子量を有する。約280,000g/molの平均分子量を有するポリ(メチルアクリレート−co−メチルメタクリレート−co−メタクリル酸)7:3:1は、Eudragit(登録商標)FSとして市販されている。
【0222】
他の好ましいイオン性アクリルポリマーは、カチオン性アクリルポリマーである。好ましいカチオン性アクリルポリマーには、1つまたは2つの異なるC1〜4アルキル(メタ)アクリレートモノマーおよびトリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロリドなどの共重合性のカチオン性モノマーのコポリマーが含まれるが、これらに限定されない。好ましい代表例は、エチルアクリレート、メチルメタクリレートおよび低含有量の、第四級アンモニウム基を有するメタクリル酸エステル、好ましくはトリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロリドの三元コポリマーであり、モノマーの相対的なモル含有量は、好ましくは、メチルメタクリレート>エチルアクリレート>共重合性のカチオン性モノマーである。好ましくは、カチオン性アクリルポリマーは、32,000±30,000g/mol、より好ましくは32,000±27,000g/mol、なおより好ましくは32,000±23,000g/mol、なおより好ましくは32,000±20,000g/mol、さらにより好ましくは32,000±17,000g/mol、最も好ましくは32,000±13,000g/mol、特に32,000±10,000g/molの範囲内の重量平均分子量を有する。約32,000g/molの平均分子量をそれぞれ有するポリ(エチルアクリレート−co−メチルメタクリレート−co−トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロリド)1:2:0.1および1:2:0.2は、Eudragit(登録商標)RS−POおよびEudragit(登録商標)RL−POとしてそれぞれ市販されている。トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロリドの含有量がより低いので、Eudragit(登録商標)RS−POが特に好ましい。別の好ましいカチオン性アクリルポリマーは、Eudragit(登録商標)RL100であり、これは、エチルアクリレート、メチルメタクリレートおよび低含有量の、第四級アンモニウム基を有するメタクリル酸エステルのコポリマーである。
【0223】
好ましい実施形態において、合成または天然ポリマー(C)は、ポリアルキレンオキシド、好ましくはポリエチレンオキシド、特に好ましくは少なくとも500,000g/molの重量平均分子量を有するものである。
【0224】
持続性放出マトリックスの持続性放出マトリックス材料がポリアルキレンオキシドを含む場合、好ましくは、アクリルポリマーまたはロウ状材料を追加的に含まず、逆もまた同じである。
【0225】
好ましい実施形態において、ポリアルキレンオキシドは、成形セグメント(S)内に均一に分布されている。この実施形態によると、第1の薬理活性成分(A)およびポリアルキレンオキシドは、成形セグメント(S)が第1の薬理活性成分(A)がポリアルキレンオキシドの不在下で存在するかまたはポリアルキレンオキシドが第1の薬理活性成分(A)の不在下で存在する部分を含有しないように、成形セグメント(S)内に密接に均一に分布されている。
【0226】
成形セグメント(S)がフィルムコーティングされている場合、ポリアルキレンオキシドは、好ましくは、成形セグメント(S)の本体内に均一に分布されており、すなわち、フィルムコーティングは好ましくはポリアルキレンオキシドを含有していない。それにもかかわらず、フィルムコーティングは、それ自体、当然のことながら1つまたは複数のポリマーを含有しうるが、好ましくは、本体に含有されているポリアルキレンオキシドと異なっている。
【0227】
好ましくは、ポリアルキレンオキシドは、ポリメチレンオキシド、ポリエチレンオキシドおよびポリプロピレンオキシド、またはこれらのコポリマーもしくは混合物から選択される。
【0228】
好ましくは、ポリアルキレンオキシドは、200,000g/molを超える、または少なくとも500,000g/mol、好ましくは少なくとも1,000,000g/molまたは少なくとも2,500,000g/mol、より好ましくは約1,000,000g/mol〜約15,000,000g/molの範囲、最も好ましくは約5,000,000g/mol〜約10,000,000g/molの範囲の重量平均分子量(M)、好ましくはまた粘度平均分子量(Mη)を有する。MおよびMηを決定するのに適した方法は、当業者に公知である。Mηは、好ましくはレオロジー的な測定により決定され、一方、Mは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって決定することができる。
【0229】
好ましくは、ポリアルキレンオキシドの分子量分散度M/Mηは、2.5±2.0、より好ましくは2.5±1.5、なおより好ましくは2.5±1.0、なおより好ましくは2.5±0.8、最も好ましくは2.5±0.6、特に2.5±0.4の範囲内である。
【0230】
ポリアルキレンオキシドは、1wt%の水溶液で測定して、好ましくは30〜17,600mPa・s、より好ましくは55〜17,600mPa・s、なおより好ましくは600〜17,600mPa・s、なおより好ましくは4,500〜17,600mPa・s、さらにより好ましくは4,500〜12,000mPa・s、最も好ましくは5,000〜10,500mPa・s、特に5,500〜7,500mPa・sまたは7,500〜10,000mPa・sの、25℃での粘度を有する。
【0231】
ポリアルキレンオキシドは、特定の平均分子量を有する単一のポリアルキレンオキシド、あるいは2、3、4または5つのポリマー、例えば、同じ化学的性質であるが、異なる平均分子量のポリマー、異なる化学的性質であるが、同じ平均分子量のポリマー、または異なる化学的性質でもあり、異なる分子量でもあるポリマーなどの、異なるポリマーの混合物(ブレンド)を含むことができる。
【0232】
本明細書の目的において、ポリアルキレングリコールは20,000g/molまでの分子量を有し、一方、ポリアルキレンオキシドは20,000g/molを超える分子量を有する。医薬剤形に含有されている全てのポリアルキレンオキシドの全ての分子量の重量平均は、200,000g/molを超える。したがって、ポリアルキレングリコールは、あるとすれば、ポリアルキレンオキシドの重量平均分子量を決定するときに好ましくは考慮されない。
【0233】
特に好ましい実施形態において、合成または天然ポリマー(C)はポリアルキレンオキシドであり、その含有量は、成形セグメント(S)の総重量に対して少なくとも30wt%である。
【0234】
好ましくは、ポリアルキレンオキシドは、別のポリマーと、好ましくはセルロースエーテル、特に好ましくは、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選択されるセルロースエーテルと組み合わされる。ヒドロキシプロピルメチルセルロースが特に好ましい。
【0235】
好ましくは、ポリアルキレンオキシドとセルロースエーテルの相対的な重量比は、14:1〜1:2、より好ましくは13:1〜1:1、なおより好ましくは12:1〜2:1、なおより好ましくは11:1〜3:1、さらにより好ましくは10:1〜4:1、最も好ましくは9:1〜5:1、特に8:1〜6:1の範囲内である。
【0236】
別の好ましい実施形態において、持続性放出マトリックス材料は、好ましくは、
−グリセリド、とりわけ、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド;
−脂肪酸と脂肪アルコールとのエステル;および
−パラフィン
からなる群から選択されるロウ状材料を含む。
【0237】
持続性放出マトリックスの持続性放出マトリックス材料がロウ状材料を含む場合、好ましくは、アクリルポリマーまたはポリアルキレンオキシドを追加的に含まず、逆もまた同じである。
【0238】
本明細書で使用されるとき、「ロウ状材料」は、加熱すると低粘度を有する液体形態に溶融し、冷却すると固体に再び固化する材料を指す。好ましくは、ロウ状材料は、少なくとも30℃、より好ましくは少なくとも35℃、なおより好ましくは少なくとも40℃、なおより好ましくは少なくとも45℃、さらにより好ましくは少なくとも50℃、最も好ましくは少なくとも55℃、特に少なくとも60℃の融点を有する。
【0239】
ロウ状材料が、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリドまたはこれらの混合物である、あるいはこれらを含む場合、好ましくはグリセロールとカルボン酸のモノ、ジまたはトリエステルであり、一方、カルボン酸は、好ましくは、脂肪酸、ヒドロキシ脂肪酸および芳香族酸からなる群から選択される。
【0240】
別の好ましい実施形態において、グリセリドは、脂肪酸マクロゴールグリセリド、例えば、十分に特徴決定されたPEGエステル、少量のグリセリドおよび遊離PEGから構成される非イオン性の水分散性界面活性剤とみなすこともできるGelucire 44/14などの、ラウロイルマクロゴールグリセリドである。
【0241】
脂肪酸の好ましいグリセリドには、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリドおよびこれらの混合物、好ましくはC〜C22脂肪酸が含まれる。とりわけ好ましいものは、グリセロールベヘナート(glycerol behenat)、グリセロールモノステアレート、グリセロールパルミトステアレートおよびグリセリルジステアレートなどのC16〜C22脂肪酸の部分グリセリド、ならびにグリセロールトリステアレートなどのC16〜C22脂肪酸のトリグリセリドである。
【0242】
用語「脂肪酸」は、当該技術分野において十分に認識されており、例えば、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、リノエライジン酸、α−リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、エルカ酸およびドコサヘキサエン酸などの不飽和の代表例、ならびにカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸およびセロチン酸などの飽和の代表例が含まれる。
【0243】
用語「ヒドロキシ脂肪酸」も当該技術分野において十分に認識されており、例えば、2−ヒドロキシヘキサン酸、2−ヒドロキシオクタン酸、2−ヒドロキシデカン酸、2−ヒドロキシドデカン酸、β−ヒドロキシラウリン酸、2−ヒドロキシテトラデカン酸、β−ヒドロキシミリスチン酸、15−ヒドロキシペンタデカン酸、16−ヒドロキシヘキサデカン酸、β−ヒドロキシパルミチン酸、12−ヒドロキシオクタデカン酸、α−ヒドロキシステアリン酸およびα−ヒドロキシアラキジン酸が含まれる。
【0244】
脂肪酸およびヒドロキシ脂肪酸は、好ましくは飽和されている。
【0245】
ロウ状材料がジグリセリドまたはトリグリセリドである、あるいはこれらを含む場合、脂肪酸、ヒドロキシ脂肪酸および芳香族酸は、それぞれ同一または異なっていてもよい。
【0246】
本発明のこの実施形態によると、ロウ状材料は、好ましくはヨーロッパ薬局方に準じた硬い脂肪(アデプスソリダス(adeps solidus))である。
【0247】
好ましくは、ロウ状材料は、硬化ダイズ油、硬化パーム油、硬化ヒマシ油、硬化綿実油およびこれらの混合物からなる群から選択される、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリドまたはこれらの混合物である。
【0248】
ロウ状材料が脂肪酸と脂肪アルコールとのエステルである、またはこれを含む場合、脂肪酸は、好ましくは飽和脂肪酸である。脂肪酸の好ましい例は、グリセリドに関して既に上記に記述されたものである。脂肪アルコールは、好ましくは脂肪酸から誘導され、また好ましくは飽和されている。
【0249】
脂肪酸と脂肪アルコールとのエステルの好ましい代表例には、ミツロウ、カルナウバロウ、カンデリラロウ、オーリクリーロウ、サトウキビロウ、セチルパルミテート、オレイルオレエート、ゲイロウおよびレタモ(retamo)ロウなどの天然のロウが含まれるが、これらに限定されない。
【0250】
ロウ状材料が、パラフィンである、またはこれを含む場合、パラフィンは、好ましくはヨーロッパ薬局方に準じた固形パラフィン(パラフィヌムソリダム(paraffinum solidum)、セレシン、ゼレシン(zeresin))である。
【0251】
ロウ状材料は、単一のロウ状材料、またはそれぞれ好ましくはグリセリド、とりわけモノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド;脂肪酸と脂肪アルコールとのエステル;およびパラフィンからなる群から選択される2、3、4または5つのロウ状材料などの異なるロウ状材料の混合物(ブレンド)を含むことができる。
【0252】
好ましい実施形態において、ロウ状材料は、成形セグメント(S)内に均一に分布されている。この実施形態によると、第1の薬理活性成分(A)およびロウ状材料は、成形セグメント(S)が第1の薬理活性成分(A)がロウ状材料の不在下で存在するかまたはロウ状材料が第1の薬理活性成分(A)の不在下で存在部分を含有しないように、成形セグメント(S)内に密接に均一に分布されている。
【0253】
成形セグメント(S)がフィルムコーティングされている場合、ロウ状材料は、好ましくは、成形セグメント(S)内に均一に分布されており、すなわち、フィルムコーティングは好ましくはロウ状材料を含有していない。それにもかかわらず、フィルムコーティングは、それ自体、当然のことながら1つまたは複数のロウ状材料を含有しうるが、好ましくは、本体に含有されているロウ状材料と異なっている。
【0254】
本発明の医薬剤形における使用に適したロウ状材料は、市販されており、例えば、Cera alba、Cera flava、Kolliwax(商標)HCO、Dynasan(登録商標)118、Compritol(登録商標)888ATO、Precirol(登録商標)ATO5、Gelucire(登録商標)44/14などである。これらの製品の特性に関する詳細は、例えば製品の仕様書を参照することができる。
【0255】
ロウ状材料の総含有量は、好ましくは、持続性放出マトリックスの総重量に対して、5.0〜95wt%、より好ましくは10〜90wt%、なおより好ましくは15〜85wt%、なおより好ましくは20〜80wt%、さらにより好ましくは25〜75wt%、最も好ましくは30〜70wt%、特に35〜75wt%の範囲内である。
【0256】
好ましくは、ロウ状材料の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、1〜90wt%、より好ましくは3〜85wt%、なおより好ましくは5〜80wt%、なおより好ましくは7〜75wt%、最も好ましくは10〜70wt%、特に15〜65wt%の範囲内である。
【0257】
好ましい実施形態において、ロウ状材料の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、少なくとも2wt%、より好ましくは少なくとも5wt%、なおより好ましくは少なくとも10wt%、なおより好ましくは少なくとも15wt%、特に少なくとも20wt%である。
【0258】
好ましい実施形態において、ロウ状材料の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、10±8wt%、より好ましくは10±6wt%、最も好ましくは10±4wt%、特に10±2wt%の範囲内である。
【0259】
別の好ましい実施形態において、ロウ状材料の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、15±12wt%、より好ましくは15±10wt%、最も好ましくは15±7wt%、特に15±3wt%の範囲内である。
【0260】
なお別の好ましい実施形態において、ロウ状材料の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、20±16wt%、より好ましくは20±12wt%、最も好ましくは20±8wt%、特に20±4wt%の範囲内である。
【0261】
なお別の好ましい実施形態において、ロウ状材料の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、25±20wt%、より好ましくは25±15wt%、最も好ましくは25±10wt%、特に25±5wt%の範囲内である。
【0262】
更に好ましい実施形態において、ロウ状材料の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、30±20wt%、より好ましくは30±15wt%、最も好ましくは30±10wt%、特に30±5wt%の範囲内である。
【0263】
なお更に好ましい実施形態において、ロウ状材料の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、35±20wt%、より好ましくは35±15wt%、最も好ましくは35±10wt%、特に35±5wt%の範囲内である。
【0264】
なお更に好ましい実施形態において、ロウ状材料の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、40±20wt%、より好ましくは40±15wt%、最も好ましくは40±10wt%、特に40±5wt%の範囲内である。
【0265】
なお更に好ましい実施形態において、ロウ状材料の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、45±20wt%、より好ましくは45±15wt%、最も好ましくは45±10wt%、特に45±5wt%の範囲内である。
【0266】
別の好ましい実施形態において、ロウ状材料の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、50±20wt%、より好ましくは50±15wt%、最も好ましくは50±10wt%、特に50±5wt%の範囲内である。
【0267】
なお更に好ましい実施形態において、ロウ状材料の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、55±20wt%、より好ましくは55±15wt%、最も好ましくは55±10wt%、特に55±5wt%の範囲内である。
【0268】
別の好ましい実施形態において、ロウ状材料の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、60±20wt%、より好ましくは60±15wt%、最も好ましくは60±10wt%、特に60±5wt%の範囲内である。
【0269】
なお更に好ましい実施形態において、ロウ状材料の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、65±20wt%、より好ましくは65±15wt%、最も好ましくは65±10wt%、特に65±5wt%の範囲内である。
【0270】
別の好ましい実施形態において、ロウ状材料の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、70±20wt%、より好ましくは70±15wt%、最も好ましくは70±10wt%、特に70±5wt%の範囲内である。
【0271】
なお更に好ましい実施形態において、ロウ状材料の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、75±20wt%、より好ましくは75±15wt%、最も好ましくは75±10wt%、特に75±5wt%の範囲内である。
【0272】
別の好ましい実施形態において、ロウ状材料の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、80±20wt%、より好ましくは80±15wt%、最も好ましくは80±10wt%、特に80±5wt%の範囲内である。
【0273】
好ましくは、ロウ状材料と第1の薬理活性成分(A)との相対的な重量比は、20:1〜1:20、より好ましくは15:1〜1:15、なおより好ましくは10:1〜1:10、なおより好ましくは7:1〜1:7、最も好ましくは5:1〜1:5、特に2:1〜1:2の範囲内である。
【0274】
第1の薬理活性成分(A)および任意選択で存在する持続性放出マトリックス材料のほかに、成形セグメント(S)は、酸化防止剤、防腐剤、滑沢剤、可塑剤、増量剤/結合剤などの医薬剤形に従来含有される追加の医薬賦形剤を、従来の量で任意選択で更に含むことができる。
【0275】
当業者は、適切な更なる賦形剤、ならびにこれらの賦形剤それぞれの分量を容易に決定することができる。薬学的に許容可能な担体および賦形剤の特定の例は、Handbook of Pharmaceutical Excipients、American Pharmaceutical Association (1986)に記載されている。
【0276】
好ましい実施形態において、成形セグメント(S)は、崩壊剤を含有しない。
【0277】
好ましくは、成形セグメント(S)は、酸化防止剤を更に含む。適切な酸化防止剤には、アスコルビン酸、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、アスコルビン酸の塩、モノチオグリセロール、亜リン酸、ビタミンC、ビタミンEおよびこれらの誘導体、安息香酸コニフェリル、ノルジヒドログアヤレト酸、ガルス酸エステル、亜硫酸水素ナトリウム、特に好ましくはブチルヒドロキシトルエンまたはブチルヒドロキシアニソールおよびα−トコフェロールが含まれる。酸化防止剤は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、好ましくは0.01wt%〜10wt%、より好ましくは0.03wt%〜5wt%、最も好ましくは0.05wt%〜2.5wt%の分量で存在する。
【0278】
好ましい実施形態において、成形セグメント(S)は、酸、好ましくはカルボン酸、より好ましくはマルチカルボン酸(multicarboxylic acid)、特にクエン酸を更に含む。酸の含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、好ましくは0.01wt%〜約20wt%の範囲、より好ましくは0.02wt%〜約10wt%の範囲、なおより好ましくは0.05wt%〜約5wt%の範囲、最も好ましくは0.1wt%〜約1.0wt%の範囲である。
【0279】
好ましい実施形態において、成形セグメント(S)は、少なくとも1つの滑沢剤を含有する。別の好ましい実施形態において、成形セグメント(S)は、滑沢剤を含有しない。
【0280】
とりわけ好ましい滑沢剤は、
−ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムおよびステアリン酸;
−グリセロールのモノ、ジおよびトリエステルと、200〜4000g/molの範囲内の分子量を有するマクロゴールのジおよびモノエステル、例えば、マクロゴールグリセロールカプリロカプレート、マクロゴールグリセロールラウレート、マクロゴールグリセロロココエート(macrogolglycerolococoate)、マクロゴールグリセロールリノレート、マクロゴール−20−グリセロールモノステアレート、マクロゴール−6−グリセロールカプリロカプレート、マクロゴールグリセロールオレエート、マクロゴールグリセロールステアレート、マクロゴールグリセロールヒドロキシステアレートおよびマクロゴールグリセロールリジノレエートとの混合物などの、ポリオキシエチレングリセロール脂肪酸エステル;
−商標名「Labrasol」として知られており、市販されているものなどの、ポリグリコール化グリセリド;
−セチルアルコール、ステアリルアルコール、セチルステアリルアルコール、2−オクチルドデカン−1−オールおよび2−ヘキシルデカン−1−オールなどの、直鎖または分岐鎖でありうる脂肪アルコール;ならびに
−10,000〜60,000g/molの間の分子量を有するポリエチレングリコール
から選択される。
【0281】
特に好ましい滑沢剤は、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウムおよびステアリルアルコールまたはこれらの混合物を含む。
【0282】
好ましくは、滑沢剤の含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、0.01wt%〜約10または15wt%の範囲、より好ましくは0.05wt%〜約7.5wt%の範囲、最も好ましくは0.1wt%〜約5wt%または1.5wt%〜約4wtの範囲、特に0.1wt%〜約1wt%または3.5〜約5.5wt%の範囲である。
【0283】
成形セグメント(S)が1つを超える滑沢剤を含有する場合、好ましくは、滑沢剤の総含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、3wt%〜約20wt%の範囲、より好ましくは5wt%〜約15wt%の範囲、最も好ましくは7wt%〜約12wt%の範囲、特に8wt%〜約10wt%の範囲である。
【0284】
好ましくは、成形セグメント(S)は、可塑剤を更に含む。可塑剤は、持続性放出マトリックス材料の加工性を改善する。好ましい可塑剤は、ポリエチレングリコールのようなポリアルキレングリコール、クエン酸トリエチル(TEC)、トリアセチン、脂肪酸、脂肪酸エステル、ロウおよび/または微晶質ロウである。特に好ましい可塑剤は、PEG6000などのポリエチレングリコールである。更に特に好ましい可塑剤は、クエン酸トリエチル(TEC)、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウムおよびステアリルアルコールまたはこれらの混合物を含む。
【0285】
好ましくは、可塑剤の含有量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、0.5〜30wt%、より好ましくは1.0〜25wt%、なおより好ましくは2.5wt%〜22.5wt%、なおより好ましくは5.0wt%〜20wt%、最も好ましくは6〜20wt%、特に7wt%〜17.5wt%の範囲内である。
【0286】
成形セグメント(S)が1つを超える可塑剤を含有する場合、好ましくは、可塑剤の総量は、成形セグメント(S)の総重量に基づいて、3wt%〜約20wt%、より好ましくは5wt%〜約20wt%または約15wt%の範囲、最も好ましくは7wt%〜約20wt%または約12wt%の範囲、特に8wt%〜約20wt%または約10wt%の範囲の範囲にある。
【0287】
可塑剤は、時々、滑沢剤として作用することができ、滑沢剤は、時々、可塑剤として作用することができる。
【0288】
好ましくは、成形セグメント(S)は、増量剤/結合剤を更に含む。好ましい増量剤/結合剤は、セルロース、セルロースエーテルおよびセルロースエステルなどのセルロース誘導体、ならびにリン酸三カルシウムから選択される。特に好ましい増量剤/結合剤は、セルロースエステルおよびセルロースエーテル、特にヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)から選択される。
【0289】
増量剤/結合剤、好ましくはHPMCの含有量は、成形セグメント(S)の総重量に対して、好ましくは0.1wt%〜約30wt%、より好ましくは1.0wt%〜約20wt%の範囲、最も好ましくは2.0wt%〜約15wt%の範囲の範囲にある。
【0290】
好ましい実施形態において、エタノール水溶液における任意の溶解度を有しうる第1の薬理活性成分(A)のほかに、成形セグメント(S)の総重量に対して、本発明の成形セグメント(S)は、好ましくは最大で25wt%、より好ましくは最大で20wt%、なおより好ましくは最大で15wt%、なおより好ましくは最大で10wt%、さらにより好ましくは最大で5.0wt%、最も好ましくは最大で2.5wt%、特に最大で1.0wt%の、少なくとも100mg/mlの溶解度、より好ましくは少なくとも75g/mlの溶解度、なおより好ましくは少なくとも50mg/mlの溶解度、なおより好ましくは少なくとも25mg/mlの溶解度、さらにより好ましくは少なくとも10mg/mlの溶解度、最も好ましくは少なくとも5.0mg/mlの溶解度、特に少なくとも1.0mg/mlの溶解度をエタノール水溶液(40vol%)において室温で有する、成分(持続性放出マトリックス材料、賦形剤など)を含有する。
【0291】
成形セグメント(S)の総重量に対する、第1の薬理活性成分(A)、持続性放出マトリックス材料および賦形剤の好ましい含有量を、本明細書下記の表に実施形態B〜B28としてまとめる。
【0292】
【表1】
【0293】
【表2】
【0294】
【表3】
【0295】
【表4】
【0296】
【表5】
【0297】
【表6】
【0298】
【表7】
【0299】
成形セグメント(S)は、第1の薬理活性成分(A)の持続性放出を提供する。好ましくは、持続性放出マトリックスは、成形セグメント(S)からの第1の薬理活性成分(A)の持続性放出を提供する。
【0300】
好ましくは、インビトロ条件下において、医薬剤形は、30分後に0.1〜75%、240分後に0.5〜95%、480分後に1.0〜100%、720分後に2.5〜100%の第1の薬理活性成分(A)を放出した。
【0301】
適切なインビトロ条件は、当業者に公知である。この点において、例えばヨーロッパ薬局方を参照することができる。好ましくは、放出プロファイルは、以下の条件:シンカーを備えていないパドル装置、50rpm、37±5℃、600mLの模擬腸液pH6.8(リン酸緩衝液)またはpH4.5によって測定される。好ましい実施形態において、パドルの回転速度は、75rpmに増加される。別の好ましい実施形態において、放出プロファイルは、以下の条件:バスケット方法、75rpm、37±5℃、600mLの0.1N HCl、または600mLのSIF sp(pH6.8)、または600mLの0.1N HCl+40%エタノールによって決定される。
【0302】
好ましい放出プロファイルR〜Rを、本明細書下記の表にまとめる[全てのデータは、放出された第1の薬理活性成分(A)のwt%]。
【0303】
【表8】
【0304】
更に好ましい放出プロファイルR〜R13を、本明細書下記の表にまとめる[全てのデータは、放出された第1の薬理活性成分(A)のwt%]。
【0305】
【表9】
【0306】
特に好ましい実施形態では、ヨーロッパ薬局方に準じたバスケット方法を75rpmで使用する、600mLの0.1N HClのインビトロ条件下において、生理学的な条件下で1時間後、医薬剤形は、医薬剤形に元々含有されていた第1の薬理活性成分(A)の総量に対して、最大で50%、より好ましくは最大で45%、なおより好ましくは最大で40%、なおより好ましくは最大で30%、さらにより好ましくは最大で28%、最も好ましくは最大で25%、特に最大で23%の第1の薬理活性成分(A)を放出した。
【0307】
好ましくは、放出プロファイル、第1の薬理活性成分(A)および任意選択で存在する、成形セグメント(S)の医薬賦形剤は、貯蔵において、好ましくは高温、例えば40℃での密閉容器中に3か月間の貯蔵において安定している。
【0308】
放出プロファイルに関連して、「安定」とは、好ましくは、初期放出プロファイルを貯蔵後の放出プロファイルと任意の所定の時点で比較すると、放出プロファイルが、20%以下、より好ましくは15%以下、なおより好ましくは10%以下、なおより好ましくは7.5%以下、最も好ましくは5.0%以下、特に2.5%以下の偏差を互いに有することを意味する。
【0309】
薬理活性成分および医薬賦形剤に関連して、「安定」とは、好ましくは、セグメントおよび医薬剤形が医薬品の貯蔵寿命に関するEMAの要件を満たしていることを意味する。
【0310】
好ましくは4週間、より好ましくは6か月間の40℃および75%の相対湿度での貯蔵後、成形セグメント(S)および医薬剤形それぞれの第1の薬理活性成分(A)の含有量は、貯蔵前の元々の含有量の少なくとも98.0%、より好ましくは少なくとも98.5%、なおより好ましくは少なくとも99.0%、なおより好ましくは少なくとも99.2%、最も好ましくは少なくとも99.4%、特に少なくとも99.6%の量になる。
【0311】
成形セグメント(S)は、更なるセグメント(S)より高い破壊強さを示す。更に、成形セグメント(S)は、500Nを超える破壊強さを示す。
成形セグメント(S)が粒子状である場合、好ましくは、個々の粒子の少なくとも一部、すなわち少なくとも1個の成形セグメント(S)は、500Nを超える破壊強さを有する。
【0312】
好ましくは、機械的特性、特に破壊強さは、持続性放出マトリックス材料の存在および空間分布に実質的に依存しているが、典型的には、その単なる存在だけでは前記の特性を達成するために十分ではない。有益な機械的特性は、第1の薬理活性成分(A)、持続性放出マトリックス材料および任意選択で更なる賦形剤を、医薬剤形の従来の調製方法を用いて単に加工することによって自動的に達成されうるものではない。事実、通常は、適切な装置を調製のために選択しなければならず、重要な加工パラメーター、特に圧力/力、温度および時間を調整しなければならない。したがって、従来の装置が使用される場合であっても、プロセスプロトコールを、必要とされる基準に合わせるために、通常、適合させなければならない。
【0313】
一般に、望ましい特性は、成形セグメント(S)の調製の際に、
−適切な構成成分が
−適切な量で、
−十分な圧力に、
−十分な温度で、
−十分な時間にわたって
曝露されたときにおいてのみ、得ることができる。
【0314】
したがって、使用される装置にかかわらず、プロセスプロトコールを、必要とされる基準に合わせるために適合させなければならない。したがって、破壊強さは、組成と分けることができる。
【0315】
成形セグメント(S)は、500Nを超える破壊強さを有する。好ましくは、成形セグメント(S)は、少なくとも600N、より好ましくは少なくとも700N、なおより好ましくは少なくとも800N、なおより好ましくは少なくとも1000N、最も好ましくは少なくとも1250N、特に少なくとも1500Nの破壊強さを有する。
【0316】
医薬剤形またはセグメントの「破壊強さ」(破砕に対する抵抗力)は、当業者に公知である。この点において、例えば、W.A. Ritschel、Die Tablette、2. Auflage、Editio Cantor Verlag Aulendorf、2002(非特許文献1)、H Liebermannら、Pharmaceutical dosage forms: Pharmaceutical dosage forms、Vol. 2、Informa Healthcare;第2版、1990およびEncyclopedia of Pharmaceutical Technology、Informa Healthcare;第1版を参照することができる。
【0317】
本明細書の目的において、破壊強さは、好ましくは、医薬剤形およびセグメントをそれぞれ破断するために必要な力の量(=破壊力)と定義される。したがって、本明細書の目的において、医薬剤形およびセグメントは、それぞれ、破壊されるとき、すなわち互いに分離される少なくとも2つの独立した部分に破断されるとき、望ましい破壊強さを好ましくは示していない。しかし別の好ましい実施形態において、医薬剤形およびセグメントは、それぞれ、測定の際に測定された最高の力から力が25%(閾値)減少する場合に、破壊されたと考慮される(下記を参照すること)。
【0318】
医薬剤形がカプセル剤、例えば硬ゼラチンカプセル剤である場合、カプセル剤の真の定量的な破壊強さを測定することは困難であり、カプセル剤が、その柔軟性のために測定の過程において破断しないことも起こりうる。従来のカプセル剤は、破壊強さの増加を明らかに全く示さないので、本明細書の目的において、カプセル剤の定量的な破壊強さは、好ましくは0Nと考えることができる。
【0319】
本発明の成形セグメント(S)は、その破壊強さに起因して、例えば、乳棒および乳鉢、ハンマー、木槌または他の微粉砕の通常の手段などの従来の手段により、この目的のための開発された特定のデバイス(医薬剤形破砕機)において力を適用することにより微粉砕することができない点において、従来の医薬剤形および粒子状またはモノリスのセグメントと、それぞれ区別される。この点において、「微粉砕」は、小さな粒子に崩すことを意味する。微粉砕の回避は、経口または非経口、特に静脈内または経鼻乱用を実質的に除外する。
【0320】
好ましくは、成形セグメント(S)は、改変防止性であり、摩砕に対して抵抗力を提供する。
【0321】
従来の医薬剤形および粒子状またはモノリスのセグメントは、それぞれ、典型的には200Nをはるかに下回る破壊強さを有する。
【0322】
従来の丸形医薬剤形/粒子状またはモノリスのセグメントの破壊強さは、以下の実験式から推定することができる。
破壊強さ[N]=10×医薬剤形/微粒子の直径[mm]
【0323】
したがって前記の実験式によると、少なくとも300Nの破壊強さを有する丸形医薬剤形/粒子状またはモノリスのセグメントは、少なくとも30mmの直径を必要とする。しかし、そのような粒子は、嚥下することができず、複数のそのような粒子を含有する医薬剤形は言うまでもないことである。上記の実験式は、従来のものではなく、かなり特別なものである本発明の成形セグメント(S)には、好ましくは適用されない。
【0324】
更に、実際の平均咀嚼力は、約220Nである(例えば、P.A. Proeschelら、J Dent Res、2002、81(7)、464〜468を参照すること)。このことは、それぞれ200Nをはるかに下回る破壊強さを有する従来の医薬剤形および粒子が、自然の咀嚼により破砕されうること、一方、本発明の成形セグメント(S)が、好ましくは破砕されえないことを意味する。
【0325】
なお更に、約9.81m/sの重力加速度を適用すると、300Nは30kgを超える重力に相当し、すなわち、本発明の成形セグメント(S)は、微粉砕されることなく30kgを超える重量に好ましくは耐えることができる。
【0326】
破壊強さを測定する方法は、当業者に公知である。適切なデバイスは市販されている。
【0327】
例えば、破壊強さ(破砕に対する抵抗力)は、ヨーロッパ薬局方5.0,2.9.8または6.0,2.09.08「医薬剤形の破砕に対する抵抗力」に従って測定することができる。セグメントを、医薬剤形と同じまたは同様の破壊強さ試験に付すことができる。試験は、破砕により分断するために必要な力で測定した、医薬剤形、セグメントおよび個々の粒子それぞれの破砕に対する抵抗力を、確定された条件下において決定することが意図される。装置は、互いに対向する、一方が他方に向かって移動する、2つのあごから構成される。あごの平坦面は、移動の方向に対して垂直である。あごの破砕面は、平坦であり、医薬剤形、セグメントおよび個々の粒子それぞれの接触区域よりも大きい。装置は、1ニュートンの精度の系を使用して目盛り付けされている。医薬剤形、セグメントおよび粒子は、適切な場合には各医薬剤形、セグメントおよび粒子それぞれの測定のために形状、割線(break−mark)および銘刻を、力の適用方向(および破壊強さが測定される伸びの方向)に対して同じように配列することを考慮して、それぞれあごの間に配置される。測定は、全ての破片がそれぞれの決定の前に全て除去されるように注意しながら、10個の医薬剤形、セグメントおよび粒子それぞれに対して実施される。結果は、測定された力の平均、最小および最大値で表され、全てニュートンで表される。
【0328】
破壊強さ(破壊力)についての同様の記載を米国薬局方において見出すことができる。破壊強さは、そこに記載されている方法に従って代替的に測定することができ、そこには、破壊強さは、医薬剤形、セグメントおよび個々の粒子をそれぞれ特定の平面において破損(すなわち、破壊)させるために必要な力と記述されている。医薬剤形、セグメントおよび個々の粒子は、それぞれ、一方が移動して医薬剤形、セグメントおよび個々の粒子のそれぞれに十分な力を適用して破断を引き起こす、2つのプラテンの間に一般に配置される。従来の丸形(円形断面)医薬剤形、セグメントおよび個々の粒子それぞれにおいて、荷重は、直径にわたって生じ(時々、直径荷重(diametral loading)と呼ばれる)、破断は平面に生じる。医薬剤形、セグメントおよび個々の粒子それぞれの破壊力は、薬学文献において一般的に硬度と呼ばれるが、この用語使用は誤解を招きやすい。材料科学では、硬度という用語は、小型プローブによる貫通または押込に対する表面の抵抗力を指す。破砕強さという用語も、圧縮荷重の適用に対する医薬剤形、セグメントおよび個々の粒子それぞれの抵抗力を記載するために頻繁に使用されている。この用語は、硬度よりも正確に試験の真の性質を記載しているが、医薬剤形、セグメントおよび個々の粒子それぞれが試験の際に実際に破砕することを示唆しているが、多くの場合にそのようなことはない。
【0329】
あるいは、破壊強さ(破砕に対する抵抗力)は、WO2008/107149に従って測定することができ、ヨーロッパ薬局方に記載されている方法の改変とみなすことができる。測定に使用される装置は、好ましくは「Zwick Z2.5」材料試験器であり、Fmax=2.5kNであり、最大延伸の1150mmを有し、1本のカラムと1個のスピンドルが設置され、後部すきまは100mmであり、試験速度は0.1〜800mm/分の間で調節可能であり、testControlソフトウエアを伴っている。測定は、ねじ込み式インサートを有する圧力ピストン、およびシリンダー(直径10mm)、Fmax 1kN、直径=8mm、クラス0.5では10Nから、クラス1では2NからISO7500−1、DIN55350−18に準じた製造会社の検査証Mを有する力変換器を使用して実施され(Zwick総力Fmax=1.45kN)(全ての装置は、Zwick GmbH & Co.KG,Ulm,Germany製)、試験器の注文番号はBTC−FR2.5TH.D09であり、力変換器の注文番号はBTC−LC0050N.P01であり、心立デバイスの注文番号はBO70000S06である。
【0330】
好ましい実施形態において、医薬剤形、セグメントおよび個々の粒子は、それぞれ、少なくとも2つの別個の片に破断されると、破壊されたと考慮される。
【0331】
本発明の成形セグメント(S)は、好ましくは、広範囲の温度にわたる機械的強度を示し、破壊強さ(破砕に対する抵抗力)に加えて、任意選択で、十分な硬度、耐衝撃性、衝撃弾性(impact elasticity)、引張り強さ、および/または弾性率も、任意選択で、低温(例えば、−24℃未満、−40℃未満もしくは可能であれば液体窒素中)においても示し、このため、自然な咀嚼、乳鉢における摩砕、叩きつぶしなどより微粉砕することが実質的に不可能である。したがって、好ましくは、本発明の成形セグメント(S)の比較的高い破壊強さは、低および超低温であっても、例えば、医薬剤形が、脆性を増加させるために、例えば−25℃未満、−40℃未満、さらには液体窒素の温度に最初に冷却されても維持される。
【0332】
本発明の成形セグメント(S)は、ある程度の破壊強さによって特徴付けられる。このことは、ある程度の硬度も示さなければならないことを意味しない。硬度と破壊強さは異なる物理的特性である。したがって、成形セグメント(S)の好ましい改変防止性は、成形セグメント(S)の硬度に必ずしも依存するものではない。例えば、その破壊強さ、衝撃強さ、弾性率および引張り強さのそれぞれに起因して、成形セグメント(S)は、例えば、ハンマーを使用した外力を及ぼしたとき、例えば可塑的に変形しうるが、微粉砕される、すなわち多数の破片に崩されることはない。換言すると、本発明の成形セグメント(S)は、ある程度の破壊強さによって特徴付けられるが、必ずしもある程度の形態安定性によって特徴付けられるものではない。
【0333】
したがって、本明細書の意味において、力に曝露されたときに特定の伸び方向に変形されるが、破壊しない(塑性変形または塑性流動)医薬剤形、セグメントおよび個々の粒子は、それぞれ、好ましくは、前記の伸び方向において望ましい破壊強さを有すると考慮される。
【0334】
好ましい医薬剤形、セグメントおよび個々の粒子は、それぞれ、当該技術分野において現在許容されている試験法によって決定される適切な引張り強さを有するものである。更なる医薬剤形、セグメントおよび個々の粒子は、それぞれ、当該技術分野の試験法によって決定されるヤング率を有するものである。なお更なる医薬剤形、セグメントおよび個々の粒子は、それぞれ、許容可能な破断点伸びを有するものである。
【0335】
好ましい実施形態において、成形セグメント(S)は、改変防止性であり、摩砕に対する抵抗力、および/または溶媒抽出に対する抵抗力、および/またはエタノール水溶液への用量ダンピングに対する抵抗力を提供する。
【0336】
改変防止性とは、好ましくは、成形セグメント(S)が、
(i)好ましくは、溶媒抽出に対する抵抗力を提供すること、および/または
(ii)好ましくは、摩砕に対する抵抗力を提供すること、および/または
(iii)好ましくは、エタノール水溶液への用量ダンピングに対する抵抗力を提供すること
を意味する。
【0337】
したがって、本発明の成形セグメント(S)は、必ずしも(i)〜(iii)の抵抗力のいずれかを示す必要はないが、好ましくは(i)〜(iii)の抵抗力のいずれか、ならびのこれらの任意の組合せ、すなわち、(i)のみ、(ii)のみ、(iii)のみ、(i)と(ii)のみの組合せ、(i)と(iii)のみの組合せ、(ii)と(iii)のみの組合せ、または(i)と(ii)と(iii)の組合せを示してもよい。
【0338】
好ましくは、第1の薬理活性成分(A)の持続性放出は、成形セグメント(S)に含有された持続性放出マトリックスにより達成され、この持続性放出マトリックスは、溶媒抽出に対する抵抗力、摩砕に対する抵抗力およびエタノール水溶液への用量ダンピングに対する抵抗力に関して改変防止性を追加的に提供する。
【0339】
本明細書で使用されるとき、用語「改変防止性」は、従来の方法による、特に経鼻および/または静脈内投与による誤使用または乱用に適した形態への変換に対する抵抗力がある医薬剤形またはセグメントを指す。
【0340】
この点において、医薬剤形は、それ自体は乳鉢における摩砕またはハンマーを用いる破砕などの従来の方法により破砕されうる。しかし、医薬剤形に含有された成形セグメント(S)は、好ましくは、従来の方法により更に微粉砕されえないような機械的特性を示す。成形セグメント(S)は、巨視的サイズであり、薬理活性成分を含有しているので、経鼻投与することができず、それよって医薬剤形を改変防止性にしている。
【0341】
更に、ハンマーまたは乳鉢を用いて医薬剤形の分断を試みると、成形セグメント(S)は、互いに接着する傾向があり、それによって凝集体および凝集塊をそれぞれ形成し、未処理粒子よりも大きなサイズになる。
【0342】
好ましくは、成形セグメント(S)の持続性放出マトリックスは、溶媒抽出に対する抵抗力を提供する。
【0343】
好ましくは、静脈内投与による乱用に適した製剤を調製するために医薬剤形の改変を試みると、シリンジを用いて室温で残部から分離することができる製剤の液体部分は、可能な限り少なく、元々含有されていた第1の薬理活性成分(A)の、好ましくは45または40wt%以下、より好ましくは35wt%以下、なおより好ましくは30wt%以下、なおより好ましくは25wt%以下、さらにより好ましくは20wt%以下、最も好ましくは15wt%以下、特に10wt%以下を含有する。
【0344】
好ましくは、この特性は、(i)無傷であるか、または手作業で粉砕されている医薬剤形を、精製水またはエタノール水溶液(40vol%)のいずれかの溶媒の5mlにスプーン2杯の量を分注すること、(ii)分散体を室温で10分間放置すること、(iii)高温の液体をシリンジ(タバコフィルターを備えた針21G)に引き込むこと、(iv)シリンジ内の液体に含有された薬理活性成分の量を決定することによって試験される。
【0345】
好ましくは、本発明の医薬剤形に含有されている成形セグメント(S)の持続性放出マトリックスは、摩砕に対する抵抗力を提供する。
【0346】
好ましくは、成形セグメント(S)が市販のコーヒーミル、好ましくはBosch MKM6000、180W、Typ KM13型で2分間にわたって処理される場合、このようにして得られた材料の総重量の42±17.5wt%、より好ましくは42±15wt%、なおより好ましくは42±12.5wt%、なおより好ましくは42±10wt%、さらにより好ましくは42±7.5wt%、最も好ましくは42±5wt%、特に42±2.5wt%が、1.000mmのメッシュサイズを有する篩を通過しない。
【0347】
好ましくは、成形セグメント(S)が市販のコーヒーミル、好ましくはBosch MKM6000、180W、Typ KM13型で2分間にわたって処理される場合、このようにして得られた材料の総重量の57±17.5wt%、より好ましくは57±15wt%、なおより好ましくは57±12.5wt%、なおより好ましくは57±10wt%、さらにより好ましくは57±7.5wt%、最も好ましくは57±5wt%、特に57±2.5wt%が、1.000mmのメッシュサイズを有する篩を通過しない。
【0348】
好ましくは、成形セグメント(S)が市販のコーヒーミル、好ましくはBosch MKM6000、180W、Typ KM13型で2分間にわたって処理される場合、このようにして得られた材料の総重量の少なくとも50wt%、より好ましくは少なくとも55wt%、なおより好ましくは少なくとも60wt%、なおより好ましくは少なくとも65wt%、さらにより好ましくは少なくとも70wt%、最も好ましくは少なくとも75wt%、特に少なくとも80wt%が、1.000mmのメッシュサイズを有する篩を通過しない。
【0349】
好ましくは、医薬剤形が市販のコーヒーミル、好ましくはBosch MKM6000、180W、Typ KM13型で2分間にわたって処理される場合、このようにして得られた材料の総重量の42±17.5wt%、より好ましくは42±15wt%、なおより好ましくは42±12.5wt%、なおより好ましくは42±10wt%、さらにより好ましくは42±7.5wt%、最も好ましくは42±5wt%、特に42±2.5wt%が、1.000mmのメッシュサイズを有する篩を通過しない。
【0350】
好ましくは、医薬剤形が市販のコーヒーミル、好ましくはBosch MKM6000、180W、Typ KM13型で2分間にわたって処理される場合、このようにして得られた材料の総重量の57±17.5wt%、より好ましくは57±15wt%、なおより好ましくは57±12.5wt%、なおより好ましくは57±10wt%、さらにより好ましくは57±7.5wt%、最も好ましくは57±5wt%、特に57±2.5wt%が、1.000mmのメッシュサイズを有する篩を通過しない。
【0351】
好ましくは、医薬剤形が市販のコーヒーミル、好ましくはBosch MKM6000、180W、Typ KM13型で2分間にわたって処理される場合、このようにして得られた材料の総重量の少なくとも50wt%、より好ましくは少なくとも55wt%、なおより好ましくは少なくとも60wt%、なおより好ましくは少なくとも65wt%、さらにより好ましくは少なくとも70wt%、最も好ましくは少なくとも75wt%、特に少なくとも80wt%が、1.000mmのメッシュサイズを有する篩を通過しない。
【0352】
摩砕された医薬剤形の粒径分布は、好ましくは篩分析によって決定される。
【0353】
好ましい実施形態において、上記に記載されたように市販のコーヒーミルにより処理された後、摩砕された成形セグメント(S)および医薬剤形それぞれの55%を超える、より好ましくは60%を超える、なおより好ましくは65%を超える、なおより好ましくは70%を超える、最も好ましくは75%を超える、特に80%を超える粒子は、0.2〜3.3nm、より好ましくは0.4〜3.1nm、最も好ましくは0.6〜2.9、特に0.7〜2.8nmの範囲のサイズを有する。
【0354】
好ましい粒径分布P〜Pを本明細書下記の表にまとめる。
【0355】
【表10】
【0356】
好ましくは、本発明の医薬剤形に含有されている成形セグメント(S)の持続性放出マトリックスは、エタノール水溶液への用量ダンピングに対する抵抗力を提供する。
【0357】
医薬剤形は、0%、20%および40%のエタノール/模擬胃液を使用しインビトロで試験して、アルコール抽出性を評価することができる。試験は、好ましくは、存在する第1の薬理活性成分(A)の検出のために適切な波長のUVをPerkin Elmer UV/VIS Spectrometer Lambda 20で使用し、標準的な手順、例えば、米国薬局方の装置1(バスケット)または米国薬局方の装置2(パドル)を、例えば37℃で500mlの媒体において例えば50rpmにより使用して実施される。試料時点には、好ましくは0.5および1時間が含まれる。
【0358】
好ましくは、模擬胃液における37℃でのインビトロ放出プロファイルを、37℃でのエタノール/模擬胃液(40vol%)におけるインビトロ放出プロファイルと比較すると、エタノール/模擬胃液(40vol%)におけるインビトロ放出は、模擬胃液におけるインビトロ放出と比較して、好ましくは実質的に加速されていない。好ましくは、この点において、「実質的」とは、任意の所定の時点でのエタノール/模擬胃液(40vol%)におけるインビトロ放出は、模擬胃液におけるインビトロ放出と、+25%以下、より好ましくは+20%以下、なおより好ましくは+15%以下、なおより好ましくは+10%以下、さらにより好ましくは+7.5%以下、最も好ましくは+5.0%以下、特に+2.5%以下の相対的偏差があることを意味する。
【0359】
模擬胃液におけるインビトロ放出と比較したエタノール/模擬胃液(40vol%)のインビトロ放出の実質的な相対的加速は、本発明によって防止される。しかし、模擬胃液におけるインビトロ放出と比較したエタノール/模擬胃液(40vol%)のインビトロ放出の実質的な相対的減速、例えば−25%以上の相対的偏差は、可能なことがあり、望ましいことでもありうる。
【0360】
更なるセグメント(S)は、第2の薬理活性成分(A)を含み、その即時放出を提供する。
【0361】
好ましくは第2の薬理活性成分(A)は、第1の薬理活性成分(A)と異なる。
【0362】
好ましい実施形態において、第2の薬理活性成分(A)は、向精神作用を示さない。
【0363】
別の好ましい実施形態において、第2の薬理活性成分(A)は、WHOによるATC分類[M01A]、[M01C]、[N02B]および[N02C]から選択される。
【0364】
特に好ましい実施形態において、
(i)第1の薬理活性成分(A)は、向精神効果を有する、および/または
(ii)第2の薬理活性成分(A)は、WHOによるATC分類[M01A]、[M01C]、[N02B]および[N02C]から選択される。
【0365】
好ましくは、第2の薬理活性成分(A)は、アセチルサリチル酸、アロキシプリン、サリチル酸コリン、サリチル酸ナトリウム、サリチルアミド、サルサレート、エテンザミド、サリチル酸モルホリン、ジピロセチル、ベノリレート、ジフルニサル、サリチル酸カリウム、グアセチサル、カルバサラートカルシウム、サリチル酸イミダゾール、フェナゾン、メタミゾールナトリウム、アミノフェナゾン、プロピフェナゾン、ニフェナゾン、パラセタモール、フェナセチン、ブセチン、プロパセタモール、リマゾリウム、グラフェニン、フロクタフェニン、ビミノール、ネホパム、フルピルチン、ジコノチド、メトキシフルラン、ナビキシモルス、ジヒドロエルゴタミン、エルゴタミン、メチセルギド、リスリド、フルメドロキソン、スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、リザトリプタン、アルモトリプタン、エレトリプタン、フロバトリプタン、ピゾチフェン、クロニジン、イプラゾクロム、ジメトチアジン、オキセトロン、フェニルブタゾン、モフェブタゾン、オキシフェンブタゾン、クロフェゾン、ケブゾン、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、ゾメピラック、ジクロフェナク、アルクロフェナク、ブマジゾン、エトドラク、ロナゾラク、フェンチアザク、アセメタシン、ジフェンピラミド、オキサメタシン、プログルメタシン、ケトロラク、アセクロフェナク、ブフェキサマク、ピロキシカム、テノキシカム、ドロキシカム、ロルノキシカム、メロキシカム、イブプロフェン、ナプロキセン、ケトプロフェン、フェノプロフェン、フェンブフェン、ベノキサプロフェン、スプロフェン、ピルプロフェン、フルルビプロフェン、インドプロフェン、チアプロフェン酸、オキサプロジン、イブプロキサム、デクスイブプロフェン、フルノキサプロフェン、アルミノプロフェン、デクスケトプロフェン、ナプロキシノド、メフェナム酸、トルフェナム酸、フルフェナム酸、メクロフェナム酸、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブ、エトリコキシブ、ルミラコキシブ、ナブメトン、ニフルム酸、アザプロパゾン、グルコサミン、ベンジダミン、グルコサミノグリカンポリサルフェート、プロカゾン、オルゴテイン、ニメスリド、フェプラゾン、ジアセレイン、モルニフルメート、テニダップ、オキサセプロール、コンドロイチン硫酸、オキシシンコフェン、金チオリンゴ酸ナトリウム、金チオ硫酸ナトリウム、オーラノフィン、金チオグルコース、オーロチオプロール、ペニシラミン、ブシラミン、これらの生理学的に許容可能な塩、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される。
【0366】
好ましい実施形態において、第2の薬理活性成分(A)は、パラセタモール(アセトアミノフェン)またはイブプロフェン、より好ましくはパラセタモールである。
【0367】
特に好ましい実施形態において、第1の薬理活性成分(A)は、ヒドロコドンまたはその生理学的に許容可能な塩であり、第2の薬理活性成分(A)はパラセタモールである。
【0368】
第1の薬理活性成分(A)と第2の薬理活性成分(A)との好ましい組合せC〜C32を本明細書下記の表にまとめ、ここで第1の薬理活性成分(A)と第2の薬理活性成分(A)は、それぞれそれらの生理学的に許容可能な塩、特に塩酸塩も指す。
【0369】
【表11】
【0370】
第2の薬理活性成分(A)は、医薬剤形に治療有効量で存在する。一般に、治療有効量を構成する量は、使用される薬理活性成分、治療される状態、前記状態の重症度、治療される患者、および薬理活性成分が含有されている医薬剤形またはセグメントが、即時または遅延放出用に設計されているかによって変わる。
【0371】
第2の薬理学活性成分(A)の総含有量は、更なるセグメント(S)の総重量に基づいて、または医薬剤形の総重量に基づいて、好ましくは約0.01wt%〜約95wt%、より好ましくは約0.1wt%〜約80wt%、さらにより好ましくは約1.0wt%〜約50wt%、なおより好ましくは約1.5wt%〜約30wt%、最も好ましくは約2.0wt%〜20wt%の範囲である。
【0372】
好ましくは、第2の薬理活性成分(A)の総含有量は、医薬剤形の総重量に基づいて、0.01〜80wt%、より好ましくは0.1〜50wt%、なおより好ましくは1〜25wt%の範囲内である。好ましい実施形態において、第2の薬理活性成分(A)の総含有量は、医薬剤形の総重量に基づいて、20±15wt%、より好ましくは20±12wt%、なおより好ましくは20±10wt%、最も好ましくは20±7wt%、特に20±5wt%の範囲内である。好ましい実施形態において、第2の薬理活性成分(A)の総含有量は、医薬剤形の総重量に基づいて、30±15wt%、より好ましくは30±12wt%、なおより好ましくは30±10wt%、最も好ましくは30±7wt%、特に30±5wt%の範囲内である。好ましい実施形態において、第2の薬理活性成分(A)の総含有量は、医薬剤形の総重量に基づいて、40±15wt%、より好ましくは40±12wt%、なおより好ましくは40±10wt%、最も好ましくは40±7wt%、特に40±5wt%の範囲内である。好ましい実施形態において、第2の薬理活性成分(A)の総含有量は、医薬剤形の総重量に基づいて50±15wt%、より好ましくは50±12wt%、なおより好ましくは50±10wt%、最も好ましくは50±7wt%、特に50±5wt%の範囲内である。好ましい実施形態において、第2の薬理活性成分(A)の総含有量は、医薬剤形の総重量に基づいて60±15wt%、より好ましくは60±12wt%、なおより好ましくは60±10wt%、最も好ましくは60±7wt%、特に60±5wt%の範囲内である。
【0373】
好ましくは、第2の薬理活性成分(A)の総含有量は、更なるセグメント(S)の総重量に基づいて、0.01〜99.99wt%超、より好ましくは0.1〜99.9wt%、なおより好ましくは5〜95wt%の範囲内である。好ましい実施形態において、第2の薬理活性成分(A)の総含有量は、更なるセグメント(S)の総重量に基づいて、20±6wt%、30±6wt%または40±6wt%、より好ましくは20±5wt%、30±5wt%または40±5wt%、なおより好ましくは20±4wt%、30±4wt%または40±4wt%、最も好ましくは20±3wt%、30±3wt%または40±3wt%、特に20±2wt%、30±2wt%または40±2wt%の範囲内である。別の好ましい実施形態において、第2の薬理活性成分(A)の総含有量は、更なるセグメント(S)の総重量に基づいて、50±20wt%、60±20wt%、70±20wt%または80±20wt%、より好ましくは50±15wt%、60±15wt%、70±15wt%または80±15wt%、なおより好ましくは50±12wt%、60±12wt%、70±12wt%または80±12wt%、最も好ましくは50±10wt%、60±10wt%、70±10wt%または80±10wt%、特に50±5wt%、60±5wt%、70±5wt%または80±5wt%の範囲内である。なお別の好ましい実施形態において、第2の薬理活性成分(A)の総含有量は、更なるセグメント(S)の総重量に基づいて、90±10wt%、より好ましくは90±8wt%、なおより好ましくは90±6wt%、最も好ましくは90±4wt%、特に90±2wt%の範囲内である。
【0374】
更なるセグメント(S)および医薬剤形のそれぞれにおける第2の薬理活性成分(A)の総量は、制限されない。投与に適合されている第2の薬理活性成分(A)の総量は、好ましくは0.1mg〜2,000mg、または0.1mg〜1,000mg、または0.1mg〜500mgの範囲、より好ましくは1.0mg〜400mgの範囲、さらにより好ましくは5.0mg〜300mgの範囲、最も好ましくは10mg〜250mgの範囲である。好ましい実施形態において、更なるセグメント(S)および医薬剤形のそれぞれに含有されている第2の薬理活性成分(A)の総量は、10〜1,000mg、より好ましくは50〜900mg、なおより好ましくは100〜800mg、なおより好ましくは200〜600mg、最も好ましくは250〜500mg、特に300〜400mgの範囲内である。別の好ましい実施形態において、更なるセグメント(S)および医薬剤形のそれぞれに含有されている第2の薬理活性成分(A)の総量は、10〜500mg、より好ましくは12〜450mg、なおより好ましくは14〜400mg、なおより好ましくは16〜350mg、最も好ましくは18〜325mg、特に20〜300mgの範囲内である。
【0375】
好ましい実施形態において、第2の薬理活性成分(A)は、更なるセグメント(S)および医薬剤形のそれぞれに、7.5±5mg、10±5mg、20±5mg、30±5mg、40±5mg、50±5mg、60±5mg、70±5mg、80±5mg、90±5mg、100±5mg、110±5mg、120±5mg、130±5、140±5mg、150±5mg、160±5mg、170±5mg、180±5mg、190±5mg、200±5mg、210±5mg、220±5mg、230±5mg、240±5mgまたは250±5mgの量で含有されている。別の好ましい実施形態において、第2の薬理活性成分(A)は、更なるセグメント(S)および医薬剤形のそれぞれに、5±2.5mg、7.5±2.5mg、10±2.5mg、15±2.5mg、20±2.5mg、25±2.5mg、30±2.5mg、35±2.5mg、40±2.5mg、45±2.5mg、50±2.5mg、55±2.5mg、60±2.5mg、65±2.5mg、70±2.5mg、75±2.5mg、80±2.5mg、85±2.5mg、90±2.5mg、95±2.5mg、100±2.5mg、105±2.5mg、110±2.5mg、115±2.5mg、120±2.5mg、125±2.5mg、130±2.5mg、135±2.5mg、140±2.5mg、145±2.5mg、150±2.5mg、155±2.5mg、160±2.5mg、165±2.5mg、170±2.5mg、175±2.5mg、180±2.5mg、185±2.5mg、190±2.5mg、195±2.5mg、200±2.5mg、205±2.5mg、210±2.5mg、215±2.5mg、220±2.5mg、225±2.5mg、230±2.5mg、235±2.5mg、240±2.5mg、245±2.5mgまたは250±2.5mgの量で含有されている。なお別の好ましい実施形態において、第2の薬理活性成分(A)は、更なるセグメント(S)および医薬剤形のそれぞれに、250±10mg、275±10mg、300±10mg、325±10mg、350±10mg、375±10mg、400±10mg、425±10mg、450±10mg、475±10mg、500±10mg、525±10mg、550±10mg、575±10mgまたは600±10mgの量で含有されている。
【0376】
特に好ましい実施形態において、第2の薬理活性成分(A)は、パラセタモール(アセトアミノフェン)である。この実施形態において、パラセタモールは、好ましくは100〜600mg、より好ましくは150〜550mg、なおより好ましくは200〜500mg、最も好ましくは250〜450mg、特に275〜400mgの量で更なるセグメント(S)または医薬剤形に含有されている。
【0377】
別の特に好ましい実施形態において、第2の薬理活性成分(A)は、イブプロフェンである。この実施形態において、イブプロフェンは、好ましくは100〜600mg、より好ましくは150〜550mg、なおより好ましくは200〜500mg、最も好ましくは250〜450mg、特に275〜400mgの量で更なるセグメント(S)または医薬剤形に含有されている。
【0378】
好ましい実施形態において、第1の薬理活性成分(A)の総含有量と、第2の薬理活性成分(A)の総含有量との相対的な重量比[A:A]は、(8±1):1、より好ましくは(7±1):1、なおより好ましくは(6±1):1、なおより好ましくは(5±1):1、さらにより好ましくは(4±1):1、最も好ましくは(3±1):1、特に(2±1):1の範囲内である。
【0379】
なお別の好ましい実施形態において、第2の薬理活性成分(A)の総含有量と、第1の薬理活性成分(A)の総含有量との相対的な重量比[A:A]は、(8±1):1、より好ましくは(7±1):1、なおより好ましくは(6±1):1、なおより好ましくは(5±1):1、さらにより好ましくは(4±1):1、最も好ましくは(3±1):1、特に(2±1):1の範囲内である。
【0380】
更なるセグメント(S)は、第2の薬理活性成分(A)の即時放出を提供する。
【0381】
好ましくは、生理学的な条件下において、医薬剤形は、5分後に少なくとも10%、10分後に少なくとも20%、15分後に少なくとも30%、20分後に少なくとも40%、30分後に少なくとも60%、40分後に少なくとも70%、50分後に少なくとも80%、60分後に少なくとも90%または99%の第2の薬理活性成分(A)を放出した。
【0382】
適切なインビトロ条件は、当業者に公知である。この点において、例えばヨーロッパ薬局方を参照することができる。好ましくは、放出プロファイルは、以下の条件下において測定される。シンカーを備えていないパドル装置、50rpm、37±5℃、600mLの模擬腸液pH6.8(リン酸緩衝液)またはpH4.5。好ましい実施形態において、パドルの回転速度は、75rpmに増加される。別の好ましい実施形態において、放出プロファイルは、以下の条件:バスケット方法、75rpm、37±5℃、600mLの0.1N HCl、または600mLのSIF sp(pH6.8)、または600mLの0.1N HCl+40%エタノールによって決定される。
【0383】
特に好ましい実施形態では、ヨーロッパ薬局方に準じたバスケット方法を75rpmで使用する、600mLの0.1N HClのインビトロ条件下において、生理学的な条件下で1時間後、医薬剤形は、医薬剤形に元々含有されていたAの総量に対して、少なくとも60%、より好ましくは少なくとも65%、なおより好ましくは少なくとも70%、なおより好ましくは少なくとも75%、さらにより好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも85%、特に少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも99%の第2の薬理活性成分(A)を放出した。
【0384】
好ましくは、更なるセグメント(S)の含有量は、医薬剤形の総重量に基づいて、少なくとも2.5wt%、少なくとも5wt%、少なくとも7.5wt%または少なくとも10wt%;少なくとも12.5wt%、少なくとも15wt%、少なくとも17.5wt%または少なくとも20wt%;少なくとも22.5wt%、少なくとも25wt%、少なくとも27.5wt%または少なくとも30wt%;少なくとも32.5wt%、少なくとも35wt%、少なくとも37.5wt%または少なくとも40wt%;より好ましくは少なくとも42.5wt%、少なくとも45wt%、少なくとも47.5wt%または少なくとも50wt%;なおより好ましくは少なくとも52.5wt%、少なくとも55wt%、少なくとも57.5wt%または少なくとも60wt%;なおより好ましくは少なくとも62.5wt%、少なくとも65wt%、少なくとも67.5wt%または少なくとも60wt%;最も好ましくは少なくとも72.5wt%、少なくとも75wt%、少なくとも77.5wt%または少なくとも70wt%;特に少なくとも82.5wt%、少なくとも85wt%、少なくとも87.5wt%または少なくとも90wt%である。
【0385】
好ましくは、更なるセグメント(S)の含有量は、医薬剤形の総重量に基づいて、最大で90wt%、最大で87.5wt%、最大で85wt%または最大で82.5wt%;より好ましくは最大で80wt%、最大で77.5wt%、最大で75wt%または最大で72.5wt%;なおより好ましくは最大で70wt%、最大で67.5wt%、最大で65wt%または最大で62.5wt%;なおより好ましくは最大で60wt%、最大で57.5wt%、最大で55wt%または最大で52.5wt%;最も好ましくは最大で50wt%、最大で47.5wt%、最大で45wt%または最大で42.5wt%;特に最大で40wt%、最大で37.5wt%または最大で35wt%である。
【0386】
好ましくは、医薬剤形における成形セグメント(S)と更なるセグメント(S)との相対的な重量比は、成形セグメント(S)の総重量および更なるセグメント(S)の総重量に基づいて、1:10〜10:1、より好ましくは1:8〜8:1、なおより好ましくは1:7〜6:1、さらにより好ましくは1:6〜5:1、なおより好ましくは1:5〜4:1、最も好ましくは1:4〜3:1、特に1:3〜2:1、または1:2〜1:1である。
【0387】
更なるセグメント(S)は、任意選択で従来の医薬賦形剤を含むことができる。
【0388】
好ましくは、更なるセグメント(S)は、1つまたは複数の増量剤または結合剤を含む。多くの増量剤を結合剤とみなすことができ、その逆も同じであるので、本明細書の目的において、「増量剤/結合剤」は、増量剤、結合剤またはその両方として適する任意の賦形剤を指す。したがって、更なるセグメント(S)は、好ましくは増量剤/結合剤を含む。
【0389】
好ましい増量剤(=増量剤/結合剤)は、二酸化ケイ素(例えば、Aerosil(登録商標))、微晶質セルロース(例えば、Avicel(登録商標)、Elcema(登録商標)、Emocel(登録商標)、ExCel(登録商標)、Vitacell(登録商標));セルロースエーテル(例えば、Natrosol(登録商標)、Klucel(登録商標)、Methocel(登録商標)、Blanose(登録商標)、Pharmacoat(登録商標)、Viscontran(登録商標));マンニトール;デキストリン;デキストロース;リン酸水素カルシウム(例えば、Emcompress(登録商標));リン酸三カルシウム、マルトデキストリン(例えば、Emdex(登録商標));ラクトース(例えば、Fast−Flow Lactose(登録商標)、Ludipress(登録商標)、Pharmaceutical dosage formtose(登録商標)、Zeparox(登録商標));ポリビニルピロリドン(PVP)(例えば、Kollidone(登録商標)、Polyplasdone(登録商標)、Polydone(登録商標));サッカロース(例えば、Nu−Tab(登録商標)、Sugar Tab(登録商標));マグネシウム塩(例えば、MgCO、MgO、MgSiO);デンプンおよび前処理デンプン(例えば、Prejel(登録商標)、Primotab(登録商標)ET、Starch(登録商標)1500)からなる群から選択される。好ましい結合剤は、アルギン酸塩、キトサンおよび上記に記述された増量剤(=増量剤/結合剤)のいずれかからなる群から選択される。
【0390】
幾つかの増量剤/結合剤は、他の目的を果たすこともできる。例えば、二酸化ケイ素は滑剤として優れた機能を示すことが知られている。好ましくは、更なるセグメント(S)は、二酸化ケイ素などの滑剤を含む。
【0391】
好ましい実施形態において、更なるセグメント(S)における増量剤/結合剤または増量剤/結合剤の混合物の含有量は、更なるセグメント(S)の総重量に基づいて50±25wt%、より好ましくは50±20wt%、なおより好ましくは50±15wt%、なおより好ましくは50±10wt%、最も好ましくは50±7.5wt%、特に50±5wt%の範囲内である。別の好ましい実施形態において、更なるセグメント(S)における増量剤/結合剤または増量剤/結合剤の混合物の含有量は、更なるセグメント(S)の総重量に基づいて65±25wt%、より好ましくは65±20wt%、なおより好ましくは65±15wt%、なおより好ましくは65±10wt%、最も好ましくは65±7.5wt%、特に65±5wt%の範囲内である。なお別の好ましい実施形態において、更なるセグメント(S)における増量剤/結合剤または増量剤/結合剤の混合物の含有量は、更なるセグメント(S)の総重量に基づいて80±19wt%、より好ましくは80±17.5wt%、なおより好ましくは80±15wt%、なおより好ましくは80±10wt%、最も好ましくは80±7.5wt%、特に80±5wt%の範囲内である。別の好ましい実施形態において、更なるセグメント(S)における増量剤/結合剤または増量剤/結合剤の混合物の含有量は、更なるセグメント(S)の総重量に基づいて90±9wt%、より好ましくは90±8wt%、なおより好ましくは90±7wt%、なおより好ましくは90±6wt%、最も好ましくは90±5wt%、特に90±4wt%の範囲内である。
【0392】
好ましい実施形態において、医薬剤形における増量剤/結合剤または増量剤/結合剤の混合物の総含有量は、医薬剤形の総重量に基づいて25±24wt%、より好ましくは25±20wt%、なおより好ましくは25±16wt%、なおより好ましくは25±12wt%、最も好ましくは25±8wt%、特に25±4wt%の範囲内である。別の好ましい実施形態において、医薬剤形における増量剤/結合剤または増量剤/結合剤の混合物の総含有量は、医薬剤形の総重量に基づいて30±29wt%、より好ましくは30±25wt%、なおより好ましくは30±20wt%、なおより好ましくは30±15wt%、最も好ましくは30±10wt%、特に30±5wt%の範囲内である。なお別の好ましい実施形態において、医薬剤形における増量剤/結合剤または増量剤/結合剤の混合物の総含有量は、医薬剤形の総重量に基づいて35±34wt%、より好ましくは35±28wt%、なおより好ましくは35±22wt%、なおより好ましくは35±16wt%、最も好ましくは35±10wt%、特に35±4wt%の範囲内である。別の好ましい実施形態において、医薬剤形における増量剤/結合剤または増量剤/結合剤の混合物の総含有量は、医薬剤形の総重量に基づいて40±39wt%、より好ましくは40±32wt%、なおより好ましくは40±25wt%、なおより好ましくは40±18wt%、最も好ましくは40±11wt%、特に40±4wt%の範囲内である。
【0393】
好ましくは、増量剤/結合剤は、更なるセグメント(S)に含有されているが、本発明の医薬剤形の成形セグメント(S)には含有されていない。
【0394】
好ましくは、更なるセグメント(S)は、好ましくはステアリン酸カルシウム;ステアリン酸マグネシウム;グリセロールモノベヘネート(例えば、Compritol(登録商標));Myvatex(登録商標);Precirol(登録商標);Precirol(登録商標)Ato5;フマル酸ステアリルナトリウム(例えば、Pruv(登録商標));および滑石からなる群から選択される、1つまたは複数の希釈剤または滑沢剤を含む。ステアリン酸マグネシウムが特に好ましい。好ましくは、更なるセグメント(S)における滑沢剤の含有量は、更なるセグメント(S)の総重量に基づいて、または医薬剤形の総重量に基づいて、最大で10.0wt%、より好ましくは最大で7.5wt%、なおより好ましくは最大で5.0wt%、なおより好ましくは最大で2.0wt%、さらにより好ましくは最大で1.0wt%、最も好ましくは最大で0.5wt%である。
【0395】
好ましくは、更なるセグメント(S)は、好ましくはカルメロースおよびその塩、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、カルボキシメチルデンプンナトリウム(sodium carboxymethyl starch)、デンプングリコール酸ナトリウム(sodium starch glycolate)、部分アルファ化デンプンおよび低置換ヒドロキシプロプルセルロースからなる群から選択される1つまたは複数の崩壊剤を含む。クロスカルメロースが特に好ましい。好ましくは、更なるセグメント(S)における崩壊剤の含有量は、更なるセグメント(S)の総重量に基づいて、または医薬剤形の総重量に基づいて、最大で20.0wt%、より好ましくは最大で15wt%、なおより好ましくは最大で12.5wt%、なおより好ましくは最大で10wt%、さらにより好ましくは最大で8.0wt%、最も好ましくは6.0wt%〜8.0wt%の範囲内である。
【0396】
好ましくは、更なるセグメント(S)は、好ましくはLutrol F68などのポロキサマーからなる群から選択される1つまたは複数の分散剤または湿潤剤を含む。好ましくは、更なるセグメント(S)における分散剤または湿潤剤の含有量は、更なるセグメント(S)の総重量に基づいて、または医薬剤形の総重量に基づいて、最大で50wt%、より好ましくは最大で45wt%、なおより好ましくは最大で40wt%、なおより好ましくは最大で35wt%、さらにより好ましくは最大で30wt%、最も好ましくは最大で30wt%以内である。
【0397】
特に好ましい実施形態において、更なるセグメント(S)は、増量剤/結合剤と滑沢剤、任意選択で崩壊剤と、任意選択で分散剤/湿潤剤との組合せを含む。
【0398】
本発明の医薬剤形の更なるセグメント(S)は、当該技術分野において慣用の他の賦形剤、例えば、希釈剤、結合剤、顆粒化助剤、着色剤、芳香剤、滑剤、湿潤調整剤および崩壊剤を追加的に含有することができる。当業者は、これらの賦形剤それぞれの適切な分量を容易に決定することができる。
【0399】
しかし、好ましい実施形態において、第2の薬理活性成分(A)のほかに、本発明の医薬剤形の更なるセグメント(S)は、1つまたは複数の崩壊剤、1つまたは複数の増量剤/結合剤および1つまたは複数の滑沢剤からなり、その他の構成要素を含有しない。
【0400】
特に好ましい実施形態において、本発明の医薬剤形の更なるセグメント(S)は、1つまたは複数のゲル形成剤および/またはシリコーンを含有しない。
【0401】
好ましい実施形態において、本発明の医薬剤形の更なるセグメント(S)は、ポリアルキレンオキシド、アクリルポリマーまたはロウ状材料を含有しない。更なるセグメント(S)がポリアルキレンオキシド、アクリルポリマーおよび/またはロウ状材料を含有する場合、ポリアルキレンオキシド、アクリルポリマーおよびロウ状材料の総含有量は、更なるセグメント(S)の総重量に対して、好ましくは30wt%以下、より好ましくは25wt%以下、なおより好ましくは20wt%以下、なおより好ましくは15wt%以下、さらにより好ましくは10wt%以下、最も好ましくは5.0wt%以下、特に1.0wt%以下である。
【0402】
本明細書で使用されるとき、用語「ゲル形成剤」は、溶媒(例えば、水)と接触したとき、溶媒を吸収し、膨張して、粘性または半粘性物質を形成する化合物を指すために使用される。好ましいゲル形成剤は、架橋されていない。この物質は、水性と水性アルコールの両方の媒体において、埋め込まれた微粒子からの薬理活性成分の放出を和らげることができる。完全に水和されると、可溶化された薬理活性成分の量を含有することができ、かつシリンジへ引き込むことができる遊離溶媒の量を有意に低減する、および/または最小限にする濃い粘性溶液または分散体が、典型的に生成される。形成されるゲルは、ゲル構造内に薬理活性成分を閉じ込めることによって、溶媒により抽出可能な薬理活性成分の全体量を低減することもできる。したがって、ゲル形成剤は、本発明の医薬剤形に改変防止性を付与する重要な役割を果たすことができる。
【0403】
好ましくは更なるセグメント(S)に含有されないゲル形成剤には、薬学的に許容可能なポリマー、典型的にはヒドロゲルなどの親水性ポリマーが含まれる。ゲル形成剤の代表的な例には、ポリエチレンオキシドなどのポリアルキレンオキシド、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボマー、ポリ(ウロン)酸およびこれらの混合物が含まれる。
【0404】
任意選択の賦形剤は、エタノール水溶液への用量ダンピングに対する任意の実質的な抵抗力を、好ましくは更なるセグメント(S)に付与しない。この実施形態によると、更なるセグメント(S)は、ポリアルキレンオキシド、非イオン性アクリルポリマーまたはロウ状材料などの、エタノール水溶液への用量ダンピングに対する任意の有意な抵抗力を更なるセグメント(S)に付与する任意の化合物を、好ましくは含有しない。
【0405】
成形セグメント(S)は、更なるセグメント(S)により形成される外側マトリックス材料内に組み込まれていてもよい。巨視的な観点から、更なるセグメント(S)により形成される外側マトリックス材料は、好ましくは、成形セグメント(S)が埋め込まれている連続相を形成する。成形セグメント(S)が粒子状である場合、粒子は、好ましくは、更なるセグメント(S)により形成される外側マトリックス材料内に不連続相を形成する。
【0406】
定義の目的において、「外側マトリックス材料」は、好ましくは更なるセグメント(S)であり、したがって、好ましくは、第2の薬理活性成分(A)および任意選択で上記に既に記載された従来の医薬賦形剤を含む。
【0407】
好ましい実施形態において、更なるセグメント(S)は、第2の薬理活性成分(A)から本質的になり、すなわち、更なるセグメント(S)は、任意の医薬賦形剤を含まない。この実施形態によると、医薬剤形は、成形セグメント(S)が充填され、粉末状であっても、凝塊、例えば顆粒化していてもよく、好ましくは更なるセグメント(S)を外側マトリックス材料として形成している第2の薬理活性成分(A)が充填されている、好ましくはカプセル剤である。
【0408】
好ましくは、外側マトリックス材料は、均一の粉末状または凝集性の塊であり、好ましくは、モノリスまたは粒子状の成形セグメント(S)が埋め込まれている固体構成要素の均一混合物である。この実施形態によると、成形セグメント(S)が粒子状である場合、粒子状の成形セグメント(S)は、好ましくは空間的に互いに離されている。粒子状の成形セグメント(S)の表面は、互いに接触している、または少なくとも非常に近接していることが可能であるが、複数の粒子状の成形セグメント(S)を、好ましくは、医薬剤形内の単一連続凝集性塊とみなすことはできない。
【0409】
換言すると、成形セグメント(S)が粒子状であり、粒子が、更なるセグメント(S)により形成された外側マトリックス材料に含有されている場合、本発明の医薬剤形は、成形セグメント(S)の粒子を第1の種類の体積要素として、更なるセグメント(S)により形成された外側マトリックス材料を、成形セグメント(S)の粒子を形成する材料と異なり、好ましくは持続性放出マトリックスを含有しない第2の種類の体積要素として、好ましくは含む。
【0410】
成形セグメント(S)が、更なるセグメント(S)により形成された外側マトリックス材料に含有される場合、成形セグメント(S)のモノリスまたは粒子と外側マトリックス材料との相対的な重量比は、特に制限されない。好ましくは、前記相対的な重量比は、1:2.00±1.75、より好ましくは1:2.00±1.50、なおより好ましくは1:1.00±1.00、最も好ましくは1:1.00±0.75、特に1:1.00±0.50の範囲内である。
【0411】
更なるセグメント(S)は、同様に、粒子状の形態でもありうる。しかし更なるセグメント(S)が粒子状の形態である場合、粒子は、好ましくは熱成形されず、好ましくは合成または天然ポリマー(C)を含有しない。更なるセグメント(S)が、粒子状の形態である場合、粒子は、顆粒化および圧縮などの、粉末混合物からの凝集体および凝集塊の調製のための従来の方法により好ましくは得られる。
【0412】
更なるセグメント(S)は、成形セグメント(S)よりも低い破壊強さを示す。典型的には、更なるセグメントの破壊強さは、従来の剤形の破壊強さと比較して増加しておらず、すなわち、200Nをはるかに下回る。更なるセグメント(S)が粉末状である場合、粉末の「破壊強さ」は、従来の方法で測定することができないほど低い。したがって、本明細書の目的において、粉末の破壊強さは「0ニュートン」とみなすべきである。更なるセグメント(S)の破壊強さを「0ニュートン」と定量化する場合、更なるセグメントは、典型的には(自由流動性)粉末の形態で存在し、更なるセグメント(S)の破壊強さを「0ニュートン」を超える値で定量化する場合、このことは、これらの実施形態によると、更なるセグメント(S)が、顆粒化、圧縮、凝固、そうでなければ凝塊された物質の形態により、少なくとも幾らかの最低限の程度で存在するが、(自由流動性)粉末として存在しないことを示唆している。
【0413】
好ましい実施形態において、更なるセグメント(S)は、0Nから最大で500Nの範囲内の破壊強さを示す。好ましくは、更なるセグメント(S)は、0N〜450N、より好ましくは0N〜400N、なおより好ましくは0N〜350N、なおより好ましくは0N〜300N、最も好ましくは0N〜250N、特に0N〜200Nの範囲内の破壊強さを示す。
【0414】
医薬剤形の少なくとも1個の成形セグメント(S)は、医薬剤形の少なくとも1個の更なるセグメント(S)よりも高い破壊強さを示す。
【0415】
好ましくは、成形セグメント(S)の破壊強さは、更なるセグメント(S)の破壊強さより、相対的に少なくとも50N高い、より好ましくは少なくとも100N高い、なおより好ましくは少なくとも150N高い、なおより好ましくは少なくとも200N高い、さらにより好ましくは少なくとも250N高い、最も好ましくは少なくとも300N高い、特に少なくとも350N高い。
【0416】
好ましい実施形態において、更なるセグメント(S)は、最大で500N、より好ましくは最大で300N、なおより好ましくは最大で250N、なおより好ましくは最大で200N、さらにより好ましくは最大で150N、最も好ましくは最大で100N、特に最大で50Nの破壊強さを示す。
【0417】
この実施形態によると、第2の薬理活性成分(A)は、好ましくは、乱用される可能性を有さず、より好ましくは、第2の薬理活性成分(A)は、WHOによるATC分類[M01A]、[M01C]、[N02B]および[N02C]から選択され、最も好ましくは、第2の薬理活性成分(A)は、パラセタモールおよびイブプロフェンから選択される。
【0418】
一般に、高い破壊強さ、好ましくは、セグメントの破砕が妨げられるような高い破壊強さを示し、同時に、前記セグメントに含有されている薬理活性成分の即時放出を提供する任意のセグメントを提供することは、非常に困難である。これは、破壊強さが、薬理活性成分の放出を緩徐する放出マトリックス材料として作用するポリマーの存在に典型的に依存しているからである。したがって、前記薬理活性成分が乱用される可能性がある場合、高い破壊強さと、含有されている薬理活性成分の即時放出の組合せを示すセグメントを提供することのみが、意味を持つ。
【0419】
好ましい実施態様において、
(i)成形セグメント(S)は、好ましくは少なくとも750N、より好ましくは少なくとも1000N、最も好ましくは少なくとも1250N、特に少なくとも1500Nの破壊強さを示す;および/または
(ii)更なるセグメント(S)は、最大で500N、より好ましくは最大で300N、なおより好ましくは最大で250N、なおより好ましくは最大で200N、さらにより好ましくは最大で150N、最も好ましくは最大で100N、特に最大で50Nの破壊強さを示す。
【0420】
成形セグメント(S)と更なるセグメント(S)との異なる破壊強さのため、本発明の医薬剤形の破壊強さを測定する場合、少なくとも2つのステップを含有するディスタンス−フォース(distance−to−force)ダイアグラムを得ることができ、ディスタンス−フォースダイアグラムの第1のプラットフォームには、更なるセグメント(S)が破断したときに到達し、ディスタンス−フォースダイアグラムの第2のプラットフォームには、成形セグメント(S)が破断したときに到達する。しかし更なるセグメント(S)が粉末状の形態で存在する場合、「第1のプラットフォーム」は、ベースラインに相当し、すなわち目に見えない。更に、破壊強さ試験器の測定上限に応じて、成形セグメント(S)は、前記の上限に到達したときに破断しないこともある。
【0421】
好ましい実施形態において、医薬剤形の少なくとも1個の成形セグメント(S)は、成形セグメント(S)および更なるセグメント(S)を含む医薬剤形の全体よりも高い破壊強さを示す。この実施形態によると、医薬剤形の破壊強さは、医薬剤形を2つ以上の破片に破断するために必要な力の量と好ましくは定義され、ここで前記破片は、好ましくは依然として無傷の成形セグメント(S)を含有している。
【0422】
好ましくは、成形セグメント(S)の破壊強さは、成形セグメント(S)および更なるセグメント(S)を含む医薬剤形の破壊強さより、相対的に少なくとも50N高い、より好ましくは少なくとも100N高い、なおより好ましくは少なくとも150N高い、なおより好ましくは少なくとも200N高い、さらにより好ましくは少なくとも250N高い、最も好ましくは少なくとも300N高い、特に少なくとも350N高い。
【0423】
本発明の別の態様は、医薬剤形を製造する方法であって、
(i)第1の薬理活性成分(A)および天然または合成ポリマー(C)を含む、少なくとも1個の成形セグメント(S)を熱成形するステップと、
(ii)第2の薬理活性成分(A)を含む少なくとも1個の更なるセグメント(S)を提供するステップと、
(iii)少なくとも1個の成形セグメント(S)、少なくとも1個の更なるセグメント(S)および任意選択で更なる賦形剤を組み合わせるステップと
を含む方法に関する。
【0424】
好ましい実施形態において、成形セグメント(S)は熱成形される。この実施形態によると、成形セグメント(S)は、好ましくは溶融押し出しされる。更に、この実施形態によると、成形セグメント(S)は、好ましくはモノリスまたは粒子状である。
【0425】
熱成形とは、好ましくは、成形セグメント(S)の製造の過程において、塊が、周囲温度を超える温度、好ましくは少なくとも30℃、少なくとも40℃、少なくとも50℃、少なくとも60℃、少なくとも70℃または少なくとも80℃に加熱され、したたる形態ではなく、好ましくは凝集を生じるのに十分な圧力、好ましくは少なくとも10バールまたは少なくとも30バールの圧力で圧縮されることを意味する。圧縮力は、熱の適用の前、間または後に加えることができる。
【0426】
成形セグメント(S)は、好ましくは溶融押出により、好ましくは熱成形されるが、第1のステップにおいて従来の圧縮により製造され、次に第2のステップにおいて持続性放出マトリックス材料の軟化温度を超えて加熱されて、破壊抵抗性の硬化圧縮体、すなわちモノリスの成形セグメント(S)を形成する、圧縮体の高温または加熱下でのプレス成形などの他の熱成形方法も有用でありうる。この点において、熱成形とは、熱を適用する後、前または間に塊を形成または成形することを好ましくは意味する。好ましい実施形態において、熱成形は、熱溶融押出により実施される。
【0427】
好ましい実施形態において、熱溶融押出は、二軸スクリュー押出機を用いて実施される。溶融押出は、好ましくはモノリスに切断され、次に任意選択で圧縮および形成される溶融押出ストランドを好ましくは提供する。好ましくは、圧縮は、ダイおよびパンチを用いて、好ましくは、溶融押出によって得られるモノリスの塊から達成される。溶融押出によって得られる場合、圧縮ステップは、周囲温度、すなわち、20〜25℃の範囲の温度を示すモノリスの塊により好ましくは実施される。
【0428】
押出により得られるストランドを、圧縮ステップにそのまま付すことができる、または圧縮ステップの前に切断することができる。この切断は、通常の技術によって、例えば、回転ナイフまたは圧縮空気を、高温で、例えば押出ストランドが熱溶融押出に起因して依然として暖かい場合に、または周囲温度で、すなわち押出ストランドが冷却された後に使用して実施することができる。押出ストランドが依然として暖かい場合、押出ストランドの、押出モノリスおよび粒子それぞれへの単体化は、押出ダイから出された直後に押出ストランドを切断することによって好ましくは実施される。
【0429】
しかし、押出ストランドが冷却状態で切断される場合、続く押出ストランドの単体化は、任意選択で、依然として熱い押出ストランドをコンベアーベルトを用いて輸送し、冷却させ、凝固させ、続いてそれを切断することによって好ましくは実施される。あるいは、成形は、EP−A240906に記載されているように、押出物を2つの逆回転カレンダロールの間に通過させ、成形セグメント(S)に直接成形することによって、実施することができる。当然のことながら、押出ストランドを、依然として暖かいうちに、すなわち、押出ステップのほぼ直後に圧縮ステップまたは切断ステップに付すことも可能である。押出は、好ましくは、二軸スクリュー押出機を用いて実施される。
【0430】
本発明の好ましいモノリスまたは粒子状のモノリス成形セグメント(S)は、異なるプロセスによって生成することができ、特に好ましいものが下記により詳細に説明されている。幾つかの適切なプロセスは、従来技術において既に記載されている。この点において、例えば、WO2005/016313(特許文献1)、WO2005/016314(特許文献2)、WO2005/063214(特許文献3)、WO2005/102286(特許文献4)、WO2006/002883(特許文献5)、WO2006/002884(特許文献6)、WO2006/002886(特許文献7)、WO2006/082097(特許文献8)、およびWO2006/082099(特許文献9)を参照することができる。
【0431】
一般に、本発明の好ましくはモノリスまたは粒子状の成形セグメント(S)の生成方法は、好ましくは以下のステップ:
(a)全ての成分を混合するステップ;
(b)任意選択で、好ましくは、ステップ(a)で得た混合物に熱および/または力を適用することによって、ステップ(a)で得た混合物を予備成形するステップであって、供給される熱の分量が、持続性放出マトリックス材料、好ましくは天然または合成ポリマー(C)を軟化点まで加熱するのに好ましくは十分ではない、ステップ;
(c)熱および力を適用することによって混合物を硬化するステップであって、力を適用する間および/または前および/または後に熱を供給することが可能であり、供給される熱の分量が、持続性放出マトリックス材料、好ましくは天然または合成ポリマー(C)を少なくとも軟化点まで加熱するのに十分であり、その後、材料を冷却させ、力を取り除くことが可能である、ステップ;
(d)任意選択で、硬化混合物を単体化するステップ;
(e)任意選択で、モノリスまたは粒子に成形するステップ;ならびに
(f)任意選択でフィルムコーティングを提供するステップ
を含む。
【0432】
熱は、例えば接触により、もしくは熱風などの高温ガスを用いて、または超音波の助けを借りて直接的に、あるいは摩擦および/または剪断により間接的に供給することができる。力を適用することができる、ならびに/あるいはモノリスまたは粒子を、例えば、直接成形セグメント(S)を形成することにより、または適切な押出機の助けを借りて、特に一軸もしくは二軸スクリューを備えたスクリュー押出機(それぞれ、一軸スクリュー押出機および二軸スクリュー押出機)を用いて、もしくは遊星歯車押出機を用いて、成形することができる。
【0433】
モノリスおよび粒子の最終成形は、それぞれ、熱および力を適用する混合物の硬化の際に(ステップ(c))または後のステップ(ステップ(e))において、提供されうる。両方の場合において、全ての構成成分の混合物は、好ましくは可塑性の状態であり、すなわち、好ましくは成形は、持続性放出マトリックス材料の少なくとも軟化点を超える温度で実施される。しかし、より低い温度、例えば周囲温度での押出も可能であり、好ましいこともある。
【0434】
成形は、例えば、適切な形状のダイおよびパンチを含む成形プレスによって実施することができる。
【0435】
本発明の成形セグメント(S)を製造する特に好ましいプロセスは、熱溶融押出を伴う。このプロセスにおいて、成形セグメント(S)は、押出機の助けを借りて熱成形により生成され、好ましくは、押出物に必然的な変色が観察されない。
【0436】
このプロセスは、好ましくは、
a)全ての構成成分が混合されること;
b)得られる混合物が押出機において持続性放出マトリックス材料の少なくとも軟化点まで加熱され、力の適用により押出機の出口オリフィスから押し出されること;
c)依然として可塑性である押出物が単体化され、成形セグメント(S)のモノリスまたは粒子に形成されること;あるいは
d)冷却され、任意選択で再加熱された単体化された押出物が、成形セグメント(S)のモノリスまたは粒子にそれぞれ形成されること
によって特徴付けられる。
【0437】
プロセスのステップa)による構成成分の混合を、押出機において進行させることもできる。
【0438】
構成成分を、当業者に公知の混合機により混合することもできる。混合機は、例えば、ロール混合機、振動混合機、剪断混合機または強制混合機でありうる。
【0439】
持続性放出マトリックス材料の少なくとも軟化点まで押出機において加熱された、好ましくは溶融した混合物は、少なくとも1つの穴を有するダイを通して押出機から押し出される。
【0440】
本発明の熱溶融押出プロセスは、適切な押出機、好ましくはスクリュー押出機の使用を必要とする。二軸スクリューを備えたスクリュー押出機(二軸スクリュー押出機)が特に好ましい。
【0441】
好ましい実施形態において、押出は、水の不在下で実施され、すなわち水は添加しない。しかし、微量の水(例えば、大気湿度によりもたらされる)が存在してもよい。
【0442】
別の好ましい実施形態において、特に、持続性放出マトリックス材料が水性分散体の形態で用いられる場合、押出は水の存在下で実施され、水は、押出プロセスの過程において、すなわち好ましくは押出材料が押出機の出口オリフィスから出る前に、押出材料から蒸発する。したがって、真空ポンプ機構を使用して、(蒸発)水を押出材料から抽出する。このように、押出ストランドは、好ましくは水無含有であり、このことは、押出ストランドの含水量が、好ましくは最大で10wt%、または最大で7.5wt%、または最大で5.0wt%、または最大で4.0wt%、または最大で3.0wt%、または最大で2.0wt%、より好ましくは最大で1.7wt%、なおより好ましくは最大で1.5wt%、なおより好ましくは最大で1.3wt%、さらにより好ましくは最大で1.0wt%、最も好ましくは最大で0.7wt%、特に最大で0.5wt%であることを好ましくは意味する。この目的において、押出は、所定の条件下で水の沸点を超える温度で好ましくは実施され、押出が真空下で実施される場合、水の沸点は、100℃を実質的に下回ることがある。しかし、押出が真空下で実施される場合であっても、好ましい押出温度は100℃を超える。
【0443】
押出機は、供給区域および任意選択で混合区域の下流にある第1の区域において進行している、持続性放出マトリックス材料の少なくとも軟化点までの混合物の加熱を伴う、少なくとも2つの温度区域を好ましくは含む。混合物の処理量は、好ましくは1.0kg〜15kg/時間である。好ましい実施形態において、処理量は0.2kg/時間〜3.5kg/時間である。別の好ましい実施形態において、処理量は4〜15kg/時間である。
【0444】
好ましい実施形態において、ダイヘッド圧力は、0.5〜200バールの範囲内である。ダイヘッド圧力は、とりわけ、ダイの形状、温度プロファイル、押出速度、ダイにおける穴の数、スクリューの配置、押出機における最初の供給ステップなどによって調整されうる。
【0445】
好ましい実施形態において、ダイヘッド圧力は、20±19バール、より好ましくは20±15バール、特に20±10バールの範囲内である、またはダイヘッド圧力は、30±20バール、より好ましくは30±15バール、特に30±10バールの範囲内である、またはダイヘッド圧力は、40±20バール、より好ましくは40±15バール、特に40±10バールの範囲内である、またはダイヘッド圧力は、50±20バール、より好ましくは50±15バール、特に50±10バールの範囲内である、またはダイヘッド圧力は、60±20バール、より好ましくは60±15バール、特に60±10バールの範囲内である、またはダイヘッド圧力は、70±20バール、より好ましくは70±15バール、特に70±10バールの範囲内である、またはダイヘッド圧力は、80±20バール、より好ましくは80±15バール、特に80±10バールの範囲内である、またはダイヘッド圧力は、90±20バール、より好ましくは90±15バール、特に90±10バールの範囲内である、またはダイヘッド圧力は、100±20バール、より好ましくは100±15バール、特に100±10バールの範囲内である。
【0446】
ダイの形状または穴の形状は、自由に選択可能である。したがってダイまたは穴は、平坦(フィルム)、丸形、長方形または楕円形の断面を示すことができ、丸形断面は、押出粒子では好ましくは0.1mm〜2mmの直径を有し、押出モノリス医薬剤形ではより大きな直径を有する。好ましくは、ダイまたは穴は丸形断面を有する。本発明の使用する押出機のケーシングを加熱または冷却することができる。対応する温度制御、すなわち加熱または冷却は、押し出される混合物が持続性放出マトリックス材料の軟化温度に相当する少なくとも平均温度(生成物温度)を示し、加工される薬理活性成分が損傷を受けうる温度を超えて上昇しないように準備されている。好ましくは、押し出される混合物の温度は、180℃未満、好ましくは150℃未満であるが、少なくとも持続性放出マトリックス材料の軟化温度に調整される。典型的な押出温度は、120℃および150℃である。
【0447】
好ましい実施形態において、押出機のトルクは、30〜95%の範囲内である。押出機のトルクは、とりわけ、ダイの形状、温度プロファイル、押出速度、ダイにおける穴の数、スクリューの配置、押出機における最初の供給ステップなどによって調整されうる。
【0448】
溶融混合物を押し出し、任意選択で1つまたは複数の押出ストランドを冷却した後、押出物は、好ましくは単体化される。この単体化は、旋回式または回転式のナイフ、ワイヤ、ブレードを用いて、またはレーザーカッターの助けを借りて、押出物を切断することによって好ましくは実施することができる。
【0449】
好ましくは、任意選択で単体化された押出物の中間もしくは最終貯蔵、またはモノリスもしくは粒子状の成形セグメント(S)の最終成形は、例えば脱酸素剤によって達成されうる無酸素雰囲気下で実施される。
【0450】
単体化された押出物は、モノリスまたは粒子状の成形セグメント(S)に最終形状を付与するためにプレス成形されうる。
【0451】
押出機中の少なくとも可塑化された混合物への力の適用は、押出機における搬送デバイスの回転速度および形状を制御することによって、並びに可塑化された混合物の押出に必要な圧力が押出機の中で、好ましくは押出の直前に増大するように、出口オリフィスを寸法決定することによって調整される。それぞれの特定の組成において、望ましい機械的特性を医薬剤形に生じるために必要な押出パラメーターは、簡単な予備試験によって確立することができる。
【0452】
例えば、押出は、スクリューの直径が18または27mmの二軸スクリュー押出機ZSE18型またはZSE27型(Leistritz,Nuernberg,Germany)を用いて実施することができるが、これらに限定されない。偏心端部または鈍端部を有するスクリューを使用することができる。1つの丸形の穴、またはそれぞれ0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、2.0、3.0、4.0、5.0もしくは0.6mmの直径を有する多数の穴を有する加熱可能なダイを使用することができる。押出パラメーターを、例えば以下の値に調整することができる。スクリューの回転速度:120Upm;送達速度 ZSE18では2kg/時間またはZSE27では8kg/時間;生成物温度:ダイの前方では125℃およびダイの後方では135℃;ならびにジャケット温度:110℃。真空ポンプを備えた別の適切な押出機は、Thermo ScientificPharma 16HMEホットメルト二軸スクリュー押出機である。
【0453】
好ましくは、押出は二軸スクリュー押出機または遊星歯車押出機を用いて実施され、二軸スクリュー押出機(共回転または二重反転)が特に好ましい。
【0454】
好ましくは、本発明のモノリスまたは粒子状の成形セグメント(S)は、押出機の助けを借りて熱成形により好ましくは生成され、押出物に必然的な変色が観察されない。
【0455】
本発明の好ましくはモノリスまたは粒子状の成形セグメント(S)の調製プロセスは、好ましくは連続的に実施される。好ましくは、プロセスは全ての構成成分の均一な混合物の押出を伴う。このようにして得られた中間体、例えば押出によって得られたストランドが一様な特性を示す場合、特に有利である。特に望ましいものは、一様な密度、活性化合物の一様な分布、一様な機械的特性、一様な多孔性、一様な表面外観などである。これらの状況下においてのみ、放出プロファイルの安定性などの薬理学的特性の一様性を確実にすることができ、不良品の量を低く保つことができる。
【0456】
好ましくは、成形セグメント(S)は、モノリス、または粒子状、好ましくは少粒子状(oligoparticular)もしくは多粒子状(multiparticulate)であり、本発明のモノリスまたは粒子を「押出ペレット」とみなすことができる。用語「押出ペレット」は、当業者に理解される構造的意味を有する。当業者は、ペレット化セグメントまたは医薬剤形が、
・ノンパレイユ糖または微晶質セルロースビーズによる薬物層形成、
・噴霧乾燥、
・噴霧凝固、
・回転顆粒化(rotogranulation)、
・熱溶融押出、
・低溶融材料の球形化(spheronization)、または
・湿塊の押出球形化
を含む、多数の技術によって調製されうることを知っている。
【0457】
したがって、「押出ペレット」は、熱溶融押出または押出球形化のいずれかによって得ることができる。
【0458】
「押出ペレット」は、構造的に異なっているので、他の種類のペレットと区別することができる。例えば、ノンパレイユによる薬物層形成は、コアを有する多層ペレットを生じ、一方、押出は、全ての成分の均一混合物を含むモノリスの塊を典型的に生じる。同様に、噴霧乾燥および噴霧凝固は、球体を典型的に生じ、一方、押出は、後に球形化されうる円筒形押出物を典型的に生じる。
【0459】
「押出ペレット」と「凝塊ペレット」との構造的な差は、ペレットからの活性物質の放出に影響を与え、したがって異なる薬理学的プロファイルをもたらしうるので有意である。したがって、医薬製剤技術分野の当業者は、「押出ペレット」が「凝塊ペレット」と同等であると考えないであろう。
【0460】
本発明の医薬剤形は、任意の従来の方法によって、成形セグメント(S)および更なるセグメント(S)から調製することができる。
【0461】
医薬剤形が圧縮により調製される場合、成形セグメント(S)の粒子またはモノリスは、好ましくは、外側マトリックス材料としての更なるセグメント(S)の材料と混合、例えばブレンドおよび/または顆粒化(例えば、湿式顆粒化)され、得られたミックス(例えば、ブレンドまたは顆粒)は、次に、カプセルに充填される、または好ましくは成形型に圧縮されて、医薬剤形を形成する。本明細書に記載されているモノリスまたは粒子が、溶融顆粒化(例えば、脂肪アルコール、および/もしくは水溶性ロウ、および/もしくは水不溶性ロウを使用する)、または高剪断顆粒化、続く圧縮などの他のプロセスを使用して、マトリックスに組み込まれうることも想定される。
【0462】
本発明の医薬剤形が、偏心プレスを用いて製造される場合、圧縮力は、好ましくは5〜15kNの範囲内である。本発明の医薬剤形が、回転プレスを用いて製造される場合、圧縮力は、好ましくは5〜40kNの範囲内であり、ある特定の実施形態では>25kNであり、他の実施形態では約13kNである。
【0463】
本発明の別の態様は、上記に記載された方法のいずれかにより得られる医薬剤形に関する。
【0464】
本発明の医薬剤形の例には、カプセル剤、錠剤、丸剤、顆粒剤、ペレット剤、フィルム剤、サッシュ剤および発泡剤、粉末剤などが含まれるが、これらに限定されない。
【0465】
好ましい実施形態において、医薬剤形は、カプセル剤、糖コーティング錠剤、乾燥コーティング錠剤、マントル錠剤および層状錠剤からなる群から選択される。
【0466】
本発明の特に好ましい実施形態において、組成物は、カプセル剤に製剤される。この実施形態によると、医薬剤形は、硬または軟ゼラチンカプセル剤を含む。
【0467】
大部分の医薬剤形は、全体が嚥下されるように意図されており、したがって、本発明の好ましい医薬剤形は、経口投与用に設計される。
【0468】
好ましい実施形態において、医薬剤形は経口投与される。
【0469】
特に好ましくは、医薬剤形は全体として投与される。このことは、剤形が咀嚼されることも、嚥下される前に吸引されることも意図されないことを好ましくは意味する。更に剤形は、好ましくは、口腔粘膜に接着することが意図されない。セグメント(S)の高い破壊強さのため、好ましくは、剤形を咀嚼により完全に破砕または粉砕することが不可能である。したがって、好ましくは、本発明の剤形は、全体として、すなわち無傷で嚥下される。
【0470】
しかし、代替的には、医薬剤形は口の中で溶解し、咀嚼されてもよく、一部のものは体腔内に配置されてもよい。したがって、本発明の医薬剤形を、代替的に、頬側、舌上、直腸内または膣内投与に適合させることができる。植込錠も可能である。
【0471】
本発明の医薬剤形は、好ましくは0.01〜1.5gの範囲、より好ましくは0.05〜1.2gの範囲、なおより好ましくは0.1g〜1.0gの範囲、なおより好ましくは0.2g〜0.9gの範囲、最も好ましくは0.3〜0.8gの範囲の総重量を有する。好ましい実施形態において、医薬剤形の総重量は、600±450mg、より好ましくは600±300mg、なおより好ましくは600±200mg、なおより好ましくは600±150mg、最も好ましくは600±100mg、特に600±50mgの範囲内である。
【0472】
好ましい実施形態において、本発明の医薬剤形は、カプセル剤、より好ましくは硬カプセル剤、最も好ましくは硬ゼラチンカプセル剤である。この実施形態の医薬剤形は、好ましくは約1mm〜約30mm、特に約2m〜約25mmの範囲、より特定的には約5mm〜約23mm、更により特定的には約7mm〜約20mmの長さ方向伸び(縦方向伸び);約1mm〜約30mmの範囲、特に約2〜約25mの範囲、より特定的には約5mm〜約23mm、さらにより特定的には約7mm〜約13mmの幅;および約1.0mm〜約12mmの範囲、特に約2.0mm〜約10mmの範囲、さらにより特定的には3.0mm〜約9.0mm、より更に特定的には約4.0mm〜約8.0mmの厚さを有する。
【0473】
別の好ましい実施形態において、本発明の医薬剤形は、丸形の医薬剤形である。この実施形態の医薬剤形は、好ましくは約1mm〜約30mmの範囲、特に約2mm〜約25mmの範囲、より特定的には約5mm〜約23mm、さらにより特定的には約7mm〜約13mmの直径;および約1.0mm〜約12mmの範囲、特に約2.0mm〜約10mmの範囲、さらにより特定的には3.0mm〜約9.0mm、より更に特定的には約4.0mm〜約8.0mmの厚さを有する。
【0474】
なお別の好ましい実施形態において、本発明の医薬剤形は、長方形の医薬剤形である。この実施形態の医薬剤形は、約1mm〜約30mm、特に約2m〜約25mmの範囲、より特定的には約5mm〜約23mm、さらにより特定的には約7mm〜約20mmの長さ方向伸び(縦方向伸び);約1mm〜約30mmの範囲、特に約2mm〜約25mmの範囲、より特定的には約5mm〜約23mm、さらにより特定的には約7mm〜約13mmの幅;および約1.0mm〜約12mmの範囲、特に約2.0mm〜約10mmの範囲、さらにより特定的には3.0mm〜約9.0mm、より更に特定的には約4.0mm〜約8.0mmの厚さを好ましくは有する。
【0475】
好ましくは、本発明の医薬剤形は、フィルムの形態ではない。
【0476】
本発明の医薬剤形は、任意選択でコーティング、例えば化粧用コーティングを含むことができる。好ましい実施形態において、本発明のコーティング医薬剤形はモノリスである。コーティングは、好ましくは医薬剤形が形成された後に適用される。コーティングは、硬化プロセスの前または後に適用することができる。本発明の医薬剤形は、好ましくは従来のフィルムコーティング組成物によりフィルムコーティングされる。適切なコーティング材料は、例えば商標Opadry(登録商標)およびEudragit(登録商標)で市販されている。
【0477】
適切な材料の例には、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(Na−CMC)などのセルロースエステルおよびセルロースエーテル;アミノアルキルメタクリレートコポリマー、メタクリル酸メチルメタクリレートコポリマー、メタクリル酸メチルメタクリレートコポリマーなどのポリ(メタ)アクリレート;ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテートなどのビニルポリマー;ならびに天然膜形成剤が含まれる。
【0478】
コーティングは、胃液に対して抵抗性があり、放出環境のpH値の関数として溶解することができる。このコーティングを用いることによって、本発明の医薬剤形が溶解しないで胃を通過し、活性化合物を腸にのみ放出することを確実にすることが可能である。胃液に抵抗性があるコーティングは、好ましくは5〜7.5の間のpH値で溶解する。
【0479】
コーティングは、例えば、医薬剤形の審美的な印象および/または味覚、ならびにそれらを嚥下できる容易性を改善するために適用することもできる。本発明の医薬剤形のコーティングは、他の目的、例えば安定性および貯蔵寿命を改善する役割を果たすこともできる。適切なコーティング製剤は、例えばポリビニルアルコールまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース、例えばヒプロメロースなどの膜形成ポリマー、例えばグリコール、例えばプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールなどの可塑剤、例えば二酸化チタンなどの乳白剤、例えばタルクなどの膜平滑化剤(films moothener)を含む。適切なコーティング溶媒は、水、ならびに有機溶媒である。有機溶媒の例は、アルコール、例えばエタノールまたはイソプロパノール、ケトン、例えばアセトン、またはハロゲン化炭水化物、例えば塩化メチレンである。本発明のコーティング医薬剤形は、最初にコアを作製し、続いて前記コアをコーティングパンにおけるコーティングなどの従来の技術の使用によりコーティングすることによって、好ましくは調製される。
【0480】
好ましくは、コーティングは第2の薬理活性成分(A)を含有せず、より好ましくは、コーティングはいずれの薬理活性成分も含有しない。
【0481】
成形セグメント(S)および更なるセグメント(S)とは別に、医薬剤形は、任意選択で更に従来の医薬賦形剤を含みうる。
【0482】
好ましい医薬賦形剤は、更なるセグメント(S)に含有されていてもよく、かつ既に上記に開示されているもの、特に、増量剤/結合剤、滑沢剤、希釈剤、顆粒化助剤、着色剤、芳香剤、滑剤、湿潤調整剤および崩壊剤である。
【0483】
当業者は、これらの賦形剤それぞれの適切な分量を容易に決定することができる。
【0484】
好ましい実施形態において、本発明の医薬剤形は、鼻道および/または咽頭を刺激する物質、すなわち、鼻道および/または咽頭を介して投与されたとき、患者が投与の継続を望まない、もしくは投与の継続が不可能であるほど不快である身体的反応、例えば灼熱をもたらす、または例えば鼻汁もしくはくしゃみの増加に起因して摂取した対応する活性化合物に対する生理学的反作用をもたらす物質を含有しない。鼻道および/または咽頭を刺激する物質の更なる例は、灼熱、掻痒、くしゃみの切迫感、分泌物形成の増加、またはこれらの刺激の少なくとも2つの組合せを引き起こすものである。対応する物質およびその慣用的に使用される分量は、当業者に公知である。鼻道および/または咽頭を刺激する物質の幾つかは、したがって、ホットサブスタンスドラッグ(hot substance drug)の1つもしくは複数の構成要素または1つもしくは複数の植物部分に基づいている。対応するホットサブスタンスドラッグは、それ自体当業者に公知であり、例えば、Prof. Dr. Hildebert Wagner、「Pharmazeutische Biologie − Drogen und ihre Inhaltsstoffe」、第2版、改訂版、Gustav Fischer Verlag、Stuttgart−New York、1982、82頁以降に記載されている。対応する記載は、参照として本明細書に導入され、開示の一部と認められる。
【0485】
本発明の医薬剤形は、更に好ましくは、薬理活性成分への拮抗薬、好ましくは向精神物質に対する拮抗薬、特にオピオイドに対する拮抗薬を含有しない。所定の薬理活性成分に適した拮抗薬は、当業者に公知であり、そのまま、または対応する誘導体、特にエステルもしくはエーテルの形態、またはそれぞれの場合において、対応する生理学的に許容可能な化合物の形態、特にその塩もしくは溶媒和物の形態で存在することができる。本発明の医薬剤形は、ナロキソン、ナルトレキソン、ナルメフェン、ナリド(nalide)、ナルメキソン(nalmexone)、ナロルフィンまたはナルフィン(naluphine)を含む群のうちから選択される拮抗薬を、それぞれの場合において、任意選択で対応する生理学的に許容可能な化合物、特に塩基、塩または溶媒和物の形態で好ましくは含有せず、神経遮断薬、例えばハロペリドール、プロメタシン(promethacine)、フルフェナジン、ペルフェナジン、レボメプロマジン、チオリダジン、ペラジン、クロルプロマジン、クロルプロチキシン(chlorprothixine)、ズクロペンチキソール、フルペンチキソール、プロチペンジル、ゾテピン、ベンペリドール、ピパンペロン、メルペロンおよびブロムペリドールを含む群のうちから選択される化合物を好ましくは含有しない。
【0486】
本発明の医薬剤形は、更に好ましくは催吐薬を含有しない。催吐薬は、当業者に公知であり、そのまま、または対応する誘導体、特にエステルもしくはエーテルの形態、またはそれぞれの場合において、対応する生理学的に許容可能な化合物の形態、特にその塩もしくは溶媒和物の形態で存在することができる。本発明の医薬剤形は、イペカクアンハ(ipecacuanha)(吐)根の1つまたは複数の構成要素に基づいた、例えば構成要素エメチンに基づいた催吐薬を好ましくは含有せず、例えば、Prof. Dr. Hildebert Wagner、「Pharmazeutische Biologie − Drogen und ihre Inhaltsstoffe」、第2版、改訂版、Gustav Fischer Verlag、Stuttgart、New York、1982に記載されているとおりである。対応する文献の記載は、参照として本明細書に導入され、開示の一部と認められる。本発明の医薬剤形は、好ましくは、催吐薬としてアポモルフィンも含有しない。
【0487】
最後に、本発明の医薬剤形は、好ましくは、苦味物質も含有しない。苦味物質および使用有効量は、US−2003/0064099A1において見出すことができ、対応する開示は、本出願の開示と認められるべきであり、参照として本明細書に導入される。苦味物質の例は、ペパーミント油、ユーカリ油、クヘントウ油、メントール、果実香気物質、レモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツもしくはこれらの混合物の香気物質などの芳香油、および/または安息香酸デナトニウム(denatonium benzoate)である。
【0488】
本発明の医薬剤形は、好ましくは、鼻道および/または咽頭を刺激する物質も、薬理活性成分への拮抗薬も、催吐薬も、苦味物質も含有しない。
【0489】
好ましくは、成形セグメント(S)、より好ましくは、本発明の医薬剤形の全体は、医薬剤形の総重量に関して、エタノールに可溶性ではない、または難溶性である化合物を20wt%を超えて、より好ましくは30wt%を超えて、なおより好ましくは40wt%を超えて、なおより好ましくは50wt%を超えて、最も好ましくは60wt%を超えて、特に70wt%を超えて含有する。
【0490】
本明細書の目的において、エタノールに可溶性ではない、または難溶性である化合物は、室温でエタノール水溶液(96%)に好ましくは1000mg/L未満、より好ましくは800mg/L未満、さらにより好ましくは500mg/L未満、最も好ましくは100mg/L未満、特に10mg/L未満または1mg/L未満の最大溶解度を有する。
【0491】
好ましくは、成形セグメント(S)、より好ましくは、本発明の医薬剤形の全体は、医薬剤形に含有されたポリマーの全体量に関して、エタノールに可溶性ではない、または難溶性であるポリマーを50wt%を超えて、より好ましくは60wt%を超えて、なおより好ましくは70wt%を超えて、なおより好ましくは80wt%を超えて、最も好ましくは90wt%を超えて、特に95wt%を超えて含有する。
【0492】
エタノールに可溶性ではない、または難溶性である本発明の好ましいポリマーは、キサンタン、グアーガムおよび一部の種類のHPMCである。当業者は、本発明の意味の範囲内においてどの種類のHPMCがエタノールに可溶性ではない、または難溶性であるかを知っている。
【0493】
特に好ましい実施形態において、成形セグメント(S)、より好ましくは本発明の医薬剤形の全体は、エタノールに可溶性ではない、または難溶性であるポリマーおよびエタノールに可溶性であるポリマーを含有し、剤形に含有されているポリマー総量に対する、エタノールに可溶性ではない、または難溶性であるポリマーの量は、30〜100wt%、より好ましくは50〜100wt%、なおより好ましくは60〜95wt%または100wt%、なおより好ましくは70〜90wt%または100wt%、最も好ましくは80〜90wt%または90〜100wt%であり、特に95wt%を超える、または99wt%を超える。
【0494】
好ましい実施形態において、本発明の医薬剤形は、1日1回、好ましくは経口での投与に適合されている。別の好ましい実施形態において、本発明の医薬剤形は、1日2回の、好ましくは経口での投与に適合されている。なお別の好ましい実施形態において、本発明の医薬剤形は、1日3回の、好ましくは経口での投与に適合されている。なお別の好ましい実施形態において、本発明の医薬剤形は、1日3回より頻繁な、例えば、1日4回、1日5回、1日6回、1日7回または1日8回の、それぞれの場合に好ましくは経口での投与に適合されている。
【0495】
本明細書の目的において、「1日2回」は、個々の投与の間の、等しい、またはほぼ等しい時間間隔、すなわち約12時間毎、または異なる時間間隔、例えば8および16時間または10および14時間を意味する。
【0496】
本明細書の目的において、「1日3回」は、個々別の投与の間の、等しい、またはほぼ等しい時間間隔、すなわち約8時間毎、または異なる時間間隔、例えば6、6および12時間;または7、7および10時間を意味する。
【0497】
好ましい実施形態において、本発明の医薬剤形は、錠剤、好ましくは、二層錠剤、マントル錠剤、三層錠剤、多層錠剤(好ましくは3層超を有する)、多成分錠剤および糖コーティング錠剤(糖衣錠)からなる群から選択されるものである。錠剤に関連するこれら全ての実施形態として、成形セグメント(S)および更なるセグメント(S)は、錠剤全体が、患者に投与されうる物質の単一単位を構成するように、凝集性の圧縮塊を形成する。特に、錠剤に含有されている更なるセグメント(S)は、粉末状材料の形態で存在しない。錠剤の総重量は、特に制限されない。典型的には、50mg〜1250mgの範囲内である。本発明の錠剤に含有される成形セグメント(S)および更なるセグメント(S)の数は、特に制限されない。典型的には、本発明の錠剤は、1、2または3個であるがそれを超えない数の成形セグメント(S)、ならびに1、2または3個であるがそれを超えない数の更なるセグメント(S)を含有する。上記に一般的に定義された全ての好ましい実施形態が、本発明の好ましい錠剤に完全に当てはまり、したがって繰り返さない。しかしながら本発明の錠剤の特に好ましい実施形態が、本明細書以降に更に詳細に記載される。
【0498】
好ましくは、
(a)錠剤は、1日1回、1日2回または1日3回の経口投与用に構成されている、ならびに/あるいは
(b)成形セグメント(S)は、第1の薬理活性成分(A)として、オピオイド、好ましくは、オキシコドン、オキシモルホン、ヒドロモルホン、ヒドロコドン、モルヒネ、タペンタドール、トラマドール、ブプレノルフィンおよびこれらの生理学的に許容可能な塩からなる群から選択されるものを含有する、ならびに/あるいは
(c)成形セグメント(S)は、第1の薬理活性成分(A)がその持続性放出が達成されるように埋め込まれている、放出マトリックス材料を含有する、ならびに/あるいは
(d)成形セグメント(S)は、好ましくは、ポリアルキレンオキシド、非イオン性アクリレート、アニオン性アクリレートまたはカチオン性アクリレートからなる群から選択される、より好ましくは、少なくとも500,000g/molの重量平均分子量を有するポリエチレンオキシドであるポリマー(C)を含む、放出マトリックス材料を含有する、
(e)成形セグメント(S)は、ポリマー(C)を含む放出マトリックス材料を含有し、ここで前記ポリマー(C)の含有量は、単一の成形セグメント(S)の総重量に対して、好ましくは少なくとも20wt%、少なくとも25wt%または少なくとも30wt%、なおより好ましくは少なくとも35wt%、なおより好ましくは少なくとも40wt%、さらにより好ましくは少なくとも45wt%、最も好ましくは少なくとも50wt%、特に少なくとも55wt%である、ならびに/あるいは
(f)更なるセグメント(S)は、鎮痛薬、好ましくは、イブプロフェン、ジクロフェナク、パラセタモール、アセチルサリチル酸およびこれらの生理学的に許容可能な塩からなる群から選択されるものを、第2の薬理活性成分(A)として含有する、ならびに/あるいは
(g)第1の薬理活性成分(A)は、ヒドロコドンまたはその生理学的に許容可能な塩であり、第2の薬理活性成分(A)はパラセタモールである、ならびに/あるいは
(h)錠剤は、全体として投与される。
【0499】
上記の定義において、特徴(a)、(b)、(c)...(h)は、「ならびに/あるいは」によって関連している。本明細書の目的において、このことは、本発明の錠剤が、好ましくは、前記特徴(a)、(b)、(c)...(h)の全て、または前記特徴(a)、(b)、(c)...(h)の部分群だけを実現することを意味する。本発明の好ましい錠剤は、少なくとも特徴(a)、または少なくとも特徴(a)および(b)、または少なくとも特徴(a)、(b)および(c)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)および(d)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)、(d)および(e)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)、(d)、(e)および(f)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)および(g)を実現する。
【0500】
好ましくは、本発明の医薬剤形は、二層錠剤である。本発明の二層錠剤では、単一の成形セグメント(S)および単一の更なるセグメント(S)は二層錠剤を形成するように配置されている(図1Aを参照すること)。任意選択で、二層錠剤は糖コーティングされうる(糖衣錠)。
【0501】
好ましくは、
(a)二層錠剤は、1日1回、1日2回または1日3回の経口投与用に構成されている、ならびに/あるいは
(b)二層錠剤の一方の層を形成する単一の成形セグメント(S)の総重量は、210±200mg(すなわち、10mg〜410mg)、より好ましくは210±180mg、なおより好ましくは210±160mg、なおより好ましくは210±140mg、さらにより好ましくは210±120mg、最も好ましくは210±100mg、特に210±80mgの範囲内である、ならびに/あるいは
(c)単一の成形セグメント(S)は、第1の薬理活性成分(A)として、オピオイド、好ましくは、オキシコドン、オキシモルホン、ヒドロモルホン、ヒドロコドン、モルヒネ、タペンタドール、トラマドール、ブプレノルフィンおよびこれらの生理学的に許容可能な塩からなる群から選択されるものを含有する、ならびに/あるいは
(d)単一の成形セグメント(S)は、第1の薬理活性成分(A)がその持続性放出が達成されるように埋め込まれている、放出マトリックス材料を含有する、ならびに/あるいは
(e)単一の成形セグメント(S)は、好ましくは、ポリアルキレンオキシド、非イオン性アクリレート、アニオン性アクリレートまたはカチオン性アクリレートからなる群から選択される、より好ましくは、少なくとも500,000g/molの重量平均分子量を有するポリエチレンオキシドであるポリマー(C)を含む、放出マトリックス材料を含有する、
(f)単一の成形セグメント(S)は、ポリマー(C)を含む放出マトリックス材料を含有し、ここで前記ポリマー(C)の含有量は、単一の成形セグメント(S)の総重量に対して、好ましくは少なくとも30wt%、なおより好ましくは少なくとも35wt%、なおより好ましくは少なくとも40wt%、さらにより好ましくは少なくとも45wt%、最も好ましくは少なくとも50wt%、特に少なくとも55wt%である、ならびに/あるいは
(g)二層錠剤の別の層を形成する単一の更なるセグメント(S)の総重量は、485±450mg(すなわち、35mg〜935mg)、より好ましくは485±300mg、なおより好ましくは485±250mg、なおより好ましくは485±200mg、さらにより好ましくは485±150mg、最も好ましくは485±75mg、特に485±35mgの範囲内である、ならびに/あるいは
(h)単一の更なるセグメント(S)は、鎮痛薬、好ましくは、イブプロフェン、ジクロフェナク、パラセタモール、アセチルサリチル酸およびこれらの生理学的に許容可能な塩からなる群から選択されるものを、第2の薬理活性成分(A)として含有する、ならびに/あるいは
(i)単一の更なるセグメント(S)は、増量剤、好ましくは微晶質セルロースを含有し、ここで前記増量剤の含有量は、単一の更なるセグメント(S)の総重量に対して、好ましくは30±25wt%、より好ましくは30±20wt%、なおより好ましくは30±15wt%、なおより好ましくは30±13wt%、さらにより好ましくは30±10wt%、最も好ましくは30±7wt%、特に30±5wt%である、ならびに/あるいは
(j)第1の薬理活性成分(A)は、ヒドロコドンまたはその生理学的に許容可能な塩であり、第2の薬理活性成分(A)はパラセタモールである、ならびに/あるいは
(k)二層錠剤は、全体として投与される。
【0502】
上記の定義において、特徴(a)、(b)、(c)...(k)は、「ならびに/あるいは」によって関連している。本明細書の目的において、このことは、本発明の二層錠剤が、好ましくは、前記特徴(a)、(b)、(c)...(k)の全て、または前記特徴(a)、(b)、(c)...(k)の部分群だけを実現することを意味する。本発明の好ましい二層錠剤は、少なくとも特徴(a)、または少なくとも特徴(a)および(b)、または少なくとも特徴(a)、(b)および(c)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)および(d)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)、(d)および(e)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)、(d)、(e)および(f)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)および(g)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)および(h)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)および(i)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、(i)および(j)を実現する。
【0503】
好ましくは、本発明の医薬剤形は、マントル錠剤である。本発明のマントル錠剤では、コアを形成する単一の成形セグメント(S)は、成形セグメント(S)および更なるセグメント(S)がマントル錠剤を形成するように配置されるようにシェルを形成する、単一の更なるセグメント(S)により囲まれている(図1Bを参照すること)。任意選択で、マントル錠剤は糖コーティングされうる(糖衣錠)。
【0504】
好ましくは、
(a)マントル錠剤は、1日1回、1日2回または1日3回の経口投与用に構成されている、ならびに/あるいは
(b)マントル錠剤のコアを形成する単一の成形セグメント(S)の総重量は、210±200mg(すなわち、10mg〜410mg)、より好ましくは210±180mg、なおより好ましくは210±160mg、なおより好ましくは210±140mg、さらにより好ましくは210±120mg、最も好ましくは210±100mg、特に210±80mgの範囲内である、ならびに/あるいは
(c)単一の成形セグメント(S)は、第1の薬理活性成分(A)として、オピオイド、好ましくは、オキシコドン、オキシモルホン、ヒドロモルホン、ヒドロコドン、モルヒネ、タペンタドール、トラマドール、ブプレノルフィン(burprenorphine)およびこれらの生理学的に許容可能な塩からなる群から選択されるものを含有する、ならびに/あるいは
(d)単一の成形セグメント(S)は、第1の薬理活性成分(A)がその持続性放出が達成されるように埋め込まれている、放出マトリックス材料を含有する、ならびに/あるいは
(e)単一の成形セグメント(S)は、好ましくは、ポリアルキレンオキシド、非イオン性アクリレート、アニオン性アクリレートまたはカチオン性アクリレートからなる群から選択される、より好ましくは、少なくとも500,000g/molの重量平均分子量を有するポリエチレンオキシドであるポリマー(C)を含む、放出マトリックス材料を含有する、
(f)単一の成形セグメント(S)は、ポリマー(C)を含む放出マトリックス材料を含有し、ここで前記ポリマー(C)の含有量は、単一の成形セグメント(S)の総重量に対して、好ましくは少なくとも30wt%、なおより好ましくは少なくとも35wt%、なおより好ましくは少なくとも40wt%、さらにより好ましくは少なくとも45wt%、最も好ましくは少なくとも50wt%、特に少なくとも55wt%である、ならびに/あるいは
(g)マントル錠剤のシェルを形成する単一の更なるセグメント(S)の総重量は、485±450mg(すなわち、35mg〜935mg)、より好ましくは485±300mg、なおより好ましくは485±250mg、なおより好ましくは485±200mg、さらにより好ましくは485±150mg、最も好ましくは485±75mg、特に485±35mgの範囲内である、ならびに/あるいは
(h)単一の更なるセグメント(S)は、鎮痛薬、好ましくは、イブプロフェン、ジクロフェナク、パラセタモール、アセチルサリチル酸およびこれらの生理学的に許容可能な塩からなる群から選択されるものを、第2の薬理活性成分(A)として含有する、ならびに/あるいは
(i)単一の更なるセグメント(S)は、増量剤、好ましくは微晶質セルロースを含有し、ここで前記増量剤の含有量は、単一の更なるセグメント(S)の総重量に対して、好ましくは30±25wt%、より好ましくは30±20wt%、なおより好ましくは30±15wt%、なおより好ましくは30±13wt%、さらにより好ましくは30±10wt%、最も好ましくは30±7wt%、特に30±5wt%である、ならびに/あるいは
(j)第1の薬理活性成分(A)は、ヒドロコドンまたはその生理学的に許容可能な塩であり、第2の薬理活性成分(A)はパラセタモールである、ならびに/あるいは
(k)マントル錠剤は、全体として投与される。
【0505】
上記の定義において、特徴(a)、(b)、(c)...(k)は、「ならびに/あるいは」によって関連している。本明細書の目的において、このことは、本発明のマントル錠剤が、好ましくは、前記特徴(a)、(b)、(c)...(k)の全て、または前記特徴(a)、(b)、(c)...(k)の部分群だけを実現することを意味する。本発明の好ましいマントル錠剤は、少なくとも特徴(a)、または少なくとも特徴(a)および(b)、または少なくとも特徴(a)、(b)および(c)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)および(d)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)、(d)および(e)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)、(d)、(e)および(f)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)および(g)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)および(h)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)および(i)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、(i)および(j)を実現する。
【0506】
好ましくは、本発明の医薬剤形は、三層錠剤である。本発明の三層錠剤では、単一の成形セグメント(S)および2個の更なるセグメント(S)が三層錠剤を形成するように配置されており、ここで、成形セグメント(S)は中間層を形成し、2個の更なるセグメント(S)は外側層を形成する(図1Cを参照すること)。好ましくは、前記2個の更なるセグメント(S)により形成される三層錠剤の外側層は、本質的に同じ組成および総重量を有する。任意選択で、三層錠剤は糖コーティングされうる(糖衣錠)。
【0507】
好ましくは、
(a)三層錠剤は、1日1回、1日2回または1日3回の経口投与用に構成されている、ならびに/あるいは
(b)三層錠剤の中間層を形成する単一の成形セグメント(S)の総重量は、210±200mg(すなわち、10mg〜410mg)、より好ましくは210±180mg、なおより好ましくは210±160mg、なおより好ましくは210±140mg、さらにより好ましくは210±120mg、最も好ましくは210±100mg、特に210±80mgの範囲内である、ならびに/あるいは
(c)単一の成形セグメント(S)は、第1の薬理活性成分(A)として、オピオイド、好ましくは、オキシコドン、オキシモルホン、ヒドロモルホン、ヒドロコドン、モルヒネ、タペンタドール、トラマドール、ブプレノルフィンおよびこれらの生理学的に許容可能な塩からなる群から選択されるものを含有する、ならびに/あるいは
(d)単一の成形セグメント(S)は、第1の薬理活性成分(A)がその持続性放出が達成されるように埋め込まれている、放出マトリックス材料を含有する、ならびに/あるいは
(e)単一の成形セグメント(S)は、好ましくは、ポリアルキレンオキシド、非イオン性アクリレート、アニオン性アクリレートまたはカチオン性アクリレートからなる群から選択される、より好ましくは、少なくとも500,000g/molの重量平均分子量を有するポリエチレンオキシドであるポリマー(C)を含む、放出マトリックス材料を含有する、
(f)単一の成形セグメント(S)は、ポリマー(C)を含む放出マトリックス材料を含有し、ここで前記ポリマー(C)の含有量は、単一の成形セグメント(S)の総重量に対して、好ましくは少なくとも30wt%、なおより好ましくは少なくとも35wt%、なおより好ましくは少なくとも40wt%、さらにより好ましくは少なくとも45wt%、最も好ましくは少なくとも50wt%、特に少なくとも55wt%である、ならびに/あるいは
(g)三層錠剤の外側層を形成する2個の更なるセグメント(S)のそれぞれの総重量は、250±220mg(すなわち、30mg〜470mg)、より好ましくは250±200mg、なおより好ましくは250±175mg、なおより好ましくは250±150mg、さらにより好ましくは250±100mg、最も好ましくは250±75mg、特に250±35mgの範囲内である、ならびに/あるいは
(h)2個の更なるセグメント(S)は、それぞれ、鎮痛薬、好ましくは、イブプロフェン、ジクロフェナク、パラセタモール、アセチルサリチル酸およびこれらの生理学的に許容可能な塩からなる群から選択されるものを、第2の薬理活性成分(A)として含有する、ならびに/あるいは
(i)2個の更なるセグメント(S)は、それぞれ、増量剤、好ましくは微晶質セルロースを含有し、ここで前記増量剤の含有量は、2個の更なるセグメント(S)のうちの1個の総重量に対して、好ましくは30±25wt%、より好ましくは30±20wt%、なおより好ましくは30±15wt%、なおより好ましくは30±13wt%、さらにより好ましくは30±10wt%、最も好ましくは30±7wt%、特に30±5wt%である、ならびに/あるいは
(j)第1の薬理活性成分(A)は、ヒドロコドンまたはその生理学的に許容可能な塩であり、第2の薬理活性成分(A)はパラセタモールである、ならびに/あるいは
(k)三層錠剤は、全体として投与される。
【0508】
上記の定義において、特徴(a)、(b)、(c)...(k)は、「ならびに/あるいは」によって関連している。本明細書の目的において、このことは、本発明の三層錠剤が、好ましくは、前記特徴(a)、(b)、(c)...(k)の全て、または前記特徴(a)、(b)、(c)...(k)の部分群だけを実現することを意味する。本発明の好ましい三層錠剤は、少なくとも特徴(a)、または少なくとも特徴(a)および(b)、または少なくとも特徴(a)、(b)および(c)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)および(d)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)、(d)および(e)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)、(d)、(e)および(f)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)および(g)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)および(h)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)および(i)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、(i)および(j)を実現する。
【0509】
好ましくは、本発明の医薬剤形は、多層錠剤である。本発明の多層錠剤では、複数の成形セグメント(S)および複数の更なるセグメント(S)は、多層錠剤を形成するように配置されており、ここで、好ましくは成形セグメント(S)は、それぞれ、2個の隣接する更なるセグメント(S)の間に配置されている。好ましくは、多層錠剤は、4、5もしくは6個の層、またはそれ以下を含む。好ましくは、多層錠剤は、成形セグメント(S)によりそれぞれ形成されるm個の層、すなわちm個の成形セグメント(S)、および更なるセグメント(S)によりそれぞれ形成されるn個の層、すなわちm個の更なるセグメント(S)を含み、ここでmおよびnは、独立して1、2、3または4の整数であるが、但し、好ましくはm+n≦6であることが条件である。任意選択で、多層錠剤は糖コーティングされうる(糖衣錠)。
【0510】
好ましくは、
(a)多層錠剤は、1日1回、1日2回または1日3回の経口投与用に構成されている、ならびに/あるいは
(b)多層錠剤の層を形成するm個の成形セグメント(S)のそれぞれの総重量は、120±90mg(すなわち、30mg〜210mg)、より好ましくは120±80mg、なおより好ましくは120±70mg、なおより好ましくは120±60mg、さらにより好ましくは120±50mg、最も好ましくは120±40mg、特に120±30mgの範囲内である、ならびに/あるいは
(c)m個の成形セグメント(S)は、それぞれ、第1の薬理活性成分(A)として、オピオイド、好ましくは、オキシコドン、オキシモルホン、ヒドロモルホン、ヒドロコドン、モルヒネ、タペンタドール、トラマドール、ブプレノルフィンおよびこれらの生理学的に許容可能な塩からなる群から選択されるものを含有する、ならびに/あるいは
(d)m個の成形セグメント(S)は、それぞれ、第1の薬理活性成分(A)がその持続性放出が達成されるように埋め込まれている、放出マトリックス材料を含有する、ならびに/あるいは
(e)m個の成形セグメント(S)は、それぞれ、好ましくは、ポリアルキレンオキシド、非イオン性アクリレート、アニオン性アクリレートまたはカチオン性アクリレートからなる群から選択される、より好ましくは、少なくとも500,000g/molの重量平均分子量を有するポリエチレンオキシドであるポリマー(C)を含む、放出マトリックス材料を含有する、
(f)m個の成形セグメント(S)は、それぞれ、ポリマー(C)を含む放出マトリックス材料を含有し、ここで前記ポリマー(C)の含有量は、m個の成形セグメント(S)のうちの1個の総重量に対して、好ましくは少なくとも30wt%、なおより好ましくは少なくとも35wt%、なおより好ましくは少なくとも40wt%、さらにより好ましくは少なくとも45wt%、最も好ましくは少なくとも50wt%、特に少なくとも55wt%である、ならびに/あるいは
(g)多層錠剤の層を形成するn個の更なるセグメント(S)のそれぞれの総重量は、160±120mg(すなわち、40mg〜280mg)、より好ましくは160±105mg、なおより好ましくは160±80mg、なおより好ましくは160±65mg、さらにより好ましくは160±50mg、最も好ましくは160±35mg、特に160±20mgの範囲内である、ならびに/あるいは
(h)n個の更なるセグメント(S)は、それぞれ、鎮痛薬、好ましくは、イブプロフェン、ジクロフェナク、パラセタモール、アセチルサリチル酸およびこれらの生理学的に許容可能な塩からなる群から選択されるものを、第2の薬理活性成分(A)として含有する、ならびに/あるいは
(i)n個の更なるセグメント(S)は、それぞれ、増量剤、好ましくは微晶質セルロースを含有し、ここで前記増量剤の含有量は、n個の更なるセグメント(S)のうちの1個の総重量に対して、好ましくは30±25wt%、より好ましくは30±20wt%、なおより好ましくは30±15wt%、なおより好ましくは30±13wt%、さらにより好ましくは30±10wt%、最も好ましくは30±7wt%、特に30±5wt%である、ならびに/あるいは
(j)第1の薬理活性成分(A)は、ヒドロコドンまたはその生理学的に許容可能な塩であり、第2の薬理活性成分(A)はパラセタモールである、ならびに/あるいは
(k)多層錠剤は、全体として投与される。
【0511】
上記の定義において、特徴(a)、(b)、(c)...(k)は、「ならびに/あるいは」によって関連している。本明細書の目的において、このことは、本発明の多層錠剤が、好ましくは、前記特徴(a)、(b)、(c)...(k)の全て、または前記特徴(a)、(b)、(c)...(k)の部分群だけを実現することを意味する。本発明の好ましい多層錠剤は、少なくとも特徴(a)、または少なくとも特徴(a)および(b)、または少なくとも特徴(a)、(b)および(c)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)および(d)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)、(d)および(e)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)、(d)、(e)および(f)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)および(g)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)および(h)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)および(i)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、(i)および(j)を実現する。
【0512】
好ましくは、本発明の医薬剤形は、多成分錠剤である。本発明の多成分錠剤では、複数の成形セグメント(S)は、マトリックスを形成する単一の更なるセグメント(S)に埋め込まれている不連続相を形成する(図1Dを参照すること)。好ましくは、多成分錠剤は、m個の成形セグメント(S)、およびm個の成形セグメント(S)が埋め込まれているマトリックスを形成する単一の更なるセグメント(S)を含み、ここでmは、2、3、4,5または6、好ましくは2または3の整数である。任意選択で、多成分錠剤は糖コーティングされうる(糖衣錠)。
【0513】
好ましくは、
(a)多成分錠剤は、1日1回、1日2回または1日3回の経口投与用に構成されている、ならびに/あるいは
(b)多層錠剤の層を形成するm個の成形セグメント(S)のそれぞれの総重量は、120±90mg(すなわち、30mg〜210mg)、より好ましくは120±80mg、なおより好ましくは120±70mg、なおより好ましくは120±60mg、さらにより好ましくは120±50mg、最も好ましくは120±40mg、特に120±30mgの範囲内である、ならびに/あるいは
(c)m個の成形セグメント(S)は、それぞれ、第1の薬理活性成分(A)として、オピオイド、好ましくは、オキシコドン、オキシモルホン、ヒドロモルホン、ヒドロコドン、モルヒネ、タペンタドール、トラマドール、ブプレノルフィンおよびこれらの生理学的に許容可能な塩からなる群から選択されるものを含有する、ならびに/あるいは
(d)m個の成形セグメント(S)は、それぞれ、第1の薬理活性成分(A)がその持続性放出が達成されるように埋め込まれている、放出マトリックス材料を含有する、ならびに/あるいは
(e)m個の成形セグメント(S)は、それぞれ、好ましくは、ポリアルキレンオキシド、非イオン性アクリレート、アニオン性アクリレートまたはカチオン性アクリレートからなる群から選択される、より好ましくは、少なくとも500,000g/molの重量平均分子量を有するポリエチレンオキシドであるポリマー(C)を含む、放出マトリックス材料を含有する、
(f)m個の成形セグメント(S)は、それぞれ、ポリマー(C)を含む放出マトリックス材料を含有し、ここで前記ポリマー(C)の含有量は、m個の成形セグメント(S)のうちの1個の総重量に対して、好ましくは少なくとも30wt%、なおより好ましくは少なくとも35wt%、なおより好ましくは少なくとも40wt%、さらにより好ましくは少なくとも45wt%、最も好ましくは少なくとも50wt%、特に少なくとも55wt%である、ならびに/あるいは
(g)m個の成形セグメント(S)が埋め込まれている、多成分錠剤のマトリックスを形成する単一の更なるセグメント(S)の総重量は、485±450mg(すなわち、35mg〜935mg)、より好ましくは485±300mg、なおより好ましくは485±250mg、なおより好ましくは485±200mg、さらにより好ましくは485±150mg、最も好ましくは485±75mg、特に485±35mgの範囲内である、ならびに/あるいは
(h)単一の更なるセグメント(S)は、鎮痛薬、好ましくは、イブプロフェン、ジクロフェナク、パラセタモール、アセチルサリチル酸およびこれらの生理学的に許容可能な塩からなる群から選択されるものを、第2の薬理活性成分(A)として含有する、ならびに/あるいは
(i)単一の更なるセグメント(S)は、増量剤、好ましくは微晶質セルロースを含有し、ここで前記増量剤の含有量は、2個の更なるセグメント(S)のうちの1個の総重量に対して、好ましくは30±25wt%、より好ましくは30±20wt%、なおより好ましくは30±15wt%、なおより好ましくは30±13wt%、さらにより好ましくは30±10wt%、最も好ましくは30±7wt%、特に30±5wt%である、ならびに/あるいは
(j)第1の薬理活性成分(A)は、ヒドロコドンまたはその生理学的に許容可能な塩であり、第2の薬理活性成分(A)はパラセタモールである、ならびに/あるいは
(k)多成分錠剤は、全体として投与される。
【0514】
上記の定義において、特徴(a)、(b)、(c)...(k)は、「ならびに/あるいは」によって関連している。本明細書の目的において、このことは、本発明の多成分錠剤が、好ましくは、前記特徴(a)、(b)、(c)...(k)の全て、または前記特徴(a)、(b)、(c)...(k)の部分群だけを実現することを意味する。本発明の好ましい多成分錠剤は、少なくとも特徴(a)、または少なくとも特徴(a)および(b)、または少なくとも特徴(a)、(b)および(c)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)および(d)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)、(d)および(e)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)、(d)、(e)および(f)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)および(g)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)および(h)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)および(i)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、(i)および(j)を実現する。
【0515】
他の好ましい実施形態において、本発明の医薬剤形はカプセル剤であり、好ましくは、単一の成形セグメント(S)および単一の更なるセグメント(S)が充填されているカプセル剤、単一の成形セグメント(S)および複数の更なるセグメント(S)が充填されているカプセル剤、複数の成形セグメント(S)および単一の更なるセグメント(S)が充填されているカプセル剤、ならびに複数の成形セグメント(S)および複数の更なるセグメント(S)が充填されているカプセル剤からなる群から選択される。これらの実施形態は、全て、成形セグメント(S)および更なるセグメント(S)が充填されているカプセル剤に関するように。成形セグメント(S)は典型的には凝集性の圧縮塊を形成するが、更なるセグメントは、凝集性の圧縮塊を形成することも、または粉末状の材料の形態で存在することもできる。カプセル剤は、全体として、患者に投与されうる物質の単一単位を構成する。カプセル剤の総重量は、特に制限されない。典型的には、50mg〜1250mgの範囲内である。本発明のカプセル剤に含有される成形セグメント(S)および更なるセグメント(S)の数は、特に制限されない。典型的には、本発明のカプセル剤は、1、2もしくは3個、またはそれ以下の成形セグメント(S)、ならびに1、2もしくは3個、またはそれ以下の更なるセグメント(S)を含有する。上記に一般的に定義された全ての好ましい実施形態が、本発明の好ましいカプセル剤に完全に当てはまり、したがって繰り返さない。しかしながら本発明のカプセル剤の特に好ましい実施形態が、本明細書以降に更に詳細に記載される。
【0516】
好ましくは、本発明の医薬剤形は、成形セグメント(S)および更なるセグメント(S)が充填されているカプセル剤である。これらの本発明のカプセル剤では、成形セグメント(S)は、好ましくはカットロッド(cut rods)として存在し、更なるセグメント(S)は、好ましくは、カプセル剤の内側に適合するようなサイズの錠剤として存在する。
【0517】
好ましくは、
(a)カプセルは、1日1回、1日2回または1日3回の経口投与用に構成されている、ならびに/あるいは
(b)成形セグメント(S)のそれぞれの総重量は、270±210mg(すなわち、60mg〜480mg)、より好ましくは270±180mg、なおより好ましくは270±150mg、なおより好ましくは270±120mg、さらにより好ましくは270±90mg、最も好ましくは270±60mg、特に270±30mgの範囲内である、ならびに/あるいは
(c)成形セグメント(S)は、それぞれ、第1の薬理活性成分(A)として、オピオイド、好ましくは、オキシコドン、オキシモルホン、ヒドロモルホン、ヒドロコドン、モルヒネ、タペンタドール、トラマドール、ブプレノルフィンおよびこれらの生理学的に許容可能な塩からなる群から選択されるものを含有する、ならびに/あるいは
(d)成形セグメント(S)は、それぞれ、第1の薬理活性成分(A)がその持続性放出が達成されるように埋め込まれている、放出マトリックス材料を含有する、ならびに/あるいは
(e)成形セグメント(S)は、それぞれ、好ましくは、ポリアルキレンオキシド、非イオン性アクリレート、アニオン性アクリレートまたはカチオン性アクリレートからなる群から選択される、より好ましくは、少なくとも500,000g/molの重量平均分子量を有するポリエチレンオキシドであるポリマー(C)を含む、放出マトリックス材料を含有する、
(f)成形セグメント(S)は、それぞれ、ポリマー(C)を含む放出マトリックス材料を含有し、ここで前記ポリマー(C)の含有量は、1個の成形セグメント(S)の総重量に対して、好ましくは少なくとも30wt%、なおより好ましくは少なくとも35wt%、なおより好ましくは少なくとも40wt%、さらにより好ましくは少なくとも45wt%、最も好ましくは少なくとも50wt%、特に少なくとも55wt%である、ならびに/あるいは
(g)更なるセグメント(S)のそれぞれの総重量は、360±350mg(すなわち、10mg〜710mg)、より好ましくは360±300mg、なおより好ましくは360±250mg、なおより好ましくは360±200mg、さらにより好ましくは360±150mg、最も好ましくは360±100mg、特に360±50mgの範囲内である、ならびに/あるいは
(h)更なるセグメント(S)は、それぞれ、鎮痛薬、好ましくは、イブプロフェン、ジクロフェナク、パラセタモール、アセチルサリチル酸およびこれらの生理学的に許容可能な塩からなる群から選択されるものを、第2の薬理活性成分(A)として含有する、ならびに/あるいは
(i)更なるセグメント(S)は、それぞれ、増量剤、好ましくはプレゲル化(pregelled)トウモロコシデンプンを含有し、ここで前記増量剤の含有量は、1個の更なるセグメント(S)の総重量に対して、好ましくは10±9wt%、より好ましくは10±8wt%、なおより好ましくは10±7wt%、なおより好ましくは10±6wt%、さらにより好ましくは10±5wt%、最も好ましくは10±4wt%、特に10±3wt%である、ならびに/あるいは
(j)第1の薬理活性成分(A)は、ヒドロコドンまたはその生理学的に許容可能な塩であり、第2の薬理活性成分(A)はパラセタモールである、ならびに/あるいは
(k)カプセル剤は、全体として投与される。
【0518】
上記の定義において、特徴(a)、(b)、(c)...(k)は、「ならびに/あるいは」によって関連している。本明細書の目的において、このことは、本発明のカプセル剤が、好ましくは、前記特徴(a)、(b)、(c)...(k)の全て、または前記特徴(a)、(b)、(c)...(k)の部分群だけを実現することを意味する。本発明の好ましいカプセル剤は、少なくとも特徴(a)、または少なくとも特徴(a)および(b)、または少なくとも特徴(a)、(b)および(c)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)および(d)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)、(d)および(e)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)、(d)、(e)および(f)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)および(g)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)および(h)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)および(i)、または少なくとも特徴(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、(i)および(j)を実現する。
【0519】
本発明の医薬剤形を薬に、例えば鎮痛薬に使用することができる。したがって医薬剤形は、疼痛の治療または管理に特に適している。そのような医薬剤形において、薬理活性成分(A)および(A)は、好ましくは鎮痛効果がある。好ましくは、第1の薬理活性成分(A)は、ヒドロコドンまたはその生理学的に許容可能な塩であり、第2の薬理活性成分(A)はパラセタモールである。
【0520】
本発明の更なる態様は、疼痛の治療に使用するための、上記に記載された医薬剤形に関する。
【0521】
本発明の更なる態様は、疼痛を治療するための上記に記載された医薬剤形の製造のための、第1の薬理活性成分(A)のおよび第2の薬理活性成分(A)の使用に関する。
【0522】
本発明の更なる態様は、剤形が全体として嚥下される、疼痛の治療に使用するための上記に記載された医薬剤形に関する。
【0523】
本発明の更なる態様は、疼痛を治療する方法であって、それを必要とする対象に上記に記載された医薬剤形を投与することを含む方法に関する。
【0524】
本発明の更なる態様は、上記に記載された医薬剤形の、そこに含有された第1の薬理活性成分(A)の乱用を避けるまたは妨げるための使用に関する。
【0525】
本発明の更なる態様は、上記に記載された医薬剤形の、そこに含有された第1の薬理活性成分(A)の故意ではない過量服用を避けるまたは妨げるための使用に関する。
【0526】
この点において、本発明は、また、機械的作用による医薬剤形の粉砕に特に起因する第1の薬理活性成分(A)の過量服用を防止することによる障害の予防および/または治療のための、上記に記載された医薬剤形の使用に関する。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下も包含し得る。
1.(i)第1の薬理活性成分(A)を含有し、その持続性放出を提供する少なくとも1個の成形セグメント(S)と、
(ii)第2の薬理活性成分(A)を含有し、その即時放出を提供する少なくとも1個の更なるセグメント(S)と
を含む医薬剤形であって、
前記の少なくとも1個の成形セグメント(S)が、前記の少なくとも1個の更なるセグメント(S)よりも高い破壊強さを示し、前記の少なくとも1個の成形セグメント(S)が、500Nを超える破壊強さを示す、医薬剤形。
2.前記の少なくとも1個の更なるセグメント(S)が、最大で500Nの破壊強さを示す、上記1に記載の医薬剤形。
3.第2の薬理活性成分(A)が、第1の薬理活性成分(A)と異なる、上記1または2に記載の医薬剤形。
4.(i)第1の薬理活性成分(A)が、向精神効果を有し;および/または
(ii)第2の薬理活性成分(A)が、WHOによるATC分類[M01A]、[M01C]、[N02B]および[N02C]から選択される、
上記1〜3のいずれか一つに記載の医薬剤形。
5.第1の薬理活性成分(A)が、オピオイドまたはその生理学的に許容可能な塩である、上記1〜4のいずれか一つに記載の医薬剤形。
6.第2の薬理活性成分(A)が、アセチルサリチル酸、アロキシプリン、サリチル酸コリン、サリチル酸ナトリウム、サリチルアミド、サルサラート、エテンザミド、サリチル酸モルホリン、ジピロセチル、ベノリラート、ジフルニサル、サリチル酸カリウム、グアセチサル、カルバサラートカルシウム、サリチル酸イミダゾール、フェナゾン、メタミゾールナトリウム、アミノフェナゾン、プロピフェナゾン、ニフェナゾン、パラセタモール、フェナセチン、ブセチン、プロパセタモール、リマゾリウム、グラフェニン、フロクタフェニン、ビミノール、ネホパム、フルピルチン、ジコノチド、メトキシフルラン、ナビキシモルス、ジヒドロエルゴタミン、エルゴタミン、メチセルギド、リスリド、フルメドロキソン、スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、リザトリプタン、アルモトリプタン、エレトリプタン、フロバトリプタン、ピゾチフェン、クロニジン、イプラゾクロム、ジメトチアジン、オキセトロン、フェニルブタゾン、モフェブタゾン、オキシフェンブタゾン、クロフェゾン、ケブゾン、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、ゾメピラック、ジクロフェナク、アルクロフェナク、ブマジゾン、エトドラク、ロナゾラク、フェンチアザク、アセメタシン、ジフェンピラミド、オキサメタシン、プログルメタシン、ケトロラク、アセクロフェナク、ブフェキサマク、ピロキシカム、テノキシカム、ドロキシカム、ロルノキシカム、メロキシカム、イブプロフェン、ナプロキセン、ケトプロフェン、フェノプロフェン、フェンブフェン、ベノキサプロフェン、スプロフェン、ピルプロフェン、フルルビプロフェン、インドプロフェン、チアプロフェン酸、オキサプロジン、イブプロキサム、デクスイブプロフェン、フルノキサプロフェン、アルミノプロフェン、デクスケトプロフェン、ナプロキシノド、メフェナム酸、トルフェナム酸、フルフェナム酸、メクロフェナム酸、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブ、エトリコキシブ、ルミラコキシブ、ナブメトン、ニフルム酸、アザプロパゾン、グルコサミン、ベンジダミン、グルコサミノグリカンポリサルフェート、プロカゾン、オルゴテイン、ニメスリド、フェプラゾン、ジアセレイン、モルニフルメート、テニダップ、オキサセプロール、コンドロイチン硫酸、オキシシンコフェン、金チオリンゴ酸ナトリウム、金チオ硫酸ナトリウム、オーラノフィン、金チオグルコース、オーロチオプロール、ペニシラミンおよびブシラミンからなる群から選択される、上記1〜5のいずれか一つに記載の医薬剤形。
7.第1の薬理活性成分(A)が、ヒドロコドンまたはその生理学的に許容可能な塩であり、第2の薬理活性成分(A)が、パラセタモールである、上記1〜6のいずれか一つに記載の医薬剤形。
8.第1の薬理活性成分(A)が、合成または天然ポリマー(C)を含む持続性放出マトリックスに埋め込まれている、上記1〜7のいずれか一つに記載の医薬剤形。
9.(i)合成または天然ポリマー(C)の含有量が、成形セグメント(S)の全重量に対して少なくとも30wt%であり;および/または
(ii)合成または天然ポリマー(C)が、アクリルポリマーまたはポリアルキレンオキシドから選択される、
上記8に記載の医薬剤形。
10.ヨーロッパ薬局方に準じたバスケット法を75rpmで使用する、600mLの0.1N HClにおけるインビトロ条件下において、生理学的な条件下で1時間後、医薬剤形に元々含有されていた第1の薬理活性成分(A)の全量に対して最大で50%のAを放出している、上記1〜9のいずれか一つに記載の医薬剤形。
11.ヨーロッパ薬局方に準じたバスケット法を75rpmで使用する、600mLの0.1N HClにおけるインビトロ条件下において、生理学的な条件下で1時間後、医薬剤形に元々含有されていた第2の薬理活性成分(A)の全量に対して少なくとも60%の第2の薬理活性成分(A)を放出している、上記1〜10のいずれか一つに記載の医薬剤形。
12.前記の少なくとも1個の成形セグメント(S)が、改変防止性であり、摩砕に対する抵抗性および/または溶媒抽出に対する抵抗性および/またはエタノール水溶液における用量ダンピングに対する抵抗性を提供する、上記1〜11のいずれか一つに記載の医薬剤形。
13.カプセル剤、糖コーティング錠剤、乾燥コーティング錠剤、マントル錠剤および層状錠剤からなる群から選択される、上記1〜12のいずれか一つに記載の医薬剤形。
14.前記の少なくとも1個の成形セグメント(S)が熱成形されている、上記1〜13のいずれか一つに記載の医薬剤形。
15.単一のモノリスの成形セグメント(S)または多数の粒子状成形セグメント(S)を含有する、上記1〜14のいずれか一つに記載の医薬剤形。
16.成形セグメント(S)が、少なくとも2.0mmの任意の方向への伸びを有する、上記15に記載の医薬剤形。
17.経口投与するためのものである、上記1〜16のいずれか一つに記載の医薬剤形。
18.全体として投与されるためのものである、上記1〜17のいずれか一つに記載の医薬剤形。
19.上記1〜18のいずれか一つに記載の医薬剤形を製造する方法であって、
(i)第1の薬理活性成分(A)および天然または合成ポリマー(C)を含む、少なくとも1個の成形セグメント(S)を熱成形するステップと、
(ii)第2の薬理活性成分(A)を含む少なくとも1個の更なるセグメント(S)を提供するステップと、
(iii)前記の少なくとも1個の成形セグメント(S)、前記の少なくとも1個の更なるセグメント(S)および任意選択で更なる賦形剤を組み合わせるステップと
を含む方法。
20.剤形が全体として嚥下される、疼痛の治療に使用するための上記1〜16のいずれか一つに記載の医薬剤形。
【実施例】
【0527】
以下の仮想例および非仮想例は、本発明を更に例示するが、本発明の範囲を制限するものと解釈されるべきではない。
【0528】
仮想例A1〜A6−錠剤
例A1:
二層錠剤を形成するように配置されている、単一の成形セグメント(S)および単一の更なるセグメント(S)(図1Aを参照すること)。以下の組成の二層錠剤を調製することができる。
【0529】
【表12】
【0530】
【表13】
【0531】
例A2:
成形セグメント(S)および更なるセグメント(S)がマントル錠剤を形成するように配置されるように形成された、シェルを形成する単一の更なるセグメント(S)により囲まれているコアを形成する単一の成形セグメント(S)(図1Bを参照すること)。以下の組成のマントル錠剤を調製することができる。
【0532】
【表14】
【0533】
【表15】
【0534】
例A3:
成形セグメント(S)が中間層を形成し、2個の更なるセグメント(S)が外側層を形成する、三層錠剤を形成するように配置される単一の成形セグメント(S)および2個の更なるセグメント(S)(図1Cを参照すること)。以下の組成の三層錠剤を調製することができる。
【0535】
【表16】
【0536】
【表17】
【0537】
例A4:
好ましくは成形セグメント(S)が、それぞれ、2個の隣接する更なるセグメント(S)の間に配置されている、多層錠剤を形成するように配置されている複数の成形セグメント(S)および複数の更なるセグメント(S)。以下の組成の多層錠剤を調製することができる。
【0538】
【表18】
【0539】
【表19】
【0540】
例A5:
マトリックスを形成する更なるセグメント(S)に埋め込まれている不連続相を形成する、複数の成形セグメント(S)(図1Dを参照すること)。以下の組成の多成分錠剤を調製することができる。
【0541】
【表20】
【0542】
【表21】
【0543】
例A6:
糖コーティングにより一緒にコーティングされ、それにより糖コーティング錠剤(糖衣錠)を形成する、単一の成形セグメント(S)および1個または複数の更なるセグメント(S)。上記の例A1〜A3のいずれかの組成の糖コーティング錠剤を調製することができる。
【0544】
仮想例B1〜B4−充填カプセル剤
例B1:
単一の成形セグメント(S)および単一の更なるセグメント(S)(図2Aを参照すること)。以下の組成のカプセル剤を調製することができる。
【0545】
【表22】
【0546】
268.77mgのカットロッドは、成分(S)を計量し、篩を掛け(メッシュサイズ1.0mm)、Bohle LM40MC20でブレンドし、続いて、6つの冷却注入器を備えたZSE27 Micro PH40D(溶融温度124℃、スクリュー回転速度100rpm、ダイ直径5.0mm、溶融圧力約80バール)を使用して押し出すことによって、製造することができる。押出ストランドをCombi CuttingユニットCC250により切断することができる。
【0547】
361.00mgの錠剤は、成分(S)の顆粒を直接圧縮により直接圧縮することによって、調製することができる。顆粒は、製造会社Atabay/Turkeyから「Paracetamol DC APC 230F/MS」として市販されている。
【0548】
1個のカットロッドおよび1個の錠剤を硬ゼラチンカプセルに充填することができる。
【0549】
例B2:
単一の成形セグメント(S)および複数の更なるセグメント(S)(図2Bを参照すること)。以下の組成のカプセル剤を調製することができる。
【0550】
【表23】
【0551】
268.77mgのカットロッドは、成分(S)を計量し、篩を掛け(メッシュサイズ1.0mm)、Bohle LM40MC20でブレンドし、続いて、6つの冷却注入器を備えたZSE27 Micro PH40D(溶融温度124℃、スクリュー回転速度100rpm、ダイ直径5.0mm、溶融圧力約80バール)を使用して押し出すことによって、製造することができる。押出ストランドをCombi CuttingユニットCC250により切断することができる。
【0552】
180.50mgの錠剤は、成分(S)の顆粒を直接圧縮により直接圧縮することによって、調製することができる。顆粒は、製造会社Atabay/Turkeyから「Paracetamol DC APC 230F/MS」として市販されている。
【0553】
1個のカットロッドおよび2個の錠剤を硬ゼラチンカプセルに充填することができる。
【0554】
例B3:
モノリスの形態または粉末状材料の形態で任意選択で存在しうる、複数の成形セグメント(S)および単一の更なるセグメント(S)(図2Fを参照すること)。以下の組成のカプセル剤を調製することができる。
【0555】
【表24】
【0556】
134.385mgのカットロッドは、成分(S)を計量し、篩を掛け(メッシュサイズ1.0mm)、Bohle LM40MC20でブレンドし、続いて、6つの冷却注入器を備えたZSE27 Micro PH40D(溶融温度124℃、スクリュー回転速度100rpm、ダイ直径5.0mm、溶融圧力約80バール)を使用して押し出すことによって、製造することができる。押出ストランドをCombi CuttingユニットCC250により切断することができる。
【0557】
361.00mgの錠剤は、成分(S)の顆粒を直接圧縮により直接圧縮することによって、調製することができる。顆粒は、製造会社Atabay/Turkeyから「Paracetamol DC APC 230F/MS」として市販されている。
【0558】
2個のカットロッドおよび1個の錠剤を硬ゼラチンカプセルに充填することができる。
【0559】
例B4:
複数の成形セグメント(S)および複数の更なるセグメント(S)(図2C、DおよびEを参照すること)。以下の組成のカプセル剤を調製することができる。
【0560】
【表25】
【0561】
134.385mgのカットロッドは、成分(S)を計量し、篩を掛け(メッシュサイズ1.0mm)、Bohle LM40MC20でブレンドし、続いて、6つの冷却注入器を備えたZSE27 Micro PH40D(溶融温度124℃、スクリュー回転速度100rpm、ダイ直径5.0mm、溶融圧力約80バール)を使用して押し出すことによって、製造することができる。押出ストランドをCombi CuttingユニットCC250により切断することができる。
【0562】
180.50mgの錠剤は、成分(S)の顆粒を直接圧縮により直接圧縮することによって、調製することができる。顆粒は、製造会社Atabay/Turkeyから「Paracetamol DC APC 230F/MS」として市販されている。
【0563】
2個のカットロッドおよび2個の錠剤を硬ゼラチンカプセルに充填することができる。
【0564】
非仮想例
例1:
パラセタモールと、オキシコドンHClを含むカットロッドとを含有するカプセル剤
カットロッドは、成分を計量し、篩を掛け(メッシュサイズ1.0mm)、Bohle LM40MC20でブレンドし、続いて、6つの冷却注入器を備えたZSE27 Micro PH40D(溶融温度124℃、スクリュー回転速度100rpm、ダイ直径5.0mm、溶融圧力約80バール)を使用して押し出すことによって製造した。押出ストランドをCombi CuttingユニットCC250により切断した。1個のカットロッドおよび粉末形態のパラセタモールを硬ゼラチンカプセルに充填した。パラセタモールと、オキシコドンHClを含むカットロッドとを含有するカプセル剤の組成:
【0565】
【表26】
【0566】
カプセル剤を、カットロッドに含有されたオキシコドンHClに関する改変防止性を評価するため、異なる試験に付した。
【0567】
ハンマー試験を、1000mmの高さから500gの重りを落下させることによって実施した。試験の後、カットロッドは依然として無傷であった。
【0568】
破壊強さ(破砕に対する抵抗力)は、Zwick Z2.5材料試験器、Fmax=2.5kN、最大延伸1150mmを使用して測定した。カットロッドは、>500Nの破壊強さを示した。図3は、対応する力距離ダイアグラムを示す。
【0569】
カプセル剤からのオキシコドンHClの放出プロファイルは、ヨーロッパ薬局方に準じたバスケット方法を、インビトロ条件下において600mLの0.1N HCl、SIF sp(pH6.8)および0.1N HCl+40%エタノールのそれぞれに75rpmで使用して決定した。結果を本明細書下記の表にまとめる。
【0570】
【表27】
【0571】
カプセル剤からのオキシコドンHClの抽出を、40%エタノール、室温の水および沸騰水のぞれぞれにおいて(30mL、30分間)試験した。結果を下記の表にまとめる。
【0572】
静脈注射を調製する乱用者の試みを模擬するため、カプセル剤を、市販のコーヒーミルBosch MKM6000型、180W、Typ KM13で2分間摩砕し、続いて沸騰水で5分間抽出した。結果を下記の表にまとめる。
【0573】
【表28】
【0574】
参照例
以下の例2〜7は参照例であり、これらは、薬理活性成分を含み、かつ500Nを超える破壊強さを有するセグメントに関する。
【0575】
参照例2〜4および6は、それぞれ、1個のみのセグメントおよび前記1個のセグメントを含む剤形に関する。参照例5は、同じ破壊強さを有する2個の同一のセグメントを含む剤形に関する。
【0576】
当業者は、参照例に例示されているこれらのセグメントのいずれかを、薬理活性成分を含み、かつ例えば参照例のセグメントより低い破壊強さを有する別のセグメントと組み合わせることができる。
【0577】
参照例2:
カットロッドは、例1に開示された手順に従い、A1−S−1に開示された組成を有し、各カットロッドの総重量が215mgであるように、製造した。組成を下記の表にまとめる。
【0578】
【表29】
【0579】
破壊強さ(破砕に対する抵抗性)は、Sotax HT100(DEAC−IN−00705)を使用して測定した。カットロッドは、1000Nの破壊強さを示した(平均値;n=3、測定値b=b=b=1000N)。
【0580】
図4は、600mLのSGF(pH1.2)およびSGF(pH1.2)+40%エタノールのそれぞれにおいてヨーロッパ薬局方に準じたシンカーを75rpmで用いるバスケット方法を使用して、インビトロ条件下(n=3)で決定された1個のカットロッドの放出プロファイルを示す。
【0581】
参照例3:
カットロッドは、例1に開示された手順に従い、A1−S−1に開示された組成を有するように製造したが、各カットロッドの総重量を107.5mgに調整したことが唯一の例外であった。組成を下記の表にまとめる。
【0582】
【表30】
【0583】
図5は、600mLのSGF(pH1.2)およびSGF(pH1.2)+40%エタノールのそれぞれにおいてヨーロッパ薬局方に準じたシンカー(カットロッド1個あたり1個のシンカー)を75rpmで用いるバスケット方法を使用して、インビトロ条件下(n=3)で決定された2個のカットロッドの放出プロファイルを示す。
【0584】
参照例4:
1個のカットロッドを含むカプセル剤を、例1に開示された手順に従って製造した。1個のカットロッド(215mg)をカプセル(サイズ1)に充填した。カプセル剤の組成を下記の表にまとめる。
【0585】
【表31】
【0586】
破壊強さ(破砕に対する抵抗性)は、Sotax HT100(DEAC−IN−00705)を使用して測定した。カプセル剤は、63Nの破壊強さを示した(平均値;n=3、測定値b=50N、b=76N、b=1000N)。
【0587】
測定値bは、不正確な測定によって得られた(カプセル剤が破砕され、カットロッドの破壊強さが代わりに測定された)ため、破壊強さの平均値に含めなかった。
【0588】
図6は、600mLのSGF(pH1.2)およびSGF(pH1.2)+40%エタノールのそれぞれにおいてヨーロッパ薬局方に準じたシンカーを75rpmで用いるバスケット方法を使用して、インビトロ条件下(n=3)で決定された、カプセル内の1個のカットロッドの放出プロファイルを示す。
【0589】
参照例5:
2個のカットロッドおよびラクトース錠剤を含むカプセル剤を、例1に開示された手順に従って製造した。2個のカットロッド(それぞれ107.5mg)およびスペーサーとしてラクトース錠剤(72mg)を、カプセル(サイズ1)に充填した。カプセル剤の組成を下記の表にまとめる。
【0590】
【表32】
【0591】
破壊強さ(破砕に対する抵抗性)は、Sotax HT100(DEAC−IN−00705)を使用して測定した。カプセル剤は、38Nの破壊強さを示した(平均値;n=3、測定値b=1000N、b=31N、b=45N)。
【0592】
測定値bは、不正確な測定によって得られた(カプセル剤が破砕され、カットロッドの破壊強さが代わりに測定された)ため、破壊強さの平均値に含めなかった。
【0593】
図7は、600mLのSGF(pH1.2)およびSGF(pH1.2)+40%エタノールのそれぞれにおいてヨーロッパ薬局方に準じたシンカーを75rpmで用いるバスケット方法を使用して、インビトロ条件下(n=3)で決定された、カプセル内の2個のカットロッドおよびラクトース錠剤の放出プロファイルを示す。
【0594】
参照例6:
層−コア−錠剤(マントル−コア−錠剤)(9×21mmの長方形)は、コアとして1個のカットロッド(215mg)およびマントルとしてMCCに基づいた混合物を使用して製造した。MCCに基づいた混合物は、微晶質セルロース(MCC)と崩壊剤としての2wt%のトウモロコシデンプンおよび1wt%のステアリン酸マグネシウムとの混合物であった。マントルコア錠剤の組成を下記の表にまとめる。
【0595】
【表33】
【0596】
破壊強さ(破砕に対する抵抗性)は、Sotax HT100(DEAC−IN−00705)を使用して測定した。マントル錠剤は、65Nの破壊強さを示した(平均値;n=3、測定値b=63N、b=58N、b=73N)。
【0597】
図8は、600mLのSGF(pH1.2)およびSGF(pH1.2)+40%エタノールのそれぞれにおいてヨーロッパ薬局方に準じたシンカーを75rpmで用いるバスケット方法を使用して、インビトロ条件下(n=3)で決定されたマントル錠剤の放出プロファイルを示す。
【0598】
参照例7:
層−コア−錠剤(マントル−コア−錠剤)(9×21mmの長方形)は、コアとして2個のカットロッドおよびラクトース錠剤(72mg)、ならびにマントルとしてMCCに基づいた混合物を使用して製造した。MCCに基づいた混合物は、微晶質セルロース(MCC)と崩壊剤としての2wt%のトウモロコシデンプンおよび1wt%のステアリン酸マグネシウムとの混合物であった。マントルコア錠剤の組成を下記の表にまとめる。
【0599】
【表34】
【0600】
破壊強さ(破砕に対する抵抗性)は、Sotax HT100(DEAC−IN−00705)を使用して測定した。マントル錠剤は、19Nの破壊強さを示した(平均値;n=3、測定値b=18N、b=21N、b=17N)。
【0601】
図9は、600mLのSGF(pH1.2)およびSGF(pH1.2)+40%エタノールのそれぞれにおいてヨーロッパ薬局方に準じたシンカーを75rpmで用いるバスケット方法を使用して、インビトロ条件下(n=3)で決定されたマントル錠剤の放出プロファイルを示す。
【0602】
図10〜14
図10〜14は、参照例2〜7で得られた放出プロファイルの組合せを示す。
【0603】
図10は、カットロッド(質量=215mg)それ自体(参照例2、図4)、カプセル剤(参照例4、図6)およびマントル錠剤の形態(参照例6、図8)における放出プロファイルを示す。
【0604】
図11は、1個のカットロッド(質量=215mg)(参照例2、図4)および2個のカットロッド(質量=107.5mg)(参照例3、図5)の放出プロファイルを示す。
【0605】
図12は、1個のカットロッドを含有するカプセル剤(参照例4、図6)および2個のカットロッドを含有するカプセル剤(参照例5、図7)の放出プロファイルを示す。
【0606】
図13は、1個のカットロッドを含有するマントル錠剤(参照例6、図8)および2個のカットロッドを含有するマントル錠剤(参照例7、図9)の放出プロファイルを示す。
【0607】
図14は、2個のカットロッド(質量=107.5mg)それ自体(参照例3、図5)、カプセル剤(参照例5、図7)およびマントル錠剤の形態(参照例7、図9)における放出プロファイルを示す。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14