(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1ゲート部材は、その閉位置部において自身を通った第2開口部を形成し、前記第2ゲート部材は、その閉位置部において、前記第1ゲート部材の前記第2開口部に向かって前記第2ゲート部材の内面から突出したプラグを含んでいることを特徴とする請求項1に記載のバルブ。
前記第1ゲート部材および第2ゲート部材の少なくとも一方は、その閉位置部において自身を通った第2開口部を形成し、前記内部ゲート部材は、その閉位置部の両側に略連続的な外側面を備え、該外側面は前記第1ゲート部材および第2ゲート部材の第2開口部と整列されていることを特徴とする請求項7に記載のバルブ。
前記バネ装填式ゲートの他の部材は前記第2ゲート部材であり、前記第2ゲート部材は、その閉位置部において、前記第1ゲート部材の第2開口部に向かって前記第2ゲート部材の内面から突出したプラグを含んでいることを特徴とする請求項11に記載のバルブ。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の詳細な記載は、本発明の一般的な原理を現しており、添付図に追加的に記載された実施例である。図において、類似の参照符号は、同一のまたは機能的に類似した要素を示している。
【0010】
ここで使用された「流体」は、任意の液体、懸濁液、コロイド、ガス、プラズマ、またはそれらの組み合わせを意味している。
【0011】
図1〜
図4は、内燃エンジン、特にブレーキ真空ブーストシステムの一部としてのデバイス100の一実施形態を示している。デバイス100は、内部チャンバ103を形成し且つチャンバ103と流体連通したポート108を備えた容器部130およびキャップ132を含み得る、ハウジング102を含んでいる。
図1および
図2に見られているように、ポート108は、容器部130を通じてハウジング102に入っている。しかしながら、
図6に示された代替的な実施形態においては、ハウジング102´は、同様に容器部130およびキャップ132を含んでいるが、ここではポート108´は、キャップ132を通じてハウジング102´に入っている。好適に、キャップ132は容器部130に密着して接続されている。
【0012】
図2〜
図4を参照すると、チャンバ103内には、バルブ機構120に接続可能なステム114を備えたピストン110を含んだアクチュエータ104が収容されている。ステム114は、バルブ機構120に近接した(ここでは結合端部として参照され得る)近位端152と、バルブ機構120から離れた遠位端154(
図2に付されている)と、を備えている。この実施形態においては、バルブ機構120は、バルブ開口部124とポケット126とを備えた導管122を含み、少なくとも部分的にポケット126内に受容可能であり且つ通路129を備えたゲート部材128を含んでいる。
図2に見られているように、ポケット126は、導管122を第1セクション123aおよび第2セクション123bに分離している。ポペットバルブ、バタフライバルブ、または他の公知のバルブのような他のバルブが、アクチュエータ104に接続され得る。
【0013】
図2に見られているように、導管122は、バルブ開口部124に向かって両端から連続的に且つ漸次的にテーパとなった、もしくは狭くなったチューブであってもよく、これによりバルブ開口部124において最小内径を有する。この砂時計形状の断面125は、バルブ開口部124において中心となり、開放の際にゲート部材128の面に作用する摩擦力を減少している。導管122のこの漸次的狭窄は、バルブにかかる圧力を最小化している。別の実施形態においては、
図6に見られているように、導管122は、その全長に沿って均一の内径127を有し得る。
【0014】
ゲート部材128を備えたバルブ機構120を備えた、
図1〜
図4の実施形態においては、ゲート部材128は、レールシステム160によってピストン110に接続されており、レールシステムは、ゲート部材128を導管122の長手軸A(
図2)に沿ってスライド移動させ、これにより導管122内の圧力に応答して、導管122内にシールを形成している。レールシステム160(
図3および
図4に最もよく見られている)は、ステム114の近位端152近傍のガイドレール162を含んでいる。ガイドレール162は、その両側の軌道溝164を含んでいる。ゲート部材128は、ガイドレール162に嵌合して軌道溝164に適合するような形状とされ且つ構成されたスライダ166を含んでいる。
【0015】
アクチュエータ104はバルブ機構120、特に
図2〜
図4のゲート部材128の開放および閉鎖を、ピストン110の動作によって制御している。
図3および
図4に見られているように、ピストン110は、始動位置140(
図3)と二次位置142(
図4)との間で移動可能である。この実施形態(
図3)における始動位置140は、バルブ機構120の開位置である。別の実施形態においては、始動位置はバルブの閉位置であってもよい。ピストン110は、少なくとも部分的に磁気誘引性材料111を含み(またはそのような材料から形成され)、ピストン110は、第1磁石116および第2磁石118(
図2に断面が見えている)に誘引され得る。バネ112はピストン110に対向して載置され、ピストン110を一般的に始動位置140へと付勢し、第1磁石116はバネ112を補助するように載置されて、始動位置140にピストン110を維持している。第2磁石118は、ピストン110が二次位置142に移動した場合に、二次位置142(
図4)にピストン110を維持するように配置されている。
【0016】
ピストンのステム114は、そこからバルブ機構の反対まで延びていてもよく、
図2〜
図4に見られているように、キャップ132内のガイドチャネル146内に受容されてもよい。キャップ132は、バネ112のためのシート148を含んでいてもよい。キャップ132のこれらの特徴はアクチュエータの整列に寄与し、バネおよびピストンのねじりおよび/または座屈を回避している。
【0017】
アクチュエータ104は、ピストン110とハウジング102との間に配置されて、始動位置140に到達したときに騒音を減少させる第1バンパ138と、ピストン110とハウジング102との間に配置されて、二次位置142に到達したときに騒音を減少させる第2バンパ139と、を含んでいる。第1バンパ138は、ハウジング102とバルブ機構120との間の開口部150をシールするためにも配置されている(
図2および
図4参照)。一実施形態においては、開口部150は、全体的に円錐台面に形成されてもよい。第1バンパ138および第2バンパ139は、ハウジング102内の環状溝内に、またはステム114のようなピストン110の部品上に載置され得る。
【0018】
引き続き
図2〜
図4を参照すると、ピストン110は、チャンバ103の内表面に対するリップシールとして、その外周の周りにシール部材134を含んでいてもよい。ピストン110の外周は環状溝136を含み、その溝内にシール部材134を載置している。一実施形態においては、シール部材134はOリング、Vリング、またはXリングとし得る。それとは異なり、シール部材134は、別の部材に対してシール係合するための、シール材料から形成された任意の他の環状シールとし得る。
【0019】
動作において、アクチュエータ104は、ポート108を介したチャンバ103への流体の導入もしくはチャンバ103からの流体の排出、および磁石116、118の補助によって、ピストン110を移動させる。ピストン110は始動位置140(
図3)にあり、バネ力および第1磁石116の磁力によってこの位置においてそこに保持されたままであり、それは取り付けられたバルブの開位置もしくは閉位置に相当しており、その状態は、限界の力がピストン110に加えられて、バネ力および第1磁石の磁力を超えるまで維持される。この限界の力に到達したとき、ピストン110は、第2磁石の磁力の補助とともに、その移動の全長を二次位置142(
図4)へと移動し、その後、ピストン110を二次位置142において維持する。その移動の全長を通したピストン110の動作は素早く、それらの間にほとんど小休止のない瞬間的に近い動作であり、すなわち、始動位置140と二次位置142との間においてピストンのラグまたは浮動がなく、それはピストンの「スナップ」動作として記載され得る。この「スナップ」は、バンパなしでは可聴音を生じ、それはピストン110に関する第2磁石118の磁気的誘因の結果であり、その誘引は、ピストンを二次位置142へと素早く移動するために作用する。その後、第2磁石118は、より低い限界の力に到達するまで、ピストン110を二次位置に保持または維持し、その低い限界の力に到達すると、ピストンはスナップ式動作によってその全長を再度移動することによって、その始動位置140に戻るように移動する。
【0020】
その始動位置からその二次位置へのピストンの動作は、「スナップ」動作として記述されてもよい。この「スナップ」は非常に素早く、始動位置と二次位置との間の移動の全長におけるピストンの瞬間的に近い動作であり、それらの間においてピストンのラグまたは浮動がない。始動位置と二次位置との間で移動する場合の、アクチュエータの「スナップ」動作は、磁石の存在によって容易にされており、この磁石は、2つの位置の間でピストンを誘引して引っ張る。このことは、バンパなしのそのような素早い動作が騒音を減少させ、交互の位置に到達した場合に、ピストンがハウジングに接触して、スナップ状の音が聞こえることとなり、それはアクチュエータの構成に依存して、取り付けられたバルブの「オン」位置もしくは「オフ」位置とされてもよい。
【0021】
図6は、バルブデバイスの別の実施形態を図示しており、全体的に参照符号200で示され、内燃エンジンにおいて使用するためのものである。デバイス200は、内部チャンバ103を形成し且つチャンバ103と流体連通したポート108を備えた容器部130およびキャップ132を含み得る、ハウジング102を含んでいる。
図6に見られているように、ポート108は、容器部130およびキャップ132を通じてハウジング102に入っているが、それに限定されない。ここに図示されたように、代替の実施形態においては、ポート108は、個別に容器部130またはキャップ部132のいずれかを通じて入ってもよい。チャンバ103内にはアクチュエータ104が収容されており、このアクチュエータは、前述の通り、バルブ機構120に接続可能なステム114を備えたピストン110と、ピストン110を第1位置に付勢するバネ112と、ピストン110を磁気的に誘引するための1つ以上の磁石116と、を含んでいる。
【0022】
デバイス200は位置センサ92を含み、ピストン110の位置を感知して、ポート108を通じたチャンバ103内への流体流れを制御するコントローラ(図示略)へのフィードバックを可能にし得る。位置センサは、米国仮出願第61/662,255号明細書に記載されたようなものであり、位置センサおよびアクチュエータ内におけるそれらの適用を開示したすべてに関して、参照によりここに統合されている。
【0023】
図6のバルブ機構120は、バルブ開口部124およびポケット126を備えた導管122を含み、少なくとも部分的にポケット126内に受容可能なバネ装填式ゲート228を含み、バネ装填式ゲート228を貫通した通路229を備えている。バネ装填式ゲート228は、ポケット126内において線形に移動可能であり、ピストン110の線形動作に応答して、導管122内において開位置(
図3参照)と閉位置(
図4参照)との間でバネ装填式ゲート228を移動させる。導管122は、前述の通りである。導管のバルブ開口部124は、最大約2インチ(50.8mm)の直径であってもよい。別の実施形態においては、バルブ開口部124は、約1インチ(25.4mm)以下の直径である。別の実施形態においては、バルブ開口部124は、約0.5インチ(12.7mm)以下の直径である。別の実施形態においては、バルブ開口部は、約0.25インチ(6.35mm)と約0.5インチ(12.7mm)との間の直径を有するような寸法とされている。
【0024】
図7〜
図9を参照すると、バネ装填式ゲートの一実施形態は、全体的に参照符号228で示されたように図示されている。バネ装填式ゲート228は、第1ゲート部材230、第2ゲート部材232、および第1ゲート部材230と第2ゲート部材232との間に受容された環状弾性バンド234を含んでいる。環状弾性バンド234は、第1ゲート部材230と第2ゲート部材232との間に挟まれるように記載されてもよい。
図9に見られているように、第2ゲート部材232は、その内面252の一部として、環状弾性バンドの一部を受容するためのトラック236を含んでいる。
図7〜
図9には見えていないが、第1ゲート部材230もトラック236を含んでいる。一実施形態においては、弾性材料は天然ゴムまたは合成ゴムである。
【0025】
第1ゲート部材230および第2ゲート部材232は、同一またはほぼ類似した部材であってもよいが、それに限定されない。
図7および
図9に示されたように、第1ゲート部材230および第2ゲート部材232は同一であり、図が印刷されたページの向きにおけるゲート228の右側または左側のいずれかとすることが可能である。このことは、導管122内の流体流れの方向にかかわらず、バルブの類似した性能を可能にしている。
【0026】
図7および
図9を参照すると、第1ゲート部材230および第2ゲート部材232の両方は、開口部233を備え、その内部に通路229の一部を画定している。開位置において、
図6に示されたように、バネ装填式ゲート228を通じた通路229は、導管122と整列されており、流体がそこを通じて流れることを可能にしている。通路229を備えたゲートの一部は、開位置部240(
図7)としてここに参照されており、スライダ266の反対側に配置された隣接部は、閉位置部242として参照されており、それは、閉位置に移動した場合、ゲート228のこの部分が、導管122を閉塞して、そこを通る流体流れを遮るからである。各ゲート部材230、232の閉位置部242は、概略平滑な連続した外側面250を備えている。
【0027】
ここで、環状弾性バンド234は全体的に楕円形状であり、したがって、開放空間を形成した内周282、外周284、および対向した第1側286、第2側288を含んでいる。環状弾性バンド234は、第1ゲート部材230および第2ゲート部材232のトラック236内に受容され、一方のトラック236内に第1側286が受容され、他方のトラック236内に第2側288が受容されている。環状バンド234が、第1ゲート部材230および第2ゲート部材232のトラック236内に載置された場合、第1ゲート部材230および第2ゲート部材232は、互いに距離Dだけ離間されている(
図7)。トラック236は、環状弾性バンド234が同様にゲート部材の外周から離れて挿入されるように配置されている。
図8に見られているように、この構成は、第1ゲート部材230と第2ゲート部材232との間の環状弾性バンド234の外面の周囲にチャネル254を形成し、このチャネルは、
図6に示された排出ポート170と流体連通したポケット126内において、バネ装填式ゲート228の周囲に流体を流している。チャネル254を介したこの排出は、導管122を通じた流体流れの方向に略直交しており、ゲートがより完全にポケット内に移動した場合に、ポケット126から流体を排出する。
【0028】
環状弾性バンド234は、第1ゲート部材230と第2ゲート部材232との間で圧縮可能であり、したがって、導管122を通じた流れの方向に平行に作用するバネとして機能する。環状弾性バンド234は、第1および第2ゲート部材を付勢して、ポケット126の対向した壁と密着係合している。それに加えて、環状弾性バンド234は、導管を通じて流れる流体によって環状弾性バンド234にかけられた力に反応して、径方向外向きに膨張し、環状弾性バンド234と第1ゲート部材230および第2ゲート部材232内のトラック236の外壁部との間にシールを形成する。
【0029】
動作時に、
図6に示された開位置において、左から右へもしくは右から左へと導管を通じて流れる流体は、バネ装填式ゲート228内の通路229を通過し、流体の圧力は、環状弾性バンド234に径方向外向き作用する力を与え、したがって環状弾性バンドを、トラック236の外周と密着係合するように押圧する。この密着係合は、アクチュエータへの流体の漏れを防止し、
図7〜
図9に示された実施形態のゲート228を、
図3および
図4に示された単一ボディ、剛体ゲートのゲート部材よりも、より漏れに抵抗する状態としている。この実施形態は、特に大気圧もしくは準大気圧において導管122を通る気流を伴った、特に自然吸気エンジンとの使用に適している。しかしながら、導管122が過給器システムの過給圧側に接続された実施形態においては、環状弾性バンド234によって提供された漏れの保護は、導管122を通じて流れる流体がポケット126内に圧力を生じ、その圧力がバネ装填式ゲート228(およびこれによりピストン110)を別のピストンを押圧するように作用し得る、もしくはそうでなければその制御された動作を妨げるように作用し得ることを防止することを補助している。過給エンジンにおける、およびバネ装填式ゲート228によって得られる圧力は、一般的に約5psi〜約30psiの間の範囲である。
【0030】
環状弾性バンド234はゲートも構成し、このゲートは、環状弾性バンド234があるために、特にポケット126の寸法、およびゲート部材230、232の厚さに関して、製造公差に対して敏感でない。ポケット126は、一般的にバネ装填式ゲート228の除荷された幅よりも小さい幅を有するように形成され、締りばめを形成している。バネ装填式ゲート228内において、バネ装填式ゲート228がポケット126内に挿入された場合、環状弾性バンド234は、第1ゲート部材230と第2ゲート部材232との間で圧縮された状態となる。ポケット126内に挿入(楔打ち)された場合の、第1ゲート部材230および第2ゲート部材232への環状弾性バンドの付勢作用は、各個別のゲート部材を付勢または押圧し、ポケットの壁と密着係合させて、漏れを減少または防止する。最も重要なことは、剛体ゲート部材230、232もしくは単一の剛体ゲートの弾性係数に対して、実質的により低い環状弾性バンドの弾性係数は、バネ装填式ゲート228に作用する垂直抗力およびその経路に沿ったアセンブリの線形動作に対抗する垂直抗力が、実質的により低くなることを意味している。このことは摩擦力(摩擦力は垂直抗力と摩擦係数との積に等しい)、したがって、必要なソレノイド作動力を減少させている。この利得は、以下に記載された他の実施形態にも等しくあてはまる。
【0031】
ここで
図10および
図11を参照すると、全体的に参照符号228´として示されたバネ装填式ゲートの第2実施形態が提供されており、それは
図7〜
図9と同様に、第1ゲート部材230´、第2ゲート部材232´、および第1ゲート部材230´と第2ゲート部材232´との間に受容された環状弾性バンド235を含んでいる。環状弾性バンド235は、第1ゲート部材230´と第2ゲート部材232´との間に挟まれるように記載され得る。
図9に見られているように、第2ゲート部材232´は、その内面252´の一部として環状弾性バンド235の一部を受容するためのトラック237を含んでいる。
図10および
図11には見えていないが、第1ゲート部材230´もトラック237を含んでいる。両方のゲート部材230´、232´は、前述のように、ゲート228´をピストン110の連結端部152(
図6)にスライド可能に連結するためのスライダ266´を含んでいる。
【0032】
ここで、
図11に示されているように、環状弾性バンド235は、全体的に8の字形状の弾性材料製バンドであり、したがって、第1開放空間を形成した第1内周272、第2開放空間を形成した第2内周273、外周274、ならびに対向した第1側276および第2側278を含んでいる。環状弾性バンド235は、第1ゲート部材230´および第2ゲート部材232´のトラック237内に受容され、一方のトラック237内に第1側276が受容され、他方のトラック237内に第2側278が受容されている。環状弾性バンド235が8の字形状であるので、トラック237も通常は8の字形状である。環状バンド235が、第1ゲート部材230´および第2ゲート部材232´のトラック237内に載置された場合、第1ゲート部材230´および第2ゲート部材232´は、互いに距離D´だけ離間されている(
図10)。トラック237は、第1ゲート部材230´および第2ゲート部材232´の外周から所定の距離だけ離れるように(すなわち、外側から所定の距離だけ内側に)環状弾性バンド235を受容して、前述の
図6〜
図9に関連したような排出を提供するように配置されている。
【0033】
第1ゲート部材230´および第2ゲート部材232´は、互いに実質的に異なっているが、両方がその内部に通路229の一部を形成した第1開口部233´を備え、この通路は開位置において導管122と整列されて、流体がそこを通じて流れることを可能にしている。ゲートのこの部分は、開位置部240´として参照され(
図10)、その部分に隣接したスライダ266´の反対側は、閉位置部242´として参照され、それは、閉位置に移動した場合に、ゲート228´のこの部分が導管122を塞ぎ、流体が底を通じて流れることを防止するためである。この実施形態においては、第1ゲート部材230´の閉位置部242´は、そこを通った第2開口部244を含んでいる。第2開口部は、第1開口部233´と略同一の寸法であってもよい。第2ゲート部材232´は、その閉位置部242´内に第2開口部を含んでいない。代わりに、第2ゲート部材232´の閉位置部242´は、実質的に連続的で平滑な外面を備えている。第2ゲート部材232´は、その内面252´から突出したプラグ253を含み得る。このプラグ253は、環状弾性バンド235によって形成された第2開口空間の寸法内に適合し、少なくとも第1ゲート部材230´の第2開口部244のサイズとなるような寸法とされており、第2開口部244は、弾性バンド235の第2内周273よりも小さい開口部を形成している。プラグ253は、第2ゲート部材232´の内面252´実質的に平滑な部分であってもよい。
【0034】
開位置において、通路229を通じて流れる流体は、環状弾性バンド235に径方向外向きに作用する力を生じ、したがって環状弾性バンドを押圧して、トラック237の外周と密着係合させる。この密着係合は、アクチュエータおよびポケット126内への流体の漏れを減少させまたは防止しており、
図10および
図11に示された実施形態におけるバネ装填式ゲート228´を、
図3および
図4に示されたゲート部材よりもより漏れに抵抗する状態としている。
【0035】
閉位置において、導管122内の流体流れは、第1ゲート部材230´によって形成されたバネ装填式ゲート228´の側に向かう方向となり得る。特に、流れのこの向きは、導管122が過給器システムの過給圧側に接続されて、全体的にそこを通る流れから過給圧を停止するように作動された場合に有利である。これは、過給圧が第2開口部244を通過し、環状弾性バンド235の第2内周273に向かってプラグ253によって配向され、環状弾性バンドに径方向外向きに作用し、環状弾性バンドを第1ゲート部材230´および第2ゲート部材232´のトラック237に対して密着係合させる。第2開口部244の存在は、第1ゲート部材230´の外側面の表面積を最小化しており、これにより、過給圧は導管122内の流れ方向に平行に作用する力を負荷し、環状弾性バンド235を軸方向に圧縮させることを可能にしている。過給圧が環状弾性バンド235を軸方向に圧縮した場合、ゲート部材230´、232´の一方は距離をD´に縮めて他方のより近くに移動し、ポケット126の1つの壁とゲート部材の1つの壁との間のギャップを生じ、そこを通じて流体が漏れ得る。このことは、所望しない結果である。したがって、ゲート部材228´に関して、過給圧が、略連続的に平滑な外側面の第2ゲート部材232´に衝撃を与える方向において、導管内を流れることは所望されない。
【0036】
図12〜14を参照すると、(第1または第2ゲート部材のいずれかに向かった方向の流れとともに動作可能な)自在バネ装填式ゲートが図示され、参照符号328によって示されている。自在バネ装填式ゲート328は、
図10および
図11の実施形態と同様の第1ゲート部材230´と、第1ゲート部材230´と同様の全体構成を備えた第2ゲート部材332と、閉位置に関して必要な閉塞に寄与する内部ゲート部材334と、第1ゲート部材230´と内部ゲート部材334との間に形成されたトラック内に配置された第1環状弾性バンド346と、第2ゲート部材332と内部ゲート部材334との間に形成されたトラック内に配置された第2環状弾性バンド348と、を備えている。
図13を参照すると、第2ゲート部材332は、開位置部240´内の第1開口部333と、閉位置部242´内の第2開口部344と、を含み、スライダ366を含み得る。内部ゲート部材334は、その開位置部240´内の開口部336を含み、閉位置部242´を形成した、対向した略連続的な外側面を備え、その外側面は、自在バネ装填式ゲート328が閉位置にある場合、導管を通じた流体の流れを妨げることが可能である。
【0037】
図12〜
図14に示された実施形態において、8の字形状の環状弾性バンドは、第1ゲート部材230´および第2ゲート部材332の各々の2つの開口部のために、好適である。8の字形状の環状弾性バンド346、348は、前述されている。ここで、第1環状弾性バンド346は、内部ゲート部材334の第1トラック352および第1ゲート部材230´のトラック237の両方の内部に載置され、それらのトラックは、好適に第1環状弾性バンド346を受容するための寸法とされた8の字形状である。それに類似して、第2環状弾性バンド348は、内部ケーと部材334の第2トラック337および第2ゲート部材332のトラック337の両方の内部に載置され、それらのトラックは、好適に第2環状弾性バンド348を受容するための寸法とされた8の字形状である。
【0038】
動作において、自在バネ装填式ゲート328は、開位置および閉位置において、
図10および
図11のバネ装填式ゲート228´の第1部ゲート材側に関して、前述のように作動する。自在バネ装填式ゲート328は、任意の特別な流れ配向を必要とすることなく、自然吸気、スーパーチャージャ付、またはターボチャージャ付エンジンに使用され得る。その普遍的性質、および第1および第2ゲート部材の各々の閉位置において減少された表面積の利得は、このゲートを機能させて、ゲートをシールさせて、導管を通じた流れの方向にかかわらず、ピストン100、200およびポケット126内への漏れを減少または防止している。この実施形態は、環状弾性バンドの外周の周りに複数のチャネル254を提供し、前述のように、アクチュエータと排出ポート170(
図6)との間の流体連通に寄与している利得を備えている。
【0039】
ここに開示されたバネ装填式ゲートの各実施形態において、環状弾性バンドは全体的に平滑なバンドとして記載され、
図6および
図14に見られているように、全体的に長方形断面を備えている。しかし、環状弾性バンドは、そのような構成に限定されない。別の実施形態において、環状弾性バンドは、
図15および
図16に示されたように、全体的に不規則な内面および外面を備えていてもよい。この実施形態においては、環状弾性バンドは全体的にジャバラとして参照された環状弾性バンド434であり、波状の外周474およびそれに対して反対に波状となった内周476を備えている。環状弾性バンド434が8の字形状構成を備えている場合、横断部材435は8の字の中央を形成し、ジャバラとされてもよい。
図15および
図16に示されたように、横断部材435およびバンドの主部のジャバラは、導管を通じた流体流れの方向に対して横向とされ、したがって、環状弾性バンド自身を通っている。ジャバラの弾性バンド434は、第1ゲート部材と第2ゲート部材との間のバンドの圧縮性により均一に寄与するので、有利である。
【0040】
詳細に且つその好適な実施形態を参照することによって本発明は記載されたため、添付の請求項に定義された本発明の範囲から逸脱することなく、改良および変更が可能であることは明らかである。