(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6466446
(24)【登録日】2019年1月18日
(45)【発行日】2019年2月6日
(54)【発明の名称】スマート電力システム
(51)【国際特許分類】
H02J 13/00 20060101AFI20190128BHJP
【FI】
H02J13/00 311R
【請求項の数】21
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-533279(P2016-533279)
(86)(22)【出願日】2013年8月6日
(65)【公表番号】特表2016-527870(P2016-527870A)
(43)【公表日】2016年9月8日
(86)【国際出願番号】US2013053718
(87)【国際公開番号】WO2015020632
(87)【国際公開日】20150212
【審査請求日】2016年7月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】514091080
【氏名又は名称】ベドロック・オートメーション・プラットフォームズ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100173565
【弁理士】
【氏名又は名称】末松 亮太
(72)【発明者】
【氏名】カルヴァン,ジェームズ・ジー
(72)【発明者】
【氏名】コラン,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ルーヤッカーズ,アルバート
【審査官】
猪瀬 隆広
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−252081(JP,A)
【文献】
実開昭59−074413(JP,U)
【文献】
特開平08−098274(JP,A)
【文献】
特開平11−235044(JP,A)
【文献】
国際公開第2013/102069(WO,A1)
【文献】
特表2007−512798(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0010016(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0271576(US,A1)
【文献】
柴田 浩司 ほか,産業用コントローラの新技術と標準化,東芝レビュー,日本,株式会社 東芝,2011年10月 1日,第66巻 第10号 ,19−22頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 13/00
H02J 1/00−1/16
H02J 3/00−5/00
H04Q 9/00
H02M 7/42−7/98
G06F 1/26−1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
産業用制御システムによって採用されるスマート電力システムであって、
マイクロコントローラと、
前記マイクロコントローラに電気的に接続され、電力変換パラメータを示す監視信号を前記マイクロコントローラに供給する電力変換器であって、電気エネルギを1つの形態から他の形態に変換するように構成される、電力変換器と、
前記マイクロコントローラに電気的に接続されたスイッチ素子であって、前記変換された電気エネルギの少なくとも1つの電気負荷への配給を制御するように構成される、スイッチ素子と、
前記少なくとも1つの電気負荷および前記マイクロコントローラに電気的に接続された検知素子であって、前記少なくとも1つの電気負荷に配給された前記変換された電気エネルギを監視するように構成され、前記変換された電気エネルギに基づいてフィードバック信号を前記マイクロコントローラに供給するように構成される、検知素子と
を含み、
前記マイクロコントローラが、
前記監視信号に基づいて、前記電力変換器を検証および監視するように構成され、
前記監視信号である電力変換パラメータが設定範囲内で動作していることに基づいて、または前記フィードバック信号である前記電気負荷に関連する異なる電力特性をプログラム可能な閾値と比較させることに基づいて、前記スイッチ素子の開閉を制御するように構成されることにより、前記少なくとも1つの電気負荷への前記変換された電気エネルギの配給を制御および監視するように構成される、スマート電力システム。
【請求項2】
請求項1記載のスマート電力システムにおいて、前記少なくとも1つの電気負荷が、プロセッサを含むインテリジェント電気負荷を含む、スマート電力システム。
【請求項3】
請求項1または2記載のスマート電力システムであって、更に、前記少なくとも1つの電気負荷および前記マイクロコントローラに電気的に接続されたコントローラを含み、前記コントローラが、前記少なくとも1つの電気負荷から診断情報を受けると共に、前記マイクロコントローラと双方向に通信するように構成され、前記コントローラが前記診断情報を前記マイクロコントローラに供給するように構成される、スマート電力システム。
【請求項4】
請求項3記載のスマート電力システムにおいて、前記コントローラがスレーブ・デバイスを備え、前記マイクロコントローラがマスタ・デバイスを備える、スマート電力システム。
【請求項5】
請求項1から4の何れか一項記載のスマート電力システムにおいて、前記スイッチ素子が、前記変換された電気エネルギを修正するように構成されるHブリッジ・デバイスを含み、該Hブリッジ・デバイスが少なくとも1つの共通電界効果トランジスタ(FET)対を含む、スマート電力システム。
【請求項6】
請求項1から5の何れか一項記載のスマート電力システムにおいて、前記検知素子が、前記少なくとも1つの電気負荷に配給された前記変換されたエネルギに基づいて、フィードバック信号を前記マイクロコントローラに供給するように構成され、前記マイクロコントローラが、前記フィードバック信号に基づいて、前記少なくとも1つの電気負荷への前記変換された電気エネルギの配給を制御および監視するように構成される、スマート電力システム。
【請求項7】
請求項1から6の何れか一項記載のスマート電力システムにおいて、前記少なくとも1つの電気負荷が、入力/出力(I/O)デバイスを備える、スマート電力システム。
【請求項8】
請求項1から7の何れか一項記載のスマート電力システムにおいて、前記マイクロコントローラが、プロセッサおよびメモリを含み、前記メモリが、第1電力特性に基づいて前記スイッチ素子または前記電力変換器の内少なくとも一方の動作を前記プロセッサに制御させるために、前記プロセッサによって実行可能なプログラムを組み込む有形コンピュータ可読媒体を格納するように構成される、スマート電力システム。
【請求項9】
請求項8記載のスマート電力システムにおいて、前記マイクロコントローラが、第2電力特性に基づいて、前記スイッチ素子または前記電力変換器の内少なくとも一方の動作を、前記プロセッサに制御させるために、前記プロセッサによって実行可能なアップグレード・プログラムを組み込む有形コンピュータ可読媒体を受け入れるように構成され、前記第2電力特性が前記第1電力特性とは異なる、スマート電力システム。
【請求項10】
産業用制御システムによって採用されるシステムであって、
コネクタを含むバックプレーンと、
前記コネクタと嵌合するように構成された少なくとも1つの電気負荷と、
前記バックプレーン内に統合されたスマート電力システムと、
を備え、前記スマート電力システムが、
マイクロコントローラと、
前記マイクロコントローラに電気的に接続され、電力変換パラメータを示す監視信号を前記マイクロコントローラに供給する電力変換器であって、電気エネルギを1つの形態から他の形態に変換するように構成される、電力変換器と、
前記マイクロコントローラに電気的に接続されたスイッチ素子であって、前記変換された電気エネルギの少なくとも1つの電気負荷への配給を制御するように構成される、スイッチ素子と、
前記少なくとも1つの電気負荷および前記マイクロコントローラに電気的に接続された検知素子であって、前記少なくとも1つの電気負荷に配給された前記変換された電気エネルギを監視するように構成され、前記変換された電気エネルギに基づいて、フィードバック信号を前記マイクロコントローラに供給するように構成される、検知素子と
を備え、
前記マイクロコントローラが、前記監視信号に基づいて前記電力変換器を検証および監視するように構成され、前記監視信号である電力変換パラメータが設定範囲内で動作していることに基づいて、または前記フィードバック信号である前記電気負荷に関連する異なる電力特性をプログラム可能な閾値と比較させることに基づいて、前記スイッチ素子の開閉を制御するように構成されることにより、前記少なくとも1つの電気負荷への前記変換された電気エネルギの配給を制御および監視するように構成される、システム。
【請求項11】
請求項10記載のシステムにおいて、前記少なくとも1つの電気負荷が、プロセッサを含むインテリジェント電気負荷を備える、システム。
【請求項12】
請求項10または11記載のシステムであって、更に、前記バックプレーンと統合され、前記少なくとも1つの電気負荷および前記マイクロコントローラに電気的に接続されたコントローラを備え、前記コントローラが、前記少なくとも1つの電気負荷から診断情報を受けると共に、前記マイクロコントローラと双方向で通信するように構成され、前記コントローラが、前記診断情報を前記マイクロコントローラに供給するように構成される、システム。
【請求項13】
請求項12記載のシステムにおいて、前記コントローラがスレーブ・デバイスを備え、前記マイクロコントローラがマスタ・デバイスを備える、システム。
【請求項14】
請求項10から13の何れか一項記載のシステムにおいて、前記スイッチ素子が、前記変換された電気エネルギを修正するように構成されたHブリッジ・デバイスを含み、前記Hブリッジ・デバイスが少なくとも1つの共通電界効果トランジスタ(FET)対を含む、システム。
【請求項15】
請求項10から14の何れか一項記載のシステムにおいて、前記検知素子が、前記少なくとも1つの電気負荷に配給された、変換されたエネルギに基づいて、フィードバック信号を前記マイクロコントローラに供給するように構成され、前記マイクロコントローラが、前記フィードバック信号に基づいて、前記少なくとも1つの電気負荷への前記変換された電気エネルギの配給を制御および監視するように構成される、システム。
【請求項16】
請求項10から15の何れか一項記載のシステムにおいて、前記少なくとも1つの電気負荷が、入力/出力(I/O)デバイスを含む、システム。
【請求項17】
請求項10から16の何れか一項記載のシステムにおいて、前記マイクロコントローラがプロセッサおよびメモリを含み、前記メモリが、第1電力特性に基づいて前記スイッチ素子または前記電力変換器の内少なくとも一方の動作を前記プロセッサに制御させるために、前記プロセッサによって実行可能なプログラムを組み込む有形コンピュータ可読媒体を格納するように構成される、システム。
【請求項18】
請求項17記載のシステムにおいて、前記マイクロコントローラが、第2電力特性に基づいて、前記スイッチ素子または前記電力変換器の内少なくとも一方の動作を前記プロセッサに制御させるために、前記プロセッサによって実行可能なアップグレード・プログラムを組み込む有形コンピュータ可読媒体を受け入れるように構成され、前記第2電力特性が前記第1電力特性とは異なる、システム。
【請求項19】
請求項10から18の何れか一項記載のシステムであって、更に、前記バックプレーン内に統合された第2スマート電力システムを備え、前記第2スマート電力システムが、冗長機能を前記バックプレーンに設けるように構成される、システム。
【請求項20】
産業用制御システムによって採用されるスマート電力システムを動作させる方法であって、
電力変換器において、電力変換パラメータを示す監視信号をマイクロコントローラに供給して、電気エネルギを1つの形態から他の形態に変換するステップと、
スイッチ素子において、少なくとも1つの電気負荷への前記変換された電気エネルギの配給を制御するステップと、
検知素子において、前記変換された電気エネルギに基づいてフィードバック信号を発生して、該フィードバック信号を前記マイクロコントローラに供給するステップと、
前記マイクロコントローラにおいて、前記監視信号である電力変換パラメータが設定範囲内で動作していることに基づいて、または前記フィードバック信号である前記電気負荷に関連する異なる電力特性をプログラム可能な閾値と比較させることに基づいて、前記スイッチ素子の動作を制御するステップであって、
前記監視信号に基づいて前記電力変換器を検証および監視することを含み、
前記スイッチ素子が、前記少なくとも1つの電気負荷への前記変換された電気エネルギの配給を許容する閉構成と、前記少なくとも1つの電気負荷への前記変換された電気エネルギの配給を少なくとも実質的に防止する開構成との間で移行するように構成される、ステップと、
を含む、方法。
【請求項21】
請求項20記載の方法において、前記少なくとも1つの電気負荷が、プロセッサを含むインテリジェント電気負荷を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001] 産業用制御システム(ICS)は、プロセス制御システム(PCS)、分散型制御システム(DCS)、プログム可能ロジック・コントローラ(PLC)に基づく、システム、管理(supervisory)制御およびデータ取得(SCADA)システム等を含むことができ、製品の生産および必須のサービスの提供における手段となる。ICSは、物理的なものを安全に生産し移動させるために、収集、監視、分析、判断、制御、および動作を行うディジタル技術に対する名称である。
【0002】
[0002] 産業用制御システム(ICS)は、電力を供給、送電、および使用するために種々の電気コンポーネントを使用する電力システムを含む。通例、電力システムは、電力をシステムに供給するように構成された1つ以上の電源を含む。電源は、DC電力をシステムに配電する直流(DC)電源、またはAC電力をシステムに配電する交流(AC)電源でもよい。電力システムは、機能を実行する電気負荷にエネルギを送配する(deliver)。これらの電気負荷は、センサからモータまでの範囲に及ぶことができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
[0003] スマート電力システムについて説明する。1つ以上の実装態様において、このスマート電力システムは、マイクロコントローラと、このマイクロコントローラに電気的に接続され、電気エネルギを1つの形態から他の形態に変換するように構成された電力変換器とを含む。スイッチ素子が、マイクロコントローラに電気的に接続され、変換された電気エネルギの電気負荷への配給を制御するように構成される。検知素子が、電気負荷およびマイクロコントローラに電気的に接続され、電気負荷に配給された、変換された電気エネルギを監視し、変換された電気エネルギに基づいてフィードバック信号を供給するように構成される。マイクロコントローラは、電力変換器を検証および監視し、フィードバック信号に基づいて、変換電気エネルギの電気負荷への配給(distribute)を制御および監視するように構成される。
【0004】
[0004] この摘要は、詳細な説明において以下で更に説明する概念から選択したものを、簡略化した形態で紹介するために設けられている。この摘要は、特許請求する主題の主要な特徴や必須の特徴を特定することを意図するのではなく、特許請求する主題の範囲を判断するときに補助として使用されることを意図するのでもない。
【0005】
[0005] 添付図面を参照しながら、詳細な説明について記載する。詳細な説明および図面において同じ参照番号を異なる実例において使用する場合、同様の項目または同一の項目を示すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、本開示の例示の実装態様によるスマート電力システムを示すブロック図である。
【
図2A】
図2Aは、本開示の例示の実装態様によるスマート電力システムのスイッチ素子を示す回路図である。
【
図2B】
図2Bは、本開示の例示の実装態様により、
図2Aに示すスイッチ素子を動作させるためのマイクロコントローラ制御信号の例(例えば、マイクロコントローラ制御信号<1>およびマイクロコントローラ信号<2>)を示す波形図である。
【
図3】
図3は、本開示の実装態様により、スマート電力システムを内部に有するバックプレーンを示すブロック図である。
【
図4】
図4は、本開示の例示の実装態様によりスマート電力システムを制御するための方法例を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
概要
[0011] 産業用制御システム(ICS)によって採用される電力システムは、電気負荷に給電して、この負荷がある機能を実行することを可能にする。例えば、電気負荷は、産業用制御システム内部で専用機能を実行するように構成された入力/出力(I/O)モジュールを含むこともできる。これらのI/Oモジュールには過電流事象(例えば、I/Oモジュールが「過熱」を起こす)が生ずることもある。しかしながら、電力システムはモジュールが過熱を起こしているときもI/Oモジュールに電流を供給し続けるおそれがあり、その結果I/Oモジュールの損傷または破壊の可能性もあり得る。加えて、電力システムは電力を産業用制御システム内にある各スロットに供給する場合もある。しかしながら、一部のスロットは使用されていないこともあり得る(例えば、産業用制御システム内のスロットが、そのスロットとインターフェースするI/Oモジュールを有していない)。
【0008】
[0012] したがって、スマート電力システムについて説明する。スマート電力システムは、このスマート電力システムが給電する1つ以上の電気負荷を監視するように構成される。例えば、スマート電力システムは、電気負荷に供給される電流、電気負荷に関連する温度等を監視するように構成することができる。ある場合には、スマート電力システムは、電気負荷に過電流事象が発生したときには、電気負荷に給電するのを中止することもできる。1つ以上の実装態様において、スマート電力システムは、マイクロコントローラと、このマイクロコントローラに電気的に接続された電力変換器とを含む。電力変換器は、電気エネルギを1つの形態から他の形態に変換するように構成される。例えば、電力変換器は、交流(AC)電気エネルギから直流(DC)電気エネルギに、またはその逆に、電気エネルギを変換することができる。他の例では、電気エネルギの振幅特性および/または周波数特性を修正することもできる。スイッチ素子がマイクロコントローラに電気的に接続され、変換された電気エネルギの電気負荷への配給を制御するように構成される。
【0009】
[0013] 実施形態において、スイッチ素子は、Hブリッジ構成に配置された複数のスイッチを含む。検知素子が電気負荷およびマイクロコントローラに電気的に接続され、電気負荷に配給された変換電気エネルギを監視し、変換電気エネルギの特性に基づいて、フィードバック信号を供給するように構成される。具体的な実施形態において、検知素子はインピーダンス素子を含む。
【0010】
[0014] マイクロコントローラは、電力変換器を検証および監視し、更にフィードバック信号に基づいて、変換電気エネルギの電気負荷への配給を制御および監視するように構成される。例えば、マイクロコントローラは、スイッチ素子の動作を制御する制御信号を発生するように構成することもできる。実装態様において、第1マイクロコントローラ制御信号は、スイッチ素子を閉構成と開構成との間で移行させ、少なくとも実質的に変換電気エネルギの電気負荷への配給を防止することができ、一方第2マイクロコントローラ制御信号は、スイッチ素子を開構成と閉構成との間で移行させ、変換電気エネルギを電気負荷に配給することができる。他の実装態様において、1つ以上のマイクロコントローラ制御信号(例えば、交流方形波等)が、スイッチ素子に変換電気エネルギを修正させることもできる(例えば、変換電気エネルギを表す電気信号の周波数特性を修正する)。
【0011】
例示のスマート電力システム
[0015]
図1は、本開示によるスマート電力システムの一例100を示し、このスマート電力システム100は、1つ以上の電気負荷102(例えば、電気負荷104A,104Bが簡略化のために示されている)への電力配給を監視および/または制御するために動作可能である。1つ以上の実装態様において、電気負荷102は、産業用制御システム(ICS)の入力/出力(I/O)モジュール104を含むことができる。例えば、入力/出力モジュール104は、電気通信インフラストラクチャ内において利用される入力/出力モジュールを含む(comprise)こともできる。他の実装態様において、入力/出力モジュールは、産業用およびプロセス制御システム・インフラストラクチャ内において利用される入力/出力モジュールを含むこともできる。
【0012】
[0016]
図1に示すように、スマート電力システム100は、電力変換機能をシステム100に設ける(furnish)ように構成された電力変換器106を含む。電力変換器106は、電気エネルギを受ける入力端子108と、変換された電気エネルギをシステム100に供給する1つ以上の出力端子(例えば、出力端子110,112が簡略化のために示されている)を含む。電力変換器106は、1つの形態から他の形態に電気エネルギを変換するように構成される。例えば、電力変換器106は、電圧振幅特性および/または電圧周波数特性を修正するように構成することができる。他の例では、電力変換器106は、交流(AC)電圧を直流(DC)電圧に、またはその逆に変換するように構成される。ある実装態様において、電力変換器106は、約90ボルトAC(90VAC)から240ボルトAC(240VAC)までの範囲に及ぶ電気エネルギを受けるように構成される。他の実装態様において、電力変換器は、24ボルトDC(24VDC)の電源から電気エネルギを受けるように構成される。例えば、電力変換器106は、90ボルトAC(90VAC)信号を入力端子108において受けることができる。他の例では、電力変換器106は、120ボルトAC(120VAC)信号を入力端子108において受けることができる。更に他の例では、電力変換器106は、240ボルトAC(240VAC)信号を入力端子108において受けることができる。
【0013】
[0017] スマート電力システム100は、1つ以上のスイッチ素子も含む。
図1において、図示されるスマート電力システム100は、第1スイッチ素子114および第2スイッチ素子116を含み、これらは電気負荷102(例えば、電気負荷104Aおよび電気負荷104B)の動作(例えば、給電)を制御するように構成される。例えば、スイッチ素子114,116は、電気負荷104A,104Bに給電するために、変換された電気エネルギを負荷104A,104Bに供給するように構成される。第1および第2スイッチ素子114,116は、それぞれ、出力端子110,112に電気的に接続されている。スイッチ素子114,116は、各々、少なくとも実質的に電流フローを防止する開構成と、電流フローを許容する閉構成とを有するように構成される。1つ以上の実装態様において、以下で更に詳細に説明するように、スイッチ素子114,116は、それぞれのスイッチ素子114,116に入力される信号の周波数特性に関して、修正周波数特性を有する信号を出力するように構成することができる。
【0014】
[0018] 各スイッチ素子114,116は、検知素子118,120に電気的に接続されており、検知素子118,120はそれぞれの負荷104A,104Bを監視するように構成される。スイッチ素子114,116は、それぞれの負荷104A,104Bへの電流フローに基づいて、フィードバック信号を供給するように構成される。例えば、図示する実施形態において、各検知素子118,120は、それぞれの電気負荷(例えば、電気負荷104A,104B)に電気的に接続されている。検知素子118,120は、それぞれの電気負荷104A、104Bを監視し、電気負荷104A,104Bの監視に基づいて、フィードバック信号を供給するように構成される。例えば、フィードバック信号は、それぞれの電気負荷104A,104Bに供給されている電流値を示す信号を含むのでもよい。
【0015】
[0019]
図2Aに示すように、第1スイッチ素子114および第2スイッチ素子116は、Hブリッジ構成(例えば、Hブリッジ・デバイス)内に配置された多数のスイッチ202,204,206,208を含むことができる。1つ以上の実装態様において、スイッチ202,204,206,208は、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、電気機械型リレー等のような1つ以上のトランジスタを含むのでもよい。例えば、図示する実装態様において、スイッチ202,204,206,208は、各々、MOSFETデバイスを含み、ドレイン端子202A,204A,206A,208A、ソース端子202B,204B,206B,208Bおよびゲート端子202C,204C,206C,208Cを含む。更に、以下の論述では、スイッチ202およびスイッチ206の組み合わせ、および/またはスイッチ204および208の組み合わせは、各々、「共通FET対」と呼ぶこともできる。検知素子118,120は、
図2Aに示すように、それぞれインピーダンス素子210,212を含むことができる。例えば、インピーダンス素子210,212は、1つ以上の抵抗器、既知の抵抗を有する電気配線、または1つ以上のMOSFETを含むのでもよい。
【0016】
[0020]
図2Aに示すように、第1スイッチ素子114は、スイッチ202,204のドレイン端子202B,204Bに電気的に接続された入力端子214を含む。第1スイッチ素子114の入力端子214は、変換された電気エネルギを電力変換器106から受けるように構成され、出力端子216,218は負荷104Aに電気的に接続するように構成される。第1出力端子216は、スイッチ202の第2端子202Aとスイッチ206のドレイン端子206Bとの間に電気的に接続され、出力端子218は、スイッチ204のソース端子204Aとスイッチ208のドレイン端子208Bとの間に電気的に接続されている。スイッチ206のソース端子206Aおよびスイッチ208のソース端子208Aは、マイクロコントローラ122、第2スイッチ素子116、および検知素子118に電気的に接続されている。
【0017】
[0021] 第2スイッチ素子116は、直列に配置されたスイッチ220,222を含み、スイッチング素子に必要とされるスイッチの数を削減する(例えば、Hブリッジ・デバイスとして使用されるスイッチング素子と比較して)。1つ以上の実装態様において、スイッチ220,222は、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)のような1つ以上のトランジスタ、電気機械型リレー等を含むことができる。具体的な実装態様において、スイッチ素子116は、スイッチ202,204のソース端子202B,204Bに電気的に接続された入力端子224と、出力端子226とを含む。第2スイッチ素子116の入力端子224は、第1スイッチ素子118から変換電気エネルギを受けるように構成される。出力端子226は、負荷104Bに電気的に接続するように構成される。図示のように、出力端子226は、スイッチ220のソース端子220Aとスイッチ222のドレイン端子222Bとの間に電気的に接続されている。スイッチ222のソース端子222Aは、マイクロコントローラ122および検知素子120に電気的に接続されている。ある実装態様において、システム100は、システム100の能力にしたがって、追加の電気負荷102を含むこともできる。これらの実装態様において、システム100は、追加のスイッチ素子(例えば、直列に配置されたスイッチ220,222)、および追加の電気負荷毎に対応する検知素子を使用すればよい。
【0018】
[0022]
図1に示すように、スマート電力システム100は、電気負荷102への電力配給を制御および監視するように構成されたマイクロコントローラ122を含む。例えば、マイクロコントローラ120は、電気負荷104A、104Bへの変換電気エネルギの配給を監視および/または制御するように構成される。マイクロコントローラ120は、電力変換器106、スイッチ素子114,116、および検知素子118,120に電気的に接続されている。
【0019】
[0023] 図示のように、マイクロコントローラ122は、プロセッサ124およびメモリ126を含む。プロセッサ124は、マイクロコントローラ122に処理機能を設け、任意の数のプロセッサまたは他の処理システム、ならびにマイクロコントローラ122によってアクセスまたは生成されるデータおよび他の情報を格納するための内部(resident)または外部メモリを含むことができる。プロセッサ124は、本明細書において説明する技法を実現する1つ以上のソフトウェア・プログラム(例えば、モジュール)を実行することができる。メモリ126は、マイクロコントローラ122の動作に関連する種々のデータ、本明細書において説明するソフトウェア機能、あるいは本明細書において説明するステップを実行するようにマイクロコントローラ122のプロセッサ124または他のエレメントに命令するための他のデータを格納するための格納機能を設ける有形コンピュータ可読媒体の一例である。1つのメモリ126がマイクロコントローラ122内部に示されているが、多様なタイプおよび組み合わせのメモリを採用することができる。メモリ126は、プロセッサ124と一体であっても、単体メモリであっても、または双方の組み合わせであってもよい。メモリは、例えば、RAM、ROM、フラッシュ(例えば、SDカード、ミニSDカード、マイクロSDカード)、磁気デバイス、光デバイス、USBメモリ・デバイス等のような、リムーバブルおよび非リムーバブル・メモリ・エレメントを含むことができる。
【0020】
[0024]
図1に示すように、マイクロコントローラ122は、スマート電力システム・モジュール128を含み、これはメモリ126に格納可能であり、プロセッサ124によって実行可能である。例えば、スマート電力システム・モジュール128は、1つ以上のシステム100の制御を規定し駆動するために、プロセッサ124によって実行されるように構成されたコンピュータ可読命令を含むことができる。実装態様において、スマート電力システム・モジュール128は、1つ以上の入力パラメータに基づいて、スイッチ素子114,116の動作を制御する機能を表す。入力パラメータは、検知素子118,120によって供給されるフィードバック信号、電力変換器106に関連する電力変換パラメータを示す監視信号、および外部コントローラから受信される信号を含むことができるが、これらに限定されるのではない。
【0021】
[0025] 本明細書において更に詳しく説明するが、スマート電力システム・モジュール128は、システム100の1つ以上の態様(aspect)の動作を制御するために、プロセッサ124に、入力パラメータを1つ以上のプログラム可能な閾値と比較させるように構成される。ある実装態様において、スマート電力システム・モジュール128は、アップグレード可能であるとよい(例えば、1つ以上のコンピュータ可読命令が、アップグレードの要件にしたがって交換される)。例えば、1つ以上のプログラム可能な閾値が、システム100とインターフェースする電気負荷102に基づいてアップグレードされるのでもよい(例えば、システム100とインターフェースする電気負荷102に関連する異なる電力特性に基づいて、コンピュータ可読命令をアップグレードする)。
【0022】
[0026] ある実装態様において、スマート電力システム・モジュール128が、プロセッサ124に、電気負荷102に関係する履歴データをメモリ126内に格納させるように構成される。例えば、スマート電力システム・モジュール128が、プロセッサ124に、電気負荷102に関連する温度に関係するデータ(例えば、離散時間間隔における温度)を格納させ、電気負荷102に送配される電流に関係するデータ(例えば、離散時間間隔で電気負荷に送配される電流値)等を格納させるのでもよい。スマート電力システム・モジュール128は、プロセッサ124に、特定の電気負荷102に関係する履歴トレンド・データ(例えば、電気負荷102Aに関連する履歴トレンド・データ、電気負荷102Bに関連する履歴トレンド・データ等)を供給させるように構成されてもよい。ある実例では、スマート電力システム・モジュール128が履歴トレンド・データを利用して、スマート電力システム100に関連するユーザに、特定の負荷102が故障していること(または、負荷102の故障が差し迫っていること)を警告することもできる。
【0023】
[0027] マイクロコントローラ122は、スイッチ素子114,116に動作可能に接続することができる。例えば、
図2Aに示すように、マイクロコントローラ122は、ゲート端子202C,204C,206C,208C、220C、222Cに動作可能に接続されている。スマート電力システム100の動作中、マイクロコントローラ122は、それぞれのスイッチ素子114,116の動作を制御するために、選択的に制御信号(例えば、動作信号)をゲート端子202C,204C,206C,208C,220C,222Cに発行するように構成される。スイッチ素子114の端子202C,208Cおよびスイッチ素子116の端子222Cは、第1マイクロコントローラ制御信号を受けるように構成され、スイッチ素子114の端子204C,206Cおよびスイッチ素子116の端子220Cは、第2マイクロコントローラ制御信号を受けるように構成される。
【0024】
[0028] 実施形態において、第1マイクロコントローラ制御信号は方形波特性を有する信号を含むのでもよく、第2マイクロコントローラ制御信号は、第1マイクロコントローラ制御信号に関して約180度(180°)位相がずれた方形波特性を有する信号を含むのでもよい(
図2B参照)。例えば、第1離散時間間隔の間、制御信号は、スイッチ202,208,220を閉構成にして電流フローを許容させることができ、そしてスイッチ204,206,222を開構成にして電流フローを少なくとも実質的に防止させることができる。第2離散時間間隔の間、制御信号は、スイッチ204,206,220を閉構成にして電流フローを許容させることができ、そしてスイッチ202,208,222を開構成にして電流フローを少なくとも実質的に防止させることができる。他方に対して少なくともほぼ180度(180°)位相がずれた制御信号を利用することによって、スイッチ素子114,116が、出力端子216,218において、より周波数が高い変換エネルギ信号(例えば、スイッチ素子114の入力端子214における変換信号の周波数特性に関して、それよりも高い周波数特性を有する変換信号)を発生することを可能にすることができ、この変換エネルギ信号は少なくとも部分的に負荷104A、104Bに給電するために利用される。
【0025】
[0029]
図2Bに示すマイクロコントローラ制御信号は、変換電気エネルギを負荷102に配給するために、スイッチ素子114,116が閉構成にあるときに、スイッチ素子114,116を制御するために利用される。また、マイクロコントローラ122は、スイッチ素子114,116に、変換電気エネルギの配給を許容する閉構成と、変換電気エネルギの配給を防止する開構成との間で移行させるマイクロコントローラ制御信号を発行するように構成される。
【0026】
[0030] スマート電力システム・モジュール128は、検知素子118,120から受けるフィードバック信号に基づいて、スイッチ素子114,116を動作させるように構成することができる。前述のように、フィードバック信号は、それぞれのスイッチ素子114,116および/またはそれぞれのスイッチ素子118,120を通る電流フローを表す。実装態様において、スマート電力システム・モジュール128は、プロセッサ124に、フィードバック信号をプログラム可能な電流閾値と比較させるように構成される。更に、スマート電力システム・モジュール128は、スイッチング素子114,116に閉構成から開構成に移行させるためのマイクロコントローラ信号の発生を行うことを、プロセッサ124に命令するように構成され、電気負荷102が過電流事象によって損傷を受けるまたは破壊されるのを防止することができる。プログラム可能な電流閾値は、システム100とインターフェースされる電気負荷102に基づいて定めることができる。例えば、第1プログラム可能電流閾値が第1電気負荷104Aに対して定められてもよく、第2プログラム可能電流閾値(例えば、第1プログラム可能電流閾値よりも低い電流閾値、高い電流閾値、同じ電流閾値)が第2電気負荷104Bに対して定められてもよい。他の実装態様において、スマート電力システム・モジュール128が、電力変換器106から受ける監視信号に基づいて、スイッチ素子114,116の動作を制御するように構成されてもよい。例えば、マイクロコントローラ122は、電力変換器106に関連する電力効率および/または電力変換パラメータを連続的に監視するために、電力変換器106とインターフェースするように構成される。また、スマート電力システム・モジュール128は、電力変換器106が動作状態にあることをプロセッサ124に検証させるように構成される。例えば、スマート電力システム・モジュール128は、電力効率および/または電力変換パラメータがプログラム可能な電力変換器パラメータの設定範囲内で動作していることを、プロセッサ124に検証させるように構成されてもよい。
【0027】
[0031]
図1に示すように、コントローラ130は、マイクロコントローラ122および電気負荷102とインターフェースするように構成される。コントローラ130は、プロセッサ132およびメモリ134を含み、マイクロコントローラ122と双方向で通信するように構成される。コントローラ130は、スマート電力システム100に対して外部であってもよく、少なくとも部分的にマイクロコントローラ122の動作を制御するように、および/または電気負荷パラメータ(例えば、診断情報)をマイクロコントローラ122に供給するように構成することができる。コントローラ130の観点からは、マイクロコントローラ122は入力/出力モジュールであるように見えるのでもよい。
【0028】
[0032] 実装態様において、コントローラ130および/またはマイクロコントローラ122が、各々、互いに識別し合うため、またはシステム100の他のコンポーネントと識別し合うために、それぞれ一意のセキュリティ資格証明(例えば、鍵136および鍵138)を含むこともできる。これらの鍵136,138は、セキュリティ機能をシステム100に設けるための鍵対を形成するために、それぞれのコントローラ130およびマイクロコントローラ122に供給されるのでもよい。コントローラ130は、コントローラ130がマイクロコントローラ122と関連付けられた鍵138を識別できない場合、またはその逆の場合に、マイクロコントローラ122が動作するのを防止するように構成されてもよい。鍵136,138を利用すると、システム100の不正使用を防止すること、または他の製造会社のマイクロコントローラ(またはコントローラ)がシステム100と共に利用されることを防止することができる。
【0029】
[0033] また、コントローラ130は、電気負荷102とも接続されている。コントローラ130は、1つ以上の電気負荷パラメータを表す電気負荷信号を、電気負荷102から受けるように構成される。例えば、これらのパラメータには、負荷102を通る電流フローを表すパラメータ、電気負荷に関連する温度等を含むことができるが、これらに限定されるのではない。これらのパラメータは、電気負荷102から受ける診断情報を表すこともできる。コントローラ130は、電気負荷パラメータを示すコントローラ信号をマイクロコントローラ122に供給するように構成される。実装態様において、スマート電力システム・モジュール128は、コントローラ信号をプログラム可能な電気負荷パラメータ閾値と比較することをプロセッサ124に命令するように構成される。電気負荷パラメータ閾値は、電気負荷電流閾値、電気負荷温度閾値等を表すことができる。例えば、スマート電力システム・モジュール128が、電気負荷104Aに関連付けられた電気負荷パラメータ閾値を、それぞれのプログラム可能な電気負荷パラメータ閾値と比較することを、プロセッサ124に命令することができる。この比較に基づいて(例えば、電気負荷104A内部の温度が高すぎる、電気負荷104Aが受けている電流が多すぎる等)、スマート電力システム・モジュール128は、電気負荷104Aに対応するスイッチ素子114,116に閉構成から開構成に移行させて、少なくとも実質的に変換電気エネルギが電気負荷104Aに給電するのを防止することをプロセッサ124に命令するように構成される。ある実装態様において、コントローラ130は、マイクロコントローラ122に対するスレーブ・デバイスを含む。
【0030】
[0034]
図3は、本開示の例示の実装態様によるバックプレーン300を含むシステム例を示し、スマート電力システム100がバックプレーン300内に統合されている。バックプレーン300のようなバックプレーンは、通例、電力および/または通信信号の送信のために、産業用システムまたは電気通信システム内において利用される。図示のように、バックプレーン300は、プラガブル(pluggable)入力/出力(I/O)モジュール302(例えば、電気負荷102)を含む。例えば、バックプレーン300は、入力/出力モジュール302と嵌合するように構成されたコネクタ304(例えば、スロット)を含むことができ、入力/出力モジュール302をスマート電力システム100とインターフェースさせ、スマート電力システム100は、前述のように、少なくとも部分的に入力/出力モジュール302に給電するために利用される。例えば、バックプレーン300は、DC電源またはAC電源のような電源306を利用することができ、スマート電力システム100の電力変換器106は、電気エネルギを1つの形態から他の形態に変換するため、そして前述のように変換電気エネルギを利用して、少なくとも部分的に入力/出力モジュール302に給電するように構成される。
【0031】
[0035]
図3に示すように、電気負荷102(例えば、入力/出力モジュール302)は、各々、処理機能をそれぞれの負荷102に設けるように構成されたプロセッサ308を含むことができる。例えば、入力/出力モジュール302は、本開示内において説明するように、コントローラ130とインターフェースするように構成される。プロセッサ308は、1つ以上の電気負荷102のパラメータをコントローラ130に供給するように構成することができる。例えば、パラメータは、負荷102に関連する電流フロー、負荷102に関連する温度等というような、診断情報を含むことができる。
【0032】
[0036] 実装態様において、入力/出力モジュール302は、産業用制御システム内部で利用される入力モジュール、出力モジュール、および/または入力および出力モジュールを含むことができる。入力モジュールは、プロセスまたは現場における産業用制御システムの入力計器から情報を受信するために使用することができ、一方出力モジュールは、命令を現場における出力計器に送信するために使用することができる。例えば、I/Oモジュール302は、ガス・プラント、精製所等の配管における圧力を測定するためのセンサというような、プロセス・センサに接続することができる。実装態様において、入力/出力モジュール302は、適用分野(application)においてデータを収集しシステムを制御するために利用することができる。適用分野には、製造、生産、発電、製作、および精製というような産業用プロセス、水処理および給水、排水収集および処理、石油およびガス・パイプライン、送電および配電、集合型風力発電所、大規模通信システムというようなインフラストラクチャ・プロセス、建物、空港、船舶、宇宙ステーションのための設備プロセス(例えば、加熱、換気、および空調(HVAC)機器ならびにエネルギ消費を監視および制御するため)、石油およびガス、精製、化学、薬品、食品および飲料水、水および排水、パルプおよび紙、外部電力(utility power)、鉱業、金属というような大規模(large campus)鉱業プロセス・プラント、および/または重要なインフラストラクチャが含まれるが、必ずしもこれらに限定されるのではない。
【0033】
[0037] 他の実装態様において、入力/出力モジュール302は、電気通信ネットワーク内部で利用される入力モジュール、出力モジュール、および/または入力および出力モジュールを含むことができる。例えば、入力モジュールは、電気通信ネットワークの入力計器から情報を受信するために利用することができ、一方出力モジュールは、電気通信ネットワークにおいて命令を出力計器に送信するために使用することができる。
【0034】
[0038]
図3に示すように、バックプレーン300は、1つ以上の追加のスマート電力システム100を含むこともでき、これらを内部に統合することもできる。追加のスマート電力システム100は、スマート電力システム100の内1つ以上が動作不能になった場合に、バックプレーン300内に冗長機能を設けるように構成される。例えば、バックプレーン300内部に統合された各スマート電力システム100(例えば、システム100(1)、システム100(2)、...100(N))は、個々に、バックプレーン300に接続された各I/Oモジュール302(例えば、電気負荷102)とインターフェースする。実装態様において、各スマート電力システム100は、十分な量の変換電気エネルギを各I/Oモジュール302に供給して、1つの電力システム100のみによって入力/出力モジュール302に給電できるように構成される。他の実装態様において、1つ以上のスマート電力システム100が、入力/出力モジュール302に給電するために利用されてもよい。例えば、第1スマート電力システム100および第2スマート電力システム100が、少なくとも実質的に第1I/Oモジュール302に給電するように構成されてもよい。コントローラ130は、システム100(1)、システム100(2)、...100(N)の内どれが、どのI/Oモジュール302に変換電気エネルギを供給するか、バックプレーン300の要件にしたがって選択するように構成されてもよい。加えて、1つのコントローラ130だけが図示されているが、コントローラ130の冗長機能を設けるために、バックプレーン300内において多数のコントローラ130が利用されてもよいことも考えられる。
【0035】
[0039] 実装態様において、スマート電力システム100は、1つ以上のコネクタ304に電力を選択的に供給するように構成される。例えば、コントローラ130(または複数のコントローラ130)が、1つ以上のコネクタ304が使用されていないという情報をスマート電力システム100(例えば、システム110のプロセッサ124)に提供するように構成されるのでもよい。スマート電力システム100は、この情報を利用して、これらのコネクタ304への電力の配給を防止することができる。例えば、スマート電力システム100のスマート電力システム・モジュール128が、使用されていないコネクタ304に対応するスイッチ素子(例えば、スイッチ素子114、スイッチ素子116)が閉構成に移行するのを、プロセッサ124に防止させることもできる。
【0036】
例示のスマート電力システム・プロセス
[0040]
図4は、本発明の例示の実装態様により、スマート電力システム100を動作させるプロセス(方法)例400を示す。図示する方法400において、電気エネルギを1つの形態から他の形態に変換する(ブロック402)。例えば、電力変換器106は、第1形態の電気エネルギを受けて、この第1タイプの電気エネルギを第2形態の電気エネルギに変換するように構成される(例えば、電圧振幅特性を修正する、電圧周波数特性を修正する、AC電圧信号からDC電圧信号に変換する、DC電圧信号をAC電圧信号に変換する)。
図4に示すように、変換電気エネルギの配給をスイッチ素子によって制御する(ブロック404)。1つ以上の実装態様において、スイッチ素子114,116は、変換電気エネルギの電気負荷102への配給を制御するように構成される。前述のように、マイクロコントローラ122は、スイッチ素子114,116の動作を制御するように構成され、これによって、スイッチ素子114,116に変換電気エネルギの配給を制御させる。例えば、マイクロコントローラ122は、スイッチ素子114,116を閉構成から開構成に移行させて、少なくとも実質的に変換電気エネルギの電気負荷102への配給を防止するように構成される。他の例では、マイクロコントローラは、スイッチ素子114,116に開構成から閉構成に移行させて、変換電気エネルギの電気負荷102への配給を許容するように構成される。
【0037】
[0041] 検知素子において、変換エネルギに基づいて、フィードバック信号を発生する(ブロック406)。前述のように、検知素子118,120はマイクロコントローラ122に電気的に接続されている。1つ以上の実装態様において、検知素子118,120は、フィードバック信号をマイクロコントローラ122に供給する。このフィードバック信号は、電気負荷102に送配される電流フローを表すことができる。
図4に示すように、マイクロコントローラにおいてフィードバック信号に基づいて、スイッチ素子の動作を制御する(ブロック408)。前述のように、スイッチ素子118,120は、変換電気エネルギの少なくとも1つの電気負荷への配給を許容する閉構成と、変換電気エネルギの対応する電気負荷104A,104Bへの配給を少なくとも実質的に防止する開構成との間で移行するように構成される。例えば、マイクロコントローラ122は、スイッチ素子114,116に、変換電気エネルギの配給を許容する閉構成と、変換電気エネルギの配給を防止する開構成との間で移行させるために、マイクロコントローラ制御信号を発行するように構成される。
【0038】
結論
[0042] 以上、構造的特徴および/またはプロセス動作に特定的な文言で主題について説明したが、添付した特許請求の範囲において定められた主題は、以上で説明した具体的な特徴やアクトには必ずしも限定されないことは理解されてしかるべきである。逆に、以上で説明した具体的な特徴やアクトは、特許請求の範囲を実施する形態例として開示したまでである。