【文献】
柿島 佑一 他,LTE−Advanced下りリンクにおけるマルチユーザMIMO伝送の4−Txコードブック拡張に関するシステムレベル評価 ,電子情報通信学会技術研究報告 Vol.113 No.385 ,日本,一般社団法人電子情報通信学会 ,2014年 1月16日,第113巻
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
多重アンテナを用いた既存のビームフォーミング技術は、ビームフォーミング重みベクトル(weight vector/precoding vector)を適用する位置によって、アナログビームフォーミング技術とデジタルビームフォーミング技術とに大別することができる。
【0003】
まず、アナログビームフォーミング技法は、初期の多重アンテナ構造に適用されたビームフォーミング技法の代表であり、デジタル信号処理の完了したアナログ信号を複数の経路に分岐し、各経路の位相遷移(phase−shift;PS)及び電力増幅(Power amplifier;PA)設定を用いたビームフォーミングを行う。
図1は、従来のアナログビームフォーミング技法を例示する図である。
【0004】
図1では、アナログビームフォーミングのために、単一のデジタル信号から派生したアナログ信号を、各アンテナに接続された電力増幅器及び位相遷移器が処理する構造を示している。すなわち、アナログ端で複素重み(complex weight)を位相遷移器及び電力増幅器が処理する。ここで、RF(Radio Frequency)チェーン(chain)は、単一のデジタル信号がアナログ信号に変換される処理ブロックを意味する。
【0005】
しかしながら、アナログビームフォーミング技法は、位相遷移器及び電力増幅器の素子の特性によってビームの正確度が決定され、素子の制御特性の上、狭帯域伝送に有利であるが、多重ストリーム伝送を具現し難いハードウェア構造を有するため、伝送率の増大のための多重化利得が相対的に小さく、直交リソース割り当てベースのユーザ別ビームフォーミングが困難であるという短所がある。
【0006】
次に、デジタルビームフォーミング技法は、アナログビームフォーミング技法と違い、MIMO環境でダイバーシチ及び多重化利得を最大化するために、ベースバンド(Baseband)プロセスを用いてデジタル端でビームフォーミングを行う。
図2は、従来のデジタルビームフォーミング技法を例示する図である。
【0007】
図2を参照すると、プリコーディングをベースバンドプロセスで行うことによってデジタルビームフォーミングを行うことができる。ただし、
図1と違い、RFチェーンが電力増幅器を含む。これは、ビームフォーミングのために導出された複素重みを送信データに直接適用するためである。
【0008】
また、ユーザ別に異なるビームフォーミングが可能なため、同時に多重ユーザビームフォーミングを支援することができ、直交リソースの割り当てられたユーザ別に独立したビームフォーミングが可能なため、スケジューリングの柔軟性が高く、システム目的に符合する伝送端の運用が可能であるという特徴を有する。また、広帯域伝送環境でMIMO(Multiple−Input Multiple−Output)−OFDM(Othogonal Frequency Division Multiplexing)のような技術を適用すると、副搬送波(subcarrier)別に独立したビームを形成することができる。したがって、デジタルビームフォーミング技法は、システム容量の増大及び強化したビーム利得に基づいて単一ユーザの最大伝送率を極大化することができる。
【0009】
このような長短所により、現在の3G/4GシステムではデジタルビームフォーミングベースのMIMO技術が導入されている。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付の図面を参照して説明された本発明の実施例から、本発明の構成、作用及び他の特徴が容易に理解されるであろう。
【0021】
まず、MIMOシステムについて説明する。MIMO(Multiple−Input Multiple−Output)は、複数個の送信アンテナと複数個の受信アンテナを使用する方法で、この方法によりデータの送受信効率を向上させることができる。すなわち、無線通信システムの送信端あるいは受信端で複数個のアンテナを使用することによって容量を増大させ、性能を向上させることができる。以下、本文献ではMIMOを「多重アンテナ」と呼ぶこともできる。
【0022】
多重アンテナ技術では、一つの全体メッセージを受信するに単一のアンテナ経路に依存せず、複数のアンテナに受信されたデータ断片(fragment)をまとめて併合することによってデータを完成する。多重アンテナ技術を用いると、特定のサイズのセル領域内でデータ伝送速度を向上させたり、又は特定のデータ伝送速度を保障しながらシステムカバレッジ(coverage)を増加させることができる。また、この技術は、移動通信端末と中継機などに幅広く使用可能である。多重アンテナ技術によれば、単一のアンテナを使用した従来技術による移動通信における伝送量の限界を克服することが可能になる。
【0023】
一般的な多重アンテナ(MIMO)通信システムの構成図が、
図7に示されている。送信端では送信アンテナがN
T個設けられており、受信端では受信アンテナがN
R個が設けられている。このように送信端及び受信端の両方とも複数個のアンテナを使用する場合は、送信端又は受信端のいずれか一方のみ複数個のアンテナを使用する場合に比べて、理論的なチャネル伝送容量がより増加する。チャネル伝送容量の増加はアンテナの数に比例する。これにより、伝送レートが向上し、周波数効率が向上する。1個のアンテナを使用する場合の最大伝送レートをR
oとすれば、多重アンテナを使用する場合の伝送レートは、理論的に、下記の式1のように、最大伝送レートR
oにレート増加率R
iを掛けた分だけ増加可能となる。ここで、R
iは、N
TとN
Rのうちの小さい値を表す。
【0025】
例えば、4個の送信アンテナと4個の受信アンテナを用いるMIMO通信システムでは、単一アンテナシステムに比べて理論上、4倍の伝送レートを取得できる。このような多重アンテナシステムの理論的容量増加が90年代半ばに証明されて以来、これを実質的なデータ伝送率の向上へと導くための種々の技術が現在まで活発に研究されている。それらのいくつかの技術は既に3世代移動通信と次世代無線LANなどの様々な無線通信の標準に反映されている。
【0026】
現在までの多重アンテナ関連研究動向をみると、様々なチャネル環境及び多重接続環境における多重アンテナ通信容量計算などと関連した情報理論側面の研究、多重アンテナシステムの無線チャネル測定及び模型導出の研究、及び伝送信頼度の向上及び伝送率の向上のための時空間信号処理技術の研究などを含め、様々な観点で活発に研究が進行されている。
【0027】
多重アンテナシステムにおける通信方法をより具体的な方法で説明するべく、それを数学的にモデリングすると、次のように示すことができる。
図7に示すように、N
T個の送信アンテナとN
R個の受信アンテナが存在するとする。まず、送信信号について説明すると、N
T個の送信アンテナがある場合に、送信可能な最大情報はN
T個であるから、送信情報を下記の式2のようなベクトルで表現できる。
【0029】
一方、それぞれの送信情報
【数3】
において送信電力を別々にしてもよい。それぞれの送信電力を
【数4】
とする場合、送信電力の調整された送信情報をベクトルで示すと、下記の式3の通りである。
【0031】
また、
【数6】
を送信電力の対角行列
【数7】
を用いて示すと、下記の式4の通りである。
【0033】
一方、送信電力の調整された情報ベクトル
【数9】
に重み行列
【数10】
が適用され、実際に送信されるNT個の送信信号(Transmitted signal)
【数11】
が構成される場合を考慮してみる。重み行列
【数12】
は、送信情報を送信チャネル状況などに応じて各アンテナに適切に分配する役割を果たす。このように送信信号
【数13】
は、ベクトル
【数14】
を用いて下記の式5のように表現できる。ここで、
【数15】
は、i番目の送信アンテナとj番目の情報間の重み値を意味する。
【数16】
は、重み行列(Weight Matrix)又はプリコーディング行列(Precoding Matrix)と呼ばれる。
【0035】
一般に、チャネル行列のランクの物理的な意味は、与えられたチャネルで互いに異なった情報を送信できる最大数を意味する。したがって、チャネル行列のランク(rank)は、互いに独立した(independent)行(row)又は列(column)の個数のうち、最小個数と定義され、よって、行列のランクは、行(row)又は列(column)の個数より大きくなることはない。数式的に例を挙げると、チャネル行列Hのランク(rank(H))は、式6のように制限される。
【0037】
また、多重アンテナ技術を用いて送る互いに異なった情報のそれぞれを「送信ストリーム(Stream)」、又は簡単に「ストリーム」と定義するものとする。このような「ストリーム」は、「レイヤー(Layer)」と呼ぶこともできる。そのため、送信ストリームの個数は当然ながら、互いに異なった情報を送信できる最大数であるチャネルのランクより大きくなることがない。したがって、チャネル行列Hは、下記の式7のように表すことができる。
【0039】
ここで、「# of streams」は、ストリームの数を表す。一方、ここで、1個のストリームは1個以上のアンテナから送信可能であるということに留意されたい。
【0040】
1個以上のストリームを複数のアンテナに対応させる様々な方法が存在する。この方法を、多重アンテナ技術の種類によって次のように説明できる。1個のストリームが複数のアンテナから送信される場合は空間ダイバーシチ方式といえ、複数のストリームが複数のアンテナから送信される場合は空間マルチプレクシング方式といえる。勿論、これらの中間方式である、空間ダイバーシチと空間マルチプレクシングとの混合(Hybrid)した形態も可能である。
【0041】
次に、送受信アンテナが大幅に増加するマッシブ(Massive)MIMO環境を説明する。一般に、セルラー通信ではMIMO環境に適用される最大送受信アンテナを8個と仮定する。しかし、マッシブMIMOへの進化に伴ってアンテナの個数は数十又は数百個以上に増加し得る。
【0042】
マッシブMIMO環境でデジタルビームフォーミング技術を適用するには、送信端のデジタル信号処理のための数百個のアンテナに対する信号処理をベースバンドプロセスで行われなければならず、信号処理複雑度が非常に増加し、アンテナ数だけのRFチェーンが必要であるため、ハードウェア具現複雑度が非常に増加する。また、全アンテナに対して独立したチャネル推定が必要であり、FDD(Frequency Division Duplex)システムでは、全アンテナで構成された巨大なMIMOチャネルに対するフィードバック情報が必要なため、パイロット及びフィードバックのオーバーヘッドが非常に大きくなる。一方、マッシブMIMO環境でアナログビームフォーミング技術を適用すると、送信端のハードウェア複雑度は相対的に低いが、多数アンテナを用いた性能増加の程度がわずかであり、リソース割り当ての柔軟性が低下する。特に、広帯域伝送時に周波数別にビームを制御することが困難である。
【0043】
このため、マッシブMIMO環境では、アナログビームフォーミング及びデジタルビームフォーミング技法のいずれか一方だけを排他的に選択するのではなく、アナログビームフォーミング及びデジタルビームフォーミング構造を結合したハイブリッド形態の送信端構成方式が必要である。
【0044】
次表1に、アナログビームフォーミング技法とデジタルビームフォーミング技法の性能利得及び複雑度の関係を示す。これを用いて、送信端のハードウェア具現複雑度を下げ、マッシブアンテナを用いたビームフォーミング利得が最大限に得られるハイブリッドタイプの送信端構造を設計することが必要である。
【0046】
以下、ハイブリッドビームフォーミングに関してより具体的に説明する。
【0047】
ハイブリッドビームフォーミングは、マッシブMIMO環境でハードウェア複雑度を下げるとともに、アナログビームフォーミング特性とデジタルビームフォーミング技法の長所が取れる送信端を構成することに目的がある。
図4は、ハイブリッドビームフォーミングの概念を説明するための図である。
【0048】
図4を参照すると、ハイブリッドビームフォーミングは、アナログビームフォーミング技法を用いて概略的(coarse)ビームフォーミングを行い、デジタルビームフォーミングを用いて多重ストリーム或いは多重ユーザ伝送を行う構造である。結局、ハイブリッドビームフォーミングは、送信端の具現複雑度又はハードウェア複雑度を下げるためにアナログビームフォーミング技法及びデジタルビームフォーミング技法を同時に取る構造を有する。基本的に、ハイブリッドビームフォーミングが有する技術的難題(issue)は、下記のとおりである。
【0049】
−アナログとデジタルビームフォーミングを同時に考慮した最適化には次のような困難が伴う。基本的に、デジタルビームフォーミングは、同じ時間−周波数リソースを用いてユーザ別に独立したビームフォーミング技法の適用が可能であるが、アナログビームフォーミングは、同じ時間−周波数リソースを用いて共通のビームフォーミング技法を適用しなければならないという限界点がある。したがって、このような限界点は、支援ランク数、ビーム制御の柔軟性、ビームフォーミング分解能の最適化に制約を招く。
【0050】
−同じ時間−周波数リソースで特定方向にのみビームを形成するアナログビームフォーミング技法は、同時に全ての端末方向への多数ビームフォーミングが不可能である。このため、セル内の全領域に分布し得る全端末に上り/下り制御チャネル、参照信号、同期信号などを同時に送信できないという不具合がある。
【0051】
−アナログ/デジタルビームに対する推定を行う場合、デジタルビームは、既存の直交パイロット割り当て方式をそのまま用いることができるが、アナログビームは、ビーム候補(candidate)数だけの所定の時間間隔(time−duration)が要求される。これは、アナログビーム推定にかかる時間遅延が大きいということを意味し、また、デジタルビームと同時に推定する場合、複雑度が大幅に増加することを意味する。
【0052】
−最後に、デジタルビームフォーミング技法は自由に多重ユーザ/ストリームのためのビームフォーミングができるのに対し、アナログビームフォーミング技法は、全伝送帯域に対して同じビームフォーミングを行うため、ユーザ別又はストリーム別に独立したビームフォーミングがし難い。特に、直交周波数リソース割り当てを用いたFDMA(例えば、OFDMA)を支援し難いため、周波数リソース効率の最適化が困難であり得る。
【0053】
以下、本発明の主要適用分野であるmmWave(millimeter−wave)帯域に関して説明する。
【0054】
図5は、高周波帯域確保を用いた次世代周波数領域割り当ての概念図である。
【0055】
次世代5G通信システムでは数十Gbpsの伝送率を達成するために新しいスペクトルの導入を考慮している。例えば、
図5に示すように、既存のセルラー帯域ではなく数十GHz中心周波数を用いるmmWave帯域が最強の候補帯域の一つとされている。
【0056】
mmWave帯域は、既存の2GHzセルラー帯域に比べて高い中心周波数を有することから、高い経路損失が発生する。下記の式8は、高周波環境における経路損失を示している。
【0058】
式8について説明すると、既存の2GHz帯域に比べて、中心周波数が数十GHzに高くなると、数十dBの経路損失がさらに発生することが分かる。また、高周波帯域は、大気中の湿度、塵埃、降雨量、気候状況による環境損失がさらに発生する。これを示すパラメータが
【数21】
であり、その範囲は概略4dBから40dBである。
【0059】
図6は、高周波環境で発生する追加環境損失に起因する全体の経路損失増加を概念的に示す図である。
【0060】
図6を参照すると、mmWave帯域は、既存の商用セルラー帯域に比べて、高周波帯域では追加の経路損失が発生することが分かる。すなわち、制限的な送信電力を有する基地局を基準に、端末にとって安定した受信性能を確保するためには、サービスカバレッジの小さい小型セルが、好適なセル配置シナリオになり得る。
【0061】
mmWave帯域の追加の小単位フェーディング特性は、遅延拡散(Delay spread)とドップラー(Doppler)周波数変化とに大別して説明することができる。mmWave帯域では多重経路遅延(Multipath delay)による多重経路が既存の商用周波数帯域に比べて短くなることが観察される。また、多重経路の最後の経路遅延が500nsを超えない。
【0062】
一般的なセルラーシステムのうちのLTEシステムを基準に、最大遅延(Max delay)は5usである。また、RMS(Root Mean Square)遅延拡散も、既存のセルラー帯域に比べて顕著に低くなった134.57ns程度であることが、次表2から確認できる。表2は、mmWave帯域の伝搬特性を示す。表2から、mmWave帯域は、既存の商用帯域に比べてコヒーレンス(Coherence)帯域幅がより広いため、周波数領域においてより大きい単位でチャネルが静的であることが予想できる。
【0064】
最後に、mmWave帯域では、既存の商用帯域に比べて、ドップラー周波数に対する時変チャネル特性が大きく現れる。中心周波数と端末の移動速度に対するドップラー周波数は、下記の式9のようである。また、
図7には、端末の移動速度と中心周波数によるドップラー周波数を示す。
【0066】
式9及び
図7を参照すると、端末の同一の移動速度下で、中心周波数の増加によってドップラー周波数が著しく増加することが確認できる。このことから、mmWave帯域では、端末の低速移動時にもドップラー周波数が大きく現れるため、チャネルの時変特性が増加することも分かる。
【0067】
mmWave帯域通信は、相対的に高い数十GHzの中心周波数帯域を用いる通信であり、既存の3GHz以下の中心周波数を活用するセルラーシステムに比べて、経路損失が大きく発生する特性を有する。特に、mmWaveではLoS(Line of Sight)とNLoS(Non−LoS)経路間の信号電力減衰が数十dB以上発生する特性を有するため、急なLoS/NLoS経路変化時に通信リンクが切れることがある。
【0068】
mmWave帯域のLoSとNLoS経路によるPath−LoSsを比較するために下記の式10を用いる。
【0070】
式10では、送受信アンテナ利得、中心周波数による減衰成分などを除いて、自由空間経路減衰、経路減衰指数及び距離による経路損失だけを示している。一般に、NLoSの経路減衰がLoSに比べて大きく、その差は、mmWave帯域のような高周波帯域へ移動するほど増加する。
図8は、LoS/NLoSの経路減衰指数による経路損失を示すグラフである。
【0071】
一般に、mmWave帯域は既存の低周波セルラー帯域に比べてサービスカバレッジが小さいシナリオを考慮している。したがって、過密度都心(Dense urban)シナリオにおいてLoS/NLoSによる経路損失の分析が伴うべきである。一般的な28GHzのmmWave帯域で測定ベースのチャネルモデリングによって経路減衰指数を
【数24】
、
【数25】
と仮定すれば、これによって、理論的に基地局から100m近傍でもLoSとNLoSとの経路損失差が約40dB発生することが予測できる。したがって、過密度都心通信環境で急なシャドーイング(shadowing)によってLoS/NLoS間の急なリンク変化が発生する場合には、このような経路減衰差によるリンク品質が保障されず、通信の連続性を保障することができない。
【0072】
上述したように、mmWave帯域ではLoS/NLoS経路による経路損失が互いに異なる。これは、高周波帯域で反射波の経路損失指数が大きいため、一般的に
【数26】
の関係が成立するからである。また、mmWave帯域の特性上、多重経路チャネルのうち、安定した通信を維持できる有意義な経路の個数は限定的である。
【0073】
したがって、このような環境では無線チャネルも特定経路に対してのみ有効であることが予想できる。すなわち、mmWave帯域の無線チャネルを分解すると、特定空間でチャネル利得が集中することが分かる。例えば、
【数27】
サイズの無線チャネル
【数28】
をSVD(singular value decomposition)すれば、次の式11のとおりである。
【0075】
式11について説明すると、
【数30】
サイズの無線チャネル
【数31】
は、
【数32】
サイズのユニタリー行列(unitary matrix)である入力固有行列(input singular matrix)
【数33】
、
【数34】
サイズのユニタリー行列である出力固有行列(output singular matrix)
【数35】
、及び固有値を対角成分として有する
【数36】
サイズの対角行列(diagonal matrix)
【数37】
に分解される。ここで、
【数38】
は下記の式12のように表現されるが、一般的にマッシブMIMOシステムで送信アンテナの個数が受信アンテナの個数より多い
【数39】
と仮定するからである。
【0077】
このとき、mmWaveの多重経路特性によって独立した並列チャネル生成が限定的であり、そのうち、LoS経路のチャネルが最大のチャネル利得を有し、NLoS経路の一部が低いチャネル利得を有する、独立した並列チャネルとして生成され得る。したがって、このような特性によって、各固有値は下記の式13のような関係を有することができる。
【0079】
結果的に、チャネル利得の多くの部分が1番目の固有値に集中しているが、少なくとも2番目、3番目までの固有値も、最小の通信のための有意義なチャネル利得を有することができる。したがって、mmWaveでは少なくとも、大きいチャネル利得を有する1個のLoSチャネルとチャネル利得が相対的に少ない1〜2個程度のNLoS並列チャネルが形成される環境であると仮定することができる。結果的に、チャネル利得と固有値の間には下記の式14のような関係が成立するようになると仮定することができる。
【0081】
このとき、急なシャドーイング変化(shadowing variation)がある通信環境は、結局としてLoSとNLoSチャネルのうちLoS経路が建物などの障害物によって現れたり消えたりする環境と解釈することができるが、これはつまり、1番目の固有値を有するチャネルが急に生成されたり消えたりすることを意味する。また、mmWave帯域では、LoSとNLoSとの経路損失差が100mサービスカバレッジを基準に約40dB程度と大きく発生しうるため、相対的に良いチャネルが突然に消えると通信が切れる状況が発生しうる。そこで、このようなLoS/NLoS経路の損失を克服するとともに、ある程度安定した通信を維持できる方案が必要である。
【0082】
本発明では、障害物によって急に変化しないNLoS経路に関する情報に基づいて、急なシャドーイングによる通信品質の低下を相対的に低減しながら、安定した通信連続性を提供できるビームフォーミング技法を提示する。
【0083】
<第1実施例>
式11に表した無線チャネル
【数43】
を考慮してSVDベースのビームフォーミングを行うと、下記の式15のようにSVDベースのビームフォーミングを表現することができる。
【0085】
式15で、プリコーダ
【数45】
は
【数46】
ベクトルであって、
【数47】
のサイズを有し、
【数48】
は、ポストコーダを表す。また、式15で、
【数49】
は、
【数50】
サイズの受信信号ベクトルであり、
【数51】
は、
【数52】
サイズの送信信号ベクトルを表す。また、
【数53】
は、多重ストリームの数を意味する。
ここで、基地局がTDD(Time Division Duplex)システムベースのチャネル対称性(reciprocity)を用いたチャネル獲得が不可能な場合、端末は、与えられたチャネルから得られた行列又はベクトル
【数54】
を基地局に必ずフィードバックしなければならない。
【0086】
本提案では、既存にあらかじめ定義されているプリコーディングマトリックスを用いたビームフォーミングを行って、急なシャドーイング変化を克服できる方法を提案する。すなわち、本発明の第1実施例では、端末が急なシャドーイングによる通信品質の低下を考慮してチャネル再構成(regeneration)を行い、再構成されたチャネルに対して既存のコードブックを用いてプリコーディング(PMI)、ランク(RI)情報を導出することを提案する。
【0087】
まず、あらかじめ定義されたコードブック
【数55】
ベースでLoS経路のチャネルのためのPMIとNlos経路のチャネルのためのPMI(Precoding Matrix Index)を導出するためには、下記の式16によって既存チャネルをそのまま用いてチャネル利得を最大化するタイプ−1PMIを導出する。ここで、タイプ−1PMIは、LoS経路のチャネルのためのPMIを表す。
【0089】
次に、既存のチャネルを下記の式17のように変形して、下記の式18によってチャネル利得を最大化するPMIを導出する。
【0092】
式17について説明すると、Los成分に該当する部分が最大のチャネル利得を有しているため、最大の固有値
【数59】
を除去して有効チャネル
【数60】
を再構成したことが分かる。ただし、式17では
【数61】
を除去したが、これは例示に過ぎず、0に近い重みを付与してもよいことは勿論である。式18によって導出されたPMIをタイプ−2PMIといい、これは、Nlos経路のチャネルのためのPMIである。
【0093】
一方、端末は基地局にタイプ−1PMI及びタイプ−2PMIの両方をフィードバックすることができるが、PMIタイプによってフィードバック周期を変更してもよい。例えば、Los経路に対するタイプ−1PMIはロング−ターム(Long−term)周期でフィードバックし、Nlos経路に対するタイプ−2PMIはショート−ターム(short−term)周期でフィードバックする。
【0094】
また、端末は、タイプ−1PMIによる受信性能の変化量を基地局にフィードバックすることもできる。具体的に、最も剛健な経路であるLos経路において端末受信性能が変化するということは、急なシャドーイング変化が起きる状況であると仮定することができる。したがって、端末は、受信性能の変化量を推定して基地局にフィードバックすることによって、急なシャドーイング変化が起きる状況で適切なビーム変更を行えるようにすることができる。ここでは、導出される受信性能の尺度として様々な推定値を用いることができるが、最も代表の値は受信SNRである。端末が推定した受信SNRベースのフィードバックは、下記の1)から4)のとおりである。このような情報に基づいて、基地局はタイプ−1PMIベースのビームフォーミングを維持するか否かを決定することができる。
【0095】
1)特定時間区間におけるSNR分散或いは標準偏差値(下記の式19参照)
【0097】
ただし、
【数63】
又は
【数64】
、
【数65】
は測定時間。
【数66】
:測定時間インデックス(measurement time index)、
【数67】
:測定開始時間(measurement start time)、
【数68】
:測定間隔(measurement duration)
【0098】
2)特定時間区間におけるSNR変動値(下記の式20参照)
【0100】
ただし、
【数70】
:参照時間(reference time)、
【数71】
:報告時間(reporting time)
【0101】
3)重みが適用されたSNR変動値(下記の式21参照)
【0103】
ただし、
【数73】
は、時間
【数74】
における重み
【0104】
4)SNR平均値の変動値(下記の式22参照)
【0107】
勿論、上の1)から4)で、SNRの他、チャネル容量、スループット(throughput)、CQI、或いはMCS(modulation and coding scheme)の変動予想値もフィードバック情報として活用することができる。さらに、上記タイプ−1PMIによる受信性能変動値の測定/報告時に、チャネル再構成無しで、ランク1基準でタイプ−1PMIを再び選択して、その値に該当する受信性能変動値を測定/報告するように適用することもできる。
【0108】
好ましくは、基地局は端末からフィードバックされたタイプ−1PMIによる受信性能変化量が特定基準値以上になると、これを急なシャドーイング変化が起きる状況と判断し、タイプ−2PMIを用いてビームフォーミングを行うように動作することができる。
【0109】
すなわち、基地局は、急なシャドーイング変化に影響を受けるタイプ−1PMIではなくタイプ−2PMIを用いてビームフォーミングを行うことを意味する。例えば、タイプ−1PMIを用いたビームフォーミングの受信SNR変化量が基準値以上になると、基地局はタイプ−2PMIを用いたビームフォーミングに変更する過程を行う。
【0110】
さらに、基地局はタイプ−2PMIベースのビームフォーミングを基本モードと定義し、端末とのリンクに急なシャドーイング変化が起きる状況でない場合にのみタイプ−1PMIを用いると定義されてもよい。
【0111】
基地局が上記受信性能変化量を測定するためには、上りリンク品質変化を基準に判断したり、或いは端末のフィードバックする受信品質情報(例えば、CQI)の変化量を基準に判断することができる。または、端末がNACK情報を送る時、所定の参照信号に基づく受信品質情報或いは端末の所望すMCS値情報を共にフィードバックすることによって基地局に受信品質情報の変化量を測定させてもよい。この場合、端末は基地局に最も剛健な経路と次善経路のそれぞれに符合するCQIを同時にフィードバックし、急な経路変更に備えるために安定したMCS設定を行うことができる。
【0112】
<第2実施例>
本発明の第2実施例では、より具体的な具現方法として、端末がチャネル再構成段階無しでコードブックからタイプ−1PMIをまず探し、次に、タイプ−1PMIを含む全てのPMIを除く候補からタイプ−2PMIを探すことを提案する。
【0113】
すなわち、端末はチャネル
【数77】
を用いてコードブック
【数78】
の中から、チャネル容量を最大化するPMIを選択する。選択されたPMIはタイプ−1PMIであり、Los経路に対するチャネルでランク−1PMIが導出される確率が高い。これは、Losチャネル自体がランク−2以上の並列チャネルを形成し難いためである。
【0114】
図9には、本発明の実施例によって、既存コードブックからタイプ−1PMI及びタイプ−2PMIを選択する例を示す。一般に、コードブックは、ランク
【数79】
までのPMIで構成されているが、
図9では、説明の便宜のために、
【数80】
が4である場合を仮定する。
【0115】
図9を参照すると、まず、ランク=1のコードブックP1,…,P4の中から、下記の式23のように最大のチャネル利得を提供するタイプ−1PMIを導出する。もちろん、タイプ−1PMIは、Los経路でチャネル容量を最大化するPMIである。
【0117】
その後、タイプ−1PMIの含まれた全PMIを除外する。式23によって選択されたタイプ−1PMIを
【数82】
としたとき、下記の式24のようにタイプ−2PMIインデックスを導出する。
【0119】
すなわち、タイプ−1PMIがP1であれば、
図9でプリコーディングベクトル
【数84】
が含まれた領域のPMIを除いて、残りの青色領域のP2,P3,P4,P8,P9,P10,P14からタイプ−2PMIを導出する。端末は、このような過程から得られたタイプ−1PMIとタイプ−2PMIを基地局にフィードバックし、基地局は両PMI情報を用いて、急なシャドーイング変化が起きる状況に応じたビームフォーミングを行う。
【0120】
一方、端末は、チャネルのタイプ−1PMIがランク2以上である場合、タイプ−1PMIに対応するベクトルが含まれた全PMIを除く候補からタイプ−2PMIを探すことができる。これは、タイプ−1PMIベクトルのどのベクトルがLosであるかが分からず、いずれもPMIからタイプ−1PMIのベクトルを除くことが好ましいためである。
【0121】
一方、LTE(Long Term Evolution)システムでは、CQI(Channel Quality Information)計算複雑度を低減するために、コードブック設計に入れ子特性(Nested Property)を適用した。入れ子特性とは、低−ランクコードブックが高−ランクコードブックのサブセット(subset)となる構造を意味する。
【0122】
次表3は、LTEシステムでランク4コードブックを表す。
【0124】
また、このようなコードブックの特徴は、コードブックグループ内で各列間に直交するということである。例えば、表3のコードブックインデックス(Codebook index)0のコードブックを生成すると、下記の式25のとおりである。式25を参照すると、各列間に直交性
【数85】
が成立することが分かる。
【0126】
図10に、本発明の実施例によって、入れ子構造のコードブックからタイプ−1PMI及びタイプ−2PMIを導出する例を示す。
【0127】
図10を参照すると、チャネル
【数87】
に対してコードブックの中から、最善PMIをタイプ−1PMIとして選択し、タイプ−1PMIのベクトル/列が含まれたPMIをコードブックから除外する。その後、タイプ−1PMIが除去された残りのコードブックから、最善PMIをタイプ−2PMIとして選択することが分かる。
【0128】
<第3実施例>
本発明の第3実施例では、端末がチャネルの再構成無しで既存コードブックからタイプ−1PMIをまず探し、次に、タイプ−1PMIを含む次上位ランク候補からタイプ−2PMIを探すことを提案する。
【0129】
図11に、本発明の実施例によって、既存コードブックからタイプ−1PMI及びタイプ−2PMIを選択する他の例を示す。一般に、コードブックはランク
【数88】
までのPMIで構成されているが、
図11では説明の便宜のために、
【数89】
が4である場合を仮定する。
【0130】
図11を参照すると、端末はまず、チャネル
【数90】
を用いて、下記の式26によってコードブック
【数91】
の中から最大チャネル利得を提供するPMIをタイプ−1PMIとして選択する。もちろん、タイプ−1PMIはLos経路でチャネル容量を最大化するPMIである。
【0132】
その後、タイプ−1PMIの含まれた全PMIを選択する。このとき、導出されたタイプ−1PMIが含まれた次上位ランクコードブックの中から、下記の式27によってタイプ−2PMIを導出する。
【0134】
例えば、タイプ−1PMIをP1とすれば、
図11でプリコーディングベクトル
【数94】
が含まれた領域のうち、ランク2以上の領域に含まれたP5,P6,P7,P11,P12,P13,P15からタイプ−2PMIを導出する。
【0135】
端末は上記過程から求めたタイプ−2PMIを基地局にフィードバックすることができるが、タイプ−2PMIからタイプ−1PMIに該当するプリコーディングベクトルを除外したPMIを最終的なPMIとして選択してフィードバックすることもできる。例えば、上の過程でP11がタイプ−2PMIとして選択された場合には、
【数95】
から
【数96】
を除外したランク−2行列
【数97】
に該当するP8を、最終的なタイプ−2PMIとして選択してフィードバックすることができる。タイプ−1PMIがランク2以上である場合にも同様の過程を行う。
【0136】
一方、基地局は、タイプ−2PMIを用いたビームフォーミングを行う場合、該当のPMIベクトルの中からタイプ−1PMIに該当するプリコーディングベクトルを除いて使用することが好ましい。
【0137】
さらに、本発明の第3実施例を入れ子構造のコードブックに適用することも可能である。
図12に、本発明の実施例によって、入れ子構造のコードブックからタイプ−1PMI及びタイプ−2PMIを導出する他の例を示す。
【0138】
図12を参照すると、チャネルに対してコードブックの中から最善PMIをタイプ−1PMIとして選択する。その後、タイプ−1PMIが含まれた上位ランクのコードブックから最善PMIをタイプ−2PMIとして選択することが分かる。
【0139】
図13は、本発明の一実施例に係る通信装置のブロック構成図である。
【0140】
図13を参照すると、通信装置1300は、プロセッサ1310、メモリ1313、RFモジュール1330、ディスプレイモジュール1340、及びユーザインターフェースモジュール1350を備えている。
【0141】
通信装置1300は説明の便宜のために示されたもので、一部のモジュールは省略されてもよい。また、通信装置1300は必要なモジュールをさらに備えることができる。また、通信装置1300において、一部のモジュールは、より細分化したモジュールに区分することができる。プロセッサ1310は、図面を参照して例示した本発明の実施例に係る動作を実行するように構成される。具体的に、プロセッサ1310の詳細な動作は、
図1乃至
図12に記載された内容を参照することができる。
【0142】
メモリ1320は、プロセッサ1310に接続し、オペレーティングシステム、アプリケーション、プログラムコード、データなどを格納する。RFモジュール1330は、プロセッサ1310に接続し、基底帯域信号を無線信号に変換したり、無線信号を基底帯域信号に変換する機能を果たす。そのために、RFモジュール1330は、アナログ変換、増幅、フィルタリング及び周波数アップコンバート又はこれらの逆過程を行う。ディスプレイモジュール1340は、プロセッサ1310に接続し、様々な情報をディスプレイする。ディスプレイモジュール1340は、これに制限されるものではないが、LCD(Liquid Crystal Display)、LED(Light Emitting Diode)、OLED(Organic Light Emitting Diode)のような周知の要素を用いることができる。ユーザインターフェースモジュール1350は、プロセッサ1310に接続し、キーパッド、タッチスクリーンなどのような周知のユーザインターフェースの組合せで構成可能である。
【0143】
以上説明してきた実施例は、本発明の構成要素及び特徴を所定形態に結合したものである。各構成要素又は特徴は、別の明示的な言及がない限り、選択的なものとして考慮しなければならない。各構成要素又は特徴は、他の構成要素や特徴と結合しない形態で実施することもでき、一部の構成要素及び/又は特徴を結合して本発明の実施例を構成することもできる。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更されてもよい。ある実施例の一部構成や特徴は、他の実施例に含まれてもよく、他の実施例の対応する構成又は特徴に取り替わってもよい。特許請求の範囲において明示的な引用関係にない請求項を結合して実施例を構成したり、出願後の補正により新しい請求項として含めたりできるということは明らかである。
【0144】
本文書で基地局で行われるとした特定動作は、場合によっては、その上位ノード(upper node)で行われてもよい。すなわち、基地局を含む複数のネットワークノード(network nodes)で構成されるネットワークにおいて端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局又はその他のネットワークノードで行うことができることは自明である。基地局は、固定局(fixed station)、Node B、eNode B(eNB)、アクセスポイント(Access Point)などの用語に代えてもよい。
【0145】
本発明に係る実施例は、様々な手段、例えば、ハードウェア、ファームウェア(firmware)、ソフトウェア又はそれらの結合などによって具現することができる。ハードウェアによる具現では、本発明の一実施例は、1つ又はそれ以上のASIC(application specific integrated circuit)、DSP(digital signal processor)、DSPD(digital signal processing device)、PLD(programmable logic device)、FPGA(field programmable gate array)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって具現することができる。
【0146】
ファームウェアやソフトウェアによる具現では、本発明の一実施例は、以上で説明された機能又は動作を実行するモジュール、手順、関数などの形態として具現することができる。ソフトウェアコードは、メモリユニットに記憶され、プロセッサによって駆動可能である。メモリユニットは、プロセッサの内部又は外部に設けられ、公知の様々な手段によってプロセッサとデータを交換することができる。
【0147】
本発明は、本発明の特徴から逸脱しない範囲で別の特定の形態に具体化できるということが当業者にとっては自明である。したがって、上記の詳細な説明は、いずれの面においても制限的に解釈してはならず、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付の請求項の合理的な解釈によって決定すべきであり、本発明の等価的範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。