(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。以下の説明中の前後、左右、及び上下の方向は、図中の矢印の方向を基準とする。各矢印の方向は、
図1乃至
図8において、異なる図面同士で互いに整合している。図面によっては、簡便な図示を目的として、光源システム1における一部の構成の図示を省略する。
【0020】
図1乃至
図8を参照しながら、一実施形態に係る光源システム1の構成及び機能について主に説明する。
図1は、一実施形態に係る光源システム1の上面視による外観斜視図である。
図2は、
図1の光源装置10及びライトガイド20が分離した様子を示す分解斜視図である。
図2において、後述する第1放熱部13a、第2放熱部13b、第3放熱部13c、及び第4放熱部13dの図示は省略している。
【0021】
図1及び
図2を参照すると、光源システム1は、光を外部へと照射する光源装置10と、複数の光伝送路22を有し、光源装置10の出射面から出射した光が結合するライトガイド20とを有する。
【0022】
ライトガイド20は、略円筒状の外部被覆21の内部空間に配置されている複数の光伝送路22を有する。ライトガイド20は、その延長方向、すなわち前後方向に沿って複数の光伝送路22が外部被覆21の端部から外部に突出するように構成されている。
【0023】
光伝送路22は、光源装置10から出射した光を低損失で伝送可能な任意の態様で、任意の数により、外部被覆21の内部空間に配置されていてもよい。光伝送路22は、例えば、光ファイバであってもよい。複数の光伝送路22を構成する各光ファイバの導波モードは、シングルモード及びマルチモードのいずれであってもよい。各光ファイバは、汎用のシングルモードファイバ、分散シフトシングルモードファイバ、及びステップインデックスマルチモード光ファイバ等、任意の種類の光ファイバであってよい。
【0024】
光源装置10は、ハウジング11と、第1照射部12a、第2照射部12b、第3照射部12c、及び第4照射部12dと、第1放熱部13a、第2放熱部13b、第3放熱部13c、及び第4放熱部13dとを有する。
【0025】
ハウジング11の前部11aは、略円筒状となるように形成されている。ハウジング11の中央部11bは、前部11aと連続し、かつ前方から後方に向けて広がるように形成されている。ハウジング11の後部11cは、中央部11bと連続して形成されている。
【0026】
第1照射部12a、第2照射部12b、第3照射部12c、及び第4照射部12dは、ハウジング11の後部11cにそれぞれ取り付けられている。第1照射部12a、第2照射部12b、第3照射部12c、及び第4照射部12dは、例えばライトガイド20の中心に向けて傾くように取り付けられている。
【0027】
第1放熱部13a、第2放熱部13b、第3放熱部13c、及び第4放熱部13dは、第1照射部12a、第2照射部12b、第3照射部12c、及び第4照射部12dの後方にそれぞれ取り付けられている。第1放熱部13a、第2放熱部13b、第3放熱部13c、及び第4放熱部13dそれぞれは、例えば任意のヒートシンクを含み、対応する照射部から発生する熱を外部へと逃がす。
【0028】
前方から後方に向けてライトガイド20が光源装置10に取り付けられると、ライトガイド20の外部被覆21の端面21aがハウジング11の前端面11dに突き当たり、光源装置10に対するライトガイド20の位置が決定される。ライトガイド20は、ハウジング11の前部11aの上面に形成されているねじ孔11eを用いたねじ止め等の任意の締結手段によって光源装置10に取り付けられていてもよい。この状態で、複数の光伝送路22の端面は、ハウジング11の前部11a及び中央部11bの前後方向における境界近傍に配置されている。
【0029】
図3は、
図2の光源装置10単体を示す外観斜視図である。
図3では、第1照射部12a、第2照射部12b、第3照射部12c、及び第4照射部12dそれぞれの内部構成の一部を透視した状態で破線により示している。
図4は、
図3の光源装置10においてハウジング11を省略した内観斜視図である。
図5は、
図3のV−V矢線に沿った断面図である。
図5では、ハウジング11の前部11aの図示は省略されている。
【0030】
図3及び
図4を参照すると、第1照射部12aは、第1照射光を照射する第1発光素子14aを有する。第2照射部12bは、第2照射光を照射する第2発光素子14bを有する。第3照射部12cは、第3照射光を照射する第3発光素子14cを有する。第4照射部12dは、第4照射光を照射する第4発光素子14dを有する。第1発光素子14a、第2発光素子14b、第3発光素子14c、及び第4発光素子14dそれぞれは、任意の発光素子を含んでもよい。例えば、各発光素子は、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)素子であってもよ
い。
【0031】
図4を参照すると、第1発光素子14aの第1出射面S1の略中心を通り、第1出射面S1に直交する第1光軸A1と、
図5に示す光源装置10の出射面S5の略中心を通り、出射面S5に直交する出射光軸A5とは、角度θ1で互いに交わる。角度θ1は、第1角度以下である。第1角度は、例えば、ライトガイド20を構成する光伝送路22の開口数に対応する受光角度よりも小さい角度を含む。例えば、受光可能な角度範囲が70°である光ファイバにおいて、開口数に対応する受光角度はその半分の35°となる。このとき、例えば、第1角度は、20°である。
【0032】
図3乃至
図5に示すとおり、第1発光素子14aの第1出射面S1に直交する第1光軸A1は、出射光軸A5に対して2つの方向に傾いている。より具体的には、第1光軸A1は、出射光軸A5に対して左右方向、及び上下方向の2つの方向に傾いている。例えば、
図4に示すとおり、第1発光素子14aの中心位置は、出射光軸A5よりも右上に位置する。このとき
図5にも示すとおり、第1出射面S1は、出射面S5の略中心に向けて傾いている。これに伴い、第1照射部12a全体も出射面S5の略中心に向けて傾いている。
【0033】
例えば、受光可能な範囲が70°である光ファイバに対して、角度θ1が第1角度である20°に等しい場合、第1光軸A1は、出射面S5側から第1発光素子14aを見たときに、出射光軸A5に対して右側に10°傾き、上側に18°傾く。このように、第1光軸A1と出射光軸A5とは、出射光軸A5を含み、上下前後方向に沿って広がる平面及び出射光軸A5を含み、左右前後方向に沿って広がる平面上で交わらずに、それぞれの平面に対して所定の角度で傾いた平面上で互いに交わる。
【0034】
第2発光素子14b、第3発光素子14c、及び第4発光素子14dも同様の構成を有する。
【0035】
より具体的には、第2発光素子14bの第2出射面S2の略中心を通り、第2出射面S2に直交する第2光軸A2と、出射光軸A5とは、角度θ2で互いに交わる。角度θ2は、上述した第1角度以下である。例えば、
図4に示すとおり、第2発光素子14bの中心位置は、出射光軸A5よりも左上に位置する。例えば、受光可能な範囲が70°である光ファイバに対して、角度θ2が第1角度である20°に等しい場合、第2光軸A2は、出射面S5側から第2発光素子14bを見たときに、出射光軸A5に対して左側に10°傾き、上側に18°傾く。
【0036】
第3発光素子14cの第3出射面S3の略中心を通り、第3出射面S3に直交する第3光軸A3と、出射光軸A5とは、角度θ3で互いに交わる。角度θ3は、上述した第1角度以下である。例えば、
図4に示すとおり、第3発光素子14cの中心位置は、出射光軸A5よりも左下に位置する。例えば、受光可能な範囲が70°である光ファイバに対して、角度θ3が第1角度である20°に等しい場合、第3光軸A3は、出射面S5側から第3発光素子14cを見たときに、出射光軸A5に対して左側に10°傾き、下側に18°傾く。
【0037】
第4発光素子14dの第4出射面S4の略中心を通り、第4出射面S4に直交する第4光軸A4と、出射光軸A5とは、角度θ4で互いに交わる。角度θ4は、上述した第1角度以下である。例えば、
図4に示すとおり、第4発光素子14dの中心位置は、出射光軸A5よりも右下に位置する。例えば、受光可能な範囲が70°である光ファイバに対して、角度θ4が第1角度である20°に等しい場合、第4光軸A4は、出射面S5側から第4発光素子14dを見たときに、出射光軸A5に対して右側に10°傾き、下側に18°傾く。
【0038】
図4及び
図5を参照すると、光源装置10は、第1レンズ部15a、第2レンズ部15b、第3レンズ部15c、及び第4レンズ部15dをさらに有する。
【0039】
第1レンズ部15aは、第1照射部12a、より具体的には第1発光素子14aの前方に配置され、第1発光素子14aと対向する。第1レンズ部15aは、第1照射部12aから出射した第1照射光に作用し、光源装置10の出射面S5に第1照射光を集光する。
【0040】
第2レンズ部15bは、第2照射部12b、より具体的には第2発光素子14bの前方に配置され、第2発光素子14bと対向する。第2レンズ部15bは、第2照射部12bから出射した第2照射光に作用し、光源装置10の出射面S5に第2照射光を集光する。
【0041】
第3レンズ部15cは、第3照射部12c、より具体的には第3発光素子14cの前方に配置され、第3発光素子14cと対向する。第3レンズ部15cは、第3照射部12cから出射した第3照射光に作用し、光源装置10の出射面S5に第3照射光を集光する。
【0042】
第4レンズ部15dは、第4照射部12d、より具体的には第4発光素子14dの前方に配置され、第4発光素子14dと対向する。第4レンズ部15dは、第4照射部12dから出射した第4照射光に作用し、光源装置10の出射面S5に第4照射光を集光する。
【0043】
図6は、各レンズ部に含まれるレンズ系を具体的に示した模式図である。
図6において、一例として第4レンズ部15dに含まれるレンズ系が示されているが、第1レンズ部15a、第2レンズ部15b、及び第3レンズ部15cそれぞれに含まれるレンズ系も同様の構成を有する。
図6を用いた第4レンズ部15dに関する以下の説明は、第1レンズ部15a、第2レンズ部15b、及び第3レンズ部15cに対しても同様に適用される。
【0044】
図6における点線は、第4発光素子14dの上端から出射する第4照射光の伝搬経路を示す。
図6における実線は、第4発光素子14dの中心から出射する第4照射光の伝搬経路を示す。
図6における破線は、第4発光素子14dの下端から出射する第4照射光の伝搬経路を示す。
【0045】
図6を参照すると、第4レンズ部15dは、例えば、第4照射部12d側から光源装置10の出射面S5側に向けて順に配置されている第1レンズ16a、第2レンズ16b、及び第3レンズ16cを有する。
【0046】
第4レンズ部15dは、一例として3つのレンズを有するとして説明するが、その構成はこれに限定されない。第4レンズ部15dは、第4照射光を出射面S5に集光可能な任意の数のレンズを有してもよい。
【0047】
例えば、第1レンズ16aは、平凸レンズである。例えば、第2レンズ16bは、凹凸レンズである。例えば、第3レンズ16cは、両凸レンズである。各レンズは、凸面が光源装置10の出射面S5側を向くように配置されている。
【0048】
さらに、例えば、第1レンズ16aは、球面レンズである。例えば、第2レンズ16bは、非球面レンズである。例えば、第3レンズ16cは、非球面レンズである。
【0049】
第1レンズ16aは、第4発光素子14dから出射する第4照射光が大きく広がる位置を、第4発光素子14dの第4出射面S4から前側にずらす。加えて、第1レンズ16aは、第4発光素子14dから出射する第4照射光の略全体を漏らさずに取り込む。
【0050】
第2レンズ16bは、第1レンズ16aから大きな広がり角を持った状態で出射した第4照射光の広がりを抑制する。すなわち、第2レンズ16bは、第4照射光の配光を狭める。さらに、第2レンズ16bの凹面は、第1レンズ16aから大きな広がり角を持った状態で出射した第4照射光の略全体を漏らさずに取り込む。
【0051】
第3レンズ16cは、第2レンズ16bによって配光が狭められた第4照射光を光源装置10の出射面S5に集光する。光源装置10の出射面S5は、例えば略円形状に形成されていてもよい。
【0052】
第4レンズ部15dによって集光された第4照射光の集光角度θ5は、第2角度以下である。第2角度の1/2の値は、例えば、ライトガイド20を構成する光伝送路22の開口数に対応する受光角度よりも小さい角度を含む。例えば、受光可能な範囲が70°である光ファイバであって、開口数に対応する受光角度が35°となる場合、第2角度の1/2の値は、15°であってもよい。すなわち、第2角度は、30°であってもよい。
【0053】
第2角度の1/2の値を第1角度に足し合わせた値は、ライトガイド20を構成する光伝送路22の開口数に対応する受光角度以下であってもよい。例えば、受光可能な範囲が70°である光ファイバに対して、第1角度が20°であってもよく、第2角度が30°であってもよく、この場合、第2角度の1/2の値を第1角度に足し合わせた値は、35°となり、光ファイバの開口数に対応する受光角度35°と等しい。
【0054】
図7は、各レンズ部から出射する照射光が光源装置10の出射面S5に集光される様子をシミュレーションにより示した正面図である。
図8は、各レンズ部から出射する照射光が光源装置10の出射面S5に集光される様子をシミュレーションにより示した斜視図である。
図7及び
図8において、破線は、第1レンズ部15aから出射する第1照射光L1の伝搬経路を示す。同様に、二点鎖線は、第2レンズ部15bから出射する第2照射光L2の伝搬経路を示す。一点鎖線は、第3レンズ部15cから出射する第3照射光L3の伝搬経路を示す。実線は、第4レンズ部15dから出射する第4照射光L4の伝搬経路を示す。
【0055】
図7及び
図8を参照すると、第1照射光L1、第2照射光L2、第3照射光L3、及び第4照射光L4それぞれは、対応する発光素子から出射した後、対応するレンズ部を通過して、最終的に光源装置10の出射面S5に集光される。ライトガイド20が光源装置10に取り付けられると、ハウジング11の前部11a及び中央部11bの前後方向における境界近傍に配置されている複数の光伝送路22の端面S6は、出射面S5と同一平面内に位置する。すなわち、出射面S5と端面S6とは、前後方向に互いに同一の位置に配置されていてもよい。これに限定されず、出射面S5と端面S6とは、前後方向に互いに対向し、近接した状態で配置されていてもよい。
【0056】
例えば、出射面S5の略中心を通り、出射面S5に直交する
図5の出射光軸A5と、ライトガイド20の中心軸とが互いに一致してもよい。さらに、例えば、
図7に示すとおり、前方から後方に向けて見たときの正面視において、出射面S5の全体が、複数の光伝送路22の略円形状の端面S6の内側に含まれていてもよい。これにより、出射面S5に集光された第1照射光L1、第2照射光L2、第3照射光L3、及び第4照射光L4の略全体が漏れなく複数の光伝送路22と結合し、光源装置10の出射面S5から出射した光がライトガイド20によって伝送される。
【0057】
なお、
図7及び
図8では、光源装置10の出射面S5は、
図6の略円形状と異なり、略矩形状に形成されているが、光源装置10の出射面S5は、これら略円形状及び略矩形状を含む任意の形状で形成されていてもよい。例えば、光源装置10の出射面S5が
図6のように略円形状に形成されている場合、
図7の略円形状の端面S6と出射面S5とは、互いの中心軸を同軸として互いに前後方向に重畳するように配置されていてもよい。このとき、出射面S5の直径は、端面S6の直径以下であってもよい。
【0058】
以上のような一実施形態に係る光源システム1及び光源装置10によれば、高輝度を得る必要がある場合であっても、より高い自由度で被照射体における照射光の仕様を調整でき、かつユーザの利便性が向上する。
【0059】
より具体的には、光源システム1及び光源装置10が複数個の発光素子を有し、対応するレンズ部によって各照射光を出射面S5に集光することで、高輝度のLEDチップを発光素子として用いるような場合であっても、ライトガイド20の仕様が不必要に制限されない。すなわち、一般的な仕様を有する任意のライトガイド20が使用可能である。より具体的には、高輝度のLEDチップによってチップ面積が増大したとしても、照射光を集光する出射面S5の面積を調整することで、LEDチップのチップ面積に応じてライトガイド20の径を不必要に大きくすることなく結合効率が維持可能である。
【0060】
このようなライトガイド20の径に関する効果は、発光素子が複数個配置されるような場合にさらに顕著になる。例えば、ライトガイド20に含まれる複数の光伝送路22を端面S6側で発光素子の数に合わせて複数の組に分岐し、分岐された複数の組の各端面を、特許文献1に記載の発明のように各発光素子に押し付けて各照射光を結合させる場合を考える。このとき、高輝度のLEDチップによってチップ面積が増大すると、分岐した複数の組それぞれにおける径が増大し、それらを束ねたライトガイド20全体の径はさらに増大することとなる。一実施形態に係る光源システム1及び光源装置10は、発光素子が複数個配置されるような場合であっても、各照射光を出射面S5に集光させるので、出射面S5の面積を調整することで、ライトガイド20の径に関する不必要な大型化を抑制できる。
【0061】
加えて、各発光素子の各出射面に直交する各光軸が第1角度以下で出射光軸A5と交わり、各レンズ部によって集光された各照射光の集光角度θ5が第2角度以下であることで、ライトガイド20を構成する光伝送路22の開口数が不必要に大きくならない。すなわち、発光素子から出射する光の広がり角が大きいような場合であっても、当該広がり角に合わせて光伝送路22の開口数を不必要に大きくすることなく結合効率が維持可能である。
【0062】
以上により、例えば径及び開口数を含むライトガイド20の仕様が不必要に制限されないので、高い自由度で被照射体における照射光の仕様が調整可能である。
【0063】
光源システム1及び光源装置10では、各発光素子側に配置されている各レンズ部によって、各照射光が出射面S5に集光される。すなわち、各照射光をライトガイド20へ効率良く結合させるために、ライトガイド20の端面S6側にレンズ及びミラー等を含む任意の光学素子をさらに配置する必要性が少ない。ライトガイド20が光源装置10に取り付けられるだけで、各照射光が高効率でライトガイド20と結合可能である。したがって、光源装置10に含まれる光学系に対するライトガイド20の精密な位置調整が不要であり、ライトガイド20を頻繁に交換する場合であっても、ユーザの利便性が向上する。
【0064】
第2角度の1/2の値を第1角度に足し合わせた値が光伝送路22の開口数に対応する受光角度以下であることで、各照射光のライトガイド20への結合効率が向上する。すなわち、光伝送路22の受光角度に基づいて、各発光素子を傾けかつ各照射光の集光角度θ5を決定することで、各照射光の略全体を漏れなくライトガイド20に結合させることが可能となる。
【0065】
光源システム1及び光源装置10が4つの発光素子を有し、上述したとおり各照射光のライトガイド20への結合効率が向上することで、被照射体における照射光の輝度が向上する。例えば、光源システム1及び光源装置10は、10,000ルーメンの輝度を達成可能である。
【0066】
各レンズ部と出射面S5との間にミラー等の付加的な光学素子が配置されていないことで、光路長が短くなり、集光効率が向上する。例えば、複数の発光素子の全てを出射光軸A5と同軸上に配置し、ミラー等で各照射光を出射面S5まで導くような場合、光路長が長くなり、集光効率が低下する。光源システム1及び光源装置10では、各発光素子が出射光軸A5に対して傾くことで、ミラー等の付加的な光学素子が省略され、集光効率が向上する。
【0067】
各レンズ部が第1レンズ16a、第2レンズ16b、及び第3レンズ16cを有することで、各照射光を出射面S5へ集光させるための光学調整の自由度が向上する。加えて、3つのレンズという最小限の構成を有し、レンズの数を不必要に大きくしないことで、光がレンズによって吸収されることで生じる照射光の輝度の低下が抑制される。
【0068】
第1レンズ16aが平凸レンズであり、第2レンズ16bが凹凸レンズであり、第3レンズ16cが両凸レンズであることで、各発光素子から大きな広がり角を持った状態で出射した各照射光の略全体を効率良く集光することができる。例えば、各発光素子がLED素子である場合、120°以上の広がり角で各照射光が拡散する。第1レンズ16aは、各照射光が大きく広がる位置を前方に移し、第2レンズ16bの凹面は、拡散しようとする各照射光を漏れなく取り込む。そして、第3レンズ16cは、各照射光を出射面S5に集光する。このように、段階的に光を集光することで、各照射光の略全体を効率良く集光することができる。
【0069】
第2レンズ16b及び第3レンズ16cが非球面レンズであることで、出射面S5近傍における各照射光の球面収差が抑制される。したがって、光源装置10は、出射面S5の面積を低減して、より狭い範囲内に各照射光を集光可能である。
【0070】
本発明は、その精神又はその本質的な特徴から離れることなく、上述した実施形態以外の他の所定の形態で実現できることは当業者にとって明白である。したがって、先の記述は例示的であり、これに限定されない。発明の範囲は、先の記述によってではなく、付加した請求項によって定義される。あらゆる変更のうちその均等の範囲内にあるいくつかの変更は、その中に包含されるとする。
【0071】
例えば、上述した各構成部の形状、配置、向き、角度、及び個数等は、上記の説明及び図面における図示の内容に限定されない。各構成部の形状、配置、向き、角度、及び個数等は、その機能を実現できるのであれば、任意に構成されてもよい。
【0072】
第2角度の1/2の値を第1角度に足し合わせた値が光伝送路22の開口数に対応する受光角度以下であるとして説明したが、これに限定されない。各照射光のライトガイド20への結合効率が維持されるのであれば、第2角度の1/2の値を第1角度に足し合わせた値が受光角度以下でなくてもよい。
【0073】
各レンズ部は、光がレンズによって吸収されることで生じる照射光の輝度の低下が極度に大きくならない範囲で、4つ以上の数のレンズを有してもよい。
【0074】
第1レンズ16a、第2レンズ16b、及び第3レンズ16cそれぞれの面形状は、上記の組み合わせに限定されない。第1レンズ16a、第2レンズ16b、及び第3レンズ16cそれぞれは、各照射光を出射面S5に集光可能な任意の面形状を有してもよい。例えば、第1レンズ16aは、平凸レンズではなく凹凸レンズであってもよいし、球面レンズではなく非球面レンズであってもよい。第1レンズ16aが凹凸レンズである場合、第1レンズ16aは、各発光素子から大きな広がり角で拡散する各照射光を凹面側で漏らさずにより効率良く取り込むことができる。例えば、第2レンズ16bは、凹凸レンズではなく平凸レンズであってもよい。例えば、第2レンズ16b及び第3レンズ16cは、非球面レンズではなく球面レンズであってもよい。
【0075】
照射部の数は4つに限定されない。照射部の数は任意であってもよい。例えば、照射部の数は2つ又は3つであってもよいし、5つ以上であってもよい。例えば、照射部の数が5つである場合、
図4に示す第1照射部12a、第2照射部12b、第3照射部12c、及び第4照射部12dの間、すなわち、出射光軸A5と同軸をなすように第5照射部が中央に配置されていてもよい。この場合、第5照射部から出射する第5照射光はライトガイド20の径に合わせた平行光であってもよい。このように、光源の追加及び平行光による高結合効率に起因して、被照射体における照射光の輝度がさらに向上する。
【0076】
上記では一例として、ライトガイド20を構成する光伝送路22の受光可能な角度範囲が70°である場合を説明したが、これに限定されない。光源システム1は、光伝送路22の受光可能な角度範囲が任意の値を有するライトガイド20を有してもよい。例えば、光伝送路22の受光可能な角度範囲は、汎用性の高い60°から80°までのいずれかの値であってもよいし、120°であってもよい。例えば、光伝送路22の受光可能な角度範囲が60°である場合、第1角度は15°であってもよいし、第2角度の1/2の値は5°であってもよい。すなわち、第2角度は、10°であってもよい。例えば、光伝送路22の受光可能な角度範囲が80°である場合、第1角度は23°であってもよいし、第2角度の1/2の値は12°であってもよい。すなわち、第2角度は、24°であってもよい。例えば、光伝送路22の受光可能な角度範囲が120°である場合、第1角度は27°であってもよいし、第2角度の1/2の値は15°であってもよい。すなわち、第2角度は、30°であってもよい。
【0077】
各発光素子は、例えば、互いに同一の波長スペクトルを有するLED素子であってもよいし、互いに異なる波長スペクトルを有するLED素子であってもよい。例えば、互いに波長スペクトルの異なるLED素子を意図的に組み合わせることで、光源システム1及び光源装置10は、演色性の優れた照射光を照射可能である。
【0078】
光源システム1及び光源装置10は、工業用途及び医療用途等の任意の用途で使用されてもよい。例えば、光源システム1及び光源装置10は、任意の検査対象物の検査部位を照らすための検査用光源として用いられてもよい。
【解決手段】本発明に係る光源システム1は、光源装置10と、複数の光伝送路22を有し、光源装置10の出射面S5から出射した光が結合するライトガイド20と、を備え、光源装置10は、出射面S5に第1照射光を集光する第1レンズ部15aと、出射面S5に第2照射光を集光する第2レンズ部15bと、を有し、第1発光素子14aの第1出射面S1に直交する第1光軸A1及び第2発光素子14bの第2出射面S2に直交する第2光軸A2それぞれと、出射面S5に直交する出射光軸A5とがなす角度が第1角度以下であり、第1照射光の集光角度及び第2照射光の集光角度それぞれが第2角度以下であり、第1角度、及び第2角度の1/2の値それぞれは、光伝送路22の開口数に対応する受光角度よりも小さい。