【実施例】
【0025】
以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例は例示的に示されるもので限定的に解釈されるべきでないことはいうまでもない。
【0026】
(実施例1)
乳酸菌として下記調製方法により得られた、ストレプトコッカス・サーモフィラスに属する、受託番号NITE BP−02207の乳酸菌を用いた。
【0027】
まず、選別工程を以下のように実施し、原料大豆から選別大豆を得た。
原料大豆を100kg用意し、市販の粗選別機にかけて大豆より大きい異物(コーン、泥塊など)又は大豆より小さい異物(草の実、朝顔の種など)を除き、市販のグラビティ・セパレータにより、軽量異物(埃、皮、小ゴミなど)を除去し、市販の石抜機によって混入している大豆よりも重い石等の夾雑物を除き、市販のロール選別機に通して異形物を除去し、市販の粒径選別機により大豆を粒径別に選別した。
次に、脱皮工程を以下のように実施し、無菌脱皮大豆を得た。
市販の加熱機で、熱風空気温度約100℃、品温約60℃で5分程度加熱し、この加熱した大豆を、市販の補助脱皮機(二本のゴムローラーの隙間は、1〜5mm、二本のゴムローラーの回転は、1本が809回転/分、他の1本が1050回転/分で、両者の回転数の差は約20%の条件で使用した。)にかけて大豆に亀裂をおこさせた。
この亀裂のおきた大豆を、市販の剥皮機(複数の羽根の回転数は、300回転/分とした。)で剥皮し、集塵装置によって剥皮された皮の半分程度を除去した。市販の風選機によって剥離された皮のうち上記集塵装置によって除去されなかったものを除去した。
皮を除去した残りの大豆混合物を市販の多段式篩装置にかけて子葉と胚芽とに分離した。すなわち、風選処理された大豆混合物を第1の篩にかけて未だ脱皮されていない丸大豆(未脱皮丸大豆)と、二つの子葉に分かれた子葉(半割れ子葉)と胚芽との混合物とに分け、次いで、子葉と胚芽との混合物を、第2の篩にかけて半割れ子葉と胚芽とに分離した。
この分離された子葉には多少の皮が残存しているが、この分離された子葉を市販の冷却タンク(冷却ファン付、容量約8m
3)によって、常温風冷で冷却し、この冷却した子葉を市販の剥皮機で再度剥皮処理して子葉に残った皮を分離した。
得られた無菌脱皮大豆について、「食品衛生検査指針」(厚生省生活衛生局監修)に準じて、細菌数の測定を行い、細菌数が300個/g以下であることを検査して確認した。
この無菌脱皮大豆について、市販の連続蒸煮釜を用い、90℃の温度の水蒸気により120秒間の蒸煮を行った。
蒸煮後の無菌脱皮大豆について、市販の乾燥機を用いて、含水量6質量%まで乾燥した。
乾燥した無菌脱皮大豆について、予めエロフィンヒータにより100℃の熱風を内部に流通せしめて加熱殺菌した市販の粉砕機を用い、最初に粒度30メッシュに設定して粗粉砕した後、粒度600メッシュに設定して微粉砕した。
得られた大豆粉末を市販の分級機を用いて、粒度600メッシュ以下の大豆粉末のみに分級した。粒度600メッシュ以上の大豆粉末については、粉砕機に再度投入した。
このようにして製造された無菌全脂大豆粉を原料とした。
【0028】
この無菌全脂大豆粉を固形分濃度で8質量%含有した大豆粉水溶液を約600kgf/cm
2で均質処理したホモジナイズド大豆粉水溶液を滅菌処理あるいは90℃で15分加熱殺菌処理後30℃〜45℃まで冷却したものを大豆培地とした。
【0029】
前記大豆培地に、受託番号NITE BP−02207の乳酸菌を一定量接種し45℃〜30℃で培養し調製した。得られた乳酸菌の塩基配列を解読し、配列表の配列番号1に示した。該乳酸菌を用いて下記測定を行った。
【0030】
1)各培養条件における凝固時間の測定
培地として、前述した無菌全脂大豆粉を原料とする大豆培地である無菌大豆粉水溶液(固形分8質量%)、脱脂大豆液(固形分8質量%)、市販の豆乳(大豆固形分10質量%、無添加)、及び市販の豆乳(大豆固形分7質量%、糖及び塩を添加)を用い、前記調製しておいた受託番号NITE BP−02207の乳酸菌(菌数10
8cfu/mL)を乳酸菌スターターとして、所定濃度(菌/培地:1mL/10mL、0.1mL/10mLまたは10μL/10mL)で試験管に無菌的に接種混合したものを所定の培養温度条件で培養し、ヨーグルト様乳酸菌発酵大豆食品を得た。凝固するまでの培養時間を測定した。培養条件及びその結果を表1〜4に示した。なお、表1〜表3に示した実験では培養時に恒温水槽を用い、表4に示した実験ではドライインキュベータを用いた。
【0031】
凝固の有無の評価方法は、目視にての凝固の確認並びにつまようじで突いて確認を行い、容器を40度程度傾けて流れない硬さを凝固とした。凝固したものは容器を天地替えしても落ちてこない硬さであった。凝固時間の結果を表1〜表4に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
表1は、培地として無菌大豆粉水溶液(固形分8質量%)を使用し、培養温度42℃における凝固時間の結果を示す表である。表1において、乳酸菌濃度0.1mL/10mLの場合は、2時間未満で凝固したものを○、2時間以上3時間未満で凝固したものを△、凝固に3時間以上要するか24時間培養しても凝固しなかったものを×と評価し、乳酸菌濃度10μL/10mLの場合は、2時間以下で凝固したものを○、2時間を超え3時間未満で凝固したものを△、凝固に3時間以上要するか24時間培養しても凝固しなかったものを×と評価した。括弧内の数値は24時間以内に凝固した場合における凝固するまでの培養時間である。
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
表3は、培養条件36℃16時間、乳酸菌濃度0.1mL/10mLにおける各種培地での凝固時間の結果を示す表である。表3において、完全に凝固したものを○、カード有だがかなり軟弱なものを△、16時間培養後も凝固しなかったものを×と評価した。
【0037】
【表4】
【0038】
表4は、至適温度確認のための実験であり、ドライのインキュベータを用いた各培養温度条件における実施例1の凝固時間の結果を示す表である。培養温度30℃〜45℃までは通常のカードが確認された。培養温度20℃では72時間培養後もカードがみられなかったのが、引き続き30℃で培養したところ、7時間後にはカード形成が見られたため、低温で休眠状態であったが、損傷等はなく生存には問題ないと確認された。
【0039】
2)硬度測定
培地として前記無菌大豆粉水溶液(固形分8質量%)を用い、前記調製しておいた受託番号NITE BP−02207の乳酸菌(菌数10
8cfu/mL)を乳酸菌スターターとして、所定濃度(菌/培地:1mL/10mL)で個別容器に充填後、無菌的に接種混合したものを37℃の恒温水槽にて培養し、ヨーグルト様乳酸菌発酵大豆食品を得た。凝固するまでの培養時間を測定した。凝固時間の結果を表5に示す。また、得られたヨーグルト様乳酸菌発酵大豆食品を品温10℃前後になるよう冷蔵庫に入れた後、レオメーターにて硬度を測定した。硬度の結果を
図1に示す。
【0040】
【表5】
【0041】
表5において、凝固までの培養時間が130分以下のものを○、130分を超え4時間以下のものを△、4時間培養後も凝固しなかったものを×と評価した。
【0042】
3)pH及び酸度の測定
培地として前記無菌大豆粉水溶液(固形分8質量%)を用い、前記調製しておいた受託番号NITE BP−02207の乳酸菌(菌数10
8cfu/mL)を乳酸菌スターターとして、所定濃度(菌/培地:1mL/10mL)で試験管に無菌的に接種混合したものを37℃の恒温水槽にて培養させヨーグルト様カードを形成した(固化)ものより冷蔵庫に入れ発酵を止めたうえで酸度及びpHを測定した。pH測定時の使用機器はHORIBA pHメータD−71である。また、酸度測定は乳等省令に倣って0.1N水酸化Naによる滴定法により行った。結果を表6に示す。
【0043】
【表6】
【0044】
(比較例1及び2)
乳酸菌として、既知の乳酸菌であるストレプトコッカス・サーモフィラス NBRC13957菌株(比較例1)及びストレプトコッカス・サーモフィラス NBRC111149菌株(比較例2)を用いた以外は実施例1と同様の方法により実験を行った。結果を表1〜3及び6に示した。
【0045】
(比較例3〜7)
乳酸菌として、それぞれ市販のヨーグルトより分離したストレプトコッカス・サーモフィラス菌を用いた以外は実施例1と同様の方法により実験を行った。結果を表1〜3、5及び6に示した。比較例4及び5では、pH及び酸度の測定において培養後、固化はしたが求めるカードは得られなかった。
【0046】
(実験例1及び比較実験例1〜5)
実験例1として、実施例1と同様の方法により調製した受託番号NITE BP−02207の乳酸菌を用いて下記の糖発酵性試験を行った。
比較実験例1〜3では、乳酸菌として、それぞれ市販のヨーグルト3商品より分離したストレプトコッカス・サーモフィラス菌(市販品A株〜C株)を用いた。比較実験例4及び5では、乳酸菌として、既知の乳酸菌であるストレプトコッカス・サーモフィラス NBRC13957菌株(比較実験例4)及びストレプトコッカス・サーモフィラス NBRC111149菌株(比較実験例5)を用いた。
【0047】
1)糖発酵性試験(嫌気条件及び好気条件)
アピ50CHL(乳酸桿菌用培地、シスメックス・ビオメリュー(株)製)およびアピ50CH(研究用基質プレート、シスメックス・ビオメリュー(株)製)を使用し、該キット記載の方法に基づき糖発酵性を調べた。嫌気条件では、空気との接触を防ぐために、カップ上部にはミネラルオイル(シスメックス・ビオメリュー(株)製)を重層した。好気条件では、カップ上部まで菌液を注入し、菌液が空気と接触するようにした。36℃にて48時間培養した結果を表示した。表7〜9は嫌気条件下の結果であり、表10〜12は好気条件下の結果である。表中に示した基質である糖の各項目の詳細は下記の通りである。
cont.:コントロール、GLY:グリセロール、ERY:エリスリトール、DARA:D-アラビノース、LARA:L-アラビノース、RIB:D-リボース、DXYL:D-キシロース、LXYL:L-キシロース、ADO:D-アドニトール、MDX:メチル-α-D-キシロピラノシド、GAL:D-ガラクトース、GLU:D-グルコースFRU:D-フルクトース、MNE:D-マンノース、SBE:L-ソルボース、RHA:L-ラムノース、DUL:ズルシトール、INO:イノシトール、MAN:D-マンニトール、SOR:D-ソルビトール、MDM:メチル-α-D-マンノピラノシド、MDG:メチル-α-D-グルコピラノシド、NAG:N-アセチルグルコサミン、AMY:アミグダリン、ARB:アルブチン、ESC:エスクリン,クエン酸鉄、SAL:サリシン、CEL:D-セロビオース、MAL:D-マルトース、LAC:D-ラクトース、MEL:D-メリビオース、SAC:D-スクロース、TRE:D-トレハロース、INU:イヌリン、MLZ:D-メレジトース、RAF:D-ラフィノース、Starch:デンプン、GLYG:グリコーゲン、XLT:キシリトール、GEN:ゲンチオビオース、TUR:D-ツラノース、LYX:D-リキソース、TAG:D-タガトース、DFUC:D-フコース、LFUC:L-フコース、DARL:D-アラビトール、LARL:L-アラビトール、GNT:グルコン酸カリウム、2KG:2-ケトグルコン酸カリウム、5KG:5-ケトグルコン酸カリウム。
【0048】
【表7】
【0049】
【表8】
【0050】
【表9】
【0051】
【表10】
【0052】
【表11】
【0053】
【表12】
【0054】
表7〜12において、+は黄色に変色、±は緑色又は黄緑色に変色、−は変色なし(青紫色のまま)の結果をそれぞれ示す。
【0055】
大豆にふくまれる糖のほとんどがスクロースであるとされているが、表8に示した如く、嫌気条件下では、すべての菌株がスクロース(SAC)を発酵した。また、表11に示した如く、好気条件下では、本願発明の乳酸菌を用いた実験例1とNBRC 111149菌株を用いた比較実験例5のみ、良好にスクロース(SAC)から酸を産生した。
【0056】
2)吸光度測定
2−1)
前記糖発酵性試験における変色度合いの数値化の検討を行った。前記好気条件下での比較実験例5の糖発酵性試験後の3検体[Cont.:−(青紫色)、GAL:±(緑色)、GLU:+(黄色)]に対して可視光域の吸収スペクトルを測定し、その結果を
図2に示した。
発酵なし(−)のCont.では波長600nm、発酵あり(+)のGLUでは波長430nmに吸光度のピークがあり、発酵が進むにつれ、A
430/A
600の数値が大きくなることが分かった。A
430/A
600の数値を以下に示す。
青紫色(−:0.3)、緑色(±:1.4)、黄色(+:5.0)
【0057】
2−2)
前記好気条件下での糖発酵性試験後のSAC検体を用いて可視光域の吸収スペクトルを測定し、好気条件下におけるスクロース(SAC)の発酵力をA
430/A
600の数値にて評価した。結果を表13に示す。
【0058】
【表13】
【0059】
表13に示した如く、本願発明の乳酸菌を用いた実験例1が最も高い結果となった。以上の試験から本願発明の乳酸菌は好気条件下においても高い発酵力を有することが明らかになった。
【0060】
(実施例2及び比較例8〜12)
実施例2では、実施例1と同様の方法により調製した受託番号NITE BP−02207の乳酸菌を用いて下記実験を行った。培地として、実施例1で用いた無菌全脂大豆粉を原料とする大豆培地である無菌大豆粉水溶液(固形分8質量%)を用いた。
比較例8〜10では、乳酸菌として前記実験例1〜3で用いた市販品A株〜C株を用いた。比較例11及び12では、乳酸菌として、既知の乳酸菌であるストレプトコッカス・サーモフィラス NBRC13957菌株(比較例11)及びストレプトコッカス・サーモフィラス NBRC111149菌株(比較例12)を用いた。
【0061】
1)pHテスト
各菌体の前培養液を約10
7cell分とり、5mLの大豆培地に懸濁し、容器内で42℃で4時間培養し、発酵産物を得た後、容器上面と容器底面のpHを測定した。発酵産物の状態及びpH測定値を表14に示す。
【0062】
【表14】
【0063】
表14に示した如く、本願発明の乳酸菌を用いた実施例2は、上面、底面ともに最も低いpH値を記録した。実施例2以外では、容器上面のpHが底面と比較して低下しにくい傾向にあったが、実施例2では容器上面、底面ともに良好に低下した。このことから、本願発明の乳酸菌は酸素存在下でも良好に発酵することが分かった。なお、ヨーグルト状に固化したものは本願発明の乳酸菌を用いた実施例2と市販品A株を用いた比較例8のみであった。
【0064】
2)弾性率測定
前記1)pHテストにおいてヨーグルト状に固化した実施例2と比較例8の発酵産物の弾性率を測定した。弾性率の測定は、株式会社山電のクリープ試験装置(商品名:レオナーRE33005)により行った。結果を表14に示す。
表14に示した如く、本願発明の乳酸菌を用いた実施例2は市販品A株を用いた比較例8よりも12倍以上の数値を示した。
【0065】
(実施例3)
下記培養条件に変更した以外は実施例2と同様の方法によりヨーグルト様乳酸菌発酵大豆食品を得た。
培地として、市販の豆乳(大豆固形分7質量%及び8質量%)を用い、42℃で8時間培養したところ、ヨーグルト状に固化した。得られたヨーグルト様乳酸菌発酵大豆食品の弾性率を測定し、その結果を表15に示した。
【0066】
【表15】
【0067】
表15に示した如く、豆乳の大豆固形分濃度が7質量%よりも8質量%のほうが高い弾性率を示したものの、大豆粉末溶液を用いて製造した実施例2の弾性率の6分の1程度の数値であった。豆乳でもヨーグルト状に固化したが、大豆培地を用いたときより長時間培養しても、ゲルがもろいことが明らかになった。
【0068】
(実施例4)
乳酸菌として、実施例1と同様の方法により調製した受託番号NITE BP−02207の乳酸菌を用いて下記実験を行った。
実施例1と同様の方法により製造された無菌全脂大豆粉を原料とし、該無菌全脂大豆粉を所定濃度(大豆固形分濃度で5質量%、10質量%及び15質量%)含有した大豆粉水溶液を500〜600kgf/cm
2で均質処理したホモジナイズド大豆粉水溶液を90℃で15分加熱殺菌処理後、30℃〜45℃まで冷却したものを大豆培地として用いた。
【0069】
大豆培地にスターターとして乳酸菌を所定濃度(10
8cell/mL)添加し、37℃又は42℃で30分間、ドライインキュベータにて培養し、発酵産物を得た。以下、該発酵産物を発酵乳と称する。
【0070】
1)凝固の有無
前記得られた発酵乳に対し、実施例1と同様の方法により凝固の有無を確認した。また、対照として乳酸菌を添加していない以外は同様の方法により実験を行った。結果を表16に示す。表中、○は凝固あり、×は凝固なし、をそれぞれ示す。
【0071】
【表16】
【0072】
表16に示した如く、37℃及び42℃のいずれにおいても大豆固形分濃度5質量%〜15質量%の範囲で30分間で凝固しており、本発明の乳酸菌により、極めて短い発酵時間で固まることが示された。
【0073】
2)官能試験(酸味)
前記得られた発酵乳に対し、酸味に関する官能試験を行った。また、対照として乳酸菌を添加していない以外は同様の方法により実験を行った。結果を表17に示す。表中、判定の基準は下記の通りである。
○:ほどよい酸味を感じる、×:酸味をほとんど感じない。
【0074】
【表17】
【0075】
表17に示した如く、本発明の乳酸菌を用いて得られた発酵乳は、全てほどよい酸味を感じられるものであった。
【0076】
3)官能試験(硬さ)
前記得られた発酵乳に対し、硬さに関する官能試験を行った。結果を表18に示す。
【0077】
【表18】
【0078】
表18に示した如く、大豆培地の大豆固形分濃度の差異により、硬さに違いが生じており、大豆培地の大豆固形分濃度が5質量%の発酵乳は乳酸菌発酵大豆飲料に好適であり、10質量%の発酵乳はヨーグルト様乳酸菌発酵大豆食品に好適であり、15質量%の発酵乳はチーズ様乳酸菌発酵大豆食品に好適であった。
【0079】
(実施例5)
大豆培地の大豆固形分濃度を8質量%、9質量%及び10質量% に変更した以外は実施例4と同様の方法により大豆培地を乳酸菌発酵させ、ヨーグルト様乳酸菌発酵大豆食品を得た。得られたヨーグルト様乳酸菌発酵大豆食品は、いずれも適度な酸味、適度な弾力性、滑らかな食感を有しており、優れたヨーグルト様乳酸菌発酵大豆食品であった。
【0080】
(実施例6)
大豆固形分濃度15質量%の大豆培地を用い、実施例4と同様の方法により大豆培地を乳酸菌発酵させ、発酵乳を得た。得られた発酵乳を用い、常法に従い、ホエイを除去することで、チーズ様乳酸菌発酵大豆食品を製造した。得られたチーズ様乳酸菌発酵大豆食品は、不快臭を感じず、適度な酸味、チーズらしい弾力性、滑らかな食感を有しており、優れたチーズ様乳酸菌発酵大豆食品であった。
【0081】
(実施例7)
大豆固形分濃度5質量%の大豆培地を用い、実施例4と同様の方法により大豆培地を乳酸菌発酵させ、発酵乳を得た。得られた発酵乳を用い、常法に従い、安定剤、砂糖を混ぜて均質化することにより、乳酸菌発酵大豆飲料を製造した。得られた乳酸菌発酵大豆飲料は、飲料として適度な酸味、滑らかな喉ごし感を有しており、優れた乳酸菌発酵大豆飲料であった。