特許第6467174号(P6467174)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6467174
(24)【登録日】2019年1月18日
(45)【発行日】2019年2月6日
(54)【発明の名称】パネル材の連結具
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/74 20060101AFI20190128BHJP
【FI】
   E04B2/74 501N
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-193396(P2014-193396)
(22)【出願日】2014年9月24日
(65)【公開番号】特開2016-65367(P2016-65367A)
(43)【公開日】2016年4月28日
【審査請求日】2017年4月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085394
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
(74)【代理人】
【識別番号】100165456
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 佑子
(72)【発明者】
【氏名】堀江 思保
【審査官】 新井 夕起子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−036639(JP,A)
【文献】 米国特許第03553915(US,A)
【文献】 特開2010−090604(JP,A)
【文献】 特開2001−055817(JP,A)
【文献】 実開昭49−056719(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 2/72 − 2/74
E04D 13/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右方向平面状に隣接する左右一対の平面部パネル材と、該平面部パネル材隣接部位から前後方向直角状となって延設して脚部となる脚部パネル材とでT字状に配設される三枚のパネル材を連結するための連結具であって、該連結具は、互いに前後方向から雄雌係合することで抜止め状に一体化する雌型部材と雄型部材とからなり、前記雌型部材は、左右一対の平面部パネル材の前後方向一方の面板にそれぞれ当接する本体部と、該本体部の平面部パネル材隣接部位から雄型部材側に向けて突出する雌型係合部と、該雌型係合部に形成された係止突起とを備え、雄型部材は、前記左右一対の平面部パネルの前後方向他方の面板にそれぞれ当接する本体部と、該本体部の平面部パネル材隣接部位から雌型部材側に向けて突出していて雌型係合部に雄雌係合する雄型係合部と、該雄型係合部に形成され、雌型係合部の係止突起に係止して雄型部材と雌型部材とを抜止め状に一体化する係止突起とを備えて構成され、雌型部材または雄型部材の何れか一方の本体部には、左右方向中央部位を挟む状態で一対が脚部パネル材側に向けて突出する嵌合部により脚部パネル材を嵌合保持するための第一嵌合溝が形成され、左右一対の平面部パネル材を嵌合保持するための第二、第三嵌合溝は、雄型係合部と雌型係合部とを雄雌係合することで互いに対向する雌型、雄型部材の本体部同士の対向間に形成されることでT字形のパネル材の連結ができるように構成したものであり、前記第二、第三嵌合溝を形成する本体部は、先端側ほど対向間隔が狭くなるよう湾曲していて、平面部パネル材を弾性変形する状態で嵌合するものであり、前記第一嵌合溝を形成する嵌合部は、先端側ほど対向間隔が狭くなるよう湾曲する状態で前記本体部の湾曲部位から突出していて、脚部パネル材を弾性変形する状態で嵌合するものであり、前記第二、第三嵌合溝は、前記雄型係合部と雌型係合部との雄雌係合の係合深さが複数設定されていることで、前記本体部の湾曲した先端部による弾性変形状態での平面部パネル材の嵌合を維持した状態で溝幅の調整ができるよう設定されていることを特徴とするパネル材の連結具。
【請求項2】
雌型部材の係止突起及び雄型部材の係止突起は少なくとも一方複数形成されていて異なった厚さのパネル材の連結に対応できるように構成されていることを特徴とする請求項1記載のパネル材の連結具。
【請求項3】
嵌合溝は、弾性変形することで異なった厚さの脚部パネル材の嵌合保持ができるようになっていることを特徴とする請求項1または2記載のパネル材の連結具。
【請求項4】
嵌合溝による脚部パネル材の嵌合保持力が不十分な場合、脚部パネル体にスペーサを外嵌して嵌合溝に嵌合保持するように構成したことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1記載のパネル材の連結具。
【請求項5】
嵌合溝は、雌型部材、雄型部材の両本体部に形成されていて、十文字状のパネル材の連結ができるようになっていることを特徴とする請求項1乃至の何れか1記載のパネル材の連結具。
【請求項6】
第一嵌合溝は、雌型部材、雄型部材の何れか一方の部材の本体部に形成されるものであり、他方で連結している部材は、平面状に隣接する一対のパネル材のみを連結するための連結具の部材として兼用されることを特徴とする請求項1記載のパネル材の連結具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス板等のパネル材の連結具の技術分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ガラス板等のパネル材を組み立てて間仕切り等に使用する場合、隣接するパネル材同士を連結具(ジョイント材)を介して連結(接続)することが試みられている。そしてこのような連結具として、隣接する一対のパネル材同士を平面状あるいは直角状(L字状)に連結するようにしたものが提案されている(例えば特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2746231号公報
【特許文献2】特許第4646453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、パネル材を連結する場合に、T字形になった三枚のパネル材を連結することが要求されることがあり、このような場合の連結具については知られておらず、ここに本発明の解決すべき課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、左右方向平面状に隣接する左右一対の平面部パネル材と、該平面部パネル材隣接部位から前後方向直角状となって延設して脚部となる脚部パネル材とでT字状に配設される三枚のパネル材を連結するための連結具であって、該連結具は、互いに前後方向から雄雌係合することで抜止め状に一体化する雌型部材と雄型部材とからなり、前記雌型部材は、左右一対の平面部パネル材の前後方向一方の面板にそれぞれ当接する本体部と、該本体部の平面部パネル材隣接部位から雄型部材側に向けて突出する雌型係合部と、該雌型係合部に形成された係止突起とを備え、雄型部材は、前記左右一対の平面部パネルの前後方向他方の面板にそれぞれ当接する本体部と、該本体部の平面部パネル材隣接部位から雌型部材側に向けて突出していて雌型係合部に雄雌係合する雄型係合部と、該雄型係合部に形成され、雌型係合部の係止突起に係止して雄型部材と雌型部材とを抜止め状に一体化する係止突起とを備えて構成され、雌型部材または雄型部材の何れか一方の本体部には、左右方向中央部位を挟む状態で一対が脚部パネル材側に向けて突出する嵌合部により脚部パネル材を嵌合保持するための第一嵌合溝が形成され、左右一対の平面部パネル材を嵌合保持するための第二、第三嵌合溝は、雄型係合部と雌型係合部とを雄雌係合することで互いに対向する雌型、雄型部材の本体部同士の対向間に形成されることでT字形のパネル材の連結ができるように構成したものであり、前記第二、第三嵌合溝を形成する本体部は、先端側ほど対向間隔が狭くなるよう湾曲していて、平面部パネル材を弾性変形する状態で嵌合するものであり、前記第一嵌合溝を形成する嵌合部は、先端側ほど対向間隔が狭くなるよう湾曲する状態で前記本体部の湾曲部位から突出していて、脚部パネル材を弾性変形する状態で嵌合するものであり、前記第二、第三嵌合溝は、前記雄型係合部と雌型係合部との雄雌係合の係合深さが複数設定されていることで、前記本体部の湾曲した先端部による弾性変形状態での平面部パネル材の嵌合を維持した状態で溝幅の調整ができるよう設定されていることを特徴とするパネル材の連結具である。
請求項2の発明は、雌型部材の係止突起及び雄型部材の係止突起は少なくとも一方が複数形成されていて異なった厚さのパネル材の連結に対応できるように構成されていることを特徴とする請求項1記載のパネル材の連結具である。
請求項3の発明は、嵌合溝は、弾性変形することで異なった厚さの脚部パネル材の嵌合保持ができるようになっていることを特徴とする請求項1または2記載のパネル材の連結具である。
請求項4の発明は、嵌合溝による脚部パネル材の嵌合保持力が不十分な場合、脚部パネル体にスペーサを外嵌して嵌合溝に嵌合保持するように構成したことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1記載のパネル材の連結具である。
請求項5の発明は、嵌合溝は、雌型部材、雄型部材の両本体部に形成されていて、十文字状のパネル材の連結ができるようになっていることを特徴とする請求項1乃至の何れか1記載のパネル材の連結具である。
請求項6の発明は、第一嵌合溝は、雌型部材、雄型部材の何れか一方の部材の本体部に形成されるものであり、他方で連結している部材は、平面状に隣接する一対のパネル材のみを連結するための連結具の部材として兼用されることを特徴とする請求項1記載のパネル材の連結具である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明とすることにより、T字状に配した三枚のパネル材の連結が、互いに雄雌嵌合することで抜止め状に一体化する雌型部材、雄型部材を用いて簡単にできることになる。
請求項2の発明とすることにより、雌型部材、雄型部材同士の雄雌嵌合が厚さの異なったパネル体に対応してできることになる。
請求項3の発明とすることにより、厚さの異なったパネル体の嵌合溝への嵌合保持ができることになる。
請求項4の発明とすることにより、パネル材の厚さが薄く、嵌合溝での嵌合保持力が不足する場合でも確実な嵌合保持ができることになる。
請求項5の発明とすることにより、嵌合溝が雌型部材、雄型部材の両者に形成されることになって、十文字状のパネル材の連結ができることになる。
請求項6の発明とすることにより、雄型部材の兼用化が図れることになる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】(A)(B)は建て付けられたパネル材の概略の正面図、平面図である。
図2】建て付けられたパネル材の縦断面図である。
図3】建て付けられたパネル材の平面図である。
図4】(A)(B)(C)は雌型部材、雄型部材、雌型部材および雄型部材を雄雌嵌合した状態をそれぞれ示す平面図である。
図5】(A)(B)(C)は厚さの異なる第一〜第三のパネル材をT字状に連結した状態をそれぞれ示す平面図である。
図6】(A)(B)(C)は第一の参考例を示す雌型部材、雄型部材、雌型部材および雄型部材を雄雌嵌合した状態をそれぞれ示す平面図である。
図7】(A)(B)(C)は第一の参考例を示す連結具用いて厚さの異なる第一〜第三のパネル材を平面状に連結した状態をそれぞれ示す平面図である。
図8】(A)(B)(C)は第二の参考例を示す雌型部材、雄型部材、雌型部材および雄型部材を雄雌嵌合した状態をそれぞれ示す平面図である。
図9】(A)(B)(C)は第二の参考例を示す連結具用いて厚さの異なる第一〜第三のパネル材を直角状に連結した状態をそれぞれ示す平面図である。
図10】(A)(B)(C)は第二の実施の形態を示す雌型部材、雄型部材、T字状にしたパネル体の連結状態をそれぞれ示す平面図である。
図11】(A)(B)(C)は第三の実施の形態を示す雌型部材、雄型部材、十字状にしたパネル体の連結状態をそれぞれ示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図面において、1はガラス板等のパネル材であって、本実施の形態では間仕切りとして使用されるものであるが、前記パネル材1は、上下の端縁部が上下の枠材2、3を介して天井部Hと床部Fとに取付けられている。上枠材2は、天井部Hにビス2aを介して固定される枠本体2bと、該枠本体2bにパネル材1を当てがった状態でビス2cを介して固定される押し縁2dとにより構成されている。
また下枠材3は、アンカーボルト3aを介して床部Fに固定される枠本体3bと、該枠本体3bにパネル材1を当てがった状態でビス3cを介して固定される押し縁3dとにより構成されている。
さらに後述するように連結具5を介して連結されるパネル材1のうちの端パネルの躯体(壁)W側端縁部は、パネル嵌合溝4aが形成された縦枠材4を介して取付けられるが、このものにおいて、図3に示すように、縦枠材4は、躯体Wに取付けレール材4bが埋設固定されている場合には、取付けレール4bの跨部にビス4cを介して固定され、取付けレール4bがない場合には、躯体W側が跨部となってビス4dを介して固定される凵字形の第一レール材4eと、躯体W側が開口した冂字形の第二レール4fとを互いに嵌合させたものの第二レール材4fの跨部にビス4cを介して固定され、さらに躯体Wに固定されず、躯体とのあいだに開口を有する場合には、床部Fと天井部Hとのあいだに支持される中間縦枠材4gにビス4cを介して固定されるようになっている。
【0009】
5はパネル材1の三枚がT字状に配されていて、左右方向に平面状に隣接する左右一対の平面部パネル材1aと、該平面パネル材1a隣接部位から前後方向直角状に延設する脚部パネル材1bと連結するための連結具であって、該連結具5は、互いに雄雌係合して抜け止め状に一体化される雌型部材6と雄型部材7との二部材によって構成されている。
【0010】
雌型部材6は、弓形に湾曲し、左右両端部が平面部パネル材1aの前後方向一方の面に当接するよう左右幅を有した弾性変形できる本体部6aと、該本体部6aの湾曲内側辺6bの左右方向中央部位である平面パネル材隣接部位から一対が近接対向する状態で前後方向他方側(雄型部材側)に突出して形成される雌型係合部6cと、本体部6aの湾曲外側辺6dの左右方向両側部位から左右に間隔を存する状態で前後方向一方側(反雄型部材側)に向けて左右に対向する一対が突出する嵌合部6eとから構成されるが、前記雌型係合部6cは、互いの対向間隔が狭い状態で平行状に突出していて対向間に係合溝6fが形成されると共に、雌型係合部6cの互いに対向する内辺部には、係合溝6fの入り口部および該入り口部より溝奥側に位置して第一、第二の二対(二段)の係止突起6g、6h(係止突起は二対に限定されず、一対でもまた三対以上でも良い。)が互いに対向するようにして突出形成されている。
一方、嵌合部6eの基端側半部6jは、後述する最も板厚が厚い第三パネル材1eの板厚よりも僅かに幅広の平行状の第一嵌合溝6iを形成し、先端側半部6kは、先端側ほど対向間隔が狭くなるよう湾曲していて、後述する最も板厚が薄い第一パネル材1cの板厚よりも溝幅が広いか先端側半部6kの弾性変形では充分な保持力を得られない溝幅の第一嵌合溝6iを形成しているが、該先端側半部6kは弾性変形して対向間隔が変更できるようになっている。
【0011】
また雄型部材7は、弓型に湾曲し、左右両端部が平面部パネル材1aの前後方向他方側の面板に当接する左右幅を有した弾性変形できる本体部7aと、該本体部7aの湾曲内側辺7bの左右方向中央部位から前後方向一方側(雌型部材側)に突出する雄型係合部7cとにより略T字形に形成されるが、雄型係合部7cの先端部には第一、第二の二対の係止突起7d、7e(係止突起は二対に限定されず、一対でもまた三対以上でも良い。)が突出形成されている。
【0012】
そして連結具5は、雄型係合部7cが雌型係合溝6fに挿入して互いの係止突起同士が抜止め状に係止することでT字状に隣接する三枚のパネル材1の連結をすることになるが、この場合に、本実施の形態では、三種類に厚さが異なる第一〜第三のパネル材1c、1d、1eの連結に対応できるようになっている。図5(A)に示す第一パネル材1cのように、肉薄で、第一嵌合溝6iに嵌合したとき、先端側半部6kの弾性変形による弾圧保持力が小さく第一パネル材1cの支持が十分でない場合や先端側半部6kがさらに肉薄で弾性変形をしないような場合、コ字形をしたスペーサ8を第一パネル材1cの端縁に外嵌して肉厚を便宜上厚くしたものを第一嵌合溝6iに挿入して先端側半部6kが十分に拡開するよう弾性変形させることで弾圧保持力を確保できるようにし、これにより第一パネル材1cをT字形に連結したときの脚部パネル材1b(1c)の連結保持ができるようになっている。
【0013】
一方、雄型係合部7cを雌型係合溝6fに挿入して雌型部材6と雄型部材7とを雄雌嵌合して抜止め状に一体化することで雌型部材本体部6aと雄型部材本体部7aとのあいだに、平面部パネル材1aの互いに隣接する端縁部同士を嵌合する第二、第三の嵌合溝5a、5bが形成されることになるが、前記肉薄の第一パネル材1cである場合、図5(A)に示すように、雄型部材第二係止突起7eが雌型部材第二係止突起6hに係止するよう雄型係合部7cを雌型係合溝6fに深く挿入して雌型部材本体部6aと雄型部材本体部7aとの間隔を小さくすることで必要な弾圧保持力を確保できるようにして薄い平面部パネル材1a(1c)同士の連結ができるようになっている。
【0014】
またパネル材1が中厚状の第二パネル材1dであって第一嵌合溝6iに挿入した場合に、先端側半部6kが弾性変形して弾圧保持力が確保できる場合には、図5(B)に示すように、T字形の脚部となる脚部パネル材1b(1d)を直接第一嵌合溝6iに挿入して弾圧保持する一方、雄型部材第一係止突起7dが雌型部材第二係止突起6hに係止し、かつ雄型部材第二係止突起7eが雌型部材第一係止突起6gに係止するよう雄型係合部7cを雌型係合溝6fに挿入することで中厚状の平面部パネル材1a(1d)同士を第二、第三嵌合溝5a、5bに嵌合しての連結ができるようになっている。
さらにパネル材1が肉厚ではあるが、第一嵌合溝6iに挿入できる寸法の第三パネル材1eである場合には、図5(C)に示すように、T字形の脚部となる脚部パネル材1b(1e)を直接第一嵌合溝6iに挿入して弾圧保持する一方、雄型部材第一係止突起7dが雌型部材第一係止突起6gに係止するよう雄型部材脚片7cを第一係合溝6fに挿入することで平面状に隣接する平面部パネル材1a(1e)同士を第二、第三嵌合溝5a、5bに嵌合しての連結ができるようになっている。
【0015】
三枚のパネル材1をT字形に連結する場合の施工の順序であるが、例えば、平面状に隣接するパネル材1を上下枠材2、3間に建て付けた後、雌型部材6と雄型部材7とをこれら隣接するパネル材1に組付け、しかる後、脚部となるパネル材1を第一嵌合溝6iに挿入組み込みすることでできるが、これに限定されるものではなく、施工現場において組み付けやすい手順で実施できることになる。
【0016】
叙述の如く構成された本実施の形態において、T字状に組付けられる三枚のパネル材1を連結具5を用いて連結する場合に、脚部パネル材1bは、雌型部材6に形成される第一嵌合溝6iに嵌合保持させ、平面部パネル体1aは、雌型部材6と雄型部材7とを雄雌嵌合したときに両部材6、7の本体部6a、7aの対向間に形成される第二、第三の嵌合溝5a、5bに嵌合保持させることで連結されることになって、簡単な構成での連結ができることになる。
【0017】
しかもこのものでは、前記雄雌嵌合したときに互いに係止して抜け止めする雌型部材6側の係止突起6g、6h、雄側部材7側の係止突起7d、7eが複数形成されているため、これらの係止を選択することで、第二、第三嵌合溝5a、5bの溝幅を異ならしめることができ、肉厚が異なる平面部パネル材1a同士の連結にも対応することができ、都合がよい。
【0018】
また雌型部材6に形成される第一嵌合溝6iについては、嵌合部6eの先端側半部6kを弾性変形させることで該部位の溝幅を異ならしめることができ、このため、脚部パネル材1bの肉厚が先端側半部6kの弾性変形により十分な弾圧保持力が確保できる場合には、この弾性変形を利用して肉厚の異なる脚部パネル材1bの嵌合保持をすることができる。
これに対し、脚部パネル材1bの肉厚が薄く、嵌合部6eの弾性変形では充分な弾圧保持力を確保できない場合には、脚部パネル材1bにスペーサ8を嵌合して肉厚を仮想的に厚いものとし、これを第一嵌合溝6iに嵌合することで十分な弾圧保持力を確保することができることになる。
【0019】
因みに、パネル材1同士の連結には、平面部パネル材1aだけの連結、直角部パネル材1fだけの連結もあり、そこでこれらの連結手法について、図6図7に示す第一の参考例、図8図9に示す第二の参考例に基づいて説明する。
【0020】
図6図7に示す第一の参考例のものは平面部パネル体1aだけを連結具5で連結する事例であるが、このものは雄型部材は前記実施の形態の雄型部材7をそのまま雄型部材10として兼用し、雌型部材9については、前記実施の形態の雌型部材6において、嵌合部6eの無いものを用いており(図6図7の引出符号は、数字部分を「6」「7」から「9」「10」に変更しただけで「アルファベット」部分については、新たに追加したもの以外は、変更しないでそのまま付した。以下、同様にして引出符号をつけた。)、雄雌嵌合したときに、雌型部材9の係止突起9g、9hと雄型部材10の係止突起10d、10eの係止を選択することで、肉厚の異なるパネル材1の連結ができるようになっている。
【0021】
一方、図8、9に示す第二の参考例のものは直角状(L字状)となった直角部パネル材1fだけの連結の事例であるが、このものは雌型部材11の本体部11aを直角部パネル材1fの直角内側面に弾圧状に当接するように直角状に折曲形成され、雄側部材12の本体部12aは直角パネル部1fの直角外側面に弾圧状に当接するように直角状に折曲形成されたものを用いているが、このもので雌型係合部11cを前記実施の形態のものよりは深いものとしており、これにより係合突起11g、11h、11iを三つとしてより確実な抜止め係止ができるようにしている。
【0022】
さらに本発明は、図10に示す第2の実施の形態のようにすることもできる。このものは、連結具5を雌型部材13、雄型部材14を用いて構成しているが、雄型部材14側に嵌合部14fを設けて該側に第一嵌合溝14gを形成したものであり、これによつても本発明を実施することができる。
【0023】
さらにまた、本発明は図11に示す第三の実施の形態のようにすることもできる。このものは、連結具5を構成する雌型部材15、雄型部材16の両本体部15a、16aの湾曲外側辺15d、16hにそれぞれ嵌合溝15i、16gを形成し、そして第一〜第四嵌合溝の全てにパネル材を嵌合組み込みすることで、十文字状に配したパネル材1の連結ができることになる。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明は、T字形に配設した三枚のガラス板等のパネル材を連結するパネル材の連結具として利用することができる。
【符号の説明】
【0025】
1 パネル材
5 連結具
5a、5b 第二、第三嵌合溝
6 雌型部材
6a 本体部
6b 湾曲内側辺
6c 雌型係合部
6d 湾曲外側辺
6e 嵌合部
6f 係合溝
6g 第一係止突起
6h 第二係止突起
6i 第一嵌合溝
6j 基端側半部
6k 先端側半部
7 雄型部材
7a 本体部
7b 湾曲内側辺
7c 雄型係合部
7d 第一係止突起
7e 第二係止突起
8 スペーサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11