【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る画像処理装置は、画像内のノイズを除去するノイズ除去処理部と、前記ノイズ除去処理部よりも後段に接続され、画像内のエッジを強調するエッジ強調処理部と、を備え、前記ノイズ除去処理部は、画像内のノイズを除去するローパスフィルタと、画像内のエッジを検出する第1のエッジ検出部と、前記第1のエッジ検出部による検出結果に基づいて、画像内の各画素のエッジ強度を算出する第1のエッジ強度算出部と、前記第1のエッジ強度算出部によって算出されたエッジ強度に基づいて、前記ローパスフィルタのフィルタ強度を画素毎に設定する第1のフィルタ強度設定部と、を有し、前記エッジ強調処理部は、画像内のエッジを強調するエッジ強調フィルタと、画像内のエッジを検出する第2のエッジ検出部と、前記第2のエッジ検出部による検出結果に基づいて、画像内の各画素のエッジ強度を算出する第2のエッジ強度算出部と、前記第2のエッジ強度算出部によって算出されたエッジ強度に基づいて、前記エッジ強調フィルタのエッジ強調強度を画素毎に設定する強調強度設定部と、を有
し、前記第1のフィルタ強度設定部は、エッジ強度が第1のしきい値未満であり画像の平坦部分に属する画素に関しては、第1のフィルタ強度を設定し、エッジ強度が第1のしきい値以上であり画像のエッジ部分に属する画素に関しては、第1のフィルタ強度よりも低い第2のフィルタ強度を設定することを特徴とするものである。
【0007】
第1の態様に係る画像処理装置によれば、第1のエッジ検出部は、画像内のエッジを検出し、第1のエッジ強度算出部は、第1のエッジ検出部による検出結果に基づいて、画像内の各画素のエッジ強度を算出する。そして、第1のフィルタ強度設定部は、第1のエッジ強度算出部によって算出されたエッジ強度に基づいて、ローパスフィルタのフィルタ強度を画素毎に設定する。これにより、ローパスフィルタのフィルタ強度を、各画素のエッジ強度に応じて画素毎に適応的に切り替えることができる。例えば、画像の平坦部分に属する画素に関しては比較的高いフィルタ強度を設定することにより、ノイズを効果的に除去することができ、また、画像のエッジ部分に属する画素に関しては比較的低いフィルタ強度を設定することにより、エッジが平滑化されることを回避できる。従って、ノイズ除去処理部によってノイズが効果的に除去された画像に対して、エッジ強調処理部によってエッジ強調処理を行うことにより、エッジ強調処理の際にノイズが強調されることを回避できる。その結果、ノイズの抑制とエッジの強調とを効果的に両立することが可能となる。
【0008】
また、第1の態様に係る画像処理装置によれば、第2のエッジ検出部は、画像内のエッジを検出し、第2のエッジ強度算出部は、第2のエッジ検出部による検出結果に基づいて、画像内の各画素のエッジ強度を算出する。そして、強調強度設定部は、第2のエッジ強度算出部によって算出されたエッジ強度に基づいて、エッジ強調フィルタのエッジ強調強度を画素毎に設定する。これにより、エッジ強調フィルタの強調強度を、各画素のエッジ強度に応じて画素毎に適応的に切り替えることができる。例えば、画像の平坦部分に属する画素に関しては比較的低い強調強度を設定することにより、残存ノイズが強調されることを回避でき、また、画像のエッジ部分に属する画素に関しては比較的高い強調強度を設定することにより、エッジを強調することができる。その結果、ノイズが強調されることを回避しつつエッジを強調できるため、ノイズの抑制とエッジの強調とを効果的に両立することが可能となる。
また、第1の態様に係る画像処理装置によれば、画像の平坦部分に属する画素に関しては、比較的高い第1のフィルタ強度を設定することにより、平坦部分のノイズを効果的に除去することができる。また、画像のエッジ部分に属する画素に関しては、比較的低い第2のフィルタ強度を設定することにより、エッジが平滑化されることを回避できる。その結果、ノイズ除去処理において、エッジが平滑化されることを回避しつつ、平坦部分のノイズを効果的に除去することが可能となる。
【0011】
本発明の第
2の態様に係る画像処理装置は、第
1の態様に係る画像処理装置において特に、前記第1のフィルタ強度設定部は、エッジ強度が第2のしきい値以上であり画像の特異部分に属する画素に関しては、第2のフィルタ強度よりも低い第3のフィルタ強度を設定することを特徴とするものである。
【0012】
第
2の態様に係る画像処理装置によれば、光源の反射部分等の画像の特異部分に属する画素に関しては、第2のフィルタ強度よりも低い第3のフィルタ強度を設定することにより、特異部分が平滑化されることを回避できる。その結果、特異部分が不鮮明な不自然な画像となることを、予め回避することが可能となる。
【0013】
本発明の第
3の態様に係る画像処理装置は、第
1又は第
2の態様に係る画像処理装置において特に、前記第1のフィルタ強度設定部は、エッジ部分に属する画素に関しては、エッジ強度が高いほどフィルタ強度が低くなるように、エッジ強度に応じて第2のフィルタ強度を設定することを特徴とするものである。
【0014】
第
3の態様に係る画像処理装置によれば、第1のフィルタ強度設定部は、エッジ部分に属する画素に関しては、エッジ強度が高いほどフィルタ強度が低くなるように、エッジ強度に応じて第2のフィルタ強度を設定する。このように、エッジ強度に応じて第2のフィルタ強度を細かく制御することにより、エッジ部分全体に均一なフィルタ強度を設定する場合と比較して、ローパスフィルタのフィルタ強度を滑らかに切り替えることができる。その結果、画像が不自然になることを回避することが可能となる。
【0015】
本発明の第
4の態様に係る画像処理装置は、
画像内のノイズを除去するノイズ除去処理部と、前記ノイズ除去処理部よりも後段に接続され、画像内のエッジを強調するエッジ強調処理部と、を備え、前記ノイズ除去処理部は、画像内のノイズを除去するローパスフィルタと、画像内のエッジを検出する第1のエッジ検出部と、前記第1のエッジ検出部による検出結果に基づいて、画像内の各画素のエッジ強度を算出する第1のエッジ強度算出部と、前記第1のエッジ強度算出部によって算出されたエッジ強度に基づいて、前記ローパスフィルタのフィルタ強度を画素毎に設定する第1のフィルタ強度設定部と、を有し、前記エッジ強調処理部は、画像内のエッジを強調するエッジ強調フィルタと、画像内のエッジを検出する第2のエッジ検出部と、前記第2のエッジ検出部による検出結果に基づいて、画像内の各画素のエッジ強度を算出する第2のエッジ強度算出部と、前記第2のエッジ強度算出部によって算出されたエッジ強度に基づいて、前記エッジ強調フィルタのエッジ強調強度を画素毎に設定する強調強度設定部と、を有し、前記ノイズ除去処理部は、前記第1のエッジ検出部による検出結果に基づいて、エッジの画面周波数を解析する周波数解析部と、前記周波数解析部による解析結果に基づいて、前記ローパスフィルタのフィルタ強度の許容設定範囲を画像毎に設定する範囲設定部と、をさらに有し、前記第1のフィルタ強度設定部は、前記第1のエッジ強度算出部によって算出されたエッジ強度に基づいて、前記ローパスフィルタのフィルタ強度を、前記範囲設定部によって設定された許容設定範囲内で画素毎に設定することを特徴とするものである。
【0016】
第4の態様に係る画像処理装置によれば、第1のエッジ検出部は、画像内のエッジを検出し、第1のエッジ強度算出部は、第1のエッジ検出部による検出結果に基づいて、画像内の各画素のエッジ強度を算出する。そして、第1のフィルタ強度設定部は、第1のエッジ強度算出部によって算出されたエッジ強度に基づいて、ローパスフィルタのフィルタ強度を画素毎に設定する。これにより、ローパスフィルタのフィルタ強度を、各画素のエッジ強度に応じて画素毎に適応的に切り替えることができる。例えば、画像の平坦部分に属する画素に関しては比較的高いフィルタ強度を設定することにより、ノイズを効果的に除去することができ、また、画像のエッジ部分に属する画素に関しては比較的低いフィルタ強度を設定することにより、エッジが平滑化されることを回避できる。従って、ノイズ除去処理部によってノイズが効果的に除去された画像に対して、エッジ強調処理部によってエッジ強調処理を行うことにより、エッジ強調処理の際にノイズが強調されることを回避できる。その結果、ノイズの抑制とエッジの強調とを効果的に両立することが可能となる。
また、第4の態様に係る画像処理装置によれば、第2のエッジ検出部は、画像内のエッジを検出し、第2のエッジ強度算出部は、第2のエッジ検出部による検出結果に基づいて、画像内の各画素のエッジ強度を算出する。そして、強調強度設定部は、第2のエッジ強度算出部によって算出されたエッジ強度に基づいて、エッジ強調フィルタのエッジ強調強度を画素毎に設定する。これにより、エッジ強調フィルタの強調強度を、各画素のエッジ強度に応じて画素毎に適応的に切り替えることができる。例えば、画像の平坦部分に属する画素に関しては比較的低い強調強度を設定することにより、残存ノイズが強調されることを回避でき、また、画像のエッジ部分に属する画素に関しては比較的高い強調強度を設定することにより、エッジを強調することができる。その結果、ノイズが強調されることを回避しつつエッジを強調できるため、ノイズの抑制とエッジの強調とを効果的に両立することが可能となる。
また、第
4の態様に係る画像処理装置によれば、周波数解析部は、第1のエッジ検出部による検出結果に基づいて、エッジの画面周波数を解析し、範囲設定部は、周波数解析部による解析結果に基づいて、ローパスフィルタのフィルタ強度の許容設定範囲を画像毎に設定する。そして、第1のフィルタ強度設定部は、第1のエッジ強度算出部によって算出されたエッジ強度に基づいて、ローパスフィルタのフィルタ強度を、範囲設定部によって設定された許容設定範囲内で画素毎に設定する。これにより、ローパスフィルタのフィルタ強度の許容設定範囲を、エッジの画面周波数に応じて画像毎に適応的に切り替えることが可能となる。
【0017】
本発明の第
5の態様に係る画像処理装置は、第
4の態様に係る画像処理装置において特に、前記範囲設定部は、エッジの画面周波数が比較的低い周波数領域に集中する画像に関しては、フィルタ強度が比較的高い範囲内で分布するように許容設定範囲を設定し、エッジの画面周波数が比較的高い周波数領域に集中する画像に関しては、フィルタ強度が比較的低い範囲内で分布するように許容設定範囲を設定することを特徴とするものである。
【0018】
第
5の態様に係る画像処理装置によれば、エッジの画面周波数が比較的低い周波数領域に集中する画像(平坦部分を多く含む画像)に関しては、フィルタ強度が比較的高い範囲内で分布するように許容設定範囲を設定することにより、平坦部分のノイズを効果的に除去することができる。また、エッジの画面周波数が比較的高い周波数領域に集中する画像(中〜高周波のエッジを多く含む画像)に関しては、フィルタ強度が比較的低い範囲内で分布するように許容設定範囲を設定することにより、エッジが平滑化されることを回避できる。その結果、ノイズ除去処理において、エッジが平滑化されることを回避しつつ、平坦部分のノイズを効果的に除去することが可能となる。
【0019】
本発明の第
6の態様に係る画像処理装置は、
画像内のノイズを除去するノイズ除去処理部と、前記ノイズ除去処理部よりも後段に接続され、画像内のエッジを強調するエッジ強調処理部と、を備え、前記ノイズ除去処理部は、画像内のノイズを除去するローパスフィルタと、画像内のエッジを検出する第1のエッジ検出部と、前記第1のエッジ検出部による検出結果に基づいて、画像内の各画素のエッジ強度を算出する第1のエッジ強度算出部と、前記第1のエッジ強度算出部によって算出されたエッジ強度に基づいて、前記ローパスフィルタのフィルタ強度を画素毎に設定する第1のフィルタ強度設定部と、を有し、前記エッジ強調処理部は、画像内のエッジを強調するエッジ強調フィルタと、画像内のエッジを検出する第2のエッジ検出部と、前記第2のエッジ検出部による検出結果に基づいて、画像内の各画素のエッジ強度を算出する第2のエッジ強度算出部と、前記第2のエッジ強度算出部によって算出されたエッジ強度に基づいて、前記エッジ強調フィルタのエッジ強調強度を画素毎に設定する強調強度設定部と、を有し、前記エッジ強調処理部は、時系列で連続する複数の画像に基づいて、画像の変動量を算出する変動量算出部をさらに有し、前記強調強度設定部は、前記第2のエッジ強度算出部によって算出されたエッジ強度と、前記変動量算出部によって算出された変動量とに基づいて、前記エッジ強調フィルタのエッジ強調強度を画素毎に設定することを特徴とするものである。
【0020】
第6の態様に係る画像処理装置によれば、第1のエッジ検出部は、画像内のエッジを検出し、第1のエッジ強度算出部は、第1のエッジ検出部による検出結果に基づいて、画像内の各画素のエッジ強度を算出する。そして、第1のフィルタ強度設定部は、第1のエッジ強度算出部によって算出されたエッジ強度に基づいて、ローパスフィルタのフィルタ強度を画素毎に設定する。これにより、ローパスフィルタのフィルタ強度を、各画素のエッジ強度に応じて画素毎に適応的に切り替えることができる。例えば、画像の平坦部分に属する画素に関しては比較的高いフィルタ強度を設定することにより、ノイズを効果的に除去することができ、また、画像のエッジ部分に属する画素に関しては比較的低いフィルタ強度を設定することにより、エッジが平滑化されることを回避できる。従って、ノイズ除去処理部によってノイズが効果的に除去された画像に対して、エッジ強調処理部によってエッジ強調処理を行うことにより、エッジ強調処理の際にノイズが強調されることを回避できる。その結果、ノイズの抑制とエッジの強調とを効果的に両立することが可能となる。
また、第6の態様に係る画像処理装置によれば、第2のエッジ検出部は、画像内のエッジを検出し、第2のエッジ強度算出部は、第2のエッジ検出部による検出結果に基づいて、画像内の各画素のエッジ強度を算出する。そして、強調強度設定部は、第2のエッジ強度算出部によって算出されたエッジ強度に基づいて、エッジ強調フィルタのエッジ強調強度を画素毎に設定する。これにより、エッジ強調フィルタの強調強度を、各画素のエッジ強度に応じて画素毎に適応的に切り替えることができる。例えば、画像の平坦部分に属する画素に関しては比較的低い強調強度を設定することにより、残存ノイズが強調されることを回避でき、また、画像のエッジ部分に属する画素に関しては比較的高い強調強度を設定することにより、エッジを強調することができる。その結果、ノイズが強調されることを回避しつつエッジを強調できるため、ノイズの抑制とエッジの強調とを効果的に両立することが可能となる。
また、第
6の態様に係る画像処理装置によれば、変動量算出部は、時系列で連続する複数の画像に基づいて、画像の変動量を算出する。また、強調強度設定部は、第2のエッジ強度算出部によって算出されたエッジ強度と、変動量算出部によって算出された変動量とに基づいて、エッジ強調フィルタのエッジ強調強度を画素毎に設定する。これにより、エッジ強調フィルタの強調強度を、各画素のエッジ強度と画像の変動量とに応じて画素毎に適応的に切り替えることが可能となる。
【0021】
本発明の第
7の態様に係る画像処理装置は、第
6の態様に係る画像処理装置において特に、前記強調強度設定部は、エッジ強度が第1のしきい値未満であり画像の平坦部分に属する画素に関しては、第1の強調強度を設定し、エッジ強度が第1のしきい値以上であり画像のエッジ部分に属する画素に関しては、第1の強調強度よりも高い第2の強調強度を設定することを特徴とするものである。
【0022】
第
7の態様に係る画像処理装置によれば、画像の平坦部分に属する画素に関しては、比較的低い第1の強調強度を設定することにより、平坦部分のノイズが強調されることを回避できる。また、画像のエッジ部分に属する画素に関しては、比較的高い第2の強調強度を設定することにより、エッジを強調することができる。その結果、エッジ強調処理において、ノイズが強調されることを回避しつつ、エッジを強調することが可能となる。
【0023】
本発明の第
8の態様に係る画像処理装置は、第
7の態様に係る画像処理装置において特に、前記強調強度設定部は、エッジ部分に近接する平坦部分に属する画素に関しては、エッジ強度が高いほど強調強度が高くなるように、エッジ強度に応じて第1の強調強度を設定することを特徴とするものである。
【0024】
第
8の態様に係る画像処理装置によれば、強調強度設定部は、エッジ部分に近接する平坦部分に属する画素に関しては、エッジ強度が高いほど強調強度が高くなるように、エッジ強度に応じて第1の強調強度を設定する。このように、エッジ部分と平坦部分との境界部分に関してはエッジ強度に応じて第1の強調強度を細かく制御することにより、平坦部分全体に均一な強調強度を設定する場合と比較して、エッジ強調フィルタの強調強度を滑らかに切り替えることができる。その結果、エッジ部分と平坦部分との境界部分において画像が不自然になることを回避することが可能となる。
【0025】
本発明の第
9の態様に係る画像処理装置は、第
7又は第
8の態様に係る画像処理装置において特に、前記強調強度設定部は、画像の変動量が所定値未満である画像に関しては、エッジ部分に属する画素に関して第2の強調強度を設定し、画像の変動量が所定値以上である画像に関しては、エッジ部分に属する画素に関して、第2の強調強度よりも高い第3の強調強度を設定することを特徴とするものである。
【0026】
第
9の態様に係る画像処理装置によれば、エッジ部分に属する画素に強調強度を設定するにあたり、画像の変動量が所定値以上である画像(動きの大きい画像)に関しては、画像の変動量が所定値未満である画像(動きの小さい画像)よりも高い強調強度を設定することにより、動きに伴うエッジの不鮮明化を回避することが可能となる。
【0027】
本発明の第
10の態様に係る画像処理装置は、第
7〜第
9のいずれか一つの態様に係る画像処理装置において特に、前記強調強度設定部は、エッジ強度が第2のしきい値以上であり画像の特異部分に属する画素に関しては、第2の強調強度よりも高い第4の強調強度を設定することを特徴とするものである。
【0028】
第
10の態様に係る画像処理装置によれば、光源の反射部分等の画像の特異部分に属する画素に関しては、第2の強調強度よりも高い第4の強調強度を設定することにより、特異部分を強調することができる。その結果、特異部分を鮮明化することが可能となる。
【0029】
本発明の第
11の態様に係る画像処理装置は、第
10の態様に係る画像処理装置において特に、前記強調強度設定部は、画像の変動量が所定値未満である画像に関しては、特異部分に属する画素に関して第4の強調強度を設定し、画像の変動量が所定値以上である画像に関しては、特異部分に属する画素に関して、第4の強調強度よりも高い第5の強調強度を設定することを特徴とするものである。
【0030】
第
11の態様に係る画像処理装置によれば、特異部分に属する画素に強調強度を設定するにあたり、画像の変動量が所定値以上である画像(動きの大きい画像)に関しては、画像の変動量が所定値未満である画像(動きの小さい画像)よりも高い強調強度を設定することにより、動きに伴う特異部分の不鮮明化を回避することが可能となる。
【0031】
本発明の第
12の態様に係る画像処理装置は、第
6〜第
11のいずれか一つの態様に係る画像処理装置において特に、前記ノイズ除去処理部は、前記第1のエッジ検出部による検出結果に基づいて、エッジの画面周波数を解析する周波数解析部をさらに有し、前記エッジ強調処理部は、前記エッジ強調フィルタの前段に接続されたハイパスフィルタと、前記周波数解析部による解析結果に基づいて、前記ハイパスフィルタのフィルタ強度を画像毎に設定する第2のフィルタ強度設定部と、をさらに有することを特徴とするものである。
【0032】
第
12の態様に係る画像処理装置によれば、エッジ強調フィルタの前段にハイパスフィルタを接続することにより、低周波のノイズがエッジ強調フィルタによって強調されることを回避できる。また、第2のフィルタ強度設定部は、エッジの画面周波数に基づいて、ハイパスフィルタのフィルタ強度を画像毎に設定する。これにより、ハイパスフィルタのフィルタ強度を、エッジの画面周波数に応じて画像毎に適応的に切り替えることが可能となる。
【0033】
本発明の第
13の態様に係る画像処理装置は、第
12の態様に係る画像処理装置において特に、前記第2のフィルタ強度設定部は、エッジの画面周波数が比較的低い周波数領域に集中する画像に関しては、カットオフ周波数が比較的低くなるようにフィルタ強度を設定し、エッジの画面周波数が比較的高い周波数領域に集中する画像に関しては、カットオフ周波数が比較的高くなるようにフィルタ強度を設定することを特徴とするものである。
【0034】
第
13の態様に係る画像処理装置によれば、エッジの画面周波数が比較的低い周波数領域に集中する画像(低周波のエッジを多く含む画像)に関しては、カットオフ周波数が比較的低くなるようにフィルタ強度を設定することにより、低周波のエッジはハイパスフィルタを通過するため、低周波のエッジをエッジ強調フィルタによって強調することができる。また、エッジの画面周波数が比較的高い周波数領域に集中する画像(中〜高周波のエッジを多く含む画像)に関しては、カットオフ周波数が比較的高くなるようにフィルタ強度を設定することにより、低周波のノイズはハイパスフィルタによって遮断されるため、低周波のノイズがエッジ強調フィルタによって強調されることを回避できる。また、中〜高周波のエッジはハイパスフィルタを通過するため、中〜高周波のエッジをエッジ強調フィルタによって強調することができる。
【0035】
本発明の第
14の態様に係る画像処理装置は、第1〜第
13のいずれか一つの態様に係る画像処理装置において特に、前記ノイズ除去処理部は、色データで構成される画像を処理し、前記エッジ強調処理部は、輝度データ及び色差データで構成される画像を処理することを特徴とするものである。
【0036】
第
14の態様に係る画像処理装置によれば、ノイズ除去処理部は、色データで構成される画像(例えばBayer領域の画像)を処理し、エッジ強調処理部は、輝度データ及び色差データで構成される画像(例えばYUV領域の画像)を処理する。このように、ノイズ除去処理を、色空間変換前のBayer領域の画像に対して実行することにより、早期の段階で効果的にノイズを除去でき、その結果、色空間変換時にノイズが拡散することを防止することが可能となる。
【0037】
本発明の第
15の態様に係る画像処理方法は、(A)画像内のノイズを除去するステップと、(B)前記ステップ(A)よりも後に実行され、画像内のエッジを強調するステップと、を備え、前記ステップ(A)は、(A−1)ローパスフィルタによって画像内のノイズを除去するステップと、(A−2)画像内のエッジを検出するステップと、(A−3)前記ステップ(A−2)による検出結果に基づいて、画像内の各画素のエッジ強度を算出するステップと、(A−4)前記ステップ(A−3)によって算出されたエッジ強度に基づいて、前記ローパスフィルタのフィルタ強度を画素毎に設定するステップと、を有し、前記ステップ(B)は、(B−1)エッジ強調フィルタによって画像内のエッジを強調するステップと、(B−2)画像内のエッジを検出するステップと、(B−3)前記ステップ(B−2)による検出結果に基づいて、画像内の各画素のエッジ強度を算出するステップと、(B−4)前記ステップ(B−3)によって算出されたエッジ強度に基づいて、前記エッジ強調フィルタのエッジ強調強度を画素毎に設定するステップと、を有し、
前記ステップ(A−4)においては、エッジ強度が第1のしきい値未満であり画像の平坦部分に属する画素に関しては、第1のフィルタ強度を設定し、エッジ強度が第1のしきい値以上であり画像のエッジ部分に属する画素に関しては、第1のフィルタ強度よりも低い第2のフィルタ強度を設定することを特徴とするものである。
【0038】
第
15の態様に係る画像処理方法によれば、ステップ(A−2)では、画像内のエッジが検出され、ステップ(A−3)では、ステップ(A−2)による検出結果に基づいて、画像内の各画素のエッジ強度が算出される。そして、ステップ(A−4)では、ステップ(A−3)によって算出されたエッジ強度に基づいて、ローパスフィルタのフィルタ強度が画素毎に設定される。これにより、ローパスフィルタのフィルタ強度を、各画素のエッジ強度に応じて画素毎に適応的に切り替えることができる。例えば、画像の平坦部分に属する画素に関しては比較的高いフィルタ強度を設定することにより、ノイズを効果的に除去することができ、また、画像のエッジ部分に属する画素に関しては比較的低いフィルタ強度を設定することにより、エッジが平滑化されることを回避できる。従って、ステップ(A)によってノイズが効果的に除去された画像に対して、ステップ(B)によってエッジ強調処理を行うことにより、エッジ強調処理の際にノイズが強調されることを回避できる。その結果、ノイズの抑制とエッジの強調とを効果的に両立することが可能となる。
【0039】
また、第
15の態様に係る画像処理方法によれば、ステップ(B−2)では、画像内のエッジが検出され、ステップ(B−3)では、ステップ(B−2)による検出結果に基づいて、画像内の各画素のエッジ強度が算出される。そして、ステップ(B−4)では、ステップ(B−3)によって算出されたエッジ強度に基づいて、エッジ強調フィルタのエッジ強調強度が画素毎に設定される。これにより、エッジ強調フィルタの強調強度を、各画素のエッジ強度に応じて画素毎に適応的に切り替えることができる。例えば、画像の平坦部分に属する画素に関しては比較的低い強調強度を設定することにより、残存ノイズが強調されることを回避でき、また、画像のエッジ部分に属する画素に関しては比較的高い強調強度を設定することにより、エッジを強調することができる。その結果、ノイズが強調されることを回避しつつエッジを強調できるため、ノイズの抑制とエッジの強調とを効果的に両立することが可能となる。
また、第15の態様に係る画像処理方法によれば、画像の平坦部分に属する画素に関しては、比較的高い第1のフィルタ強度を設定することにより、平坦部分のノイズを効果的に除去することができる。また、画像のエッジ部分に属する画素に関しては、比較的低い第2のフィルタ強度を設定することにより、エッジが平滑化されることを回避できる。その結果、ノイズ除去処理において、エッジが平滑化されることを回避しつつ、平坦部分のノイズを効果的に除去することが可能となる。
本発明の第16の態様に係る画像処理方法は、(A)画像内のノイズを除去するステップと、(B)前記ステップ(A)よりも後に実行され、画像内のエッジを強調するステップと、を備え、前記ステップ(A)は、(A−1)ローパスフィルタによって画像内のノイズを除去するステップと、(A−2)画像内のエッジを検出するステップと、(A−3)前記ステップ(A−2)による検出結果に基づいて、画像内の各画素のエッジ強度を算出するステップと、(A−4)前記ステップ(A−3)によって算出されたエッジ強度に基づいて、前記ローパスフィルタのフィルタ強度を画素毎に設定するステップと、を有し、前記ステップ(B)は、(B−1)エッジ強調フィルタによって画像内のエッジを強調するステップと、(B−2)画像内のエッジを検出するステップと、(B−3)前記ステップ(B−2)による検出結果に基づいて、画像内の各画素のエッジ強度を算出するステップと、(B−4)前記ステップ(B−3)によって算出されたエッジ強度に基づいて、前記エッジ強調フィルタのエッジ強調強度を画素毎に設定するステップと、を有し、前記ステップ(A)は、(A−5)前記ステップ(A−2)による検出結果に基づいて、エッジの画面周波数を解析するステップと、(A−6)前記ステップ(A−5)による解析結果に基づいて、前記ローパスフィルタのフィルタ強度の許容設定範囲を画像毎に設定するステップと、をさらに有し、前記ステップ(A−4)においては、前記ステップ(A−3)によって算出されたエッジ強度に基づいて、前記ローパスフィルタのフィルタ強度を、前記ステップ(A−6)によって設定された許容設定範囲内で画素毎に設定することを特徴とするものである。
第16の態様に係る画像処理方法によれば、ステップ(A−2)では、画像内のエッジが検出され、ステップ(A−3)では、ステップ(A−2)による検出結果に基づいて、画像内の各画素のエッジ強度が算出される。そして、ステップ(A−4)では、ステップ(A−3)によって算出されたエッジ強度に基づいて、ローパスフィルタのフィルタ強度が画素毎に設定される。これにより、ローパスフィルタのフィルタ強度を、各画素のエッジ強度に応じて画素毎に適応的に切り替えることができる。例えば、画像の平坦部分に属する画素に関しては比較的高いフィルタ強度を設定することにより、ノイズを効果的に除去することができ、また、画像のエッジ部分に属する画素に関しては比較的低いフィルタ強度を設定することにより、エッジが平滑化されることを回避できる。従って、ステップ(A)によってノイズが効果的に除去された画像に対して、ステップ(B)によってエッジ強調処理を行うことにより、エッジ強調処理の際にノイズが強調されることを回避できる。その結果、ノイズの抑制とエッジの強調とを効果的に両立することが可能となる。
また、第16の態様に係る画像処理方法によれば、ステップ(B−2)では、画像内のエッジが検出され、ステップ(B−3)では、ステップ(B−2)による検出結果に基づいて、画像内の各画素のエッジ強度が算出される。そして、ステップ(B−4)では、ステップ(B−3)によって算出されたエッジ強度に基づいて、エッジ強調フィルタのエッジ強調強度が画素毎に設定される。これにより、エッジ強調フィルタの強調強度を、各画素のエッジ強度に応じて画素毎に適応的に切り替えることができる。例えば、画像の平坦部分に属する画素に関しては比較的低い強調強度を設定することにより、残存ノイズが強調されることを回避でき、また、画像のエッジ部分に属する画素に関しては比較的高い強調強度を設定することにより、エッジを強調することができる。その結果、ノイズが強調されることを回避しつつエッジを強調できるため、ノイズの抑制とエッジの強調とを効果的に両立することが可能となる。
また、第16の態様に係る画像処理方法によれば、ステップ(A−5)では、ステップ(A−2)による検出結果に基づいて、エッジの画面周波数が解析され、ステップ(A−6)では、ステップ(A−5)による解析結果に基づいて、ローパスフィルタのフィルタ強度の許容設定範囲が画像毎に設定される。そして、ステップ(A−4)においては、ステップ(A−3)によって算出されたエッジ強度に基づいて、ローパスフィルタのフィルタ強度が、ステップ(A−6)によって設定された許容設定範囲内で画素毎に設定される。これにより、ローパスフィルタのフィルタ強度の許容設定範囲を、エッジの画面周波数に応じて画像毎に適応的に切り替えることが可能となる。
本発明の第17の態様に係る画像処理方法は、(A)画像内のノイズを除去するステップと、(B)前記ステップ(A)よりも後に実行され、画像内のエッジを強調するステップと、を備え、前記ステップ(A)は、(A−1)ローパスフィルタによって画像内のノイズを除去するステップと、(A−2)画像内のエッジを検出するステップと、(A−3)前記ステップ(A−2)による検出結果に基づいて、画像内の各画素のエッジ強度を算出するステップと、(A−4)前記ステップ(A−3)によって算出されたエッジ強度に基づいて、前記ローパスフィルタのフィルタ強度を画素毎に設定するステップと、を有し、前記ステップ(B)は、(B−1)エッジ強調フィルタによって画像内のエッジを強調するステップと、(B−2)画像内のエッジを検出するステップと、(B−3)前記ステップ(B−2)による検出結果に基づいて、画像内の各画素のエッジ強度を算出するステップと、(B−4)前記ステップ(B−3)によって算出されたエッジ強度に基づいて、前記エッジ強調フィルタのエッジ強調強度を画素毎に設定するステップと、を有し、前記ステップ(B)は、(B−5)時系列で連続する複数の画像に基づいて、画像の変動量を算出するステップをさらに有し、前記ステップ(B−4)においては、前記ステップ(B−3)によって算出されたエッジ強度と、前記ステップ(B−5)によって算出された変動量とに基づいて、前記エッジ強調フィルタのエッジ強調強度を画素毎に設定することを特徴とするものである。
第17の態様に係る画像処理方法によれば、ステップ(A−2)では、画像内のエッジが検出され、ステップ(A−3)では、ステップ(A−2)による検出結果に基づいて、画像内の各画素のエッジ強度が算出される。そして、ステップ(A−4)では、ステップ(A−3)によって算出されたエッジ強度に基づいて、ローパスフィルタのフィルタ強度が画素毎に設定される。これにより、ローパスフィルタのフィルタ強度を、各画素のエッジ強度に応じて画素毎に適応的に切り替えることができる。例えば、画像の平坦部分に属する画素に関しては比較的高いフィルタ強度を設定することにより、ノイズを効果的に除去することができ、また、画像のエッジ部分に属する画素に関しては比較的低いフィルタ強度を設定することにより、エッジが平滑化されることを回避できる。従って、ステップ(A)によってノイズが効果的に除去された画像に対して、ステップ(B)によってエッジ強調処理を行うことにより、エッジ強調処理の際にノイズが強調されることを回避できる。その結果、ノイズの抑制とエッジの強調とを効果的に両立することが可能となる。
また、第17の態様に係る画像処理方法によれば、ステップ(B−2)では、画像内のエッジが検出され、ステップ(B−3)では、ステップ(B−2)による検出結果に基づいて、画像内の各画素のエッジ強度が算出される。そして、ステップ(B−4)では、ステップ(B−3)によって算出されたエッジ強度に基づいて、エッジ強調フィルタのエッジ強調強度が画素毎に設定される。これにより、エッジ強調フィルタの強調強度を、各画素のエッジ強度に応じて画素毎に適応的に切り替えることができる。例えば、画像の平坦部分に属する画素に関しては比較的低い強調強度を設定することにより、残存ノイズが強調されることを回避でき、また、画像のエッジ部分に属する画素に関しては比較的高い強調強度を設定することにより、エッジを強調することができる。その結果、ノイズが強調されることを回避しつつエッジを強調できるため、ノイズの抑制とエッジの強調とを効果的に両立することが可能となる。
また、第17の態様に係る画像処理方法によれば、ステップ(B−5)では、時系列で連続する複数の画像に基づいて、画像の変動量が算出される。また、ステップ(B−4)においては、ステップ(B−3)によって算出されたエッジ強度と、ステップ(B−5)によって算出された変動量とに基づいて、エッジ強調フィルタのエッジ強調強度が画素毎に設定される。これにより、エッジ強調フィルタの強調強度を、各画素のエッジ強度と画像の変動量とに応じて画素毎に適応的に切り替えることが可能となる。