特許第6467206号(P6467206)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6467206
(24)【登録日】2019年1月18日
(45)【発行日】2019年2月6日
(54)【発明の名称】光源ユニット
(51)【国際特許分類】
   F21S 45/47 20180101AFI20190128BHJP
   F21S 41/141 20180101ALI20190128BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20190128BHJP
   F21V 29/76 20150101ALI20190128BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20190128BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20190128BHJP
【FI】
   F21S45/47
   F21S41/141
   F21V29/503
   F21V29/76
   F21V19/00 110
   F21V19/00 150
   F21Y115:10
【請求項の数】5
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-243036(P2014-243036)
(22)【出願日】2014年12月1日
(65)【公開番号】特開2015-164121(P2015-164121A)
(43)【公開日】2015年9月10日
【審査請求日】2017年11月13日
(31)【優先権主張番号】特願2014-13132(P2014-13132)
(32)【優先日】2014年1月28日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】生田 龍治郎
(72)【発明者】
【氏名】大坪 高之
(72)【発明者】
【氏名】小澤 篤
(72)【発明者】
【氏名】芹田 卓也
【審査官】 杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−129308(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0301290(US,A1)
【文献】 特開2010−212687(JP,A)
【文献】 特開2013−089718(JP,A)
【文献】 特開2012−038698(JP,A)
【文献】 特開2013−243092(JP,A)
【文献】 特開2013−197020(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 45/47
F21S 41/141
F21V 19/00
F21V 29/503
F21V 29/76
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一熱伝導率を有し、第一の側と第二の側を区画しているソケットと、
前記第一熱伝導率より高い第二熱伝導率を有している放熱部材と、
前記第一の側に配置されている基板と、
前記基板に支持されている半導体発光素子と、
を備えており、
前記ソケットは、射出成型品であり、
前記放熱部材は、
前記第一の側に配置されて第一方向に延び、前記基板を支持している第一部分と、
折り曲げ加工されることにより、前記第一方向と交差する第二方向に延びる部分を有している第二部分と、
を有しており、
前記第二部分の一部は、前記第二の側に配置されており
前記ソケットは、前記第二の側に配列された複数の放熱フィンを備えており、
前記第二部分は、前記ソケットにおける前記複数の放熱フィンが配列された領域の外側に配置されている、光源ユニット。
【請求項2】
前記半導体発光素子と電気的に接続された導電端子を備えており、
前記ソケットは、前記導電端子の先端を収容するコネクタ部を有しており、
前記コネクタ部は、前記第二の側に配置された開口部を有しており、
前記第二部分の先端は、前記第一部分と交差する方向について、前記導電端子の先端より前記第一部分から離れている、
請求項1に記載の光源ユニット。
【請求項3】
前記放熱部材の少なくとも一部は、前記ソケットと一体成型されている、
請求項1または2に記載の光源ユニット。
【請求項4】
前記ソケットには前記第一の側に開口する穴が形成されており、
前記第二部分が前記穴に挿入されることにより、前記放熱部材と前記ソケットが一体化されている、
請求項1または2に記載の光源ユニット。
【請求項5】
前記穴は貫通穴であり、
前記放熱部材と前記貫通穴の内壁の間に配置された封止部材を備えている、
請求項に記載の光源ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載される照明装置に装着される光源ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の光源ユニットは、例えば特許文献1に開示されている。当該光源ユニットにおいては、半導体発光素子が光源として用いられている。発光に伴う熱を放散するために、半導体発光素子を支持する基板は、放熱部材上に固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−119243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、車両に搭載される照明装置に装着される光源ユニットの小型化や軽量化の要求に応えつつ、充分な放熱性を確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明がとりうる一態様は、光源ユニットであって、
第一熱伝導率を有し、第一の側と第二の側を区画しているソケットと、
前記第一熱伝導率より高い第二熱伝導率を有している放熱部材と、
前記第一の側に配置されている基板と、
前記基板に支持されている半導体発光素子と、
を備えており、
前記ソケットは、射出成型品であり、
前記放熱部材は、
前記第一の側に配置されて第一方向に延び、前記基板を支持している第一部分と、
折り曲げ加工されることにより、前記第一方向と交差する第二方向に延びる部分を有している第二部分と、
を有しており、
前記第二部分の一部は、前記第二の側に配置されている。
【0006】
半導体発光素子は、発光に伴い多くの熱を発する。この熱を効率よく放散するためには、ソケットを金属で形成することが好ましい。他方、成型容易性、軽量化、コスト抑制などの観点から、ソケットを射出成型可能な樹脂材料などで形成したいというニーズがある。しかしながら、そのような材料は、金属より熱伝導性に劣るのが一般的である。発明者らは、第一熱伝導率を有する射出成型品であるソケットと、第一熱伝導率より高い第二熱伝導率を有する材料からなる放熱部材を組み合わせることにより、成型容易性、軽量化、コスト抑制などのニーズを満たしつつ、放熱性を向上できるとの着想を得た。
【0007】
具体的には、第二部分が第一部分の延びる方向と交差する方向に延びる部分を有するように、放熱部材が形成される。第一部分は、ソケットにより区画される光源ユニットの第一の側に配置され、半導体発光素子が支持された基板を支持する。第二部分の一部は、ソケットにより区画される光源ユニットの第二の側に配置される。半導体発光素子から発生した熱は、第一部分を経由して第二部分へ導かれ、光源ユニットの第二の側において効率よく放散される。
【0008】
また、発明者らは、板材を折り曲げ加工して放熱部材を形成すれば、放熱部材が切削加工などによりブロック状を呈するように形成される場合と比較して、より小さい体積でより大きな表面積を確保できることを見出した。すなわち、放熱部材の第二部分は、折り曲げ加工されることにより、第一部分の延びる方向と交差する方向に延びる部分を有するように形成される。これにより、放熱部材の軽量化と放熱性確保を両立できる。放熱部材の存在によりソケットの体積を大きくする必要性が低下するため、光源ユニット全体の軽量化および小型化も可能である。したがって、車両に搭載される照明装置に装着される光源ユニットの小型化や軽量化の要求に応えつつ、充分な放熱性を確保できる。
【0009】
上記の光源ユニットは、以下のように構成されうる。
前記半導体発光素子と電気的に接続された導電端子を備えており、
前記ソケットは、前記導電端子の先端を収容するコネクタ部を有しており、
前記コネクタ部は、前記第二の側に配置された開口部を有しており、
前記第二部分の先端は、前記第二方向について、前記導電端子の先端より前記第一部分から離れている。
【0010】
ソケットは射出成型品であるため、比較的複雑な形状を有するコネクタ部を容易に一体成型できる。このような構成によれば、半導体発光素子への給電経路は、ソケットの内部に配置される。しかしながら、放熱部材は折り曲げ加工により形成されているため、放熱性を確保しつつも小型化が可能である。これにより生じたスペースを利用して半導体発光素子への給電経路が配置されうる。したがって、半導体発光素子への給電経路がソケットの内部に配置されながらも、ソケットの大型化、ひいては光源ユニットの大型化を抑制できる。
【0011】
放熱部材の放熱性をより高めるためには、光源ユニットの第二の側に配置される第二部分の一部の表面積を大きくすることが好ましい。上記の構成によれば、このような要求に応えることが容易である。したがって、車両に搭載される照明装置に装着される光源ユニットの小型化や軽量化の要求に応えつつ、充分な放熱性をより容易に確保できる。
【0012】
上記の光源ユニットは、以下のように構成されうる。
前記ソケットは、前記第二の側に配列された複数の放熱フィンを備えており、
前記第二部分の一部は、前記ソケットにおける前記複数の放熱フィンが配列された領域の外側に配置されている。
【0013】
ソケットは射出成型品であるため、比較的複雑な形状を有する複数の放熱フィンを容易に一体成型できる。これにより、光源ユニットの放熱性をさらに向上できる。また、放熱部材を金属などで形成した場合、当該放熱部材は、表面積を大きくするために薄く射出成型される各放熱フィンよりも高い剛性を有する。ソケットにおける複数の放熱フィンが配列された領域の外側に第二部分の一部が配置されることにより、剛性が相対的に低い放熱フィンを外力から保護できる。したがって、車両に搭載される照明装置に装着される光源ユニットの小型化や軽量化の要求に応えつつ、充分な放熱性をより容易に確保できる。
【0014】
上記の光源ユニットは、以下のように構成されうる。
前記放熱部材の少なくとも一部は、前記ソケットと一体成型されている。
【0015】
この場合、ソケットに形成した穴に放熱部材の第二部分を挿入することによりソケットと放熱部材を一体化する場合と比較して、ソケットの成型金型を簡略化できる。また、ソケットと放熱部材が密着した状態で固定されるため、放熱部材の放熱性を向上できるだけでなく、ソケットと放熱部材の結合部を通じた水分や埃の侵入を防止できる。さらに、第二部分を穴に挿入する工程が不要であるため、第二部分のうちソケットの内部に配置される部分の形状について選択自由度が高まる。例えば、ソケットの内部で複数の折り曲げ部を有するように第二部分を形成すれば、ソケットの大型化を伴うことなく、放熱性をさらに向上できる。したがって、車両に搭載される照明装置に装着される光源ユニットの小型化や軽量化の要求に応えつつ、充分な放熱性をより容易に確保できるだけでなく、半導体発光素子を水分や埃から保護できる。
【0016】
あるいは、上記の光源ユニットは以下のように構成されうる。
前記ソケットには前記第一の側に開口する穴が形成されており、
前記第二部分が前記穴に挿入されることにより、前記放熱部材と前記ソケットが一体化されている。
【0017】
この場合、小型化や軽量化の要求に応えつつ、充分な放熱性を確保可能な光源ユニットを提供するにあたって、組立作業性を向上できる。
【0018】
この場合、上記の光源ユニットは、以下のように構成されうる。
前記穴は貫通穴であり、
前記放熱部材と前記貫通穴の内壁の間に配置された封止部材を備えている。
【0019】
このような構成によれば、第二部分を貫通穴に挿入することによりソケットと放熱部材を一体化する場合においても、第二部分と貫通穴の間に生じる僅かな隙間から、水分や埃が侵入することを防止できる。したがって、小型化や軽量化の要求に応えつつ、充分な放熱性を確保可能な光源ユニットを提供するにあたって、組立作業性を向上できるだけでなく、半導体発光素子を水分や埃から保護できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】第一実施形態に係る光源ユニットの外観を示す図である。
図2】上記光源ユニットの構成を示す断面図である。
図3】上記光源ユニットの構成を示す分解斜視図である。
図4】上記光源ユニットの第一変形例を示す図である。
図5】上記光源ユニットの第二変形例を示す図である。
図6】上記光源ユニットが照明装置に装着された状態を示す断面図である。
図7】上記光源ユニットの変形例を示す図である。
図8】第二実施形態に係る光源ユニットの外観を示す図である。
図9】第二実施形態に係る光源ユニットの構成を説明する断面図である。
図10】第三実施形態に係る光源ユニットの外観を示す図である。
図11】第三実施形態に係る光源ユニットの構成を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
添付の図面を参照しつつ、本発明の実施形態例について以下詳細に説明する。なお以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために縮尺を適宜変更している。また「前後」「左右」「上下」という表現は、説明の便宜のために用いるものであり、実際の使用状態における姿勢や方向を限定するものではない。
【0022】
図1の(a)は、第一実施形態に係る光源ユニット1の外観を示す平面図である。図1の(b)は、光源ユニット1の外観を示す底面図である。図2の(a)は、図1の(a)における線IIA−IIAに沿って矢印方向を見た断面を示している。図2の(b)は、図1の(a)における線IIB−IIBに沿って矢印方向を見た断面を示している。
【0023】
光源ユニット1は、ソケット10を備えている。ソケット10は、第一面11と第二面12を有している。第一面11と第二面12は、互いに反対側を向いている。ソケット10は、光源ユニット1の第一の側と第二の側を区画する部品である。第一の側とは、第一面11が位置する側である。第二の側とは、第二面12が位置する側である。
【0024】
光源ユニット1は、放熱部材20を備えている。放熱部材20を形成している材料の熱伝導率は、ソケット10を形成している材料の熱伝導率より高い。すなわち、ソケット10は、第一熱伝導率を有しており、放熱部材20は、第一熱伝導率より高い第二熱伝導率を有している。ソケット10は、樹脂材料からなる射出成型品である。当該樹脂材料にガラスフィラーや金属粉が混合されていてもよい。放熱部材20を形成している材料の例としては、アルミニウムなどの金属が挙げられる。
【0025】
放熱部材20は、基板支持部21(第一部分の一例)を備えている。基板支持部21は、ソケット10の第一面11上に配置されている。すなわち、基板支持部21は、光源ユニット1の第一の側に配置されている。基板支持部21は、ソケット10の第一面11と平行に(第一方向の一例)延びている。
【0026】
放熱部材20は、第一放熱板22(第二部分の一例)と第二放熱板23(第二部分の一例)を備えている。第一放熱板22と第二放熱板23は、折り曲げ加工されることにより基板支持部21の延びる方向と交差する方向(第二方向の一例)に延びる部分を有している。第一放熱板22は、第一突出部22a(第二部分の一部の一例)を有している。第一突出部22aは、ソケット10の第二面12より突出している。すなわち、第一突出部22aは、光源ユニット1の第二の側に配置されている。第二放熱板23は、第二突出部23a(第二部分の一部の一例)を有している。第二突出部23aは、ソケット10の第二面12より突出している。すなわち、第二突出部23aは、光源ユニット1の第二の側に配置されている。
【0027】
光源ユニット1は、基板30を備えている。基板30は、放熱部材20の基板支持部21に支持されている。すなわち、基板30は、光源ユニット1の第一の側に配置されている。
【0028】
光源ユニット1は、半導体発光素子40を備えている。半導体発光素子40は、光源ユニット1の光源として用いられる。半導体発光素子は、例えば、所定の色の光を発光する発光ダイオード(LED)である。LEDに代えて、レーザダイオードや有機EL素子を用いてもよい。半導体発光素子40は、基板30に支持されている。すなわち、半導体発光素子40は、光源ユニット1の第一の側に配置されている。
【0029】
半導体発光素子40は、発光に伴い多くの熱を発する。この熱を効率よく放散するためには、ソケット10を金属で形成することが好ましい。他方、成型容易性、軽量化、コスト抑制などの観点から、ソケット10を射出成型可能な樹脂材料などで形成したいというニーズがある。しかしながら、そのような材料は、金属より熱伝導性に劣るのが一般的である。発明者らは、第一熱伝導率を有する射出成型品であるソケット10と、第一熱伝導率より高い第二熱伝導率を有する材料からなる放熱部材20を組み合わせることにより、成型容易性、軽量化、コスト抑制などのニーズを満たしつつ、放熱性を向上できるとの着想を得た。
【0030】
具体的には、第一放熱板22と第二放熱板23が基板支持部21の延びる方向と交差する方向に延びる部分を有するように、放熱部材20が形成される。基板支持部21は、ソケット10により区画される光源ユニット1の第一の側に配置され、半導体発光素子40が支持された基板30を支持する。第一放熱板22の第一突出部22aと第二放熱板23の第二突出部23aは、ソケット10により区画される光源ユニット1の第二の側に配置される。半導体発光素子40から発生した熱は、基板支持部21を経由して第一放熱板22と第二放熱板23へ導かれ、光源ユニット1の第二の側において効率よく放散される。
【0031】
また、発明者らは、板材を折り曲げ加工して放熱部材20を形成すれば、放熱部材が切削加工などによりブロック状を呈するように形成される場合(図9の(b)に示す比較例も参照されたい)と比較して、より小さい体積でより大きな表面積を確保できることを見出した。すなわち、放熱部材20の第一放熱板22と第二放熱板23は、折り曲げ加工されることにより、基板支持部21の延びる方向と交差する方向に延びる部分を有するように形成される。これにより、放熱部材20の軽量化と放熱性確保を両立できる。放熱部材20の存在により、ソケット10の体積を大きくする必要性が低下するため、光源ユニット1全体の軽量化および小型化も可能である。したがって、車両に搭載される照明装置に装着される光源ユニット1の小型化や軽量化の要求に応えつつ、充分な放熱性を確保できる。
【0032】
図2の(a)に示すように、光源ユニット1は、第一導電端子51と第二導電端子52を備えている。第一導電端子51と第二導電端子52は、基板30に支持されている。第一導電端子51と第二導電端子52は、基板30に形成された図示しない回路配線を介して半導体発光素子40と電気的に接続されている。第一導電端子51は、例えば給電端子である。第二導電端子52は、例えば接地端子である。
【0033】
図1の(b)と図2の(a)に示すように、ソケット10は、コネクタ部13を備えている。コネクタ部13は、第一導電端子51の先端51aと第二導電端子52の先端52aを収容している。コネクタ部13は、開口部13aを有している。開口部13aは、ソケット10の第二面12に開口している。すなわち、開口部13aは、光源ユニット1の第二の側に配置されている。
【0034】
ソケット10は射出成型品であるため、比較的複雑な形状を有するコネクタ部13を容易に一体成型できる。このような構成によれば、半導体発光素子40への給電経路は、ソケット10の内部に配置される。しかしながら、放熱部材20は折り曲げ加工により形成されているため、放熱性を確保しつつも小型化が可能である。これにより生じたスペースを利用して半導体発光素子40への給電経路が配置されうる。したがって、半導体発光素子40への給電経路がソケット10の内部に配置されながらも、ソケット10の大型化、ひいては光源ユニット1の大型化を抑制できる。
【0035】
図2の(a)に示すように、第一放熱板22の先端22bと第二放熱板23の先端23bは、基板支持部21の延びる方向と交差する方向について、第一導電端子51の先端51aと第二導電端子52の先端52aより基板支持部21から離れている。
【0036】
放熱部材20の放熱性をより高めるためには、光源ユニット1の第二の側に配置される第一放熱板22の第一突出部22aと第二放熱板23の第二突出部23aの表面積を大きくすることが好ましい。上記の構成によれば、このような要求に応えることが容易である。したがって、車両に搭載される照明装置に装着される光源ユニット1の小型化や軽量化の要求に応えつつ、充分な放熱性をより容易に確保できる。
【0037】
次に、上記のような構成を有する光源ユニット1の組立て方法について説明する。図3は、光源ユニット1の構成を示す分解斜視図である。
【0038】
前述のように、ソケット10は、射出成型により形成される。ソケット10は、第一貫通穴14、第二貫通穴15、および第三貫通穴16を有している。第一貫通穴14、第二貫通穴15、および第三貫通穴16の各々は、第一面11と第二面12を連通するように延びている。ソケット10は、第一位置決め突起17と第二位置決め突起18を有している。第一位置決め突起17と第二位置決め突起18は、第一面11に設けられている。
【0039】
前述のように、放熱部材20は、第一放熱板22と第二放熱板23が基板支持部21の延びる方向と交差する方向に延びる部分を有するように、板材を折曲げ加工することにより形成される。基板支持部21は、凹部24、第一位置決め穴25、および第二位置決め穴26を有している。
【0040】
基板30は、第一位置決め穴31、第二位置決め穴32、第三位置決め穴33、および第四位置決め穴34を有している。
【0041】
第一導電端子51の上端部51bは、基板30の第一位置決め穴31に挿入される。図1の(a)と図2の(a)に示すように、第一導電部51cが、はんだ付けなどにより上端部51bに形成される。第一導電部51cは、基板30上に形成された図示しない回路配線を通じて半導体発光素子40と電気的に接続される。
【0042】
第二導電端子52の上端部52bは、基板30の第二位置決め穴32に挿入される。図1の(a)と図2の(a)に示すように、第二導電部52cが、はんだ付けなどにより上端部52bに形成される。第二導電部52cは、基板30上に形成された図示しない回路配線を通じて半導体発光素子40と電気的に接続される。
【0043】
ソケット10と放熱部材20の一体化は、第一放熱板22と第二放熱板23を、それぞれ第一貫通穴14と第二貫通穴15に挿入することにより行なわれる。
【0044】
この場合、小型化や軽量化の要求に応えつつ、充分な放熱性を確保可能な光源ユニット1を提供するにあたって、組立作業性を向上できる。
【0045】
このときソケット10の第一位置決め突起17と第二位置決め突起18が、放熱部材20の基板支持部21に形成された第一位置決め穴25と第二位置決め穴26に挿入される。これにより、基板支持部21に形成された凹部24がソケット10に形成された第三貫通穴16の上方に位置決めされる。
【0046】
次に、半導体発光素子40を支持する基板30が、放熱部材20と結合される。具体的には、ソケット10の第一位置決め突起17と第二位置決め突起18が、基板30に形成された第三位置決め穴33と第四位置決め穴34に挿入され、基板支持部21上に位置決めされる。このとき、基板30に支持された第一導電端子51と第二導電端子52は、基板支持部21に形成された凹部24を通過し、ソケット10に形成された第三貫通穴16内に侵入する。
【0047】
第一位置決め突起17と第二位置決め突起18の上端部に加締めなどを施すことにより、図1の(a)、図2の(a)、および図2の(b)に示すように、第一固定部17aと第二固定部18aが形成され、基板30が放熱部材20に対して固定される。基板30と基板支持部21の間に、放熱性接着剤などを適用してもよい。
【0048】
図4は、第一変形例に係る光源ユニット1Aを示している。光源ユニット1の場合と同一または同等の構成や機能を有する要素には同一の参照符号が付与されている。当該要素について繰り返しとなる説明は省略する。図4の(a)は、図2の(a)に対応する断面図である。図4の(b)は、光源ユニット1Aをソケット10の第二面12の側から見た外観を示している。
【0049】
光源ユニット1Aは、第一封止部材19aと第二封止部材19bを備えている。第一封止部材19aと第二封止部材19bは、ガスケット、Oリング、防水性接着剤などにより構成されうる。第一貫通穴14は、ソケット10の第二面12に開口する第一拡開部14aを有している。第二貫通穴15は、ソケット10の第二面12に開口する第二拡開部15aを有している。第一封止部材19aは、第一拡開部14aにおいて第一放熱板22を包囲している。すなわち、第一封止部材19aは、第一貫通穴14の内壁と第一放熱板22の間に配置されている。第二封止部材19bは、第二拡開部15aにおいて第二放熱板23を包囲している。すなわち、第二封止部材19bは、第二貫通穴15の内壁と第二放熱板23の間に配置されている。
【0050】
このような構成によれば、第一放熱板22と第二放熱板23をそれぞれ第一貫通穴14と第二貫通穴15に挿入することによりソケット10と放熱部材20を一体化する場合においても、第一放熱板22と第一貫通穴14の間、および第二放熱板23と第二貫通穴15の間に生じる僅かな隙間から、水分や埃が侵入することを防止できる。したがって、小型化や軽量化の要求に応えつつ、充分な放熱性を確保可能な光源ユニット1を提供するにあたって、組立作業性を向上できるだけでなく、半導体発光素子40を水分や埃から保護できる。
【0051】
ソケット10と放熱部材20を一体化する方法は、上記の例に限られない。例えば、ソケット10と放熱部材20は、インサート成形などにより一体成型が行なわれることにより一体化されてもよい。
【0052】
この場合、ソケット10に第一貫通穴14と第二貫通穴15を形成する必要がないため、ソケット10の成型金型を簡略化できる。また、ソケット10と放熱部材20が密着した状態で固定されるため、放熱部材20の放熱性を向上できるだけでなく、ソケット10と放熱部材20の結合部を通じた水分や埃の侵入を防止できる。さらに、第一放熱板22と第二放熱板23を穴に挿入する工程が不要であるため、第一放熱板22のうちソケット10の内部に配置される部分(基板支持部21から第一突出部22aに至る部分)と第二放熱板23のうちソケット10の内部に配置される部分(基板支持部21から第二突出部23aに至る部分)の形状について選択自由度が高まる。例えば、ソケット10の内部でさらなる折り曲げ部を有するように第一放熱板22と第二放熱板23を形成すれば、ソケット10の大型化を伴うことなく、放熱性をさらに向上できる。したがって、車両に搭載される照明装置に装着される光源ユニット1の小型化や軽量化の要求に応えつつ、充分な放熱性をより容易に確保できるだけでなく、半導体発光素子40を水分や埃から保護できる。
【0053】
ソケット10と放熱部材20を一体化するにあたり、放熱部材20の全体がソケットと一体成型される必要はない。一例として、図5は、第二変形例に係る光源ユニット1Bを示している。光源ユニット1の場合と同一または同等の構成や機能を有する要素には同一の参照符号が付与されている。当該要素について繰り返しとなる説明は省略する。
【0054】
光源ユニット1Bは、放熱部材20Bを備えている。放熱部材20Bは、別体である基板支持部21B、第一放熱板22B、および第二放熱板23Bを備えている。図5の(a)に示すように、基板支持部21Bは、板状の部材である。図5の(b)は、図2の(a)に対応する断面図である。
【0055】
図5の(b)に示すように、基板支持部21Bは、ソケット10の第一面11上に配置されている。すなわち、基板支持部21Bは、光源ユニット1Bの第一の側に配置されている。基板支持部21Bは、ソケット10の第一面11と平行に(第一方向の一例)延びている。
【0056】
第一放熱板22Bと第二放熱板23Bは、折り曲げ加工されることにより基板支持部21Bの延びる方向と交差する方向(第二方向の一例)に延びる部分を有している。第一放熱板22Bと第二放熱板23Bは、インサート成形などにより、ソケット10と一体成型されている。一体成型は、第一放熱板22Bと第二放熱板23Bの各上端部がソケット10の第一面11において露出するように行なわれる。基板支持部21Bは、第一放熱板22Bと第二放熱板23Bの各上端部に対し、溶着や接着により固定される。
【0057】
このような構成によっても、放熱部材20の全体がソケット10と一体成型される場合と同様の効果が得られる。
【0058】
図6は、車両に搭載される照明装置60に本実施形態に係る光源ユニット1が装着された状態を示す断面図である。照明装置60は、ハウジング61と透光カバー62を備えている。ハウジング61は、前方に開口している。透光カバー62は、当該開口を閉塞するようにハウジング61に装着される。ハウジング61と透光カバー62は、灯室63を区画している。
【0059】
照明装置60は、光学ユニット64を備えている。光学ユニット64は、灯室63内に配置されている。光学ユニット64は、レンズ64aとリフレクタ64bを備えている。
【0060】
照明装置60は、光源ユニット装着部65を備えている。光源ユニット装着部65は、例えばハウジング61の一部に形成されている。光源ユニット装着部65は、灯室63の内部と外部を連通する貫通穴65aを含んでいる。この場合、光源ユニット1は、光源ユニット装着部65に対してハウジング61の外部、すなわち灯室63の外部から装着される。この状態において、半導体発光素子40は、光学ユニット64のレンズ64aと対向する位置に配置される。
【0061】
このときコネクタ部13は、ハウジング61の外部、すなわち灯室63の外部に配置されている。第一導電端子51と第二導電端子52は、図示しない外部電源と電気的に接続された給電コネクタ70と接続可能とされている。給電コネクタ70をコネクタ部13に接続することにより、図示しない外部電源と半導体発光素子40が、第一導電端子51と第二導電端子52を介して電気的に接続される。
【0062】
外部電源より供給される電力により半導体発光素子40から出射された光は、レンズ64aおよびリフレクタ64bによって所定の配向制御を受け、透光カバー62を通じて照明装置60の前方を照明する。
【0063】
ここで光源ユニット1は、光源ユニット装着部65に対して着脱可能に装着される構成としてもよい。この場合、例えば図7の(a)に示すように、ソケット10の外周面に複数の突起10aが設けられる。他方、光源ユニット装着部65の貫通穴65aの一部には、複数の溝65bが形成される。各突起10aを対応する溝65bに挿入し、図7の(b)に示す矢印の方向に光源ユニット1をひねることにより、各突起10aはハウジング61の内面により係止される。これにより、光源ユニット1が貫通穴65aから脱落することを防止できる。
【0064】
上記の各突起10aと光源ユニット装着部65の係合は、解除可能とされている。半導体発光素子40に交換等の必要が生じた場合は、光源ユニット1を装着時とは逆方向にひねることにより、各突起10aが対応する溝65b内を移動可能となり、光源ユニット1を光源ユニット装着部65から引き抜き可能となる。その後、半導体発光素子40へのアクセスが可能となる。
【0065】
上記の例においては、一対の突起10aが光源ユニット1に形成され、一対の溝65bが光源ユニット装着部65に形成されている。しかしながら、溝が光源ユニット1に形成され、突起が光源ユニット装着部65に形成される構成としてもよい。また突起と溝の数は、適宜に定められうる。解除可能に両者が係合可能であれば、係合の形態は上記のバヨネット方式によるものに限られない。ランス係合やねじ止めなどの係合構造が適宜に採用されうる。
【0066】
上記の例においては、光源ユニット装着部65がハウジング61に設けられている。しかしながら、光源ユニット1が装着可能である限りにおいて、光源ユニット装着部65は、光学ユニット64の一部など、灯室63内の適宜の箇所に設けられていればよい。光源ユニット1の全体が灯室63の内部に配置される構成としてもよい。
【0067】
図6図7を参照して説明した構成は、図4を参照して説明した光源ユニット1Aおよび図5を参照して説明した光源ユニット1Bについても適用可能である。
【0068】
次に、図8図9を参照しつつ、第二実施形態に係る光源ユニット101について説明する。第一実施形態に係る光源ユニット1の場合と同一または同等の構成や機能を有する要素には同一の参照符号が付与されている。当該要素について繰り返しとなる説明は省略する。図8の(a)は、光源ユニット101の外観をソケット10の第一面11の側から見た斜視図である。図8の(b)は、光源ユニット101の外観をソケット10の第二面12の側から見た斜視図である。図9の(a)は、図8の(b)における線IXA−IXAを含んでソケット10の第一面11と第二面12に直交する平面に沿う断面を、矢印方向に見た構成を示している。
【0069】
ソケット10は、放熱板収容部10bを備えている。放熱板収容部10bは、ソケット10の第二面12から突出している。すなわち、放熱板収容部10bは、光源ユニット101の第二の側に配置されている。図9の(a)に示すように、放熱板収容部10bには有底穴10b1が形成されている。有底穴10b1は、ソケット10の第一面11に開口している。
【0070】
ソケット10は、複数の放熱フィン10cを備えている。複数の放熱フィン10cは、ソケット10の第二面12から突出するように配列されている。すなわち、複数の放熱フィン10cは、光源ユニット101の第二の側に配列されている。
【0071】
光源ユニット101は、放熱部材120を備えている。放熱部材120を形成している材料の熱伝導率は、ソケット10を形成している材料の熱伝導率より高い。すなわち、ソケット10は、第一熱伝導率を有しており、放熱部材120は、第一熱伝導率より高い第二熱伝導率を有している。ソケット10は、樹脂材料からなる射出成型品である。当該樹脂材料にガラスフィラーや金属粉が混合されていてもよい。放熱部材120を形成している材料の例としては、アルミニウムなどの金属が挙げられる。
【0072】
放熱部材120は、基板支持部121(第一部分の一例)を備えている。基板支持部121は、光源ユニット101の第一の側に配置されている。基板支持部121は、ソケット10の第一面11と平行に(第一方向の一例)延びている。
【0073】
放熱部材120は、放熱板122を備えている。放熱板122は、折り曲げ加工されることにより基板支持部121の延びる方向と交差する方向(第二方向の一例)に延びる部分を有している。放熱板122は、突出部122a(第二部分の一部の一例)を有している。突出部122aは、ソケット10の第二面12より突出している。すなわち、突出部122aは、光源ユニット101の第二の側に配置されている。
【0074】
基板30は、放熱部材120の基板支持部121に支持されている。半導体発光素子40は、基板30に支持されている。すなわち、基板30と半導体発光素子40は、光源ユニット101の第一の側に配置されている。
【0075】
このような構成によれば、放熱板122が基板支持部121の延びる方向と交差する方向に延びる部分を有するように、放熱部材120が形成される。基板支持部121は、ソケット10により区画される光源ユニット101の第一の側に配置され、半導体発光素子40が支持された基板30を支持する。放熱板122の突出部122aは、ソケット10により区画される光源ユニット101の第二の側に配置される。半導体発光素子40から発生した熱は、基板支持部121を経由して放熱板122へ導かれ、光源ユニット101の第二の側において効率よく放散される。
【0076】
また、板材を折り曲げ加工して放熱部材120を形成すれば、図9の(b)に示す比較例に係る光源ユニット101Cのように放熱部材20Cが切削加工などによりブロック状を呈するように形成される場合と比較して、より小さい体積でより大きな表面積を確保できる。すなわち、放熱部材120の放熱板122は、折り曲げ加工されることにより、基板支持部121の延びる方向と交差する方向に延びる部分を有するように形成される。これにより、放熱部材120の軽量化と放熱性確保を両立できる。放熱部材120の存在によりソケット10の体積を大きくする必要性が低下するため、光源ユニット101全体の軽量化および小型化も可能である。したがって、車両に搭載される照明装置に装着される光源ユニット101の小型化や軽量化の要求に応えつつ、充分な放熱性を確保できる。
【0077】
図8の(a)に示すように、光源ユニット101は、複数の導電端子50を備えている。複数の導電端子50は、基板30に支持されている。複数の導電端子50は、基板30に形成された図示しない回路配線を介して半導体発光素子40と電気的に接続されている。複数の導電端子は、例えば給電端子と接地端子を含んでいる。
【0078】
図9の(a)に示すように、ソケット10は、コネクタ部13を備えている。コネクタ部13は、各導電端子50の先端50aを収容している。コネクタ部13は、ソケット10の第二面12から突出している。コネクタ部13は、開口部13aを有している。開口部13aは、第二面12から突出しているコネクタ部13の先端において開口している。すなわち、開口部13aは、光源ユニット101の第二の側に配置されている。
【0079】
ソケット10は射出成型品であるため、比較的複雑な形状を有するコネクタ部13を容易に一体成型できる。このような構成によれば、半導体発光素子40への給電経路は、ソケット10の内部に配置される。しかしながら、放熱部材120は折り曲げ加工により形成されているため、放熱性を確保しつつも小型化が可能である。これにより生じたスペースを利用して半導体発光素子40への給電経路が配置されうる。したがって、半導体発光素子40への給電経路がソケット10の内部に配置されながらも、ソケット10の大型化、ひいては光源ユニット101の大型化を抑制できる。
【0080】
図9の(a)に示すように、放熱板122の先端122bは、基板支持部121が延びる方向と交差する方向について、各導電端子50の先端50aより基板支持部121から離れている。
【0081】
放熱部材120の放熱性をより高めるためには、光源ユニット101の第二の側に配置される放熱板122の突出部122aの表面積を大きくすることが好ましい。上記の構成によれば、このような要求に応えることが容易である。したがって、車両に搭載される照明装置に装着される光源ユニット101の小型化や軽量化の要求に応えつつ、充分な放熱性をより容易に確保できる。
【0082】
ソケット10と放熱部材120の一体化は、放熱部材120の放熱板122を、ソケット10の第一面11に開口する放熱板収容部10bの有底穴10b1に挿入することにより行なわれる。このような構成によれば、小型化や軽量化の要求に応えつつ、充分な放熱性を確保可能な光源ユニット101を提供するにあたって、組立作業性を向上できる。
【0083】
また、放熱板122が収容されている有底穴10b1は光源ユニット101の第二の側に開口していないため、ソケット10と放熱部材120の結合部分から水分や埃が侵入することを防止できる。したがって、小型化や軽量化の要求に応えつつ、充分な放熱性を確保可能な光源ユニット101を提供するにあたって、組立作業性を向上できるだけでなく、半導体発光素子40を水分や埃から保護できる。
【0084】
図9の(a)に示したように、本実施形態においては、放熱板122と有底穴10b1の内壁との間に隙間が存在している。しかしながら、放熱性をより向上させるために、放熱板122を有底穴10b1の内壁に密着させる構成としてもよい。
【0085】
図6図7を参照して説明した構成は、本実施形態に係る光源ユニット101についても適用可能である。
【0086】
次に、図10図11を参照しつつ、第三実施形態に係る光源ユニット201について説明する。第二実施形態に係る光源ユニット101の場合と同一または同等の構成や機能を有する要素には同一の参照符号が付与されている。当該要素について繰り返しとなる説明は省略する。図10の(a)は、光源ユニット201の外観をソケット10の第一面11の側から見た斜視図である。図10の(b)は、光源ユニット201の外観をソケット10の第二面12の側から見た斜視図である。図11の(a)は、図10の(b)における線XIA−XIAを含んでソケット10の第一面11と第二面12に直交する平面に沿う断面を、矢印方向に見た構成を示している。図11の(b)は、図10の(b)における線XIB−XIBを含んでソケット10の第一面11と第二面12に直交する平面に沿う断面を、矢印方向に見た構成を示している。
【0087】
光源ユニット201は、放熱部材220を備えている。放熱部材220を形成している材料の熱伝導率は、ソケット10を形成している材料の熱伝導率より高い。すなわち、ソケット10は、第一熱伝導率を有しており、放熱部材220は、第一熱伝導率より高い第二熱伝導率を有している。ソケット10は、樹脂材料からなる射出成型品である。当該樹脂材料にガラスフィラーや金属粉が混合されていてもよい。放熱部材220を形成している材料の例としては、アルミニウムなどの金属が挙げられる。
【0088】
放熱部材220は、基板支持部221(第一部分の一例)を備えている。基板支持部221は、光源ユニット201の第一の側に配置されている。基板支持部221は、ソケット10の第一面11と平行に(第一方向の一例)延びている。
【0089】
放熱部材220は、第一放熱板222(第二部分の一例)と第二放熱板223(第二部分の一例)を備えている。第一放熱板222と第二放熱板223は、折り曲げ加工されることにより基板支持部221の延びる方向と交差する方向(第二方向の一例)に延びる部分を有している。第一放熱板222は、第一突出部222a(第二部分の一部の一例)を有している。第一突出部222aは、ソケット10の第二面12より突出している。すなわち、第一突出部222aは、光源ユニット1の第二の側に配置されている。第二放熱板223は、第二突出部223a(第二部分の一部の一例)を有している。第二突出部223aは、ソケット10の第二面12より突出している。すなわち、第二突出部223aは、光源ユニット1の第二の側に配置されている。
【0090】
基板30は、放熱部材220の基板支持部221に支持されている。半導体発光素子40は、基板30に支持されている。すなわち、基板30と半導体発光素子40は、光源ユニット201の第一の側に配置されている。
【0091】
このような構成によれば、第一放熱板222と第二放熱板223が基板支持部221の延びる方向と交差する方向に延びる部分を有するように、放熱部材220が形成される。基板支持部221は、ソケット10により区画される光源ユニット201の第一の側に配置され、半導体発光素子40が支持された基板30を支持する。第一放熱板222の第一突出部222aと第二放熱板223の第二突出部223aは、ソケット10により区画される光源ユニット201の第二の側に配置される。半導体発光素子40から発生した熱は、基板支持部221を経由して第一放熱板222と第二放熱板223へ導かれ、光源ユニット201の第二の側において効率よく放散される。
【0092】
また、板材を折り曲げ加工して放熱部材220を形成すれば、図9の(b)に示した比較例のように放熱部材20Cが切削加工などによりブロック状を呈するように形成される場合と比較して、より小さい体積でより大きな表面積を確保できる。すなわち、図11の(b)に示すように、放熱部材220の第一放熱板222と第二放熱板223は、折り曲げ加工されることにより、基板支持部221の延びる方向と交差する方向に延びる部分を有するように形成される。これにより、放熱部材220の軽量化と放熱性確保を両立できる。放熱部材220の存在によりソケット10の体積を大きくする必要性が低下するため、光源ユニット201全体の軽量化および小型化も可能である。したがって、車両に搭載される照明装置に装着される光源ユニット201の小型化や軽量化の要求に応えつつ、充分な放熱性を確保できる。
【0093】
図10の(a)に示すように、光源ユニット201は、複数の導電端子50を備えている。複数の導電端子50は、基板30に支持されている。複数の導電端子50は、基板30に形成された図示しない回路配線を介して半導体発光素子40と電気的に接続されている。複数の導電端子は、例えば給電端子と接地端子を含んでいる。
【0094】
図11の(a)に示すように、ソケット10は、コネクタ部13を備えている。コネクタ部13は、各導電端子50の先端50aを収容している。コネクタ部13は、ソケット10の第二面12から突出している。コネクタ部13は、開口部13aを有している。開口部13aは、第二面12から突出しているコネクタ部13の先端において開口している。すなわち、開口部13aは、光源ユニット201の第二の側に配置されている。
【0095】
ソケット10は射出成型品であるため、比較的複雑な形状を有するコネクタ部13を容易に一体成型できる。このような構成によれば、半導体発光素子40への給電経路は、ソケット10の内部に配置される。しかしながら、放熱部材220は折り曲げ加工により形成されているため、放熱性を確保しつつも小型化が可能である。これにより生じたスペースを利用して半導体発光素子40への給電経路が配置されうる。したがって、半導体発光素子40への給電経路がソケット10の内部に配置されながらも、ソケット10の大型化、ひいては光源ユニット201の大型化を抑制できる。
【0096】
図11の(a)に示すように、第一放熱板222の先端222bは、基板支持部221延びる方向と交差する方向について、各導電端子50の先端50aより基板支持部221から離れている。図11の(b)から明らかなように、第二放熱板223の先端223bについても同様である。
【0097】
放熱部材220の放熱性をより高めるためには、光源ユニット201の第二の側に配置される第一放熱板222の第一突出部222aと第二放熱板223の第二突出部223aの表面積を大きくすることが好ましい。上記の構成によれば、このような要求に応えることが容易である。したがって、車両に搭載される照明装置に装着される光源ユニット201の小型化や軽量化の要求に応えつつ、充分な放熱性をより容易に確保できる。
【0098】
図10の(b)と図11の(b)に示すように、ソケット10は、光源ユニット201の第二の側に配列された複数の放熱フィン10cを備えている。第一放熱板222の第一突出部222aと第二放熱板223の第二突出部223aは、ソケット10における複数の放熱フィン10cが配列された領域の外側に配置されている。
【0099】
ソケット10は射出成型品であるため、比較的複雑な形状を有する複数の放熱フィン10cを容易に一体成型できる。これにより、光源ユニット201の放熱性をさらに向上できる。また、金属などからなる第一放熱板222と第二放熱板223は、表面積を大きくするために薄く射出成型される各放熱フィン10cよりも高い剛性を有している(同じ厚みに対して得られる剛性が高い)。ソケット10における複数の放熱フィン10cが配列された領域の外側に第一突出部222aと第二突出部223aが配置されることにより、剛性が相対的に低い放熱フィン10cを外力から保護できる。
【0100】
本実施形態の場合、第一放熱板222の第一突出部222aと第二放熱板223の第二突出部223aが、複数の放熱フィン10cを間に挟むように配置されているため、ユーザは、第一突出部222aと第二突出部223aを把持して光源ユニット201を照明装置に装着できる。これにより、ユーザの把持力による複数の放熱フィン10cの変形や破損を防止できる。したがって、車両に搭載される照明装置に装着される光源ユニット201の小型化や軽量化の要求に応えつつ、充分な放熱性をより容易に確保できる。
【0101】
ソケット10と放熱部材220は、インサート成形などにより一体成型が行なわれることにより一体化されている。
【0102】
この場合、ソケット10と放熱部材220が密着した状態で固定されるため、放熱部材220の放熱性を向上できるだけでなく、ソケット10と放熱部材220の結合部を通じた水分や埃の侵入を防止できる。さらに、第一放熱板222のうちソケット10の内部に配置される部分(基板支持部221から第一突出部222aに至る部分)と第二放熱板23のうちソケット10の内部に配置される部分(基板支持部221から第二突出部223aに至る部分)の形状について選択自由度が高まる。例えば、ソケット10の内部でさらなる折り曲げ部を有するように第一放熱板222と第二放熱板223を形成すれば、ソケット10の大型化を伴うことなく、放熱性をさらに向上できる。したがって、車両に搭載される照明装置に装着される光源ユニット1の小型化や軽量化の要求に応えつつ、充分な放熱性をより容易に確保できるだけでなく、半導体発光素子40を水分や埃から保護できる。
【0103】
図6図7を参照して説明した構成は、本実施形態に係る光源ユニット201についても適用可能である。
【0104】
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための例示にすぎない。上記の実施形態に係る構成は、本発明の趣旨を逸脱しなければ、適宜に変更・改良されうる。また、等価物が本発明の技術的範囲に含まれることは明らかである。
【0105】
第一実施形態に係る放熱部材20の寸法と形状は、光源ユニット1の放熱仕様に応じて適宜に定められうる。例えば、第一放熱板22と第二放熱板23の各々は、図3に二点鎖線で示すように、少なくとも1つのスリット22c、23cによって複数の部分に区画されていてもよい。また放熱板の数も適宜に定められうる。第二実施形態に係る放熱部材120、および第三実施形態に係る放熱部材220についても同様である。
【0106】
上記の各実施形態においては、コネクタ部13の形状は、開口部13aが放熱部材20の基板支持部21の延びる方向(第一方向の一例)と交差する方向(第二方向の一例)に開口するように定められている。しかしながら、開口部13aが光源ユニットの第二の側に配置されていれば、コネクタ部13の形状は、開口部13aが基板支持部21の延びる方向に開口するように定められてもよい。
【符号の説明】
【0107】
1、1A、1B、101、201:光源ユニット、10:ソケット、10b1:有底穴、10c:放熱フィン、11:第一面、12:第二面、13:コネクタ部、13a:開口部、14:第一貫通穴、15:第二貫通穴、19a:第一封止部材、19b:第二封止部材、20、120、220:放熱部材、21、21B、121、221:基板支持部、22、22B、222:第一放熱板、22a、222a:第一突出部、22b、222b:第一放熱板の先端、23、23B、223:第二放熱板、23a、223a:第二突出部、23b、223b:第二放熱板の先端、122:放熱板、122a:突出部、122b:放熱板の先端、30:基板、40:半導体発光素子、50:導電端子、50a:導電端子の先端、51:第一導電端子、51a:第一導電端子の先端、52:第二導電端子、52a:第二導電端子の先端
図1
図2
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図11