【文献】
一志達也,Oracle脱ビギナー宣言 第9回 各種ログとプロセスの役割,DB Magazine,日本,株式会社翔泳社,2010年 1月 1日,第19巻,第9号,pp.104-111
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記作業履歴に関する情報は、当該作業履歴に関するドキュメント類を格納した使用品格納ファイルを含む、ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のサーバ運用作業履歴管理装置。
前記作業履歴に関する情報は、当該作業履歴に関するプログラム修正ファイル類を格納した適用品格納ファイルを含む、ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のサーバ運用作業履歴管理装置。
前記作業履歴に関する情報は、当該作業履歴に関する作業の前または後のいずれか一方または両方における前記サーバにおけるログ情報を含む、ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のサーバ運用作業履歴管理装置。
前記管理端末は、前記ネットワークを介して、前記サーバ内の前記作業履歴格納フォルダ内の前記作業履歴フォルダに保存されている前記作業履歴に対応する更新処理を、当該更新処理の実行前の状態に戻す作業戻し部を更に備える、ことを特徴とする請求項7に記載のサーバ運用作業履歴管理システム。
前記管理端末は、前記ネットワークを介して、前記サーバにおける前記作業履歴の管理に関する付随情報を環境設定ファイルとして設定し、当該サーバ内の前記作業履歴格納フォルダ内に保存する環境設定部を更に備える、ことを特徴とする請求項7または8に記載のサーバ運用作業履歴管理システム。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態におけるサーバ運用作業履歴管理装置のブロック図である。本実施形態は、1台以上のサーバであるターゲットサーバ109からなるターゲットサーバ群108のそれぞれの運用の作業履歴を管理するシステムである。ターゲットサーバ群108は例えば、クラウドシステムを形成する。
【0015】
各ターゲットサーバ109には、インターネット、ローカルエリアネットワーク、または専用線ネットワーク等のネットワーク107を介して、1台以上のサーバ運用作業履歴管理装置100を接続することができる。
【0016】
サーバ運用作業履歴管理装置100は、新規作業履歴実行部101、既存作業履歴実行部102、作業履歴参照部103、作業履歴削除部104、作業戻し部105、および環境設定部106を備える。
【0017】
新規作業履歴実行部101は、ネットワーク107を介して、ターゲットサーバ109内の所定の作業履歴格納フォルダ110に、そのターゲットサーバ109に対する運用の作業毎に、当該作業の作業履歴に対応する作業履歴フォルダを作成し、当該作業履歴フォルダ内に作業履歴に関する情報を保存する。作業履歴に関する情報は、当該作業履歴に関するドキュメント類を格納した使用品格納ファイル、当該作業履歴に関するプログラム修正ファイル類を格納した適用品格納ファイル、当該作業履歴に関する作業の前または後のいずれか一方または両方におけるターゲットサーバ109におけるログ情報を含む。
【0018】
既存作業履歴実行部102は、ネットワーク107を介して、ターゲットサーバ109内の作業履歴格納フォルダ内の作業履歴フォルダに保存されている作業履歴に関する情報を更新する。
【0019】
作業履歴参照部103は、ネットワーク107を介して、ターゲットサーバ109内の作業履歴格納フォルダ内の作業履歴フォルダに保存されている作業履歴に関する情報を参照する。
【0020】
作業履歴削除部104は、ネットワーク107を介して、ターゲットサーバ109内の作業履歴格納フォルダ内の作業履歴フォルダに保存されている作業履歴に関する情報を削除する。
【0021】
作業戻し部105は、ネットワーク107を介して、ターゲットサーバ109内の作業履歴格納フォルダ内の作業履歴フォルダに保存されている作業履歴に対応する更新処理を、当該更新処理の実行前の状態に戻す。
【0022】
環境設定部106は、ネットワーク107を介して、ターゲットサーバ109における作業履歴の管理に関する付随情報を環境設定ファイルとして設定し、そのターゲットサーバ109内の作業履歴格納フォルダ内に保存する。
【0023】
図2は、
図1のサーバ運用作業履歴管理装置100をソフトウェア処理として実現できる管理端末装置200のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0024】
図2に示される管理端末装置200は、CPU201、メモリ202、入力装置203、ディスプレイ装置204、外部記憶装置205、可搬記録媒体209が挿入される可搬記録媒体駆動装置206、及び通信インタフェース207を有し、これらがバス208によって相互に接続された構成を有する。同図に示される構成はサーバ運用作業履歴管理装置を実現できる管理端末装置200の一例であり、そのような管理端末装置200はこの構成に限定されるものではない。
【0025】
CPU201は、当該管理端末装置200全体の制御を行う。メモリ202は、プログラムの実行、データ更新等の際に、外部記憶装置205(或いは可搬記録媒体209)に記憶されているプログラム又はデータを一時的に格納するRAM等のメモリである。CPU201は、プログラムをメモリ202に読み出して実行することにより、全体の制御を行う。
【0026】
入力装置203は、ユーザによるキーボードやマウス等による入力操作を検出し、その検出結果をCPU201に通知する。
【0027】
ディスプレイ装置204は、CPU201の制御によって送られてくるデータを画面表示する。
【0028】
外部記憶装置205は、例えばハードディスク記憶装置である。主に各種データやプログラムの保存に用いられる。
【0029】
可搬記録媒体駆動装置206は、SDカード、コンパクトフラッシュ(登録商標)や、CD−ROM、DVD、光ディスク等の可搬記録媒体209を収容するもので、外部記憶装置205の補助の役割を有する。
【0030】
通信インタフェース207は、
図1のネットワーク107に対応する、例えばLAN(ローカルエリアネットワーク)又はWAN(ワイドエリアネットワーク)の通信回線を接続するための装置である。
【0031】
本実施形態によるシステムは、
図3、
図4および、
図8から
図10のフローチャート等で実現される機能を搭載したプログラムをCPU201が実行することで実現される。そのプログラムは、例えば外部記憶装置205や可搬記録媒体209に記録して配布してもよく、或いは通信インタフェース207によりネットワークから取得できるようにしてもよい。
【0032】
図3は、
図2のCPU201が実行する生涯イベント書込み・参照処理プログラムの処理例を示すフローチャートである。
【0033】
まず、システム運用管理者は、サーバ運用作業履歴管理装置100が動作する管理端末装置200(
図2)へログインする(ステップS301)。管理端末装置200のCPU201は、同装置が予め備えるユーザ認証システムを使ってログイン処理を実行する。
【0034】
管理端末装置200のログイン処理に成功すると、CPU201は、ディスプレイ装置204に、機能選択画面を表示する(ステップS302)。この画面では、システム運用管理者は、新規実行機能(新規作業履歴実行部101に対応)、既存実行機能(既存作業履歴実行部102に対応)、参照・削除機能(作業履歴参照部103、作業履歴削除部104に対応)、戻し機能(作業戻し部105に対応)、または環境設定機能(環境設定部106に対応)のいずれかの機能を選択することができる。
【0035】
ステップS302において、システム運用管理者が新規実行機能を選択すると、CPU201は、所望のターゲットサーバ109に対して、生涯システムログを新規作成するための処理を実行する(ステップS303)。
【0036】
ステップS302において、システム運用管理者が既存実行機能を選択すると、CPU201は、所望のターゲットサーバ109上に既に作成されている生涯システムログを修正するための処理を実行する(ステップS304)。
【0037】
ステップS302において、システム運用管理者が参照・削除機能を選択すると、CPU201は、所望のターゲットサーバ109上に既に作成されている生涯システムログを参照しまたは削除するための処理、あるいはその生涯システムログに対応する当該ターゲットサーバ109の更新状態をキャンセルして、更新前の状態に戻す処理を実行する(ステップS305)。
【0038】
ステップS302において、システム運用管理者が環境設定機能を選択すると、CPU201は、ターゲットサーバ109上の各種自動ログ、使用品格納ファイル(ドキュメント類)、適用品格納ファイル(プログラム修正ファイル等)のパス情報を指定するための環境設定処理を実行する(ステップS306)。
【0039】
以上のステップS303からS306のいずれかの処理が終了すると、システム運用管理者は、サーバ運用作業履歴管理装置100が動作する管理端末装置200(
図2)からログアウトする(ステップS308)。管理端末装置200のCPU201は、同装置が予め備えるユーザ認証システムを使ってログアウト処理を実行する。
【0040】
図4は、
図3のステップS303の新規実行機能およびステップS304の既存実行機能の詳細処理例を示すフローチャートである。
【0041】
まず、
図3のステップS303の新規実行機能が選択された場合の処理について説明する。この場合、
図4のステップS401からS404、およびステップS407からS416の一連の処理が実行される。
【0042】
まず、CPU201は、ターゲットサーバ109へ接続する処理を実行する(ステップS401)。この処理は、例えば管理端末装置200およびターゲットサーバ109が一般的に備えている例えばSSH(セキュアシェル)等の通信プロトコルに基づく接続プログラムを使って、管理端末装置200からターゲットサーバ109へログインする処理である。この接続処理は、管理端末装置200内に予め設定されているログイン情報に基づいて自動的に行われてもよいし、CPU201がディスプレイ装置204にターゲットサーバ109へのログイン画面を表示させてシステム運用管理者に入力装置203を使って手動ログインさせてもよい。
【0043】
ターゲットサーバ109への
接続後、CPU201は、新規日付実行入力処理を実行する(ステップS402)。ここでは、CPU201は、ディスプレイ装置204に、
図5に例示される新規日付入力実行表示画面を表示させ、システム運用管理者に、同画面の各入力欄に、入力装置203から入力を行わせる。
図5に例示される新規日付入力実行表示画面において、システム運用管理者は、「システム対応日付+何回目入力してください。(YY.MM.DD_001):」欄に、システム対応日付と何回目の修正であるかの情報を入力する。システム運用管理者は、「対応要旨」欄に、修正概要を入力する。システム運用管理者は、「リブートフラグON」欄に、作業終了後にサーバのリブートが必要な場合にチェックマークを付与する。システム運用管理者は、「生涯システムログ・当該サーバ格納パス」欄に、接続しているターゲットサーバ109上で生涯システムログが格納されるディレクトリパスを指定する。システム運用管理者は、「サーバ名番号」欄に、接続しているターゲットサーバ109のサーバ名番号を入力する。
【0044】
システム運用管理者が、
図5に例示される新規日付入力実行表示画面上の「保存」ボタンを、
図2の入力装置203に含まれるマウス入力装置等でクリックすると、管理端末装置200のCPU201は、
図2の通信インタフェース207から
図1のネットワーク107を介して接続しているターゲットサーバ109に対して、新フォルダを自動作成するリクエストを発行する(ステップS403)。このリクエストには、
図5に例示される新規日付入力実行表示画面上の「生涯システムログ・当該サーバ格納パス」欄に入力されたディレクトリパス内に、同画面上の「システム対応日付+何回目入力してください。(YY.MM.DD_001):」欄に入力された名前のフォルダを作成する命令が含まれる。この結果、ターゲットサーバ109は、管理端末装置200からのリクエストにより指定された名前の新フォルダ(作業履歴フォルダに対応)を、同サーバ内の特には図示しない外部記憶装置(例えばハードディスク記憶装置または半導体ディスク装置)内のディレクトリパス(作業履歴格納フォルダ110に対応)内に作成する。また、CPU201は、
図5に例示される新規日付入力実行表示画面上の「リブートフラグON」欄で設定されたリブートフラグの設定内容を、リブートフラグファイルとして、上記新フォルダ内に格納する。
【0045】
一方、システム運用管理者が、
図5に例示される新規日付入力実行表示画面上の「戻る」ボタンを、マウス入力装置等でクリックすると、CPU201は、前述した
図3のステップS302の処理に戻り、管理端末装置200のディスプレイ装置204に機能選択画面を表示する。
【0046】
ステップS403の後、CPU201は、
図3のステップS306と同様の、環境設定処理を実行する(ステップS404)。この処理の詳細については、
図10のフローチャートを用いて後述するが、CPU201は、システム運用管理者に対して、ターゲットサーバ109上の各種自動ログ、使用品格納ファイル(ドキュメント類)、適用品格納ファイル(プログラム修正ファイル等)のパス情報を指定させる。この環境設定処理では、環境設定ファイル1、環境設定ファイル2、および環境設定ファイル3という3つの環境設定ファイルを設定することができる(それぞれ設定してもしなくてもよい)。これらの環境設定ファイル1,2,3は、ステップS403で作成されたターゲットサーバ109内の指定先フォルダに格納される。
【0047】
その後、CPU201は、接続しているターゲットサーバ109に対して、そのターゲットサーバ109で自動的に取得されている各種ログ(以下これを「自動メインログ」と呼ぶ)を、ステップS404の環境設定機能で指定されたターゲットサーバ109上のディレクトリパスから取得する処理を実行する(ステップS407)。この処理は例えば、ターゲットサーバ109および管理端末装置200が一般的に備えているSyslogプログラムを用いて実行される。
【0048】
次に、CPU201は、管理端末装置200から、ステップS403で作成されたターゲットサーバ109内の指定先フォルダへ、今回使用品ファイル(使用品格納ファイル)を保存する処理を実行する(ステップS408)。この処理は例えば、ターゲットサーバ109および管理端末装置200が一般的に備えているSFTP(SSHファイル転送プロトコル)プログラムを用いて実行される。今回使用品ファイルとは例えば、システム適用チェックシートファイル、システム適用手順書ファイル、アプリケーション適用手順書ファイル、各種ログファイル(ステップS407で取得したものを含む)等である。今回使用品ファイルの管理端末装置200上の格納元パスは、ステップS404の環境設定機能で指定される。
【0049】
次に、CPU201は、ステップS403で作成されたターゲットサーバ109内の指定先フォルダへ、今回適用品ファイル(適用品格納ファイル)を格納する処理を実行する(ステップS409)。この処理は例えば、前述のSFTPプログラムを用いて実行される。今回適用品ファイルとは例えば、オペレーティングシステム、アプリケーション、ミドルウェアなどの各種プログラム修正ファイル等である。
【0050】
次に、CPU201は、ステップS403で作成されたターゲットサーバ109内の指定先フォルダ内の所定のバックアップフォルダへ、今回適用品ファイルによる入替前のターゲットサーバ109上のプログラムファイルをバックアップ格納する処理を実行する(ステップS410)。この処理は例えば、ターゲットサーバ109が一般的に備えているコピーコマンドをSSHを介して実行させる処理である。今回適用品ファイルのファイル名は、ステップS404の環境設定機能で設定される。今回適用品ファイルによる入替前のプログラムファイルのターゲットサーバ109上のパスは、ステップS404の環境設定機能で適用品先パスとして設定される。
【0051】
以上の処理の後、CPU201は、ディスプレイ装置204に、
図6に例示される指定先フォルダ内日付フォルダ表示画面を表示する(ステップS411)。この画面では例えば、今回の新規実行機能により新規作成された未実行データ601と、既に作成され後述する参照、削除、戻しの各処理の対象となる既実行データ602とが表示される。システム運用管理者が、この画面内の「実行」ボタンをマウス入力装置等でクリックすると、CPU201によるステップS412の実行判定がYESとなって、未実行データ601の内容が実行される。
【0052】
この結果、CPU201は、接続しているターゲットサーバ109において、ステップS403で作成されたターゲットサーバ109内の指定先フォルダ内に格納された今回適用品ファイルを、ターゲットサーバ109内の適用品先パスへ適用(置換コピーまたは新規コピー)する(ステップS413)。この処理は例えば、ターゲットサーバ109が一般的に備えているコピーコマンドをSSHを介して実行させる処理である。今回適用品ファイルのファイル名および適用品先パスは、ステップS404の環境設定機能で設定される。
【0053】
その後、CPU201は、ステップS403で作成されたターゲットサーバ109内の指定先フォルダ内に、今回の修正を実行済みであることを示すフラグが設定(ON)された実行済み格納フラグファイルを格納する(ステップS414)。
【0054】
さらに、CPU201は、ステップS402により上記指定先フォルダ内に保存されたリブートフラグファイルに、リブートフラグONが設定されているか否かを判定する(ステップS415)。
【0055】
CPU201は、ステップS415の判定がYESならば、接続されているターゲットサーバ109に対してSSHを介してリブートを指示し(ステップS416)、ステップS415の判定がNOならばステップS416はスキップする。その後、CPU201は、
図4のフローチャートで例示される
図3のステップS303の新規実行機能の処理を終了する。
【0056】
次に、
図3のステップS304の既存実行機能が選択された場合の処理について説明する。この場合、
図4のステップS405とS406、およびステップS407からS416の一連の処理が実行される。この処理では、システム運用管理者は、既存の修正内容の更新に関する今回使用品ファイルまたは今回適用品ファイル等を、管理端末装置200上に予め用意してあるものとする。
【0057】
まず、管理端末装置200のCPU201は、管理端末装置200が接続可能な全てのターゲットサーバ109装置に関するシステム対応の一覧(システム対応日付と対応要旨と対応サーバ名)を、
図7に例示されるような全システム対応一覧・サーバ一覧表示画面として表示し、システム運用管理者に、入力装置203に含まれるマウス入力装置等により、システム対応日付で対応サーバ名を選択させるか、サーバ名番号を入力させることを促す(ステップS405)。一覧の取得は、管理端末装置200がデータベースとして保持してもよいし、都度各ターゲットサーバ109に問い合わせて取得してもよい。
【0058】
次に、CPU201は、システム運用管理者により選択または入力されたサーバ情報に対応するターゲットサーバ109を選択して、接続する(ステップS406)。この処理は、ステップS401の場合と同様に、例えば管理端末装置200およびターゲットサーバ109が一般的に備えている例えばSSH等の通信プロトコルに基づく接続プログラムを使って、管理端末装置200からターゲットサーバ109へログインする処理である。
【0059】
ステップS406の後の、ステップS407以降の処理は、前述した
図3のステップS303に関する新規実行機能の場合と同様である。
【0060】
以上のようにして、本実施形態においては、各ターゲットサーバ109に対して実行される修正内容は全て、ターゲットサーバ109内の指定フォルダ配下に保存される。このため、各ターゲットサーバ109に対してシステム変更や障害対応を行う場合は、ターゲットサーバ109の指定フォルダ配下を調査するだけで、過去の全てのシステム対応日付ごとの対応履歴を把握することが可能となる。
【0061】
図8は、
図3のステップS305の参照・削除・戻し機能の詳細処理例を示すフローチャートである。
【0062】
まず、管理端末装置200のCPU201は、
図4のステップS405の場合と同様に、管理端末装置200が接続可能な全てのターゲットサーバ109装置に関するシステム対応の一覧(システム対応日付と対応要旨と対応サーバ名)を、前述した
図7に例示されるような全システム対応一覧・サーバ一覧表示画面として表示し、システム運用管理者に、入力装置203に含まれるマウス入力装置等により、システム対応日付で対応サーバ名を選択させるか、サーバ名番号を入力させることを促す(ステップS801)。
【0063】
次に、
図4のステップS406の場合と同様に、CPU201は、システム運用管理者により選択または入力されたサーバ情報に対応するターゲットサーバ109を選択し(ステップS802)、その選択したターゲットサーバ109に接続する(ステップS803)。
【0064】
続いて、
図4のステップS411の場合と同様に、CPU201は、ディスプレイ装置204に、前述した
図6に例示される指定先フォルダ内日付フォルダ表示画面を表示する(ステップS804)。この画面には、前述したように、既に作成され後述する参照、削除、戻しの各処理の対象となる既実行データ602が表示される。システム運用管理者が、既実行データ602内のシステム対応日付のいずれかの行の「参照」、「削除」、または「戻し」に、入力装置203に含まれるマウス入力装置等でチェックマークを付けてから、この画面内の「実行」ボタンをマウス入力装置等でクリックする。
【0065】
この結果、CPU201は、「参照」、「削除」、または「戻し」のいずれが選択されたかを判定する(ステップS805→S806→S807→S804の繰返し処理)。
【0066】
「参照」が選択された場合(ステップS805の判定がYESの場合)、CPU201は、参照処理を実行する(ステップS808)。参照処理では、CPU201は、ステップS803で接続されたターゲットサーバ109内のステップS804で選択されたシステム対応日付に対応するフォルダの内容(使用品格納ファイル、適用品格納ファイル等の内容)を参照し、管理端末装置200上のディスプレイ装置204(
図2)に表示させ、必要に応じて管理端末装置200にダウンロードできるようにする。この処理は例えば、ターゲットサーバ109および管理端末装置200が一般的に備えているSFTP(SSHファイル転送プロトコル)プログラムを用いて実行される。その後、CPU201は、
図8のフローチャートで例示される
図3のステップS305の参照・削除・戻し機能の処理を終了する。
【0067】
「削除」が選択された場合(ステップS806の判定がYESの場合)、CPU201は、削除処理を実行する(ステップS809)。削除処理では、CPU201は、ステップS803で接続されたターゲットサーバ109内のステップS804で選択されたシステム対応日付に対応するフォルダを削除する。この処理は例えば、ターゲットサーバ109が一般的に備えている削除コマンドをSSHを介して実行させる処理である。その後、CPU201は、
図8のフローチャートで例示される
図3のステップS305の参照・削除・戻し機能の処理を終了する。
【0068】
「戻し」が選択された場合(ステップS807の判定がYESの場合)、CPU201は、戻し処理を実行する(ステップS810)。その後、CPU201は、
図8のフローチャートで例示される
図3のステップS305の参照・削除・戻し機能の処理を終了する。
【0069】
図9は、
図8のステップS810の戻し処理の詳細処理例を示すフローチャートである。
【0070】
まず、CPU201は、ステップS803で接続されたターゲットサーバ109内のステップS804で選択されたシステム対応日付に対応するフォルダ内にある実行済み格納フラグファイルに、修正を実行済みであることを示すフラグが設定(ON)されているか否かを判定する(ステップS901)。
【0071】
ステップS901の判定がNOならば、システム対応日付に対応する適用品格納ファイルによるプログラム修正はまだ実行されておらず戻し処理は実行する必要がないため、CPU201は、
図9のフローチャートで示される
図8のステップS810の戻し処理をそのまま終了する。
【0072】
ステップS901の判定がYESならば、CPU201は、戻し処理を実施する(ステップS902)。CPU201は、ステップS803で接続されたターゲットサーバ109内の指定先フォルダ内の
図8のステップS804で選択されたシステム対応日付に対応するフォルダ内のバックアップフォルダに、前述したステップS410でバックアップされた入替前のターゲットサーバ109上の各プログラムファイルを、ターゲットサーバ109内の修正プログラム適用品先パスへ戻す(置換コピーする)。この処理は例えば、ターゲットサーバ109が一般的に備えているコピーコマンドをSSHを介して実行させる処理である。各プログラムファイルの修正プログラム適用品先パスは、システム対応日付に対応するフォルダ内の環境設定ファイル3(後述する)から取得することができる。
【0073】
その後、CPU201は、上記システム対応日付に対応するフォルダ内に、修正を実行済みであることを示すフラグが無効に(OFF)された実行済み格納フラグファイルを保存する(ステップS903)。
【0074】
また、CPU201は、上記システム対応日付に対応するフォルダ内に、修正を戻し済みであることを示すフラグが設定(ON)された戻し済み格納フラグファイルを格納する(ステップS904)。
【0075】
CPU201は、上記システム対応日付に対応するフォルダ内に保存されたリブートフラグファイルに、リブートフラグONが設定されているか否かを判定する(ステップS905)。
【0076】
CPU201は、ステップS905の判定がYESならば、接続されているターゲットサーバ109に対してSSHを介してリブートを指示し(ステップS906)、ステップS905の判定がNOならばステップS906はスキップする。その後、CPU201は、
図9のフローチャートで例示される
図8のステップS810の戻し処理を終了する。
【0077】
図10は、
図3のステップS306または
図4のステップS404で実行される環境設定処理の詳細例を示すフローチャートである。
【0078】
まず、CPU201は、この処理が
図4のステップS404の新規実行機能から起動されたか否かを判定する(ステップS1001)。
【0079】
ステップS1001の判定がNOで、この処理が
図3のステップS306から起動された場合、CPU201は、
図4のステップS405の場合と同様に、管理端末装置200が接続可能な全てのターゲットサーバ109装置に関するシステム対応の一覧(システム対応日付と対応要旨と対応サーバ名)を、前述した
図7に例示されるような全システム対応一覧・サーバ一覧表示画面として表示し、システム運用管理者に、入力装置203に含まれるマウス入力装置等により、システム対応日付で対応サーバ名を選択させるか、サーバ名番号を入力させることを促す(ステップS1002)。
【0080】
次に、
図4のステップS406の場合と同様に、CPU201は、システム運用管理者により選択または入力されたサーバ情報に対応するターゲットサーバ109を選択し(ステップS1003)、その選択したターゲットサーバ109に接続する(ステップS1004)。
【0081】
ステップS1001の判定がYESで、この処理が
図4のステップS404の新規実行機能から起動された場合、
図4のステップS401でターゲットサーバ109には既に接続されているため、CPU201は、ステップS1002からS1004の処理はスキップする。
【0082】
続いて、
図4のステップS411の場合と同様に、CPU201は、ディスプレイ装置204に、前述した
図6に例示される指定先フォルダ内日付フォルダ表示画面を表示する(ステップS1005)。この画面には、
図6に例示されるように、環境設定のための環境設定ファイル1、環境設定ファイル2、環境設定ファイル3のそれぞれに対してチェックマークを付与する欄がある。システム運用管理者は、これらのファイルのいずれか1つ以上にチェックマークを付けてから、この画面内の「実行」ボタンをマウス入力装置等でクリックする。環境設定ファイル1、2、3のそれぞれにチェックマークが付与されたか否かにより、環境設定ファイル1フラグがONまたはOFFされた環境設定ファイル1フラグファイル、環境設定ファイル2フラグがONまたはOFFされた環境設定ファイル2フラグファイル、および環境設定ファイル3フラグがONまたはOFFされた環境設定ファイル3フラグファイルが、ターゲットサーバ109内の指定先フォルダに格納される。
【0083】
CPU201は、環境設定ファイル1、環境設定ファイル2、環境設定ファイル3のいずれにチェックマークが付与されたかを判定し(ステップS1006)、ステップS1006の判定がYESで、環境設定ファイル1、環境設定ファイル2、環境設定ファイル3のいずれにチェックマークが付与された場合、チェックマークが付与された環境設定ファイルの入力画面をディスプレイ装置204(
図2)に表示させ、システム運用管理者に当該環境設定ファイルの入力操作を行わせる(ステップS1007)。
【0084】
ステップS1006の判定がNOで、環境設定ファイル1、環境設定ファイル2、環境設定ファイル3のいずれに
もチェックマークが付与されていない場合、S1007の処理はスキップする。
【0085】
図11(a)は、環境設定ファイル1の入力画面の例を示す図である。この入力画面では、ターゲットサーバ109で自動的に取得されている各自動メインログ(
図11の例では自動メインログ1〜5)が保存されているパスを設定することができる。
【0086】
図11(b)は、環境設定ファイル2の入力画面の例を示す図である。この入力画面では、前述した
図4のステップS408でターゲットサーバ109に格納される使用品格納ファイル(ドキュメント類)の、管理端末装置200上の格納元パスを設定することができる。
【0087】
図11(c)は、環境設定ファイル3の入力画面の例を示す図である。この入力画面では、前述した
図4のステップS413でターゲットサーバ109上で適用される適用品格納ファイルの、ターゲットサーバ109内の適用品先パスと、適用元パス+ファイル名を設定することができる。
【0088】
以上のようにして設定された環境設定ファイル1,2,3は、ステップS1003で接続されたターゲットサーバ109内の指定先フォルダに格納される。
【0089】
その後、CPU201は、
図10のフローチャートで例示される
図3のステップS306または
図4のステップS404の環境設定機能の処理を終了する。
【0090】
図12は、本実施形態による各種設定内容の例を示す図である。まず、
図12(a)は、指定先フォルダ内に格納される前述した実行済み格納フラグファイル、戻し済み格納フラグファイル、リブートフラグファイル、環境設定ファイル1フラグファイル、環境設定ファイル2フラグファイル、環境設定ファイル3フラグファイルの設定例を示している。各ファイル内のフラグは、SIGN_FLAG(実行済み格納フラグ)、REVERSE_FLAG(戻し済み格納フラグ)、REBOOT_FLAG(リブートフラグ)、ENV001_FLAG(環境設定ファイル1フラグ)、ENV002_FLAG(環境設定ファイル2フラグ)、およびENV003_FLAG(環境設定ファイル3)として参照され、それぞれの右横に示されるONまたはOFFの値が設定され得る。
【0091】
図12(b)は、
図11(a)の環境設定ファイル1の入力画面により設定される、自動メインログのパス(自動メインログ情報)の設定例を示す。前述した
図4のステップS407において、これらで示されるターゲットサーバ109上の各パスから各自動メインログが取得される。
【0092】
図12(c)は、
図11(b)の環境設定ファイル2の入力画面により設定される、使用品格納ファイル(ドキュメント類)の管理端末装置200上での格納元パス(使用品格納ファイル1〜3フルパス)の設定例を示す。前述した
図4のステップS408において、これらで示される管理端末装置200上の各パスから各使用品格納ファイルがターゲットサーバ109の指定先フォルダに格納される。
【0093】
図12(d)は、
図11(c)の環境設定ファイル3の入力画面により設定さえる、適用品格納ファイル(プログラム修正ファイル等)の適用品先パスと、適用品元パス+ファイル名の設定例を示す。前述
図4のステップS413において、これらで示されるファイル名のプログラム修正ファイルが、ターゲットサーバ109上の適用品先パスに対して適用される。
【0094】
図12(e)は、前述した
図4のステップS402で指定される、ターゲットサーバ109上で生涯システムログが格納されるディレクトリパスの設定例を示す。
【0095】
以上説明した実施形態により、特定のサーバ等による一元管理を必要とせずに、複数のターゲットサーバ109の運用作業履歴をターゲットサーバ109自身に保持させて管理することが可能となる。
【0096】
稼動済み大規模サーバシステムにおいて冗長化が組まれていたり、その台数は何十台にも上り、問題対応時は必ずしも同一サーバにおいても同一設定がなされておらず、特に障害発生時はその影響から発生サーバのみに対応が施されていてその実施ログはどこにも無い状態が発生している。最近では、サーバ寿命は延長され長期に渡るサーバ保守が普通になってきており、サーバ運用管理者の引継が発生し当初リリースした管理者が既に居ない状況が多々発生し得る。本実施形態により、その対応は個人スキルにとらわれなく運用・保守対応時間は、大幅に短縮され、その作業にかかる工数、人的パワーにおいても大幅に削減することが可能となる。使用品格納ファイル(ドキュメント類)、適用品格納ファイル(プログラム修正ファイル等)、および変更時前後の自動メインログを、ターゲットサーバに個別かつ半永久的に保持させることが可能となり、確実なシステム変更管理とシステムの安定稼動に寄与することが可能となる。