特許第6467338号(P6467338)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6467338
(24)【登録日】2019年1月18日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】応札ボタン
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/02 20060101AFI20190204BHJP
   H01H 3/20 20060101ALI20190204BHJP
【FI】
   H01H13/02 C
   H01H3/20 C
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-244597(P2015-244597)
(22)【出願日】2015年12月15日
(65)【公開番号】特開2017-111928(P2017-111928A)
(43)【公開日】2017年6月22日
【審査請求日】2017年12月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】小田 唯
【審査官】 澤崎 雅彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−149206(JP,A)
【文献】 実開平03−068323(JP,U)
【文献】 特開2007−128274(JP,A)
【文献】 特開2004−340109(JP,A)
【文献】 実開昭55−065701(JP,U)
【文献】 特開平05−347113(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 3/20
H01H 9/00 − 9/28
H01H13/00 − 13/88
H01H89/00 − 89/10
F21L 2/00 − 27/00
G06Q30/00 − 30/08
G07C13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
せり応札用の応札ユニットに接続され、応札を行うユーザが把持するグリップ部と、前記応札を行う際に押下するスイッチと、前記応札ユニットへの前記スイッチの押下を伝達する押下伝達機構を有する応札ボタンであって、
前記グリップ部に設けられ、前記ユーザによる前記グリップ部の把持を検出する検出部と、
前記押下伝達機構の伝達の有効状態と無効状態を切り替える切替部材と、
前記把持の検出に基づいて、前記切替部材を前記伝達の無効状態から有効状態に切り替え駆動させるよう駆動部に指示する制御部とを、
備えることを特徴とする応札ボタン。
【請求項2】
前記制御部は、前記切替部材が前記押下伝達機構の伝達部材に接するよう、前記駆動部に指示することを特徴とする請求項1に記載の応札ボタン。
【請求項3】
前記検出部は、静脈認証、加圧、ジャイロ、温度、赤外線のうち、少なくともいずれか1つによって前記把持を検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の応札ボタン。
【請求項4】
応札ユニットに接続され、応札を行うユーザが把持するグリップ部と、前記応札を行う際に押下するスイッチと、前記スイッチの押下を前記応札ユニットに伝達する押下伝達機構を有する応札ボタンであって、
前記グリップ部及び前記スイッチに設けられ、前記応札ユニットへの前記押下伝達機構による前記スイッチの押下の伝達を無効とさせるロック機構が挿入される挿入部を備えることを特徴とする応札ボタン。
【請求項5】
前記ロック機構は、前記応札ユニットに設置されていることを特徴とする請求項4に記載の応札ボタン。
【請求項6】
応札ユニットに接続され、応札を行うユーザが把持するグリップ部と、前記応札を行う際に押下するスイッチと、前記スイッチの押下を前記応札ユニットに伝達する押下伝達機構を有する応札ボタンであって、
前記スイッチを覆って前記スイッチの押下を遮断する遮断部材を有し、該遮断部材は、前記グリップ部と略水平方向に伸縮可能な部材又は前記グリップ部と略垂直方向に多段的に屈曲可能な部材であることを特徴とする応札ボタン。
【請求項7】
前記遮断部材は、着脱可能であることを特徴とする請求項に記載の応札ボタン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、せりシステムにおける応札ユニットに設けられた応札ボタンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のせりシステムにおける応札ユニットに設けられた応札ボタンは、露出したスイッチを有しているため、応札の意図がないにも関わらず、足や手がスイッチにぶつかるなどして押下されてしまうことがある。このようなスイッチが露出した応札ボタンが下記の特許文献1に開示されている。一般的なせりシステムは、意図しないスイッチの押下によっても入札を受け付ける仕組みとなっている。そのため、意図しないスイッチの押下によっても一番手の落札権利を保有する場合がある。一番手の落札権利を保有した場合、最終的な購入意思を確認するために確認ボタンを押下させ、確認ボタンの押下によって最終落札者が決定される。このような仕組みのため、意図しないスイッチの押下によって一番手の落札権利を保有しても確認ボタンを押下しなければ最終応札者にはならない。確認ボタンが押下されない場合、押下の対象となった商品は流れるか、又は再度のせり(再せり)にかけられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−128274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、多くの商品が限られた時間内でせりにかけられるため、再せりが発生すると、せり会場を運営する側には、その分の時間的な負担が生じたり、商品などを出品するバイヤーの再せり手数料が場合によっては加算されるなどの金銭的な負担が生じたりするという問題があった。また、再せりが頻繁に発生すると、せり会場の信用が失墜してしまうという問題もある。このような問題に対して、意図しないスイッチの押下がされないように、応札ボタンのスイッチを他のインターフェースに変更することも考えられる。しかし、従来から確立されている操作方法を変更することは、かえって誤操作を引き起こすことになる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑み、従来の応札ボタンの操作方法を変更することなく、意図しないスイッチの押下を防止し、意図しないスイッチの押下による時間的、金銭的な負担を解消することができる応札ボタンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、せり応札用の応札ユニットに接続され、応札を行うユーザが把持するグリップ部と、前記応札を行う際に押下するスイッチと、前記応札ユニットへの前記スイッチの押下を伝達する押下伝達機構を有する応札ボタンであって、前記グリップ部に設けられ、前記ユーザによる前記グリップ部の把持を検出する検出部と、前記押下伝達機構の伝達の有効状態と無効状態を切り替える切替部材と、前記把持の検出に基づいて、前記切替部材を前記伝達の無効状態から有効状態に切り替え駆動させるよう駆動部に指示する制御部とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の応札ボタンにおいて、前記制御部が、前記切替部材が前記押下伝達機構の伝達部材に接するよう、前記駆動部に指示することは、好ましい態様である。
【0008】
また、本発明の応札ボタンにおいて、前記検出部が、静脈認証、加圧、ジャイロ、温度、赤外線のうち、少なくともいずれか1つによって前記把持を検出することは、好ましい態様である。
【0009】
また、本発明は、応札ユニットに接続され、応札を行うユーザが把持するグリップ部と、前記応札を行う際に押下するスイッチと、前記スイッチの押下を前記応札ユニットに伝達する押下伝達機構を有する応札ボタンであって、前記グリップ部及び前記スイッチに設けられ、前記応札ユニットへの前記押下伝達機構による前記スイッチの押下の伝達を無効とさせるロック機構が挿入される挿入部を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の応札ボタンにおいて、前記ロック機構が、前記応札ユニットに設置されていることは、好ましい態様である。
【0011】
また、本発明は、応札ユニットに接続され、応札を行うユーザが把持するグリップ部と、前記応札を行う際に押下するスイッチと、前記スイッチの押下を前記応札ユニットに伝達する押下伝達機構を有する応札ボタンであって、前記スイッチを覆って前記スイッチの押下を遮断する遮断部材を有し、該遮断部材は、前記グリップ部と略水平方向に伸縮可能な部材又は前記グリップ部と略垂直方向に多段的に屈曲可能な部材であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の応札ボタンにおいて、前記遮断部材が着脱可能であることは、好ましい態様である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、従来の応札ボタンの操作方法を変更することなく、意図しないスイッチの押下を防止し、意図しないスイッチの押下による時間的、金銭的な負担を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施の形態におけるせりシステムの構成の一例を示す図である。
図2A】実施の形態における応札ユニットの(正面)外観の一例を示す図である。
図2B】実施の形態における応札ユニットの(側面)外観の一例を示す図である。
図3】実施の形態に係る応札ボタンの実施例1を説明するための図である。
図4】実施の形態に係る応札ボタンの実施例2を説明するための図である。
図5A】実施の形態に係る応札ボタンの実施例3を説明するための側面図である。
図5B】実施の形態に係る応札ボタンの実施例3を説明するための断面図である。
図6A】実施の形態に係る応札ボタンの実施例4を説明するための側面図である。
図6B】実施の形態に係る応札ボタンの実施例4を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。まず、実施の形態におけるせりシステムの構成を中古車オークションシステムの構成を例にとって図1を用いて説明する。中古車オークションシステム1は、出品店表示装置10と、せり調整人操作端末11と、購買店座席端末12(12a、12b)と、せりサーバ13とから構成され、例えば、有線LAN又は無線LANでそれぞれが接続されている。
【0017】
購買店座席端末12は、後述する応札ユニットに相当するものである。ここでは、せりシステムとして中古車オークションシステムを一例に説明しているが、後述する実施の形態に係る応札ボタンは、他の商品に関するせりシステムにも適用可能である。
【0018】
出品店表示装置10は、中古車(車輌とも言う)をオークションに出品する出品店会員(バイヤー)が利用する装置であって、車輌の価格の情報や応札状況などが表示される装置である。
【0019】
せり調整人操作端末11は、オークションを調整する調整人が操作する端末であって、出品店会員からの調整の指示に基づいて、せりサーバ13に対してオークションの調整指示を出したり、オークションの開始や終了(中断を含む)の指示を出したりする端末である。
【0020】
購買店座席端末12は、オークションに出品される車輌を購入する購買店会員(ユーザ)が操作する端末であって、出品される車輌の車輌情報や価格を表示するものであり、1つの会場に数百台(最大数千台)が設置されることもある。購買店会員は、購買店座席端末12に表示される車輌情報や価格を参照し、購買店座席端末12の応札ボタンのスイッチを押下する。この押下に基づいて、購買店座席端末12はせりサーバ13に対して応札電文を送信する。
【0021】
せりサーバ13は、オークションを進行するために必要な処理を行うものである。例えば、せりサーバ13は、購買店座席端末12から応札電文を受信したり、せり調整人操作端末11から調整指示やオークションの開始や終了の指示を受信したりして、受信内容に応じた処理を行う。
【0022】
次に、上述したせりシステムで用いられる応札ユニット(購買店座席端末12)の外観の一例について図2A図2Bを用いて説明する。図2Aは応札ユニットを正面から見た図であり、図2Bは応札ユニットを側面から見た図である。図2Aに示されるように、応札ユニットは、応札ユニット本体21、応札ボタン22(22a、22b)、不図示のPCから構成され、応札ユニット本体21及び応札ボタン22は、例えば上記PCなどが設置される机やテーブルの下などに取り付けられる。また、図2Bに示されるように、応札ボタン22(応札ボタン22b)は、有線26を介して応札ユニット本体21へ接続される。
【0023】
応札ユニット本体21には、権利ランプ23、確認ボタン24、カード挿入口25が備えられている。なお、応札ユニット本体21には、これら以外の他の構成が備えられていてもよい。
【0024】
権利ランプ23は、せりの際、所定のせり金額に対し、応札ボタン22のスイッチの押下により応札(入札)をし、多数のユーザ(応札者)がいる場合、出品店側が金額を上げていき、最も高額の応札をした場合、すなわち一番手の落札権利を保有した場合に点灯されるランプである。権利ランプ23により、ユーザ(応札者)は落札したか否かを判断することができる。確認ボタン24は、一番手の落札権利を保有した場合に、購入意思があるかを最終的に確認するためのボタンである。確認ボタン24が押下されることで最終落札者が決定され、権利ランプ23の点灯が消える。カード挿入口25は、ユーザがチェックインする、すなわちせりに参加するときに所定のカード(例えば、会員カードなど)を挿入するためのものであって、カードが挿入されると、ユーザ認証が行われ、認証に問題がなければ応札が可能となる。
【0025】
応札ボタン22は、応札ユニット本体21に、例えばカールコード等の有線26で接続されており、図2Aでは2つ設置されている。この例では応札ボタン22が2つ設置されているため、レーンごとに応札することも可能であり、レーンの切り替えは、応札ユニットのPCなどで行う。
【0026】
以下では、上述した応札ボタン22の実施例について説明する。
(実施例1)
実施例1の応札ボタン22について図3を用いて説明する。実施例1の応札ボタン22は、応札ボタン22のグリップ部30に把持を検出するセンサー(検出部36)を設けるものである。図3には、応札ボタン22の断面が示されており、誤落札防止センサー作動時(把持の検出がされていない時)と、誤落札防止センサー解除時(把持の検出がされている時)の応札ボタン22の状態が示されている。
【0027】
応札ボタン22は、グリップ部30、スイッチ31、可動接点32、固定接点33、端子34、センサー接点35、検出部36、バネ37から構成されている。可動接点32、固定接点33、端子34、センサー接点35、バネ37は、スイッチ31の押下を伝達するための押下伝達機構であって、そのうちのセンサー接点35は、スイッチ31の押下の伝達の有効と無効を切り替える切替部材であり、固定接点33と端子34は、伝達部材である。
【0028】
グリップ部30は、スイッチ31などを覆う筐体であって、応札時にユーザが把持するものである。なお、グリップ部30の形状は、図3に示すような形状に限定されるものではなく、応札時の把持に支障がない形状であればよい。
【0029】
スイッチ31は、応札をする際に押下するものであって、従来から慣れ親しんだクリック感覚(押下したことを認識することができる感覚)を出すためにメカニカルなスイッチであることが好ましい。また、スイッチ31の形状は、図3に示すような形状に限定されるものではなく、例えば押下する部分に窪みをもたせるなど、押下に支障がない形状であればよい。
【0030】
可動接点32は、スイッチ31側に設けられた接点であって、バネ37が接続されており、スイッチ31の押下によってバネ37を介して上下に可動し、一定以上の力でスイッチ31が押下されることで固定接点33に接するものである。また、可動接点32の形状は、図3に示すような形状に限定されるものではなく、スイッチ31の一定以上の力での押下によって固定接点33に接するものであればよい。また、図3では、可動接点32は、バネ37を介して上下に可動しているが、バネ37以外の弾性体などであってもよい。
【0031】
固定接点33は、応札ユニット本体21側に設けられた接点であって、可動接点32が接することで、スイッチ31が押下されたことが応札ユニット本体21側に伝達される。しかし、実施例1の応札ボタン22では、単に可動接点32が固定接点33に接したのみではスイッチ31の押下は伝達されない構成となっている。なお、固定接点33の形状は、図3に示すような形状に限定されるものではなく、スイッチ31の押下によって可動接点32が接することができる形状であればよい。
【0032】
端子34は、後述するセンサー接点35が接することで、応札ユニット本体21側へのスイッチ31の押下の伝達を可能にする端子である。端子34の形状は、図3に示すような形状に限定されるものではなく、スイッチ31の押下を応札ユニット本体21へ伝達することができる形状であればよい。
【0033】
センサー接点35は、固定接点33と端子34に対して接触しない非接触状態にある接点であって、検出部36によって把持が検出されることにより、固定接点33と端子34に対して接触する接触状態となる接点である。センサー接点35を接触状態にさせるため、不図示の駆動部は、不図示の制御部による指示に基づいてセンサー接点35を駆動する。なお、図3に示すセンサー接点35は、固定接点33と端子34の双方に対して非接触状態となっているが、どちらか一方に接触した状態となっており、検出部36による把持が検出されたときに、接触していない側に対しても接触するように駆動されてもよい。また、センサー接点35の形状は、図3に示すような形状に限定されるものではなく、固定接点33と端子34が接続できるよう橋渡し可能な形状であればよい。
【0034】
検出部36は、グリップ部30に設けられ、ユーザによるグリップ部30の把持を検出するものである。なお、把持を検出する際、例えば静脈認証、加圧、ジャイロ、温度、赤外線などに基づいて検出してもよく、これらのうちの少なくともいずれか1つによってユーザの把持を検出するようにしてもよい。
【0035】
図3の誤落札防止センサー作動時では、押下伝達機構は、応札ユニット本体21へのスイッチ31の押下の伝達を無効とする無効状態となっている。この状態から、ユーザによるグリップ部30の把持によって、検出部36が把持を検出し、センサー解除となる。これにより、制御部は、押下伝達機構を押下の伝達の無効状態から有効状態に切り替えるための切替部材を駆動させるよう駆動部に指示する。すなわち、制御部は、切替部材が押下伝達機構の伝達部材に接するよう、駆動部に指示する。より具体的には、制御部は、センサー接点35を固定接点33と端子34に接続させるよう駆動部に指示を出し、指示に基づいて駆動部がセンサー接点35を駆動して固定接点33と端子34に接触させる。
【0036】
これにより、意図しないスイッチ31の押下のみでは応札はされず、誤って応札してしまうことを防ぐことができる。
【0037】
(実施例2)
実施例2の応札ボタン22について図4を用いて説明する。実施例2の応札ボタン22は、グリップ部40及びスイッチ41に、応札ユニット本体21へのスイッチ(釦)41の押下の伝達を無効とさせるロック機構46が挿入される挿入部45を設けるものである。図4には、応札ボタン22及び応札ユニット本体21の断面が示されており、グリップ(部)固定時とグリップ(部)固定解除時の応札ボタン22の状態が示されている。
【0038】
応札ボタン22は、グリップ部40、スイッチ41、可動接点42、固定接点43、端子44、挿入部45、ロック機構46、バネ47から構成されている。可動接点42、固定接点43、端子44、バネ47は、スイッチ41の押下を応札ユニット本体21へ伝達するための押下伝達機構である。なお、可動接点42、固定接点43、端子44、バネ47については、実施例1と同様であるため、説明を省略する。
【0039】
グリップ部40には、上述のように、応札ユニット本体21への押下伝達機構によるスイッチ41の押下の伝達を無効とさせるロック機構46が挿入される挿入部45が設けられている。
【0040】
スイッチ41は、実施例1で説明したスイッチ31と基本的に同様の構成であるが、実施例2では、ロック機構46が挿入される挿入部45を備える。挿入部45にロック機構46が挿入されることによって、スイッチ41の押下をしてもストッパーとなって可動接点42と固定接点43が接することはない。
【0041】
挿入部45は、ロック機構46が挿入されるものであって、グリップ部40及びスイッチ41に設けられるものである。
【0042】
ロック機構46は、挿入部45に挿入してスイッチ41の押下の伝達を無効とさせるものであって、例えば応札ユニット本体21に設置されているものである。ロック機構46は、ピン、磁力又は電磁力を利用したものであってもよい。
【0043】
図4のグリップ固定時は、ロック機構46が挿入部45に挿入された状態であり、スイッチ41の押下がされてもロック機構46がストッパーとなって、押下の伝達が応札ユニット本体21へされることはない。
【0044】
この状態から、グリップ部40の把持のためにグリップ固定を外すと、グリップ固定解除時に示すように、ロック機構46が挿入部45から抜かれた状態となる。この状態では、ロック機構46のストッパーが効かないため、スイッチ41の押下によって可動接点42と固定接点43が接して、スイッチ41の押下が応札ユニット本体21へ伝達される。
【0045】
これにより、意図しないスイッチ41の押下のみでは応札はされず、誤って応札してしまうことを防ぐことができる。
【0046】
(実施例3)
実施例3の応札ボタン22について図5A及び図5Bを用いて説明する。図5Aは、応札ボタンの側面を示す側面図であり、図5Bは応札ボタンを図5Aの矢印A−A´で切った場合の断面図である。図5Aの状態は、応札ボタン22の使用時の状態を示している。実施例3の応札ボタン22は、スイッチ51を覆うことで押下を遮断する部材であって、スイッチ51を意図せずに押下しないように、グリップ部50と略水平方向に多段階に伸縮可能な筒状のカバー部52がグリップ部50の先端部分に設置されている。カバー部52の素材は、ゴム素材、プラスチック素材、金属素材などが考えられる。
【0047】
カバー部52は、上述したように、グリップ部50と略水平方向に伸縮するものであり、応札ボタン22の不使用時には、意図しないスイッチ51の押下を防止するために、図5Aに示す状態からカバー部52を応札ユニット本体21側とは逆の略水平方向に伸ばし、応札ボタン22の使用時には、カバー部52を応札ユニット本体21側へ略水平方向に縮ませ、図5Aに示すような状態にすることにより、スイッチ51の押下が可能となる。
【0048】
なお、このカバー部52はグリップ部50と着脱可能であってもよい。カバー部52は、図5Aに示すように、スイッチ51を露出させないように蓋部を設けてもよい。その場合、応札ボタン22の使用時には、蓋部が容易に開閉したり、取り外せるなど使用に支障がないようにすることが好ましい。これにより、より意図しない押下を防ぐことができる。なお、実施例3の応札ボタン22も、実施例1や実施例2のような可動接点、固定接点、端子、バネなどの押下伝達機構を有しているが、ここでは説明を省略する。
【0049】
(実施例4)
実施例4の応札ボタン22について図6A及び図6Bを用いて説明する。図6Aは、応札ボタンの側面を示す側面図であり、図6Aの状態は、応札ボタン22の不使用時の状態を示している。図6Bは応札ボタンを図6Aの矢印B−B´で切った場合の断面図であって、図6Aに示すように、カバー部62を下げた状態ではなく、上げた状態の図である。すなわち、グリップ部60と略垂直方向に屈曲させたカバー部62をグリップ部60方向に戻しときの断面図である。
【0050】
実施例4の応札ボタン22は、スイッチ61を覆うことで押下を遮断する部材であって、スイッチ61を意図せずに押下しないように、グリップ部60と略垂直方向に多段的に屈曲し伸縮可能なカバー部62がグリップ部60の先端部分に設置されている。カバー部62の素材は、ゴム素材、プラスチック素材、金属素材などが考えられる。
【0051】
カバー部62は、上述したように、グリップ部60と略垂直方向に屈曲し伸縮するものであり、応札ボタン22の不使用時には、意図しないスイッチ61の押下を防止するためにカバー部62を図6Aに示すように多段的に屈曲させて伸ばし、応札ボタン22の使用時には、多段的に屈曲したカバー部62を開ける(グリップ60側へ戻す)ようにすることにより、スイッチ61の押下が可能となる。
【0052】
なお、このカバー部62はグリップ部60と着脱可能であってもよい。カバー部62は、図6Aに示すように、スイッチ61を露出させないように蓋部を設けてもよい。その場合、応札ボタン22の使用時には、蓋部が容易に開閉したり、取り外せるなど使用に支障がないようにすることが好ましい。これにより、より意図しない押下を防ぐことができる。なお、実施例4の応札ボタン22も、実施例1や実施例2のような可動接点、固定接点、端子、バネなどの押下伝達機構を有しているが、ここでは説明を省略する。
【0053】
上述した実施例以外にも、例えば上述したようなセンサーによる把持の検出によって、グリップ部内に格納されていたスイッチが出現し、押下できる状態になる応札ボタンであってもよい。これにより、把持していないときには、スイッチが露出していないため、意図しないでスイッチを押下することを防止することができる。
【0054】
以上、複数の実施例について説明したが、上述した実施例を複数組み合わせて1つの実施例とすることも可能である。これにより、より意図しない押下を防ぐことができる。
【0055】
上述したような応札ボタンによれば、従来の応札ボタンの操作方法を変更することなく、意図しないスイッチの押下を防止し、意図しないスイッチの押下による時間的、金銭的な負担を解消することができる。さらに、せり会場の信用の失墜を防ぎ、成約率の向上につながるとともに、クレーム処理などの対応時間の削減ができ、せり会場の運営者やバイヤーにとって有益となる。
【0056】
また、上述した実施の形態は、上述したものに限定されるものではなく、実施の形態の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
【符号の説明】
【0057】
1 中古車オークションシステム
10 出品店表示装置
11 せり調整人操作端末
12(12a、12b) 購買店座席端末
13 せりサーバ
21 応札ユニット本体
22(22a、22b) 応札ボタン
23 権利ランプ
24 確認ボタン
25 カード挿入口
26 有線
30、40、50、60 グリップ部
31、41、51、61 スイッチ
32、42 可動接点
33、43 固定接点
34、44 端子
35 センサー接点
36 検出部
37、47 バネ
45 挿入部
46 ロック機構
52、62 カバー部
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B