(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記隙間(226)が、前記透光性の合成樹脂層(210)の内部で反射する光が前記隙間(226)へ進入することを防止する媒体で満たされていることを特徴とする請求項1記載の装置(100)。
前記非透光性のコーティング(214)が、前記合成樹脂層(210)の表面に設けられた黒色の塗装層であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の装置(100)。
前記拡散要素(224)が、全体として前記採光竪穴(222)へ挿入される要素として構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の装置(100)。
前記拡散要素(224)へ入射する光の発出のための照明手段(451)が、前記拡散要素(224)における前記合成樹脂層(210)とは反対側に配置されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の装置(100)。
表示すべき別のシンボルのための別のシンボル面(318)が前記非透光性のコーティング(214)から白抜きされており、前記非透光性の中間構成要素(220)が、前記別のシンボル面(318)の外部において、及び前記別のシンボル面(318)を包囲するように前記非透光性のコーティング(214)に設けられており、かつ、前記別のシンボル面(318)に隣接する別の採光竪穴(422)を形成しており、別の拡散要素(524)が、前記別の採光竪穴(422)の内部において、及び別の隙間(526)により前記別のシンボル面(318)に対して間隔をおいて配置されており、かつ、前記別の拡散要素(524)へ入射する光を前記別のシンボル面(318)の照明のために散光へ変換するように形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の装置(100)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような背景から、本発明は、独立請求項による、少なくとも1つのシンボルを表示するための、車両用の改善された装置と、車両ギヤ装置のシフトのためのシフト装置と、少なくとも1つのシンボルを表示するための車両用の装置を製造するための方法と、少なくとも1つのシンボルを表示するための方法とを得るものである。好ましい構成は、従属請求項と以下の説明から明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
装置によって表示されるべきシンボルは、シンボル面の照明によって散光により表示されることができる。散光は、拡散要素を用いて、バックライトにより準備され得る。不都合な光作用を防止するために、シンボル面と拡散要素の間に隙間を設けることができる。一実施例によれば、拡散要素は、バックライトがオフされている場合にもシンボルが観察者にとって認識可能に構成されることができる。
【0007】
少なくとも1つのシンボルを表示するための、車両用の装置は、以下の特徴:
非透光性のコーティングを有する透光性の合成樹脂層を備え、前記装置によって表示されるべきシンボルのためのシンボル面が前記非透光性のコーティングから白抜きされること、
前記シンボル面の外部に、及び前記シンボル面を包囲するように前記非透光性のコーティングへ設けられ、かつ、前記シンボル面に隣接する採光竪穴を形成する、非透光性の中間構成要素を備えていること、並びに
前記採光竪穴の内部に、及び隙間により前記シンボル面に対して間隔をおいて配置され、かつ、当該拡散要素へ入射する光を前記シンボル面の照明のために散光へ変換するように形成されている拡散要素を備えている。
【0008】
この装置は、例えば車両用のギヤ装置用のシフト装置のためのシフトノブに対して用いられることができる。この装置は、1つ又は複数のシンボルを表示するために用いられ得る。シンボルは、例えば数字、文字又は絵文字であり得る。装置の動作中には、このようなシンボルは、バックライトによって照明されることができる。透光性の合成樹脂層は、透明に構成されることができる。透光性の合成樹脂層は、1つ又は複数の層を含むことができる。透光性の合成樹脂層は、硬質材料コーティング又は奥行き効果の形成のためのコーティングを含むことができる。合成樹脂層は、装置の外側の表面を形成することができるとともに、したがって外部の影響にさらされ得る。非透光性のコーティングは、例えば、合成樹脂層上に設けられた黒色又は暗色の着色層であり得る。シンボル面は、装置によって表示されるべきシンボルの面に対応することができる。シンボル面の範囲には、合成樹脂層の非透光性のコーティングが除去されることができる。これに代えて、シンボル面は、非透光性のコーティングの設置時に合成樹脂層へ白抜きされることが可能である。したがって、シンボル面は、非透光性のコーティングによって覆われていない合成樹脂層の範囲と呼ぶことができる。非透光性の中間構成要素は、ブルーミング作用を防止するように形成されることが可能である。また、中間構成要素は、合成樹脂層を安定化するために形成されることができる。採光竪穴は、一方側が合成樹脂層によって覆われた円筒状の空間として構成され得る。拡散要素は、合成樹脂要素であり得る。拡散要素における合成樹脂層とは反対側の表面は、隙間によって非透光性のコーティングから分離され、シンボル面の範囲では合成樹脂層から分離されることが可能である。隙間の厚さは、例えば拡散要素の厚さの1/10よりも小さいことがあり得る。拡散要素へ入射する光は、照明手段、例えば発光ダイオードによって生じ得る。入射する光は、合成樹脂層とは反対に向いた側から拡散要素へ入射することができ、拡散要素の材料性状により拡散され、すなわち例えば散乱されることができ、散光として、拡散要素における光性樹脂層とは反対側の表面から出射されることができ、隙間へ入射し、隙間からシンボル面へ入射することが可能である。例えば、拡散要素は、入射する光を散光へ変換するための散乱光粒子を備えることが可能である。
【0009】
拡散要素とシンボル面の間の隙間は、透光性の合成樹脂層の内部で全反射する光が隙間へ進入することを防止する媒体で満たされることができる。この媒体は、例えば気体又は真空であり得る。これにより、合成樹脂層の内部で拡散する光線が拡散要素へ照射され、これにより不都合な光作用がシンボル面において引き起こされることを防止することができる。
【0010】
例えば、隙間は空気で満たされることができる。このことは、安価に実現可能である。
【0011】
拡散要素は、着色手段を含むことができる。着色手段によって、拡散要素から発出される散光の明色を設定することが可能である。明色は、装置の観察者にとってシンボルが現れるように示すことができる。したがって、合成樹脂層に対して無色のフィルムを用いることができるとともに、拡散要素とシンボル面の間に着色された中間層が不要である。
【0012】
透光性の合成樹脂層は、合成ポリマ又は熱可塑性の合成樹脂から製造されることが可能である。このようなフィルムは、湾曲されたシンボル面の実現にも適したものである。合成樹脂層は、あらかじめ硬化又は硬化された塗装層を硬質材料コーティングとして備えることが可能である。このような塗装層は、非常に薄く構成されることができるにもかかわらず、非常に大きな傷に対する抵抗性を備えることができる。
【0013】
非透光性のコーティングは、合成樹脂層の表面に設けられた暗色、例えば黒色の塗装層であり得る。このような塗装層により、シンボル面の外部での光の発出を確実に防止することが可能である。
【0014】
拡散要素は、全体として採光竪穴へ挿入される要素として構成されることが可能である。例えば、拡散要素は、例えば射出された合成樹脂から成る、合成樹脂層又は合成樹脂の非透光性のコーティングへスナップされるか、又は押圧された小さなブロックであり得る。このような要素は、例えば係合式又は嵌合式の結合によって採光竪穴に固定されることができる。このような結合は、容易に形成され得る。
【0015】
これに代えて、拡散要素は、採光竪穴においてシンボル面へ射出される材料から製造された要素として構成されることができる。このとき、要素は、材料の硬化時に中間構成要素での材料の永続的な付着と、シンボル面での隙間の形成のために、該隙間における付着を消失させる特性を備えることが可能である。これにより、拡散要素は、採光竪穴に溶着式に固定されることができる。さらに、隙間を非常に狭く構成することが可能である。
【0016】
装置は、拡散要素へ入射する光の発出のための照明手段を含むことができる。この照明手段は、拡散要素における合成樹脂層とは反対側に配置されることが可能である。照明手段は、人にとって視認可能なスペクトル範囲において光を発出するように形成されることができる。光は、白色光又は白色とは異なる色を有する光であり得る。照明手段は、採光竪穴又は採光竪穴の開口部において対向して配置され得る。
【0017】
装置の一実施形態によれば、表示すべき別のシンボルのための別のシンボル面が非透光性のコーティングから白抜きされることができる。非透光性の中間構成要素は、別のシンボル面の外部において、及び別のシンボル面を包囲するように非透光性のコーティングに設けられることができ、かつ、別のシンボル面に隣接する別の採光竪穴を形成することができる。別の拡散要素は、別の採光竪穴の内部において、及び別の隙間により別のシンボル面に対して間隔をおいて配置されることができ、かつ、別の拡散要素へ入射する光を別のシンボル面の照明のために散光へ変換するように形成されることができる。採光竪穴及び別の採光竪穴は互いに隣接して配置されたり、中間構成要素によって形成された壁部によって分離して配置されることが可能である。この形式では、互いに2つのシンボルが表示され得る。このアプローチは、適当な態様で別のシンボルへ拡張されることが可能である。
【0018】
この装置は、例えば車両用の車両ギヤ装置のシフトのためのシフト装置に関連して用いられることができる。車両ギヤ装置のシフトのための対応するシフト装置は、例えば車両ギヤ装置の設定された動作段を表示するための対応する装置を備えることが可能である。この装置は、より小さな全体厚さで実現され得るとともに、これによりシフト装置における使用に特に適したものとなっている。
【0019】
少なくとも1つのシンボルを表示するための車両用の装置を製造するための方法は、以下のステップ:
非透光性のコーティングを有する透光性の合成樹脂層から成る設備を準備し、装置によって表示されるべきシンボルのためのシンボル面が非透光性のコーティングから白抜きされており、シンボル面の外部において、及びシンボル面を包囲するように非透光性のコーティングに配置されており、かつ、シンボル面に隣接する採光竪穴を形成する非透光性の中間構成要素を準備すること、並びに
採光竪穴の内部において、及び隙間によりシンボル面に対して隙間をおいて拡散要素を配置し、該拡散要素が、該拡散要素へ入射する光をシンボル面の照明のために散光へ変換するように形成されていることを含んでいる。
【0020】
配置のステップは、異なる態様で実行されることができ、例えば、拡散要素が完成部分として採光竪穴に設けられるか、又は採光竪穴の内部で初めて成形されるかに依存して実行されることができる。
【0021】
例えば、配置するステップにおいて、拡散要素の形成のための材料は採光竪穴におけるシンボル面へ射出されることができ、材料は、当該材料の硬化時に中間構成要素での材料の永続的な付着と、シンボル面での隙間の形成のために該隙間における付着を消失させる特性を備えている。
【0022】
少なくとも1つのシンボルを表示するための方法は、以下のステップ:
採光竪穴に配置された拡散要素へ入射する光を散光へ変換すること、及び
シンボルを表示するために、隙間を通して、透光性の合成樹脂層の非透光性のコーティングから白抜きされているシンボル面へ散光を導くこと
を含んでいる。
【0023】
方法の各ステップは、例えば上述の装置の設備の利用により実行されることが可能である。
【0024】
以下に、添付の図面に基づき本発明を例示的に詳細に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の好ましい実施例の以下の説明においては、異なる図に示され、類似に作用する要素には同一又は類似の符号が用いられており、これら要素の繰り返しの説明は省略される。
【0027】
図1には、本発明の実施例による少なくとも1つのシンボルの表示のための装置100の概略的な図示が示されている。例示的に、装置100が車両102内、例えば乗用車内に配置されている。車両102は、ギヤ装置104と、このギヤ装置104のシフトのためのシフト装置106とを備えている。車両102の運転者は、シフト装置106を介して異なる動作段、例えば異なるギヤ段又はギヤ装置104若しくは車両102の異なる動作モードを設定することが可能である。装置100は、設定可能な動作段をシンボルによって運転者へ表示するために形成されている。例えば、装置100は、更にシフト装置106のシフトレバーに配置されることも可能である。ある動作段の設定のために、運転者は、例えばシフトレバーをその動作段に割り当てられたシフトゲートへ案内することが可能である。
【0028】
一実施例によれば、装置100は多要素シンボルインサート又は多要素ディスプレイとして構成されている。装置100は、例えば入れられたシフトゲート(P,R,N,D/S,+,−など)を表示するために、点灯可能な要素、例えばシフト部、例えばシフトノブにおいて用いられることが可能である。
【0029】
装置100は、車両102の他の構成要素と併せて用いられることも可能である。また、装置100は、車両分野のほかにも、例えば土木技術における用途に対しても用いることが可能である。
【0030】
図2には、本発明の実施例による少なくとも1つのシンボルの表示のための装置100の概略的な図示が示されている。装置100は横断面で示されている。装置100は、シンボルを表示させるために形成されている。装置100は、複数のシンボル、例えば
図1に基づき説明したように異なるシフト部のシフトゲートの異なる表示のための複数のシンボルを表示するために拡張されることが可能である。
【0031】
装置100は、透光性の合成樹脂層210を備えている。合成樹脂層210は、装置100の観察者にとって視認可能な装置100の表面を表す側において、オプションとして硬質材料コーティング212を備えており、この硬質材料コーティングによって、装置100は損傷、例えば傷から保護され得る。硬質材料コーティング212は、表示するシンボルの奥行き効果を生じさせる厚さを備えることが可能である。背側、すなわち観察者とは反対側では、合成樹脂層210が非透光性のコーティング214を備えている。この非透光性のコーティング214は、全面的に構成されておらず、合成樹脂層210のシンボル面216の範囲において凹部を備えている。シンボル面216は、装置100によって表示されるシンボルを規定するものである。合成樹脂層210と、したがってシンボル面216とは、この実施例により無色かつ透明である。
【0032】
非透光性のコーティング214上には、非透光性の中間構成要素220が設けられている。ここで、この中間構成要素220は、シンボル面216の外部に配置されているとともに、シンボル面216をリング状に包囲している。これにより、中間構成要素220の周囲の壁部によって、シンボル面216に隣接する採光竪穴222が得られる。この採光竪穴222は、円筒状であり得る。採光竪穴222を形成する中間構成要素220の壁部は、合成樹脂層210に対して横方向に整向され得る。採光竪穴222の長手延長軸線は、シンボル面216に対して垂直に整向され得る。
【0033】
採光竪穴222の内部には拡散要素224が配置されている。この拡散要素224は、本実施例に基づき、非透光性のコーティング214の隣接する表面と直接接触して配置されているが、合成樹脂層210のシンボル面216からは隙間226によって分離されている。代替的な実施例によれば、隙間226は、更に拡散要素224と非透光性のコーティング214の間で延在している。
【0034】
したがって、隙間226は、拡散要素224及び非透光性のコーティング214とシンボル面216の間又は少なくとも拡散要素224とシンボル面216の間にある。隙間216は、例えば完全に空気で満たされた空隙として構成されることができる。特に、拡散要素224と発光面216の間に着色層がない。
【0035】
本実施例によれば、拡散要素224は、採光竪穴222を形成する中間構成要素220の壁部間で完全に延在しているとともに、これら壁部に隣接している。本実施例によれば、採光竪穴222は、拡散要素224を通して長手方向に完全にはふさがれない。
【0036】
合成樹脂層210に対向する拡散要素224の側から拡散要素224へ当てられる光232は、拡散要素224へ入射され、拡散要素224によって散乱されるか、又は展開される。光232の少なくとも一部は、隙間226及びシンボル面216を通してシンボルを表示するために装置100から出射されるために、散光234として拡散要素224からシンボル面216の方向へ出ていく。光232が適当な照明手段により準備され得る。このような照明手段は、装置100の一部であるか、又は分離して準備されることが可能である。
【0037】
散光234によって、シンボル面216は、装置100の光動作モードにおいて照らされることができ、その結果、シンボル面216が装置100の観察者にとってシンボルを示す自己発光面として見える。
【0038】
装置100の別の動作モードにおいては、光232が拡散要素224を通してシンボル面216へ導かれることができない。この場合、シンボル面216は、外乱光に基づき、シンボルを表す面として見える。このとき、シンボルは、観察者にとって、拡散要素224によって設定された色に見える。
【0039】
一実施例によれば、拡散要素224は、シンボル面216を観察者にとって着色されているように見えるように形成された着色剤を備えている。シンボル面216の着色された外観は、観察者にとって、シンボル面216が拡散要素224を通して光232で照射される場合にも、またシンボル面216が外乱光によって照射される場合にも、視認できることが可能である。合成樹脂層210は、無色又はほぼ無色であり得る。これにより、拡散要素224は、合成樹脂層210を通して観察者にとって視認可能である。
【0040】
非透光性のコーティング214は、透光性のコーティング層として構成され得る。例えば、非透光性のコーティング214は、暗色、例えば黒色のコーティング層であり得る。
【0041】
一実施例によれば、中間構成要素220も、また拡散要素224も、非透光性のコーティング214上へ吹き付けられた材料で製造されている。これに代えて、拡散要素224が採光竪穴222へ挿入され、固定される要素であり得る。これに加えて、例えば拡散要素224又は採光竪穴222において適当な固定手段を備えることも可能である。
【0042】
合成樹脂層210とは反対に向いた拡散要素224の表面は、平坦であるか、又は構造化されることが可能である。構造化された表面は、例えば光232の光源の方向への湾曲部又は隆起部を備えることが可能である。このような構造により、散光234への光232の変化が強化され得る。散光234への光232の変化のために、拡散要素224は、散乱光粒子又は散乱光顔料を備えることが可能である。
【0043】
上述のアプローチに対応して説明した表示装置100により、永続的に示された、例えばガラス光学系及び奥行き効果を有する表示モジュール又はディスプレイにおける白色のシンボルにおいてブルーミングの防止が可能である。
【0044】
図3には、本発明の一実施例による少なくとも1つのシンボルの表示のための装置100の平面図が示されている。装置100の観察者にとって視認可能な装置100の表面は、丸められた角部を有する本質的に長方形の形状を備えている。装置100は、ある状態においてバックライトなしに示されている。
【0045】
装置100は、シンボル「R」を示すためのシンボル面216、シンボル「N」を示すためのシンボル面316、シンボル「D」を示すためのシンボル面317及びシンボル「P」を示すためのシンボル面318によって形成される、表示されるべき4つのシンボルを備えている。
観察者にとって、装置100の非透光性のコーティング214は、暗色の平面、ここでは黒色の平面として認識され得る。非透光性のコーティング214からシンボル面216,316,317,318が抜き出されている。シンボル面216,316,317,318を形成する非透光性のコーティング214の凹部により、明色、ここでは白色の拡散要素がシンボル面216,316,317の下方で認識され得る。
【0046】
全てのシンボル、例えばP,R,N,Dは、底部から照明されることが可能である。あるギヤ段へ入れられると、このシンボルがLED(スポット照明)の明らかにより明るい照明によって認識される。
【0047】
図4には、少なくとも1つのシンボルの表示のための装置400の概略図が示されている。図示の装置400は、4つのシンボルを表示するように形成されている。
【0048】
装置400は透光性の合成樹脂層210を備えており、この合成樹脂層の下側には、シンボルの表示のためのシンボル面の範囲に複数の凹部を備えた非透光性のコーティング214が配置されている。合成樹脂層210とは反対に向いた非透光性のコーティング214の表面には、非透光性の中間構成要素220が設けられている。この中間構成要素220は、ここでは符号を付して2つのみ左側に図示された4つの採光竪穴222,422を形成するためにシンボル面の範囲にそれぞれ1つの凹部を備えている。中間構成要素220は、非透光性のコーティング214と装置400の回路基板435の間に配置されている。シンボル面は、それぞれ着色層441,443によって覆われている。採光竪穴222,422には、それぞれ1つの照明手段451,453が配置されている。この照明手段451,453は、回路基板435上に配置されている。
【0049】
採光竪穴222内に配置された照明手段451は、動作中の状態で示されている。照明手段451は、光232を照射するように形成されている。光232は、着色層441へ照射され、合成樹脂層210の内部でシンボルの表示のための照射特性445を生成する。着色層441から合成樹脂層210へ伝達される光232の一部は、合成樹脂層210の外表面において反射され、例えば、採光竪穴222に隣接して配置された採光竪穴422の隣接した着色層443へ照射され、これにより、採光竪穴422の照明手段453ではなく、採光竪穴222の照明手段451によって引き起こされる不都合な照射特性447が生成される。
【0050】
一実施例によれば、合成樹脂層210がポリメタクリル酸メチル(PMMA)又はポリカーボネート(PC)で製造される。例えば、これは、Makrofol(登録商標)−フィルムであり得る。
【0051】
着色層443は、白色の塗装面として構成され得る。
【0052】
回路基板435は、照明手段451,453としての発光ダイオードを有する回路基板435として構成されることができる。
【0053】
表示されるべきシンボルがPMMA/PC層の下方で多くの場合約1.5mmの厚さで示される「奥行き効果」を有するディスプレイ用途及びシンボルインサート用途において、約0.25mmの薄い第1のPCフィルムとして黒色に塗装され、所望のシンボルが自由にレーザ照射され、つづいてシンボルを示すシンボル面が再び白色に塗装される。そして、このフィルムは、変形され、ガラス光学系又は奥行き効果のためにPMMAによって吹き付けられる。そして、これらシンボルは、個々にそれぞれスポット照明されるか、又は底部で照明される。
【0054】
シンボル面がスポット照明で示される場合には、この明るい照明がこれに隣接して位置する白色のシンボルへ照射される。このことはディスプレイ又はシンボルインサートに基づき生じる。ここで、光が白色に塗装されたシンボルへ向けて照射されると、光線は、大きな照射角度(ランバート反射特性)でその上方に位置するPMMA又はPC210へ更に導かれる。全反射に基づき、光はこの「ガラス層」210の内部でこれに隣接して位置するシンボルまで至る。既にやや弱まった光線がこれに隣接する白色のシンボルへ照射されると、この光線は、白色の塗装の物理的な特性によりほぼランパート反射特性的に反射し、
図4に示されているように底部の照明を有する範囲において重なる。
【0055】
図5には、本発明の一実施例による少なくとも1つのシンボルを表示するための装置100の概略的な図が示されている。これは、
図3に示した装置100であってよい。装置100の構造は、本質的に
図2に記載された装置100の構造に対応し、
図5に示された装置100は4つのシンボルの表示のための4つのシンボル面を備えている。
【0056】
装置100は透光性の合成樹脂層210を備えており、この合成樹脂層の下側には、シンボルの表示のためのシンボル面の範囲に複数の凹部を備えた非透光性のコーティング214が配置されている。合成樹脂層210とは反対に向いた非透光性のコーティング214の表面には、非透光性の中間構成要素220が設けられている。この中間構成要素220は、4つの採光竪穴222,422,522,523を形成するためにシンボル面の範囲にそれぞれ1つの凹部を備えている。中間構成要素220は、非透光性のコーティング214と装置100の回路基板435の間に配置されている。各採光竪穴222,422,522,523にはそれぞれ1つの拡散要素224,524が配置されており、左側に図示された両採光竪穴222,522の拡散要素224,524にのみ符号が付されている。拡散要素224,524と合成樹脂層210の間にはそれぞれ1つの隙間226,526が配置されている。
【0057】
奥行き効果の実現のために、合成樹脂層210は、非透光性のコーティング214とは反対側に奥行き効果を生じさせる厚さを有する合成樹脂から成る層を備えた合成樹脂フィルムを含むことが可能である。
【0058】
採光竪穴222,422,522,523にはそれぞれ1つの照明手段451,453が配置されており、左側に図示された両採光竪穴222,422の照明手段451,453のみに符号が付されている。照明手段451,453は、回路基板435上に配置されている。
【0059】
採光竪穴222に配置された照明手段451は、動作中の状態で示されている。照明手段451は、光232を照射するように形成されている。光232は、拡散要素224へ照射されるとともに、拡散要素224の内部において、隙間224及び隙間224に隣接するシンボル面を越えて光性樹脂層210を通り、装置の観察者100にとってシンボルに見える散光に基づき照射特性561を生成する。
【0060】
隙間224を越えて合成樹脂層210内へ伝達される、合成樹脂層210の内部で反射される光は、合成樹脂層210と拡散要素224,524の間の隙間226,526に基づき、他の拡散要素224,524における別の照射特性を形成しない。これにより、例えば、採光竪穴22の照明手段451の光232が、隣接する採光竪穴422の拡散要素524内へ伝達され、拡散要素524に対向するシンボル面が装置の観察者にとって視認可能であることを防止することが可能である。
【0061】
一実施例によれば、合成樹脂層210がポリメタクリル酸メチル(PMMA)又はポリカーボネート(PC)で製造される。例えば、これは、Makrofol(登録商標)−フィルムであり得る。合成樹脂層210の代わりに、PMMAフィルム又はPCフィルム、例えばMakrofol(登録商標)−フィルム及びその下に位置するすなわち装置100の外側を形成するPMMA又はPCから成る層から成る複合物を用いることも可能である。
【0062】
隙間226,526は、それぞれ空隙として構成され得る。
【0063】
拡散要素224,524は、それぞれ色を備えたディフューザ、例えば白色のディフューザとして構成され得る。
【0064】
照明手段451,453は、発光ダイオード(LED)として構成され得る。したがって、回路基板435は、発光ダイオード451,453を備えた回路基板435であり得る。
【0065】
図示の装置100を、例えば入れられたギヤ選択段(P,R,N,Dなど)の表示のために、例えばシフトレバーに設けることが可能である。
【0066】
拡散要素224及び隙間226を通って合成樹脂層210へ入射する光が、内側の全反射によって、例えば白色のシンボルの図示のために隣接する拡散要素524内へ至ることを防止するために、一実施例によれば、拡散要素224,524の着色された、例えば白色の材料と合成樹脂層210の透明な材料(PC/PMMA)の間にそれぞれ隙間226,526、ここでは空隙が配置される。これにより、光が、整向されつつ全反射によって更に伝達され、拡散要素224,524の着色された材料においては観察者の方向へランバート式に反射されないこととなる。
【0067】
このことを実現するために、例えば自由にレーザ照射されたシンボル面の範囲は塗装されない。その代わり、ここでは、
図4に示された装置とは異なり、新たな材料が付け加えられる。それにもかかわらず、すなわち照明手段451,453を通したバックライトがオフされている場合にも例えば白いシンボルでの永続的な図示を保証するために、ここでは白色の材料がシンボルの着色のために用いられる。シンボルの範囲において、小さなブロックとして射出された白色のMakrolon(登録商標)が用いられ、シンボル面へスナップされ、押圧されるなどされることができ、その結果、永続的な図示を保証するために、材料が、PMMA/PCから成るオーバーモールドされたフィルムから成る層210へできる限り直接接触する。この材料は、前の塗装のように層210のフィルムに結合されていないため、いまや空隙226,526が両材料の間に存在する。これにより自由にレーザ照射されるシンボルにおいて光線が全反射し、したがって、光線がディスプレイあるいはシンボルインサート又はこれに類似のものの外部範囲まで反射され、したがって、
図5に示されているように視認性が喪失されない。
【0068】
したがって、シンボルからシンボルへのブルーミングは、大部分が相殺されるか、あるいは視認不能であり、ほとんど測定できない。
【0069】
これに代えて、アセンブリ射出成形法によって例えば白色の構成要素すなわちここでは拡散要素224,524をバック射出成形することが可能である。材料の好ましい選択により、例えばPC/PMMAから成る拡散要素224,524の形態の白色の構成要素が、例えばABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)から成る中間要素220支持材料にとどまる。さらに、減少により、例えばシンボル面の範囲においてPMMA/PCから成る透光性のフィルムへの付着がなくなる。このとき、上述のように光の全反射に関与する空隙226,526が生じる。
【0070】
材料の組合せとして、一方では隙間226,526の形成のために、他方では採光竪穴222,422,522,523における拡散要素224,524の確実な固定の形成のために、例えば第1の構成要素としてABS/PS(PS=ポリスチロール)、PA6、PA6.6(ポリアミド)又はPCのような材料と、第2の構成要素としてPMMAとが適している。ABSとPMMAの組合せは、良好な付着性を生じさせる。その他の材料のPMMAとの組合せは、付着性を生じさせない。
【0071】
上述のアプローチにより、同色のスポット照明及び底部照明の場合に、シンボルのスポット照明からのブルーミングによる底部照明されたシンボルの底部照明が不均一となることを防止することが可能である。スポット照明及び底部照明の色が異なる場合にも、このブルーミングにより明らかに認識可能な底部照明されたシンボルの色の悪化が生じることを防止することが可能である。
【0072】
図6には、本発明の一実施例による、少なくとも1つのシンボルの表示のための装置を製造するための方法のフローチャートが示されている。例えば、この方法を用いて、先行する図に基づいて説明される装置を製造することが可能である。
【0073】
ステップ671では、非透光性の層を有する透光性の樹脂層及び非透光性の中間構成要素から成る配置が準備される。この場合、装置によって表示されるべき少なくとも1つのシンボルのための少なくとも1つのシンボル面が非透光性の層から白抜きされる。中間構成要素は、少なくとも1つのシンボル面の外部において、かつ、少なくとも1つのシンボル面を包囲するように非透光性の層に配置されているとともに、少なくとも1つのシンボル面へ隣接する少なくとも1つの採光竪穴を形成する。
【0074】
ステップ673では、拡散要素が採光竪穴内へ配置されるか、又は各拡散要素が複数の採光竪穴のそれぞれへ配置され、拡散要素とシンボル面の間に隙間が残存する。
【0075】
一実施例によれば、準備のステップ671においてまずは合成樹脂層が準備され、つづいて非透光性の層によってコーティングされる。その後、少なくとも1つのシンボル面が、非透光性の層の一部を除去することで露出される。つづいて、中間構成要素が例えば吹付けによって非透光性のコーティング上に設けられる。
【0076】
一実施例によれば、配置のステップ673では、各採光竪穴へあらかじめ成形された拡散要素が導入され、固定される。これに代えて、配置のステップ673では、拡散要素を成形するために、拡散要素を形成する材料が各採光竪穴のシンボル面へ設けられる。材料の設置は、射出工程によって実行されることが可能である。このとき、拡散要素のための材料と中間構成要素のための材料の間の材料の組合せは、成形が完了した拡散要素が中間構成要素に付着したままとなるように選択される。これに対して、拡散要素のための材料とシンボル面のための材料の間の材料の組合せは、成形が完了した拡散要素がシンボル面に付着しないように選択され、その結果、拡散要素とシンボル面の間の隙間が生じる。
【0077】
図7には、本発明の一実施例による、少なくとも1つのシンボルの表示のための方法のフローチャートが示されている。この方法は、例えば上述の装置と関連して実行され得る。
【0078】
ここで、ステップ771では、光が、拡散要素の使用により散光へ変換され、つづいて、ステップ773において隙間を通してシンボルの表示のためのシンボル面へ導かれる。シンボル面は、非透光性の包囲する面の内部において透光性の面として構成されることができる。
【0079】
ステップ771では、所望の明色でシンボルを表示することができるよう、拡散要素の使用により光の明色が適合され得る。
【0080】
シンボルをバックライトがオフされている場合において表示するために、ステップ771の代わりに、シンボル面及び隙間を通って拡散要素へ入射する光が拡散要素によって、隙間及びシンボル面を通して反射されることが可能である。このとき、ここでも、シンボルを所望の明色で表示できるように、拡散要素を用いて光の明色を適合することが可能である。
【0081】
上述の、及び図面に示された実施例は、例示的にのみ選択されている。異なる複数の実施例を、完全に、又は個々の特徴に関して互いに組み合わせることが可能である。他の実施例の特徴によって1つの実施例を補足することも可能である。
【0082】
また、本発明による方法ステップを繰り返すことも可能であり、上述の順序とは異なるように実行することも可能である。
【0083】
第1の特徴と第2の特徴の間の「及び/又は」による結合を実施例が含む場合には、これを一実施形態による実施例が第1の特徴も、また第2の特徴を備え、かつ、他の実施形態により第1の特徴のみ又は第2の特徴のみを備えるものと読むことができる。