特許第6467507号(P6467507)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6467507ワークピースをへら絞りするための装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6467507
(24)【登録日】2019年1月18日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】ワークピースをへら絞りするための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B21D 22/16 20060101AFI20190204BHJP
【FI】
   B21D22/16 H
   B21D22/16 A
   B21D22/16 C
【請求項の数】15
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-524344(P2017-524344)
(86)(22)【出願日】2015年11月4日
(65)【公表番号】特表2018-500173(P2018-500173A)
(43)【公表日】2018年1月11日
(86)【国際出願番号】EP2015075673
(87)【国際公開番号】WO2016083086
(87)【国際公開日】20160602
【審査請求日】2017年5月29日
(31)【優先権主張番号】14004035.3
(32)【優先日】2014年11月28日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】309018009
【氏名又は名称】レプコン・マシン・アンド・トゥール・インダストリー・アンド・トレード・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】ケスターマイアー・カール‐ハインツ
【審査官】 豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭57−112911(JP,A)
【文献】 特開昭57−118824(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 22/14 − 22/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の中空体状のワークピース(2)の外側輪郭部へ作用する回転可能な第1の外側の成形工具(3,3.1)と、前記ワークピース(2)の内側輪郭部に作用する第1の内側の成形工具(6,6.1)とを有する、前記ワークピース(2,2.1,2.2)をへら絞りするための装置(1)であって、前記第1のワークピース(2)が、第1のワークピース軸線(X,X.1)周りに回転可能であり、材料が前記第1の成形工具(3,3.1,6,6.1)間で流動化されることで、前記成形工具(3,3.1,6,6.1)間に形成された成形領域において前記第1の内側の成形工具(6,6.1)及び前記第1の外側の成形工具(3,3.1)によって作用される圧力で可塑的に成形可能である、前記装置において、
当該装置(1)が、前記第1の外側の成形工具(3,3.1)を駆動するための駆動部(4)を備えていること、及び当該装置(1)が、前記第1の外側の成形工具(3,3.1)と共に共通の回転軸線(R)上に配置された、回転可能な第2の外側の成形工具(3.2)を備えていることを特徴とする装置。
【請求項2】
記駆動部(4)が、前記第1の外側の成形工具(3,3.1)と前記第2の外側の成形工具(3.2)とを駆動するための共通の駆動部(4)であることを特徴とする請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
当該装置(1)が第1のワークピース収容装置を備えており、該第1のワークピース収容装置が、第1のワークピース支持部(16,16.1)と第1のワークピースカウンタ支持部(7,7.1)の間で前記第1のワークピース(2)が前記第1のワークピース軸線(X,X.1)の方向において軸方向に緊張可能であるように形成されており、前記第1のワークピース支持部(16,16.1)及び前記第1のワークピースカウンタ支持部(7,7.1)が、前記第1の外側の成形工具(3,3.1)に対して相対的に前記第1のワークピース軸線(X,X.1)に沿って軸方向に変位可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の装置(1)。
【請求項4】
当該装置(1)が第2のワークピース収容装置を備えており、該第2のワークピース収容装置が、第2のワークピース支持部(16.2)と第2のワークピースカウンダ支持部(7.2)の間で第2のワークピース(2)が第2のワークピース軸線(X.2)の方向において軸方向に緊張可能であるように形成されており、前記第2のワークピース支持部(16.2)及び前記第2のワークピースカウンタ支持部(7.2)が、第2の外側の成形工具に対して相対的に前記第2のワークピース軸線(X.2)に沿って軸方向に変位可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記第1のワークピース収容装置及び前記第2のワークピース収容装置が、前記駆動部(4)の互いに反対側に配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項6】
前記第1の外側の成形工具(3.1)及び前記第2の外側の成形工具(3.2)が共通の回転軸線(R)上に配置されており、該回転軸線(R)が前記第1及び/又は前記第2のワークピース軸線(X,X.1,X.2)に対して鋭角に延びていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項7】
前記第1のワークピース収容装置及び前記第2のワークピース収容装置が、これら両ワークピース収容装置がそれぞれ成形された前記ワークピース(2)及び/又はそれぞれ前記ワークピース収容装置の少なくとも1つの部分範囲を収容するための共通の空間範囲(15)を用いるように形成及び配置されており、前記両ワークピース収容装置の前記ワークピースカウンタ支持部(7.1,7.2)が共通のワークピース収容範囲内方へ変位可能であり、前記第1のワークピース収容装置及び前記第2のワークピース収容装置が共通のワークピース軸線(X)を有していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項8】
当該装置が別の複数外側の成形工具(19)を備えており、これら成形工具は、前記ワークピース軸線(X,X.1,X.2)に対して、前記第1の外側の成形工具(3,3.1)及び/又は前記第2の外側の成形工具(3.2)が作用する同一の垂直な平面において、前記各ワークピース(2)の前記外側輪郭部で作用することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項9】
当該装置が、前記第1のワークピース軸線(X,X.1)に沿って連続して配置された複数の外側の成形工具(3.1,3.2,3.3)を備えていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項10】
前記第1及び前記第2の外側の成形工具(3,3.1,3.2)が、送りのために送り軸線(Z)周りに旋回可能であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項11】
求項1〜10のいずれか1項に記載の装置(1)を用いて、ワークピース(2)をへら絞りするための方法であって、回転する少なくとも1つの第1の外側の成形工具(3,3.1)が、中空体状の第1のワークピース(2)の外側輪郭部において作用し、前記第1の外側の成形工具(3,3.1)が、第1の内側の成形工具(6,6.1)と前記第1の外側の成形工具(3,3.1)の間で成形領域が生じるように前記ワークピース(2)の内部に配置された第1の内側の成形工具(6,6.1)と協働し、前記成形領域では、前記第1のワークピース(2)の材料が前記第1の成形工具(3,3.1,6,6.1)により作用される圧力によって流動化される、前記方法において、
前記第1のワークピース(2)が、前記第1の外側の成形工具(3,3.1)によって、第1のワークピース軸線(X,X.1)周りに回転されることを特徴とする方法。
【請求項12】
回転する、前記第1の外側の成形工具(3,3.1)と共に共通の駆動部(4)で駆動される第2の外側の成形工具(3.2)が、第2の中空体状のワークピース(2)の外側輪郭部において作用し、前記第2の外側の成形工具(3.2)が、第2の内側の成形工具(6.2)と前記第2の外側の成形工具(3.2)の間で成形領域が生じるように第2のワークピース(2)の内部に配置された前記第2の内側の成形工具(6.2)と協働し、前記成形領域では、前記第2のワークピース(2)の材料が前記第2の成形工具により作用する圧力によって流動化され、前記第2のワークピース(2)が、前記第2の外側の成形工具(3.2)によって第2のワークピース軸線(X.2)周りに回転されることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のワークピース(2)及び前記第2のワークピース(2)が、成形時に、前記第1及び/又は前記第2のワークピース軸線(X,X.1,X.2)に沿って逆方向に移動することを特徴とする請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1及び前記第2のワークピース(2)が、成形中に、それぞれ前記第1又は前記第2の外側の成形工具(3.1,3.2)に割り当てられた第1又は第2のワークピース収容装置に収容されており、一方の前記ワークピース収容装置内での前記ワークピースの成形中に、他方のワークピース収容装置内で前記ワークピースが交換されることを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
それぞれ前記内側の成形工具と協働する前記外側の成形工具(3,3.1,3.2)に対する、前記各内側の成形工具(6,6.1,6.2)に割り当てられた前記ワークピース軸線(X,X.1,X.2)に沿った前記第1及び/又は前記第2の内側の成形工具(6,6.1,6.2)の相対的な位置によって、加工されるべき前記ワークピース(2)の内径が、前記成形領域の各位置において、前記各ワークピース軸線(X,X.1,X.2)に沿ってあらかじめ設定されることを特徴とする請求項11〜14のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項の前提部分による、中空体状のワークピースをへら絞りするための装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
へら絞りするための装置及び方法は、例えば特許文献1から知られている。これにおける方法では、プリフォームあるいは半製品の可塑的な成形によって、好ましくは回転対称及び/又は旋回対称なワークピースが加工される。このとき、へら絞りは、特に冷間成形方法、すなわち、ワークピースの成形されるべき特に金属の材料の再結晶温度未満で行われる方法である。特に好ましくは、ワークピースが室温において装置へ供給されるため、へら絞り方法の実行中には、可塑的に成形された材料の内部摩擦によって成形中に生じる加熱によってのみ温度がワークピースの供給温度から上昇する。
【0003】
この種の方法及び装置における成形作用は、内側及び外側の成形工具によって生じ、これら成形工具は、中空体状のワークピースの内側輪郭部及び外側輪郭部において作用する。このとき、外側の成形工具はワークピースの外側輪郭部へ圧力を作用させ、このワークピースは、ここでもその内部輪郭部において内側の成形工具で支持される。このように成形工具間で生じる圧力によって、工具間に成形領域が生じ、この成形領域では、ワークピースの材料が可塑化されるとともに流動し始める。このとき、ワークピースは、ワークピース軸線周りに回転するとともに、送り運動において、外側及び/又は内側の成形工具に対して相対的にワークピース軸線に沿って進行する。回転と送り運動の重ね合わせによって、成形領域が、ワークピースの流動に伴いワークピースによるほぼらせん状の運動において移動する。このとき、変形領域における材料は、ワークピース軸線に対して相対的に、軸方向、径方向及び/又はワークピース軸線周りのワークピースの周方向において流動する。
【0004】
この種の方法及び装置により、ワークピースの内径、外径及び/又は壁厚が影響を受けるか、あるいは変更され得るだけではなく、特別な輪郭を成形することも可能である。したがって、特にワークピースの内側輪郭部において、例えば補強リブ、歯及び/又はその他の輪郭部を成形することが可能である。
【0005】
このとき、この種の公知の方法及び装置においては、特許文献1に記載されているように、ワークピースが軸方向に緊張され、適当なワークピース支持部及びワークピースカウンタ支持部がワークピース支持部の両端において作用する。しかし、これに代えて、及び/又はこれに加えて、チャックの使用も考えられる。従来技術によれば、ワークピースは、上述の緊張手段によって固定されるのみならず、回転もされる。すなわち、装置の回転駆動部が、規則的にスピンドルケース内に収容され、それぞれ用いられる緊張手段を介してワークピースへ作用する。
【0006】
このとき、駆動部は、ワークピースの意図的な変形を可能とするために、重大な駆動出力と、これに対応して大きなトルクを発揮する必要がある。加えて、この場合、ワークピース軸線に沿った送りを可能とするために、駆動装置は規則的に進行可能である必要がある。生じる大きな出力の駆動部は、装置全体あるいは方法全体に関して重大な原価要素である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2127775号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第2343138号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の課題は、従来技術に比してよりわずかな投資コストにつながる、ワークピースをへら絞りのための方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、独立請求項の特徴を有する装置及び方法によって解決される。従属請求項の特徴は、有利な実施形態に関するものである。
【0010】
本発明によれば、装置は、外側の成形工具を駆動するための駆動部を備えている。したがって、好ましくは成形ローラとして形成されている外側の成形工具は、本発明による方法によれば、ワークピースをワークピース軸線周りに回転させて送ることが可能である。このような駆動される成形工具により、従来の、ワークピースへ直接作用する従来のこの種の装置の回転駆動部が負荷軽減されるか、又は置換され得る。このとき、驚くべきことに、ワークピースの回転の本発明による駆動部においては、上記従来技術によるワークピースの回転の駆動がなされる装置と同一の成形効果の達成のために、外側の成形工具を介して大幅に低減された駆動出力が必要であることが分かった。大幅に削減された必要な駆動出力についての考えられる説明は、ワークピースの回転の本発明による駆動においては、全体としてよりわずかな摩擦損失が外側の成形工具を介して発生することである。これに合わせて、外側の成形工具の周速がワークピースとの接触範囲においてワークピースの表面における周速よりも最小限にのみ大きいように外側の成形工具の速度あるいは回転数を調整することも十分である。
【0011】
このとき、駆動される外側の成形工具のほかに、ワークピース軸線に対して垂直な同一の平面における別の成形工具がワークピースの外側輪郭部において作用することが可能である。このとき、同様に、別の外側の成形工具は、駆動されるか、又は駆動されない従来の外側の成形工具であり得る。しかし、このとき、外側の成形工具は、好ましくは均等にワークピースの周囲にわたって分配して配置される。その結果、個々の外側の成形工具によって発揮される径方向においてワークピースへ作用する力は、好ましくは互いに相殺される。このようにして、ワークピースは、内側の成形工具が径方向において作用する力を受け入れる必要なく、内側の成形工具において支持され得る。
【0012】
また、有利には、複数の外側の成形工具をワークピース軸線に沿って配置することも考えられる。このような構成においては、本発明による方法による複数の成形ステップを同一のワークピースにおいて本発明による装置の唯一の過程において実行することが可能である。このことは、大きな成形度合いが達成されるべき場合に特に有利である。このとき、各成形ステップによって外側及び/又は内側のワークピース直径が変化するため、特に有利には、各外側の成形工具の駆動パラメータ特に周速を各成形領域の事情に適合させることが可能である。成形ユニットが同一のワークピースによって同時に行われる場合には、このようにして、ワークピース軸線に沿って連続して配置された個々の成形ユニットにおいて生じるすべり損失及び摩擦損失を目的をもって最小化することが可能である。
【0013】
使用できる駆動容量の効率的な使用に伴う別の有利な発展形成は、本発明による装置が、好ましくは第1の成形工具と共通の駆動部によって駆動される第2の外側の成形工具を備えていることにある。これにより、駆動部によって提供される駆動出力を駆動される複数の成形工具において引き出すことができることを目標とする本発明による装置の構造上の変更が可能となる。
【0014】
これにより、有利には、本発明による装置の様々なワークピース収容装置におけるワークピースの製造時に交互の動作が可能となる。このとき、ワークピース収容装置は好ましくはワークピース支持部及びワークピースカウンタ支持部で構成されており、これらの間にはワークピースがワークピース軸線に沿って軸方向に緊張している。複数の、好ましくは2つのこのようなワークピース収容装置が共通の駆動ユニットに割り当てられていれば、一方のワークピース収容ユニットにおいてワークピースの成形が行われる一方、他方のワークピース収容ユニットは、成形されるべきワークピースを備えるか、又は成形されたワークピースがこのワークピース収容ユニットから取り出される。このようにして、他のワークピース収容装置においてワークピースを成形するために、ワークピース収容装置に割り当てられる駆動部のためにワークピース収容装置の送り時に強制的に生じる中断時間を用いることが可能である。これにより、2倍又は複数倍の製造容量を可能とし、このとき外側の成形工具のための駆動装置あるいは外側の成形工具のみが必要な装置が最終的に得られる。
【0015】
以下に、図1図9に基づき、本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】例示的な本発明による装置の概略的な図である。
図2】共通のワークピース軸線に沿って配置された2つのワークピース収容装置を有する別の例示的な本発明による装置の概略的な図である。
図3】成形前及び成形後のクラッチケーシングの形態の例示的なワークピースを示す図である。
図4】長いワークピースの製造のために設計された別の例示的な本発明による装置を示す図である。
図5図4に図示された例示的な本発明による装置の拡大図である。
図6図4に図示された例示的な本発明による装置の拡大図である。
図7】共通の駆動部の使用時の、2つのワークピース収容装置における長いワークピースの同時の製造を可能とする例示的な本発明による装置を示す図である。
図8図7に図示された装置を他の視点から見た図である。
図9】両ワークピース収容装置におて同一の送り装置によって加工が行われることができるようにワークピース収容装置が配置された、図7及び図8に示された装置の変更された形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1に図示された例示的な本発明による装置1は、工具2の外側輪郭部において作用する外側の成形工具3を備えている。外側の成形工具3は、図示の例においては成形ローラとして形成されている。例示的な装置1は、外側の成形工具3を駆動するための駆動部4を備えている。例えば特に油圧シリンダとして構成され得るインフィード装置5により、径方向への外側の成形工具3の送り込みが可能となる。このとき、径方向への送り込みは、成形領域に生じるワークピース2の外径をあらかじめ設定するのに役立つものである。
【0018】
内側の成形工具6は、図1に図示された装置の場合にはマンドレルとして形成されている。この例示的な形成においては、マンドレルとして形成された内側の成形工具6が、ワークピース支持部の機能も受け持つものであるとともに、ワークピースカウンタ支持部7と共に例示的なワークピース収容装置を形成している。内側の成形工具6は、内側の成形工具のための収容部8において収容されている。このとき、内側の成形工具6は、内側の成形工具6が流動性の材料及び/又は回転するワークピースの周方向の運動に従うことができるように、好ましくは収容部8に対して回転可能に支持されている。収容部8と、したがって内側の成形工具6とは、好ましくはワークピース軸線Xに沿って変位するよう支持されている。このために好ましくはリニアガイド10が設けられており、このリニアガイドは、収容部8を機械フレーム11に結合するものである。例えば送りシリンダとして形成され得る送り装置9が、図示の例では好ましくは送り運動の実行に寄与する。このとき、送り装置9は好ましくはカウンタ押圧装置12と協働し、このカウンタ押圧装置は、ワークピースカウンタ支持部7を介して、ワークピース軸線Xに沿ってカウンタ力をワークピースへ作用させるものであり、その結果、ワークピースの軸方向の緊張がワークピースカウンタ支持部7とワークピース支持部として作用する内側の成形工具6の間で生じる。
【0019】
内側の成形工具6は、図示の例では、有利には輪郭表面を備えている。成形時には、可塑化された材料が内側の成形工具の表面の輪郭部へ流入する。このようにして、成形されたワークピースの内側輪郭部に複数の輪郭部が生じ得る。行われたワークピース2の成形後に再び内側の成形工具6を取り外すことができるように、例示的な本発明による装置1は、有利には、ワークピース2を内側の成形工具6から取り外すためのワークピース取外し装置13を備えている。ワークピース取外し装置13は、例において示されているように、削り取り装置として構成されることができる。図示の例では、この削り取り装置は、ワークピース取外し装置がワークピース軸線Xに沿って内側の成形工具6に対して相対的に移動するよう機能し、その結果、内側の成形工具6を収容したワークピース2は、ワークピース取外し装置13によって捕捉され、内側の成形工具6によって削り取られる。
【0020】
図示の例に代えて、例えば特許文献2から公知のような内側の成形工具6を有する本発明による装置1を構成することが可能である。このような内側の成形工具6は、内側の成形工具における成形領域の位置と、したがって生じる内側のワークピース直径とが内側の成形工具6と外側の成形工具3の相対的な位置によってワークピース軸線Xに沿ってあらかじめ設定され得ることで特徴付けられている。これが可能であるように、ワークピース2は内側の成形工具6に対して相対的にワークピース軸線Xに沿って変位可能である必要があり、すなわち、この場合、内側の成形工具6は、規則的にワークピース支持部の機能も受け持つことができない。
【0021】
このとき、本発明との関連で記載された各実施例においては、加工されるべき部材の種類に依存して、図1に図示されているような内側の成形工具6又は他の形態で形成された内側の成形工具6、特に特許文献2の意味における内側の成形工具6を設けることが基本的には可能である。各実施例を示す内側の成形工具6のタイプは単なる例示である。これに対応して、図2に図示された実施例は、例示的に2つの内側の成形工具6.1,6.2によって構成されており、これら内側の成形工具は、図1に図示された内側の成形工具に対応している。
【0022】
図3には、例示的に、成形前のワークピース2.1と、成形後のワークピース2.2とが図示されている。軸線に沿った図示及び成形されたワークピース2.2の断面図は、輪郭を描かれた内側輪郭部を有するワークピース2.2を特に内側の成形工具6.1又は6.2がその外側輪郭部の対応した輪郭部を有する場合に加工することができることを明らかに示すものである。
【0023】
図2に図示された例示的な本発明による装置1は、特に、装置1が第1のワークピース収容装置と第2のワークピース収容装置とを備えている点で図1に図示された例示的な本発明による装置と異なっている。このとき、両ワークピース収容装置は、好ましくは同一で共通のワークピース軸線X上に配置されている。第1のワークピース収容装置は、図示の例では、好ましくは、第1のワークピース支持部として作用する第1の内側の成形工具6.1によって形成されており、この第1の内側の成形工具は、ワークピース2を軸方向において緊張させるために第1のワークピース支持部7.1と協働する。対応して、好ましくは第2の内側の成形工具6.2は、好ましくはさらに第2のワークピース支持部7.2と協働する第2のワークピース支持部としてのその機能において第2のワークピース収容装置を形成している。
【0024】
2つのワークピース収容装置によって、有利には、個々のワークピース収容装置間の交互の動作においてワークピースを加工することが可能である。このとき、一方のワークピース収容装置が新たなワークピース2.1を備えるか、又は成形が完了したワークピース2.2が取り出される一方、他方のワークピース収容装置ではワークピース2が成形される。
【0025】
対応して、図示された例示的な装置1は、第1の外側の成形工具3.1と、第2の外側の成形工具3.2とを備えており、これら成形工具は、共通の駆動部4によって駆動される。このとき、好ましくは、第1の外側の成形工具3.1及び第2の外側の成形工具3.2が共通の軸上に配置されている。
【0026】
外側の成形工具3.1,3.2のうちそれぞれ1つは、成形ユニット14における、両ワークピース収容装置のうち1つに対向する側に配置されている。したがって、成形ユニット14の中心には、第1のカウンタ支持部7.1又は第2のカウンタ支持部7.2がワークピース2の送り運動によって当該空間範囲へ押し戻され得る空間範囲が形成されている。したがって、空間範囲15は、両ワークピースカウンタ支持部7.1,7.2によって、好ましくは、少なくとも両ワークピースカウンタ支持部7.1,7.2に作用するカウンダ押圧装置12が空間範囲15内に配置されているように両ワークピース収容装置によって共通に用いられる。
【0027】
図4図5及び図6には例示的な本発明による装置が図示されており、この装置は、特に例えば照明装置又はこれに類するもののための柱のような長いワークピースの加工に適している。この有利な実施形態は、特に、ワークピース軸線Xに沿って複数の、図示の例では3つの成形ユニット14が連続して配置されている。このとき、個々の成形ユニット14は、図示の例において、その構造についてそれぞれ図1に図示された例示的な成形ユニット14に対応している。図4に図示された装置1と図1に図示された装置1の間の本質的な差異は、ワークピース2の支持部の構成と内側の成形工具6の構成にある。ワークピース2は、ワークピース支持部16とワークピースカウンタ支持部7の間においてワークピース軸線Xに沿って緊張されている。図示の例では、内側の成形工具6は、好ましくはワークピース軸線X周りに回転可能に、内側の成形工具のための収容部8において収容されている。収容部8、ワークピース支持部16及び/又はワークピースカウンタ支持部7は、ワークピース軸線Xに沿って変位可能に形成されており、特にリニアガイド10によって機械フレーム11において収容されている。
【0028】
図4に図示された装置1による成形中には、まず、第1の外側の成形工具3.1がワークピース2の外側輪郭部において作用する。送り運動が進行するにつれて、第1の外側の成形工具3.1によってあらかじめ成形されたワークピース2の範囲が第2の外側の成形工具3.2の作用範囲へ至り、この第2の外側の成形工具がワークピース2における更なる変形ステップを実行する。図示の例では、ワークピースは、更に第3の外側の成形工具3.3を通り抜けている。しかし、記載した態様で適宜の数の外側の成形工具を互いにワークピース2において作用させることが基本的に可能である。
【0029】
長いワークピースの支持をこのように改善するために、複数の支持装置17を設けることが可能である。これら支持装置は、例えばサポートローラであり得る。支持装置17は、好ましくは、当該支持装置がワークピース2の重量の支持を可能とするもののこのとき同時にワークピース2の運動を許容するように形成されている。したがって、当該サポートローラによって軸方向の変位及び/又はワークピース軸線X周りの回転が可能となるように配向されているサポートローラであり得る。特に好ましくは、サポートローラが旋回可能であるため、これらサポートローラにより、ワークピースの軸方向の変位及び回転が選択的に可能となるか、あるいは軸方向の変位と回転の重なりが適当な角度位置によって許容され得る。
【0030】
図7及び図8には、本発明の別の有利な実施形態が図示されている。この装置1は、共通の駆動部4によって駆動される、第1の外側の成形工具3.1及び第2の外側の成形工具3.2を使用することができる。ワークピース収容装置は、外側の成形工具3.1,3.2の共通の駆動部4の互いに反対側において配置されている。外側の成形工具3.1,3.2は、好ましくは同様に共通の軸上に配置されている。
【0031】
例示的に図示されたワークピース収容装置は、好ましくはそれぞれ1つのワークピース支持部16.1あるいは16.2を備えている。ワークピース支持部16.1あるいは16.2とは反対側には、ワークピース2が、図示の例ではセンタリングマンドレル18によってのみセンタリングされているが、軸方向においてこのセンタリングマンドレル上で変位可能である。ワークピース支持部のこのような種類は、当然、上述の他の実施例によっても実現され得る。同様に、図7及び図8に示された、ワークピース支持部を有する装置を上述の実施例の意味において構成することも可能である。
【0032】
本発明による装置1は、いまや、駆動ユニット4によってワークピースを両ワークピース収容装置内で加工することが可能であるという利点を有している。
【0033】
このとき、有利には、外側の成形工具3.1,3.2の共通の軸線を送り軸線Z周りに旋回させることで、外側の成形工具3.1,3.2の送りが可能である。好ましくは、このとき、成形ユニット14全体は、駆動部と、好ましくは共通の軸を介してこの駆動部に結合された成形工具3.1,3.2と共に旋回可能に支持されている。送り軸線Zは、好ましくはワークピース軸線X.1,X.2によって規定された平面に対して垂直に延びている。したがって、成形工具3.1,3.2の共通の回転軸線Rは、成形中に、第1のワークピース軸線X.1及び/又は第2のワークピース軸線X.2に対して鋭角に延びている。
【0034】
図9には図7及び図8に図示された装置1の変更が示されており、この変更は、第1及び第2のワークピース軸線X.1,X.2に沿ったワークピース2の送り方向が同一の方向へ向けられている点でのみ異なっている。一方、図7及び図8に図示された実施形態においては、送り方向は互いに逆である。
【0035】
図示の実施例全体において、本発明により駆動される成形工具3のように、ワークピース軸線Xに対して垂直な同一の平面においてワークピース2に作用する別の複数の成形工具が存在することも可能である。このとき、同様に、これら別の成形工具19は駆動され得る。駆動されない成形工具19であってもよい。好ましくは、これら成形工具は、径方向に作用する個々の成形工具の力が相殺されるように周囲にわたって分配して配置されている。このようにして、成形工具が曲げモーメントで負荷されることなく、ワークピース2の内側輪郭部が成形中に内側の成形工具6において支持されることが可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9