【実施例】
【0109】
実施例1:ビーグル犬に対するカプロモレリン1年間連日投与の安全性
【0110】
本試験はイヌにおけるカプロモレリンの安全性を評価した。32匹のビーグル犬が無作為に4群(n=4匹/性別/群)に割り当てられ、そして連続12か月間経管経口投与により1日に1回0mg/kg、0.39mg/kg、9.2mg/kg、または52.4mg/kgのカプロモレリンが(酒石酸塩当たりで計算された用量で)投与された。臨床徴候、摂食量、体重、臨床病理学、尿検査、眼科学、心電図および生命徴候をはじめとする安全性パラメーターを評価した。試験期間中の様々な時点で収集された血漿試料の中のカプロモレリン、GHおよびIGF−1を測定した。投与期間の最後にイヌを人道的に安楽死させ、死体の解剖を行った。選別された臓器の重量を量り、顕微鏡検査のために組織試料を収集および処理した。
【0111】
12か月間の一日用量52.4mg/kg(イヌの提唱臨床用量の活性成分濃度のおよそ17.5倍)までのカプロモレリンによって最小限の毒性しか生じず、摂食量、体重、眼科検査、生命徴候または肉眼的病変について負の効果は無かった。カプロモレリンに関連する臨床徴候は、試験期間中に突発的に認められた流涎および軟便に限定された。時折の嘔吐エピソードが観察され、治療とは無関係と見なされた。比較的に高用量での治療には赤い/むくんだ足の発生率の上昇と関連した。剖検によって確認されたが、経管投与中にカプロモレリンが誤って気管に送達されたときに1匹の52.4mg/kg群のイヌが死亡した。
【0112】
心電図データにより、投与から1〜2時間後に平均血圧を心拍数で割った商(PRQ)の間隔のわずかな増加が52.4mg/kg群と9.2mg/kg群に示された。しかしながら、心臓に組織学的病変は観察されなかった。概して臨床病理学パラメーターと尿検査パラメーターは正常範囲内にあるか、または一貫した用量/時間相関を有さなかった。しかしながら、赤血球、ヘモグロビンおよびヘマトクリットのわずかな減少は52.4mg/kg群では臨床的に重要であるように見えなかった。
【0113】
コレステロール、高密度リポタンパク質(HDL)および血清アルカリホスファターゼのレベルはプラセボと比較して52.4mg/kg群において統計学的に有意に増加し、個々の動物の値は正常基準範囲の上限限界にあるか、またはそれより少し上にある傾向があった。52.4mg/kgの用量のカプロモレリンで処置されたイヌにおける肝臓の絶対重量の増加が認められた。肝細胞の細胞質空胞化のわずかな増加が全てのカプロモレリン処理群において見られた。血漿中カプロモレリンレベルは用量の増加と共に上昇し、90日目、181日目、および349日目において同様のレベルであり、薬品の蓄積を示さず、性別に関連する差は存在しなかった。血漿中GHレベルはカプロモレリン処置後の1日目、170日目、および351日目に予想通りに中程度に上昇した。GHの応答は、ネガティブフィードバックによって制御され、カプロモレリン処置に対するGH応答の程度が経時的に縮小した。血漿中IGF−1レベルはカプロモレリン処置後に上昇し、1日前、1日目、7日目、14日目、21日目、28日目、62日目、121日目、170日目、および351日目に採取された血漿が示すように上昇したレベルが長時間にわたり持続した。
【0114】
この試験の結果はカプロモレリンが12ヶ月間52.4mg/kgまでの用量を投与されたイヌにおいてよく忍容されることを示した。さらに、前記の高い用量は提唱される臨床用量の約17.5倍であるが、この試験はカプロモレリンの予期される広範囲の安全域を示している。
【0115】
実施例2:21日間のネコにおけるカプロモレリンの効力
32匹のネコ(16匹の去勢されたオス、16匹のメス)が1群当たり各性別につき4匹の動物を含む4つの処置群に分けられた。それらのネコを試験開始前の10日間試験環境に順応させた。全てのネコに、プラセボ(第1群)または1mg/kg(第2群)、2mg/kg(第3群)もしくは3mg/kg(第4群)のカプロモレリン(30mg/mlの経口溶液、上記の製剤9)を、1日目に投与を開始して21日間経口投与した。身体検査を10日前に実施し、一般健康観察を毎日行った。体重を10日前、8日前、1日前、1日目、8日目、15日目および22日目に評価した。投与から約1時間後にネコに給餌した。市販の乾燥キャットフード(300g)を5時間与え、その後取り出し、消費された食物の量(g)をネコ毎に算出した。1日目、14日目および21日目に血液試料を一日用量の投与の前と投与から8時間後に採取し、そしてIGF−1レベルの測定のために血清に加工した。
【0116】
12日目に2匹の実験動物(第1群と第4群からそれぞれ1匹のオス)を試験とは無関係の理由で除き、データ分析に含めなかった。3mg/kg群のネコ4M4は処置の最初の8日の間に大幅に体重を減少し、その後で反発し、体重を戻し始めた。このネコ(4M4)のデータを含んだ体重増加の統計分析とこのデータを含まない体重増加の統計分析を完成させた。
【0117】
全ての処置群が試験期間(1日目から21日目の平均)と比べてベースライン期間(3日前、2日前および1日前の平均)から増加した平均摂食量を有することが観察された。
図1を参照すると、プラセボのネコ(第1群)はベースラインに対して10.83%の平均食物摂取量の増加を有し、一方で3つのカプロモレリン群(第2群、第3群、および第4群)はベースラインに対してそれぞれ25.32%、45.67%および29.59%の平均食物摂取量の増加を有し、第3群だけがプラセボ群と比較して統計学的に有意な(p<0.01)摂食量の増加を示した。
【0118】
平均値の摂食量分析について、1日目から21日目までの期間(p=0.0066)、1日目から7日目までの期間(p=0.0004)および8日目から14日目までの期間(p=0.0164)での全体的処置効果が統計学的に有意であることがわかった。1日目から7日目までの期間について、各投与群のペアワイズ比較はプラセボ群と比較して統計学的に有意に差があることがわかった(1mg/kg群(p=0.0418)、2mg/kg群(p=0.0002)、および3mg/kg群(p=0.0022))。1日目から21日目までの期間について、2mg/kg群だけ(平均値=45.67%、p=0.0019)がプラセボ(平均値=10.83%)と統計学的に有意に差があることがわかった。2mg/kg群(平均値=54.42%、p=0.0052)は8日目から14日目までの期間についてもプラセボと統計学的に有意に差があることがわかった。
【0119】
図2および
図3を参照すると、カプロモレリン処置群の平均体重は21日間の曝露期間中に増加した。第2群、第3群、および第4群はそれぞれ5.41%、6.61%および3.92%増加し、一方でプラセボ群はわずかな量の体重を減少させた(1.11%減)。第3群については、8日目、15日目および22日目にそれぞれ3.23%、5.97%および6.61%の増加が測定され、3時点全てでプラセボとの平均パーセント体重変化率の統計学的有意差(p<0.05)が観察された。驚くべきことに、第2群は15日目(4.24%)と22日目(5.41%)ではプラセボと比較して統計学的に有意に増加している(p<0.05)が、8日目ではそうではない平均パーセント体重変化率を有した。
【0120】
処置×性別の交互作用は摂食量または体重増加のどちらについても統計学的に有意ではなく(p>0.05)、このことは処置の効果が雄ネコと雌ネコで同様であることを示した。
【0121】
図4〜7を参照すると、第1群ではIGF−1レベルが試験期間を通してベースラインレベルに留まった。1日目には群平均血清中IGF−1レベルが投与後0時間から8時間までに第2群、第3群、および第4群についてそれぞれ46.69%、29.38%および36.77%上昇した。14日目にはIGF−1レベルは0時間目で比較的に高レベルに維持された。したがって、投与後0時間から8時間までの血清中IGF−1レベルの群平均上昇度が縮小した(第2群、第3群、および第4群についてそれぞれ17.27%、9.00%および18.56%)。21日目には、投与後0時間から8時間までの群平均IGF−1レベル、が第2群、第3群、および第4群についてそれぞれ9.81%、2.68%および5.17%上昇したので、比較的に小さなIGF−1応答の傾向が続いた。14日目および21日目におけるカプロモレリン処置後の比較的に小さなIGF−1レベルの上昇は、毎日反復されるカプロモレリン処置により生じるIGF−1の持続的増加が14日目までに存在するという事実のためであった。
【0122】
まとめると、カプロモレリンにより実験ネコにおいて食物摂取量が増加し、体重増加が促進され、IGF−1の持続的増加が引き起こされた。
【0123】
実施例3:ネコにおける6mg/kgの経口用量でのカプロモレリン連日投与91日間の安全性
この対照研究は、プラセボを91日間連日投与される4匹の成猫(第1群)とカプロモレリン(上で説明された製剤9)を91日間連日投与される8匹の成猫(第2群)を含む2つの処置群を含んだ。11日の順化期間の後、全てのネコに毎日6時間の間食物を提供した。11日前、1日前、1日目、14日目、30日目、59日目、75日目、および91日目に全てのネコの体重を量った。1日目から91日目まで、カプロモレリンを0mg/kgまたは6mg/kgの用量レベルで動物に1日に1回注射器によって経口投与した。投与から1時間後に全てのネコに6時間の間食物を提供した。目的の変数には体重増加/体重減少、摂食量、臨床病理学、およびIGF−1とGHについての血清分析が含まれた。
【0124】
1日目、30日目、59日目、および91日目に血液試料を一日用量の投与の前と投与から8時間後に収集し、そしてIGF−1レベルとGHレベルの分析のために処理して血清にした。血液学パラメーターには白血球数(WBC)、ヘモグロビン(HgB)、赤血球数(RBC)、血小板数(PLT)、血小板形態、ヘマトクリット(HCT)、平均赤血球容積(MCV)、平均赤血球ヘモグロビン量(MCH)、WBC分析像、RBCとWBCの形態、平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)、網状赤血球、および血液塗抹が含まれた。測定された血清化学パラメーターにはアルブミン(ALB)、クレアチンキナーゼ(CK)、アルブミン/グロブリン比(A/G)、グロブリン(GLOB)、アルカリホスファターゼ(ALP)、グルコース(GLU)、フルクトサミン、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、血中尿素窒素(BUN)、リン(PHOS)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、塩素(CI)、ナトリウム(Na)、コレステロール(CHOL)、総タンパク質(TP)、クレアチニン(CRE)、総ビリルビン(TBIL)、BUN/クレアチニン比、およびナトリウム/カリウム比が含まれた。
【0125】
尿検査のために全てのネコから膀胱穿刺を介して、および/またはパン/トレイの中での回収により尿試料を収集した。血液採取の前に全ての動物を少なくとも8時間絶食させた。測定された尿検査パラメーターには比重(SG)、pH(PH)、色(COL)、清澄度(CLAR)、血液(BLO)、タンパク質(UPRO)、ビリルビン(UBIL)、グルコース(UGLU)、ケトン(KET)、ならびにRBC/hpf、WBC/hpf、細菌(BACT)、上皮細胞、粘液、円柱および結晶の沈渣の顕微鏡検査が含まれた。
【0126】
試験期間中で最も一般的な臨床的所見は過流涎(唾液過多)、舌打ち、嘔吐、および頭部加振であった。これらの所見は投与後まもなくに見られ、通常は5分以内に解消された。他の異常な一般的健康所見または臨床所見は観察されなかった。
【0127】
概して全ての動物が曝露期間の間に体重を維持し、または増加させた(1日目から91日目までの体重の計算結果)。体重に関して第1群(プラセボ)のオスの動物は相対的に変化しなかったが、第2群(カプロモレリン)のオスの動物の平均値が中程度に増加した。体重に関して第2群のメスの動物の平均値は第1群のメスの動物と比較してわずかに増加した。
【0128】
カプロモレリンで処置されたネコは明らかに体重を増加させた(
図8)。プラセボ対照ネコは試験期間中に同じ体重を維持した。処置の効果と処置×試験日の交互作用項は統計学的に有意であることがわかった(p<0.0001)。ベースライン(1日目)からの変化は14日目(p=0.0026)、30日目(p=0.0005)、59日目(p<0.0001)、75日目(p<0.0001)および91日目(p<0.0001)の処置群間で統計学的に有意であった。カプロモレリン群についての平均変化は14日目、30日目、59日目、75日目、および91日目にそれぞれ0.26kg、0.46kg、0.64kg、0.73kg、および0.80kgであった。プラセボ群についての平均変化は14日目、30日目、59日目、75日目、および91日目にそれぞれ0.00kg、0.11kg、0.00kg、0.00kg、および0.16kgであった。体重変化率の分析について、処置効果は統計学的に有意であった(p=0.0011)。平均変化率はカプロモレリンについては0.0086であり、プラセボ群については0.0010であった(8.6倍)。
【0129】
カプロモレリン処置ネコはプラセボ処置ネコと比較して摂食量が増加した(
図9、P値=0.0909)。この摂食傾向は強い統計学的有意性を示さなかった。確かに6mg/kgの用量のカプロモレリンでの処置はネコの摂食量に対して負の影響を与えなかった。試験期間中(11日前から90日目)、全ての動物について摂食量を毎日算出した。順化期間中に全ての動物の3日前から1日前までの平均を用いてベースライン摂食量の値を算出した。摂食量について、処置効果のp値は0.0909であった(給餌が他の日と一致しなかったので83日目と84日目を分析に含めなかった)。ベースラインからの平均変化はカプロモレリンについては14.95グラムであり、プラセボについては11.84グラムであった。変化率の分析について、処置効果のp値は0.0565であった。平均変化率はカプロモレリンについては1.2396であり、プラセボ群については0.9590であった。1という比率は、各日において、さらに1グラムの食物が摂取されたことを表している。カプロモレリン処置ネコにおいて見られる比率は1よりも大きいので、1グラムよりもわずかに多くの食物が各日に消費された。
【0130】
プラセボ対照と比較してカプロモレリン処置ネコでは処置後にGHが増加したことがデータから示されている(
図10)。GHの増加はカプロモレリン処置の初日に非常に顕著であった。GHの増加は毎日のカプロモレリン処置が30日目、59日目、および91日目と進行すると減衰した。このことはGH分泌を引き起こすホルモン機構に対するネガティブフィードバックを表している。
【0131】
プラセボ対照と比較してカプロモレリン処置ネコでは処置後にIGF−1が増加したことがデータから示されている(
図11)。カプロモレリン処置がぞく連日続くと共にIGF−1の増加が維持された。IGF−1の持続した増加は30日目にピークに達し、その後で経時的に縮小した。
【0132】
BUNレベル(mg/dL)は順化期から91日目まで大半のネコにおいてわずかに高くなる傾向があった(
図12)。BUNレベルは対照ネコおよびカプロモレリンネコで同様であった。全ての観察結果が正常基準範囲内であった。クレアチニンレベル(mg/dL)は順化期から91日目まで大半のネコにおいて横ばいである傾向があった(
図13)。クレアチニンレベルは対照ネコおよびカプロモレリンネコで同様であった。全ての観察結果が正常基準範囲内であった。BUNとクレアチニンは慢性腎臓病の可能性をモニタリングするためのパラメーターであり、カプロモレリン処置ネコがプラセボ処置ネコと差があることが示されていないので、この試験において認められた傾向は有望なものである。
【0133】
概して臨床病理学安全性パラメーターの統計学的有意差は臨床的には有意差が無かった。血清グルコースレベルがプラセボ群と比較してカプロモレリン群において上昇し、且つ、経時的に上昇する傾向があった(
図14)。グルコース値は正常基準範囲を超えなかった。フルクトサミンは慢性高血糖症のモニタリングにおいて用いられるパラメーターである。カプロモレリンが関連する血清フルクトサミンレベルの傾向は存在しなかった(
図15)。フルクトサミン値は正常基準範囲を超えなかった。尿グルコースレベルは1匹のカプロモレリン処置ネコと1匹のプラセボ処置ネコにおける微妙な読み取り値を除いて陰性であった。カプロモレリン処置ネコに慢性高血糖症が無かったことは明らかである。
【0134】
まとめると、プラセボと比較してカプロモレリン群において体重が 有意に増加した。カプロモレリン群はプラセボ群よりも多くの食物を消費して摂食量は統計学的有意性に近かった。カプロモレリンを使用する処置によってGHの増加が起こり、それによって次に血清中IGF−1レベルの持続的上昇が引き起きた。幾つかの血清化学パラメーターおよび血液学パラメーターについて、統計学的に有意な変化がベースラインから30日目/59日目/91日目にかけて認められ、全体的に処置の効果が見られた。グルコースはカプロモレリン群において経時的に増加したが、基準範囲を超える値は無かった。付随するフルクトサミンの増加は無かった。臨床病理学パラメーターの統計学的有意差は臨床的には有意差が無かった。
【0135】
実施例4:ネコにおけるカプロモレリンの90日間の臨床的安全性および有効性試験
この多施設二重盲検無作為化プラセボ対照概念実証実地試験は、カプロモレリンがネコにおいて体重を維持または増加し、ボディ・コンディション・スコアを改善し、マッスル・コンディション・スコアを改善し、食欲を改善し、および/またはクオリティ・オブ・ライフを改善するという仮説を研究する。複数の試験施設が単一の試験プロトコルに従う。試験登録の資格があるネコを90±3日間にわたり体重に対して2mg/kgの用量のカプロモレリンか、またはプラセボ製剤で1日に1回処置する。
【0136】
あらゆる年齢、体重、血統、または性別であり、卵巣除去/去勢されており、過去6か月間体重減少が記録されている飼いネコを登録することができる。スクリーニング活動には身体検査、直腸温度、心臓血管系、心拍数、呼吸系、呼吸数、胃腸系、体重、末梢リンパ節、態度、筋骨格系 粘膜/毛細血管再充満時間、尿生殖器系、眼、水分補給状態、耳、被毛の外観、口腔、皮膚、および神経系が含まれる。有効性変数には体重、身体状態、筋肉状態、飼い主による食欲の評価および飼い主によるクオリティ・オブ・ライフの評価が含まれる。
【0137】
ボディ・コンディション・スコア(BCS)およびマッスル・コンディション・スコア(MCS)は獣医によって0日目、14±1日目、30±2日目、60±3日目および90±3日目または最後の試験訪問(すなわち早期解任)時に決定される。血清化学パラメーター、すなわちアルブミン、クレアチンキナーゼ(CPK)、アルブミン/グロブリン比、グロブリン、アルカリホスファターゼ、グルコース、アラニンアミノトランスフェラーゼ、血中尿素窒素(BUN)、リン、カルシウム、カリウム、塩素、ナトリウム、コレステロール、総タンパク質、クレアチニン、総ビリルビン、BUN/クレアチニン比、およびナトリウム/カリウム比率は、0日目、30±2日目、60±3日目および90±3日目または最後の試験訪問時に採取される血液試料から測定される。血液学パラメーター、すなわち白血球数(WBC)、ヘモグロビン(HGB)、赤血球数(RBC)、フルクトサミン、血小板数、血小板形態、ヘマトクリット(HCT)、平均赤血球容積(MCV)、平均赤血球ヘモグロビン量(MCH)、WBC分析像、RBCとWBCの形態、および平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)は0日目、30±2日目、60±3日目および90±3日目または最後の試験訪問時に測定される。尿試料は0日目および90±3日目または最後の試験訪問時に体重測定の前に収集され、比重、pH、色、清澄度、血液、タンパク質、ビリルビン、グルコース、ケトン、ならびにRBC/hpf、WBC/hpf、細菌、上皮細胞、粘液、円柱および結晶の沈渣の顕微鏡検査について検査される。
【0138】
各ネコは0日目、30±2日目、60±3日目および90±3日目または最後の試験訪問(すなわち早期解任)時に飼い主によってクオリティ・オブ・ライフおよび食欲について評価される。各継続効果エンドポイントについては0日目から14日目まで、30日目まで、60日目まで、および90日目までにの変化を算出する。体重についてはいくつかの成功基準を定義する(例えば、体重の維持、2%以上の増加、3%以上の増加等)。安全性は有害事象、身体検査、血清中IGF−1レベル、および血清化学、血液学および尿検査パラメーターに基づいて評価される。
安全性評価の分析は、無作為に割り当てられ、且つ、少なくとも1回用量の試験薬を投与された全てのネコを含む集団(安全性解析対象集団)に対して実施される。有効性変数の分析はパープロトコル(PP)集団に対して実施される。そのPP集団は安全性解析対象集団の部分集団となり、投与を完了し、且つ、適切な試験記録を有する全てのネコを含むことになる。有害事象は、製品に関連すると考えられるにしても、考えられないにしても、好ましくなく、且つ、意図されておらず、且つ、カプロモレリンまたはプラセボの使用後に生じるネコにおけるあらゆる観察結果として定義される。30±2日目、60±3日目および90±3日目または最後の試験訪問(すなわち早期解任)時に検査結果が基準範囲の外にあり、且つ、臨床的に意味がある(好ましくなく、且つ、意図されていない)と考えられる場合、これらの結果は有害事象として報告されることになる。
【0139】
実施例5:ネコにおける2週間の経口毒性試験
この試験によりネコに経口投与されたときのカプロモレリンの安全性が決定された。3匹のオスと3匹のメス(n=6匹/群)の雑種ネコからなる群に対し、カプロモレリンを9mg/kg、15mg/kg、30mg/kgおよび60mg/kgの用量で経口カプセルとして1日に1回、14日間連日投与した。同様の群にミクロクリスタリンセルロースをプラセボ対照として投与した。全ての動物について毎日臨床徴候を観察し、摂食量を評価し、体重を投与の7日前に記録し、安楽死させる時に再び記録した。他の測定は血液学、血清化学および尿検査の定期的な臨床病理学評価である。投与期間の後にネコを安楽死させ、死体の解剖を行った。
【0140】
ネコにおけるカプロモレリンの経口投与はよく忍容された。カプロモレリンに関連する臨床徴候は30mg/kg処置群と60mg/kg処置群のネコに限定され、それらは嘔吐、突発的な流涎、および無気力/うつから成った。臨床病理学的変化は15mg/kg投与群から60mg/kg投与群において散発的にしか見られず、それらの変化は血清中グルコースおよび尿中グルコースの増加に限定された。これらの変化はGH分泌促進因子の薬理学的作用、および/または採血に付随するストレス応答によるものであり、カプロモレリンの直接的な毒性効果によるものではなかった。AT−002を使用する処置には剖検時に肉眼レベルと顕微鏡レベルの両方のどんな異常な組織的所見も付随しなかった。平均肝臓絶対重量と平均肝臓相対重量が30mg/kg処置群と60mg/kg処置群のメスにおいて増加し、平均肝臓絶対重量が全ての投薬量のオスで増加した。該当する異常な顕微鏡的所見が無いため、肝臓重量におけるこれらの変化は毒性があると考えられなかった。
【0141】
観察された臨床徴候に基づき、15mg/kg/日という無毒性量(NOAEL)が本試験について決定された。処置関連有害事象はうつと胃腸系に限定され、30mg/kg投与群と60mg/kg投与群において観察されただけであった。30mg/kgの用量レベルは提唱されているカプロモレリンの臨床有効用量よりも15倍高いので、カプロモレリンの投与はネコにおいてよく忍容されることが予期される。
【0142】
実施例6:用量設定の基礎研究
この試験により、食物摂取量の増加および体重増加および付随する所望の血清中IGF−1レベルプロファイルをもたらすカプロモレリン経口溶液投与法が規定された。実験用成猫を個体毎に飼育し、5つの群(3匹/性別/群;n=6匹/群)に分けた。ネコに対してプラセボ、1mg/kgのAT−002、2mg/kgのAT−002、3mg/kgのAT−002または4mg/kgのAT−002のいずれかを1日に1回10日間連日投与した。その試験物品は最終製剤に非常によく類似している着香溶液製剤であった。試験活動が表5にまとめられている。
【0143】
【表5】
【0144】
処置期間(1日目から10日目までの平均)と比較したベースライン(3日前、2日前、および1日前の平均)からの摂食量のパーセント変化率をネコ毎に算出した。その変化率が表6にまとめられている。プラセボ群のベースラインから処置期間までの平均パーセント変化率は13.0%上昇した。4mg/kg群は、プラセボ群と比較して統計学的に有意なベースライン期間から処置期間までの摂食量の平均パーセント増加率を示した。
【0145】
【表6】
【0146】
10日目と比較した1日前からの体重のパーセント変化率をネコ毎に算出した。その変化率が表7にまとめられている。プラセボ群の平均パーセント変化率は−0.35%であり、体重の減少を示した。2mg/kgのAT−002群と3mg/kgのAT−002群はプラセボ群と比較して統計学的に有意な体重の平均パーセント増加率を示した。4mg/kgのAT−002群は統計学的有意に近かった(p=0.0502)。
【0147】
【表7】
【0148】
カプロモレリンはネコにおいてよく吸収された。最大血清中濃度は概して投与後30分以内に生じた。予期されたように、4mg/kgでのカプロモレリン処置が最も高いレベルの血清プロファイルを有した。概して全てのAT−002処置群のカプロモレリンの濃度が投与後から8時間までに非常に低いレベルまで低下した。加えて、AT−002で処置されたネコの10日目の0時間目の試料において測定可能な濃度のカプロモレリンが検出されないか、または非常に低い濃度であった。血清中のカプロモレリン蓄積の証拠は存在しなかった(
図16および
図17)。
【0149】
前記試験物品によるものとすることができる血清中IGF−1レベルの変化が1日目と10日目の投与後にオスとメスにおいて観察された。プラセボ群の血清中IGF−1プロファイルは1日目と10日目においてベースラインで安定を維持した。初期IGF−1応答(増加)はAT−002での処置から約4時間後に起こり、1日目と10日目の投与後から8時間までの最大相対的安定レベルを達成した。IGF−1レベルは10日目のそれまでの24時間の期間対照と比べると持続的に上昇した。IGF−1の持続的増加の程度は他の用量群と比べると3mg/kgの用量の投与後に最大であった(
図18および
図19)。
【0150】
10日間のAT−002の処置によりプラセボ群と比較して平均摂食量と体重が増加した。2mg/kgのAT−002群と3mg/kgのAT−002群は最も良い体重増加を示した。望ましい持続的血清中IGF−1レベルにより示されるように、カプロモレリンが前記着香溶液製剤からよく吸収され、明らかな血清中GHの増加を刺激するために十分な血清中薬物レベルになった。IGF−1レベルは全てのAT−002処置群において10日目までに処置動物での24時間の期間にわたる持続的増加を示した。
【0151】
まとめると、AT−002の1日1回投与は、GHおよびコルチゾールの過剰刺激を抑制するために望ましいプロファイルである、投与後24時間のIGF−1レベルの上昇を引き起こすのに十分であった。
【0152】
実施例7.ネコ用量設定基礎研究
この試験により実験用ネコにおけるAT−002の経口製剤の有効性が研究され、食物摂取量の増加および体重増加を引き起こす用量が選択された。この試験は1mg/kg、2mg/kgまたは3mg/kgの用量を21日間投与されたネコにおけるカプロモレリン経口溶液の効果をプラセボと比較して調べた(n=8匹/群)。摂食量を10日前から21日目まで毎日測定した。各ネコについてベースライン摂食量を3日前、2日前、および1日前の平均として算出した。ベースラインから処置期間にかけてのパーセント変化率を100×(処置期間−ベースライン)/ベースラインとして算出した。体重を1日目、8日目、15日目および22日目に測定した。ベースライン体重を1日目(処置前)に収集された値として定義した。
【0153】
各処置群のベースライン(3日前から1日前)から処置期間(1日目から21日目)にかけての摂食量の平均パーセント変化率を表8に示す。プラセボ群は10.8%の増加を示した。第2群、第3群、および第4群はそれぞれ25.3%、45.7%および29.6%増加した(プラセボ群と比較して全ての処置群についてp=0.0066)。
【0154】
【表8】
【0155】
各処置群のベースライン(1日目)から22日目までの体重の平均パーセント変化率が下の表に示されている。プラセボ群と3つのAT−002処置群の各々を比較すると、統計学的に有意な体重の増加が存在した(プラセボ群と比較して全ての処置群についてp=0.0103)。
【0156】
【表9】
【0157】
1mg/kgの用量での処置は平均摂食量の増加を示したが、プラセボと比較すると統計学的に有意ではなかった。したがって、プラセボ処置ネコと比較して統計学的に有意な摂食量および体重の増加を示した2mg/kg処置群をネコにおける提唱臨床用量として選択した。
【0158】
実施例6および本実施例7の試験は、健康な実験用ネコにおいて1日1回投与の有効な用量2mg/kgと3mg/kgの間を明らかにした。カプロモレリンが3種類のパイロット試験においてネコに関して広範囲の安全域を有していることを考慮して、2mg/kgの用量の1日1回の長期的投与を選択した。これらの2つの研究はGLPの原則に従って実施された。検査機関は前記プロトコルに従う適切な手法とそれらの手法の適切な標準操作手順を厳密に実施した。しかしながら、品質保証(QA)の要素は無かったのでこれらの研究は非GLPである。
【0159】
実施例8:実験用CKDモデルネコ安全性パイロット試験
この試験は腎機能が損なわれているネコの血清中のカプロモレリン薬物動態プロファイルを規定し、血清中でのカプロモレリンの蓄積が14日間の処置の後に生じるか判定し、且つ、正常なネコでは見られない処置のあらゆる潜在的な有害効果に関してネコを観察しようとした。カプロモレリン経口溶液の標的集団にはCKDのネコが含まれた。したがって、本試験は、腎臓のかなりの部分が外科的に除去され、その後血清中クレアチニンおよびBUNの増加によって示される腎機能の低下を有する実験用ネコを使用した。これらのネコはチャールズ・リバー社によってモデルとして開発されたものであり、アイルランドのバリーナにある施設においてコロニーで維持されている。
【0160】
腎機能が損なわれている16匹のネコを本試験に登録し、無作為に3群に割り当てた。第1群(n=6匹)に割り当てられた動物にAT−002を1匹のネコ当たり0.75mg/kgの用量率で静脈内カテーテルにより0日目に1回投与した。第2群(n=6匹)に割り当てられた動物にAT−002を2mg/kgの用量率で皮下注射により14日間毎日投与した。充分な薬品曝露が起こることを確実にするために皮下処置経路と静脈内処置経路を使用した。第3群(n=4)に割り当てられた動物は未処置対照とした。
【0161】
カプロモレリン分析および/またはIGF−1分析のために、試験0日目に第1群に割り当てられた動物から血液試料を収集した。第2群と第3群に割り当てられた動物からも、血液学および臨床化学分析のために試験1日前および13日目(投与前)に血液試料を収集した。食物摂取量および体重増加によって食欲を評価した。7日前、1日前(全ての群)および13日目(第2群および第3群のみ)に体重測定を実施した。第2群と第3群に割り当てられた動物については7日前から13日目まで(13日目も含めて)食物摂取量をモニターした。臨床徴候について動物を毎日観察した。
【0162】
カプロモレリン処置(静脈内または皮下)後のネコの薬物動態プロファイルは薬品曝露を示し、薬品蓄積についての何の証拠も示さなかった(
図20および
図21)。0日目に2mg/kgのAT−002で処置されたネコにおいてカプロモレリンによりIGF−1レベルが上昇した(
図22)。このIGF−1の増加は13日目まで持続することになった。1日前および13日目に第2群(皮下)および第3群(対照)のネコにおいて血液学および臨床化学をモニターしてカプロモレリン処置の何らかの効果があるか評価した(
図23)。
【0163】
血液学パラメーターまたは臨床化学パラメーターの結果が基準範囲外にある全ての例において、何らかの事象の発生と関連する病気の臨床徴候は無かった。基準範囲外にあるパラメーターは1日前と13日目において類似しており、結果にはわずかな変化しかなかった。処置に関連する事象の発生は無かった。全ての例においてそれらの結果は基準範囲よりもわずかに高いだけか、またはわずかに低いだけであった。
【0164】
7日前から13日目までに、第2群(2mg/kg/日の用量のAT−002;皮下)と第3群(未処置対照)に割り当てられた全ての動物が体重を減少させた。全ての処置群に割り当てられた全ての動物が食物の全てを消費することはなかった。この原因は、食物が提供された約4時間後にその食物が取り除かれたことにある可能性が最も高い。統計分析は無いが、数値上の小さな差はあるけれども第2群に割り当てられた動物(AT−002)と第3群に割り当てられた動物(未処置対照)との間の各時点での平均食物摂取量は変わらなかった。
【0165】
腎機能が損なわれているネコに皮下投与されたとき、食物摂取量または体重の明確な増加が存在せず、AT−002は食欲を刺激することができなかった。グレリンは胃によって産生されるホルモンなので、食欲を刺激するためにはAT−002は経口経路の吸収が必要である可能性がある。14日間皮下注射により2mg/kgの用量のAT−002で処置されたネコにおいてカプロモレリンによりIGF−1レベルの持続的増加が生じた。
【0166】
実施例9:CDKのネコにおける90日間連日の2mg/kgの経口用量でのカプロモレリンの安全性と有効性
この試験は90日間1日1回連日投与される2mg/kgの用量を使用するフィールド条件下のネコにおけるAT−002(カプロモレリン)の安全性と有効性を確認するためのものであった。本試験はAT−002がネコにおいて体重を維持または増加し、ボディ・コンディション・スコア(BCS)を改善し、マッスル・コンディション・スコア(MCS)を改善し、食欲を改善し、および/またはクオリティ・オブ・ライフ(QoL)を改善するという仮説を研究した。この試験は多施設二重盲検無作為化プラセボ対照概念実証実地試験であった。
【0167】
本試験は、慢性腎臓病(CKD)であると診断され、且つ、最低6か月の体重減少履歴を有するネコを参加登録した。登録目標は最低でも15例のAT−002群の評価可能例と15例の対照製品(CP;プラセボ)群の評価可能例であった。調査者および全ての試験要員に対して処置コード(AまたはB)と処置群(AT−002またはCP)を秘密にした。薬品提供者および飼い主は処置群(AT−002またはCP)が不明のままであった。
【0168】
ネコを90±3日間、体重当たり2mg/kgの投薬量のAT−002(AT−002)またはAT−002と同じ投与量のプラセボ(CP)製剤で1日に1回処置した。0日目を最初の投与日とした。ネコを0日目、14±1日目、30±2日目、60±3日目および90±3日目に評価した。主要有効性変数は0日目から90±3日目までの体重の変化とした。副次有効性変数にはBCS、MCS、飼い主による食欲の評価および飼い主によるQoLの評価が含まれた。
【0169】
登録後に各例を無作為にAT−002またはCPに1:1の割合で割り当てた。その登録目標は全ての試験施設にわたってランダム化試験スケジュールに従う少なくとも30例の評価可能例(15例のAT−002と15例のCP)とした。
【0170】
本試験に含められたネコは、あらゆる年齢および血統の、過去6か月間に体重減少の履歴が記録されており、且つ、慢性腎臓病(IRISステージII、ステージIII、またはステージIV)と診断されている卵巣除去/去勢されたネコである。確実に安定した長期の条件で投薬されているネコは許容された。危機的状況または瀕死の状態のネコ、甲状腺機能亢進症または炎症性腸疾患が記録され制御されていないネコ、食物摂取に禁忌がある(すなわち、異物の疑い、胃腸の手術がある)ネコ、食物摂取を減じるほど重症な歯科疾患を有するネコ、糖尿病のネコ、および禁止薬物を現在投与されているネコは本試験から除外された。
【0171】
飼い主は試験登録時にそのネコが受けていた給餌法を持続した。特別食および特別な給餌スケジュールは要求されなかった。水は自由に飲ませた。ネコの食事をモニターし、スクリーニング/適格性評価時(0日目)、30±2日目、60±3日目および90±3日目または最後の試験訪問(すなわち早期解任)時に調査者が飼い主に聞き取り調査を行って「食事歴」を完成した。
【0172】
試験期間中、良好に安定化している既存の持続中の医学的状態をコントロールするためにネコが投与されている医薬品でそのネコを治療した。本試験が開始する前に処方されており、その治療が安定である(すなわちネコが治療レジメンを受けていて0日目の前の最低でも2日間変化が無い)場合には、試験期間中に制吐剤(例えばクエン酸マロピタント(セレニア(商標)))が許容された。合計で6匹のネコが1回用量以上のセレニアを本試験の前、本試験の間、または本試験の後に投与された。
【0173】
14±1日目、30±2日目、60±3日目および90±3日目の訪問前のおよそ12時間以内は非経口液体を投与することが許されなかった。長期治療で安定化したネコを除いて最後の30日以内は全身コルチコステロイド処置が禁止された。0日目から30日以内はアナボリックステロイド、プロゲステロン、およびエポジェン/ダルベポエチンが禁止された。0日目の7日以内ではミルタザピン、ドロナビノール、シプロヘプタジンおよびジアザパムが禁止された。
【0174】
スクリーニング/適格性評価時/0日目、14±1日目、30±2日目、60±3日目および90±3日目およびスケジュールされていないあらゆる訪問時または本試験からの早期解任時に身体検査の一部として体重を小数第一位までポンド単位で測定した。
【0175】
スクリーニング/適格性評価(0日目)、14±1日目、30±2日目、60±3日目および90±3日目または最後の試験訪問(すなわち早期解任)時に以下の9段階評価を使用して調査者/検査獣医が身体検査の一部としてボディ・コンディション・スコア(BCS)を決定した。
1− 痩せ衰えている−短毛のネコで肋骨が見える。触診で分かる脂肪が無い。深い腹部のひだ。腰椎骨と腸骨翼の触診が簡単である。
2− 非常に痩せている−短毛のネコで肋骨が簡単に見える。腰椎骨に付いている筋肉の量が明らかに最低限である。明らかな腹部のひだ。触診で分かる脂肪が無い。
3− 痩せている−最低限の脂肪が付いている肋骨が簡単に触診で分かる。腰椎骨がすぐに分かる。肋骨の下のウェストが明確。最低限の腹部の脂肪。
4− 標準体重未満−低限の脂肪が付いて肋骨が触診で分かる。肋骨の下のウェストが目立つ。わずかな腹部のひだ。腹部脂肪体が存在しない。
5− 理想的−均整がとれている。肋骨の下のウェストが観察される。わずかに脂肪が付いて肋骨が触診でわかる。腹部脂肪体が最低限である。
6− 標準体重超過−わずかに過剰な脂肪が付いて肋骨が触診でわかる。ウェストと腹部脂肪体の区別をつけることができるが明確ではない。腹部のひだが無い。
7− 太っている−中程度の脂肪が付いて肋骨が簡単に触診されない。ウェストをあまり認めることができない。丸々した腹部が明確である。中程度の腹部脂肪体。
8− 肥満−過剰な脂肪が付いて肋骨が触診でわからない。ウェストが無い。著しい腹部脂肪体が付いて丸々した腹部が明確である。腰部にわたって脂肪蓄積が存在する。
9− 極めて肥満−たっぷり脂肪が付いていて肋骨が触診でわからない。腰部、顔、および四肢にわたるたっぷりとした脂肪蓄積物。腹部が膨張してウェストが無い。広範囲の腹部脂肪蓄積。
【0176】
スクリーニング/適格性評価(0日目)、14±1日目、30±2日目、60±3日目および90±3日目または最後の試験訪問(すなわち早期解任)時に以下の4段階評価を使用して調査者/検査獣医が身体検査の一部としてMCSを決定した。
3− 触診で脊椎骨、肩甲骨、頭蓋骨、または腸骨翼上での正常な筋肉量
2− 触診で脊椎骨、肩甲骨、頭蓋骨、または腸骨翼上でのわずかな筋肉の減少
1− 触診で脊椎骨、肩甲骨、頭蓋骨、または腸骨翼上での中程度の筋肉の減少
0− 触診で脊椎骨、肩甲骨、頭蓋骨、または腸骨翼上での重度の筋肉の減少
【0177】
スクリーニング/適格性評価/0日目、30±2日目、60±3日目および90±3日目の訪問時または最後の試験訪問(すなわち早期解任)時に血清化学用の血液試料を採取した。それらの血液試料をアルブミン、グルコース、アルカリホスファターゼ(ALP)、リン、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、カリウム、血中尿素窒素(BUN)、ナトリウム、カルシウム、総ビリルビン、塩素、総タンパク質、コレステロール、アルブミン/グロブリン比、クレアチニンキナーゼ(CPK)、BUN/クレアチニン比、クレアチニン、ナトリウム/カリウム比、グロブリン、白血球数(WBC)、血小板数、赤血球数(RBC)、血小板形態、ヘモグロビン(HGB)、WBC分析像、ヘマトクリット(HCT)、RBCとWBCの形態、平均赤血球容積(MCV)、フルクトサミン、平均赤血球ヘモグロビン量(MCH)、および平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)について分析した。
【0178】
スクリーニング/適格性評価/0日目、30±2日目、60±3日目および90±3日目の訪問時または最後の試験訪問(すなわち早期解任)時に尿試料を採取した。それらの尿試料を色、グルコース、清澄度、ケトン、比重、ビリルビン、pH、血液、タンパク、および沈渣(顕微鏡的評価)について分析した。
【0179】
スクリーニング/適格性評価/0日目、30±2日目、60±3日目および90±3日目または最後の試験訪問(すなわち早期解任)時に抗凝血剤を含まない真空採血管に1mLの血液試料を採取した。血液試料を室温に保持し、約1時間凝血させた。凝血させた試料を3000RPMでおよそ15分間遠心分離した。
【0180】
スクリーニング/適格性評価/0日目、30±2日目、60±3日目および90±3日目または最後の試験訪問(すなわち早期解任)時に飼い主が食欲について各ネコを評価した。スクリーニング/適格性評価/0日目、30±2日目、60±3日目および90±3日目または最後の試験訪問(すなわち早期解任)時に動物病院において飼い主がQoLについても各ネコを評価した。
【0181】
ネコを実験単位とした。統計学的有意性の全ての検定を0.05の両側αレベルで完了した。安全性変数の有意性のレベルは両側α=0.10であった。残差が正規性を満たすという仮定を連続応答測定のたびに調査した。正規性仮定がシャピロ・ウィルク検定により1%レベルで棄却された場合、統計学的モデルを実行する前にタイ値に平均ランクを与えて値を昇順で順位付けした。欠測データを補完せず、観察データのみを統計学的モデルに含めた。
【0182】
体重に関し、主要有効性変数により平均パーセント変化をAT−002群とCP群について比較した。AT−002群について、0日目からの統計学的に有意な変化が、14日目(p=0.0013)、30日目(p=0.0007)、60日目(p=0.0144)および90日目(p=0.0434)に見られた。CP群については0日目からの統計学的に有意な変化が見られなかった。このことにより、AT−002で処置されたネコは処置期間中に体重を増やしたが、一方でCP群は体重を増やさなかったことが証明される。平均パーセント体重変化をAT−002群とCP群との間で比較すると、AT−002群の方が30日目(p=0.0248)、60日目(p=0.0018)および90日目(p=0.0093)で統計学的に有意に高かった。
【0183】
体重に関し、幾つかの体重増加シナリオに基づいて個々のネコの成功を副次有効性変数により定義した。「体重の維持または増加」という成功基準について、0日目から14日目、30日目、60日目および90日目までのパーセント変化は両群の間で統計学的に有意に異ならなかった。「0%を超える体重増加」という成功基準について、0日目から14日目(p=0.0259)、30日目(p=0.0083)、および90日目(p=0.0178)までのパーセント変化は統計学的に有意に差があることがわかり、AT−002群が望ましかった。「1%を超える体重増加」という成功基準について、0日目から30日目(p=0.0178)および90日目(p=0.0178)までのパーセント変化が統計学的に有意に差があることがわかり、AT−002群が望ましかった。「2%を超える体重増加」という成功基準について、0日目から14日目(p=0.0401)にかけてのパーセント変化率が統計学的に有意に差があることがわかり、AT−002群が望ましかった。
【0184】
ボディ・コンディション・スコア、マッスル・コンディション・スコア、飼い主による食欲の評価およびクオリティ・オブ・ライフパラメーターについて、意味がある統計学的差異は観察されなかった。測定された3種類のクオリティ・オブ・ライフパラメーターのうち、平均記述的(月間)クオリティ・オブ・ライフパラメーターは0日目から90日目にかけてプラセボ群において増加(改善)を示したが、AT−002処置群の平均スコアは同じままであった。この差は有意であった(p=0.0038)。
【0185】
本試験はAT−002がネコにおいてよく忍容されることを示した。既存の腎臓病、少なくとも過去6か月の体重減少、およびこれらのネコに存在する他の合併症状を考慮すると有害事象が予測された。腎臓病およびその進行性の性質によってAT−002処置ネコにおける臨床病理学的変化、食欲不振、脱水症、体重減少等を含む多くの観察結果を説明できる。
【0186】
プラセボ処置ネコよりもAT−002処置ネコにおいてAE(有害事象)の報告が多いが、予期されていなかったものは無く、5件のSAE(重篤な有害事象)のうちの1件だけがAT−002/CP処置に関連すると見られた。胃腸事象に関連がある拒食症に関してAT−002/CP処置とのSAEの「確からしい」関係が獣医により示された。AT−002によってこの事象が引き起こされたのか、または何等かの他の因子がそうしたのかは不明である。多くのAEが本試験とは無関係の既存の症状または事象と関連した。集団全体の10%よりも多くで報告されているAEは食欲不振、嘔吐、流涎の増加、および下痢/軟便であったが、AT−002処置との関係の可能性の証拠があったものは流涎の増加と可能性があるものとして嘔吐のみであった。身体検査所見のうちの幾つかのパラメーターが両群の間で異なったが、どれも臨床的に意味が無く、AT−002処置との関連も無かった。0日目から最後の試験訪問日までの臨床病理学データの変化はAT−002群においてより頻繁に認められた。しかしながら、臨床的に意義があると考えられる臨床病理学的変化は無かった。AT−002投与後の血清中IGF−1レベルの上昇により、予期されたように、GH/IGF−1軸の作用する生理機能が確認された。
【0187】
したがって、本試験の結果から、2mg/kgの用量のAT−002の1日に1回の長期投与がよく忍容され、体重を減少させているCKDのネコにおける体重の維持/増加がその長期投与によって管理されることが確認される。前記の重要な主要有効性変数および副次有効性変数によりプラセボと比較したAT−002の統計学的に有意な優越性が示された。
【0188】
実施例11:パイロット臨床実地試験
このプラセボ対照盲検非GCP試験はCKDと体重減少の履歴を有するネコにおいて2mg/kgの用量のAT−002(カプロモレリン)の1日に1回90日間の連日投与の安全性および有効性(体重増加)を確認するためのものであった。
【0189】
合計で42匹のネコを7か所の動物病院においてスクリーニングした。42匹のネコのうち1匹はスクリーニングに失敗し、結果、41匹のネコが登録され、無作為に2種類の処置のうちの1つ、すなわちカプロモレリン経口溶液(AT−002)またはプラセボ(CP)に割り当てられた。適格な試験候補にはCKD(IRISステージII、ステージIII、またはステージIV)と診断されており、過去6か月間の体重減少が記録されている動物病院に来院したネコが含まれた。試験物品を着香経口溶液として提供し、0日目に開始して90±3日間、2mg/kgの用量率のAT−002およびAT−002と等価の投与量のCPを1日に1回経口投与した。調査者、試験要員およびネコの飼い主に対して処置を秘密にした。14±1日目、30±2日目、60±3日目および90±3日目に病院においてネコを再評価した。
【0190】
有効性判定のための重要な変数を体重とした。測定された他の有効性変数にはボディ・コンディション・スコア、マッスル・コンディション・スコア、クオリティ・オブ・ライフ評価(未検証)および飼い主による食欲の評価(未検証)が含まれた。身体検査、臨床病理学検査(血液学および血清化学)、尿検査、血清中IGF−1レベルおよび有害事象モニタリングによって安全性を評価した。
【0191】
プラセボ群と比較すると90日の処置期間の間にカプロモレリン処置群の平均体重が増加した(p=0.0067)(PPP1を使用した分析;表10)。30日目までに平均体重(±SEM)がプラセボ群の0.20%±0.75%と比べてカプロモレリン群では3.86%±0.85%増加した(P=0.0248)。60日目に平均体重(±SEM)がプラセボ群の−1.14%±1.20%と比べてカプロモレリン群では4.06%±1.42%増加した(p=0.0018)。90日目に平均体重(±SEM)がプラセボ群の−0.69%±1.23%と比べてカプロモレリン群では3.59%±1.59%増加した(p=0.0093)。
【0192】
【表10】
【0193】
個々の患畜の成功を「体重の維持または増加」として定義し、処置群当たりで成功の件数を数える場合、カプロモレリン群はより多くの「成功」を含んだ。しかしながら、両群はどの日でも大きくは異ならなかった(PPP2を使用した分析;表11)。個々の患畜の成功を「0%を超える体重増加」として定義し、処置群当たりで成功の件数を数える場合、カプロモレリン処置群は14日目(p=0.0259)、30日目(p=0.0083)および90日目(p=0.0178)にプラセボ群と比較して有意により多くの成功を有した(PPP2を使用した分析;表12)。
【0194】
【表11】
【0195】
【表12】
【0196】
カプロモレリン処置ネコにおける平均ボディ・コンディション・スコア(評点1から9の評価;実施例9参照)はわずかに増加した。プラセボ処置群における平均スコアはわずかに減少したが、これらの差は統計学的に有意ではなかった(p=0.4650)(PPP1を使用した分析)。
【0197】
平均マッスル・コンディション・スコア(評点0から3の評価;実施例9参照)は両方の処置群で増加したが、その増加はプラセボと比べるとカプロモレリン処置群においてわずかに大きかった。しかしながら、この差は統計学的に有意ではなかった(p=0.4095)(PPP1を使用した分析)。
【0198】
カプロモレリン処置群と比較するとプラセボ群の平均記述的クオリティ・オブ・ライフ月間スコア(評点1から5の評価)は90日の処置期間の間に増加した(p=0.0404)(PPP1を使用した分析)。0日目(ベースライン)には平均記述的クオリティ・オブ・ライフ月間スコア(±SEM)はプラセボ群の3.35±0.17と比べてカプロモレリン群では3.85±0.19であった(p=0.0588)。90日目には0日目からの平均記述的クオリティ・オブ・ライフ月間スコア(±SEM)の変化がカプロモレリン群の0.00±0.11と比べてプラセボ群では0.76±0.16増加した(P=0.0038)。この月間測定値だけプラセボ群のクオリティ・オブ・ライフは試験期間中に改善し、一方でカプロモレリン群のクオリティ・オブ・ライフは同じままであった。
【0199】
記述的な飼い主による食欲の評価の平均月間スコアは30日目(p=0.7300)、60日目(p=0.1446)または90日目(p=0.8518)(PPP1を使用した分析)にプラセボ群と比べるとカプロモレリン群については大きく変化しなかった。
【0200】
カプロモレリン群におけるベースラインの平均IGF−1レベルはプラセボ群のネコよりも低かったが、まちまちな値のためにこの差は統計学的に有意ではなかった。カプロモレリン群の平均血清中IGF−1レベルは90日の処置期間の間にプラセボ群と比較するとベースラインを超えて増加した(p=0.0202)(PPP1を使用した分析;表13)。30日目には平均(±SEM)血清中IGF−1レベルはプラセボ群の28.62ng/mL±43.46ng/mLと比べてカプロモレリン群ではベースライン(0日目)を超えて274.60ng/mL±49.06ng/mLまで増加した(p=0.0030)。
【0201】
【表13】
【0202】
安全性の観察には有害事象のモニタリングおよび臨床病理学パラメーター(血清化学、血液学および尿検査)の測定が含まれた。本試験はカプロモレリンがネコにおいてよく忍容されることを示した。既存の腎臓病および少なくとも過去6か月の体重減少およびこれらのネコに存在する他の合併症状を考慮して有害事象が予期された。腎臓病およびその進行性の性質によってカプロモレリン処置ネコにおける臨床病理学的変化、食欲不振、脱水症、体重減少等を含む多くの観察結果を説明できる。プラセボ処置ネコよりもカプロモレリン処置ネコにおいてAE(有害事象)の報告が多いが、予期されていなかったものは無く、5件のSAE(重篤な有害事象)のうちの1件だけがAT−002/CP処置に関連すると見られた。胃腸事象に関連がある拒食症に関してAT−002/CP処置とのSAEの「確からしい」関係が獣医により示された。カプロモレリンによってこの事象が引き起こされたのか、または何等かの他の因子がそうしたのかは不明である。多くのAEが本試験とは無関係の既存の症状または事象と関連した。集団全体の10%よりも多くで報告されているAEは食欲不振、嘔吐、流涎の増加、および下痢/軟便であったが、カプロモレリン処置との関係の可能性の証拠があったものは流涎の増加と可能性があるものとして嘔吐のみであった。身体検査所見のうちの幾つかのパラメーターが両群の間で異なったが、どれも臨床的に意味が無く、AT−002処置との関連も無かった。0日目から最後の試験訪問日にかけての臨床病理学データの変化はAT−002群においてより頻繁にあった。しかしながら、臨床的に意義がある可能性があると考えられる臨床病理学的変化は無かった。AT−002投与後の血清中IGF−1レベルの上昇によりGH/IGF−1軸の予測された生理機能が確認された。
【0203】
個々の患畜の成功を「体重の維持または増加」として定義する場合、両群はどの日でも有意には異ならなかった。しかしながら、カプロモレリン群はプラセボ群と比較して有意により多くの「成功」を有し、この差は30日目、60日目および90日目に有意性に近づいた。個々の患畜の成功を「0%を超える体重増加」として定義する場合、カプロモレリン群は14日目(p=0.0259)、30日目(p=0.0083)、および90日目(p=0.0178)にプラセボ群と比較して有意により多くの「成功」を有した。
【0204】
ボディ・コンディション・スコアおよびマッスル・コンディション・スコアは0日目から90日目にかけてプラセボ群と比較してカプロモレリン処置群に増加傾向を示した。これらの傾向は統計学的に有意ではなかった。
【0205】
血清中IGF−1レベルはプラセボ群と比較してカプロモレリン群において処置期間中にベースラインを超えて統計学的に有意に上昇した。30日目において、プラセボ群に対するカプロモレリン群の血清中IGF−1レベルの上昇は統計学的に有意であったが、正常な生理学的範囲内であった。60日目と90日目にはベースラインを超える血清中IGF−1レベルの上昇傾向がプラセボ群と比較してカプロモレリン群について継続した。しかしながら、これらの傾向は統計学的には異なっていなかった。予期されたように、その血清中IGF−1レベルの上昇は、より若いネコで期待されるレベルまで戻る中程度の増加であった。
【0206】
このように、1日に1回の2mg/kgの用量のカプロモレリン経口溶液の長期投与がよく忍容され、体重を減少させているCKDのネコにおける体重の維持/増加がその長期投与によって管理された。プラセボ群に対するカプロモレリン群の体重増加は30日目において統計学的に有意であり、60日目と90日目に有意なままであった。両処置を比較すると、プラセボ群に対するカプロモレリン群の体重増加は30日目において統計学的に有意であり、60日目と90日目に有意なままであった。プラセボ群は0日目から90日目までに体重を減少させた。カプロモレリンに関連する安全性プロファイルはプラセボのものと同様であった。体重測定値が重要な臨床パラメーターであった。体重増加はネコの全体的状態の改善を確実にし、明確な臨床的利益を提供する。
【0207】
本明細書において開示および請求される全ての組成物および方法は本開示に照らして過度の実験を行うことなく作製および実施され得る。本発明の組成物および方法を好ましい実施形態の見地から説明してきたが、本発明の考え方、主旨および範囲から逸脱することなくそれらの組成物および方法に、および本明細書に記載される方法のステップまたはそれらのステップの順序を変えてもよいことは当業者に明らかである。より具体的には、本明細書に記載される薬剤を化学的にも生理学的にも関連するある特定の薬剤に置き換えてもよく、同じ結果または類似の結果が達成されることは明らかである。当業者に明らかである全てのそのような類似の置換体および改変体は以下の特許請求の範囲によって規定される本発明の主旨、範囲および考え方の内にあると見なされる。