(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6467563
(24)【登録日】2019年1月18日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】メモ用シート
(51)【国際特許分類】
B42D 1/00 20060101AFI20190204BHJP
B42D 15/00 20060101ALI20190204BHJP
B42D 15/04 20060101ALI20190204BHJP
【FI】
B42D1/00 G
B42D15/00 301A
B42D15/04 A
【請求項の数】2
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2017-185520(P2017-185520)
(22)【出願日】2017年9月26日
【審査請求日】2017年9月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】504474323
【氏名又は名称】宇野 公二
(72)【発明者】
【氏名】宇野 公二
【審査官】
吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3034320(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0214128(US,A1)
【文献】
特開2017−061128(JP,A)
【文献】
特開2006−095752(JP,A)
【文献】
特開2004−034625(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第01955868(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 1/00
B42D 15/00
B42D 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1山折り目、第1谷折り目、第2山折り目、第2谷折り目と続き蛇腹状に成るメモ用シート又は折本であって、
伸ばされた状態で、隣り合う前記折り目はテーパー角度を有し、隣り合う前記折り目のテーパー角度のひらき方向が互い違いであり、
折り畳まれた状態で、折り目方向の一方部では前記第1山折り目よりも前記第2山折り目の方が山が高いことを特徴とする、
メモ用シート又は折本。
【請求項2】
前記折り畳まれた状態で、折り目方向の他方部では前記第2山折り目よりも前記第1山折り目の方が山が高いことを更なる特徴とする、
請求項1に記載のメモ用シート又は折本。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモ用シート又は折本に関する。
【背景技術】
【0002】
メモ用シートにおいては、特許文献1の実施例のように複数枚の長方形シートを重ね一端部を綴じた状態で、表側のシートから順に徐々にシートが長くなり他端部にできる第1傾斜面と、表側のシートから順に徐々にシートが短くなり他端部にできる第2傾斜面を備え、綴られたシート全体を湾曲させて他端部に傾斜面を作る動作をしなくても、シートを表側、裏側の両方向からめくり易いアイデアが知られている。
また類似のアイデアとして、特許文献2の実施例のようにシート他端部の切り欠きを徐々にずらして複数枚のシートを綴じるアイデアが知られている。
【0003】
また、折本においては、帯状のシートを山折り、谷折りを繰り返し蛇腹状にしっかりと折り目をつけられ、端部が表紙に対して垂直に整ったものが一般的であり、折り畳まれた状態から帯状に伸ばすことでシートに書かれた文章や図柄などが現れる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4109917号公報
【特許文献2】特開2006−95752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の折本のように蛇腹状になったシートは折り目が硬く、2枚重ねで更に硬くなった部分を重ねた構造体を湾曲させるのは難しいので、表側からあるいは裏側から順に蛇腹をめくっていくには、指先で慎重に折り目を送るようにするのが現実的である。しかし、このようなめくり方では、素早く目的のシート部分を探すのは困難であり、だからといって蛇腹状のシートを帯状に伸ばして探すのは、電車内などの出先では困難である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態図等を用いて以下に説明するが、これは本発明の内容をより把握しやすいようにする為で、添付の特許請求の範囲を縮小するものではない。
【0007】
発明1に係るメモ用シート又は折本は、例えば
図1及び2の組みのように、
山折り目1、谷折り目4、山折り目3、谷折り目10と続き蛇腹状に成るメモ用シート又は折本であって、
図2のように伸ばされた状態で、隣り合う山折り目1及び谷折り目4、谷折り目4及び山折り目3、山折り目3及び谷折り目10はそれぞれテーパー角度を有し、隣り合う、山折り目1及び谷折り目4のテーパー角度及び谷折り目4及び山折り目3のテーパー角度、谷折り目4及び山折り目3のテーパー角度及び山折り目3及び谷折り目10のテーパー角度、のひらき方向が互い違いであり、
図1のように折り畳まれた状態で、折り目方向の一方部5では山折り目1よりも山折り目3の方が山が高
いことを特徴とする、
メモ用シート又は折本である。
【0008】
発明2に係るメモ用シート又は折本は、発明1のメモ用シート又は折本において、
例えば図1のように折り畳まれた状態で、折り目方向の他方部6では山折り目3よりも山折り目1の方が山が高いことを更なる特徴とする、
メモ用シート又は折本である。
【発明の効果】
【0009】
以上のように本発明では、蛇腹状で折り畳まれた状態ではコンパクトにまとまり、伸ばされた状態ではシート全体を見渡せるという利便性を有しながら、伸ばすことが難しい電車内などで折り畳まれた状態から素早く目的のシート部分を探す為に、例えばコストをかけて形状が異なる複数のシートを使う、あるいはシート面が使いにくく不細工になるのを我慢して端部を切り欠くようなことをしなくても、山折り目1及び3によって
一方部5にできる傾斜面を利用して、
表側から蛇腹の正面側を楽にめくることができるような設計が容易となるし、製造が比較的簡単であり、且つユーザーは気軽に好みの長さにある折り目で切り取れば良いというような設計が容易となる。
【0010】
また発明2では、本発明の効果に加えて、山折り目1及び3によって他方部6にできる傾斜面を利用して、裏側から蛇腹の正面側を楽にめくることができるような設計が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態の折り畳まれた状態を表側から見た図
【
図2】第1実施形態の伸ばされた状態で蛇腹の正面側を見た図
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の第1実施形態を
図1から3に基づいて説明する。
【0013】
図2は樹脂製又は紙製の幅一定帯状シートが伸ばされた状態であり、蛇腹の正面側を見ていることになる。表側面8から順に谷折り目2、山折り目1、谷折り目4、山折り目3、谷折り目10、山折り目9、裏側面11と続き、それぞれの折り目は直線状で折り跡がついているが、例えば折り跡が無く印刷などで折り位置が示されている、あるいはミシン目など折れやすいように加工されている、という製品状態でも良いだろう。またロール状などのより長い帯状で販売され、ユーザーが好みの長さで切り取って折り位置で折り畳んでも良いだろう。また、すべての折り目あるいは一部の折り目をミシン目などの手で切り易いものにしておけば、ユーザー好みで道具なしに素早く切り取ることが出来るので便利だろう。また
図2の谷折り目2と山折り目1はテーパー角度2度で下方向にひらき、山折り目1と谷折り目4は2度で上方向にひらき、谷折り目4と山折り目3は2度で下方向にひらき、山折り目3と谷折り目10は2度で上方向にひらき、谷折り目10と山折り目9は2度で下方向にひらいている。このように帯状シートの長さ方向に対して一定ピッチで山折り目と谷折り目の組みが繰り返されるので製造が比較的簡単であり、且つユーザーは気軽に好みの長さにある折り目で切り取れば良いのである。
図2の伸ばされた状態のシートをそれぞれの山折り目、谷折り目をその通りに折ると
図1の折り畳まれた状態になる。この状態の一方部5では山折り目1、3、9が螺旋階段の一部のように重なり傾斜面を成し、山折り目1、3、9は中間部7で交差して他方部6でも螺旋階段の一部のように重なり傾斜面を成す。また一方部15では谷折り目2、4、10が螺旋階段の一部のように重なり傾斜面を成し、谷折り目2、4、10は中間部12で交差して他方部16でも螺旋階段の一部のように重なり傾斜面を成す。
また、折り畳まれた状態では中間部7及び12にそれぞれくぼみ17及び18ができるので、くぼみ17及び18に輪ゴムやゴム紐などを巻き回しておけば、不意に
図2のような伸ばされた状態になることを簡便に防止できるだろう。また、くぼみ13及び14に輪ゴムやゴム紐などを巻き回しても同様の効果が得られるだろう。
図3は
図1の折り畳まれた状態の上下端を切り落としたものであり、比較的簡単な加工であるが、本棚に入れるような場合に収まりが良くなる。
【符号の説明】
【0014】
1,3,9. 山折り目
2,4,10. 谷折り目
5,15. 一方部
6,16. 他方部
7,12. 中間部
8. 表側面
11. 裏側面
13,14,17,18. くぼみ
【要約】 (修正有)
【課題】蛇腹状になったシートでも素早く目的のシート部分を探すことができるメモ用シートを提供する。
【解決手段】折り畳まれた状態で、折り目方向の一方部5では山折り目1よりも山折り目3の方が山が高く、他方部6では山折り目3よりも山折り目1の方が山が高い構造とする。
【選択図】
図1