特許第6467575号(P6467575)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6467575
(24)【登録日】2019年1月25日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
   A45D 34/04 20060101AFI20190204BHJP
   B43K 8/02 20060101ALI20190204BHJP
【FI】
   A45D34/04 525Z
   B43K8/02
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-225177(P2014-225177)
(22)【出願日】2014年11月5日
(65)【公開番号】特開2016-87094(P2016-87094A)
(43)【公開日】2016年5月23日
【審査請求日】2017年9月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】591147339
【氏名又は名称】株式会社トキワ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(72)【発明者】
【氏名】石田 行一
【審査官】 長清 吉範
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−213091(JP,A)
【文献】 特開平8−295094(JP,A)
【文献】 実開昭63−39476(JP,U)
【文献】 特許第4409720(JP,B2)
【文献】 特公昭63−11047(JP,B2)
【文献】 特開平8−11478(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0060860(US,A1)
【文献】 特開2000−318369(JP,A)
【文献】 実公昭62−28453(JP,Y2)
【文献】 特開平9−234987(JP,A)
【文献】 特開2000−255192(JP,A)
【文献】 実開昭58−187483(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 34/04
B43K 8/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体と、前記容器本体に設けられ内容物を収容可能な収容部と、を備えた容器において、
前記収容部内には、前記内容物と共に、撹拌子及び軸線方向に伸縮可能なバネが収容されており、前記収容部の先端側の端部から前記内容物が流出し、
前記バネは、径違いの複数のバネ部を軸線方向に一体的に連ねたバネであり、
前記撹拌子の径よりも小径の小径バネ部を備えると共に、この小径バネ部の軸線方向隣であってその先端部に、前記撹拌子の径より大径の大径バネ部を連ねて備え、
前記撹拌子は、前記大径バネ部内を軸線方向に移動可能とされていることを特徴とする容器。
【請求項2】
前記バネは、前記収容部内を軸線方向に移動可能とされていることを特徴とする請求項1記載の容器。
【請求項3】
前記バネは、前記収容部内の軸線方向全長に亘って延在していることを特徴とする請求項1記載の容器。
【請求項4】
前記バネは、前記先端部に最大径のバネ部が位置していることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の容器。
【請求項5】
前記バネは、コイルバネ又は樹脂バネであることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の容器。
【請求項6】
前記容器本体は、前記収容部内から前記先端側に流出する前記内容物を塗布するための塗布体を有することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に収容した内容物を撹拌できる容器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の容器としては、以下の特許文献1に記載の容器が知られている。この特許文献1に記載の容器は、容器本体内の収容部にインキと共に運動体を収容し、この運動体が運動することでインキを撹拌するというものである。運動体は、収容部内の後部に配置され軸線方向に延在するコイルバネと、このコイルバネより前側に配置された例えば球体等の撹拌子とから成る。そして、使用者が容器を振ると、撹拌子が軸線方向に運動し、さらに、撹拌子がコイルバネの先端に衝突することによりコイルバネが伸縮し、これらの撹拌子及びコイルバネの運動により、沈降物等の固体成分を効率良く撹拌できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−318369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記容器にあっては、内容物の撹拌が十分ではなく、効率良く撹拌することが求められている。
【0005】
そこで、本発明は、内容物を効率良く撹拌できる容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による容器は、容器本体と、容器本体に設けられ内容物を収容可能な収容部と、を備えた容器において、収容部内には、内容物と共に、撹拌子及び軸線方向に伸縮可能なバネが収容されており、収容部の先端側の端部から内容物が流出し、バネは、径違いの複数のバネ部を軸線方向に一体的に連ねたバネであり、撹拌子の径よりも小径の小径バネ部を備えると共に、この小径バネ部の軸線方向隣であってその先端部に、撹拌子の径より大径の大径バネ部を連ねて備え、撹拌子は、大径バネ部内を軸線方向に移動可能とされていることを特徴としている。
【0007】
このような容器によれば、使用者が容器を振ると、撹拌子は、バネを構成する大径バネ部内を軸線方向に移動可能とされているため、撹拌子が軸線方向に移動し、この撹拌子の移動により内容物が撹拌され、さらに、撹拌子が、バネを構成し大径バネ部の軸線方向隣に位置し撹拌子より小径の小径バネ部に衝突することにより小径バネ部が軸線方向に伸縮し、この小径バネ部の伸縮により内容物が一層撹拌され、さらに、上記大径バネ部が、小径バネ部の伸縮による弾性力を受けて軸線方向に伸縮し、この大径バネ部の伸縮により内容物が一層撹拌される。このように、撹拌子の移動及び小径バネ部の伸縮に加えて、大径バネ部の伸縮が加わるため、内容物を効率良く撹拌できる。
【0008】
ここで、バネは、収容部内を軸線方向に移動可能とされていると、撹拌子の移動、及び、小径バネ部、大径バネ部の伸縮に加えて、軸線方向に移動するバネにより、内容物を一層効率良く撹拌できる。
【0009】
また、バネは、収容部内の全長に亘って延在していると、撹拌子の移動に加えて、収容部内の全長に亘ってバネが伸縮するため、全長に亘るバネの伸縮により、内容物を一層効率良く撹拌できる。
【0010】
また、バネは、端部に最大径のバネ部が位置していると、端部の最大径のバネ部は、撹拌子では届かない収容部端部の周縁のデッドスペースを、その移動且つ/又はその伸縮により撹拌できるため、内容物を一層効率良く撹拌できる。
【0011】
また、上記作用を好適に奏するバネとしては、具体的には、コイルバネ又は樹脂バネが挙げられる。
【0012】
また、容器本体は、収容部内から先端側に流出する内容物を塗布するための塗布体を有していると、撹拌された内容物を塗布体により好適に塗布することができる。
【発明の効果】
【0013】
このように本発明によれば、内容物を効率良く撹拌できる容器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1実施形態に係る容器を示す断面図でありコイルバネを切断しない図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る容器を示す全断面図である。
図3図1及び図2中のコイルバネを示す斜視図である。
図4】本発明の第2実施形態に係る容器を示す断面図でありコイルバネを切断しない図である。
図5】本発明の第2実施形態に係る容器を示す全断面図である。
図6図4及び図5中のコイルバネを示す斜視図である。
図7】本発明の第3実施形態に係る容器を示す断面図でありコイルバネを切断しない図である。
図8】本発明の第3実施形態に係る容器を示す全断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明による容器の好適な実施形態について図1図8を参照しながら説明する。図1図3は、本発明の第1実施形態を、図4図6は、本発明の第2実施形態を、図7及び図8は、本発明の第3実施形態を各々示すものであり、各図において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0016】
先ず、図1図3に示す第1実施形態を説明する。
【0017】
図1は、本発明の第1実施形態に係る容器を示す断面図でありコイルバネを切断しない図、図2は、容器の全断面図、図3は、図1及び図2中のコイルバネの斜視図であり、本実施形態の容器100は、内容物Lを収容し使用者が必要に応じて適宜塗布体3により塗布するものである。
【0018】
内容物Lは、ここでは、アイライナーやリップライナー等の液状化粧料とされ、塗布体3は、ここでは、毛筆とされ、これらを備える容器100は、液状化粧料容器とされている。
【0019】
図1及び図2に示すように、液状化粧料容器100は、全体形状が筆記具の如き細長い丸棒状を呈するものであり、円筒状の容器本体1と、容器本体1内に設けられ液状化粧料Lを収容する収容部2と、容器本体1の先端に装着され収容部2内の液状化粧料Lを塗布するための毛筆3と、容器本体1内に配置され収容部2内と毛筆3を結ぶ軸状の中継芯4と、中継芯4周りに装着された略円筒状のジャバラ部材5と、を概略備える。なお、ここでは、使用者が容器本体1を持って塗布しやすいように、容器本体1に対して、有底円筒状の把持筒6が螺合により着脱可能に装着されている。なお、容器本体1は円筒状に限定されるものではなく、矩形筒等であっても良い。
【0020】
容器本体1は、例えばPP等から形成され、鍔付きで先細の円筒状に構成される。容器本体1の外周面に設けられた鍔部1aの後端面には、容器本体1に螺子込まれた把持筒6の先端面が突き当てられ、鍔部1aの先端面には、容器本体1に装着されたキャップ10(詳しくは後述)の開放端面が突き当てられる。また、容器本体1の後端の開口は、有底円筒状の尾栓7を差し込み装着することにより、閉じられている。
【0021】
ジャバラ部材5は、液状化粧料Lの流量をコントロールするためのもので、液状化粧料Lを含む溝(ジャバラ)を有し、その円筒状の後端部5aが、容器本体1の内周面の凹部1bに嵌合することにより、容器本体1に装着されている。そして、容器本体1内のジャバラ部材5の後端部5aと尾栓7との間に上記収容部2が形成されており、この収容部2内に液状化粧料Lが収容されている。
【0022】
中継芯4は、例えばアクリル樹脂等から形成され、ジャバラ部材5の筒孔を通過するように軸線方向に延在し、その先端側がジャバラ部材5の先端側と嵌合することでジャバラ部材5に装着されている。中継芯4は、その後端側の部分が収容部2内に進入すると共に、その先端側の部分が毛筆3に進入することで、収容部2内と毛筆3とを結んでいる。そして、中継芯4は、毛細管現象により収容部2内の液状化粧料Lを吸い上げ毛筆3へ供給するのを可能とする。
【0023】
毛筆3は、その後端部が、中央に貫通孔を有する円板状の毛筆保持部3aに固着され、この毛筆保持部3aは、ジャバラ部材5の先端面と毛筆ホルダ8の後端面との間に挟まれるようにして軸線方向に移動不能とされている(詳しくは後述)。
【0024】
毛筆3を保持するための毛筆ホルダ8は、略円筒状で先端が先細とされた形状を呈し、その筒孔を毛筆3が通過している。この毛筆ホルダ8は、その先端部を除く部分が、容器本体1の先端部内に進入し、その後端部の鍔部8aが、容器本体1の先端部の内側に張り出す張り出し部1cの後側に位置し対面している。そして、毛筆ホルダ8は、ジャバラ部材5が容器本体1に対して装着されることにより、毛筆保持部3aを介してその鍔部8aが軸線方向先端側に押圧され、容器本体1の張り出し部1cに当接することにより、軸線方向に移動不能に装着される。従って、毛筆保持部3aは、ジャバラ部材5の先端面と毛筆ホルダ8の後端面との間に挟持され軸線方向に移動不能とされる。この毛筆ホルダ8は、その先細の先端部によって毛筆3を押えるようにして束ねることにより、毛筆3の先端を尖鋭な形状に整える。
【0025】
容器本体1の先端側には、毛筆3等を保護するための有底円筒状のキャップ10が嵌合により着脱自在に装着されている。キャップ10内には、さらに内キャップ10aが設けられる。内キャップ10aは、コイルバネ9により容器本体1側に付勢され、キャップ10の後端面が容器本体1の鍔部1aの先端面に突き当てられ、キャップ10が容器本体1に装着されると、内キャップ10aが容器本体1の先端側の先細の外周面に密着して気密を確保し揮発を抑制する。
【0026】
ここで、本実施形態の液状化粧料容器100にあっては、収容部2内に、液状化粧料Lと共に、軸線方向に移動可能な撹拌子20及び軸線方向に伸縮可能なコイルバネ21が収容されている。撹拌子20は、ここでは、特に好ましいとして、球体とされているが、多面体や錐体等であっても良い。
【0027】
コイルバネ21は、図3に示すように、径違いの複数のバネ部(ここでは径違いの2個のバネ部)21a,21bを軸線方向に一体的に連ねた一体成形のバネであり、ここでは、例えばSUS等より成形されている。このコイルバネ21は、撹拌子20の径よりも小径の小径バネ部21aを後半部に備えると共に、小径バネ部21aの前方の軸線方向隣に、撹拌子20の径より大径の大径バネ部21bを連ねて備える。
【0028】
コイルバネ21は、図1及び図2に示すように、その軸線方向長が、収容部2内の軸線方向全長の約半分とされ、軸線方向に移動可能とされている。このコイルバネ21は、その小径バネ部21aが、有底円筒状の尾栓7の筒孔に進入可能とされ、その大径バネ部21bが、容器本体1の収容部2の内周面に接近する径に構成されている。
【0029】
このように構成された液状化粧料容器100にあっては、収容部2内の液状化粧料Lは、中継芯4を介して先端側の毛筆3に向かって流出し、使用者により毛筆3による塗布に供される。
【0030】
ここで、使用者が容器100を振ると、撹拌子20は、コイルバネ21を構成する大径バネ部21b内を軸線方向に移動可能とされているため、撹拌子20が軸線方向に移動し、この撹拌子20の移動により液状化粧料Lが撹拌される。そして、さらに、撹拌子20が、コイルバネ21を構成し大径バネ部21bの軸線方向隣に位置し撹拌子20より小径の小径バネ部21aに衝突することにより小径バネ部21aが軸線方向に伸縮し、この小径バネ部21aの伸縮により液状化粧料Lが一層撹拌される。そして、さらに、上記大径バネ部21bが、小径バネ部21aの伸縮による弾性力を受けて軸線方向に伸縮し、この大径バネ部21bの伸縮により液状化粧料Lが一層撹拌される。
【0031】
このように、本実施形態では、撹拌子20の移動及び小径バネ部21aの伸縮に加えて、大径バネ部21bの伸縮が加わるため、液状化粧料Lを効率良く撹拌できる。
【0032】
また、コイルバネ21は、収容部2内を軸線方向に移動可能とされているため、使用者が容器100を振ると、コイルバネ21は軸線方向に移動(往復移動)することになり、撹拌子20の移動、及び、小径バネ部21a、大径バネ部21bの伸縮に加えて、軸線方向に移動するコイルバネ21により、液状化粧料Lを一層効率良く撹拌できる。
【0033】
また、コイルバネ21は、先端部に大径バネ部(最大径のバネ部)21bが位置しているため、この大径バネ部21bにより、撹拌子20では届かない収容部2の先端部の周縁のデッドスペースを、その移動且つ/又はその伸縮により撹拌でき、液状化粧料Lを一層効率良く撹拌できる。
【0034】
なお、コイルバネ21にあっては、バネ定数、巻線径、巻線ピッチ、巻線の粗密は、上記作用を好適に奏するように適宜選択できる。
【0035】
因みに、第1実施形態では、有底円筒状の尾栓7により容器本体1の後端の開口を閉じ、容器本体1の収容部2の内周面が、前側と後側で均一径ではない場合に最適なコイルバネ21(前側の大径バネ部21bが収容部2の内周面に接近し、後側の小径バネ部21aが尾栓7の筒孔に進入可能なコイルバネ21)を用いた例を示したが、以下の第2、第3実施形態の液状化粧料容器200,300では、容器本体1は、前側容器本体1xと後側容器本体1yとが軸線方向に移動不能且つ周方向に回転不能に嵌合して一体となった有底円筒状とされ、尾栓7がないものとされている。なお、第2、第3実施形態の液状化粧料容器200,300にあっては、把持筒6は省略され描かれていない。
【0036】
図4は、本発明の第2実施形態に係る容器を示す断面図でありコイルバネを切断しない図、図5は、容器の全断面図、図6は、図4及び図5中のコイルバネの斜視図である。
【0037】
図4及び図5に示すように、第2実施形態の液状化粧料容器200が、第1実施形態の液状化粧料容器100と違う点は、2個のバネ部を連ねたコイルバネ21に代えて、3個のバネ部を連ねたコイルバネ22を用いた点である。
【0038】
コイルバネ22は、図6に示すように、撹拌子20の径よりも小径の小径バネ部22aを軸線方向中間に備えると共に、小径バネ部22aの前方及び後方の軸線方向隣に、撹拌子20の径より大径の大径バネ部22b,22cを連ねて備える。
【0039】
コイルバネ22は、図4及び図5に示すように、その大径バネ部22b,22cが、容器本体1の収容部2の内周面に接近する径に構成される。また、コイルバネ22は、その軸線方向長が、収容部2内の軸線方向全長の約半分より多少長くされ、第1実施形態と同様に、軸線方向に移動可能とされている。
【0040】
このように構成された液状化粧料容器200にあって、使用者が容器200を振ると、撹拌子20は、コイルバネ22を構成する大径バネ部22b内を軸線方向に移動可能とされているため、撹拌子20が軸線方向に移動し、この撹拌子20の移動により液状化粧料Lが撹拌され、さらに、撹拌子20が、コイルバネ22を構成し大径バネ部22bの軸線方向隣に位置し撹拌子20より小径の小径バネ部22aに衝突することにより小径バネ部22a及び後側の大径バネ部22cが軸線方向に伸縮し、この小径バネ部22a及び後側の大径バネ部22cの伸縮により液状化粧料Lが一層撹拌され、さらに、上記前側の大径バネ部22bが、小径バネ部22a及び後側の大径バネ部22cの伸縮による弾性力を受けて軸線方向に伸縮し、この前側の大径バネ部22bの伸縮により液状化粧料Lが一層撹拌される。
【0041】
このように、第2実施形態でも、撹拌子20の移動及び小径バネ部22a及び後側の大径バネ部22cの伸縮に加えて、前側の大径バネ部22bの伸縮が加わるため、液状化粧料Lを効率良く撹拌できる。
【0042】
また、この第2実施形態においても、コイルバネ22は、収容部2内を軸線方向に移動可能とされているため、使用者が容器100を振ると、コイルバネ22は軸線方向に移動(往復移動)することになり、撹拌子20の移動、及び、小径バネ部22a、大径バネ部22b,22cの伸縮に加えて、軸線方向に移動するコイルバネ22により、液状化粧料Lを一層効率良く撹拌できる。
【0043】
また、コイルバネ22は、先端部及び後端部に大径バネ部(最大径のバネ部)22b,22cがそれぞれ位置しているため、この大径バネ部22b,22cにより、撹拌子20では届かない収容部2の端部の周縁のデッドスペースを、その移動且つ/又はその伸縮により撹拌でき、液状化粧料Lを一層効率良く撹拌できる。
【0044】
なお、大径バネ部22b,22cは例えば同径でなくても良く、要は、コイルバネは、撹拌子20の径よりも小径の小径バネ部を備えると共に、この小径バネ部の軸線方向隣に、撹拌子20の径より大径の大径バネ部を連ね、撹拌子20が、大径バネ部内を軸線方向に移動可能とされていれば良い。従って、撹拌子20は、後側の大径バネ部22c内に、軸線方向に移動可能に配置されていても良い。
【0045】
図7は、本発明の第3実施形態に係る容器を示す断面図でありコイルバネを切断しない図、図8は、本発明の第3実施形態に係る容器を示す全断面図である。
【0046】
この第3実施形態の液状化粧料容器300が、第2実施形態の液状化粧料容器200と違う点は、その軸線方向長が収容部2内の軸線方向全長に達しないコイルバネ22に代えて、その軸線方向長が収容部2内の軸線方向全長に亘るコイルバネ23を用いた点である。
【0047】
このように構成された液状化粧料容器300にあっても、第2実施形態の液状化粧料容器200と同様に、撹拌子20の移動及び小径バネ部23a及び後側の大径バネ部23cの伸縮に加えて、前側の大径バネ部23bの伸縮が加わるため、液状化粧料Lを効率良く撹拌できる効果が得られると共に、コイルバネ23は、先端部及び後端部に大径バネ部(最大径のバネ部)23b,23cがそれぞれ位置しているため、この大径バネ部23b,23cにより、撹拌子20では届かない収容部2の端部の周縁のデッドスペースを、その伸縮により撹拌でき、液状化粧料Lを一層効率良く撹拌できる効果が得られるのに加えて、コイルバネ23は、収容部2内の全長に亘って延在しているため、収容部2内の全長に亘ってコイルバネ23が伸縮し、この全長に亘るコイルバネ23の伸縮により、液状化粧料Lを一層効率良く撹拌できる。
【0048】
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、上記実施形態においては、径違いの複数のバネ部として2個又は3個のバネ部を連ねているが、4個以上のバネ部を連ねても良く、要は、コイルバネは、撹拌子20の径よりも小径の小径バネ部を備えると共に、この小径バネ部の軸線方向隣に、撹拌子20の径より大径の大径バネ部を連ね、撹拌子20が、大径バネ部内を軸線方向に移動可能とされていれば良い。
【0049】
また、上記実施形態においては、特に好ましいとして、コイルバネ21〜23を用いているが、周面に略螺旋状のスリットを有し軸線方向に伸縮可能な所謂樹脂バネを用いることも可能であり、この場合も、径違いの複数のバネ部を軸線方向に一体的に連ね、撹拌子20の径よりも小径の小径バネ部を備えると共に、この小径バネ部の軸線方向隣に、撹拌子20の径より大径の大径バネ部を連ねて備えていれば良い。
【0050】
また、上記実施形態においては、内容物Lを液状化粧料とし、塗布体3を毛筆としているが、これらに限定されるものではなく、内容物Lを、例えば、筆記用具等のインキ、液状の医薬品、泥状物、靴墨、粉体等とし、塗布体3を、例えば、スポンジ等の発泡体や、ブラシ機能を有する突起群等とすることもできる。
【符号の説明】
【0051】
1…容器本体、2…収容部、3…毛筆(塗布体)、20…撹拌子、21,22,23…コイルバネ(バネ)、21a,22a,23a…小径バネ部、21b,22b,22c,23b,23c…大径バネ部(最大径のバネ部)、100,200,300…液状化粧料容器(容器)、L…液状化粧料(内容物)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8