特許第6467650号(P6467650)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6467650球状窒化ホウ素微粒子およびその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6467650
(24)【登録日】2019年1月25日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】球状窒化ホウ素微粒子およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 21/064 20060101AFI20190204BHJP
【FI】
   C01B21/064 G
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-562810(P2015-562810)
(86)(22)【出願日】2015年2月9日
(86)【国際出願番号】JP2015053489
(87)【国際公開番号】WO2015122379
(87)【国際公開日】20150820
【審査請求日】2017年12月14日
(31)【優先権主張番号】特願2014-24009(P2014-24009)
(32)【優先日】2014年2月12日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003296
【氏名又は名称】デンカ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】301023238
【氏名又は名称】国立研究開発法人物質・材料研究機構
(74)【代理人】
【識別番号】100127513
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 悟
(72)【発明者】
【氏名】黒川 史裕
(72)【発明者】
【氏名】小林 清太郎
(72)【発明者】
【氏名】川崎 卓
(72)【発明者】
【氏名】竹田 豪
(72)【発明者】
【氏名】板東 義雄
(72)【発明者】
【氏名】ゴルバーグ デミトリー
【審査官】 廣野 知子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−180066(JP,A)
【文献】 特開2008−266101(JP,A)
【文献】 特開2004−182572(JP,A)
【文献】 特開平4−42897(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/043082(WO,A1)
【文献】 特開平8−290905(JP,A)
【文献】 ChengChun Tang, et al.,ADVANCED FUNCTIONAL MATERIALS,2008年,18,p.3653−3661
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 21/064
JSTPlus(JDreamIII)
JST7580(JDreamIII)
JSTChina(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均粒子径0.01〜1.0μm、配向性指数1〜15、窒化ホウ素純度98.0質量%以上、及び平均円形度0.80以上であることを特徴とする球状窒化ホウ素微粒子。
【請求項2】
アンモニア/ホウ酸アルコキシドのモル比が1〜10のホウ酸アルコキシドとアンモニアを不活性ガス気流中、750℃以上、30秒以内で反応させた後、アンモニアガス、又は、アンモニアガスと不活性ガスの混合ガスの雰囲気下、1,000〜1,600℃、1時間以上で熱処理後、さらに、不活性ガス雰囲気下、1,800〜2,200℃、0.5時間以上で焼成することを特徴とする球状窒化ホウ素微粒子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高熱伝導フィラーなどに好適な球状窒化ホウ素微粒子およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
六方晶窒化ホウ素(以下、「窒化ホウ素」という)は、潤滑性、高熱伝導性、及び絶縁性等を有しており、固体潤滑剤、溶融ガスやアルミニウムなどの離形剤、及び放熱材料用充填材等に幅広く利用されている。
特に近年、コンピューターや電子機器の高性能化により、放熱対策の重要性が増しており、窒化ホウ素の高熱伝導性が注目されている。
【0003】
近年、プリント配線板用樹脂基板、フレキシブル銅張積層板等の樹脂層に、高熱伝導性や絶縁性を付与させる目的で窒化ホウ素を添加することが検討されている。
一般的な窒化ホウ素の平均粒子径は、数μm〜20μmであるが、プリント配線板用樹脂基板やフレキシブル銅張積層板等の樹脂層の厚みには数十μm程度のものもあり、窒化ホウ素の平均粒子径が大きいと、樹脂への分散性が悪く、表面の平滑性が得られない、また、分散させた場合、ブツが発生し、樹脂層の強度を高く保つことができないことがあり、サブミクロンクラス(0.1μm)の窒化ホウ素微粒子が要求されている。
【0004】
窒化ホウ素が高熱伝導性を示すには、高純度で、高結晶性である必要がある。これはサブミクロンクラス(0.1μm)の窒化ホウ素微粒子であっても変わらない。
【0005】
一方、窒化ホウ素は、特徴的な鱗片形状であり、その熱特性は、長径もしくは短径方向の方が厚み方向に比べて圧倒的に優れている。そのため、例えば、窒化ホウ素をシリコーンなどの樹脂に充填した複合材料の熱特性は、複合材料中での窒化ホウ素微粒子の方向性に大きく影響を受ける。
しかしながら、例えば、シート形状の複合材料を作製した場合、多くの場合、窒化ホウ素微粒子は横方向に寝てしまい、縦方向に必要な充分な熱特性を示さない。
【0006】
つまり窒化ホウ素が高熱伝導性フィラーとして好適であるためには、球形状、もしくは凝集形状にすることで、方向性の影響を小さくする必要がある。
【0007】
窒化ホウ素は、一般的に、ホウ素源(ホウ酸、硼砂等)と窒素源(尿素、メラミン、及びアンモニアなど)を高温で反応させることで得られ、ホウ酸とメラミンから鱗片状の一次粒子が凝集した「松ぼっくり」状の窒化ホウ素が提案されている(特許文献1)。
しかしながら、この方法で作製された窒化ホウ素の凝集粒子径は50μm以上であり、本発明の目的のサブミクロンクラスの窒化ホウ素微粒子を作製するのは困難である。
【0008】
一方、気相合成法により窒化ホウ素微粒子を得る方法が報告されている(特許文献2〜特許文献4)。
しかしながら、これらの方法で得られた窒化ホウ素微粒子は、結晶性が低いため、窒化ホウ素の特徴である潤滑性や高熱伝導性が不充分である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平09−202663号公報
【特許文献2】特開2000−327312号公報
【特許文献3】特開2004−182572号公報
【特許文献4】特開2010−180066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、球形度の高いサブミクロンの球状窒化ホウ素微粒子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の手段を採用する。
(1)平均粒子径0.01〜1.0μm、配向性指数1〜15、窒化ホウ素純度98.0質量%以上、及び平均円形度0.80以上であることを特徴とする球状窒化ホウ素微粒子である。
(2)アンモニア/ホウ酸アルコキシドのモル比1〜10のホウ酸アルコキシドとアンモニアを不活性ガス気流中、750℃以上、30秒以内で反応させた後、アンモニアガス、又は、アンモニアガスと不活性ガスの混合ガスの雰囲気下、1,000〜1,600℃、1時間以上で熱処理後、さらに、不活性ガス雰囲気下、1,800〜2,200℃、0.5時間以上で焼成することを特徴とする球状窒化ホウ素微粒子の製造方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、球形度の高いサブミクロンの球状窒化ホウ素微粒子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】焼成条件1の窒化ホウ素微粒子の製造装置の概略図である。
【0014】
図2】焼成条件2の窒化ホウ素微粒子の製造装置の概略図である。
【0015】
図3】本発明の実施例の球状窒化ホウ素微粒子の電子顕微鏡写真である。
【0016】
図4】本発明の比較例の窒化ホウ素微粒子の電子顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明では、まず、不活性ガス気流中で、管状炉3を用いて、揮発したホウ酸アルコキシドと、アンモニアによる、いわゆる気相反応により、連続的に白色粉末を合成する(焼成条件1)。次に、この白色粉末を管状炉3(抵抗加熱炉)で焼成する(焼成条件2)。そして最後に、この焼成物を窒化ホウ素製のルツボに入れ、誘導加熱炉で焼成して窒化ホウ素微粒子を生成する(焼成条件3)。
なお、本発明における%は、特に断らない限り質量規準で示す。
【0018】
本発明においては、上記のとおり、焼成条件が3段階あり、その焼成条件の温度が低い順に、焼成条件1:750℃以上、焼成条件2:1,000〜1,600℃、及び焼成条件3:1,800〜2,200℃とし、焼成条件1、2については、管状炉3として、抵抗加熱方式を用い、焼成条件3については、管状炉3として、誘導加熱方式の電気炉を用いることができる。もちろん焼成条件1、2において誘導加熱方式の電気炉を用いても問題はない。
【0019】
以下、本発明を、図を用いて説明する。
【0020】
焼成条件1で使用する窒化ホウ素微粒子の製造装置は、管状炉3(抵抗加熱炉)、反応管(石英管)2、ホウ酸アルコキシドの容器1、ホウ酸アルコキシドの導入管4、アンモニアガスの導入管5、及びサンプルの回収容器6などからなるものである。
【0021】
本発明の球状窒化ホウ素微粒子は、揮発したホウ酸アルコキシドと、アンモニアによる、いわゆる気相反応により連続的に合成する。そのため連続的な合成が可能な装置が必要であり、焼成条件1では、例えば、図1に例示される管状炉3を用いた装置を用いることが好ましい。
【0022】
管状炉3は特に限定されるものではないが、取り扱いが容易な電気炉を用いることが好ましい。
【0023】
電気炉は、通電により炉を構成する発熱体等を発熱させ、炉内を加温することが基本原理であり、加熱方式や発熱体の材質で細分化される。
一般的に、1,700℃付近までの加熱は、発熱体を用いた抵抗加熱方式で可能であるが、2,000℃付近の加熱は、コイルを用いた誘導加熱方式が必要となる。
なお発熱体の材質には、炭化ケイ素やカーボンなどが用いられるが特に限定されるものではない。
【0024】
本発明で使用する反応管2の材質は特に限定されるものではないが、化学的に安定で耐熱性が良好なアルミナや石英を用いることが好ましい。
【0025】
以下、反応管2として石英管を用い、ホウ酸アルコキシドとして、ホウ酸トリメチルを使用した焼成条件1の概要を図1に基づいて説明する。
【0026】
抵抗加熱炉3に石英管2を設置し、加熱して所定の温度まで昇温する。ホウ酸トリメチルを容器1に入れ、窒素により、導入管4を経由して石英管2に導入する。一方、アンモニアも、導入管5を経由して石英管2に導入する。導入したホウ酸トリメチルとアンモニアは加熱された石英管2内で反応し、白色粉末が生成する(焼成条件1)。生成した白色粉末は、一部は石英管2内に付着するが、多くは窒素や未反応のアンモニアにより回収容器6に輸送される。生成物である白色粉末(生成物7)はこの回収容器6より回収される。
【0027】
管状炉3の温度は、750℃以上が好ましい。750℃より低いと生成する窒化ホウ素微粒子の平均粒子径が1.0μmより大きくなる場合がある。
【0028】
ホウ酸トリメチルとアンモニアとの反応は30秒以内で終了する。30秒を超えると、窒化ホウ素微粒子の平均粒子径が1.0μmより大きくなる場合がある。
【0029】
本発明で使用するホウ酸アルコキシドとしては、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、及びホウ酸トリイソプロピルなどを用いることができるが、アンモニアとの反応のし易さや入手の容易さから、ホウ酸トリメチルを用いることが好ましい。ホウ酸トリメチルとしては、各社試薬の他に多摩化学工業社製商品名「TMB」などがある。
【0030】
一方、本発明で使用するアンモニアは特に限定されるものではないが、不純物を含まない、いわゆる「高純度」タイプのものが好ましい。
【0031】
不活性ガスとしては特に限定されるものではないが、化学反応を起こしにくいガスで、例えば、ヘリウム、ネオン、及びアルゴンなどの希ガスや窒素などが挙げられる。
【0032】
ホウ酸アルコキシドとアンモニアの配合割合は、アンモニア/ホウ酸アルコキシドのモル比で1〜10である。アンモニア/ホウ酸アルコキシドのモル比が1未満では、窒化ホウ素微粒子の純度が98.0%より低くなる場合があり、モル比が10より大きくなると、窒化ホウ素微粒子の平均粒子径が0.01μmより小さくなる場合がある。
【0033】
ホウ酸アルコキシドとアンモニアの導入を止め、管状炉3の電源を切り、焼成条件1で合成した白色粉末を回収し、例えば、図2に示す装置で、焼成条件2の焼成を行う。
【0034】
焼成条件2で使用する装置は、抵抗加熱炉3’に、反応管2’としてアルミナ管を使用し、反応管の中心に焼成条件1で合成した白色粉末(生成物7)を充填し、抵抗加熱炉3’にセットした後、導入管4'から窒素を、導入管5’からアンモニアを導入した。所定温度まで昇温した後、所定時間焼成する。焼成終了後、抵抗加熱炉3’を冷却し、焼成物を回収する。
焼成条件2では、誘導加熱炉を用いることも可能である。
【0035】
抵抗加熱炉3の温度は、1,000〜1,600℃である。この範囲外では、窒化ホウ素微粒子の配向性指数が15より大きくなる場合がある。
【0036】
焼成条件2の反応時間は、1時間以上である。1時間未満では、窒化ホウ素微粒子の配向性指数が15より大きくなる場合があり、窒化ホウ素微粒子は鱗片形状で円形度が低い場合がある。
【0037】
焼成条件2の雰囲気は、アンモニアガス、又は、アンモニアガスと不活性ガスの混合ガスの雰囲気が好ましい。アンモニアガスが存在しないと、窒化ホウ素微粒子は、配向性指数が15より大きくなる場合や、純度が98.0%より低くなる場合や、鱗片形状で平均円形度が低い場合がある。
【0038】
焼成条件2の反応が終了した後、電気炉の電源を切り、窒素やアンモニアの導入を停止し、冷却する。
【0039】
焼成条件2で焼成した焼成物を、窒化ホウ素製ルツボに入れ、誘導加熱炉で窒素雰囲気下、所定温度で焼成する焼成条件3でさらに焼成する。
なお焼成温度が2,000℃前後と高温のため、焼成炉として誘導加熱炉を用いることが好ましい。
【0040】
焼成条件3における温度は、1,800〜2,200℃である。1,800℃より低いと窒化ホウ素微粒子の純度が98.0%より低くなる場合があり、2,200℃より高いと窒化ホウ素微粒子が崩壊する場合がある。
【0041】
焼成条件3における反応時間は0.5時間以上である。0.5時間未満では窒化ホウ素微粒子の純度が98.0%より低くなる場合がある。
【0042】
本発明で生成する窒化ホウ素微粒子の平均粒子径は、0.05〜1.0μmである。この範囲外では、樹脂への分散性が悪く、表面の平滑性が得られない、また、分散させた場合、ブツが発生し、樹脂層の強度を高く保つことができないことがある。
【0043】
また、本発明で生成する窒化ホウ素微粒子の配向性指数は、粉末X線回折法による(002)面の回折線の強度I002と(100)面の回折線の強度I100との比(I002/I100)で示され、高熱伝導性を得る面から、1〜15である。
【0044】
本発明で生成する窒化ホウ素微粒子の窒化ホウ素純度は、高熱伝導性を得る面から、98.0%以上である。
【0045】
本発明で生成する窒化ホウ素微粒子の平均円形度は、高熱伝導性を得る面から、0.80以上である。
【実施例】
【0046】
以下、実験例に基づき本発明をさらに説明する。
【0047】
実験例1
焼成条件1
石英管2を抵抗加熱炉3に設置し、所定温度に加熱する。ホウ酸トリメチルを容器1に入れ、窒素により導入管4を経由して石英管2に導入した。一方、アンモニアも導入管5を経由して石英管2に導入した。導入されたホウ酸トリメチルとアンモニアは加熱された石英管2内で反応し、白色粉末を生成した。生成した白色粉末(生成物)を回収容器6より回収した。
【0048】
焼成条件2
焼成条件1で回収した白色粉末を図2に示す装置で焼成した。
アルミナ管2’の中心に焼成条件1で回収した白色粉末(生成物)を充填し、抵抗加熱炉3’にセットした後、導入管4’、5’より窒素、アンモニアをそれぞれ導入した。表1に示す所定温度まで昇温した後に所定時間焼成し、焼成終了後、冷却し、焼成物を回収した。
【0049】
焼成条件3
焼成条件2で得られた焼成物を窒化ホウ素製ルツボに入れ、誘導加熱炉で窒素雰囲気下、表1に示す所定温度で焼成した。得られた窒化ホウ素微粒子の平均粒子径、配向性指数、窒化ホウ素純度、及び平均円形度を測定した。結果を表1に示す。
なお、焼成条件1、2、及び3の温度、時間、及び焼成雰囲気を各々焼成条件1、2、及び3に併記した。
また、本発明の実施例の電子顕微鏡写真を図3に、比較例の電子顕微鏡写真を図4に示す。
【0050】
<使用材料>
ホウ酸トリメチル:和光純薬工業社製試薬、トリメトキシボラン
アンモニア:高純度タイプ市販品
【0051】
<測定方法>
平均粒子径:平均粒子径の測定にはコールター製レーザー回折散乱法粒度分布測定装置、商品名「LS−230」を用いた。
配向性指数:X線回折装置(理学電機社製「Geiger Flex 2013型」)にて2θ=30°〜25°の範囲で測定し、2θ=27〜28°付近((002)面)の回折線の強度I002、2θ=41°付近((100)面)の回折線の強度I100を求めた。配向性指数は窒化ホウ素のX線回折のピーク強度比より、配向性指数=I002/I100で算出した。
窒化ホウ素純度:窒化ホウ素純度は次の方法により求めた。試料を水酸化ナトリウムでアルカリ分解後、水蒸気蒸留法によってアンモニアを蒸留し、これをホウ酸液に捕集した。この捕集液を硫酸規定液で滴定し、窒素量(N)を求めた後、以下の式より窒化ホウ素純度(BN)を算出した。
BN(%)=N(%)×1.772
平均円形度:走査型電子顕微鏡(SEM)もしくは透過型電子顕微鏡(TEM)で粒子像を撮影した後、画像解析(例えば、マウンテック社製、商品名「MacView」)を用いて粒子の投影面積(S)と周囲長(L)を測定した。円形度は以下の式で求めた。
円形度=4πS/L2
任意に選んだ100個の粒子について円形度を測定し、それらの平均値を該試料の平均円形度とした。
【0052】
【表1】
【符号の説明】
【0053】
1 ホウ酸アルコキシドの容器
2 反応管(石英管)
2' 反応官(アルミナ管)
3、3’ 管状炉(抵抗加熱炉)
4 ホウ酸アルコキシドの導入管
4' 窒素の導入管
5、5’ アンモニアガスの導入管
6 サンプルの回収容器
7 生成物
図1
図2
図3
図4