(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6467763
(24)【登録日】2019年1月25日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】運搬機具の均衡維持装置及びその均衡維持装置を備えた運搬機具
(51)【国際特許分類】
F16M 13/00 20060101AFI20190204BHJP
B63B 25/04 20060101ALI20190204BHJP
F16M 3/00 20060101ALI20190204BHJP
F16M 11/24 20060101ALI20190204BHJP
F16M 7/00 20060101ALI20190204BHJP
B62B 1/04 20060101ALI20190204BHJP
B62D 33/08 20060101ALI20190204BHJP
B62B 3/00 20060101ALI20190204BHJP
【FI】
F16M13/00 T
B63B25/04 Z
F16M3/00 H
F16M13/00 S
F16M11/24 H
F16M7/00 S
B62B1/04
B62D33/08
B62B3/00 B
【請求項の数】1
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-528749(P2017-528749)
(86)(22)【出願日】2015年8月13日
(65)【公表番号】特表2017-537283(P2017-537283A)
(43)【公表日】2017年12月14日
(86)【国際出願番号】KR2015008524
(87)【国際公開番号】WO2016024845
(87)【国際公開日】20160218
【審査請求日】2017年2月21日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0105800
(32)【優先日】2014年8月14日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2014-0105832
(32)【優先日】2014年8月14日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517047569
【氏名又は名称】ベ,ソク ウ
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ベ,ソク ウ
【審査官】
結城 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭61−175090(JP,U)
【文献】
特開2014−4291(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3096816(JP,U)
【文献】
特開2000−300619(JP,A)
【文献】
特開2004−1705(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 33/02,33/077−33/10,
B62B 1/00− 1/22,
B62B 3/00− 3/18,
B62B 5/00− 5/08, 9/22,
B62K 1/00,17/00,
A61G 5/00,
A47J 47/14,
B66C 13/06,
H02K 7/00,
B63B 25/04,29/12,
B63B 39/00,43/02,
F16M 3/00, 7/00,
F16M 11/12,11/24,13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に長く形成され、下部の両側に2つ以上の第1及び第2支持台(110、120)がそれぞれ設けられる積載フレーム(100)と;
前記積載フレーム(100)の下部に設けられ、上部の両側が前記第1及び第2支持台(110、120)とそれぞれリンク結合される下部フレーム(200)と;を備え、
前記下部フレーム(200)が運搬機具(10)と結合されることにより、前記運搬機具(10)が揺動するとき、前記積載フレーム(100)は水平を保ち、
前記積載フレーム(100)の第1及び第2支持台(110、120)の下部の一側には、第1及び第2支持溝(111、121)がそれぞれ形成され、前記下部フレーム(200)は、上部の両側に、2つ以上の第1及び第2結合部(210、220)がそれぞれ形成され、一側に、第1及び第2連結溝(211、221)が、前記第1及び第2支持溝(111、121)と対応するように所定間隔離れてそれぞれ形成され、前記第1支持溝(111)と第1連結溝(211)を結合部材(300)でそれぞれリンク結合し、前記第2支持溝(121)と第2連結溝(221)を結合部材(300)でそれぞれリンク結合し、
前記結合部材(300)の一側に、前記下部フレーム(200)の遊動により発生する機械的エネルギーを電気エネルギーに変換する電力変換装置(400)と、前記電力変換装置(400)で変換された電気エネルギーを保存するバッテリー部(500)と、が連結構成されることを特徴とする運搬機具の均衡維持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運搬機具の均衡維持装置及びその均衡維持装置を備えた運搬機具に係り、さらに詳しくは、運搬機具が貨物を積載した後、不均一な地面または海上を移動するとき、荷台に積載された貨物が揺れず、そのバランスを保つことができるようにして、貨物が離脱することを防止することができ、積載された貨物の重力の作用点を運搬機具の下部に移動して安全な運行を図り、波の影響による船舶の揺れ現象を利用して動力を発生させる運搬機具の均衡維持装置及びその均衡維持装置を備えた運搬機具に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、 陸地の運搬機具である自動車などの各種運搬手段は、その運行にあたり、路面の状態が良くないと、揺れたり傾いたりして転倒する恐れがあり、乗り心地も良くない。また、海や川の運搬機具である船舶の場合では、波の高さに応じて揺れたり傾いたりして沈没の危険をもたらし、乗客の乗り物酔い現象を発生させるおそれがある。
【0003】
最近では、海に運航してきた船が高波によって一方向に傾き、積載された貨物が偏ってバランスを失い、最終的には海に完全に沈没してしまった事故があった。このような事故が故に多数の人命被害が発生したことはもとより、莫大な経済的損失をもたらした。
【0004】
まず、従来の技術を説明すると、以下のとおりである。
【0005】
特許文献1によれば、水上を航行して人や家畜や物資などを輸送するために用いられる船舶の両側部に、前記船舶の両側面に引かれている喫水線に位置することはもとより、前記船舶の先端部から後端部まで形成されることで、前記船舶の両側部のいずれか一方に傾く船を元の状態に復元させて前記船舶のバランスを維持するようにする浮力タンク部がそれぞれ設けられた船舶用均衡維持装置において、前記浮力タンク部は、内部が空の半円筒形である二重管型の二重管体部と、前記二重管体部の外面に繊維強化プラスチックが積層して塗布される補強部、からなる外観部と;前記外観部の両側部にそれぞれ結合される、前記外観部の側部形状と同じ形状を有する半円形状の隔壁と;で構成される。前記構造を有する浮力タンク部は、複数個で構成されており、前記各浮力タンク部は、互いに所定間隔離れて設けられている。前記複数の浮力タンク部のうち両側部に位置する各浮力タンク部の外観部の一側には、隔壁が結合されており、前記外観部の他側は、流線型でラウンド処理される。
【0006】
上記した従来の技術は、船舶の両側に浮力タンク部を設けて船舶のバランスを維持できるように構成されているが、船舶が波によって一側または他側に傾いたら、積載された貨物も一側または他側に偏ってバランスを失い、海に沈没する恐れがあるという問題点を有している。
【0007】
特許文献2によれば、板部材と、前記板部材を船舶に対して支持し、伸縮可能な構造を有する1つ以上の支持部材と、を含み、前記支持部材は、前記板部材が回転可能に相互結合され、前記板部材の前方側及び後方側をそれぞれ支持できるようにする第1支持部材及び第2支持部材を備え、前記板部材の水平面に対する勾配を調整する船舶用均衡調整装置に関する。
【0008】
上記した従来の技術は、船体のトリムを調整して搭乗者の嘔吐、吐き気などの船酔いの症状を防止できるように構成されているが、波によって船体が揺れ、一側に傾き、積載された貨物が一側に偏ってバランスを失い、船体が海の中にそのまま沈没する恐れのある構造を有している。
【0009】
特許文献3によれば、ユーザーがコントロールハンドルを操作し、足場に乗る形の二輪型自動均衡電気自動車は、その構成にあたり、ボディと;前記ボディに設けられ、ユーザーを支持する足場と;足場に乗ったユーザーがコントロールハンドルを操作して回同軸を基準として左右に回動させることが可能なコントロールバーと;前記ボディの左側に形成される左側の車輪と;前記ボディの右側に形成される右側の車輪と;前記左車輪及び右車輪の両方を回転させることが可能なモータと;前記モータの回転動力を前記左車輪及び右車輪の両方に伝達し、前記左側の車輪の左側車輪軸と、前記右側の車輪の右側車輪軸との間に設けられ、前記左側車輪軸及び右側車輪軸のいずれか一方に負荷がかかって回転速度が遅くなると、他方の前記右側車輪軸または左車輪軸の回転速度が速くなる差動歯車装置と;前記左側の車輪軸に設けられ、前記左車輪軸の回転速度を調整する左側ステアリングブレーキと;前記右側の車輪軸に設けられ、前記右側車輪軸の回転速度を調整する右側ステアリングブレーキと;前記コントロールバーの左側回動に応じて前記左側ステアリングブレーキを制御する左側ブレーキ制御装置と;前記コントロールバーの右側回動に応じて前記右側ステアリングブレーキを制御する右側ブレーキ制御装置と;を含んでなり、前記左側ブレーキ制御装置及び右側ブレーキ制御装置は、前記左側ブレーキ及び右側ブレーキにそれぞれ張力を伝達し、前記コントロールバーの左側及び右側にそれぞれ接続される左側ワイヤ及び右側ワイヤを含んでなる。
【0010】
上記した従来の技術は、車体とダンパーとの間に車両の荷重を検出し得る均衡検出部を設置し、検出した荷重の偏重状態に基づいて減衰力(
damping force)を調整して車体のバランスを維持できるように構成されているが、このような構成は、乗用車に限られた構成であるのみならず、それ自体のバランスを維持して搭乗者の乗り心地及び車両の異常有無を判断できるものであり、トラックなどの地上の運搬機具として用いられる、荷台が具備された車両には用いられない構造である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】韓国登録特許第10−1147624号公報
【特許文献2】韓国公開特許第10−2014−0081107号公報
【特許文献3】韓国登録特許第10−1042918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、本発明は、地上の運搬機具である車両または海上の運搬機具である船舶の下部に構成し、不均一な地面や波がある海上で移動するとき、積載された貨物が揺れずにバランスを保つことができるので、船舶が傾き沈没することを防止して安全性を確保することができるほか、揺れる作用により発生する機械エネルギーを電気エネルギーに変換させて別途に使用できるようにする運搬機具の均衡維持装置及びその均衡維持装置を備えた運搬機具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するための本発明は、長手方向に長く形成され、下部の両側に2つ以上の第1及び第2支持台110、120がそれぞれ設けられる積載フレーム100と;前記積載フレーム100の下部に設けられ、上部の両側が前記第1及び第2支持台110、120とそれぞれリンク結合される下部フレーム200と;を備え、前記下部フレーム200が運搬機具10と結合されることにより、前記運搬機具10が揺動するとき、前記積載フレーム100は水平を保つことができるように構成される。前記積載フレーム100の第1及び第2支持台110、120の下部の一側には、第1及び第2支持溝111、121がそれぞれ形成され、前記下部フレーム200は、上部の両側に、2つ以上の第1及び第2結合部210、220がそれぞれ形成され、一側に、第1及び第2連結溝211、221が、前記第1及び第2支持溝111、121と対応するように所定間隔離れてそれぞれ形成され、前記第1支持溝111と第1連結溝211とを結合部材300でそれぞれリンク結合し、前記第2支持溝121と第2連結溝221とを結合部材300でそれぞれリンク結合することを技術的特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る運搬機具の均衡維持装置及びその均衡維持装置を備えた運搬機具によれば、貨物を積載する積載フレームは不均一な地面や水面を移動する時にも水平をそのまま維持することができるので、快適な移動を図り、一側に傾きバランスを失って起こる各種転覆及び沈没事故を防止して安全性を確保することができ、さらに、下部フレームの遊動作用により発生する機械エネルギーを電気エネルギーに変換させて別途に使用することができるので、経済的効率性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図4】本発明の好適な実施例を示す作動状態図である。
【
図6】本発明の好適な実施例を示す使用状態図である。
【
図7】本発明の好適な実施例を示す使用状態図である。
【
図9】本発明の均衡維持装置を運搬機具に適用したことを示す正面図である。
【
図10】本発明の均衡維持装置を運搬機具に適用したことを示す右側面図、左側面図である。
【
図11】本発明の運搬機具に適用された下部フレームを示す正面図である。
【
図12】本発明の運搬機具に適用された下部フレームを示す分解図である。
【
図13】本発明の運搬機具に適用された下部フレームを示す斜視図である。
【
図14】本発明の運搬機具に適用された下部フレームを示す図である。
【
図15】本発明の好適な実施例を示す作動状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、運搬機具10が貨物を積載した後、不均一な地面や海上を移動するとき、積載フレーム100に積載された貨物と搭乗者が揺れることなくそのバランスを保つことができるようにして、貨物が離脱することを防止することができ、積載された貨物の重力の作用点を運搬機具の下部に移動して安全な運行を図り、波の影響による船舶の揺れ現象を利用して動力を発生させる運搬機具の均衡維持装置及びその均衡維持装置を備えた運搬機具を提供する。
【0017】
以下、上記目的を達成するための本発明の好適な構成及び作用について、添付図面の
図1から
図17を参照して詳細に説明する。
【0018】
本発明を詳細に説明する前に、まず、その構成を
図1から
図4を参照して説明すると、本発明は、長手方向に長く形成され、下部の両側に2つ以上の第1及び第2支持台110、120がそれぞれ設けられる積載フレーム100と;前記積載フレーム100の下部に設けられ、上部の両側が前記第1及び第2支持台110、120とそれぞれリンク結合される下部フレーム200と;を備え、前記下部フレーム200が運搬機具10と結合されることにより、前記運搬機具10が揺動するとき、前記積載フレーム100は水平を保てるように構成される。
【0019】
すなわち、前記積載フレーム100の上部に積載される貨物の重量により、前記積載フレーム100の下部にその力が伝達され、これにより前記下部フレーム200だけが移動する一方、前記積載フレーム100は水平を保つので、荷台に積載された貨物の離脱を防止することができ、安全性を確保することができる。
【0020】
前記積載フレーム100は、上部に、さまざまな貨物が積載できるように形成されるが、4側面が上部に突出するようにして積載された貨物が側面から離脱しないように構成することもでき、本発明では、長手方向に長く形成する。
【0021】
また、前記下部フレーム200は、上部の両側に形成された第1及び第2結合部210、220が、前記積載フレーム100の第1及び第2支持台110、120にそれぞれリンク結合されるように構成され、運搬機具10のボディと結合されることにより、運搬機具10の遊動により同時に遊動することになる。
【0022】
つまり、前記下部フレーム200は、運搬機具10と結合されて運搬機具10の遊動により左、右に動けるように構成されるものであり、一方、前記下部フレーム200の上部に設けられ、相互にリンク結合された積載フレーム100は、上部に積載された貨物の重量によりその力を下方に伝達する作用を行い、水平状態を維持し、貨物の離脱を防止することができるように構成されるものである。
【0023】
上述したように構成される本発明の運搬機具の均衡維持装置をさらに詳しく説明すると、
図2、
図3に示すように、本発明は、前記積載フレーム100の第1及び第2支持台110、120の下部の一側には、第1及び第2支持溝111、121がそれぞれ形成され、前記下部フレーム200は、上部の両側に、2つ以上の第1及び第2結合部210、220がそれぞれ形成され、一側に、第1及び第2連結溝211、221が、前記第1及び第2支持溝111、121と対応するように所定間隔離れてそれぞれ形成され、前記第1支持溝111と第1連結溝211とを結合部材300でそれぞれリンク結合し、前記第2支持溝121と第2連結溝221とを結合部材300でそれぞれリンク結合する
【0024】
すなわち、
図4に示すように、前記積載フレーム100の下部の両側と下部フレーム200の上部の両側とがそれぞれ結合部材300でリンク結合され、第1及び第2支持溝111、121を中心として左右に遊動するが、 前記積載フレーム100は、積載フレーム100の上部に積載される貨物の重量により水平を保つことができる。
【0025】
一方、
図5に示すように、前記結合部材300の一側に、前記下部フレーム200の遊動により発生する機械的エネルギーを電気エネルギーに変換する電力変換装置400と、前記電力変換装置400で変換された電気エネルギーを保存するバッテリー部500が連結構成される。前記下部フレーム200の左右遊動により発生する機械的エネルギーを、前記電力変換装置400を介して電気エネルギーに変換させ、前記電力変換装置400と連結された前記バッテリー部500に保存できるようにして、前記バッテリー部500を様々な用途に用いることができる。
【0026】
上記した本発明の運搬機具の均衡維持装置は、様々な運搬機具に適用させて使用することができる。
【0027】
まず、
図6に示すように、海上の輸送機構10として用いられる船舶は、例えば、船舶の船体と連結される下部フレーム200と、船舶の運航時に各種貨物を積載する積載フレーム100と、を備えるが、前記積載フレーム100は、船体と連結せず、船体と連結された下部フレーム200とリンク結合させ、その上側には、様々な貨物を積載する。
【0028】
上記構成によれば、海上の波などの外部要因により船体が揺動すると、船体と結合された下部フレーム200は遊動するが、積載フレーム100は、積載された貨物の重量によって水平を保つことができるので、船体が貨物に起因して一側に傾きバランスを失って沈没してしまうことを防止し、海上での安全性を確保することができるようになる。
【0029】
従来では、船舶のバランスを維持するために船体の両側に浮力を含むバランスの維持装置を設けて使用してきたが、波などの外部要因により船体全体が揺動すると、積載された貨物が一側方向に偏ってバランスを失い、前記貨物の重量に起因して船体が一側方向に完全に傾き沈没する恐れがあるという問題点がある。最近では、海上で運航してきた船が高波などの外部要因によって一方向に傾き、積載された貨物が偏ってバランスを失い、海に沈没してしまった事故があった。このような事故により多数の人命被害が発生したことはもとより、莫大な経済的損失をもたらした。
【0030】
しかしながら、船に本発明のようなバランスの維持装置を設けると、波が打つ海上でも波によって船体だけが動くようにし、貨物が積載された荷台はそのまま水平を保てるようにすることにより、貨物の偏り現象及びこの現象が原因で船体が一側に傾いて沈没してしまうことを防止することができる。
【0031】
また、荷台とともに、人が搭乗する搭乗空間も、貨物を積載する積載フレーム100のような構造を持たせることにより、乗客と貨物が常に水平を保てるようになり、快適さを提供することができる。
【0032】
一方、船舶が他にも地上の運搬機具10として用いられる車両を例として説明すると、
図7に示すように、通常の1トントラックなどの荷台の下部に位置するが、下部フレーム200は車体に連結結合し、積載フレーム100はトラックの荷台と結合させる。
【0033】
このとき、運搬機具10の上側に結合された荷台には、各種貨物が積載されてその重量荷重がそのまま積載フレーム100に伝達され、車両が走行中に不均一な地面を移動するときに車体は左右に揺動しても荷台は水平を保つことができる。
【0034】
また、図示してはいないが、運搬機具10のうち、移動手段として、簡単な荷物を積載する自転車を例として挙げると、通常、自転車は、運転者が直接手で握って運転を行うハンドルと、運転者が直接座るサドルと、前記サドルの後方に他人が座ったり荷物を載せたりする荷台と、を有する自転車本体フレームを備え、また、前記自転車本体フレームの下部両側に軸結合される車輪を備える。
【0035】
このような自転車に、本発明の運搬機具の均衡維持装置を適用すると、前記積載フレーム100は、荷台が設けられる自転車の積載空間と別途に連結構成し、前記下部フレーム200は、自転車本体フレームと連結構成する。
【0036】
上記構成によれば、運転者が自転車を運転中に不均一な地面を移動するとき、下部フレーム200だけが左右に移動され、運転者及び積載された荷物は、その重量によって水平を保つことができる。
【0037】
一方、前記積載フレーム100、下部フレーム200、及び前記積載フレーム100と下部フレーム200とにそれぞれリンク結合される結合部材300の構造を変化させて構成することも可能である。
【0038】
図8に示すように、前記構成は、長手方向に長く形成され、下部の両側に2つ以上の第1及び第2支持台110、120がそれぞれ設けられ、前記第1及び第2支持台110、120の一側に突出部112 、122がそれぞれ形成される積載フレーム100と;前記積載フレーム100の下部に設けられ、上部の両側に2つ以上の第1及び第2結合部210、220がそれぞれ形成され、前記第1及び第2結合部210、220の一側には突出部212、222がそれぞれ形成される下部フレーム200と;前記それぞれの突出部112、122と、前記それぞれの突出部212、222にそれぞれ嵌合される溝部320がそれぞれ形成される結合部材300と;を備え、前記運搬機具10が揺動するとき、前記積載フレーム100は水平を保てるように構成することもできる。
【0039】
すなわち、前記積載フレーム100の第1及び第2支持台110、120に、一側方向に突出する突出部112、122をそれぞれ形成し、前記下部フレーム200の第1及び第2結合部 210、220に、一側方向に突出する突出部212、222をそれぞれ形成し、結合部材300には、前記突出部112、122、212、222に嵌合される溝部320を形成し、前記結合部材300が、前記突出部112、122、212、222に嵌合される。
【0040】
一方、前記結合部材300が、前記突出部112、122、212、222から抜け出されないように、通常のナットのような構成により締め付けて離脱を防止できるように構成し、前記突出部112、122、212、 222を多数形成するときは、前記結合部材300をも前記突出部112、122、212、222の数に合わせて同様に構成することが望ましい。
【0041】
ここで、上述した如く、本発明による運搬機具の均衡維持装置は、手押し車のような運搬機具に適用することもでき、その構成を
図9から
図17を参照して説明する。
【0042】
まず、
図9から
図11に示すように、前記手押し車のような運搬機具は、上部に設けられる荷台101と、下部の一側に延設される一対の第1支持台110と、下部の他側に延設される第2支持台120と、を有する積載フレーム100と; 前記第1及び第2支持台110、120間に設けられ、相互対応する方向の内側に軸設置される車輪230と、下部の一側の両側にそれぞれ延設される第1結合部210と、下部の他側に延設される第2結合部220と、を有し、前記第1支持台110及び第2支持台120の一側とそれぞれリンク結合される、下部フレーム200と;を備える。
【0043】
前記積載フレーム100の場合、上部に備えられる荷台101が固定されるように、上部の両側が、前記荷台101の外側の一部を外囲できるように上向きに曲がっており、一側の端部には、ユーザーが直接つかむことができるハンドルバーを備える。
【0044】
ここで、前記第1支持台110の下部の一側には第1支持溝111が形成され、前記第2支持台120の下部の一側には第2支持溝121が形成され、前記下部フレーム200の両側には、第1及び第2連結溝211、221が、前記第1及び第2支持溝111、121と対応され、上向きに所定間隔離れてそれぞれ形成され、前記一対の第1支持溝111と第1連結溝211とを結合部材300でそれぞれリンク結合し、前記第2支持溝121と第2連結溝221とを結合部材300でそれぞれリンク結合する。
【0045】
すなわち、
図11、
図12、または
図15に示すように、前記結合部材300が遊動することができる構造でリンク結合されることにより、車輪230が不均一な地面を移動する時には、自然に一側または他側に向かって前記第1及び第2支持溝111、121を中心として同じ方向に遊動することになり、衝撃が前記積載フレーム100及び上側に備えられた荷台101に伝達されないようにして、水平(均衡)を維持することができる。
【0046】
また、
図13に示すように、下部フレーム200は、一対の第1支持台110と、1つの第2支持台120と、を備えるが、
図16では、 前記第2支持台120をも一対に形成し、前記第2支持台120とリンク結合される下部フレーム200の後方に設けられる第2連結溝221をもそれぞれ一対に形成する。
【0047】
一方、
図14に示すように、下部フレーム200と積載フレーム100の一側には、前記荷台101に貨物が積載されるとき、さらに強固なバランスを保てるようにする連結部材130を斜め方向に多数個構成して使用することができる。
【0048】
また、
図9に示すように、前記積載フレーム100の一側には、前記車輪230の軸とチェーンまたはベルトにて連結される駆動モータ600が設けられ、前記積載フレーム100の他側には、前記駆動モータ600に電力を供給するバッテリー部700が前記駆動モータ600から所定間隔離れて設けられ、前記積載フレーム100の上部の一側に、前記駆動モータ600を制御する制御部800が設けられることにより、使い勝手が良くなる。
【0049】
また、積載フレーム100と下部フレーム200の結合構造を変化させて構成することも可能である。
【0050】
図9または
図17に示すように、前記構成は、上部に設けられる荷台101と、下部前方に延設される一対の第1支持台110と、下部後方に延設される第2支持台120と、を有し、前記第1及び第2支持台110、120の一側には多数の突出部112、122がそれぞれ形成される、積載フレーム100と;前記第1及び第2支持台110、120間に設けられ、相互対応する方向の内側に軸設置される車輪230と、下部の両側に、前記第1支持台110及び第2支持台120の斜め方向の一側にそれぞれ突設される突出部212、222と、前記第1及び第2支持台110、120の突出部112、122と前記突出部212、222とに嵌合される結合部材300と、を有する下部フレーム200と;を備える。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明に係る運搬機具の均衡維持装置は、貨物を積載する積載フレーム100は、不均一な地面や水面を移動する時にも水平をそのまま維持することができてので、快適な移動を図り、一側に傾きバランスを失って起こる様々な転倒及び沈没事故を防止して安全性を確保することができ、さらに、下部フレーム200の遊動作用により発生する機械エネルギーを電気エネルギーに変換させて別途に使用することができるので、経済的効率性を高めることができる有用な発明である。
【符号の説明】
【0052】
10 運搬機具
100 積載フレーム
101 荷台
110 第1支持台
111 第1支持溝
112 突出部
120 第2支持台
121 第2支持溝
122 突出部
130 連結部材
200 下部フレーム
210 第1結合部
211 第1連結溝
212 突出部
220 第2結合部
221 第2連結溝
222 突出部
300 結合部材
320 溝部
400 電力変換装置
500 バッテリー部
600 駆動モータ
700 バッテリー部
800 制御部
g 地面