特許第6467948号(P6467948)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6467948
(24)【登録日】2019年1月25日
(45)【発行日】2019年2月13日
(54)【発明の名称】シール構造
(51)【国際特許分類】
   F16J 15/10 20060101AFI20190204BHJP
   F16J 15/40 20060101ALI20190204BHJP
   F16L 23/02 20060101ALI20190204BHJP
【FI】
   F16J15/10 L
   F16J15/10 W
   F16J15/40 Z
   F16L23/02 D
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-14513(P2015-14513)
(22)【出願日】2015年1月28日
(65)【公開番号】特開2016-138616(P2016-138616A)
(43)【公開日】2016年8月4日
【審査請求日】2017年10月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000175272
【氏名又は名称】三浦工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】安井 賢志
【審査官】 杉山 悟史
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭52−121156(JP,A)
【文献】 特開2010−123566(JP,A)
【文献】 特開2014−181763(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16J 15/00 − 15/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が流通する第1流路部を形成する第1流路形成部と、前記第1流路形成部の周囲から前記第1流路形成部の外方へ環状に突出する第1突出部と、を備える第1流路形成部材と、
前記第1流路部に連通して流体が流通する第2流路部を形成する第2流路形成部と、前記第2流路形成部の周囲から前記第2流路形成部の外方へ環状に突出し、前記第1突出部と対向して配置される第2突出部と、を備える第2流路形成部材と、
前記第1突出部と、前記第2突出部とに跨るように配置され、流動性を有する状態で前記第1突出部と前記第2突出部との間をシールする流動性シール部材と、を備え、
前記第1突出部の、前記第2突出部に対向する第1突出部対向面には、溝が形成され、
前記第1突出部に対向する前記第2突出部の第2突出部対向面には、前記溝に挿入される溝挿入部が存在し、
前記流動性シール部材は、前記溝の内部から前記第1突出部対向面と前記第2突出部対向面とが対向している位置に至るまで、連続して設けられているシール構造。
【請求項2】
前記第1突出部対向面及び前記第2突出部対向面は、平坦面により構成されている請求項1に記載のシール構造。
【請求項3】
前記溝は、前記第1流路形成部の周方向に延びる請求項1又は請求項2に記載のシール構造。
【請求項4】
前記第2突出部対向面からの前記溝挿入部の突出高さは、前記溝の深さよりも低い請求項1〜請求項3のいずれかに記載のシール構造。
【請求項5】
前記流動性シール部材はガラスシールにより構成されている請求項1〜請求項4のいずれかに記載のシール構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管部材の端部のフランジ部間をシールするシール構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、気体等が流通する管部材の端部には、フランジ部が設けられている。一の管部材の端部のフランジ部と、他の管部材の端部のフランジ部とは、互いに対向する位置関係とされ、互いに当接し合う状態でボルト等により接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−181763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
互いに当接し合うフランジ部とフランジ部との間には、シール部材が配置される。これにより、管部材を流通する気体等が、これらのフランジ部同士が対向し合う、一の管部材と他の管部材との接続部分から、流出することを防止しようとする。
【0005】
一方、シール部材としては、流動性を有するものがある。しかし、このように流動性を有するシール部材を、従来のフランジ部間のシールに用いる場合には、互いに対向し合うフランジ部の対向面同士を、高い精度で平行に維持する必要がある。互いに対向し合うフランジ部の対向面同士の平行の位置関係が維持できないと、シール部材が互いに対向し合うフランジ部の対向面から流出してしまい、高いシール性を維持することは困難である。
【0006】
本発明は、互いに対向し合うフランジ部の対向面同士が平行の位置関係に維持されていなくても、高いシール性を維持することが可能なシール構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、流体が流通する第1流路部を形成する第1流路形成部と、前記第1流路形成部の周囲から前記第1流路形成部の外方へ環状に突出する第1突出部と、を備える第1流路形成部材と、前記第1流路部に連通して流体が流通する第2流路部を形成する第2流路形成部と、前記第2流路形成部の周囲から前記第2流路形成部の外方へ環状に突出し、前記第1突出部と対向して配置される第2突出部と、を備える第2流路形成部材と、前記第1突出部と、前記第2突出部とに跨るように配置され、流動性を有する状態で前記第1突出部と前記第2突出部との間をシールする流動性シール部材と、を備え、前記第1突出部の、前記第2突出部に対向する第1突出部対向面には、溝が形成され、前記第1突出部に対向する前記第2突出部の第2突出部対向面には、前記溝に挿入される溝挿入部が存在し、前記流動性シール部材は、前記溝の内部から前記第1突出部対向面と前記第2突出部対向面とが対向している位置に至るまで、連続して設けられているシール構造に関する。
【0008】
また、前記第1突出部対向面及び前記第2突出部対向面は、平坦面により構成されていることが好ましい。また、前記溝は、前記第1流路形成部の周方向に延びることが好ましい。また、前記第2突出部対向面からの前記溝挿入部の突出高さは、前記溝の深さよりも低いことが好ましい。また、前記流動性シール部材はガラスシールにより構成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、互いに対向し合うフランジ部の対向面同士が平行の位置関係に維持されていなくても、高いシール性を維持することが可能なシール構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態のシール構造1を示す側面図である。
図2】本発明の第1実施形態のシール構造1の第1突出部12を示す正面図である。
図3】本発明の第1実施形態のシール構造1の第2突出部32を示す正面図である。
図4図2のA−A線に沿った断面図である。
図5図3のB−B線に沿った断面図である。
図6】本発明の第1実施形態のシール構造1を示す断面図である。
図7】本発明の第2実施形態のシール構造の第1突出部12Aを示す正面図である。
図8】本発明の第3実施形態のシール構造の第1突出部12Bを示す正面図である。
図9】本発明の第4実施形態のシール構造の内溝122C、外溝123C、内溝挿入部322C、及び、外溝挿入部323Cを示す拡大断面図である。
図10】本発明の第5実施形態のシール構造の内溝122D、外溝123D、内溝挿入部322D、及び、外溝挿入部323Dを示す拡大断面図である。
図11】本発明の第6実施形態のシール構造の内溝122C、外溝123C、内溝挿入部322E、及び、外溝挿入部323Eを示す拡大断面図である。
図12】本発明の第7実施形態のシール構造の第1突出部12Fを示す正面図である。
図13図12のC−C線に沿った断面図である。
図14】本発明の第7実施形態のシール構造の第2突出部32Fを示す正面図である。
図15図14のD−D線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施形態>
以下、本発明のシール構造について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態のシール構造1を示す側面図である。図2は、本発明の第1実施形態のシール構造1の第1突出部12を示す正面図である。図3は、本発明の第1実施形態のシール構造1の第2突出部32を示す正面図である。図4は、図2のA−A線に沿った断面図である。図5は、図3のB−B線に沿った断面図である。図6は、本発明の第1実施形態のシール構造1を示す断面図である。
【0012】
図1に示すように、本実施形態のシール構造1は、第1流路形成部材10と、第2流路形成部材30と、流動性シール部材50と、を備えている。
第1流路形成部材10は、第1流路形成部11と、第1突出部12と、を備えている。
第1流路形成部11は、気体や液体等の流体が流通する第1流路部111(図2参照)を形成する。具体的には、第1流路形成部11は、円筒状を有している。第1突出部12は、第1流路形成部11の一端の周囲から第1流路形成部11の外方へ環状に突出するフランジ状を有している。第1突出部12の端面は、後述する第2突出部32に対向する第1突出部対向面121を構成し、平坦面により構成されている。図2に示すように、第1突出部対向面121に直交する方向視では、第1突出部12は、円形を有している。また、第1突出部対向面121に直交する方向視では、第1流路部111は、第1突出部12よりも直径が小さく、第1突出部12と同軸的な位置関係を有する円形を有している。
【0013】
第1突出部対向面121には、図2に示すように、内溝122と、外溝123とが形成されている。
内溝122は、第1流路部111の周方向に延び、且つ、第1流路部111と同軸的な位置関係を有する円形の環状を有している。図2に示すように、内溝122の内径及び外径は、第1流路部111の直径よりも大きく、第1突出部12の直径よりも小さい。第1流路部111の軸心を含む平面で切った内溝122の断面は、図4に示すように、矩形を有している。
外溝123は、第1流路部111の周方向に延び、且つ、第1流路部111と同軸的な位置関係を有する円形の環状を有している。図2に示すように、外溝123の内径及び外径は、内溝122の外径よりも大きく、第1突出部12の直径よりも小さい。第1流路部111の軸心を含む平面で切った外溝123の断面は、図4に示すように、矩形を有している。
【0014】
また、第1突出部12は、貫通孔124を有している。貫通孔124は、図2に示すように、外溝123よりも第1突出部12の半径方向外方の位置に、且つ、第1突出部12の周方向に等間隔を空けて4つ形成されている。貫通孔124には、ボルト61が貫通される。
【0015】
図1に示すように、第2流路形成部材30は、第2流路形成部31と、第2突出部32と、を備えている。
第2流路形成部31は、気体や液体等の流体が流通する第2流路部311(図3参照)を形成する。具体的には、第2流路形成部31は、円筒状を有している。第2突出部32は、第2流路形成部31の一端の周囲から第2流路形成部31の外方へ環状に突出するフランジ状を有している。第2突出部32の端面は、第1突出部12に対向する第2突出部対向面321を構成し、平坦面により構成されている。図3に示すように、第2突出部対向面321に直交する方向視では、第2突出部32は、円形を有している。また、第2突出部対向面321に直交する方向視では、第2流路部311は、第2突出部32よりも直径が小さく、第2突出部32と同軸的な位置関係を有する円形を有している。
【0016】
第2突出部対向面321には、図3に示すように、内溝挿入部322と、外溝挿入部323とが形成されている。
内溝挿入部322は、第2突出部対向面321から突出している。内溝挿入部322は、第2流路形成部31の第2流路部311の周方向に延び、且つ、第2流路部311と同軸的な位置関係を有する円形の環状を有している。図3に示すように、内溝挿入部322の内径及び外径は、第2流路部311の直径よりも大きく、第2突出部32の直径よりも小さい。第2流路部311の軸心を含む平面で切った内溝挿入部322の断面は、図5に示すように、内溝122よりも小さい矩形を有している。従って、第2突出部対向面321からの内溝挿入部322の突出高さYは、内溝122の深さXよりも低い。図1に示すように、第1突出部12と、第2突出部32とが接続されたときには、図6に示すように、内溝挿入部322は内溝122に挿入されるように構成されている。
【0017】
外溝挿入部323は、第2流路形成部31の第2流路部311の周方向に延び、且つ、第2流路部311と同軸的な位置関係を有する円形の環状を有している。図3に示すように、外溝挿入部323の内径及び外径は、内溝挿入部322の外径よりも大きく、第2突出部32の直径よりも小さい。第2流路部311の軸心を含む平面で切った外溝挿入部323の断面は、図5に示すように、外溝123よりも小さい矩形を有している。従って、第2突出部対向面321からの外溝挿入部323の突出高さYは、外溝123の深さXよりも低い。図1に示すように、第1突出部12と、第2突出部32とが接続されたときには、図6に示すように、外溝挿入部323は外溝123に挿入されるように構成されている。
【0018】
また、第2突出部32は、図3に示すように、貫通孔324を有している。貫通孔324は、外溝挿入部323よりも第2突出部32の半径方向外方の位置に、且つ、第2突出部32の周方向に等間隔を空けて4つ形成されている。第1突出部12の貫通孔124及び第2突出部32の貫通孔324を貫通するようにして、ボルト61(図1)が貫通されることにより、第1突出部12は、流動性シール部材50を介して第2突出部32に固定される。
【0019】
流動性シール部材50は、例えば、常温では流動性を有しておらず、800℃程度の高温下で、流動性を有する材料により構成されている。流動性を有する状態とは、例えば、ゲル状のように、所定の形状を有していない状態を意味し、ゴムのように、外部から力が作用していないときには所定の形状を有していることを意味していない。
流動性シール部材50としては、例えば、ろう材等を用いることができる。本実施形態では、流動性シール部材50としてガラスシールが用いられる。具体的には、ガラスシールは、常温ではガラスの粉末の状態を有している。昇温してガラス転移点を超えると、流動性を有する。このように、流動性を有する温度下で、流動性シール部材50の流動性が維持されて、流動性シール部材50は使用される。
【0020】
流動性シール部材50は、図6に示すように、第1突出部対向面121と第2突出部対向面321とに跨がるように配置される。より具体的には、流動性シール部材50は、第1突出部対向面121と第2突出部対向面321との間において、内溝122の一部と、外溝123の一部と、内溝122と外溝123との間における第1突出部対向面121の部分と、に配置されている。この結果、第1流路部111及び第2流路部311を流通する流体が、第1流路部111及び第2流路部311の外部へ流出しないように、流動性シール部材50は、第1突出部12と第2突出部32との間をシールする。
【0021】
第1実施形態のシール構造1によれば、例えば、以下の効果が奏される。
上述のように、本実施形態のシール構造1は、第1流路形成部材10と、第2流路形成部材30と、流動性シール部材50とを備える。第1流路形成部材10は、流体が流通する第1流路部111を形成する第1流路形成部11と、第1流路形成部11の周囲から第1流路形成部11の外方へ環状に突出する第1突出部12と、を備える。第2流路形成部材30は、第1流路部111に連通して流体が流通する第2流路部311を形成する第2流路形成部31と、第2流路形成部31の周囲から第2流路形成部31の外方へ環状に突出し、第1突出部12と対向して配置される第2突出部32と、を備える。流動性シール部材50は、第1突出部12と、第2突出部32とに跨るように配置され、流動性を有する状態で第1突出部12と第2突出部32との間をシールする。第1突出部12の、第2突出部32に対向する第1突出部対向面121には、内溝122、外溝123が形成される。第1突出部12に対向する第2突出部32の第2突出部対向面321には、内溝122、外溝123に挿入される内溝挿入部322、外溝挿入部323が存在する。
【0022】
そのため、流動性シール部材50を内溝122の一部、外溝123の一部に溜まった状態とし、且つ、内溝122、外溝123に溜まった流動性シール部材50に内溝挿入部322、外溝挿入部323を接触させた状態として、内溝122と内溝挿入部322との間、及び、外溝123と外溝挿入部323との間に、流動性シール部材50を行き渡らせることができるとともに、内溝122と外溝123との間の、第1突出部対向面121と第2突出部対向面321との間の部分に、充分の量の流動性シール部材50を行き渡らせることができ、このように行き渡った状態を維持することを容易とすることができる。
【0023】
また、第1突出部対向面121及び第2突出部対向面321は、平坦面により構成されている。平坦面においては、流動性シール部材50は流れ易いが、内溝122、外溝123には、流動性シール部材50が溜まり易く、流動性シール部材50が第1突出部対向面121と第2突出部対向面321との間から流出することを抑制することができる。
【0024】
また、内溝122及び外溝123は、第1流路形成部11の周方向に延びている。そのため、第1流路部111の周囲において、流動性シール部材50によるシール効果を得ることを可能とすることができる。
【0025】
また、第2突出部対向面321からの内溝挿入部322の突出高さY、外溝挿入部323の突出高さYは、内溝122の深さX、外溝123の深さXよりも低い。そのため、内溝挿入部322、外溝挿入部323の突出端が内溝122の底、外溝123の底に当接することを防止することができる。この結果、内溝122内及び外溝123内における流動性シール部材50の流動性を阻害しにくくすることができる。
【0026】
また、流動性シール部材50はガラスシールにより構成されている。そのため、所定の高温において、充分なシール効果を発揮することができ、例えば、燃料電池のインターコネクタとして利用することも可能である。
【0027】
<第2実施形態>
次に、図7により、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態においては、内溝122A及び外溝123Aの形状が、第1実施形態の内溝122及び外溝123の形状とは異なる。同様に、第2実施形態においては、内溝挿入部及び外溝挿入部(図示せず)の形状が、第1実施形態の内溝挿入部322及び外溝挿入部323の形状とは異なる。また、第2実施形態においては、貫通孔周囲溝126Aが形成され、これに貫通孔周囲溝挿入部(図示せず)が挿入される点で、第1実施形態とは異なる。これ以外の点においては、第2実施形態は第1実施形態と同一であるため、第1実施形態のシール構造1と同様の構成については、同一の符号を用いて、詳細な説明を省略する。図7は、本発明の第2実施形態のシール構造の第1突出部12Aを示す正面図である。
【0028】
図7に示すように、第1突出部12Aの第1突出部対向面121Aにおいて、ボルト61(図1参照)を貫通させるための貫通孔124の周囲には、貫通孔周囲溝126Aが形成されている。貫通孔周囲溝126Aは、貫通孔124と同軸的な位置関係で、貫通孔124の周囲に円形の環状に形成されている。流動性シール部材50は、第1実施形態と同様に、内溝122Aの一部と、外溝123Aの一部と、内溝122Aと外溝123Aとの間における第1突出部対向面121Aの部分と、に配置されているが、貫通孔周囲溝126Aよりも貫通孔124の半径方向内方(貫通孔124も含む)には、流動性シール部材50は配置されていない。
【0029】
また、外溝123Aは、図7に示すように、貫通孔124よりも第1突出部12Aの半径方向外方に位置している。貫通孔124の近傍において、外溝123Aは、貫通孔124の周縁に沿うように、貫通孔124と同軸的に弧状に、第1突出部12Aの半径方向外方へ突出するように湾曲している。同様に、内溝122Aは、貫通孔124の近傍において、貫通孔124の周縁に沿うように、貫通孔124と同軸的に弧状に、第1突出部12Aの半径方向内方へ突出するように湾曲している。
【0030】
また、第2突出部(図示せず)においては、上述のような内溝122A、外溝123A、及び、貫通孔周囲溝126Aのそれぞれの全体にわたって挿入される内溝挿入部、外溝挿入部、及び、貫通孔周囲溝挿入部(図示せず)が、第2突出部対向面(図示せず)から突出している。
内溝122A、外溝123A、貫通孔周囲溝126Aへの、内溝挿入部、外溝挿入部、及び、貫通孔周囲溝挿入部(図示せず)の挿入状態は、第1実施形態と同様である。即ち、図6に示す第1実施形態と同様に、内溝122A、外溝123A、及び、貫通孔周囲溝126Aの側壁及び底部に当接しない位置関係で、内溝挿入部、外溝挿入部、及び、貫通孔周囲溝挿入部は、内溝122A、外溝123A、及び、貫通孔周囲溝126Aに挿入される。
【0031】
<第3実施形態>
次に、図8により、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態においては、内溝122B及び外溝123Bの形状が、第1実施形態の内溝122及び外溝123の形状とは異なる。同様に、第3実施形態においては、内溝挿入部及び外溝挿入部(図示せず)の形状が、第1実施形態の内溝挿入部322及び外溝挿入部323の形状とは異なる。また、第3実施形態においては、内溝間連通用内溝126B、外溝間連通用外溝127Bが形成され、これらに外溝間連通用内溝挿入部、及び、外溝間連通用外溝挿入部(図示せず)が挿入される点で、第1実施形態とは異なる。これ以外の点においては、第3実施形態は第1実施形態と同一であるため、第1実施形態のシール構造1と同様の構成については、同一の符号を用いて、詳細な説明を省略する。図8は、本発明の第3実施形態のシール構造の第1突出部12Bを示す正面図である。
【0032】
図8に示すように、第1突出部12Bの第1突出部対向面121Bにおいて、ボルト61(図1参照)を貫通させるための貫通孔124の周囲には、内溝122B及び外溝123Bが形成されている。内溝122B及び外溝123Bは、貫通孔124と同軸的な位置関係で、貫通孔124の周囲に弧形状を有して形成されており、貫通孔124の半径方向において、外溝123Bは、内溝122Bの外側に配置されている。
【0033】
また、第1突出部12Bの第1突出部対向面121Bには、内溝間連通用内溝126B、外溝間連通用外溝127Bが形成されている。内溝間連通用内溝126Bは、隣接する貫通孔124の周囲にそれぞれ形成された内溝122B同士を連通するように、内溝122Bに接続されている。外溝間連通用外溝127Bは、隣接する貫通孔124の周囲にそれぞれ形成された外溝123B同士を連通するように、外溝123Bに接続されている。内溝間連通用内溝126B及び外溝間連通用外溝127Bは、第1流路部111と同軸的な位置関係の弧形状を有している。内溝間連通用内溝126Bの外側に外溝間連通用外溝127Bは、配置されている。
【0034】
第2突出部(図示せず)においては、上述のような内溝122B、外溝123B、内溝間連通用内溝126B、及び、外溝間連通用外溝127Bのそれぞれの全体にわたって挿入される内溝挿入部、外溝挿入部、内溝間連通用内溝挿入部、及び、外溝間連通用外溝挿入部(図示せず)が、第2突出部対向面(図示せず)から突出している。
内溝122B、外溝123B、内溝間連通用内溝126B、及び、外溝間連通用外溝127Bへの、内溝挿入部、外溝挿入部、内溝間連通用内溝挿入部、及び、外溝間連通用外溝挿入部(図示せず)の挿入状態は、第1実施形態と同様である。即ち、図6に示す第1実施形態と同様に、内溝122B、外溝123B、内溝間連通用内溝126B、及び、外溝間連通用外溝127Bの側壁及び底部に当接しない位置関係で、内溝挿入部、外溝挿入部、内溝間連通用内溝挿入部、及び、外溝間連通用外溝挿入部は、内溝122B、外溝123B、内溝間連通用内溝126B、及び、外溝間連通用外溝127Bに挿入される。
【0035】
<第4実施形態>
次に、図9により、本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態においては、内溝122C、外溝123C、内溝挿入部322C、及び、外溝挿入部323Cの断面形状は、第1実施形態の内溝122、外溝123、内溝挿入部322、及び、外溝挿入部323の断面形状とは異なる。これ以外の点においては、第4実施形態は第1実施形態と同一であるため、第1実施形態のシール構造1と同様の構成については、同一の符号を用いて、詳細な説明を省略する。図9は、本発明の第4実施形態のシール構造の内溝122C、外溝123C、内溝挿入部322C、及び、外溝挿入部323Cを示す拡大断面図である。
【0036】
図9に示すように、第1流路部111(図2等参照)の軸心を含む平面で切った内溝122C、外溝123Cの断面は、曲面で形成された山型を有している。第1流路部111の軸心を含む平面で切った内溝挿入部322C、外溝挿入部323Cの断面は、内溝122C、外溝123Cの断面よりも小さな、曲面で形成された山型を有している。
【0037】
<第5実施形態>
次に、図10により、本発明の第5実施形態について説明する。第5実施形態においては、内溝122D、外溝123D、内溝挿入部322D、及び、外溝挿入部323Dの断面形状は、第1実施形態の内溝122、外溝123、内溝挿入部322、及び、外溝挿入部323の断面形状とは異なる。これ以外の点においては、第5実施形態は第1実施形態と同一であるため、第1実施形態のシール構造1と同様の構成については、同一の符号を用いて、詳細な説明を省略する。図10は、本発明の第5実施形態のシール構造の内溝122D、外溝123D、内溝挿入部322D、及び、外溝挿入部323Dを示す拡大断面図である。
【0038】
図10に示すように、第1流路部111(図2等参照)の軸心を含む平面で切った内溝122D、外溝123Dの断面は、三角形状を有している。第1流路部111の軸心を含む平面で切った内溝挿入部322D、外溝挿入部323Dの断面は、内溝122D、外溝123Dの断面よりも小さな三角形状を有している。
【0039】
<第6実施形態>
次に、図11により、本発明の第6実施形態について説明する。第6実施形態においては、内溝挿入部322E、及び、外溝挿入部323Eの断面形状が、第4実施形態の内溝挿入部322C、及び、外溝挿入部323Cの断面形状とは異なる。これ以外の点においては、第6実施形態は第4実施形態と同一であるため、第4実施形態のシール構造と同様の構成については、同一の符号を用いて、詳細な説明を省略する。図11は、本発明の第6実施形態のシール構造の内溝122C、外溝123C、内溝挿入部322E、及び、外溝挿入部323Eを示す拡大断面図である。
【0040】
図11に示すように、第1流路部111(図2等参照)の軸心を含む平面で切った内溝挿入部322E、外溝挿入部323Eの断面は、矩形を有している。図11に示す断面における内溝挿入部322E、外溝挿入部323Eにおける高さは、内溝122C、外溝123Cの深さの3分の1程度の高さを有する
【0041】
<第7実施形態>
次に、図12図15により、本発明の第7実施形態について説明する。第7実施形態においては、内溝122F及び外溝123Fの形状が、第1実施形態の内溝122及び外溝123の形状とは異なる。同様に、第7実施形態においては、内溝挿入部322F及び外溝挿入部323Fの形状が、第1実施形態の内溝挿入部322及び外溝挿入部323の形状とは異なる。これ以外の点においては、第7実施形態は第1実施形態と同一であるため、第1実施形態のシール構造1と同様の構成については、同一の符号を用いて、詳細な説明を省略する。
図12は、本発明の第7実施形態のシール構造の第1突出部12Fを示す正面図である。図13は、図12のC−C線に沿った断面図である。図14は、本発明の第7実施形態のシール構造の第2突出部32Fを示す正面図である。図15は、図14のD−D線に沿った断面図である。
【0042】
図12に示すように、第1突出部12Fの第1突出部対向面121Fにおいて、第1流路部111の周囲には、第1流路部111と同軸的な位置関係で内溝122F及び外溝123Fが形成されている。内溝122F及び外溝123Fは、第1流路部111の周囲に円形の環状に形成されており、第1突出部12Fの半径方向において、外溝123Fは、内溝122Fの外側に配置されている。第1流路部111の軸心を含む平面で切った内溝122F、外溝123Fの断面は、図13に示すように、矩形を有している。本実施形態においては、貫通孔124は形成されていない。このため、第1突出部12Fと第2突出部32Fとは、例えば、略クリップ形状を有する接合金具等により固定される。
【0043】
また、図14に示すように、第2突出部32Fの第2突出部対向面321Fにおいて、第2流路部311の周囲には、第2流路部311と同軸的な位置関係で内溝挿入部322F及び外溝挿入部323Fが形成されている。内溝挿入部322F及び外溝挿入部323Fは、第2流路部311の周囲に円形の環状に形成されている。第2突出部32Fの半径方向において、外溝挿入部323Fは、内溝挿入部322Fの外側に配置されている。第2流路部311の軸心を含む平面で切った内溝挿入部322F、外溝挿入部323Fの断面は、図15に示すように、内溝122F、外溝123Fの断面よりも小さい矩形を有している。貫通孔324は、図14に示すように、第2突出部32Fの半径方向において、内溝挿入部322Fと外溝挿入部323Fとの間に位置している。
【0044】
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。例えば、流動性シール部材が配置される位置は、本実施形態における流動性シール部材50が配置される位置に限定されない。第1流路部111の中や貫通孔124の中、第1突出部12の外側に流動性シール部材50が流動してしまうことがないような位置に、流動性部材は配置されていればよい。
また、シール構造の各部の構成は、本実施形態におけるシール構造の各部の構成に限定されない。例えば、内溝、外溝、内溝挿入部、及び、外溝挿入部の数や形状等は、本実施形態における内溝、外溝、内溝挿入部、及び、外溝挿入部の数や形状等に限定されない。
【符号の説明】
【0045】
1 シール構造
10 第1流路形成部材
11 第1流路形成部
12 第1突出部
30 第2流路形成部材
31 第2流路形成部
32 第2突出部
50 流動性シール部材
111 第1流路部
121 第1突出部対向面
122、122A、122B、122F 内溝
123、123A、123B、123F 外溝
311 第2流路部
321 第2突出部対向面
322、322F 内溝挿入部
323、323F 外溝挿入部
X 深さ
Y 突出高さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15